JP2007121409A - 電子写真用転写紙、及びこれを用いた画像形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】電子写真方式におけるトナー像の熱定着後のカールを低減することが可能で、両面印刷適性が高い電子写真用転写紙、及びそれを用いた電子写真記録方式の画像記録方法を提供すること。
【解決手段】全層の破断時伸びに対する破断時伸びの表裏差の比率が、MD方向及びCD方向のいずれにおいても、−10〜10%の範囲であることを特徴とする電子写真用転写紙、及び該電子写真用転写紙を用いた電子写真記録方式の画像記録方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真用転写紙及びそれを用いた画像記録方法に関するものであり、詳細には、表面に顔料を含む塗工層を持たない、いわゆる普通紙と呼ばれる電子写真用転写紙、及びそれを用いた電子写真方式の画像記録方法に関する。
レーザープリンターや複写機といった、電子写真方式の機器はいまやほとんどのオフィスに浸透している。そこで主に使用されているのが、いわゆる普通紙と呼ばれる表面に顔料を含む塗工層を持たない記録用紙である。特に、近年では、坪量40g/m〜120g/mの用紙が中心として使用されており、最近では、グリーン購入法の影響もあり、中質古紙を使用した用紙などの環境負荷の低い用紙の使用が求められてきている。
しかしながら、電子写真方式では用紙上に転写されたトナー像を熱定着する際に、用紙の片面から加熱されるため加熱面からの脱湿により用紙がカールする。特に、吸湿しやすい機械パルプを含有する中質古紙パルプを使用した用紙ではカールが大きく、そのため排紙部での紙詰まり、排紙トレイ収容性不良などの問題があった。更に、両面印刷を試みた場合には、一面目の画像を熱定着した後に、発生したカールによって、インバーター内での紙詰まり、インバーターへの突入不良による紙詰まりなどの問題も発生する。
この熱定着後のカールの問題を改善するために、様々な検討がなされてきた。例えば、用紙に内在する歪みに着目して転写用紙の抄造乾燥時に緊張乾燥を実施する方法(例えば、特許文献1参照。)や、繊維配向の表裏差を小さくし、開封時含水率を規定する方法(例えば、特許文献2参照。)が知られている。このように繊維配向の表裏差を小さくすることで伸縮挙動の表裏差は少なくなると考えられる。
しかしながら、電子写真方式の熱定着部では、用紙が加熱部と加圧部との間にはさまれてトナーを定着する方法が最も多く見られる形態であり、加熱部と加圧部とで温度が異なるため、表裏の伸縮挙動は異なり、用紙の熱定着後のカールを低減するのは難しいと思われる。また、開封時含水率を低くする方法では、開封後放置された環境において用紙が吸湿してしまうため熱定着後カールの低減に対する寄与が少なくなってしまう。更に、電子写真方式の熱定着部では、しわの発生を抑制するために大きな張力をかけており、単純な水分の出入りによる変形だけではないため、抄紙段階での調整だけに頼っては、カールの低減は難しい。
また、最近の複写機やプリンターは、小型化、省電力化、自動両面コピー、自動製本等といった多機能化に伴って、装置の機構やペーパーパスが複雑化し、また、熱定着ロールの小径化や熱定着ロールのみでの加熱も進んでいる。このため用紙の寸法変化の表裏差だけを小さくしたとしても、片側からのみ熱のかかる小型のプリンターなどでは従来に比べて熱定着後のカールが大きくなる。特に、高湿条件下で使用する際には、熱定着後のカールがさらに大きくなる傾向にある。このように大きなカールが発生すると、両面印刷時に、用紙が複写機やプリンターの中を搬送される際に用紙端部がマシン内の部材と接触して紙詰まりが発生したり、2面目の定着時にカールが発生したまま定着されるため、紙シワ等が発生し易いことが明らかになってきている。
すなわち、上述した従来技術では、用紙の熱定着後のカールを十分に低減することはできず、その結果、両面印刷適正が低いという問題を有していた。
特開平5−341554号公報 特開平6−138688号公報
そこで、本発明は、前記従来における問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。
すなわち、本発明の目的は、電子写真方式におけるトナー像の熱定着後のカールを低減することが可能で、両面印刷適性が高い電子写真用転写紙、及びそれを用いた画像記録方法を提供することにある。
本発明者らは、熱定着後のカールの発生機構について鋭意検討した結果、以下の知見を得た。
すなわち、電子写真用転写紙における外力に対する寸法変化に着目し、MD方向及びCD方向のいずれにおいても、全層の破断時伸びに対する破断時伸びの表裏差の比率を制御することで、上記の目的を達成しうることを見出し、下記の本発明を完成させた。
本発明は、
<1> 全層の破断時伸びに対する破断時伸びの表裏差の比率が、MD方向及びCD方向のいずれにおいても、−10〜10%の範囲であることを特徴とする電子写真用転写紙である。
<2> MD方向における破断時伸びの表裏差が−0.10〜0.10mmの範囲であり、かつ、CD方向における破断時伸びの表裏差が−1.0〜1.0mmの範囲にあることを特徴とする<1>に記載の電子写真用転写紙である。
<3> MD方向における全層の破断時伸びが2.0mm以下であることを特徴とする<1>又は<2>に記載の電子写真用転写紙である。
<4> 前記MD方向の全層の破断時荷重が60N以上であることを特徴とする<1>乃至<3>のいずれか一項に記載の電子写真用転写紙である。
<5> 前記全層における灰分量が10質量%以下であり、厚さ方向に2以上に分割した場合の最表層と最裏層との灰分量の差が1%以内であることを特徴とする<1>乃至<4>のいずれか一項に記載の電子写真用転写紙である。
<6> パルプを含有してなると共に、該パルプの含有量のうち古紙パルプ配合量が30質量%以上であり、かつ、坪量が40〜120g/mである<1>乃至<5>のいずれか一項に記載の電子写真用転写紙である。
