JP2007121409A - 電子写真用転写紙、及びこれを用いた画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】全層の破断時伸びに対する破断時伸びの表裏差の比率が、MD方向及びCD方向のいずれにおいても、−10〜10%の範囲であることを特徴とする電子写真用転写紙、及び該電子写真用転写紙を用いた電子写真記録方式の画像記録方法。
【選択図】なし
Description
しかしながら、電子写真方式の熱定着部では、用紙が加熱部と加圧部との間にはさまれてトナーを定着する方法が最も多く見られる形態であり、加熱部と加圧部とで温度が異なるため、表裏の伸縮挙動は異なり、用紙の熱定着後のカールを低減するのは難しいと思われる。また、開封時含水率を低くする方法では、開封後放置された環境において用紙が吸湿してしまうため熱定着後カールの低減に対する寄与が少なくなってしまう。更に、電子写真方式の熱定着部では、しわの発生を抑制するために大きな張力をかけており、単純な水分の出入りによる変形だけではないため、抄紙段階での調整だけに頼っては、カールの低減は難しい。
すなわち、上述した従来技術では、用紙の熱定着後のカールを十分に低減することはできず、その結果、両面印刷適正が低いという問題を有していた。
すなわち、本発明の目的は、電子写真方式におけるトナー像の熱定着後のカールを低減することが可能で、両面印刷適性が高い電子写真用転写紙、及びそれを用いた画像記録方法を提供することにある。
すなわち、電子写真用転写紙における外力に対する寸法変化に着目し、MD方向及びCD方向のいずれにおいても、全層の破断時伸びに対する破断時伸びの表裏差の比率を制御することで、上記の目的を達成しうることを見出し、下記の本発明を完成させた。
<1> 全層の破断時伸びに対する破断時伸びの表裏差の比率が、MD方向及びCD方向のいずれにおいても、−10〜10%の範囲であることを特徴とする電子写真用転写紙である。
前記記録用紙が<1>乃至<6>のいずれか一項に記載の電子写真用転写紙であることを特徴とする画像記録方法である。
本発明の電子写真用転写紙(以下、適宜、単に「用紙」と称する場合がある。)は、全層の破断時伸びに対する破断時伸びの表裏差の比率が、MD方向及びCD方向のいずれにおいても、−10〜10%の範囲であることを特徴とする。
通常、用紙に対して荷重をかけて引っ張ると、荷重が極小さい領域では直線的に歪が増大するが、荷重が大きい領域では次第に直線から外れて破断する。荷重が大きい領域のある一点から徐重していくと、歪のうち変形が回復する成分と、変形が戻らない成分とが発生する。この変形が戻らない成分が大きいと荷重を除いても歪が残留するため、用紙が伸びる。したがって、破断時伸びが大きい用紙では、定着ロールのニップ内で応力を受けることによって不可逆な伸びが多く生じており、カール量は大きくなると考えられる。
また、用紙の表裏が同時に伸びて同じような寸法変化を生じれば、すなわち、表裏の寸法差が小さければカールは生じない。カールとは、用紙表裏の寸法差によって生じる曲率であるからである。
したがって、本発明の電子写真用転写紙のように、破断時伸びの表裏差が、用紙全体の伸び(全層の破断時伸び)に対して小さいため、カールの発生は小さいものとなる。その結果、本発明の電子写真用転写紙は、電子写真方式におけるトナー像の熱定着後のカールを低減することが可能であり、その結果、両面印刷適性を高めることができる。
ここで、MD方向とは、本発明の電子写真用転写紙を製造する際の抄紙機の流れ方向を意味し、MD方向とは、用紙を製造する際の抄紙機の流れ方向と垂直に交差する方向を意味する。
また、MD方向における破断時伸びの表裏差は−0.09〜0.09mmの範囲であり、かつ、CD方向におけるの破断時伸びの表裏差は−0.9〜0.9mm範囲であることがより好ましい。
更に、MD方向における破断時伸びの表裏差は−0.07〜0.07mmの範囲であり、かつ、CD方向におけるの破断時伸びの表裏差は−0.7〜0.7mm範囲であることが特に好ましい。
そのため、本発明において、全層の破断時伸びとは、電子写真用転写紙全体の破断時伸びを指す。また、破断時伸びの表裏差は、電子写真用転写紙全体を厚さ方向に2分割した紙片の一方を表側層、他方を裏側層とした場合、その表側層の破断時伸びの値から裏側層の破断時伸びの値を引いた値である。
そのため、本発明における「全層の破断時伸びに対する破断時伸びの表裏差の比率」とは、次式で表されるRのことをいう。
