JP4172377B2 - 電子写真用転写用紙 - Google Patents

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Description

本発明は、間接乾式電子写真方式を利用して画像を形成する複写機およびプリンターに用いられる塗被層を有する電子写真用転写用紙に関するものであり、特に軽量の電子写真用転写用紙に関するものである。
近年、オンデマンド出版物の分野では、より手軽に、また小部数への対応が可能なことから、これまで商業オフセット印刷を利用して作製していた出版物をカラー複写機や、カラープリンターを利用して作製しようという傾向が顕著になっている。そのため、カラー複写機、カラープリンターについては、高速化および高画質化が進んでいる。
高画質化については、これまで通常に用いられてきたPPC用紙、プリンター用紙に変わり、これまで商業用印刷の分野に用いられてきた高い白紙光沢を有する塗被紙が、得られる画像の鮮やかさから、カラー複写機、カラープリンターに用いられるケースが増えてきている。
その中でも、特にオンデマンド性を要求されるカタログあるいは小冊子の本文用紙、チラシ、リーフレットには、軽くて嵩張らず、且つ、高白紙光沢を有する塗被紙を使用したいという要求が高まってきている。
しかし、このような商業用印刷の分野で用いられてきた軽量の塗被紙をフルカラー複写機あるいはプリンターで用いると、用紙が機内から排出された際に大きなカールが生じ、商品価値を貶める。
一方、通常、フルカラー複写機あるいはプリンターは、定着部でトナーを溶融して画像を定着させるが、この際に用紙自体も加熱されることで用紙内の水分、更に詳細に述べると、パルプ繊維内および繊維間に存在する水分が蒸発する。そのため、繊維および繊維間の収縮が起こり、上述したようなカールが発生する。
また、一般に、塗被紙は、顔料を多く含む塗被層を有するために、主としてパルプで構成された非塗被紙に比べ、熱容量が小さい。さらに、軽量の塗被紙は、塗被紙の中でも軽量であるため熱容量が小さく、定着時に用紙内の温度が上昇し、上述したような水分蒸発が顕著に起こり、定着後に大きなカールを生じることになる。
また、フルカラー複写機およびプリンターで軽量の商業印刷用塗被紙を用いると、転写部あるいは定着部での走行トラブルが発生する。転写部では、用紙が帯電しトナーが用紙に転写された直後、帯電状態にある用紙が用紙搬送方向にある転写部材に静電吸着を起こし、走行トラブルを起こす。また、定着部では、トナーを溶融定着する際に、溶融しているトナーと定着部材との間に接着力が生じ、白紙光沢の高い塗被紙の場合は用紙が定着部材から速やかに剥離できず、剥離不良の痕が残る、あるいは、剥離できず定着部でジャムが発生することとなる。これらの現象は、用紙の坪量が低い塗被紙、いわゆる軽量塗被紙において顕著に発生する。
一方、従来、商業印刷用の高い白紙光沢度を有する用紙の強度あるいは腰を高める目的で、澱粉、変性澱粉、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、ポリアクリルアミド、ポリアミド、ポリアミド−エピクロルヒドリン樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂等の水性のバインダー作用を有するいわゆる製紙用紙力増強剤をパルプ繊維に対し、1〜2重量%程度添加することが行われてきた。
しかしながら、このようにして製造された軽量印刷用塗被紙では、確かに用紙の強度あるいは腰の向上は認められるが、同時に、繊維間にこれらの水溶性物質が存在することになる。このため、塗被紙中の含水量が変化した場合にパルプ繊維の伸縮に加え、これらの水溶性物質の伸縮も加わるために定着後のカールが非常に大きくなる。
また、通常、商業印刷用の高白紙光沢の塗被紙は、白紙光沢を付与させるために、塗被後にカレンダー掛けによる表面の平滑化を行う。このため、非塗被紙あるいは白紙光沢の低い用紙に比べ、嵩が低く、用紙の強度および腰が低下しており、上記の走行トラブルが発生しやすくなる。
さらに、カレンダー時の加圧により用紙がつぶされ、透気性が低下することから、定着時にトナー画像部の表面に微細な空隙(所謂ブリスター)が発生しやすくなる。ブリスターは、用紙内部の水分が定着時の加熱により水蒸気となった場合に、用紙の透気性が低い場合にはこの水蒸気が用紙外へと排出されないため用紙内の水蒸気圧が大きくなり、最終的には、トナー層を突き破って排出されることにより発生するものである。
また、一方、上記のような水溶性バインダーを使用せずに、用紙の強度あるいは腰を高める方法として、用紙の厚みを上げる、いわゆる、嵩高化技術が提唱されている(例えば、特許文献1〜3等)。このような方法で製造された用紙は、転写部あるいは定着部での用紙の走行トラブルを回避するのに必要な用紙のこわさを得られる場合もあり、水溶性バインダーを配合するよりは、定着後カールも小さくなる。しかし、この用紙を小冊子の本文用紙の作製に使用した場合には小冊子自体が嵩張ってしまい、軽量塗被紙を使用した冊子に本来求められている収納性等に大きな問題を有する。
したがって、これまで白紙部の光沢が高く、走行性に優れた信頼性を有し、且つ、定着時のブリスターの発生がなく、さらに用紙内の水分量変化による用紙の伸縮性(特に定着後カール)に優れる間接乾式電子写真方式を利用したフルカラー複写機およびプリンターに用いられる塗被層を有する特に軽量で嵩張らない電子写真用転写用紙は提供されていなかった。
特開平10−72796号公報 特開2000−170093号公報 特開2003−171893号公報
本発明は、上記問題点を解決することを課題とする。すなわち、本発明は、ブリスターおよびカールの発生を抑制することができると共に、走行性および収納性を両立させることができる電子写真用転写用紙を提供することを課題とする。
上記課題は以下の本発明により達成される。すなわち、本発明は、
