JP2007119404A - 歯科用接着材 - Google Patents

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Abstract

【課題】 エッチング処理やプライマー処理などの前処理を必要としないで且つ、歯面処理後のエアブロー処理の影響を受けず、長期耐水性も良好で、信頼性の高い歯質接着力を発現する歯科用接着材の開発すること。
【解決手段】 (A)強酸基、好適にはリン酸基を含有するものを15〜50質量%含有し、且つ水溶性のものを25〜65質量%含有する重合性単量体成分 100質量部
(B)水 1〜15質量部
(C)光重合開始剤 0.01〜10質量部、及び
(D)疎水化処理を施した無機充填剤 10〜40質量部
を含み、有機溶媒を実質的に含まないことを特徴とする歯科用接着材。
【選択図】 なし

Description

本発明は歯科医療分野等における歯の修復に際し、修復材料と歯質とを接着する為の歯科用接着材に関する。
齲蝕等により損傷を受けた歯の修復には、主にコンポジットレジンと呼ばれる充填材料が用いられる。このコンポジットレジンは歯の空洞に充填後重合硬化して使用されるのが一般的である。しかし、この材料自体歯質への接着性を持たない為、歯科用接着材が併用される。歯の硬組織はエナメル質と象牙質から成り、臨床的には双方への接着が要求される。
従来、接着性の向上を目的として、接着材塗布に先立ち歯の表面を前処理する方法が用いられてきた。このような前処理材としては、歯の表面を脱灰する酸水溶液が一般的であり、リン酸、クエン酸、マレイン酸等の酸水溶液が用いられてきた。エナメル質の場合、処理面との接着機構は、酸水溶液の脱灰による粗造な表面へ、接着材が浸透して硬化するというマクロな機械的嵌合であるのに対し、象牙質の場合には、脱灰後に歯質表面に露出するスポンジ状のコラーゲン繊維の微細な空隙に、接着材が浸透して硬化するミクロな機械的嵌合であると言われている。但し、コラーゲン繊維への浸透はエナメル質表面ほど容易ではなく、酸水溶液による処理後に更にプライマーと呼ばれる浸透促進材が一般的に用いられる。
即ち、この方法ではエナメル質と象牙質の双方に対して良好な接着強度を得るためには、歯科用接着材を塗布する前に2段階の前処理が必要な3ステップシステムであり、操作が煩雑であるという問題があった。この操作の煩雑さの軽減を目的として、象牙質に対する親和性及び歯質脱灰性を向上させる作用を有するリン酸基、カルボン酸基等の酸性基を有する重合性単量体と、歯質脱灰に必用な水を主成分とするセルフエッチングプライマーが開発され、1段階の前処理で酸水溶液の脱灰機能と象牙質プライマーの浸透促進機能の両方を発揮させることが可能となった。そして、該プライマーと、歯質への高い接着性を有する歯質接着材を組み合わせた2ステップシステムが提案された(特許文献1、2参照)。
さらに、近年では、上記セルフエッチングプライマーの組成に、歯質接着材に使用される重合性単量体を組み合わせることにより、酸水溶液の脱灰機能と象牙質プライマーの浸透促進機能及び歯質への接着材としての機能のすべてを併せ持つ前処理不要の接着材も開発され、1ステップシステムが実現されつつある(特許文献3、4参照)。
しかしながら、特許文献3、4で提案されている接着材は、脱灰機能を持たせる為に必須成分となる水が比較的多く含まれている。該水は、歯質脱灰時には必要であるが、その後、接着材を硬化させる時には、組成物の均一な溶解性を悪化させ接着材として初期接着力等の硬化性状を低下させてしまう為、歯面処理後に何らかの方法で除去する必要があった。もし、処理面に水などが多く残存した場合には、十分な接着力が得られないどころか、接着不良が原因による2次齲蝕などを引き起こす可能性を有する。それ故、特許文献3、4で提案されているような接着材を実際に使用する為には、有機溶媒を併用して、処理後の歯面に強めのエアブロー処理を施すことによって有機溶媒を揮発させると同時に、不要となった水を接着材から除去する必要があった。
しかしながら、該エアブロー処理によって溶媒や水が除去されたか否かは肉眼では確認することが困難であり、エアブロー処理の加減が接着力へ及ぼす影響が大きい点が問題であった。その結果、エアブロー処理を必要以上に長めに行わなければならなくなり、操作性の面で十分満足できていなかった。さらに、神経近くまで達した窩洞の処理等、強めのエアブロー処理を施すことが困難な場合もあり得、このような症例では、麻酔処理等を施す必要があり、患者の負担が大きくなることも問題であった。