R(%)=(表側層破断時伸び−裏側層破断時伸び)÷全層の破断時伸び×100
また、電子写真用転写紙の強度を高めるために、パルプスラリー内に紙力増強剤を添加し、その種類や添加量を調整することで、用紙の表裏の強度を均一化する方法を用いることもできる。
また、このサイズプレス処理は複数回繰り返されることが好ましい。ゲートロール方式のような複数のロールを用いて原紙の表裏を同時に処理する方法においても、表裏反転して複数回処理する方法を用いれば、更に、表裏強度の均一化を図ることが可能となる。
まず、本発明の電子写真用転写紙は、MD方向における全層の破断時伸びが2.0mm以下であることが好ましい。また、MD方向における全層の破断時伸びは、1.7mm以下であることがより好ましく、1.5mm以下であることが更に好ましい。
このように、MD方向における伸びの小さい電子写真用転写紙は、熱定着部で加えられる応力によって発生する不可逆的な伸びが小さくなる。そのため、熱定着後のカールをより低減することができる。
上記のように、MD方向における伸びの小さい、及び/又は、MD方向における強度の高い電子写真用転写紙は、特に、画像形成装置内において、用紙を短手方向に走行させる(Long Edge Feed;以下、LEFと称する)方法を適用した高速印刷に供した場合であっても、熱定着後のカールを効率よく低減することができる。
ここで、本発明における灰分量とは、JIS P 8128(1995)に規定する灰分試験方法に基づいて、測定することができる。
灰分量が10質量%を超えると、灰分を示す無機填料の含有量が過剰になり、紙粉の原因となって、搬送部材や感光体ドラムに付着して用紙の搬送性や画質を損なうことがある。また、無機填料は繊維間に存在して繊維間結合を阻害するため、脱湿や外力に対する寸法変化が大きく影響を受け、無機填料の表裏分布が破断時伸びの表裏差を生じる要因となる場合がある。そのため、上記のように、最表層と最裏層との灰分量の差を小さくすることで、その表裏における灰分の分布を均等にすることが好ましい。
すなわち、表面若しくは裏面から計った厚さが、全層の厚さの30〜50%の厚さになるよう分割する方法である。ここで、電子写真用転写紙を厚み方向に分割する際には、例えば、二本のロールから構成されるシートスプリッターなどを用いることができる。
ここで、最表層及び最裏層とは、用紙の層厚みの30%から50%までを意味する。
すなわち、最表層および最裏層に分割したサンプルをそれぞれ、JIS P 8128に準拠した方法により灰分を算出する。続いて、それぞれの灰分の差を確認する。これにより、最表層と最裏層との灰分量の差を知ることができる。
次に、本発明の電子写真用転写紙に用いられる原紙について説明する。
本発明の電子写真用転写紙に用いられる原紙は、パルプ繊維と填量とを主成分として含むものが好ましい。特に、環境負荷を低減させるという観点から、原紙としては、古紙パルプを30質量%以上含むことが好ましく、70質量%以上含むことがより好ましい。
前記古紙パルプは、オゾン漂白処理又は過酸化水素漂白処理の二つの処理を組み合わせることによって、古紙の脱墨を容易にするだけでなくパルプの白色度もより向上させることができる。また、パルプ中の残留塩素化合物を分解・除去する作用もあるため、塩素漂白されたパルプを使用した古紙の有機ハロゲン化合物含有量低減において多大な効果を得ることができる。
前記填料としては、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、チョーク、カオリン、焼成クレー、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、珪酸アルミニウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成シリカ、水酸化アルミニウム、アルミナ、セリサイト、ホワイトカーボン、サポナイト、ドロマイトカルシウムモンモリロナイト、ソジウムモンモリロナイト、ベントナイト等の無機顔料、及び、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン、キトサン粒子、セルロース粒子、ポリアミノ酸粒子、尿素樹脂等の有機顔料を挙げることができる。
本発明の電子写真用転写紙は、上述の原紙の表面に下記に示すサイズプレス液を塗布してなることが好ましい。