<1> パルプ繊維を含む基材と、該基材の少なくとも片面に、顔料および接着剤を主成分とする塗被層とを有し、JIS P−8124に基づき測定される坪量が40g/m2以上95g/m2以下の電子写真用転写用紙において、
前記基材が前記パルプ繊維間の結合を阻害する結合阻害剤を含有し、且つ、CD方向の引張弾性率が5000MPa以上であることを特徴とする電子写真用転写用紙である。
<2> JIS P−8118に基づき測定される密度が1.00g/cm3以上であることを特徴とする<1>に記載の電子写真用転写用紙である。
<3> JIS P−8142に基づき測定される白紙光沢度が30%以上である事を特徴とする<1>または<2>に記載の電子写真用転写用紙である。
<4> J Tappi No.5に基づき測定される透気度が7000秒以下であることを特徴とする<1>〜<3>のいずれか1つに記載の電子写真用転写用紙である。
以上に説明したように本発明によれば、ブリスターおよびカールの発生を抑制することができると共に、走行性および収納性を両立させることができる電子写真用転写用紙を提供することができる。
本発明の電子写真用転写用紙(以下、単に「塗被紙」と略す場合がある)は、パルプ繊維を含む基材と、該基材の少なくとも片面に、顔料および接着剤を主成分とする塗被層とを有し、JIS P−8124に基づき測定される坪量が40g/m2以上95g/m2以下の電子写真用転写用紙において、前記基材が前記パルプ繊維間の結合を阻害する結合阻害剤を含有し、且つ、CD方向の引張弾性率が5000MPa以上であることを特徴とする。
従って、本発明の電子写真用転写用紙は、間接乾式電子写真方式を利用して画像を形成しても、ブリスターおよびカールの発生を抑制することができると共に、走行性および収納性を両立させることができる。
塗被紙の伸縮に起因するカール(特に定着後カール)の抑制には、基材のパルプ繊維内およびパルプ繊維間に存在する水分量が変化した際に、水分変化によるパルプ繊維の伸縮あるいはパルプ繊維間の空隙距離の変化を局所的な発生で抑えることが重要である。
パルプ繊維が、用紙内の水分量低下により収縮した場合、これに隣接するパルプ繊維は繊維間距離を保とうとするため、収縮したパルプ繊維に引張られることとなる。この際、このような収縮の伝播が用紙全体に起こることでカールが大きくなることが考えられる。このため、このような収縮の伝播が起こらないように、収縮の伝播作用を途中で切断あるいは緩和するように、用紙内の構造を構築する必要がある。
そこで、本発明者らは、基材に含まれるパルプ繊維間の結合を阻害する結合阻害剤を基材中に含有させることで、収縮の伝播作用を途中で切断あるいは緩和することが可能であることを見出した。
なお、本発明に用いられる結合阻害剤とは、基材に含まれるパルプ繊維間の結合を阻害し、パルプ繊維間結合距離を増大させる効果のある機能を有するものである。具体的には、JIS P−8222(パルプ試験用手すき紙の調整方法)に規定されている方法で坪量60g/m2のパルプシートを作製した場合、この結合阻害剤を0.5重量%添加したパルプシートの厚みが、未添加のパルプシートの厚みに比べて、2%以上厚くすることができる機能を少なくとも有するものである。なお、未添加のパルプシートの厚みに対する、結合阻害剤を0.5重量%添加したパルプシートの厚みの増加は、4%以上であることがより好ましく、8%以上であることが更に好ましい。
本発明に用いられる結合阻害剤としては、上述した機能を有する薬剤であれば特に限定されないが、具体的には、いわゆる低密度化剤、嵩高剤、柔軟剤、等と呼ばれているような薬剤を利用することができる。
低密度化剤あるいは嵩高剤としては、例えば、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性イオン系界面活性剤、非イオン系界面活性剤などの界面活性剤の如くパルプ繊維に吸着するための親水基と、水分子あるいはパルプ繊維の水素結合形成を阻害する疎水基とを分子内に有するものが挙げられる。このような界面活性剤としては、花王(株)製のKB−08W(非イオン系界面活性剤)あるいは、KB−115(非イオン系界面活性剤)、東邦化学工業(株)製のバルカップMO−500(アニオン系界面活性剤)、日新化学研究所(株)製のPEA−100(カチオン系界面活性剤)、PEA−200(非イオン系界面活性剤)、PEA−300(カチオン系界面活性剤)、理研グリーン(株)製のプロソフト230(カチオン系界面活性剤)、プロソフト1003(カチオン系界面活性剤)等が挙げられる。
さらに、柔軟剤としては、トイレットペーパーやティシュペーパーのような柔軟性を要求される紙媒体に使用されているような各種柔軟剤が使用できる。
このような柔軟剤は具体例としては、例えば、上記にあげた界面活性剤の他、ポリエチレンワックス等のワックスエマルジョン、ジメチルポリシロキサン,カチオン変性シリコーン,エポキシ変性シリコーン等のシリコーン系化合物、ウレタン系高分子、グリセリン、脂肪酸エステル類、パラフィン乳化物、第4級アンモニウム塩、イソプロピルアルコール、尿素、ポリエチレングリコール、脂肪酸ポリアミドポリアミン、多価アルコール等を挙げることができるが、これに限定されるものではない。
結合阻害剤の添加量は、パルプスラリーに添加する場合には、パルプスラリーのパルプ固形分100重量部に対して、0.1重量部以上5.0重量部以下が好ましい。また、抄紙後の湿紙状態の基材に結合阻害剤を塗被する場合には、塗布量が乾燥重量で0.1g/m2以上5.0g/m2以下となるように塗被することが好ましい
結合阻害剤の添加量(塗布量)が0.1重量部(0.1g/m2)に満たない場合は、塗被紙の定着後のカールが大きくなる場合がある。また、5.0重量部(5.0g/m2)を超える場合には、塗被紙の強度が弱くなりすぎて、走行トラブルが発生する。なお、更に好ましい添加量(塗布量)の範囲は、0.3重量部以上3.0重量部以下(0.5g/m2以上4.0g/m2以下)がより好ましく、0.4重量部以上2重量部以下(1.0g/m2以上3.0g/m2以下)が更に好ましい。