<7> 静電潜像担持体表面を均一に帯電する帯電工程と、該静電潜像担持体表面を露光し静電潜像を形成する露光工程と、前記静電潜像担持体表面に形成された静電潜像を静電荷像現像剤を用いて現像し、トナー画像を形成する現像工程と、前記トナー画像を記録用紙上に転写する転写工程と、前記記録用紙上に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、を含む電子写真記録方式の画像記録方法であって、
前記記録用紙が<1>乃至<6>のいずれか一項に記載の電子写真用転写紙であることを特徴とする画像記録方法である。
本発明によれば、電子写真方式におけるトナー像の熱定着後のカールを低減することが可能で、両面印刷適性が高い電子写真用転写紙、及びそれを用いた画像記録方法を提供することができる。
<電子写真用転写紙>
本発明の電子写真用転写紙(以下、適宜、単に「用紙」と称する場合がある。)は、全層の破断時伸びに対する破断時伸びの表裏差の比率が、MD方向及びCD方向のいずれにおいても、−10〜10%の範囲であることを特徴とする。
通常、用紙に対して荷重をかけて引っ張ると、荷重が極小さい領域では直線的に歪が増大するが、荷重が大きい領域では次第に直線から外れて破断する。荷重が大きい領域のある一点から徐重していくと、歪のうち変形が回復する成分と、変形が戻らない成分とが発生する。この変形が戻らない成分が大きいと荷重を除いても歪が残留するため、用紙が伸びる。したがって、破断時伸びが大きい用紙では、定着ロールのニップ内で応力を受けることによって不可逆な伸びが多く生じており、カール量は大きくなると考えられる。
また、用紙の表裏が同時に伸びて同じような寸法変化を生じれば、すなわち、表裏の寸法差が小さければカールは生じない。カールとは、用紙表裏の寸法差によって生じる曲率であるからである。
したがって、本発明の電子写真用転写紙のように、破断時伸びの表裏差が、用紙全体の伸び(全層の破断時伸び)に対して小さいため、カールの発生は小さいものとなる。その結果、本発明の電子写真用転写紙は、電子写真方式におけるトナー像の熱定着後のカールを低減することが可能であり、その結果、両面印刷適性を高めることができる。
本発明の電子写真用転写紙においては、熱定着後のカールをより低減させるという観点から、全層の破断時伸びに対する破断時伸びの表裏差の比率が、MD方向及びCD方向のいずれにおいても、−10〜10%の範囲であることが好ましく、−9〜9%の範囲であることがより好ましく、−7〜7%の範囲であることがより好ましい。
ここで、MD方向とは、本発明の電子写真用転写紙を製造する際の抄紙機の流れ方向を意味し、MD方向とは、用紙を製造する際の抄紙機の流れ方向と垂直に交差する方向を意味する。
また、本発明の電子写真用転写紙は、MD方向における破断時伸びの表裏差が−0.10〜0.10mmの範囲であり、かつ、CD方向におけるの破断時伸びの表裏差が−1.0〜1.0mmの範囲であることが好ましい。このように、MD方向、CD方向のそれぞれにおいて、破断時伸びの表裏差の絶対値が小さくなれば、カールをより低減することができる。
また、MD方向における破断時伸びの表裏差は−0.09〜0.09mmの範囲であり、かつ、CD方向におけるの破断時伸びの表裏差は−0.9〜0.9mm範囲であることがより好ましい。
更に、MD方向における破断時伸びの表裏差は−0.07〜0.07mmの範囲であり、かつ、CD方向におけるの破断時伸びの表裏差は−0.7〜0.7mm範囲であることが特に好ましい。
本発明における「破断時伸び」とは、幅15mm、長さ150mmに切り出した短冊状の測定試料を、速度5mm/secで引っ張り、破断するまでに伸びた量をいう。
そのため、本発明において、全層の破断時伸びとは、電子写真用転写紙全体の破断時伸びを指す。また、破断時伸びの表裏差は、電子写真用転写紙全体を厚さ方向に2分割した紙片の一方を表側層、他方を裏側層とした場合、その表側層の破断時伸びの値から裏側層の破断時伸びの値を引いた値である。
そのため、本発明における「全層の破断時伸びに対する破断時伸びの表裏差の比率」とは、次式で表されるRのことをいう。
R(%)=(表側層破断時伸び−裏側層破断時伸び)÷全層の破断時伸び×100
本発明の電子写真用転写紙のように、破断時伸びの表裏差を小さくするためには、表側層と裏側層との強度に影響する構成を努めて同じにする必要がある。その手法としては、まず、原紙を二層以上の多層漉きとする方法が有効である。特に、同じ抄紙条件下で同じ抄紙機を用いて漉いた二層のシートを、抄紙時の上側同士、若しくは下側同士で張り合わせることにより、ほぼ同一の強度を有する表裏を有する用紙を得ることができる。
また、電子写真用転写紙の強度を高めるために、パルプスラリー内に紙力増強剤を添加し、その種類や添加量を調整することで、用紙の表裏の強度を均一化する方法を用いることもできる。
また、原紙を一層漉きにする場合においても、後述するサイズプレス処理の工程で繊維配向の矯正による表裏強度の同一化や、強度の付与を行うことが可能である。サイズプレス処理を行う際、一旦乾燥しつつあった用紙に、改めて水分が付与されるため、繊維間の水素結合は再構築される。特に、水分の多い、希薄なサイズプレス液を用いて、高いプレス圧と低いプレス速度で処理することで、用紙内部までに渡って水素結合の再構築を実施することが可能である。また、サイズプレス処理後の乾燥工程を低温で複数回設けて、ゆっくり乾燥することで更に強度を向上させることができる。
更に、原紙に対するサイズプレス処理の工程が表裏どちらにも同じように加えられるように、一度処理した後の用紙を反転して、全く同一の処理が加えられるようにするのがよい。処理液は同一であっても、処理される方向によって重力の作用が変わるため一度の処理では同一な表裏強度は得られないからである。