ここで、上記問題の軽減策として、水の含有量を減らして上記エアブロー処理の影響を軽減することが考えられるが、水の含有量を減らすと脱灰性の低下を伴い、接着力が低下するという問題が生じる。また、水を減少して、酸モノマーを増量することで脱灰性を維持することは可能であるが、酸モノマーを増量すると接着材の親水性が高くなり、長期耐水性に問題が生じる。
特開平06−009327号公報 特開平06−024928号公報 特開2003−073218号公報 特開2001−026511号公報
このように、現状の技術では、前処理不要の1ステップシステムである歯科用接着材には比較的多くの水を添加する必要があり、水の一部を有機溶媒に変えて、歯面処理後に強めのエアブロー処理を施すことで対策を講じることも行われているが、十分な効果はあがっていないのが現状である。それ故、エッチング処理やプライマー処理などの前処理を必要としないで且つ、歯面処理後のエアブロー処理の影響を受けず、長期耐水性も良好で、信頼性の高い歯質接着力を発現する歯科用接着材の開発が望まれていた。
本発明者らは上記課題を解決すべく、鋭意検討を行った。その結果、接着材の重合性単量体成分として、強酸基を有するものと水溶性のものをそれぞれ特定量で含有させ、これに水、光重合開始剤、疎水化処理を施した無機充填剤の各特定量を組み合わせて使用した組成物が、エッチング処理やプライマー処理などの前処理を必用としないで且つ、歯面処理後のエアブロー操作の影響を受け難く、信頼性の高い歯質接着力を発現できる歯科用接着材となりうることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、(A)強酸基を有するものを15〜50質量%含有し、且つ水溶性のもの体を25〜65質量%含有する重合性単量体成分
100質量部
(B)水 1〜15質量部
(C)光重合開始剤 0.01〜10質量部、及び
(D)疎水化処理を施した無機充填剤 10〜40質量部
を含み、有機溶媒を実質的に含まないことを特徴とする歯科用接着材である。
本発明の歯科用接着材は、酸水溶液の脱灰機能と象牙質プライマーの浸透促進機能の両方について優れた作用を有しており、エナメル質、象牙質双方に対して高い接着力を有している。したがって、歯と充填材料との接着に関し、エッチング処理やプライマー処理などの前処理を簡略化することが可能であり、このような前処理を行うことなく本発明の接着材を1回の操作で直接に上記接着に使用しても、エナメル質、象牙質の双方に信頼性の高い接着力を得ることができる。
また、本発明の歯科用接着材は脱灰に必要な水を必要最低限量しか含んでおらず、更に有機溶媒を実質的に含んでいない為、処理後のエアブロー処理の影響を受け難く、短時間のエアブロー処理で、上記高い接着力を安定的に得られ、操作性の面からも効果は絶大である。
本発明の歯科用接着材(以下、単に本発明の接着材)は、
(A)強酸基を有するものを15〜50質量%含有し、且つ水溶性のものを25〜65質量%含有する重合性単量体成分
100質量部
(B)水 1〜15質量部
(C)光重合開始剤 0.01〜10質量部、及び
(D)疎水化処理を施した無機充填剤 10〜40質量部
を含んでなる。また、有機溶媒は実質的に含んでいない。
しかして、この組成は、公知の歯科用接着材に比較して、脱灰に必要な(B)水を必要最低限量しか含んでおらず、更に上記の如くに有機溶媒を実質的に含んでいない為、処理後のエアブロー処理の影響を受け難くしてある。その反面、重合性単量体成分において、酸性基を含有する重合性単量体として、強酸基を含有するものを使用し、しかも、配合量が相当に多めにしてあり、上記(B)水の配合量が少ないことに起因する歯面の脱灰力の低下を補うようにしてある。そして、さらに、使用する重合性単量体成分中に占める、該a)強酸基を含有する重合性単量体の配合量が多くなることに起因する、接着材の親水化による長期耐水性の低下を補うために、(D)疎水化処理を施した無機充填剤が特定量で配合させてある。
かくして、本発明の接着剤では、上記の各成分をそれぞれ特定の配合量で使用する構成が相乗的に作用しあって絶妙の物性バランスを形成し、エッチング処理やプライマー処理などの前処理を行わなくても優れた接着力を発揮する接着材になっている。加えて、歯面処理後のエアブロー処理の影響を受け難く、信頼性の高い歯質接着力を長期間発現可能な接着剤を提供することを実現している。以下、これら各成分について説明する。
(A)重合性単量体成分
(強酸基を有する重合性単量体)
本発明において使用する強酸基を有する重合性単量体(以下、強酸基含有単量体とも称する)は、1分子中に少なくとも1つの強酸基と少なくとも1つの重合性不飽和基を持つ重合性単量体であれば特に限定されず、公知の化合物を用いることができる。