しかし、上述したような結合阻害剤を用いた用紙では、用紙シートの強度、特に、引張強度、引張弾性率の低下が起こることが従来より指摘されている。この問題に対して従来は、結合阻害剤を含む用紙の厚みを増すことにより、用紙の強度を維持させることで、画像形成装置の転写部あるいは定着部で用紙が部材に付着するという用紙走行性の問題を改善しようとしてきた。
しかしながら、坪量が95g/cm2以下のような軽量の塗被紙では、用紙の厚みを増加させる機能を有する結合阻害剤を用いても、坪量が小さいために必然的に用紙の厚みが薄くなる傾向にあるため、走行性が低下してしまうことになる。
本発明者等は、結合阻害剤を用いた軽量の塗被紙におけるジレンマを解決するためにさらに鋭意検討を重ねた。その結果、塗被紙のCD方向の引張弾性率を5000MPa以上とすることで、画像形成装置の転写部あるいは定着部で、良好な用紙走行性を得ることができることを見出した。これにより、厚みが薄くても良好な走行性を得ることができるようになるため、塗被紙の薄厚化が可能であり走行性と収納性とを高いレベルで両立させることが容易である。
なお、上記CD方向とは、基材となる紙類の製造に際して、パルプ繊維の流れ方向(即ち、抄紙方向)をMD(Machine Direction)方向とした時、これに垂直な方向(CD(Cross Direction))として規定される方向を意味する。
塗被紙のCD方向の引張弾性率が5000MPa未満の場合には、転写部あるいは定着部で、塗被紙が部材に付着して剥離できないといった用紙走行トラブルが発生する。なお、塗被紙のCD方向の引張弾性率は、5500MPa以上であることが好ましく、6000MPa以上であることがより好ましい。また、CD方向の引張弾性率の上限は、特に限定されず、高ければ高いほど転写部あるいは定着部において安定した用紙の走行性を付与することが出来る。
本発明において、基材に、塗被紙とした際の引張弾性率を低下させる働きを持つ結合阻害剤を含有させつつ、その一方で、結合阻害剤を利用することによる引張弾性率の低下を防止し、さらに、CD方向の引張弾性率を5000MPa以上とする方法としては、大きくわけて、基材側で調整する方法と、塗被層側で調整する方法とが挙げられ、両者を組み合わせてもよい。
CD方向の引張弾性率を5000MPa以上とするために、基材側で調整する方法としては、例えば、1)基材に使用されるパルプの叩解度を向上させる、あるいは、2)基材に水溶性のバインダー作用を有する材料を適正な範囲で加えるといった方法が挙げられるが、これに限定されるものではなく、必要に応じてこれら以外の種々の方法を使用し、あるいは組み合わせて使用することが出来る。以下に上記の1)および2)項に示す方法についてより詳細に説明する。
まず、基材に使用されるパルプのろ水度に関しては、通常、電子写真用転写用紙に用いられるパルプろ水度450mlから500mlのパルプの叩解度をさらに進めて350ml以下にすることが挙げられ、300ml以下であることが好ましく、250ml以下にすることがさらに好ましい。また、高ろ水度パルプ(低叩解度)と低ろ水度パルプ(高叩解度)との混合、あるいは、機械パルプと化学パルプの混合等で所望のろ水度のパルプにして使用することもできる。
また、基材に水溶性のバインダー作用を有する材料を適正な範囲で加える方法としては、例えば、パルプスラリーのパルプ固形分100重量部に対して、デンプンあるいはポリビニルアルコールあるいはポリアクリルアミド樹脂等の水溶性バインダーを1.0重量部以上、好ましくは、1.2重量部以上、さらに好ましくは1.5重量部以上添加した後に抄紙する方法、あるいは、これらの水溶性バインダーを湿紙に対して塗布量が乾燥重量で1.8g/m2以上、好ましくは2.1g/m2以上、さらに好ましくは2.5g/m2以上となるようにサイズプレス等の方法で塗被することが挙げられる。
なお、本発明に用いられる結合阻害剤は、用紙内の水分量変化によるパルプ繊維の伸縮が伝播する事を切断あるいは緩和する作用を有するものである。従って、この結合阻害剤の作用が効果的に発現できるように、上述した1)〜2)項に示すような基材自体の引張弾性率を向上させる方法を行っておくことが望ましい。
一方、CD方向の引張弾性率を5000MPa以上とするために、塗被層側で調整する方法としては、例えば、3)ガラス転移温度が20℃以上の高弾性率を有する合成接着剤を塗被層中に配合する、4)平均粒子径が1μm以下の顔料を適量使用して塗被層内部を顔料で充填することで塗被層自体の弾性率を向上させる等の方法が挙げられるが、これに限定されるものではなく、必要に応じてこれら以外の種々の方法を使用し、あるいは組み合わせて使用することが出来る。以下に上記の3)および4)項に示す方法についてより詳細に説明する。
まず、ガラス転移温度が20℃以上の高弾性率を有する合成接着剤を塗被層中に配合する方法としては、基材に塗被する塗被液中の顔料100重量%に対し、ガラス転移温度が20℃以上、好ましくは、25℃以上、さらに好ましくは30℃以上の合成接着剤を10重量%以上20重量%以下配合することが挙げられる。
また、平均粒子径が1μm以下の顔料を適量使用して塗被層内部を顔料で充填することで塗被層自体の弾性率を向上させる方法としては、基材に塗被する塗被液中の全ての顔料を平均粒子径が1μm以下のものを使用する方法、顔料100重量%のうち、平均粒子径が0.5μm以下のものを30重量%以上、平均粒子径が1μm以上の顔料を70重量%以下にすること等が挙げられる。
また、本発明の塗被紙の坪量は、40g/m2〜95g/m2であることが必要であるが、45g/m2〜90g/m2の範囲内であることが好ましく、45g/m2〜85g/m2の範囲内であることがより好ましい。
用紙の坪量が、40g/m2未満の場合には、坪量が小さすぎるために、用紙の厚みが薄くなり過ぎてしまい、走行不良が発生してしまう。また、95g/m2を超える場合には、塗被紙を薄くすることができず、収納性が低下してしまう。
