JP2007118800A - 車両の操舵装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 伝達比可変機構を備えた車両の操舵装置において、車両衝突時における衝撃エネルギーを伝達比可変機構内の電動モータを用いて効率的に吸収する。
【解決手段】 上端にて操舵ハンドル13に接続された上側ステアリングシャフト11と、下端部側にて左右前輪16a,16bに連結された下側ステアリングシャフト12との間に、電動モータ22を有する伝達比可変機構20が設けられている。上側ステアリングシャフト11には、操舵ハンドル13からの直線運動を回転運動に変換して伝達比可変機構に出力する直線回転変換機構30と、ロック機構40が組み付けられている。ロック機構40は、衝突検出用ECU61に制御されて、車両の通常走行時にロック状態に設定されて直線回転変換機構30による変換動作を禁止し、かつ車両の衝突時にロック解除状態に設定されて直線回転変換機構による変換動作を許容する。
【選択図】 図1
【解決手段】 上端にて操舵ハンドル13に接続された上側ステアリングシャフト11と、下端部側にて左右前輪16a,16bに連結された下側ステアリングシャフト12との間に、電動モータ22を有する伝達比可変機構20が設けられている。上側ステアリングシャフト11には、操舵ハンドル13からの直線運動を回転運動に変換して伝達比可変機構に出力する直線回転変換機構30と、ロック機構40が組み付けられている。ロック機構40は、衝突検出用ECU61に制御されて、車両の通常走行時にロック状態に設定されて直線回転変換機構30による変換動作を禁止し、かつ車両の衝突時にロック解除状態に設定されて直線回転変換機構による変換動作を許容する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、操舵ハンドルの回転角と操舵輪の操舵角との比を変更するとともに、車両衝突時に運転者が操舵ハンドルから受ける衝撃を吸収する車両の操舵装置に関する。
従来から、例えば下記特許文献1に示されるように、操舵ハンドルの回転角と操舵輪の操舵角との比を変更するための伝達比可変機構と、車両衝突時に運転者が操舵ハンドルから受ける衝撃を吸収するための衝撃吸収装置とを備えた車両の操舵装置は知られている。この車両の操舵装置においては、操舵ハンドル側に接続された上側ステアリングシャフトの下端部と、操舵輪側に接続された下側ステアリングシャフトの上端部との間に、電動モータの回転によって上側ステアリングシャフトの軸線周りの回転角と下側ステアリングシャフトの軸線周りの回転角との比を変更する伝達比可変機構を設けている。また、この伝達比可変機構を構成するハウジングに一体的に取り付けた断面6角形の空洞を有するガイド管内に、先端部を断面6角形状に形成した上側ステアリングシャフトを、軸線周りに一体回転するとともに、ガイド管の内壁と上側ステアリングシャフトの側面との間に介装させた板ばねの付勢力以上の衝撃力で軸線方向に進退するように侵入させている。これにより、車両の通常走行時には、操舵ハンドルの回動力が上側ステアリングシャフトを介して伝達比可変機構に伝達されて、操舵輪が操舵ハンドルの回動操作に応じて操舵される。また、車両衝突時には、上側ステアリングシャフトがガイド管内へ侵入して、車両衝突時における運転者に対する衝撃が板ばねの摩擦力により吸収される。
特許第3536296号公報
しかし、上記従来の装置においては、車両衝突時における衝撃を吸収するための格別の機構を必要とする。また、摩擦力によって衝撃エネルギーを吸収するために、高熱が発生するおそれがある。
本発明は、上記問題に対処するためになされたもので、その目的は、伝達比可変機構を備えた車両の操舵装置において、車両衝突時における衝撃エネルギーを伝達比可変機構内の電動モータを用いて効率的に吸収するようにしたことにある。