上記強酸基とは、酸解離定数(pKa)が3.0以下のものをいう。具体的にはリン酸基、スルホン酸基等が挙げられ、このうち象牙質接着性の点から、リン酸基であるのが特に好ましい。こうした強酸基の分子内の数は、1〜4個が一般的であり、1〜2個が特に好ましい。
また、重合性不飽和基としては、(メタ)アクリル基、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリルアミド基等が挙げられ、このうち(メタ)アクリル基であるのが特に好ましい。こうした重合性不飽和基の分子内の数は、1〜2個が一般的である。
この強酸基含有単量体のうち、強酸基としてリン酸基を有するものの代表例を示せば、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルジハイドロジェンホスフェート、ビス[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル]ハイドロジェンホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニルハイドロジェンホスフェート、6−(メタ)アクリロイルオキシヘキシルジハイドロジェンホスフェート、6−(メタ)アクリロイルオキシヘキシルフェニルハイドロジェンホスフェート、10−(メタ)アクリロイルオキシデシルジハイドロジェンホスフェート、1、3−ジ(メタ)アクリロイルプロパン−2−ジハイドロジェンホスフェート、1、3−ジ(メタ)アクリロイルプロパン−2−フェニルハイドロジェンホスフェート、ビス[5−{2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシカルボニル}ヘプチル]ハイドロジェンホスフェート等が挙げられる。
この他の強酸基としてスルホン酸基を有するものの代表例を示せば、2−スルホエチル(メタ)アクリレート、2−メチル−2−(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸、2または1ースルホー1または2ープロピル(メタ)アクリレート、1または3−スルホ−2−ブチル(メタ)アクリレート、3−ブロモー2−スルホ−2−プロピル(メタ)アクリレート、3−メトキシ−1−スルホ−2−プロピル(メタ)アクリレート、1,1−ジメチル−2−スルホエチル(メタ)アクリルアミド、3−メトキシ−1−スルホ−2−プロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらの強酸基含有単量体は、単独または二種以上を混合して使用することができる。
上記強酸基含有単量体の中でも、象牙質接着性及び硬化体強度の点から、単官能の重合性単量体と2官能の重合性単量体とを組み合わせて使用するのが好ましく、具体的には、単官能の重合性単量体である2−メタクリロイルオキシエチルジハイドロジェンホスフェート、10−メタクリロイルオキシデシルジハイドロジェンホスフェート等と、2官能の重合性単量体であるビス(2−メタクリロイルオキシエチル)ハイドロジェンホスフェート等を組み合わせて使用することが最も好ましい。
本発明において、強酸基含有単量体は、重合性単量体成分中において、15〜50質量%の範囲で用いることが必要であり、特に、20〜30質量%の範囲で用いるのが好ましい。該a)強酸基含有単量体の配合量が15質量%未満では、脱灰力の低下を伴って初期接着力が低下し、50質量%を超えると、長期耐水性の低下に伴って接着耐久性が低下する。
(水溶性の重合性単量体)
本発明で用いる水溶性重合性単量体は、1分子中に少なくとも1つの重合性不飽和基を持ち、且つ水溶性であれば既存のものが制限なく使用できる。水を含有する本発明の接着材の組成において、非水溶性の重合性単量体が相分離せずに液の均一性を保ち、歯質脱灰力を高めるためには、重合性単量体成分の一定量が水溶性の重合性単量体で占められる必要がある。
ここで、重合性単量体が水溶性とは、該化合物の10g、より好適には20gが水100gに均一に溶解できる場合をいう。重合性不飽和基の種類や好適な数は、前記a)強酸基含有単量体の場合と同様である。
一般に、前記した強酸基含有単量体は親水基である強酸基の作用により水溶性を呈していることが多いため、こうした水溶性の強酸基含有単量体を25質量%以上占めるように使用する場合は、該水溶性の強酸基含有単量体以外の水溶性重合性単量体を必ずしも別に配合しなくても良い。因みに前記例示した強酸基含有単量体の多くは、上記水に対する溶解性の性状を満足する水溶性の重合性単量体であるが、ビス(2−メタクリロイルオキシエチル)ハイドロジェンホスフェートや10−(メタ)アクリロイルオキシデシルジハイドロジェンホスフェートなどは非水溶性のものになる。こうした非水溶性の強酸基含有単量体を使用する場合や、水溶性の強酸基含有単量体の使用量が上記25質量%を下回る少量である場合、更には、該使用量を上回る場合であっても、液の相溶性を一層に高めたい場合には、水溶性の強酸基含有単量体以外の水溶性重合性単量体を別に配合することが必要になる。