また、本発明の塗被紙は、その用紙密度が1.00g/cm3以上であることが好ましい。用紙密度が1.00g/cm3に満たない場合は、製本時等において塗被紙を多数枚重ね合わせた時に用紙が嵩張って収納性が低下してしまう場合がある。
なお、より好ましい用紙密度は、1.05g/cm3以上であり、さらに好ましい用紙密度は1.10g/cm3以上である。
なお、収納性の点では、本発明の塗被紙の厚みは薄い程好ましく、具体的には82μm未満であることが好ましく、75μm以下であることがより好ましく、70μm以下であることが更に好ましい。 以上に説明したように塗被紙の密度や厚みを上記範囲内とすることにより、より軽くて、且つ、嵩張らない従来にない電子写真用の塗被紙を提供することができる。
また、本発明の塗被紙においては、少なくともトナーの受像面の白紙光沢度が30%以上であることが好ましい。受像面の白紙光沢度が30%を超えない場合、白紙部と画像部とのコントラストが大きくなりすぎて均一な画像が得られない場合がある。なお、受像面のより好ましい白紙光沢度は40%以上であり、更に好ましい白紙光沢度は50%以上である。
さらに、本発明の塗被紙においては、その透気度が7000秒以下であることが好ましい。塗被紙の透気度が7000秒を超えると、定着時に塗被紙内の水分が蒸気化することで発生する水蒸気圧によるブリスター現象の発生が顕著になる場合がある。なお、より好ましい透気度は5000秒以下であり、更に好ましい透気度は3000秒以下である。
本発明において基材に使用されるパルプ繊維としては、特に限定されるものではないが、通常の一般塗被紙の基紙に用いられるパルプ繊維、例えば、クラフトパルプ繊維、サルファイトパルプ繊維、セミケミカルパルプ繊維、ケミグラウンドパルプ繊維、砕木パルプ繊維、リファイナーグラウンドパルプ繊維、サーモメカニカルパルプ繊維等を使用することが価格を考慮した場合に好ましい。また、これらの繊維中のセルロースあるいはヘミセルロースを化学的に修飾した繊維も必要に応じて使用することができる。
さらに、綿パルプ繊維、麻パルプ繊維、ケナフパルプ繊維、ビスコースレーヨン繊維、銅アンモニアレーヨン繊維、セルロースアセテート繊維、ポリ塩化ビニル系繊維、ポリアクリロニトリル系繊維、ポリビニルアルコール系繊維、ポリ塩化ビニリデン系繊維、ポリオレフィン系繊維、ポリウレタン系繊維、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール共重合体、フルオロカーボン系繊維、ガラス繊維、炭素繊維、アルミナ繊維、金属繊維、シリコンカーバイド繊維等を単独あるいは複数組み合わせて使用することができる。また、必要に応じては、パルプ繊維にポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル等の合成樹脂を含浸あるいは熱融着させて得られた繊維を使用することもできる。
さらに、近年の環境問題を考えると、上質系および中質系の古紙パルプを添加することが望ましく、その配合量は用途に応じて決定されるが、全パルプ繊維中10%以上、好ましくは30%以上、さらに好ましくは50%以上である。
また、本発明の塗被紙を構成する基材には、塗被適性を良くするため、並びに、塗被後の不透明度および白色度の調整のため、填料を使用することもできる。ここで使用できる填料としては、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、カオリン、焼成クレー、パイオロフェライト、セリサイト、タルク等の珪酸類や二酸化チタン等の無機填料、および、尿素樹脂、スチレン等の有機顔料を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。これらの填料の配合量は、特に限定されるものではないが、パルプスラリーの全固形分に対して1〜20重量%、より好ましくは3〜15重量%程度の範囲で使用される。
また、本発明の塗被紙を構成する基材に使用するサイズ剤等の各種薬品は、内添または外添により使用することができる。サイズ剤の種類は、ロジン系サイズ剤、合成サイズ剤、石油樹脂系サイズ剤、中性サイズ剤等のサイズ剤を挙げることができ、硫酸バンド、カチオン化澱粉等、適当なサイズ剤と繊維との定着剤を組み合わせても使用できる。電子写真方式の複写機、プリンター等におけるコピー後の用紙保存性の観点から、中性サイズ剤、例えば、アルケニル無水コハク酸系サイズ剤、アルキルケテンダイマー、アルケニルケテンダイマー、中性ロジン、石油サイズ、オレフィン系樹脂、スチレン・アクリル系樹脂等が好ましい。
さらに、塗被紙の電気抵抗値を調整する目的で塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、硫酸ナトリウム、酸化亜鉛、二酸化チタン、酸化錫、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム等の無機物や、アルキルリン酸エステル酸、アルキル硫酸エステル酸、スルホン酸ナトリウム塩、第4級アンモニウム塩等の有機系の材料を単独あるいは混合して使用することができる。
また、基材には、必要に応じて紙力増強剤を内添あるいは外添することができる。紙力増強剤としては、でんぷん、変性でんぷん、植物ガム、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、ジアルデヒドでんぷん、ポリエチレンイミン、エポキシ化ポリアミド、ポリアミド・エピクロルヒドリン系樹脂、メチロール化ポリアミド、キトサン誘導体等が挙げられ、これらの材料を単独あるいは混合して使用することができる。
また、この他にも、染料、pH調整剤等、通常の塗被紙用基紙に配合される各種助剤が適宜使用される。
また、本発明の塗被紙は、従来塗被紙と同様な風合いを持たせ、且つ、製造コストを下げるという観点から、少なくとも基材の片面に、顔料および接着剤を主成分とする塗被層が形成されていることが必要であり、基材の両面に塗被層が形成されていることが好ましい。
