次に、本発明の貯蔵庫を冷凍冷蔵庫とした実施の形態について説明する。図1は冷凍冷蔵庫の正面図、図2は冷凍冷蔵庫本体の自動製氷機を設置した製氷室と冷凍室部分の縦断側面図、図3は冷凍冷蔵庫の自動製氷機部分の正面図、図4は冷凍冷蔵庫の製氷室扉を開いた(引き出した)状態の自動製氷機部分の正面斜視図、図5は冷凍冷蔵庫の製氷室扉を開いて(引き出して)自動製氷機全体を若干引き出した状態の正面斜視図、図6は自動製氷機の分解斜視図、図7は自動製氷機の製氷皿の平面図、図8は製氷皿の側面図、図9は自動製氷機の背面斜視図、図10は製氷皿が収納状態にある自動製氷機の縦断側面図、図11は貯氷容器内に製氷皿を設置した状態の上面斜視図、図12はPETボトルの側面図、図13はPETボトル本体の上面図である。
実施例1に係る冷凍冷蔵庫1は、前面開口の冷凍冷蔵庫本体2内を区画して複数の貯蔵室を形成し、これら各貯蔵室の前面は扉で開閉できる構成である。冷凍冷蔵庫本体2は外箱(外壁板)2Aと内箱(内壁板)2Bとの間に発泡断熱材2Cを充填した断熱構造である。冷凍冷蔵庫本体2内には、上から冷蔵室3、冷凍温度室5、野菜室4が区画されて設けられている。冷凍温度室5は、区画板(仕切り板)41によって上部に冷凍温度に保たれる前面開口の製氷室6を形成し、そして、下部に冷凍温度に保たれる冷凍室5Aを区画形成している。製氷室6内には上部に自動製氷機7が取り付けられ、自動製氷機7の下方に上面開口の貯氷容器8が配置されている。また製氷室6の側方には冷凍小室5Bが区画形成されている。
上部に位置する冷蔵室3とその下部に位置する冷凍温度室5(図では製氷室6と冷凍小室5B)の間は、断熱仕切り壁28にて区画されている。断熱仕切り壁28は、インジェクション成形の合成樹脂製上板29とインジェクション成形の合成樹脂製下板30との間に、ポリウレタン樹脂が発泡充填された断熱材31又は予め所定形状に成形された発泡スチロール等の断熱材31を備えた断熱構造をなしている。
製氷室6内には上部に自動製氷機7が取り付けられており、この自動製氷機7の直下には上面開口の貯氷容器8が配置されている。製氷室6の前面開口は、支持装置18によって貯氷容器8と共に前後方向へ移動可能に支持された引き出し式扉14にて開閉される。支持装置18は、扉14の裏側から後方へ水平状態に延びた左右の支持部材19のレール16が、製氷室6の左右壁に取り付けたローラ17に載置される関係で構成され、貯氷容器8は、上方へ取り外し可能なるように貯氷容器8の左右両側が左右の支持部材19に載置されている。この構成によって、自動製氷機7を製氷室6内に残した状態で、引き出し式扉14の引き出し操作に伴って、貯氷容器8が製氷室6の前方へ引き出される。図2に示すように、貯氷容器8は、低い後壁8Cに比して、高い左右側壁8Aと前壁8Bによって、その上面開口内に自動製氷機7の製氷皿7Bが入り込んで、下方から自動製氷機7を包み込むような大きさを有し、自動製氷機7を製氷室6内に残した状態で、低い後壁8Cの上方において、引き出し式扉14の前方への引き出しに伴って貯氷容器8が引き出される。このため、貯氷容器8は、その引き出し式扉14を十分引き出した状態で、冷凍冷蔵庫本体2の前面側に露出する状態となり、支持部材19から上方へ取り外し可能となるように、支持部材19に載置されている。
冷蔵室3の前面開口は、冷凍冷蔵庫本体2の一側部にヒンジ装置21A、21Bによって横方向に回動する回動式の冷蔵室扉10にて開閉される。野菜室4の前面開口は、製氷室6と同様に、左右のレールとローラの組み合わせによる支持装置によって、野菜容器と共に前後方向へ移動可能に支持された引き出し式扉11によって開閉される。冷凍室5Aの前面開口は、製氷室6と同様に、冷凍室5A内に設けた左右のレールとローラの組み合わせによる支持装置によって、容器15と共に前後方向へ移動可能に支持された引き出し式扉12にて開閉される。冷凍小室5Bの前面開口は、製氷室6と同様に、冷凍小室5Bに左右のレールとローラの組み合わせによる支持装置によって、上面開口の容器と共に前後方向へ移動可能に支持された引き出し式扉13にて開閉される。
20は冷凍冷蔵庫本体2の底部に設けた機械室に設置した冷媒の圧縮機であり、圧縮機20で圧縮した冷媒は、凝縮器(図示せず)で凝縮され、キャピラリチューブなどの減圧部を通って蒸発器(冷却器)24で蒸発した後、再び圧縮機20へ帰還して圧縮される循環を行うものであり、これらによって冷凍サイクルが構成される。25は蒸発器(冷却器)24で冷却した冷気を冷凍温度室5を構成する冷凍室5A、製氷室6及び冷凍小室5Bと、更にダクトを通って冷蔵室3と野菜室4へ循環する送風機である。なお、冷凍室5A、製氷室6及び冷凍小室5Bは、蒸発器(冷却器)24で冷却された冷気を送風機25によって循環することにより冷却されるように構成し、一方、冷蔵室3と野菜室4は、前記冷凍サイクルに接続されたもう一つの蒸発器(冷却器)で冷却された冷気をもう一つの送風機によって循環することにより冷却されるように構成してもよい。