こうした強酸基含有単量体以外の水溶性重合性単量体としては、代表的には、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2,3−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2,3−ジヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2,4−ジヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシメチル−3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2,3,4−トリヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2,3,4,5−テトラヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ペンタエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等の多価アルコール類あるいはポリエチレングリコール類の(メタ)アクリル酸エステル類、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等のアミノアルコールの(メタ)アクリル酸アミド類等が挙げられ、これらは単独または二種以上を混合して使用することができる。
上記水溶性重合性単量体の中でも、親水性が強く水と任意の割合で混合可能であり組成物の調製が容易であるという点から、多価アルコール類が好適に使用され、さらに象牙質接着力を考慮すると、2−ヒドロキシエチルメタクリレートが最も好適に使用される。
本発明において、水溶性重合性単量体は、重合性単量体成分中において、25〜65質量%の範囲になるよう調整することが必要であり、特に、25〜35質量%の範囲で用いるのが好ましい。水溶性重合性単量体の配合量が25質量%未満では初期接着力が低下し、65質量%を超えると初期接着力、接着耐久性ともに低下する。
(その他の重合性単量体)
重合性単量体成分において、前記強酸基含有単量体および水溶性重合性単量体以外の残余は、分子中に少なくとも1つの重合性不飽和基を持つ公知の重合性単量体のうち、強酸基を有さず、前記水溶性の要件を満足しない非水溶性の重合性単量体(以下、「その他の重合性単量体」とも略する)で占められている。強酸基含有単量体として非水溶性のものを多めに用いた場合には、該非水溶性の強酸基含有単量体と水溶性重合性単量体の2成分のみで、前記これら成分の含有要件を満足する場合もあり得るが、前記したように強酸基含有単量体の多くは水溶性であるため、これを用いた場合には、水溶性の重合性単量体は最大でも65質量%までであり、上記その他の重合性単量体として非水溶性の重合性単量体も配合して、接着材の歯質への接着力や接着耐久性を高く維持することが必要になる。
こうしたその他の重合性単量体において、重合性不飽和基の種類は、前記強酸基含有単量体の場合と同様であり、重合性不飽和基の数は、1〜3個が一般的である。
こうしたその他の重合性単量体の代表例としては、(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−シアノメチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、コハク酸モノ[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル]、イソフタル酸[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル]、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、4−(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメリット酸、11,11−ジカルボキシウンデシル(メタ)アクリレート等の単官能性単量体;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ノナエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシジエトキシフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシポリエトキシフェニル]プロパン、1−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、1−ナフトキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジル(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、1,6−ビス(メタクリルエチルオキシカルボニルアミノ)トリメチルオキサン、エポキシ(メタ)アクリレート等の多官能性単量体が挙げられ、これらは単独または二種以上を混合して使用することができる。