上記目的を達成するために、本発明の特徴は、上端部にて操舵ハンドルに接続されて軸線周りに操舵ハンドルと一体回転する上側ステアリングシャフトと、下端部側にて操舵輪に連結されて軸線周りの回転に応じて操舵輪を操舵する下側ステアリングシャフトと、上側ステアリングシャフトの下端部と下側ステアリングシャフトの上端部との間に介装された伝達比変更用電動モータを含み、伝達比変更用電動モータの回転によって上側ステアリングシャフトの軸線周りの回転角と下側ステアリングシャフトの軸線周りの回転角との比を変更する伝達比可変機構と、上側ステアリングシャフトに組み付けられて、操舵ハンドルから入力された上側ステアリングシャフトの軸線方向の直線運動を上側ステアリングシャフトの軸線周りの回転運動に変換して伝達比可変機構に出力する直線回転変換機構と、車両の通常走行時にロック状態に設定されて直線回転変換機構による直線運動から回転運動への変換動作を禁止し、かつ車両の衝突時にロック解除状態に設定されて直線回転変換機構による直線運動から回転運動への変換動作を許容する第1のロック装置とを備えたことにある。
この場合、第1のロック装置は、例えば、車体に発生する加速度、衝撃力などの車両の衝突を検出するための衝撃に関係した物理量を検出して、同検出物理量に基づいてロック状態とロック解除状態との切換えを行うようにすればよい。具体的には、前記物理量を検出するセンサと、センサによる検出物理量が所定値以上であることを条件に車両の衝突を判定する判定手段と、同判定手段の判定結果に応じてロック状態とロック解除状態とが切換えられるロック機構とにより構成するとよい。また、これに代えて、第1のロック装置を、車両の通常走行時には上側ステアリングシャフトと係合してロック状態に保つロックピンを備え、車両の衝突時における衝撃によってロックピンが破壊されて、ロック解除状態に設定されるように構成してもよい。
上記本発明の構成においては、前記車両の操舵装置に、さらに車速を検出する車速センサと、車両の通常走行時に、前記検出された車速に応じて、上側ステアリングシャフトの軸線周りの回転角と下側ステアリングシャフトの軸線周りの回転角との比を変更するように伝達比変更用電動モータを回転制御し、車両の衝突時に伝達比変更用電動モータを回生制動動作させるように制御する伝達比制御手段とを設けて、前記上側ステアリングシャフトの軸線周りの回転角と下側ステアリングシャフトの軸線周りの回転角との比を電気的に制御するようにするとよい。
また、伝達比可変機構に対して操舵輪側に設けられて、運転者による操舵ハンドルの操舵操作をアシストするアシスト用電動モータと、車両の通常走行時にアシスト用電動モータを駆動制御し、かつ車両の衝突時にアシスト用電動モータの駆動制御を停止するアシスト制御手段とを設けて、運転者による操舵ハンドルの操舵操作をアシスト用電動モータによってアシスト制御するとよい。
前記のように構成した本発明の特徴によれば、車両の通常走行時には、第1のロック装置はロック状態に設定されて、直線回転変換機構による上側ステアリングシャフトの軸線方向の直線運動から上側ステアリングシャフトの軸線周りの回転運動への変換動作を禁止するので、操舵ハンドルの回動に連動した上側ステアリングシャフトの軸線周りの回転は、そのまま伝達比可変機構に伝達される。伝達比可変機構は、伝達比変更用電動モータの回転により、上側ステアリングシャフトの軸線周りの回転角と下側ステアリングシャフトの軸線周りの回転角との比を変更して、上側ステアリングシャフトの軸線周りの回転を下側ステアリングシャフトに伝達し、下側ステアリングシャフトを軸線周りに回転させる。したがって、操舵ハンドルが回動されると、操舵輪は、操舵ハンドルの回動に応じて操舵されるとともに、伝達比可変機構によって設定されている回転角の比に応じて操舵される。
一方、車両の衝突時には、第1のロック装置はロック解除状態に設定されて、直線回転変換機構による上側ステアリングシャフトの軸線方向の直線運動から上側ステアリングシャフトの軸線周りの回転運動への変換動作を許容する。したがって、この場合には、車両の衝突による2次衝突時、すなわち運転者が操舵ハンドルに衝突すると、上側ステアリングシャフトが軸線に沿って下方に変位して、直線回転変換機構がこの上側ステアリングシャフトの下方への変位による軸線方向の直線運動を上側ステアリングシャフトの軸線周りの回転運動に変換して伝達比可変機構に出力するので、伝達比可変機構内の電動モータが外力により駆動されることになる。その結果、電動モータの回生制動により、2次衝突による運転者への衝撃を効率的に吸収できるようになる。