自動製氷機7は、電動機構7Aと電動機構7Aによって回転駆動される製氷皿7Bを備え、電動機構7Aへの給電ラインの自動着脱を含めて電動機構7Aと製氷皿7Bを一緒に冷凍冷蔵庫1外に引き出しにて取り外し可能なるように構成している。製氷皿7Bは、ポリプロピレン等のような捻り可能な合成樹脂材で構成された前後方向に長い形態をなし、長手方向を列として、その一列に複数の製氷セル7B1が形成されたものが複数列配置された形態をなす。貯氷容器8は、白色、透明、半透明又はその他の色の合成樹脂製であり、奥行きが左右幅に比して長い上面開口の箱状である。
9は自動製氷機7の製氷皿7Bへ供給する製氷用水を貯める給水容器(貯水容器ともいう)であり、横幅に比して奥行きが長い矩形状をなし、冷蔵室3内に区画された小室に配置されて冷蔵室3内の温度で冷却される。冷蔵室3の前面扉10を開くことによって、給水容器9を冷凍冷蔵庫1の前方へ取り出して、その上面の蓋9Aを開けて新たな水を注入することができる。製氷用水は給水容器9からポンプによって汲み上げられて自動製氷機7の製氷皿7Bへ供給される方式でもよいが、実施例では自然落下方式によって断熱仕切り壁28を縦方向に貫通した給水路51から自動製氷機7の製氷皿7Bへ供給される構成を示している。
合成樹脂製の給水路51の周囲にはソレノイド52が配置され、このソレノイド52への通電によって給水路51中に配置した作動棒が上昇して、給水容器9の底部に設けた開閉弁53が押し上げられて給水容器9底部の給水孔54が開き、給水路51から製氷皿7Bへ製氷用水が供給される。そして、ソレノイド52への非通電によって開閉弁53がバネ力にて下降して給水容器9底部の給水孔54を閉じる仕組みである。
自動製氷機7は電動機構7Aと電動機構7Aによって回転駆動される製氷皿7Bを本体部材100に備えており、自動製氷機7の本体部材100は各部材を組み合わせた架構を構成するため、ハウジング部材100と称することとする。ハウジング部材100には、電動機構7Aとその前方に製氷皿7Bを配置している。ハウジング部材100の後部には、冷凍冷蔵庫本体2側に設けた電気コネクタに着脱自在に接続される電気コネクタ120を備えた構成であり、ハウジング部材100の左右両側部分100Aが製氷室6内の左右両側部分に設けた支持部分200に載置されており、ハウジング部材100は支持部分200をレールとして製氷室6の前方へ引き出し自在であると共に製氷室6内へ収納自在である。このような構成によって、電動機構7Aと製氷皿7Bを含めた自動製氷機7は、冷凍冷蔵庫1の前方へ引き出しにて取り外し可能であり、また冷凍冷蔵庫1内へ収納可能である。
これに関する具体的な構成を以下に記載する。製氷室6と冷凍小室5Bの天井壁を構成する断熱仕切り壁28の合成樹脂製下板30の左右中間部には、製氷室6と冷凍小室5Bとの間の区画板40が取り付けられ、製氷室6の天井壁部分に近い左右両側部には、前後方向にレール機能を果たすように支持部分200が形成されている。支持部分200は、下板30と一体成形にて形成しているが、製氷室6の左右壁と一体または別個に、前後方向へ延びたレール形態によって支持部分200を形成する構造でもよい。この支持部分200にハウジング部材100の左右のフランジ部分100Aが前後方向に引き出し自在に載置される構成である。このため、左右の支持部分200は、左右のレール部200と称することができる。
ハウジング部材100には、前後及び左右の壁101A、101B、101C、101Dと底壁101Eによって囲まれた自動製氷部101を形成している。そして、ハウジング部材100は、自動製氷部101の側方に、手動捻り可能な合成樹脂製の補助製氷皿7Cを前方へ引き出し自在なるように収納する補助製氷部105を形成している。補助製氷皿7Cは手動にて捻り、その製氷セル7C1内の氷を取り出すことができるものである。自動製氷部101と補助製氷部105とは、両者の区画壁である自動製氷部101の右壁101Dを境界として左右両側に隣接配置状態である。補助製氷部105は、前後及び左右の壁105A、105B、105C(101Dと同じ)、105Dと底壁105Eによって囲まれ、補助製氷皿7Cが底壁105E上に前後スライド自在に載置されている。またハウジング部材100の形態から、補助製氷部105の主たる右側壁105Dと右底壁105Eは、一体化した部材Qを組み合わせる構造である。
自動製氷部101の前部分は製氷皿7Bの収納部102を形成し、自動製氷部101の後部分は電動機構7Aの収納部103を形成している。ハウジング部材100は、合成樹脂製であり、本体部材基体(以下、ハウジング本体という)100Bとその上面を覆うカバー106とで構成している。カバー106は、自動製氷部101と補助製氷部105を覆うように、ハウジング本体100Bに固定部106Bにおいてネジにて取り付けられており、ハウジング部材100の上壁を形成している。このため、製氷皿7Bの収納部102は、このカバー106と前壁101A、左右の壁101C、101Dと底壁101Eによって囲まれた領域である。また、電動機構7Aの収納部103は、このカバー106と後壁101B、左右の壁101C、101Dと底壁101Eによって囲まれた領域である。また、補助製氷部105は、このカバー106と前壁105A、左右の壁105C、105Dと底壁105Eによって囲まれた領域である。製氷皿7Bの底面からの冷却を良好にするために、収納部102の底壁101Eには開口部Rが形成され、また、補助製氷皿7Cの底面からの冷却を良好にするために、補助製氷部105の底壁105Eには開口部Sが形成されている。