上記重合性単量体の中でも、重合性不飽和基を2つ以上有する多官能性単量体を使用することが硬化体強度の点から好ましい。
本発明において、その他の重合性単量体は、重合性単量体成分中において、75質量%以下の範囲の含有量で用いられる。長期耐水性を向上させる観点からは15質量%以上含有させるのが好ましい。その他の重合性単量体の配合量が75質量%を超えると初期接着力、接着耐久性ともに低下する。

(最も好適な重合性単量体成分の組成)
本発明において、脱灰機能や象牙質プライマーの浸透促進機能が高く、エナメル質、象牙質双方に対して特に高い接着力を有する接着材が得られることから、重合性単量体成分として、
a)強酸基を含有する重合性単量体として、リン酸基を含有する重合性単量体を20〜30質量%含有し、水溶性の重合性単量体として、2−ヒドロキシエチルメタクリレートを25〜35質量%含有させたもの〔上記2成分の残余として、c)その他の重合性単量体を含有〕を用いるのが最も好ましい。

(B)水
本発明において使用する(B)水は、歯質脱灰の為に必要である。この水は、貯蔵安定性および医療用成分に有害な不純物を実質的に含まない蒸留水やイオン交換水が好適に使用できる。
本発明に用いられる(B)水の配合量は上記(A)重合性単量体成分の100質量部に対して、1〜15質量部の範囲で用いるのが好ましく、特に、5〜10質量部の範囲で用いるのが好ましい。該水の配合量が1質量部未満では歯質の脱灰が不十分となり、15質量部を超えると接着性組成物の強度が低下し、接着力が低下する。

(C)光重合開始剤
本発明において使用する(C)光重合開始剤は、そのもの自身が光照射によって分解しラジカル種を生成する化合物や、これに重合促進剤を加えた系からなるものが挙げられる。
化合物そのもの自身が光照射にともない分解して重合可能なラジカル種を生成する化合物としては、カンファーキノン、ベンジル、α−ナフチル、アセトナフテン、ナフトキノン、1,4−フェナントレンキノン、3,4−フェナントレンキノン、9,10−フェナントレンキノン等のα−ジケトン類、2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン類、2−ベンジル−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−ベンジル−ジエチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−ベンジル−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−プロパノン−1、2−ベンジル−ジエチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−プロパノン−1、2−ベンジル−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ペンタノン−1、2−ベンジル−ジエチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ペンタノン等のα−アミノアセトフェノン類、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシド等のアシルフォスフィンオキシド誘導体等が好適に使用される。
また、上記した重合促進剤としては、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、N,N−ジ−n−ブチルアニリン、N,N−ジベンジルアニリン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ジエチル−p−トルイジン、N,N−ジメチル−m−トルイジン、p−ブロモ−N,N−ジメチルアニリン、m−クロロ−N,N−ジメチルアニリン、p−ジメチルアミノベンズアルデヒド、p−ジメチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノ安息香酸、