また、本発明の他の特徴は、直線回転変換機構は、伝達比可変機構から入力された上側ステアリングシャフトの軸線周りの回転運動を上側ステアリングシャフトの軸線方向の直線運動に変換して操舵ハンドルに出力する機能も備えており、さらに車両の通常走行時にロック解除状態に設定されて上側ステアリングシャフトの軸線周りの回転を許容し、かつ車両の衝突時にロック状態に設定されて上側ステアリングシャフトの軸線周りの回転を禁止するとともに上側ステアリングシャフトの軸線方向の直線運動を許容する第2のロック装置と、車両の衝突時に、上側ステアリングシャフトを軸線方向上方または下方へ変位させるために、伝達比変更用電動モータを回転駆動するシャフト変位制御手段とを設けたことにある。
これによれば、車両の衝突時には、シャフト変位制御手段が伝達比変更用電動モータを回転駆動して、上側ステアリングシャフトを軸線方向上方または下方へ変位させ、操舵ハンドルを適正位置に変位させることができる。したがって、運転者が操舵ハンドルに衝突する2次衝突時には操舵ハンドルは適正位置に変位しているので、2次衝突時における操舵ハンドルおよび上側ステアリングシャフトの下方への変位量を適正に保つことができ、運転者の操舵ハンドルへの衝突による衝撃をより良好に緩和できる。
a.第1実施形態
以下、本発明の第1実施形態について図面を用いて説明すると、図1は、同第1実施形態に係る車両の操舵装置を概略的に示している。
以下、本発明の第1実施形態について図面を用いて説明すると、図1は、同第1実施形態に係る車両の操舵装置を概略的に示している。
この車両の操舵装置は、上下に2分割された上側ステアリングシャフト11および下側ステアリングシャフト12を備えている。上側ステアリングシャフト11の上端には操舵ハンドル13が接続されており、上側ステアリングシャフト11は、運転者による操舵ハンドル13の回動操作に連動して一体的に軸線回りに回転する。なお、これらの上側ステアリングシャフト11および下側ステアリングシャフト12は、適宜図示しない一つまたは複数の等速ジョイントを含んでいて、屈曲しながら下方に延設されている。下側ステアリングシャフト12の下端部にはピニオンギヤ14が設けられ、同ピニオンギヤ14にはラックバー15が噛み合っている。ラックバー15は左右方向に延設され、その両端にて操舵輪としての左右前輪16a,16bを操舵可能に連結していて、軸線方向の変位により左右前輪16a,16bを操舵する。
上側ステアリングシャフト11と下側ステアリングシャフト12との間には、上側ステアリングシャフト11の軸線周りの回転角と下側ステアリングシャフト12の軸線周りの回転角との比を変更する伝達比可変機構20が設けられている。伝達比可変機構20は、上側ステアリングシャフト11の下端部に一体回転するように接続された円筒状のハウジング21を備えている。このハウジング21内には、回転により前記回転角の比を変更する電動モータ22が固定されている。電動モータ22の出力軸22aは、ハウジング21に軸線周りに回転可能に支持されていて、下端にて下側ステアリングシャフト12に一体回転するように接続されている。電動モータ22は減速機構を内蔵していて、電動モータ22の回転は減速されてその出力軸22aに出力される。
下側ステアリングシャフト12には、操舵ハンドル13の回動操作をアシストするための操舵アシスト装置17が介装されている。操舵アシスト装置17は、減速器を付属させた電動モータを内蔵しており、電動モータの回転駆動力により操舵アシスト力を発生する。この操舵アシスト装置17に代えて、ラックバー15に組み付けられた電動モータおよびボールねじ機構からなる操舵アシスト装置を利用することも可能である。この操舵アシスト装置は、電動モータの回転駆動力を、ボールねじ機構によって減速するとともに直線運動に変換してラックバー15を軸線方向に駆動する。
上側ステアリングシャフト11には、操舵ハンドル13から入力された上側ステアリングシャフト11の軸線方向の直線運動を上側ステアリングシャフト11の軸線周りの回転運動に変換して伝達比可変機構20に出力する直線回転変換機構30が介装されている。直線回転変換機構30は、2分割された上側ステアリングシャフト11の下部分と一体回転する円筒状のハウジング31を備えている。ハウジング31は、上方から侵入した上側ステアリングシャフト11の上部分を軸線回りに回転可能かつ軸線方向に変位可能に支持している。ハウジング31の上部内周面と上側ステアリングシャフト11の上部分の外周面との間には、複数のボール32を含むボールねじ機構が設けられている。ハウジング31の内側下部には、上側ステアリングシャフト11が侵入可能な空間が形成されている。なお、直線回転変換機構30と伝達比可変機構20との間の上側ステアリングシャフト11の下部分を省略して、直線回転変換機構30のハウジング31と伝達比可変機構20のハウジング21とを直接接続するようにしてもよい。