サイズプレス液に用いるバインダーは、コーンスターチ、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉などの未加工澱粉をはじめとして、加工澱粉として酵素変性澱粉、酸化澱粉、燐酸エステル化澱粉、カチオン化澱粉、アセチル化澱粉などを使用することができる。酸化澱粉としては、次亜塩素酸ナトリウムで酸化処理した加工澱粉のみならず、過ヨウ素酸塩で酸化処理したジアルデヒド澱粉や未加工の澱粉をサイズプレス直前に過硫酸塩などの酸化剤で熱化学処理した自家変性澱粉をも含む。原料澱粉としてはコーンスターチ、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、ワキシースターチ、甘藷澱粉など種類を問わない。また、その他にもポリエチレンオキサイド、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸ソーダ、アルギン酸ソーダ、ヒドロキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルアルコール、グアーガム、カゼイン、カードランなどの水溶性高分子及びそれらの誘導体などを単独或いは混合して使用することができるが、これに限定されるものではない。
このような導電剤としては、硫酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸リチウム、メタケイ酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム等の無機電解質;スルホン酸塩、硫酸エステル塩、カルボン酸塩、リン酸塩などのアニオン性界面活性剤;カチオン性界面活性剤、ポリエチレングリコール、グリセリン、ソルビット等の非イオン性界面活性剤及び両性界面活性剤;高分子電解質などの導電剤を使用することができる。
更にサイズ剤と繊維の定着剤とを組み合わせて使用することもできる。この場合には、定着剤として硫酸アルミニウム、カチオン化澱粉等を使用することができる。また、記録用紙の保存性を向上させる観点からは、中性サイズ剤を使用することが好ましい。サイズ度はサイズ剤の添加量によって調整する。
本発明における電子写真方式の画像記録方法は、静電潜像担持体表面を均一に帯電する帯電工程と、該静電潜像担持体表面を露光し静電潜像を形成する露光工程と、前記静電潜像担持体表面に形成された静電潜像を静電荷像現像剤を用いて現像し、トナー画像を形成する現像工程と、前記トナー画像を記録用紙上に転写する転写工程と、前記記録用紙上に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、を含み、前記記録用紙が既述の本発明の電子写真用転写紙であることを特徴とする。
この本発明の電子写真方式の画像記録方法を用いれば、熱定着後のカールを大幅に低減でき、且つ、従来と同様に高画質な画像が得られる。
新聞古紙を離解し、脱墨剤(DI−767:花王(株)製)を添加した後オゾン漂白処理を行い、更にアルカリ処理を行った。その後、熟成処理を行い、フローテーション処理を行って剥離した印刷インキやトナーなどをパルプ系から除去した。最後に洗浄器で十分に洗浄して古紙パルプを調製した。この古紙パルプを70質量部に、広葉樹クラフトパルプをECF多段漂白法にて漂白処理して濾水度450mlになるよう叩解調整したパルプを30質量部配合し、これに対して、ベントナイト填料を3質量部、軽質炭酸カルシウム填料を15質量部、アルキルケテンダイマー(AKD)内添サイズ剤を0.1質量部、更に、内添紙力増強剤として内添用PVA(ゴーセノールP250:日本合成化学工業(株)製)を15質量部配合して紙料を調製した。この紙料を用いて抄紙を行った。抄紙は、配向性抄紙機(熊谷理機工業(株)製)を用いて行った。34g/m2のシートを2枚作成し、その2枚をそれぞれワイヤーに接触していた面(Wire Side側、以下、単に「WS側」と称する。)を合わせるようにして重ね、プレス処理を行った。
実施例1と同様にして抄紙を行い原紙を得た。
続いて、表面サイズ剤として水82質量部、PVA(ポバール124:(株)クラレ製)10質量部、スチレンアクリル系樹脂(ケイコートSA901:近代化学工業(株)製)5質量部、導電剤として硫酸ナトリウム3質量部からなる塗工液を調製して、この原紙に対し、Laboratory Size Press(熊谷理機工業株式会社製)を用いて、1回毎に表裏を反転させながら6回サイズプレスを行い、その後、80℃に加熱した回転型乾燥機に1回毎に表裏を反転させながら6回通して乾燥を行った。これにより、原紙の表面に処理された固形分量が5g/m2であり、坪量が70g/m2の電子写真用転写紙を得た。