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、p−ジメチルアミノ安息香酸アミルエステル、N,N−ジメチルアンスラニックアシッドメチルエステル、N,N−ジヒドロキシエチルアニリン、N,N−ジヒドロキシエチル−p−トルイジン、p−ジメチルアミノフェネチルアルコール、p−ジメチルアミノスチルベン、N,N−ジメチル−3,5−キシリジン、4−ジメチルアミノピリジン、N,N−ジメチル−α−ナフチルアミン、N,N−ジメチル−β−ナフチルアミン、トリブチルアミン、トリプロピルアミン、トリエチルアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N,N−ジメチルヘキシルアミン、N,N−ジメチルドデシルアミン、N,N−ジメチルステアリルアミン、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、2,2'−(n−ブチルイミノ)ジエタノール等の第三級アミン類、5−ブチルバルビツール酸、1−ベンジル−5−フェニルバルビツール酸等のバルビツール酸類、ドデシルメルカプタン、ペンタエリスリトールテトラキス(チオグリコレート)等のメルカプト化合物を挙げることができる。
なお、アリールボレート誘導体、増感色素、および光酸発生剤から成るような多成分混合型の触媒も使用可能であるが、これらの中には、全ての成分が共存する形で保存されると安定性に劣るものもあり、この場合、試薬形態を2部材以上に分けて使用時に一液に混合して使用する必要性が生じる。
本発明に用いられる(C)光重合開始剤の配合量は上記(A)重合性単量体成分の100質量部に対して、0.01〜10質量部の範囲で用いることが必要であり、特に、0.5〜5.0質量部の範囲で用いるのが好ましい。該光重合開始剤の配合量が0.01質量部未満では重合が充分に進まず、また10質量部を超えると接着性組成物の強度が低下し、接着力が低下する。

(D)疎水化処理を施した無機充填剤
本発明において使用する(D)疎水化処理を施した無機充填剤は、接着性組成物の機械的強度および耐水性を向上させる為に必要である。この(D)疎水化処理を施した無機充填剤として使用される無機充填剤としては、ホウケイ酸ガラス、ソーダガラス、重金属(例えばバリウム、ストロンチウム、ジルコニウム)を含むガラス、アルミノシリケート、ガラスセラミックス、シリカやシリカ・ジルコニア、シリカ・チタニア、シリカ・アルミナなどの複合無機酸化物などが挙げられ、このうちシリカが最も好ましい。
これらの無機充填剤は、シランカップリング剤に代表される表面処理剤で疎水化することで重合性単量体とのなじみを良くし、機械的強度や耐水性を向上させることができる。疎水化の方法は公知の方法で行えばよく、シランカップリング剤としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザンなどが好適に用いられる。上記各種フィラーは単独または二種以上を混合して使用することができる。
本発明に用いられる(D)疎水化処理を施した無機充填剤の配合量は上記(A)重合性単量体成分の100質量部に対して、10〜40質量部の範囲で用いるのが好ましく、特に、20〜30質量部の範囲で用いるのが好ましい。該疎水化処理を施した無機充填剤の配合量が10質量部未満では接着性組成物の強度および耐水性が不足し、40質量部を超えると硬化性が不十分となり、歯質との接着力が低下する。
本発明の接着材には、上記(A)〜(D)成分が特定の配合量で配合される一方で、有機溶媒は実質的に含んでいない。ここで、有機溶媒とは、公知のものが制限無く意図されるが、前記した通常の前処理不要の1ステップシステムである歯科用接着材において、水に併用する形で使用されている有機溶媒は、エアブロー処理で少しでも気散し易いように沸点が80℃以下のものが使用されており、これらが主に意図される。
前記したようにこうした揮発性の高い有機溶媒を含有させたのを使用したのでも、得られる接着剤は、使用時において、接着性に影響を与えることなく、これら有機溶媒を短時間のエアブロー処理で十分に揮発させることは簡単ではなく、こうした有機溶媒を実質的に含有していない本発明の接着材における、接着の信頼性や操作性の面からの有用性は極めて高い。
上記本発明において意図される有機溶剤としては、具体的には、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジール、ブテンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、アリルアルコール、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−(メトキシエトキシ)エタノール、2−イソプロポキシエタノール、2−ブトキシエタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、グリセリンエーテル等のアルコール類又はエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類等が親水性の有機溶媒が該当する。