また、このサイズプレス処理は複数回繰り返されることが好ましい。ゲートロール方式のような複数のロールを用いて原紙の表裏を同時に処理する方法においても、表裏反転して複数回処理する方法を用いれば、更に、表裏強度の均一化を図ることが可能となる。
加えて、サイズプレス処理後の乾燥工程も同様であり、低温でCD方向のテンションを大きくした条件でマシン速度を落とし、複数の乾燥ドラムを用いて乾燥することが好ましい。CD方向のテンションを大きくすると同時にマシン速度を低下させることで、MD方向、CD方向の繊維配向比を小さく矯正することができる。更に好ましくは、サイズプレス処理と同様に、表裏反転して複数回同一の乾燥工程を経ることで、表裏の歪蓄積も同一にすることができる。
以下、本発明の電子写真用転写紙の好ましい物性について説明する。
まず、本発明の電子写真用転写紙は、MD方向における全層の破断時伸びが2.0mm以下であることが好ましい。また、MD方向における全層の破断時伸びは、1.7mm以下であることがより好ましく、1.5mm以下であることが更に好ましい。
このように、MD方向における伸びの小さい電子写真用転写紙は、熱定着部で加えられる応力によって発生する不可逆的な伸びが小さくなる。そのため、熱定着後のカールをより低減することができる。
本発明の電子写真用転写紙は、画像形成装置の熱転写時に加えられる応力により破断することを防止する観点から、MD方向の全層の破断時荷重が60N以上であることが好ましい。また、破断時荷重は、62N以上であることがより好ましく、65N以上であることが更に好ましい。また、この破断時荷重の上限値としては、通常、90Nであることが好ましい。
上記のように、MD方向における伸びの小さい、及び/又は、MD方向における強度の高い電子写真用転写紙は、特に、画像形成装置内において、用紙を短手方向に走行させる(Long Edge Feed;以下、LEFと称する)方法を適用した高速印刷に供した場合であっても、熱定着後のカールを効率よく低減することができる。
上記のように、MD方向における伸びの小さい、及び/又は、MD方向における強度の高い電子写真用転写紙を得るためには、公知の強度向上手段を用いることが好ましい。特に、紙力増強剤を用いることが好ましい態様である。特に、パルプスラリー内において繊維間に水素結合以外の結合点を導入することができる湿潤紙力増強剤を過剰に添加することにより、伸びを小さくさせると同時に、強度を向上させることができる。
また、サイズプレス処理において伸びの抑制、強度の向上を図ることが可能である。すなわち、サイズプレス処理液中に疎水性で成膜性の高い高弾性樹脂を含有させ、乾燥させることによって、表層付近の伸びを抑制し、強度の向上を図ることができる。
本発明の電子写真用転写紙は、全層における灰分量が10質量%以下であり、厚さ方向に2以上に分割した場合の最表層と最裏層との灰分量の差が1%以内であることが好ましい。また、電子写真用転写紙全体(全層)における灰分量は3〜10質量%の範囲であり、厚さ方向に2以上に分割した場合の最表層と最裏層との灰分量の差が0.5%以内であることがより好ましい。
ここで、本発明における灰分量とは、JIS P 8128(1995)に規定する灰分試験方法に基づいて、測定することができる。
灰分量が10質量%を超えると、灰分を示す無機填料の含有量が過剰になり、紙粉の原因となって、搬送部材や感光体ドラムに付着して用紙の搬送性や画質を損なうことがある。また、無機填料は繊維間に存在して繊維間結合を阻害するため、脱湿や外力に対する寸法変化が大きく影響を受け、無機填料の表裏分布が破断時伸びの表裏差を生じる要因となる場合がある。そのため、上記のように、最表層と最裏層との灰分量の差を小さくすることで、その表裏における灰分の分布を均等にすることが好ましい。
なお、厚さ方向に2以上に分割した場合の最表層及び最裏層は以下の示す方法で得られる。
すなわち、表面若しくは裏面から計った厚さが、全層の厚さの30〜50%の厚さになるよう分割する方法である。ここで、電子写真用転写紙を厚み方向に分割する際には、例えば、二本のロールから構成されるシートスプリッターなどを用いることができる。
ここで、最表層及び最裏層とは、用紙の層厚みの30%から50%までを意味する。
また、最表層と最裏層との灰分量の差は下記のようにして算出することができる。
すなわち、最表層および最裏層に分割したサンプルをそれぞれ、JIS P 8128に準拠した方法により灰分を算出する。続いて、それぞれの灰分の差を確認する。これにより、最表層と最裏層との灰分量の差を知ることができる。
上記のように、灰分の分布を均等にする方法としては、多層漉きあわせの方法が好ましい。特に、同一坪量のシートを、抄紙時の上側同士若しくは下側同士合わせて作成した用紙であれば、灰分の分布を均一に調整することが可能である。なお、3層以上を漉き合わせる場合でも、最表層と最裏層とは抄紙時の上側同士若しくは下側同士であることが好ましい。
更に、本発明の電子写真用転写紙は、古紙パルプを30質量%以上配合し、かつ、坪量が40〜120g/mという広い範囲のものであってもよい。こでは、上述のように、本発明の電子写真用転写紙は、カールの発生自体を小さくすることが可能であるため、吸湿量が大きくカールし易い古紙パルプを配合し、更に広い範囲の坪量のものであっても、熱定着後のカールを低減することが可能であると共に、環境負荷の低減を図ることもできる。
−原紙−
次に、本発明の電子写真用転写紙に用いられる原紙について説明する。
本発明の電子写真用転写紙に用いられる原紙は、パルプ繊維と填量とを主成分として含むものが好ましい。特に、環境負荷を低減させるという観点から、原紙としては、古紙パルプを30質量%以上含むことが好ましく、70質量%以上含むことがより好ましい。
原紙を構成するパルプ繊維としては、化学パルプ、具体的には、広葉樹晒クラフトパルプ、広葉樹未晒クラフトパルプ、針葉樹晒クラフトパルプ、針葉樹未晒クラフトパルプ、広葉樹晒亜硫酸パルプ、広葉樹未晒亜硫酸パルプ、針葉樹晒亜硫酸パルプ、針葉樹未晒亜硫酸パルプ等の他、木材及び綿、麻、じん皮等の繊維原料を化学的に処理して作製されたパルプ等が好ましく挙げられる。