上側ステアリングシャフト11には、第1ロック機構40が組み付けられている。第1ロック機構40は、電磁ソレノイドを内蔵するケーシング41を備えている。ケーシング41は、直線回転変換機構30のハウジング31に固定されて、前記電磁ソレノイドの非通電状態にて突出されるとともに、前記電磁ソレノイドの通電状態にて突出の解除されるロックピン42を収容している。ロックピン42は、突出状態にて上側ステアリングシャフト11に設けた孔11aに侵入して、直線回転変換機構30による上側ステアリングシャフト11の直線運動から回転運動への変換動作を禁止する。また、ロックピン42は、突出解除状態にて上側ステアリングシャフト11に設けた孔11aから抜け出て、直線回転変換機構30による上側ステアリングシャフト11の直線運動から回転運動への変換動作を許容する。
次に、上記伝達比可変機構20内の電動モータ22、操舵アシスト装置17および第1ロック機構40を電気的に制御する電気制御装置について説明する。電気制御装置は、操舵角センサ51、操舵トルクセンサ52、相対角センサ53、加速度センサ54および車速センサ55を備えている。
操舵角センサ51は、上側ステアリングシャフト11に組み付けられていて、操舵ハンドル13の回転角すなわち操舵角θを検出する。操舵トルクセンサ52は、上側ステアリングシャフト11に組み付けられていて、上側ステアリングシャフト11に作用するトルク、すなわち操舵ハンドル13の操舵操作に伴う操舵トルクTを検出する。相対角センサ53は、伝達比可変機構20内の電動モータ22に組み付けられた回転角センサで構成され、電動モータ22の回転角すなわち上側ステアリングシャフト11およびハウジング21に対する下側ステアリングシャフト12の回転角を相対角Δθとして検出する。操舵角θ、操舵トルクTおよび相対角Δθにおいては、正により左方向の角度およびトルクを表し、負により右方向の角度およびトルクを表す。加速度センサ54は、車体に組み付けられて、車両の衝突を検出するために車体に作用する加速度Gを検出する。車速センサ55は、車速Vを検出する。
また、電気制御装置は、CPU,ROM,RAMなどからなるマイクロコンピュータをそれぞれ主要構成部品とする衝突検出用ECU61、伝達比制御用ECU62およびアシスト用ECU63を備えている。衝突検出用ECU61は、加速度センサ54に接続されて、図示しないプログラムの実行により、検出加速度Gが所定加速度を超えたことを条件に車両の衝突を判定して、衝突判定信号を駆動回路64、伝達比制御用ECU62およびアシスト用ECU63にそれぞれ出力する。駆動回路64は、衝突判定信号を入力しない状態では、第1ロック機構40内の電磁ソレノイドを非通電状態に保ってロックピン42を突出させる。駆動回路64は、衝突判定信号を入力すると、第1ロック機構40内の電磁ソレノイドに通電してロックピン42の突出を解除する。
伝達比制御用ECU62は、操舵角センサ51、相対角センサ53および車速センサ55に接続されて、図2の伝達比制御プログラムの実行により、駆動回路65を介して伝達比変換機構21内の電動モータ22の回転を制御するとともに、電動モータ22の回生制動動作を制御する。アシスト用ECU63は、操舵トルクセンサ52および車速センサ55に接続されて、図3のアシスト制御プログラムの実行により、駆動回路66を介して操舵アシスト装置17内の電動モータを駆動制御する。駆動回路64,65,66には、電力を供給するためのバッテリ67が接続されている。なお、伝達比変換機構20内の電動モータ22の回生制動動作時には、電動モータ22によって発電された電力が駆動回路65を介してバッテリ67に戻される。なお、他の電気部品および電気回路にもバッテリ67からの電力は供給されるが、図1においては省略されている。