本発明の塗被紙の塗被層に用いられる顔料としては、通常の一般塗被紙に用いられる顔料、例えば、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、サチンホワイト、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、非晶質シリカ、コロイダルシリカ、ホワイトカーボン、カオリン、焼成カオリン、デラミネーテッドクレー、アルミノ珪酸塩、セリサイト、ベントナイト、スメクタイト等の鉱物質顔料や、ポリスチレン樹脂微粒子、尿素ホルムアルデヒド樹脂微粒子、微小中空粒子およびその他の有機系顔料等を単独あるいは複数組み合わせて使用することができる。
本発明の塗被紙の塗被層に用いられる接着剤としては、合成接着剤や天然系の接着剤が利用できる。
合成接着剤としては、スチレン・ブタジエン系、スチレン・アクリル系、エチレン・酢酸ビニル系、ブタジエン・メチルメタクリレート系、酢酸ビニル・ブチルアクリレート系等の各種共重合及びポリビニルアルコール、無水マレイン酸共重合体、アクリル酸・メチルメタクリレート系共重合体等が挙げられる。これらの合成接着剤の中で目的に応じて、1種類以上を使用することができる。これらの接着剤は顔料100重量%当たり5〜50重量%、より好ましくは10〜30重量%程度の範囲で使用されることが好ましい。
また、天然系接着剤として、酸化デンプン、エステル化デンプン、酵素変性デンプンやそれらをフラッシュドライして得られる冷水可溶性デンプン、カゼイン、大豆たんぱく等の一般に知られた接着剤が挙げられる。これらの接着剤も顔料100重量%当たり0.1〜50重量%、より好ましくは2〜30重量%程度の範囲で使用される。
また必要に応じて、分散剤、増粘剤、保水剤、消泡剤、耐水化剤等、通常の塗被紙用顔料に配合される各種助剤が適宜使用される。
上述したような成分を含むように調製された塗被組成物は一般の塗被紙製造に使用される塗被装置、例えばブレードコータ、エアナイフコータ、ロールコータ、リバースロールコータ、バーコータ、カーテンコータ、ダイスロットコータ、グラビアコータ等を用いオンマシンあるいはオフマシンによって、基材上に一層あるいは多層に分けて、塗工量が乾燥重量で片面に2〜15g/m2程度となるように塗被される。
塗被後の平滑化処理は、通常用いられる平滑化装置、例えば、スーパーカレンダー、マシンカレンダー、ソフトニップカレンダー等が用いられ、密度が1.00g/cm3以上、白紙光沢が30%以上になるように仕上げられる。
また、以上のような条件で作製された本発明の塗被紙は、消費者の手元に届くまでの保管時に吸脱湿が発生しないように、通常はポリエチレンラミネート紙等の防湿包装紙やポリプロピレン等で包装される。
この場合、包装を破って開封した直後の塗被紙の水分率が、好ましくは3〜6.5%、より好ましくは、4.5〜5.5%になるように抄紙機、コータのドライヤーおよびカレンダー工程等で調整されていることが好ましい。
以下、本発明の実施例をあげて本発明をより具体的に説明するが、本発明は、これにより限定されるものではない。尚、実施例中および比較例中にある「部」とあるのは、特に断らない限り、重量部とし、「%」は重量%を意味する。
(実施例1)
広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)100重量部のパルプスラリーをナイヤガラビータ(熊谷理機工業社製)で叩解して得られたろ水度250mlのパルプスラリーに、パルプ繊維固形分100重量部に対し、軽質炭酸カルシウム(タマパール TP−121、奥多摩工業(株)製)8量部、硫酸アルミニウム0.5重量部、カチオン化デンプン(商品名:MS4600 日本食品化学工業(株)製)0.5重量部、アルケニル無水コハク酸(ファイブラン81、王子ナショナル(株)製)0.09重量部および嵩高剤(商品名:KB−08W、花王(株)製)0.5重量部を添加し、これらの混合物を白水で希釈し、固形分濃度0.3重量%のパルプスラリーを調製した。
このパルプスラリーを2時間攪拌した後、オリエンテッドシートフォーマー(熊谷理機工業社製)を用いて抄紙し、次いで、この湿紙に、酸化デンプン(エースB、王子コーンスターチ(株)製)を、塗布量が、乾燥重量で1.5g/m2になるように、サイズプレス装置で塗布し、乾燥後、マシンカレンダーにより王研式平滑度が30秒になるように平滑化処理を施し、坪量が60g/m2の基材を得た。
次に、塗被層形成用の塗被液として、顔料成分100重量%〔軽質炭酸カルシウム(商品名:タマパール T−123、奥多摩工業(株)製)を30重量%、カオリン(ウルトラホワイト90、エンゲルハード(株)製)を70重量%〕に対し、接着剤として酸化デンプン(エースA 王子コーンスターチ(株)製)3重量%(顔料に対する固形比;以下同様)および合成接着剤(LX407H、日本ゼオン(株)製)12重量%、分散剤(アロンT−40 東亜合成(株)製)0.3重量%を配合した塗被組成物を調整した。
続いて、この塗被組成物を基材の両面に、片面当り乾燥重量で10g/m2となるようにブレードコータにより塗被し、乾燥後、ロール温度50℃のスーパーカレンダーで密度1.16g/cm3、白紙光沢が62%になるように平滑化処理を行い、坪量80g/m2の電子写真用転写紙を得た。
(実施例2)
LBKP100重量部のパルプスラリーをナイヤガラビータ(熊谷理機工業社製)で叩解して得られたろ水度200mlのパルプスラリーに、パルプ繊維固形分100重量部に対し、軽質炭酸カルシウム(タマパール TP−121、奥多摩工業(株)製)8量部、硫酸アルミニウム0.5重量部、カチオン化デンプン(商品名:MS4600 日本食品化学工業(株)製)0.5重量部、アルケニル無水コハク酸(ファイブラン81、王子ナショナル(株)製)0.09重量部および嵩高剤(商品名:KB−08W、花王(株)製)2.0重量部を添加し、これらの混合物を白水で希釈し、固形分濃度0.3%のパルプスラリーを調製した。