また、木材やチップを機械的にパルプ化したグランドウッドパルプ、木材やチップに薬液を染み込ませた後に機械的にパルプ化したケミメカニカルパルプ、及びチップをやや軟らかくなるまで蒸解した後にリファイナーでパルプ化したサーモメカニカルパルプ、中でも高収率が特徴であるケミサーモメカニカルパルプ等も使用できる。これらはバージンパルプのみで使用してもよいし、必要に応じて古紙パルプを加えてもよい。
特に、前記バージンパルプとしては、塩素ガスを使用せず二酸化塩素を使用する漂白方法(Elementally Chrorine Free:ECF)や、塩素化合物を一切使用せずにオゾン/過酸化水素等を主に使用して漂白する方法(Total Chlorine Free:TCF)で漂白処理されたものであることが好ましい。
また、前記古紙パルプの原料としては、製本、印刷工場、断裁所等において発生する裁落、損紙、幅落しした上白、特白、中白、白損等の未印刷古紙;印刷やコピーが施された上質紙、上質コート紙などの上質印刷古紙;水性インク、油性インク、鉛筆などで筆記された古紙;印刷された上質紙、上質コート紙、中質紙、中質コート紙等のチラシを含む新聞古紙;中質紙、中質コート紙、更紙等の古紙;を配合することができる。
本発明に用いられる原紙において使用する古紙パルプは、前記古紙原料を、オゾン漂白処理又は過酸化水素漂白処理の少なくとも一方で処理して得られたものであることが好ましい。また、より白色度の高い電子写真用転写紙を得るという観点から、前記漂白処理によって得られた古紙パルプの配合率を50〜100質量%の範囲とすることが好ましい。更に、資源の再利用という観点から、前記古紙パルプの配合率を70〜100質量%の範囲とすることがより好ましい。
前記オゾン漂白処理は、上質紙に通常含まれている蛍光染料等を分解する作用があり、前記過酸化水素漂白処理は、脱墨処理時に使用されるアルカリによる黄変を防ぐ作用がある。
前記古紙パルプは、オゾン漂白処理又は過酸化水素漂白処理の二つの処理を組み合わせることによって、古紙の脱墨を容易にするだけでなくパルプの白色度もより向上させることができる。また、パルプ中の残留塩素化合物を分解・除去する作用もあるため、塩素漂白されたパルプを使用した古紙の有機ハロゲン化合物含有量低減において多大な効果を得ることができる。
また、本発明に用いられる原紙には、パルプ繊維に加えて、不透明度、白さ、及び表面性を調整するため填料を添加する。また、電子写真用転写紙中のハロゲン量を低減したい場合には、ハロゲンを含まない填料を使用することが好ましい。
前記填料としては、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、チョーク、カオリン、焼成クレー、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、珪酸アルミニウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成シリカ、水酸化アルミニウム、アルミナ、セリサイト、ホワイトカーボン、サポナイト、ドロマイトカルシウムモンモリロナイト、ソジウムモンモリロナイト、ベントナイト等の無機顔料、及び、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン、キトサン粒子、セルロース粒子、ポリアミノ酸粒子、尿素樹脂等の有機顔料を挙げることができる。
また、原紙に古紙パルプを配合する場合には、古紙パルプ原料に含まれる灰分を予め推定して、その添加量を調整する必要がある。
本発明における原紙には内添サイズ剤を配合してもよい。ここでも用紙中のハロゲン量を低減するためにハロゲンを含まない内添サイズ剤や定着剤を使用することが望ましい。具体的には、ロジン系サイズ剤、合成サイズ剤、石油樹脂系サイズ剤、中性サイズ剤などを使用することができ、更に硫酸バンド、カチオン化澱粉など、サイズ剤と繊維との定着剤を組み合わせて使用してもよい。また、用紙保存性を向上させる観点から中性サイズ剤を使用することが望ましい。
また、本発明における原紙には、上述のように、伸びの抑制と強度向上のために、紙力増強剤を添加することができる。紙力増強剤としては、アニオン性、カチオン性及び部分カチオン変性により両性化したポリアクリルアミド系ポリマー、カチオン化澱粉、ジアルデヒド澱粉、グアーガムなどの需要が大きいが、メラミンホルムアルデヒド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、ポリエチレンイミン樹脂、ポリアミドポリアミンエピハロヒドリン樹脂、グリセロールポリグリシジルエーテル樹脂、ケトン樹脂及びそれらの誘導体類のような湿潤紙力増強剤を添加することも、水素結合以外の結合点を用紙中に設けて外力による寸法変動を抑制することができるため、有用である。
−サイズプレス液−
本発明の電子写真用転写紙は、上述の原紙の表面に下記に示すサイズプレス液を塗布してなることが好ましい。
サイズプレス液に用いるバインダーは、コーンスターチ、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉などの未加工澱粉をはじめとして、加工澱粉として酵素変性澱粉、酸化澱粉、燐酸エステル化澱粉、カチオン化澱粉、アセチル化澱粉などを使用することができる。酸化澱粉としては、次亜塩素酸ナトリウムで酸化処理した加工澱粉のみならず、過ヨウ素酸塩で酸化処理したジアルデヒド澱粉や未加工の澱粉をサイズプレス直前に過硫酸塩などの酸化剤で熱化学処理した自家変性澱粉をも含む。原料澱粉としてはコーンスターチ、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、ワキシースターチ、甘藷澱粉など種類を問わない。また、その他にもポリエチレンオキサイド、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸ソーダ、アルギン酸ソーダ、ヒドロキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルアルコール、グアーガム、カゼイン、カードランなどの水溶性高分子及びそれらの誘導体などを単独或いは混合して使用することができるが、これに限定されるものではない。