なお、これら有機溶媒を実質的に含んでいないとは、組成物中に全く含んでいない状態だけでなく、エアブロー処理に実質的に影響を与えない範囲であるならば、(A)重合性単量体の各成分に付随等して極僅かに混入しているような状態は許容されることを意味する。具体的には、(A)重合性単量体成分の100質量部に対して、1質量部以下程度に含有される場合も、有機溶媒は実質的に含んでいない状態として許容される。
本発明の接着材には、上記(A)〜(D)成分が特定の配合量で配合されていればその効果を発現するが、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて歯科用接着材の配合成分として公知の他の成分、例えば、紫外線吸収剤、重合禁止剤、重合抑制剤、染料、顔料などが配合されていてもよい。
本発明の接着材の製造方法は特に限定されるものではなく、公知の歯質用接着材の製造方法に従えばよく、一般的には、赤色光などの不活性光下に、配合される全成分を秤取り、均一溶液になるまでよく混合すればよい。操作性は低下するが、前記したように(C)光重合開始剤として、保存安定性に劣る多成分混合型のものを使用する場合には、試薬形態を2部材以上に分けて保存するものとしても良い。
本発明の接着材の使用方法もまた、公知の歯質用接着材の使用方法に従えばよく、一般的には、齲蝕部を取り除くなどした被着体となる歯質に本発明の接着材を塗布、5〜60秒程度放置後に歯科用照射器を用いて可視光を照射し重合、硬化させればよい。
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。なお、実施例および比較例で使用した化合物とその略称を(1)に、本発明の接着材におけるエナメル質、象牙質接着強度測定方法を(2)に示す。
略称および構造
(A)重合性単量体
a)強酸基含有単量体
PM1;2−メタクリロイルオキシエチルジハイドロジェンホスフェート (水溶性)
PM2;ビス(2−メタクリロイルオキシエチル)ハイドロジェンホスフェート (非水溶性)
MDP;10−メタクリロイルオキシデシルジハイドロジェンホスフェート (非水溶性)
b)水溶性重合性単量体〔上記a)に属するもの以外のもの〕
HEMA;2−ヒドロキシエチルメタクリレート
c)その他の重合性単量体
MAC−10;11,11−ジカルボキシウンデシルメタクリレート
4−META;4−メタクリロイルオキシエチルトリメリット酸
D−2.6E;2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシポリエトキシフェニル)プロパン
Bis−GMA;ビスフェノールAジグリシジルメタクリレート
3G;トリエチレングリコールジメタクリレート
UDMA;1,6−ビス(メタクリルエチルオキシカルボニルアミノ)トリメチルオキサン
TMPT;トリメチロールプロパントリメタクリレート
(C)光重合開始剤
CQ;カンファーキノン
TPO;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド
DMBE;N,N−ジメチルp−安息香酸エチル
DMEM;N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート
(D)疎水化処理を施した無機充填剤
Si−Ti:球状シリカ−チタニア、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン疎水化処理物
・有機溶媒
Et−OH;エタノール
(2)エナメル質、象牙質接着強度測定方法
屠殺後24時間以内に牛前歯を抜去し、往水下、#800のエメリーペーパーで唇面に平行になるようにエナメル質および象牙質平面を削り出した。次にこれらの面に圧縮空気を約10秒間吹き付けて乾燥した後、この平面に直径3mmの孔の開いた両面テープを固定し、ついで厚さ1mm直径8mmの孔の開いたパラフィンワックスを上記円孔上に同一中心となるように固定して模擬窩洞を形成した。この模擬窩洞内に本発明の接着材を塗布し、20秒間放置、或いは20秒間放置後に圧縮空気を20秒間吹き付けた。
次に、可視光線照射器(ホワイトライト、タカラベルモンド社製)にて10秒間光照射し接着材を硬化させた。更にその上に歯科用コンポジットレジン(パルフィークエステライト(株)トクヤマデンタル社製)を充填し、可視光線照射器により30秒間光照射し、接着試験片を作製した。