このパルプスラリーを2時間攪拌した後、オリエンテッドシートフォーマー(熊谷理機工業社製)を用いて抄紙し、次いで、この湿紙に、酸化デンプン(エースB、王子コーンスターチ(株)製)を、塗布量が、乾燥重量で2.0g/m2になるように、サイズプレス装置で塗布し、乾燥後、マシンカレンダーにより王研式平滑度が30秒になるように平滑化処理を施し、坪量が60g/m2の基材を得た。
次に、塗被層形成用の塗被液として、顔料成分100重量%〔軽質炭酸カルシウム(商品名:タマパール T−123、奥多摩工業(株)製)を40重量%、カオリン(ウルトラホワイト90、エンゲルハード(株)製)を60重量%〕に対し、接着剤として酸化デンプン(エースA 王子コーンスターチ(株)製)3重量%(顔料に対する固形比;以下同様)および合成接着剤(LX407H、日本ゼオン(株)製)12重量%、分散剤(アロンT−40 東亜合成(株)製)0.3重量%配合した塗被組成物を調整した。
続いて、この塗被組成物を基材の両面に、片面当り乾燥重量で10g/m2となるようにブレードコータにより塗被し、乾燥後、ロール温度50℃のスーパーカレンダーで密度1.10g/cm3、白紙光沢が53%になるように平滑化処理を行い、坪量80g/m2の電子写真用転写紙を得た。
(実施例3)
LBKP80重量部のパルプスラリーをナイヤガラビータ(熊谷理機工業社製)で叩解して得られたろ水度200mlのパルプスラリーとNBKP20重量部のパルプスラリーをナイヤガラビータ(熊谷理機工業社製)で叩解して得られたろ水度400mlのパルプスラリーを混合したパルプスラリーに、パルプ繊維固形分100重量部に対し、軽質炭酸カルシウム(タマパール TP−121、奥多摩工業(株)製)10量部、硫酸アルミニウム0.5重量部、カチオン化デンプン(商品名:MS4600 日本食品化学工業(株)製)0.5重量部、アルケニル無水コハク酸(ファイブラン81、王子ナショナル(株)製)0.09重量部および嵩高剤(東邦化学工業(株)製、商品名:バルカップMO−500)1.5重量部を添加し、これらの混合物を白水で希釈し、固形分濃度0.3%のパルプスラリーを調製した。
このパルプスラリーを2時間攪拌した後、オリエンテッドシートフォーマー(熊谷理機工業社製)を用いて抄紙し、次いで、この湿紙に、酸化デンプン(エースB、王子コーンスターチ(株)製)を、塗布量が、乾燥重量で1.5g/m2になるように、サイズプレス装置で塗布し、乾燥後、マシンカレンダーにより王研式平滑度が30秒になるように平滑化処理を施し、坪量が62g/m2の基材を得た。
次に、塗被層形成用の塗被液として、顔料成分100重量%〔軽質炭酸カルシウム(商品名:タマパール T−123、奥多摩工業(株)製)を30重量%、カオリン(ウルトラホワイト90、エンゲルハード(株)製)を70重量%〕に対し、接着剤として酸化デンプン(エースA 王子コーンスターチ(株)製)3重量%(顔料に対する固形比;以下同様)および合成接着剤(LX407H、日本ゼオン(株)製)12重量%、分散剤(アロンT−40 東亜合成(株)製)0.3重量%配合した塗被組成物を調整した。
続いて、この塗被組成物を基材の両面に、片面当り乾燥重量で9g/m2となるようにブレードコータにより塗被し、乾燥後、ロール温度50℃のスーパーカレンダーで密度1.13g/cm3、白紙光沢が61%になるように平滑化処理を行い、坪量80g/m2の電子写真用転写紙を得た。
(実施例4)
LBKP100重量部のパルプスラリーをナイヤガラビータ(熊谷理機工業社製)で叩解して得られたろ水度370mlのパルプスラリーに、パルプ繊維固形分100重量部に対し、軽質炭酸カルシウム(タマパール TP−121、奥多摩工業(株)製)8量部、硫酸アルミニウム0.5重量部、カチオン化デンプン(商品名:MS4600 日本食品化学工業(株)製)0.5重量部、アルケニル無水コハク酸(ファイブラン81、王子ナショナル(株)製)0.09重量部を添加し、これらの混合物を白水で希釈し、固形分濃度0.3%のパルプスラリーを調製した。
このパルプスラリーを2時間攪拌した後、オリエンテッドシートフォーマー(熊谷理機工業社製)を用いて抄紙し、次いで、この湿紙に、酸化デンプン(エースB、王子コーンスターチ(株)製)を塗布量が乾燥重量で2.0g/m2になるようにサイズプレス装置で塗布し、次いで、嵩高剤(商品名:KB−08W、花王(株))を塗布量が乾燥重量で1.0g/m2になるようにサイズプレス装置で塗布し、乾燥後、マシンカレンダーにより王研式平滑度が30秒になるように平滑化処理を施し、坪量が58g/m2の基材を得た。
次に、塗被層形成用の塗被液として、顔料成分100重量%〔軽質炭酸カルシウム(商品名:タマパール T−123、奥多摩工業(株)製)を30重量%、カオリン(ウルトラホワイト90、エンゲルハード(株)製)を70重量%〕に対し、接着剤として酸化デンプン(エースA 王子コーンスターチ(株)製)3重量%(顔料に対する固形比;以下同様)および合成接着剤(Nipol1577、ガラス転移温度26℃、日本ゼオン(株)製)14重量%、分散剤(アロンT−40 東亜合成(株)製)0.3重量%を配合した塗被組成物を調整した。
続いて、この塗被組成物を基材の両面に、片面当り乾燥重量で11g/m2となるようにブレードコータにより塗被し、乾燥後、ロール温度50℃のスーパーカレンダーで密度1.19g/cm3、白紙光沢が65%になるように平滑化処理を行い、坪量80g/m2の電子写真用転写紙を得た。
(実施例5)
嵩高剤(商品名:KB−08W、花王(株)製)をアニオン系柔軟剤(商品名:ファインソフト70、第一工業製薬(株)製)にして配合量を0.5重量部を0.7重量部に変更する以外は、実施例1と同様にして、密度1.15g/cm3、白紙光沢が63%、坪量を80g/m2の電子写真用転写紙を得た。
(実施例6)
嵩高剤(商品名:KB−08W、花王(株)製)をカチオン系柔軟剤(商品名:ソフノンSSK−15、東邦化学工業(株)製)にして配合量を0.5重量部を0.9重量部に変更する以外は、実施例1と同様にして、密度1.12g/cm3、白紙光沢が62%、坪量を80g/m2の電子写真用転写紙を得た。
(比較例1)