また、本発明においては、水不溶性の高分子繊維若しくは粒子をサイズプレス液中に含有させる方法も効果的である。水不溶性の繊維若しくは粒子としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、アラミドなど種類を問わないが、特に、通常の中性抄紙におけるpH範囲(pH7乃至pH12以上)において不溶であり且つカチオン性の表面を持つキトサン繊維及びキトサン粒子はパルプ繊維や澱粉との親和性もよく、本発明において有用であり好ましい。これらの高分子繊維若しくは粒子を表面に付与することにより、シートの剛性が向上し、プリンターや複写機の熱定着部でかかる外力に対する寸法変化を抑制する。一方、無機顔料は粒子であり水分変化を抑制する効果はあるが、パルプ繊維や澱粉との接着性が弱く、高分子繊維や高分子粒子のような剛性を向上する効果は得られない。
また、サイズプレス液は、サイズプレス処理の他、シムサイズ、ゲートロール、ロールコーター、バーコーター、エアナイフコーター、ロッドブレードコーター、ブレードコーター等の通常使用されている塗工手段によって原紙の表面に塗布することができる。サイズプレス液を塗布された原紙は乾燥工程を経て、本発明の電子写真用転写紙を得ることができる。
サイズプレス処理では、特に塗工手段は限定しないが、塗工時のニップ圧力を高くすることで、用紙内部へのサイズプレス液の浸透を促進し、用紙の強度を上昇させる効果が高くなる。更にサイズプレス速度を小さくすることで、サイズプレス液の浸透を更に促進することができる。サイズプレス液を用紙内部まで十分に浸透させて低温で長時間乾燥させることで、繊維間の接着強度も向上しシート全体の強度が高くなる。
本発明においては、破断時伸びの表裏差を低減するために表裏同じサイズプレス処理及び乾燥を行うことが好ましく、2ロールタイプのサイジングアプリケータロールを表裏同じ処理になるよう、二箇所以上に設置したり、ゲートロールで処理を行うような多層サイズプレスを実施すれば表裏差はより小さくなる。これらの処理も用紙を反転させて同一の処理を複数回加えることでより表裏差が小さくなることは前述したとおりである。
また、サイズプレス液によって用紙表面に処理される固形分量が0.1g/mより少ないと、用紙の表面被覆が不十分となり、紙粉が発生する原因となる場合がある。また、その処理量が5g/mを越えると、いわゆる普通紙としての風合いを損なう場合がある。したがって、表面塗布される水溶性高分子などの固形分の総量は、0.1〜5g/mの範囲であることが好ましい。
サイズプレス処理を行った後、用紙を乾燥する。サイズプレス処理によって抄紙、脱水工程において形成されたパルプ繊維の結合が一旦開放されているため、サイズプレス後の乾燥工程によって、表裏差の低減を行うことが必要である。本発明の用紙においては、乾燥温度は通常よりも低くし、多筒式のドライヤーでCD方向のテンションを大きくした条件で乾燥することが好ましい。この条件設定によって、表裏の繊維配向状態を均一に行うことが可能となる。
本発明の電子写真用転写紙のサイズ度は、バインダーの量、種類のみによっても必要な値に調整することができる。しかし、それだけではサイズ度の調整が十分でない場合には、更に表面サイズ剤を使用してもよい。このような表面サイズ剤としてはロジン系サイズ剤、合成サイズ剤、石油樹脂系サイズ剤、中性サイズ剤等を使用することができる。これら表面サイズ剤の具体例としては、スチレン系樹脂、スチレンアクリル系樹脂、スチレンマレイン酸アクリル系樹脂、アクリル系樹脂などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明の電子写真用転写紙は、表面に塗布されるサイズプレス液中に導電剤を配合することで、表面電気抵抗率が調整されることが好ましい。但し、電子写真用転写紙中のハロゲン量を低減するために、ハロゲンを含まない導電剤を使用することが好ましい。
このような導電剤としては、硫酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸リチウム、メタケイ酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム等の無機電解質;スルホン酸塩、硫酸エステル塩、カルボン酸塩、リン酸塩などのアニオン性界面活性剤;カチオン性界面活性剤、ポリエチレングリコール、グリセリン、ソルビット等の非イオン性界面活性剤及び両性界面活性剤;高分子電解質などの導電剤を使用することができる。
また、抄紙工程中のスラリー調製段階で内添サイズ剤を配合し、予めサイズ度を調整してもよい。なお、記録用紙中のハロゲン量を低減したい場合には、ハロゲンを含まない内添サイズ剤や表面サイズ剤を使用することが好ましい。具体的には、ロジン系サイズ剤、合成サイズ剤、石油樹脂系サイズ剤、中性サイズ剤等を使用することができる。
更にサイズ剤と繊維の定着剤とを組み合わせて使用することもできる。この場合には、定着剤として硫酸アルミニウム、カチオン化澱粉等を使用することができる。また、記録用紙の保存性を向上させる観点からは、中性サイズ剤を使用することが好ましい。サイズ度はサイズ剤の添加量によって調整する。
(電子写真方式の画像記録方法)
本発明における電子写真方式の画像記録方法は、静電潜像担持体表面を均一に帯電する帯電工程と、該静電潜像担持体表面を露光し静電潜像を形成する露光工程と、前記静電潜像担持体表面に形成された静電潜像を静電荷像現像剤を用いて現像し、トナー画像を形成する現像工程と、前記トナー画像を記録用紙上に転写する転写工程と、前記記録用紙上に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、を含み、前記記録用紙が既述の本発明の電子写真用転写紙であることを特徴とする。