製氷皿7Bの収納部102には、製氷皿7Bを支持する枠状の製氷皿支持体104が底壁101E上に前後方向へスライド自在に載置されている。電動機構7Aは、電動機と電動機によって回転する複数の歯車の組み合わせである減速機構とがケースに収納されたものであり、そのケースの前面に減速機構によって減速回転する駆動軸110が水平方向へ突出している。電動機構7Aは、そのケースの前上部に形成した左右の係止爪7A1が、カバー106の係止部106Cに係止した状態で収納部103に保持されている。
製氷皿7Bの前部には軸部70が形成されており、製氷皿支持体104の前部には、製氷皿7Bの軸部70を回転自在に支持する軸受け部71を形成している。軸受け部71は上方へ開いており、製氷皿7Bの軸部70は軸受け部71へ上下方向に取り出しと載置が自在である。また、製氷皿7Bの後部には従動軸部72が形成されている。電動機構7Aの駆動軸110と製氷皿7Bの従動軸部72は、駆動軸110の非円形部が従動軸部72内に前後方向へ着脱自在に嵌るように、前後方向に着脱自在な非円形結合の動力伝達部80を構成している。製氷皿7Bは、長手方向を列として多数の製氷小室(製氷セル)7B1が複数列に配置された構成であり、冷凍冷蔵庫1が水平状態に設置された状態において、製氷皿7Bの長手方向軸線P、即ち、軸部70の中心軸線と従動軸部72の中心軸線を通る軸線Pに沿って、製氷皿7Bの前部の軸部70が軸受け部71に載置され、製氷皿7Bの後部の従動軸部72が電動機構7Aの駆動軸110に結合した状態で、製氷皿7Bは後述のように若干傾斜するが、製氷小室(製氷セル)7B1が上方に開口した略水平設置状態である。これによって、製氷皿7Bは、軸線Pに沿って回転可能に軸支持されて電動機構7Aによって回動される。
製氷皿支持体104の後部には、製氷皿7Bの後部に設けた従動軸部72が貫通状態で支持される円形孔の支持部73を形成している。製氷皿7B後部の従動軸部72は、製氷皿7Bと同時成形したものでもよいが、本実施形態では、製氷皿7B後部の突出軸74に対して、前方軸77が嵌め合わされた従動軸部材75によって形成されている。従動軸部材75は、上下の弾性爪76が突出軸74に係合して取り付けられている。従動軸部72は支持部73に対して緩く嵌り合う関係であるため、製氷皿7Bの軸部70を軸受け部71から若干持ち上げた状態で、製氷皿7Bを前方へ引くことにより、電動機構7Aの駆動軸110から製氷皿7Bの従動軸部72が外れ、この状態で製氷皿7Bを製氷皿支持体104から上方へ取り外すことができる。
また、製氷皿7Bが製氷皿支持体104に載置された状態で、製氷皿支持体104を前方へ引くことによって、駆動軸110から従動軸部72が外れると共に、製氷皿7Bは前部の軸部70が軸受け部71に載置された状態で、後部の従動軸部72が支持部73に載置された状態となる。この状態で製氷皿7Bを略水平状態に保持され、製氷皿7Bの脱落防止が図られる。そして、この状態で製氷皿7Bを製氷皿支持体104から上方へ取り外すことができる。このように、製氷皿支持体104が引き出された状態で、製氷皿7Bを略水平状態に保持することができるため、製氷皿7Bを製氷皿支持体104に載せてハウジング本体100Bの正規位置へスライドにて収納する場合、従動軸部72と駆動軸110との結合も円滑に行える。
製氷皿支持体104の前面部には、引き出し用取っ手78が回動自在に取り付けられている。取っ手78は、製氷皿支持体104の前面壁104Aと間隔を保つように前面壁104Aの前方に位置し、上部が軸78Aで回動自在に支持され、付与されたバネ(図示せず)力によって上部に突出形成した係止凸部79が、カバー106に形成した係止部81に係合状態である。この係合状態によって、製氷皿支持体104は、ハウジング本体100Bの製氷皿7Bの収納部102の正規位置に収納された状態を保ち、電動機構7Aの駆動軸110と製氷皿7Bの従動軸部72が嵌り合って、動力伝達可能状態である。
製氷皿支持体104をハウジング部材100から前方へ引き出す場合は、取っ手78を前記バネ力に抗して手前(前方)へ引くことによって回動し、係止凸部79が係止部81から外れるため、製氷皿支持体104をハウジング部材100から前方へ引き出すことができる。製氷皿7Bの上面全部が殆ど露出するように引き出された状態で、製氷皿支持体104をハウジング部材100から脱落しないようにするために、ストッパ装置111が設けられている。製氷皿7Bが殆ど全部引き出された状態で、上記のように、製氷皿7Bを製氷皿支持体104から取り外すことができる。