次に、上記のように構成した第1実施形態の動作について説明する。まず、車両が他の物体に衝突していない状態すなわち通常走行時における操舵装置の動作について説明する。この場合、加速度センサ54によって検出される加速度Gは、車両衝突を表す予め決められた大きな所定値以下であり、衝突検出用ECU61は、車両の衝突を判定しなくて衝突判定信号を出力しない。したがって、駆動回路64は、第1ロック機構40内の電磁ソレノイドを非通電状態に保つので、ロックピン42は突出して孔11a内に侵入している。その結果、直線回転変換機構30の直線/回転変換は禁止されて、上側ステアリングシャフト11の2つに分割された上下部分および直線回転変換機構30のハウジング31は一体的に変位する。すなわち、操舵ハンドル13の回動操作は、上側ステアリングシャフト11を介して伝達比可変機構20のハウジング21に伝達される。
一方、伝達比制御用ECU62は、図2の伝達比制御プログラムを所定の短時間ごとに繰り返し実行している。この伝達比制御プログラムの実行はステップS10にて開始され、伝達比制御用ECU62は、ステップS11にて、衝突検出用ECU61からの衝突判定信号の非入力により、「No」すなわち車両衝突なしと判定して、ステップS12以降の処理を実行する。ステップS12においては、操舵角センサ51からの操舵角θ、相対角センサ53からの相対角Δθおよび車速センサ55からの車速Vを入力する。ステップS13においては、伝達比制御用ECU62に内蔵の伝達比テーブルを参照し、車速Vに対応した伝達比Kvを計算する。伝達比テーブルは、図4に示すように、車速Vが増加するに従って「1.0」より大きな所定値から「1.0」に徐々に減少する伝達比Kvを記憶している。なお、伝達比テーブルを利用するのに代えて、車速Vと伝達比Kvの前記関係を規定する関数を予め用意しておき、同関数を用いて車速Vに応じた伝達比Kvを計算するようにしてもよい。
次に、伝達比制御用ECU62は、ステップS14にて、前記入力した操舵角θ、前記計算した伝達比Kvおよび予め決められた定数K1を用いた下記式1の演算の実行により、目標相対角Δθ*を計算する。
Δθ*=K1・(Kv−1)・θ …式1
なお、目標相対角Δθ*の計算においては、前記式1に代えて、車両のヨーレートおよび横加速度をも考慮するようにしてもよい。
Δθ*=K1・(Kv−1)・θ …式1
なお、目標相対角Δθ*の計算においては、前記式1に代えて、車両のヨーレートおよび横加速度をも考慮するようにしてもよい。
前記ステップS14の処理後、伝達比制御用ECU62は、ステップS15にて、前記計算した目標相対角Δθ*から前記入力した相対角Δθを減算した減算値Δθ*−Δθに応じた回転制御信号を駆動回路65に供給して電動モータ22の回転を制御する。これにより、電動モータ22は、目標相対角Δθ*だけ回転して、ハウジング31すなわち上側ステアリングシャフト11に対して下側ステアリングシャフト12を目標相対角Δθ*だけ回転させる。
この状態では、操舵角(すなわち、操舵ハンドル13および上側ステアリングシャフト11の回転角)がθであれば、下側ステアリングシャフト12の回転角はθ+Δθ*となり、左右前輪16a,16bはこの回転角θ+Δθ*に比例した角度だけ左右に操舵される。したがって、車速Vが小さいほど操舵ハンドル13の回転に対して左右前輪16a,16bは大きく左右に操舵されて、車両の小回り性能が良好になる。また、高速走行時における車両の走行安定性が良好になる。
また、アシスト用ECU63は、図3のアシスト制御プログラムを所定の短時間ごとに繰り返し実行している。このアシスト制御プログラムの実行はステップS20にて開始され、アシスト用ECU63は、ステップS21にて、衝突検出用ECU61からの衝突判定信号の非入力により、「No」すなわち車両衝突なしと判定して、ステップS22以降の処理を実行する。ステップS22においては、操舵トルクセンサ52からの操舵トルクTおよび車速センサ55からの車速Vを入力する。ステップS23においては、アシスト用ECU63に内蔵のアシストトルクテーブルを参照し、操舵トルクTおよび車速Vに応じた目標アシストトルクT*を計算する。