LBKP100重量部のパルプスラリーをナイヤガラビータ(熊谷理機工業社製)で叩解して得られたろ水度370mlのパルプスラリーに、パルプ繊維固形分100重量部に対し、軽質炭酸カルシウム(タマパール TP−121、奥多摩工業(株)製)8量部、硫酸アルミニウム0.5重量部、カチオン化デンプン(商品名:MS4600 日本食品化学工業(株)製)0.5重量部、アルケニル無水コハク酸(ファイブラン81、王子ナショナル(株)製)0.09重量部を添加し、これらの混合物を白水で希釈し、固形分濃度0.3%のパルプスラリーを調製した。
このパルプスラリーを2時間攪拌した後、オリエンテッドシートフォーマー(熊谷理機工業社製)を用いて抄紙し、次いで、この湿紙に、酸化デンプン(エースB、王子コーンスターチ(株)製)を、塗布量が、乾燥重量で1.5g/m2になるように、サイズプレス装置で塗布し、乾燥後、マシンカレンダーにより王研式平滑度が30秒になるように平滑化処理を施し、坪量が60g/m2の基材を得た。
次に、塗被層形成用の塗被液として、顔料成分100重量%〔軽質炭酸カルシウム(商品名:タマパール T−123、奥多摩工業(株)製)を30重量%、カオリン(ウルトラホワイト90、エンゲルハード(株)製)を70重量%〕に対し、接着剤として酸化デンプン(エースA 王子コーンスターチ(株)製)3重量%(顔料に対する固形比;以下同様)および合成接着剤(LX407H、日本ゼオン(株)製)12重量%、分散剤(アロンT−40 東亜合成(株)製)0.3重量%を配合した塗被組成物を調整した。
続いて、この塗被組成物を基材の両面に、片面当り乾燥重量で11g/m2となるようにブレードコータにより塗被し、乾燥後、ロール温度50℃のスーパーカレンダーで密度1.18g/cm3、白紙光沢が63%になるように平滑化処理を行い、坪量80g/m2の電子写真用転写紙を得た。
(比較例2)
製紙用パルプとして広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)100重量部のパルプスラリーをナイアガラビータ(熊谷理機工業社製)で叩解して得られたろ水度350mlのパルプスラリーに、パルプ繊維固形分100重量部に対し、軽質炭酸カルシウム(タマパール TP−121、奥多摩工業(株)製)12部、パルプの繊維間結合阻害剤として多価アルコールと脂肪酸のエステル化合物(KB−110、花王株式会社製)を0.3部を添加し、これらの混合物を白水で希釈し、固形分濃度0.3重量%のパルプスラリーを調製した。
このパルプスラリーを2時間攪拌した後、オリエンテッドシートフォーマー(熊谷理機工業社製)を用いて抄紙し、乾燥後、マシンカレンダーにより王研式平滑度が30秒になるように平滑化処理し、坪量52g/m2の基材を得た。
次に塗被層形成用の塗被液として、顔料成分100重量%〔ブラジル産カオリン(リオカピム社製、カピムDG、)80重量%、重質炭酸カルシウム(ファイマテック社製、FMT−90)10重量%、プラスチックピグメント(Rohm & Haas Company社製、HP−1055、中空球形型、)10重量%〕に対して分散剤としてポリアクリル酸ソーダ0.1重量%(アロンT−40、東亜合成(株)製、バインダーとしてカルボキシ変性スチレンブタジエンラテックス(LX407H、日本ゼオン(株)製)を15重量%、燐酸エステル化澱粉(エースP−130、王子コーンスターチ(株)製)を3部加え、さらに水を加えて固形分濃度59%に調整した塗工液を、塗工量が片面あたり14g/m2となるように、ブレードコータで両面塗被・乾燥を行った後、スーパーカレンダー仕上げをして、密度0.98g/cm3、白紙光沢が67%、坪量を80g/m2の電子写真用転写紙を得た。
なお、この電子写真用転写紙は、基材の坪量を52g/m2としたこと以外は、特開2003−171893号公報の実施例1に記載する方法と同様にして作製したものである。
(比較例3)
使用したLBKPのろ水度を370mlとし、基材への酸化デンプンの塗布量を乾燥重量で1.5g/m2になるようにすることのほかは、実施例2と同様にして、密度1.10g/cm3、白紙光沢が67%、坪量を80g/m2の電子写真用転写紙を得た。
(比較例4)
使用したLBKPのろ水度を250mlとすること以外は、比較例1と同様にして、密度1.18g/cm3、白紙光沢が64%、坪量を80g/m2の電子写真用転写紙を得た。
(比較例5)
市販の印刷用コート紙であるOKトップコートN84.9g/m2(王子製紙(株)製)を用いた。
(比較例6)
製紙用パルプとして広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)100重量部のパルプスラリーをナイアガラビータ(熊谷理機工業社製)で叩解して得られたろ水度350mlのパルプスラリーに、パルプ繊維固形分100重量部に対し、軽質炭酸カルシウム(タマパール TP−121、奥多摩工業(株)製)12部、パルプの繊維間結合阻害剤として多価アルコールと脂肪酸のエステル化合物(KB−110、花王株式会社製)を0.3部を添加し、これらの混合物を白水で希釈し、固形分濃度0.3重量%のパルプスラリーを調製した。
このパルプスラリーを2時間攪拌した後、オリエンテッドシートフォーマー(熊谷理機工業社製)を用いて抄紙し、乾燥後、マシンカレンダーにより王研式平滑度が30秒になるように平滑化処理し、坪量72g/m2の基材を得た。
次に塗被層形成用の塗被液として、顔料成分100重量%〔ブラジル産カオリン(リオカピム社製、カピムDG、)80重量%、重質炭酸カルシウム(ファイマテック社製、FMT−90)10重量%、プラスチックピグメント(Rohm & Haas Company社製、HP−1055、中空球形型、)10重量%〕に対して分散剤としてポリアクリル酸ソーダ0.1重量%(アロンT−40、東亜合成(株)製、バインダーとしてカルボキシ変性スチレンブタジエンラテックス(LX407H、日本ゼオン(株)製)を15重量%、燐酸エステル化澱粉(エースP−130、王子コーンスターチ(株)製)を3部加え、さらに水を加えて固形分濃度59%に調整した塗工液を、塗工量が片面あたり14g/m2となるように、ブレードコータで両面塗被・乾燥を行った後、スーパーカレンダー仕上げをして、密度0.98g/cm3、白紙光沢が66.7%、坪量が97.5g/m2の電子写真用転写紙を得た。