このストッパ装置111は、製氷皿支持体104を引き出したとき、製氷皿支持体104の底後部に設けた弾性係止片112の係止突起113が、ハウジング部材100の底壁101Eの前部分の後端のストッパ部114に当接して、製氷皿支持体104の引き出しが阻止される仕組みである。このストッパ装置111で停止した状態から製氷皿支持体104を取り外す場合は、弾性係止片112を下方から手で押し上げてストッパ部114から係止突起113を外した状態で、製氷皿支持体104をハウジング部材100の前方へ引き出すことにより達成される。
上記のように、電動機構7Aを製氷室6へ残した状態で、製氷皿7Bを製氷室6外へ取り出し可能であるため、製氷皿7Bを水洗いする場合も電気部品に水が掛かることがない構成である。この効果を発揮する構成として、製氷皿7Bを回転駆動するための電動機構7Aが自動製氷部101の後部に収納されているため、蒸発器(冷却器)24で冷却された冷気を製氷皿7Bの真後ろから製氷皿7Bへ導入することができない。このため、蒸発器(冷却器)24で冷却された冷気を冷気通路91から製氷皿7Bへ導入するために、冷気導入路90が自動製氷機7を迂回するように形成されている。冷気導入路90は、カバー106の補助製氷部105に対応する部分を窪ませ、冷気通路91から供給される冷気が製氷皿7Bの側方から製氷皿収納部102へ流入するように、自動製氷部101の側方に冷気導入路90を屈曲形成している。
蒸発器(冷却器)24で冷却された冷気は、送風機25によって冷気通路91から冷気導入路90へ流入すると共に、冷気通路92から冷凍室5Aへ流入する。冷気導入路90へ流入した冷気は、分流壁90Aによって分流されて製氷皿収納部102の右側面の開口部から製氷皿収納部102へ流入する。冷凍室5Aへ流入した冷気は、冷凍室5Aを冷却した後、吸い込み口93から蒸発器(冷却器)24の周囲へ帰還して、再び冷却されて上記の循環をする。
製氷皿収納部102と補助製氷部105とは、製氷皿7B上の冷気が補助製氷皿7Cへ通過するよう冷気通路で連通している。即ち、カバー106の補助製氷部105に対応する部分を窪ませて形成した冷気導入路90から製氷皿収納部102へ流入した冷気が、製氷皿7Bの周囲に流れて製氷皿7Bを冷却してその中の水を凍られる。この冷気の一部分が、製氷皿支持体104の右側壁に形成した通気孔83と、この通気孔83と重なる位置に明けられた製氷皿収納部102と補助製氷部105との区画壁である壁101D(105Cと同じ)に形成した通気孔84を通って、補助製氷部105内の補助製氷皿7Cを冷却して、補助製氷皿7C内の水を凍結させ、中空部Sと右側壁105Dの通気孔87から製氷室6へ流出する。また、製氷皿7Bの周囲に流れた冷気の他の部分は、そのまま中空部Rから下方の製氷室6へ流出する部分と、製氷皿支持体104の左側壁に形成した通気孔85と、この通気孔85と重なる位置に明けられた製氷皿収納部102の左側壁101Cに形成した通気孔86を通って、製氷室6へ流出する部分とがある。製氷室6へ流出した冷気は、製氷室6の底板47の周囲の隙間等から冷凍室5Aへ流入して、吸い込み口93から蒸発器(冷却器)24の周囲へ帰還して、再び冷却されて上記の循環をする。
上記のように、自動製氷機7は、ハウジング部材100が冷凍温度室である製氷室6に設けた左右レール部200に前後方向にスライド自在に支持されている。このため、ハウジング部材100の引き出しによって、自動製氷機7は製氷室6外に引き出し可能であり、収納もスライドにて可能である。自動製氷機7を製氷室6内の正規の位置へ収納し保持するために、ハウジング部材100を正規位置に保持するためのロック装置95が設けられている。ロック装置95は、製氷室6の天井壁を構成する断熱仕切り壁28の合成樹脂製下板30に上方へ向けて窪んで形成した係止凹部97と、ハウジング部材100の前壁に回動自在に取り付けたロックレバー96との組み合わせで構成されている。
ハウジング部材100を正規位置に収納した状態で、ロックレバー96の上端を係止凹部97に係合させることによって、ハウジング部材100を正規位置に保持することができる。また、ロックレバー96を回動して係止凹部97から外した状態で、ハウジング部材100を製氷室6から前方へ引き出すことができる。
給水路51から製氷皿7Bへ供給する製氷用水は、製氷皿7Bの製氷小室(製氷セル)7B1の一つに供給され、そこから他の製氷小室(製氷セル)7B1へ順次供給されるようにしている。このため、カバー106には、製氷皿7Bの後部の一つの製氷小室(製氷セル)7B1に対応した位置に給水用孔106Aが形成され、この給水用孔106Aに給水路51の下端が対応している。ハウジング部材100の前方への引き出しによって、給水路51を形成するパイプの下端がカバー106に当らないように、カバー106には給水用孔106Aから後方へ開口した溝106Dが形成されている。