アシストトルクテーブルは、図5に示すように、操舵トルクTが増加するに従って増加する目標アシストトルクT*を記憶しているもので、さらに、この目標アシストトルクT*は車速Vが小さくなるほどその絶対値が大きな値となる。なお、このアシストトルクテーブルを利用するのに代えて、操舵トルクTおよび車速Vと、目標アシストトルクT*との前記関係を規定する関数を予め用意しておき、同関数を用いて操舵トルクTおよび車速Vに応じた目標アシストトルクT*を計算するようにしてもよい。
次に、アシスト用ECU63は、ステップS24にて、駆動回路66を制御して、目標アシストトルクT*に比例した駆動電流を操舵アシスト装置17内の電動モータに流す。したがって、電動モータは、目標アシストトルクT*で下側ステアリングシャフト12を軸線回りに回転駆動する。これにより、下側ステアリングシャフト12は、前記電動モータによる回転駆動力によってアシストされながら、操舵ハンドル13の回動操作に応じて軸線回りに回転駆動される。この下側ステアリングシャフト12の回転は、ピニオンギヤ14およびラックバー15のラック歯によってラックバー15の軸線方向の直線運動に変換され、このラックバー15の軸線方向の直線運動によって左右前輪16a,16bが左右に操舵される。したがって、左右前輪16a,16bは、操舵アシスト装置17によってアシストされながら、操舵ハンドル13の回動操作に応じて左右に操舵される。
この場合、目標アシストトルクT*は、操舵トルクTが大きくなるに従って大きくなるので、運転手は、適度にアシストされながら操舵ハンドル13を回動操作できる。また、目標アシストトルクT*は、車速Vの増加に従って小さくなるので、低速走行時における車両の旋回性能が良好になるとともに、高速走行時における車両の走行安定性が良好となる。
次に、車両が他の物体に衝突した場合について説明する。この場合、加速度センサ54によって検出される加速度Gが車両衝突を表す予め決められた大きな所定値を超えるので、衝突検出用ECU61は車両の衝突を判定して衝突判定信号を駆動回路64、伝達比制御用ECU62およびアシスト用ECU63に出力する。駆動回路64は、第1ロック機構40内の電磁ソレノイドに通電することによってロックピン42を図示左方向に引っ張って、上側ステアリングシャフト11の孔11aに対するロックピン42の侵入を解除する。その結果、上側ステアリングシャフト11の上部分は、軸線方向に変位可能となる。
一方、伝達比制御用ECU62は、図2のステップS11にて「Yes」すなわち衝突ありと判定して、ステップS16にて、駆動回路65を制御することにより、伝達比可変機構20内の電動モータを回生制動モードに切換える。また、アシスト用ECU63は、図3のステップS21にて「Yes」すなわち衝突ありと判定して、ステップS25にて、駆動回路66による操舵アシスト装置17内の電動モータの駆動制御を停止する。
このような制御状態のもとで、車両の衝突時における2次衝突すなわち運転者の操舵ハンドル13に対する衝突が起こると、第1ロック機構40によるロックは解除されているので、上側ステアリングシャフト11の上部分は軸線に沿って下方向に変位して直線回転変換機構30のハウジング31内に侵入する。この上側ステアリングシャフト11の上部分のハウジング31内への侵入により、ボール32、上側ステアリングシャフト11の上部分の外周面およびハウジング31の上部内周面からなるボールねじ機構によってハウジング31は上側ステアリングシャフト11の軸線回りに回転する。このハウジング31の回転は、上側ステアリングシャフト11の下部分を介して、伝達比可変機構20のハウジング21を上側ステアリングシャフト11および下側ステアリングシャフト12の軸線回りに回転させる。これにより、電動モータ22の固定子は、回転子に対して相対回転、すなわち下側ステアリングシャフト12に対して相対回転する。言い換えれば、電動モータ22は、上側ステアリングシャフト11の上部分の軸線方向の変位により逆転させられる。
この場合、駆動回路65は電動モータ22を回生制動モードに設定しているので、前記電動モータ22の逆転による回生制動動作により発電される電力はバッテリ67に戻される。その結果、上記第1実施形態によれば、運転者の操舵ハンドル13への衝突による衝撃が電動モータ22の回生制動によって和らげられながら、操舵ハンドル13は適度な速度で下方に移動するので、運転者の保護が良好に図られる。また、このとき、操舵アシスト装置17の作動は停止制御されていて、下側ステアリングシャフト12は軸線回りに回転し難くなっているので、直線回転変換機構30のハウジング31、上側ステアリングシャフト11の下部分、伝達比可変機構20のハウジング21および電動モータ22のケーシングの下側ステアリングシャフト12に対する回転が良好に確保される。