この本発明の電子写真方式の画像記録方法を用いれば、熱定着後のカールを大幅に低減でき、且つ、従来と同様に高画質な画像が得られる。
また、本発明の電子写真方式の画像記録方法に用いられる画像形成装置は、前記帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程及び定着工程を有する電子写真方式を利用するものであれば特に限定されない。たとえば、シアン、マゼンタ、イエロー、及び、ブラックの4色のトナーを用いる場合には、1つの感光体に、各色のトナーを含む現像剤を順次付与してトナー像を形成する4サイクルの現像方式によるカラー画像形成装置や、各色毎に対応した現像ユニットを4つ備えたカラー画像形成装置(所謂タンデム機)等が利用できる。
画像形成に際して用いられるトナーも公知のものであれば特に限定されないが、例えば、高精度な画像が得られる点で、球状で、粒度分布の小さいトナーを用いたり、省エネルギーに対応するために、低温定着が可能な融点の低い結着樹脂を含むトナーを用いたりすることができる。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
新聞古紙を離解し、脱墨剤(DI−767:花王(株)製)を添加した後オゾン漂白処理を行い、更にアルカリ処理を行った。その後、熟成処理を行い、フローテーション処理を行って剥離した印刷インキやトナーなどをパルプ系から除去した。最後に洗浄器で十分に洗浄して古紙パルプを調製した。この古紙パルプを70質量部に、広葉樹クラフトパルプをECF多段漂白法にて漂白処理して濾水度450mlになるよう叩解調整したパルプを30質量部配合し、これに対して、ベントナイト填料を3質量部、軽質炭酸カルシウム填料を15質量部、アルキルケテンダイマー(AKD)内添サイズ剤を0.1質量部、更に、内添紙力増強剤として内添用PVA(ゴーセノールP250:日本合成化学工業(株)製)を15質量部配合して紙料を調製した。この紙料を用いて抄紙を行った。抄紙は、配向性抄紙機(熊谷理機工業(株)製)を用いて行った。34g/mのシートを2枚作成し、その2枚をそれぞれワイヤーに接触していた面(Wire Side側、以下、単に「WS側」と称する。)を合わせるようにして重ね、プレス処理を行った。
続いて、表面サイズ剤として水93質量部、酸化澱粉を5質量部、導電剤として硫酸ナトリウム1質量部からなる塗工液を調製して、上記のようにして得られた原紙に、Laboratory Size Press(熊谷理機工業株式会社製)を用いて、1回毎に表裏を反転させながら4回サイズプレスを行い、その後、60℃に加熱された回転型乾燥機に1回毎に表裏を反転させながら6回通して乾燥を行った。これにより、原紙の表面に処理された固形分量が1.5g/mであり、坪量が70g/mの電子写真用転写紙を得た。
<実施例2>
実施例1と同様にして抄紙を行い原紙を得た。
続いて、表面サイズ剤として水82質量部、PVA(ポバール124:(株)クラレ製)10質量部、スチレンアクリル系樹脂(ケイコートSA901:近代化学工業(株)製)5質量部、導電剤として硫酸ナトリウム3質量部からなる塗工液を調製して、この原紙に対し、Laboratory Size Press(熊谷理機工業株式会社製)を用いて、1回毎に表裏を反転させながら6回サイズプレスを行い、その後、80℃に加熱した回転型乾燥機に1回毎に表裏を反転させながら6回通して乾燥を行った。これにより、原紙の表面に処理された固形分量が5g/mであり、坪量が70g/mの電子写真用転写紙を得た。
<実施例3>
実施例1で使用した新聞古紙パルプ100質量部に対して、カオリン填料を2質量部、軽質炭酸カルシウム填料を6質量部、アルケニル無水コハク酸(ASA)内添サイズ剤を0.2質量部配合して紙料を調製した。この紙料を用いて抄紙を行った。抄紙は、配向性抄紙機(熊谷理機工業(株)製)を用いて行った。20g/mのシートを2枚作成し、その2枚をそれぞれワイヤーに接触していた面(WS側)を合わせるようにして重ね、プレス処理を行った。
続いて、表面サイズ剤として水86質量部、酸化澱粉を2質量部、スチレンマレイン酸アクリル系樹脂(ケイコートSS112:近代化学工業(株)製)2質量部、硫酸ナトリウム2質量部からなる塗工液を調製して、上記のようにして得られた原紙に対して、Laboratory Size Press(熊谷理機工業株式会社製)を用いて、1回毎に表裏を反転させながら4回サイズプレスを行い、その後、50℃に加熱された回転型乾燥機に1回毎に表裏を反転させながら8回通して乾燥を行った。これにより、原紙の表面に処理された固形分量が2.0g/mであり、坪量が45g/mの電子写真用転写紙を得た。
<実施例4>
実施例1で使用した広葉樹クラフトパルプ100質量部に対して、炭酸カルシウム填料を10質量部、アルケニル無水コハク酸(ASA)内添サイズ剤を0.5質量部配合して紙料を調整した。この紙料を用いて抄紙を行った。配向性抄紙機(熊谷理機工業(株)製)を用いて35g/mのシートを3枚作成し、最表面と最裏面がそれぞれワイヤーに接触していた面(WS側)になるようにして重ね、プレス処理を行った。
続いて、実施例3で使用した塗工液を、上記で得られた原紙に対して、Laboratory Size Press(熊谷理機工業株式会社製)を用いて、1回毎に表裏を反転させながら6回サイズプレスを行い、その後、50℃に加熱された回転型乾燥機に1回毎に表裏を反転させながら10回通して乾燥を行った。これにより、原紙の表面に処理された固形分量が3.0g/mであり、坪量が108g/mの電子写真用転写紙を得た。
<実施例5>