実施例1で使用した新聞古紙パルプ100質量部に対して、カオリン填料を2質量部、軽質炭酸カルシウム填料を6質量部、アルケニル無水コハク酸(ASA)内添サイズ剤を0.2質量部配合して紙料を調製した。この紙料を用いて抄紙を行った。抄紙は、配向性抄紙機(熊谷理機工業(株)製)を用いて行った。20g/m2のシートを2枚作成し、その2枚をそれぞれワイヤーに接触していた面(WS側)を合わせるようにして重ね、プレス処理を行った。
続いて、表面サイズ剤として水86質量部、酸化澱粉を2質量部、スチレンマレイン酸アクリル系樹脂(ケイコートSS112:近代化学工業(株)製)2質量部、硫酸ナトリウム2質量部からなる塗工液を調製して、上記のようにして得られた原紙に対して、Laboratory Size Press(熊谷理機工業株式会社製)を用いて、1回毎に表裏を反転させながら4回サイズプレスを行い、その後、50℃に加熱された回転型乾燥機に1回毎に表裏を反転させながら8回通して乾燥を行った。これにより、原紙の表面に処理された固形分量が2.0g/m2であり、坪量が45g/m2の電子写真用転写紙を得た。
実施例1で使用した広葉樹クラフトパルプ100質量部に対して、炭酸カルシウム填料を10質量部、アルケニル無水コハク酸(ASA)内添サイズ剤を0.5質量部配合して紙料を調整した。この紙料を用いて抄紙を行った。配向性抄紙機(熊谷理機工業(株)製)を用いて35g/m2のシートを3枚作成し、最表面と最裏面がそれぞれワイヤーに接触していた面(WS側)になるようにして重ね、プレス処理を行った。
続いて、実施例3で使用した塗工液を、上記で得られた原紙に対して、Laboratory Size Press(熊谷理機工業株式会社製)を用いて、1回毎に表裏を反転させながら6回サイズプレスを行い、その後、50℃に加熱された回転型乾燥機に1回毎に表裏を反転させながら10回通して乾燥を行った。これにより、原紙の表面に処理された固形分量が3.0g/m2であり、坪量が108g/m2の電子写真用転写紙を得た。
新聞古紙を離解し、脱墨剤(DI−767:花王(株)製)を添加した後オゾン漂白処理を行い、更にアルカリ処理を行った。その後、熟成処理を行い、フローテーション処理を行って剥離した印刷インキやトナーなどをパルプ系から除去した。最後に洗浄器で十分に洗浄して古紙パルプを調製した。この古紙パルプを70質量部に、広葉樹クラフトパルプをECF多段漂白法にて漂白処理して濾水度450mlになるよう叩解調整したパルプを30質量部配合し、これに対して、ベントナイト填料を3質量部、軽質炭酸カルシウム填料を15質量部、アルキルケテンダイマー(AKD)内添サイズ剤を0.1質量部、更に内添紙力増強剤として内添用PVA(ゴーセノールP250:日本合成化学工業(株)製)を15質量部配合して紙料を調製した。この紙料を用いて抄紙を行った。抄紙は、配向性抄紙機(熊谷理機工業(株)製)を用いて行った。
実施例5と同様にして抄紙を行い原紙を得た。
続いて、表面サイズ剤として水62質量部、未変性のコーンスターチ10質量部、PVA(ポバール124:(株)クラレ製)20質量部、スチレンアクリル系樹脂(ケイコートSA901:近代化学工業(株)製)5質量部、導電剤として硫酸ナトリウム3質量部からなる塗工液を調製して、得られた原紙に対して、2ロール型のサイズプレス機Laboratory Size Press(熊谷理機工業株式会社製)を使用して線圧20kg/cm、速度75mm/secの条件でサイズプレスを行い、その後、150℃の回転型乾燥機に5回通して乾燥を行った。これにより、原紙の表面に処理された固形分量が5g/m2であり、坪量が70g/m2の電子写真用転写紙を得た。
実施例1で使用した新聞古紙パルプを100質量部に対して、カオリン填料を2質量部、軽質炭酸カルシウム填料を6質量部、アルケニル無水コハク酸(ASA)内添サイズ剤を0.2質量部配合して坪量35g/m2のシートを2枚抄紙した。この2枚のシートをワイヤー側に接触していた面(WS側)同士を合わせてプレス処理を行った。