上記のように、自動製氷機7は、製氷室6の上壁に近接して配置されるように、製氷室6の上壁30に沿って配置したハウジング部材100に取り付けられて、冷凍温度室である製氷室6に設けた左右レール部200に前後方向にスライド自在に支持されている。このため、冷凍冷蔵庫本体2側の電装部や制御回路部と電動機構7Aとを電気的に結ぶ電気ラインは、着脱自在のコネクタ機構になっている。この具体的な構成を以下に説明することとする。
ハウジング部材100には自動製氷機7側コネクタ120が設けられ、冷凍冷蔵庫本体2側には、冷凍冷蔵庫本体2の電装部(図示せず)からリード線を通って電力が供給されるコネクタ(図示せず)が設けられている。電動機構7Aへ接続される自動製氷機7側コネクタ120は、ハウジング部材100の後部、具体的にはハウジング本体100Bに、後方へ突出して設けられている。冷凍冷蔵庫本体2側のコネクタは、製氷室6の上壁30に近接するように合成樹脂製下板30に取り付けている。自動製氷機7を冷凍冷蔵庫1内へ収納すべく支持部分200上へハウジング部材100の左右部分100Aを載せて押し込むことによって、自動製氷機7が冷凍冷蔵庫1内の所定位置に達した状態でコネクタ120は冷凍冷蔵庫本体2側のコネクタに接続される。このハウジング部材100の押し込みを容易にするために、ハウジング部材100と支持部分200との組み合わせには若干の融通性を持たせている関係上、両方のコネクタの結合にも若干の融通性を持たせることによって、両方のコネクタ同士の結合が円滑になる。
この具体的な構成として、コネクタ120の端子部は突出ピンで構成し、冷凍冷蔵庫本体2側のコネクタは、この突出ピンが差し込まれる孔の形態の端子部であるが、ハウジング部材100の押し込みによってハウジング部材100が若干上下左右にずれても、コネクタ120の突出ピンが冷凍冷蔵庫本体2側のコネクタの孔に入り易いように、冷凍冷蔵庫本体2側のコネクタの孔の入口が若干広がった形状である。更にコネクタ120は上下左右に若干動くことができるように、融通性を持たせた取り付け構造になっている。
自動製氷機7は、ハウジング部材100を冷凍温度室である製氷室6に設けた左右レール部200に前後方向にスライド自在に支持されているため、ハウジング部材100を引き出して自動製氷機7を製氷室6から取り外し、更に貯氷容器8も製氷室6から取り外すことによって、製氷室6を冷凍食品の貯蔵のための冷凍室として使用することができる。
ハウジング部材100を引き出すことにより、自動製氷機7が製氷室6から取り外されるため、この状態で冷凍冷蔵庫本体2側のコネクタの端子部をカバーするコネクタカバー(図示せず)が設けられている。このコネクタカバーは、ハウジング部材100を製氷室6から引き出した状態では、冷凍冷蔵庫本体2側のコネクタの端子部をカバーし、ハウジング部材100を製氷室6内に収納すべく、ハウジング部材100を左右レール部200に沿って後方向にスライドさせることによって、ハウジング部材100の後方へ突出した左右一対の作動部133の上面の傾斜面に沿って押し上げられ、冷凍冷蔵庫本体2側のコネクタの端子部が徐々に露出するようになる構成である。
左右一対の作動片133は、コネクタ120の左右両側に近接配置されてコネクタ120を保護すると共に、左右一対の作動片133を左右両側と下側から覆うように、カバー部134がハウジング部材100の後壁に設けられている。ハウジング部材100を引き出した状態では、このカバー部134によって、コネクタ120と左右一対の作動片133が他物との衝突等から保護される。
自動製氷機7の製氷運転は、冷凍冷蔵庫1に設けた制御回路部によって制御される製氷工程と脱氷工程から構成される。冷蔵室3の所定位置にセットされた給水容器9内に十分な量の製氷用水が入っている状態で、製氷工程が開始されると、前記制御回路部によってソレノイド52へ所定時間通電され、開閉弁53が給水口54を開き、製氷皿7Bへ一回の製氷に要する所定量の製氷用水が自然落下にて自動給水される。
この製氷皿7Bへの給水によって、製氷皿7B内の水が凍り、前記制御回路部のタイマ手段によって一定時間経過したとき、または氷の形成を製氷皿センサが製氷皿7Bの低下した温度を検知したとき、前記制御回路部によって製氷工程から脱氷工程へ移行する。脱氷工程が開始すると、電動機構7Aが始動して製氷皿7Bが図8で反時計方向へ回動して反転し、製氷皿7Bの前部に設けた突起7B20が製氷皿支持体104のストッパ部104Bに当接して製氷皿7Bに捻りが生じ、製氷皿7B内の氷を下方の貯氷容器8へ落下せしめる。この捻り後、図6で製氷皿7Bを時計方向に復帰回転させ、製氷皿7Bが水平状態に復帰する。この状態で、次の製氷工程が自動開始し、再び給水した後、上記の動作を行う。このような製氷運転サイクルを行うことにより、貯氷容器8内に氷が貯えられる。脱氷工程において製氷皿7Bが時計方向へ回動する方式でもよい。