新聞古紙を離解し、脱墨剤(DI−767:花王(株)製)を添加した後オゾン漂白処理を行い、更にアルカリ処理を行った。その後、熟成処理を行い、フローテーション処理を行って剥離した印刷インキやトナーなどをパルプ系から除去した。最後に洗浄器で十分に洗浄して古紙パルプを調製した。この古紙パルプを70質量部に、広葉樹クラフトパルプをECF多段漂白法にて漂白処理して濾水度450mlになるよう叩解調整したパルプを30質量部配合し、これに対して、ベントナイト填料を3質量部、軽質炭酸カルシウム填料を15質量部、アルキルケテンダイマー(AKD)内添サイズ剤を0.1質量部、更に内添紙力増強剤として内添用PVA(ゴーセノールP250:日本合成化学工業(株)製)を15質量部配合して紙料を調製した。この紙料を用いて抄紙を行った。抄紙は、配向性抄紙機(熊谷理機工業(株)製)を用いて行った。
続いて、表面サイズ剤として水88質量部、酸化澱粉を10質量部、導電剤として硫酸ナトリウム1質量部からなる塗工液を調製して、上記で得られた原紙に対して、2ロール型のサイズプレス機Laboratory Size Press(熊谷理機工業株式会社製)を使用して、線圧15kg/cm、速度25mm/secの条件でサイズプレスを行い、その後、150℃の回転型乾燥機に2回通して乾燥を行った。これにより、原紙の表面に処理された固形分量が1.5g/mであり、坪量が70g/mの電子写真用転写紙を得た。
<実施例6>
実施例5と同様にして抄紙を行い原紙を得た。
続いて、表面サイズ剤として水62質量部、未変性のコーンスターチ10質量部、PVA(ポバール124:(株)クラレ製)20質量部、スチレンアクリル系樹脂(ケイコートSA901:近代化学工業(株)製)5質量部、導電剤として硫酸ナトリウム3質量部からなる塗工液を調製して、得られた原紙に対して、2ロール型のサイズプレス機Laboratory Size Press(熊谷理機工業株式会社製)を使用して線圧20kg/cm、速度75mm/secの条件でサイズプレスを行い、その後、150℃の回転型乾燥機に5回通して乾燥を行った。これにより、原紙の表面に処理された固形分量が5g/mであり、坪量が70g/mの電子写真用転写紙を得た。
<実施例7>
実施例1で使用した新聞古紙パルプを100質量部に対して、カオリン填料を2質量部、軽質炭酸カルシウム填料を6質量部、アルケニル無水コハク酸(ASA)内添サイズ剤を0.2質量部配合して坪量35g/mのシートを2枚抄紙した。この2枚のシートをワイヤー側に接触していた面(WS側)同士を合わせてプレス処理を行った。
続いて、表面サイズ剤として水86質量部、酸化澱粉を2質量部、スチレンマレイン酸アクリル系樹脂(ケイコートSS112:近代化学工業(株)製)2質量部、硫酸ナトリウム2質量部からなる塗工液を調製して、上記で得られた原紙に対して、2ロール型のサイズプレス機Laboratory Size Press(熊谷理機工業株式会社製)を使用して線圧15kg/cm、速度10mm/secの条件でサイズプレス処理を行い、その後、150℃の回転型乾燥機に2回通して乾燥を行った。これにより、原紙の表面に処理された固形分量が0.2g/mであり、坪量が70g/mの電子写真用転写紙を得た。
<比較例1>
実施例1で使用した紙料及び配向性抄紙機を用いて、70g/mのシートを作成し、その後、プレス処理を行った。
続いて、表面サイズ剤として水83質量部、酸化澱粉を15質量部、導電剤として硫酸ナトリウム2質量部からなる塗工液を調製して、上記の方法で得られた原紙に対して、Laboratory Size Press(熊谷理機工業株式会社製)を用いて、線圧3kg/cm、速度50mm/secの条件で1回サイズプレスを行い、その後、130℃に加熱された回転型乾燥機に1回通して乾燥を行った。これにより、原紙の表面に処理された固形分量が1.5g/mであり、坪量が70g/mの電子写真用転写紙を得た。
<比較例2>
市販の電子写真用中質再生紙(紀州製紙(株)、再生PPC100:坪量67g/m)を比較例2の電子写真用転写紙とした。
<比較例3>
市販の電子写真用中質再生紙(三菱製紙(株)、Reb100:坪量66g/m)を比較例3の電子写真用転写紙とした。
<比較例4>
実施例5で使用した新聞古紙パルプ100質量部に対して、軽質炭酸カルシウム填料を15質量部、アルケニル無水コハク酸(ASA)内添サイズ剤を0.1質量部配合して紙料を調製した。この紙料を用いて抄紙を行い、その後、プレス処理を行った。抄紙は、配向性抄紙機(熊谷理機工業(株)製)を用いて行った。
続いて、表面サイズ剤として水85質量部、酸化澱粉10質量部、硫酸ナトリウム5質量部からなる塗工液を調製して、上記のようにして得られた原紙に対して、2ロール型のサイズプレス機Laboratory Size Press(熊谷理機工業株式会社製)を使用して、線圧4kg/cm、速度150mm/secの条件でサイズプレスを行い、その後、100℃の回転型乾燥機に1回通して乾燥を行った。これにより、原紙の表面に処理された固形分量が1.5g/mであり、坪量が70g/mの電子写真用転写紙を得た。
<比較例4>
実施例5で使用した新聞古紙パルプ100質量部に対して、重質炭酸カルシウム填料を20質量部、アルケニル無水コハク酸(ASA)内添サイズ剤を0.1質量部配合して紙料を調製した。この紙料を用いて抄紙を行い、その後、プレス処理を行った。抄紙は、配向性抄紙機(熊谷理機工業(株)製)を用いて行った。
続いて、表面サイズ剤として水80質量部、酸化澱粉15質量部、硫酸ナトリウム5質量部からなる塗工液を調製して、上記の方法で得られた原紙に対して、2ロール型のサイズプレス機Laboratory Size Press(熊谷理機工業株式会社製)を使用して、線圧5kg/cm、速度150mm/secの条件でサイズプレスを行い、その後、100℃の回転型乾燥機に2回通して乾燥を行った。これにより、原紙の表面に処理された固形分量が2.0g/mであり、坪量が80g/mの電子写真用転写紙を得た。
<電子写真用転写紙の物性の測定>
(破断時伸び及び破断時荷重の測定)