なお、この電子写真用転写紙は、特開2003−171893号公報の実施例1に記載する方法と同様にして作製したものである。
以上の実施例および比較例の塗被紙(電子写真用転写紙)の走行性、ブリスター、カール、および、収納性について評価した結果を、塗被紙の各種特性値と共に、表1に示す。
Figure 0004172377
<品質評価方法>
なお、表1中に示す各種項目の測定・評価方向および評価基準は以下の通りである。
(1)坪量
JIS P−8124の方法により測定した。
(2)白紙光沢度
JIS P−8142に従い入射角度75度で測定した。
(3)透気度
J Tappi No.5の方法により測定した。
(4)用紙の厚み、密度
JIS P−8118の方法により測定した。
(5)用紙のCD方向の引張弾性率
JIS P−8111の方法により、長辺方向がCD方向となるように切断した試料(幅15mm、長さ150mm)を標準状態(温度:23℃、湿度:50%)に放置して調湿した後、これを、CD方向に対して引張速度が5mm/minとなるようにして評価し、得られた値から算出した。
(6)走行テスト
塗被紙の走行テストは、富士ゼロックス製の乾式間接電子写真方式のデジタルカラー複写機DocuColor1250CPを用いて実施した。走行テストに際しては、塗被紙のサイズをA4サイズ(210×297mm)縦目用紙とし、長辺を先端として走行させた。また、各実施例および比較例で得られた塗被紙についてそれぞれ100枚ずつ走行させ、転写部および定着部での走行トラブル枚数を確認した。転写部で走行トラブル発生した用紙は、定着部を通過しないため、定着部走行枚数は不良走行枚数(=100―転写部走行枚数)としてカウントした。
(7)ブリスター評価
塗被紙のブリスター評価は、富士ゼロックス製の乾式間接電子写真方式のデジタルカラー複写機Docucolor1250CPを用いて実施した。コピー原稿は、シアン色、マゼンタ色、イエロー色の3色の網点面積率100%のものを用い、片面プリント時および両面プリント時の画像が用紙の表裏の同じ位置になるようにし、記録テストを行った。給紙サンプルは、包装開封直後のものを用い、両面プリントを実施した。評価基準は、以下の4段階とした。
◎:全くブリスターの発生していないもの
○:発生しているが、目視では確認できないもの
△:目視で確認でき、画像を乱すもの
×:触感で確認でき、画像光沢を低下させているもの
(8)定着後カール
DocuColor1250CPでISO/JIS−SCIDサンプル(日本規格協会発行)の画像識別番号N3(画像名称 果物かご)を出力し、23℃50%RH環境下に10分間放置した際の、カールについて、下記の評価基準で評価した。
◎:ほとんどカールしない
○:少しカールするが許容できる
△:かなりカールし、許容できない
×:カールが大きく場合によっては、円筒となる。
(9)収納性評価
A4サイズのOKトップコートN(坪量84.9g/m2)が丁度100枚入る蓋付きの箱を作製し、この箱に、各々の実施例および比較例で得た塗被紙を100枚収納した際の収納性を以下の基準で確認した。
◎:蓋を閉じる時に力を必要とせず、きれいに閉じる。
○:蓋が閉じるときに抑える力を必要とする。
×:蓋が閉じられない。
<評価結果>
表1から明らかなように、本発明の電子写真用転写紙は、転写部および定着性での走行トラブルがなく、且つ、ブリスターの発生がなく、カールが小さく、さらに嵩が低く、収納性にも優れていた。
それに対して、比較例1は、転写部および定着部では走行トラブルが発生し、また、定着後カールも非常に大きく、実用に耐えることができないレベルであった。比較例2、6は、引張弾性率が低く、転写部および定着部で走行トラブルを起こし、また、収納性が悪く、商品価値が著しく劣った。また、比較例3も、引張弾性率が小さく、転写部および定着部の走行トラブルが発生し、また、ブリスターも顕著に発生した。さらに、比較例4は、転写部および転写部での走行トラブルは発生しにくい傾向にあるが、定着後カールが非常に大きく実用に耐えることのできないレベルであった。また、ブリスターも発生した。比較例5に示した印刷用塗被紙は、転写部および定着部で走行トラブルを起こし、且つ、ブリスターおよび定着後カールが顕著に発生した。
したがって、本発明の塗被紙は、従来の塗被紙に比べ、電子写真方式の複写機およびプリンターでの走行性において優れた信頼性を有し、且つ、ブリスターの発生がなく、定着後カールも小さく、且つ軽量の塗被紙に求められる収納性に優れており、その製品価値は極めて大なるものがあることがわかった。

Claims (4)

  1. パルプ繊維を含む基材と、該基材の少なくとも片面に、顔料および接着剤を主成分とする塗被層とを有し、JIS P−8124に基づき測定される坪量が40g/m2以上95g/m2以下の電子写真用転写用紙において、
    前記基材が前記パルプ繊維間の結合を阻害する結合阻害剤を含有し、且つ、CD方向の引張弾性率が5000MPa以上であることを特徴とする電子写真用転写用紙。
  2. JIS P−8118に基づき測定される密度が1.00g/cm3以上であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真用転写用紙。
  3. JIS P−8142に基づき測定される白紙光沢度が30%以上である事を特徴とする請求項1または2に記載の電子写真用転写用紙。
  4. J Tappi No.5に基づき測定される透気度が7000秒以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の電子写真用転写用紙。
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