貯氷容器8内の氷の量は、製氷工程ごと、脱氷工程ごと、又は所定時間(例えば、30分ごと)に電動機構7Aによって下降する検氷レバー140によって検知される。検氷レバー140は製氷皿7Bの回動の邪魔にならないように製氷皿7Bの側方に配置され、検氷待機状態では、図2に示すように上昇した待機位置140Bにある。そして、検氷動作に伴って開口部Rを通して下降して貯氷容器8内に侵入し、図2に示すように検氷位置である最下降位置において検知部分140Aが略水平状態となり、氷の量を検知する。貯氷容器8内の氷の量は規定の満杯になると、この検氷レバー140がその氷によって下降が制限されるため、この状態を電気的に検知して次回の製氷工程へ入る前の製氷皿7Bへの給水を中止する仕組みである。
氷の量の満杯検知方式としては、貯氷容器8内の氷が満杯状態の場合は、その氷によって検氷レバー140の最低位置への下降が途中で阻止されるため、このときの電動機構7Aの電動機電流の増加を検出して、制御回路部によって満杯と判定する方法がある。また、他の方法としては、検氷レバー140が最低位置へ到達したとき作動するスイッチを設け、制御回路部によって、検氷レバー140が下降動作を開始してから所定時間内にこのスイッチが作動したときは満杯ではないと判定し、所定時間内にこのスイッチが作動したときは満杯と判定する方法がある。また、他の方法としては、制御回路部によって、検氷レバー140が下降動作を開始してから所定時間経過しても最低位置へ到達しない場合に満杯と判定する方法がある。また、他の方法であってもよい。
図11に示すように、貯氷容器8は、自動製氷機7の製氷皿7Bの直下の側方(横側)に自動製氷機7から取り外した製氷皿7Bを水平状態に載置するために、貯氷容器8内に載置部210を設け、ここでも製氷できるようにしている。この載置部210は、貯氷容器8の側壁を利用したものでもよく、また、貯氷容器8とは別部材にて形成したものでもよい。実施例では、貯氷容器8の側壁を利用して製氷皿7Bの左右両側のフランジ部を支持する形態を示している。
即ち、貯氷容器8の側壁(図11では右側壁)8Aの内面の上下中間部に略水平状態に前後方向に延びた段部211が形成され、この段部211によって載置部210の一方を形成し、この段部211と略同等の高さで並行する立ち壁212によって載置部210の他方を形成している。段部211と立ち壁212との間隔は、段部211と立ち壁212との間に製氷セル7B1の底部が侵入する状態で、製氷皿7Bの左右両側のフランジ部213と214が載置されるように構成している。図では、左右両側のフランジ部213と214は、その前後の部分が載置される形態である。
立ち壁212は、貯氷容器8内を左右に仕切る固定の仕切り壁によって形成することもできるが、実施例では、この立ち壁212の取り付け位置を変更できる移動式仕切り壁212によって形成している。この移動式仕切り壁212は、貯氷容器8の前壁8Bと後壁8Cの内面対向位置に突出形成した支持リブ215Aと215Bに渡る長さを有し、前後一対の支持リブ215Aと215Bに対応して、仕切り壁212の前端と後端には縦溝218が形成されている。このため、仕切り壁212を縦溝218が支持リブ215Aと215Bに対応する状態で上方から差し込むことによって、縦溝218が支持リブ215Aと215Bに嵌り合って取り付けられる形態である。
製氷皿7Bの載置を容易にするために、製氷皿7Bは、段部211と仕切り壁212に載置された状態で前後にスライド自在である。そして、載置された製氷皿7Bが貯氷容器8の周囲壁の最高部よりも低位置に保持される高さになるように、載置部210を構成する段部211と立ち壁212の高さを設定している。上記のように、自動製氷機7を製氷室6内に残した状態、即ち、ハウジング部材100が製氷室6内にセットされた状態で、引き出し式扉14の前方への引き出しに伴って貯氷容器8も引き出されるため、この引き出しの障害とならないように後壁8Cは低く、他の側壁8Aと前壁8Bは製氷皿7Bから落下する氷が飛び出ないように、特に製氷皿7Bが入り込んだ状態になるように、自動製氷機7を覆うように高く形成されている。このため、段部211と立ち壁212の高さは、最も低い後壁8Cよりも若干低く、製氷皿7Bは後壁8Cと略同じ高さに支持され、側壁8Aの高さの上下の略中央部分に製氷皿7Bが支持される構成である。
製氷皿7Bはこのような位置に支持されることにより、その上方に位置するハウジング100の底部とは間隔を保って邪魔にならない支持状態となる。そして、このような位置に支持された製氷皿7Bの下方には、側壁8Aと仕切り壁212との間に空間が形成される。この空間を氷の貯蔵室として使用でき、この空間の側方の空間、即ち、図では立ち壁212の左側の部分は氷の貯蔵室として使用してもよいが、ハウジング100を引き出して取り外し、貯氷容器8内を冷凍食品の貯蔵室として使用する場合には、冷凍食品の貯蔵室としても利用できる。
貯氷容器8の前後壁8B、8Cには、前後一対の支持リブ215Aと215Bの他に、前後一対の支持リブ216Aと216B、及び前後一対の支持リブ217Aと217Bが設けられている。製氷皿7Bを貯氷容器8内に載置しない場合には、移動式仕切り壁212を支持リブ216Aと216Bに取り付けることによって、貯氷容器8内に冷凍食品を区分けして貯蔵する場合に便利である。また、貯氷容器8内を区分けしないで使用する場合は、移動式仕切り壁212を取り外してもよいが、紛失する虞もあるため、その場合は支持リブ217Aと217Bに取り付けることによって、貯氷容器8の側壁8Aに近接して保持でき、貯氷容器8内を広くして使用できるようになる。