続いて、表面サイズ剤として水86質量部、酸化澱粉を2質量部、スチレンマレイン酸アクリル系樹脂(ケイコートSS112:近代化学工業(株)製)2質量部、硫酸ナトリウム2質量部からなる塗工液を調製して、上記で得られた原紙に対して、2ロール型のサイズプレス機Laboratory Size Press(熊谷理機工業株式会社製)を使用して線圧15kg/cm、速度10mm/secの条件でサイズプレス処理を行い、その後、150℃の回転型乾燥機に2回通して乾燥を行った。これにより、原紙の表面に処理された固形分量が0.2g/m2であり、坪量が70g/m2の電子写真用転写紙を得た。
実施例1で使用した紙料及び配向性抄紙機を用いて、70g/m2のシートを作成し、その後、プレス処理を行った。
続いて、表面サイズ剤として水83質量部、酸化澱粉を15質量部、導電剤として硫酸ナトリウム2質量部からなる塗工液を調製して、上記の方法で得られた原紙に対して、Laboratory Size Press(熊谷理機工業株式会社製)を用いて、線圧3kg/cm、速度50mm/secの条件で1回サイズプレスを行い、その後、130℃に加熱された回転型乾燥機に1回通して乾燥を行った。これにより、原紙の表面に処理された固形分量が1.5g/m2であり、坪量が70g/m2の電子写真用転写紙を得た。
市販の電子写真用中質再生紙(紀州製紙(株)、再生PPC100:坪量67g/m2)を比較例2の電子写真用転写紙とした。
市販の電子写真用中質再生紙(三菱製紙(株)、Reb100:坪量66g/m2)を比較例3の電子写真用転写紙とした。
実施例5で使用した新聞古紙パルプ100質量部に対して、軽質炭酸カルシウム填料を15質量部、アルケニル無水コハク酸(ASA)内添サイズ剤を0.1質量部配合して紙料を調製した。この紙料を用いて抄紙を行い、その後、プレス処理を行った。抄紙は、配向性抄紙機(熊谷理機工業(株)製)を用いて行った。
続いて、表面サイズ剤として水85質量部、酸化澱粉10質量部、硫酸ナトリウム5質量部からなる塗工液を調製して、上記のようにして得られた原紙に対して、2ロール型のサイズプレス機Laboratory Size Press(熊谷理機工業株式会社製)を使用して、線圧4kg/cm、速度150mm/secの条件でサイズプレスを行い、その後、100℃の回転型乾燥機に1回通して乾燥を行った。これにより、原紙の表面に処理された固形分量が1.5g/m2であり、坪量が70g/m2の電子写真用転写紙を得た。
実施例5で使用した新聞古紙パルプ100質量部に対して、重質炭酸カルシウム填料を20質量部、アルケニル無水コハク酸(ASA)内添サイズ剤を0.1質量部配合して紙料を調製した。この紙料を用いて抄紙を行い、その後、プレス処理を行った。抄紙は、配向性抄紙機(熊谷理機工業(株)製)を用いて行った。
続いて、表面サイズ剤として水80質量部、酸化澱粉15質量部、硫酸ナトリウム5質量部からなる塗工液を調製して、上記の方法で得られた原紙に対して、2ロール型のサイズプレス機Laboratory Size Press(熊谷理機工業株式会社製)を使用して、線圧5kg/cm、速度150mm/secの条件でサイズプレスを行い、その後、100℃の回転型乾燥機に2回通して乾燥を行った。これにより、原紙の表面に処理された固形分量が2.0g/m2であり、坪量が80g/m2の電子写真用転写紙を得た。
(破断時伸び及び破断時荷重の測定)
上述のようにして得られた実施例及び比較例の電子写真用転写紙を、JIS P 8111(1998)に規定する標準環境(23℃50%RH)に8時間以上保存し、調湿する。その後、幅15mm、長さ150mmの短冊状の試料を、MD方向とCD方向とから切り出す。その試料を用いてJIS P 8113(1998)に規定する引っ張り特性の試験方法に基づいて、破断時伸び及び破断時荷重の測定を行った。これにより得られた値を、全層の破断時伸び及び破断時荷重とした。
また、実施例及び比較例の電子写真用転写紙をシートスプリッターを用いて、2分割し、それぞれの紙片を表側層と裏側層とした。この表側層及び裏側層の破断時伸びを、上記の全層の破断時伸びの測定を同様の方法で測定した。なお、表側層の破断時伸びの値から裏側層の破断時伸びの値を引いた値を、破断時伸びの表裏差として表1に記載した。
R(%)=(表側層破断時伸び−裏側層破断時伸び)÷全層の破断時伸び×100
Rの値を表1に記載した。
上述のようにして得られた実施例及び比較例の電子写真用転写紙を、JIS P 8128(1995)に規定する灰分試験方法に基づいて測定を行った。これにより得られた値を、全層の灰分量とし、その結果を表1に記載した。