上述のようにして得られた実施例及び比較例の電子写真用転写紙を、JIS P 8111(1998)に規定する標準環境(23℃50%RH)に8時間以上保存し、調湿する。その後、幅15mm、長さ150mmの短冊状の試料を、MD方向とCD方向とから切り出す。その試料を用いてJIS P 8113(1998)に規定する引っ張り特性の試験方法に基づいて、破断時伸び及び破断時荷重の測定を行った。これにより得られた値を、全層の破断時伸び及び破断時荷重とした。
また、実施例及び比較例の電子写真用転写紙をシートスプリッターを用いて、2分割し、それぞれの紙片を表側層と裏側層とした。この表側層及び裏側層の破断時伸びを、上記の全層の破断時伸びの測定を同様の方法で測定した。なお、表側層の破断時伸びの値から裏側層の破断時伸びの値を引いた値を、破断時伸びの表裏差として表1に記載した。
これらの結果を下記の式に代入し、全層の破断時伸びに対する破断時伸びの表裏差の比率Rを算出した。
R(%)=(表側層破断時伸び−裏側層破断時伸び)÷全層の破断時伸び×100
Rの値を表1に記載した。
(灰分の測定)
上述のようにして得られた実施例及び比較例の電子写真用転写紙を、JIS P 8128(1995)に規定する灰分試験方法に基づいて測定を行った。これにより得られた値を、全層の灰分量とし、その結果を表1に記載した。
また、電子写真用転写紙をシートスプリッターを用いて、2分割し、それぞれの紙片を表側層と裏側層とした。表側層(最表層)、裏側層(最裏層)の灰分量を、上記と同様の方法で測定した。表側層と裏側層との灰分量の差を算出し、その結果を表1に記載した。なお、表1中では、灰分の表裏差として表記した。
<熱定着後のカール及び両面印刷適正の評価>
電子写真記録装置として、富士ゼロックス(株)製のDocuCentreColor6550Iを使用して、熱定着後(印刷後)のカール及び両面印刷適正について評価を行なった。評価方法及び評価基準については下記に示す。また、評価結果を表1に示す。
〔熱定着後のカールの測定及びその評価〕
23℃65%RH環境下に8時間以上調湿した、実施例及び比較例の電子写真用転写紙に、画像濃度5%の文書を黒単色で印字した。この時、それぞれの電子写真用転写紙を各10枚連続で印字した。印字後速やかに平らな測定台に載せ、測定台から電子写真用転写紙の一番下までの距離を測定する。測定は、電子写真用転写紙の4隅について行い、最も距離の大きい場所について以下の判定基準で評価した。◎及び○を許容範囲とした。なお、電子写真用転写紙の大きさはA4サイズである。
(カールの判定基準)
◎:20mm以下
○:20mmより大きく25mm以下
△:25mmより大きく35mm以下
×:35mmより大きい
〔両面印刷時のトラブルについての評価〕
23℃65%RH環境下に8時間以上調湿した、実施例及び比較例の電子写真用転写紙に、画像濃度5%の文書を黒単色で両面に印字した。この時、それぞれの電子写真用転写紙を各100枚連続で印字し、以下の判定基準で評価した。◎及び○を許容範囲とした。なお、電子写真用転写紙の大きさはA4サイズである。
(両面印刷時のトラブルについての評価基準)
◎:紙シワの発生が全く認められなかった。
○:紙シワの発生がわずかに認められたが、画像に影響を及ぼすほどではなかった。
△:紙シワの発生が認められ、画像に大きく影響を与えていた。
×:用紙搬送経路で紙詰りが発生した。
Figure 2007121409
表1に示すように、本発明の電子写真用転写紙を用いて電子写真にて印字した場合には、熱定着後のカールが小さく、両面印刷時のトラブルも少ないことから、本発明の電子写真用転写紙は、両面印刷適正に優れることが分かる。

Claims (7)

  1. 全層の破断時伸びに対する破断時伸びの表裏差の比率が、MD方向及びCD方向のいずれにおいても、−10〜10%の範囲であることを特徴とする電子写真用転写紙。
  2. MD方向における破断時伸びの表裏差が−0.10〜0.10mmの範囲であり、かつ、CD方向における破断時伸びの表裏差が−1.0〜1.0mmの範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の電子写真用転写紙。
  3. MD方向の全層の破断時伸びが2.0mm以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電子写真用転写紙。
  4. 前記MD方向の全層の破断時荷重が60N以上であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の電子写真用転写紙。
  5. 前記全層における灰分量が10質量%以下であり、厚さ方向に2以上に分割した場合の最表層と最裏層との灰分量の差が1%以内であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の電子写真用転写紙。
  6. パルプを含有してなると共に、該パルプの含有量のうち古紙パルプ配合量が30質量%以上であり、かつ、坪量が40〜120g/mである請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の電子写真用転写紙。
  7. 静電潜像担持体表面を均一に帯電する帯電工程と、該静電潜像担持体表面を露光し静電潜像を形成する露光工程と、前記静電潜像担持体表面に形成された静電潜像を静電荷像現像剤を用いて現像し、トナー画像を形成する現像工程と、前記トナー画像を記録用紙上に転写する転写工程と、前記記録用紙上に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、を含む電子写真記録方式の画像記録方法であって、
    前記記録用紙が請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の電子写真用転写紙であることを特徴とする画像記録方法。
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