また、上記のようにハウジング100に補助製氷部105を形成した場合には、ハウジング100を引き出して取り外し、貯氷容器8内を冷凍食品の貯蔵室として使用する場合において、補助製氷皿7Cを載置部210に載置して、即ち、段部211と立ち壁212に載置して、製氷皿7B同様に使用することもできる。このため、補助製氷皿7Cは製氷皿7Bと同様に載置部210を構成する段部211と立ち壁212に載置できる形態に構成されている。これによって、補助製氷皿7Cが載置部210に載置された状態で、補助製氷皿7Cの製氷セル7C1の底部が、段部211と立ち壁212との間に侵入する状態となる。
上記のように、貯氷容器8内に自動製氷機7から取り外した製氷皿7B又は補助製氷皿7Cを水平状態に載置するための載置部210を設けているため、自動製氷機7を製氷室6から取り外して、貯氷容器8内を冷凍食品の貯蔵室として使用する場合において、手動によって氷を取り出す製氷部を貯氷容器8内に形成できることとなり、貯氷容器8内を冷凍食品の貯蔵と製氷の二役に使用できることとなり、便利さが向上する。
このような貯蔵庫1において、本発明に係る製氷皿7Bは、ポリプロピレン等のような捻り可能な合成樹脂材で構成された前後方向に長い形態をなし、長手方向を列方向として1列8個の製氷セル7B1が2列、1列8個の製氷セル7B1が3列、又は1列10個の製氷セル7B1が3列のように複数(多数)の製氷小室(製氷セル)7B1に区分されて16乃至30個の小型の角型氷が作られる合成樹脂製である。図示の形態は、1列8個の製氷セル7B1が3列配置されたものであって、特に各製氷小室(製氷セル)7B1で生成される氷の大きさは、後述のように、PETボトル(ポリエチレンテレフタレート製のボトル状容器)300の口301から入る程度に小さい大きさであることに特徴がある。
図7に示すように、製氷皿7Bは、一列に8個の製氷セル7B1が並んだものが3列配列されたものであって、各製氷小室(製氷セル)7B1は、同じ大きさの形状であり、PETボトル300の口301から入れることができる小さな氷を作る大きさである。図12及び図13に示すように、PETボトル300は、内容積が300ml(ミリリットル)、500ml(ミリリットル)、2000ml(ミリリットル)のいずれのものも、ねじキャップ302で開閉される口301の大きさは同じであり、PETボトル300の本阿智の口301のねじ部分の外径S2は略28mm、口301の内径S1は略20mmである。このため、各製氷小室(製氷セル)7B1で作られた氷の大きさは、この口301から挿入できるように、この口301の内径S1と同等またはそれよりも若干小さい大きさであれば好ましい。
製氷皿7Bは、前後方向を長手方向として多数の同じ大きさの形状の製氷小室(製氷セル)7B1が前後方向に延びる複数列に配置され、製氷皿7Bの長手方向軸線Pに沿って回転可能に軸支持されて電動機構7Aによって回動される。そして、製氷皿7Bの製氷小室(製氷セル)7B1は、区画壁7B5によって区画形成され、各製氷小室(製氷セル)7B1間の区画壁7B5には、この区画壁7B5の中央部を切り欠いて通水路7B2が形成されている。通水路7B2は、各列方向に並ぶ製氷小室(製氷セル)7B1の全ての区画壁7B5に形成した縦方向通水路7B2Aと、各列間の製氷小室(製氷セル)7B1間の区画壁の所定の区画壁7B5に形成された横方向通水路7B2Bとからなる。
給水路51から供給される製氷用水は、区画壁7B5によって区画形成された製氷小室(製氷セル)7B1のうちの特定の製氷小室7B11へ給水されるが、この供給された製氷用水は、各通水路7B2を通って隣の製氷小室7B1へ流入し、その製氷用水が更に隣の製氷小室7B1へ流入する関係によって、製氷用水は順次隣の製氷小室7B1へ流入して、各製氷小室7B1が製氷用水で満たされる。製氷小室(製氷セル)7B1へ供給される製氷用水が零れ落ちないように、製氷皿7Bは、製氷小室7B1よりも高い周囲壁7B6を巡らせている。この製氷用水の供給は上記のように時間制御されるものである。
製氷小室(製氷セル)7B1の大きさは、PETボトル300の口301から入る小さな氷を作る大きさであり、製氷小室(製氷セル)7B1のうち、給水路51から供給される製氷用水が最初に入る製氷小室(製氷セル)7B11、即ち、製氷小室(製氷セル)7B1のうちの給水ポイントに位置する特定の製氷小室(製氷セル)7B11は、製氷皿7Bの長手方向(図では前後方向)の中央部から見て一端側または他端側(図示の場合は、後半分または前半分)に位置する製氷小室7B1のうちの遠方に位置する製氷小室(製氷セル)7B11に、給水路51から給水される構成である。その場合、製氷皿7Bの長さ方向(図では前後方向)の中央部から見て一端側または他端側(図示の場合は、後半分または前半分)に位置する製氷小室7B1のうちの最も遠い側に位置する製氷小室(製氷セル)7B1のうちの製氷皿7Bのコーナ部分に位置する製氷小室(製氷セル)7B1を、給水路51から供給される製氷用水が最初に入る製氷小室(製氷セル)7B11とする。実施例では、製氷皿7Bの長さ方向(図では前後方向)の後端に位置する製氷小室7B1のうちのコーナ部分に位置する製氷小室(製氷セル)7B1を、給水路51から供給される製氷用水が最初に入る製氷小室(製氷セル)7B11としている。