また、電子写真用転写紙をシートスプリッターを用いて、2分割し、それぞれの紙片を表側層と裏側層とした。表側層(最表層)、裏側層(最裏層)の灰分量を、上記と同様の方法で測定した。表側層と裏側層との灰分量の差を算出し、その結果を表1に記載した。なお、表1中では、灰分の表裏差として表記した。
電子写真記録装置として、富士ゼロックス(株)製のDocuCentreColor6550Iを使用して、熱定着後(印刷後)のカール及び両面印刷適正について評価を行なった。評価方法及び評価基準については下記に示す。また、評価結果を表1に示す。
23℃65%RH環境下に8時間以上調湿した、実施例及び比較例の電子写真用転写紙に、画像濃度5%の文書を黒単色で印字した。この時、それぞれの電子写真用転写紙を各10枚連続で印字した。印字後速やかに平らな測定台に載せ、測定台から電子写真用転写紙の一番下までの距離を測定する。測定は、電子写真用転写紙の4隅について行い、最も距離の大きい場所について以下の判定基準で評価した。◎及び○を許容範囲とした。なお、電子写真用転写紙の大きさはA4サイズである。
◎:20mm以下
○:20mmより大きく25mm以下
△:25mmより大きく35mm以下
×:35mmより大きい
23℃65%RH環境下に8時間以上調湿した、実施例及び比較例の電子写真用転写紙に、画像濃度5%の文書を黒単色で両面に印字した。この時、それぞれの電子写真用転写紙を各100枚連続で印字し、以下の判定基準で評価した。◎及び○を許容範囲とした。なお、電子写真用転写紙の大きさはA4サイズである。
◎:紙シワの発生が全く認められなかった。
○:紙シワの発生がわずかに認められたが、画像に影響を及ぼすほどではなかった。
△:紙シワの発生が認められ、画像に大きく影響を与えていた。
×:用紙搬送経路で紙詰りが発生した。
Claims (7)
- 全層の破断時伸びに対する破断時伸びの表裏差の比率が、MD方向及びCD方向のいずれにおいても、−10〜10%の範囲であることを特徴とする電子写真用転写紙。
- MD方向における破断時伸びの表裏差が−0.10〜0.10mmの範囲であり、かつ、CD方向における破断時伸びの表裏差が−1.0〜1.0mmの範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の電子写真用転写紙。
- MD方向の全層の破断時伸びが2.0mm以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電子写真用転写紙。
- 前記MD方向の全層の破断時荷重が60N以上であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の電子写真用転写紙。
- 前記全層における灰分量が10質量%以下であり、厚さ方向に2以上に分割した場合の最表層と最裏層との灰分量の差が1%以内であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の電子写真用転写紙。
- パルプを含有してなると共に、該パルプの含有量のうち古紙パルプ配合量が30質量%以上であり、かつ、坪量が40〜120g/m2である請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の電子写真用転写紙。
- 静電潜像担持体表面を均一に帯電する帯電工程と、該静電潜像担持体表面を露光し静電潜像を形成する露光工程と、前記静電潜像担持体表面に形成された静電潜像を静電荷像現像剤を用いて現像し、トナー画像を形成する現像工程と、前記トナー画像を記録用紙上に転写する転写工程と、前記記録用紙上に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、を含む電子写真記録方式の画像記録方法であって、
前記記録用紙が請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の電子写真用転写紙であることを特徴とする画像記録方法。
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- 2005-10-25 JP JP2005309842A patent/JP2007121409A/ja active Pending
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