上記接着試験片を37℃の水中に24時間浸漬した後、引張り試験機(オートグラフ、島津製作所製)を用いてクロスヘッドスピード2mm/minにて引張り、歯牙とコンポジットレジンの引張り接着強度を測定した。1試験当り、4本の引張り接着強さを上記方法で測定し、その平均値を初期接着力とした。また、同様に作製した接着試験片を熱衝撃試験機にて4℃と60℃に1分間ずつ交互に浸漬し、これを3000回行った後で引張り接着強さを測定した。1試験当り、4本の引張り接着強さを測定し、その平均値を長期接着力とした。
実施例1
(a)成分として30gのPM、(b)成分として20gのHEMA、(c)成分として25gのD−2.6E、25gの3G、(d)成分として5gの水、(e)成分として0.5gのCQ、0.5gのDMBE、(f)成分として25gのSi−Tiを量り取り、1液型歯科用接着材を調整した。
該接着材を用いて、エナメル質、象牙質接着力を測定した。接着材の組成を表1に、接着力の測定結果を表3に示した。
実施例2〜15、比較例1〜15
実施例1において、接着材の組成を表1及び表2に示すものに変えた以外は実施例1と同様の方法を実施して、組成の異なる接着材を調整した。接着力の測定結果を表3及び表4に示した。
Figure 2007119404
Figure 2007119404
Figure 2007119404
Figure 2007119404
実施例1〜15は、各成分が本発明で示される成分比を満足するように配合されたものであるが、いずれの場合においても接着材塗布後のエアブローの影響を受けず、象牙質及びエナメル質に対して良好な初期接着力及び、長期接着力が得られることがわかる。
これに対して、比較例1は(C)光重合開始剤以外の成分が本特許で示される配合量を満足しない場合であるが、該組成では後に述べる様々な理由により接着力が低下している。
比較例2は(B)成分である水が本発明で示される配合量を超えて配合された場合であるが、該組成では水が均一に溶解しない為、初期接着力が大幅に低下している。比較例3は、比較例2の組成にEt−OHを添加して水を均一に溶解した場合であるが、エアブローの影響を受けやすくなり、エアブローが足りないと接着力が低下している。
比較例4及び5は親水性の高いPM或いはHEMAを増量して水を均一に溶解した場合であるが、硬化体強度低下及び、耐水性の低下により接着力が低下している。また、比較例6は(B)成分である水が本発明で示される配合量に満たない場合であるが、歯質脱灰力の不足により、接着力が低下している。
比較例7は強酸基含有単量体が本発明で示される配合量を超えて配合された場合であるが、耐水性の低下を伴い、接着力が低下している。また、比較例8は強酸基含有重合性単量体が本発明で示される配合量に満たない場合であるが、歯質脱灰力の不足から、接着力が低下している。
比較例9は水溶性重合性単量体が本発明で示される配合量に満たない場合であるが、該組成では水が均一に溶解しない為、初期接着力が大幅に低下している。
また、比較例10〜11は水溶性重合性単量体が本発明で示される配合量を超えて配合された場合であるが、耐水性の低下により接着力が低下している。
比較例12〜13は(D)成分である疎水化処理を施した無機充填剤が本発明で示される配合量を満足しない場合であるが、耐水性低下、硬化体強度不足等の理由から接着力が低下している。
比較例14〜15は(C)成分である光重合開始剤が本発明で示される配合量を満足しない場合であるが、硬化性不足、硬化体強度不足等の理由から接着力が低下している。

Claims (4)

  1. (A)強酸基を有するものを15〜50質量%含有し、且つ水溶性のものを25〜65質量%含有する重合性単量体成分
    100質量部
    (B)水 1〜15質量部
    (C)光重合開始剤 0.01〜10質量部、及び
    (D)疎水化処理を施した無機充填剤 10〜40質量部
    を含み、有機溶媒を実質的に含まないことを特徴とする歯科用接着材。
  2. (A)重合性単量体成分のうちの、強酸基を含有する重合性単量体として、リン酸基を含有する重合性単量体を含有する請求項1記載の歯科用接着材。
  3. (A)重合性単量体成分のうちの、水溶性の重合性単量体として、2−ヒドロキシエチルメタクリレートを含有する請求項1または請求項2記載の歯科用接着材。
  4. (D)疎水化処理を施した無機充填剤が、疎水化処理を施したシリカである請求項1〜3のいずれか一項に記載の歯科用接着材。
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