このため、製氷小室(製氷セル)7B11へ給水路51から供給された製氷用水が、各通水路7B2を通って各製氷小室(製氷セル)7B1へ速やかに流れ、このコーナ部の製氷小室(製氷セル)7B11から最も遠方に位置する側の製氷小室(製氷セル)7B12まで、製氷用水が行き渡ることが好ましい。
しかし、通水路7B2を大きくすれば、製氷用水が通水路7B2を通して各製氷小室(製氷セル)7B1へ行き渡り易くなるが、通水路7B2内の水も凍結するため、通水路7B2を大きくすることによって、各製氷小室(製氷セル)7B1の氷の相互結合が強くなって、脱氷工程によって製氷皿7Bが捻られても、通水路7B2内の氷が破壊されず、各製氷小室(製氷セル)7B1の氷が相互結合したままで製氷皿7Bから離脱し難くなり、また、製氷皿7Bから離脱しても、各製氷小室(製氷セル)7B1の氷が相互結合したままの状態で貯氷容器8に落下することとなる。このことは、PETボトル300の口301から入る程度の小さな氷であることによって顕著となる。このため、通水路7B2の大きさは小さいことが好ましいが、あまり小さくすれば、製氷用水が表面張力によって通水路7B2を通り難くなり、各製氷小室(製氷セル)7B1へ製氷用水が行き渡らないことがある。
そこで、このような両方のことを考慮して、脱氷工程によって製氷皿7Bが捻られたとき、通水路7B2内の氷が破壊されて、各製氷小室(製氷セル)7B1の氷が分離した状態で製氷皿7Bから離脱する程度に小さな通水路7B2を形成するが、製氷用水が供給された製氷小室(製氷セル)7B1の水位がある程度高くなったとき、製氷用水の表面張力が切れて通水路7B2を製氷用水が速やかに流れるようにすることが求められる。
このようにするために、列方向の製氷小室(製氷セル)7B1のうち製氷用水が給水路51から供給される給水ポイントに位置する最後部に位置する製氷小室(製氷セル)7B11に対して、この給水ポイントの対角線方向に位置する最も遠方の最前列に位置する製氷小室(製氷セル)7B12が若干低位置となるように、製氷皿7Bが冷凍温度室5内に傾斜保持されている。このため、給水ポイントに位置する製氷小室(製氷セル)7B11よりも、この給水ポイントから最も遠方に位置する側の製氷小室(製氷セル)7B12が0.5度乃至1度の範囲で若干低位置となるように、製氷皿7Bは、製氷皿7Bの前部の水平方向軸部70が軸受け部71に載置され、製氷皿7Bの後部の従動軸部72が電動機構7Aの駆動軸110に結合され、軸線Pが前下がりの傾斜状態となる。実施例では0.7度低位置となるように、前部の軸部70が製氷皿支持体104の軸受け部71に支持され、後部の従動軸部72が電動機構7Aの駆動軸110と結合され支持されている。
また、通水路7B2の幅は、下部は狭いが上部は、製氷小室(製氷セル)7B1の水位が満水状態に達する前に、製氷用水の表面張力が切れて通水路7B2を通して隣の製氷小室(製氷セル)7B1へ製氷用水が流れるように広くなっている。これによって、通水路7B2の幅が狭くても、上記の傾斜と相俟って、通水路7B2における製氷用水の表面張力が切れる作用が的確となり、製氷用水が順次隣の製氷小室(製氷セル)7B1へ流れるようになる。これを実現する製氷皿7Bの一つの形態として、各製氷小室(製氷セル)7B1は同じ大きさの形状であり、深さも同じであって、上面開口部が20mm四方であって底に行くにしたがって小さくなっている台形形状であり、通水路7B2の幅は、上端が5mmであって下端が2mmであり、通水路7B2の下端は製氷小室(製氷セル)7B1の底面よりも2mm程度若干高い位置である。
貯氷容器8内の氷の量は、上記のように、検氷レバー140の降下動作によって検知されるが、検氷レバー140が降下した状態では、図2に示すように、検氷レバー140が貯氷容器8内に入り込んでいるため、その状態で貯氷容器8が引き出されたときにも、貯氷容器8の後壁8Cに衝突しないようにしなければならない。このため、後壁8Cには、検氷レバー140が降下した状態において、貯氷容器8が引き出されたときに衝突しないための検氷レバー140用の移動溝219が後壁8Cに形成されている。この溝219は後壁8Cを貫通して上面開口の形状をなす。
上記のように、製氷皿7Bの複数の製氷セル7B1で作られる氷の大きさを、PETボトル(ポリエチレンテレフタレート製のボトル)300の口301から入る程度に小さい大きさの氷とする場合、貯氷容器8内が氷で満杯状態において、貯氷容器8が勢いよく引き出された際にもこの溝219から氷が零れ落ちない程度の大きさにこの溝219が形成されている。