なお、上記第1実施形態では、ロック機構40のロックピン42を車両の衝突判定に応答して電気的に制御するように構成した。しかし、これに代え、ロックピン42を車両衝突に伴う衝撃によって破壊される材料で構成しておき、ロックピン42を車両の通常走行時には上側ステアリングシャフト11の孔11a内に侵入させておくようにしてもよい。そして、車両の衝突時には、ロックピン42が衝撃によって破壊されて、ロック機構40がロック解除状態に設定されて、上側ステアリングシャフト11の上部分の軸線方向の変位が許容されるようにする。
b.第2実施形態
次に、本発明の第2実施形態について説明する。図6は、第2実施形態に係る車両の操舵装置を、図2のピニオンギヤ14、ラックバー15および左右前輪16a,16bを省略して示している。また、この第2の実施形態に係る車両の操舵装置は、上記第1実施形態の第1ロック機構40を変形するとともに、第1ロック機構40と操舵ハンドル13との間にて上側ステアリングシャフト11に組み付けられた第2ロック機構70を備えている。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。図6は、第2実施形態に係る車両の操舵装置を、図2のピニオンギヤ14、ラックバー15および左右前輪16a,16bを省略して示している。また、この第2の実施形態に係る車両の操舵装置は、上記第1実施形態の第1ロック機構40を変形するとともに、第1ロック機構40と操舵ハンドル13との間にて上側ステアリングシャフト11に組み付けられた第2ロック機構70を備えている。
第1ロック機構40は、直線回転変換機構30のハウジング31に固定されて、上側ステアリングシャフト11を貫通させてなる円筒状のハウジング43を有する。ハウジング43内には、周方向に沿って分割された複数の円弧状のクラッチ板44が設けられている。クラッチ板44は、クラッチ板44の外周面とハウジング43の内周面との間に設けられた複数のスプリング45により、上側ステアリングシャフト11の軸線方向に付勢されて、上側ステアリングシャフト11の外周面上に固定された摩擦板46に密着係合している。ハウジング43内には、電磁ソレノイド47が設けられている。電磁ソレノイド47は、駆動回路64により通電されて、通電時にクラッチ板44を径方向外側に吸引してクラッチ板44と摩擦板46との密着係合を解除する。
したがって、第1ロック機構40は、電磁ソレノイド47への非通電状態時に、クラッチ板44と摩擦板46との密着係合により、直線回転変換機構30による上側ステアリングシャフト11の直線運動から回転運動への変換動作および回転運動から直線運動への変換動作を禁止する。また、第1ロック機構40は、電磁ソレノイド47への通電状態時に、クラッチ板44と摩擦板46との係合解除により、直線回転変換機構30による上側ステアリングシャフト11の直線運動から回転運動への変換動作および回転運動から直線運動への変換動作を許容する。なお、この第2実施形態においては、直線回転変換機構30は、伝達比可変機構20内の電動モータ22の回転によるハウジング21および上側ステアリングシャフト11の下部分の回転を、上側ステアリングシャフト11の上部分の直線運動に変換する。また、この第1ロック機構40については、特に前記構成に限定されるものではなく、前記機能を有するものであれば、上記第1実施形態の第1ロック機構40を採用してもよい。
第2ロック機構70は、図6の正面図および図7の概略断面図に示すように、上側ステアリングシャフト11の外周上に固定されたスライド部材71を備えている。スライド部材71は円筒状に形成されて、外周面に周方向に所定間隔を有するとともに軸線方向に延設された複数の突起部71aを有する。スライド部材71の外周上には、基部をハウジング72内に収容したロックピン73の先端が対向している。ハウジング72は、車体側に固定されたブラケット74に固定されている。ロックピン73は、ハウジング72内に収容したスプリング75により常時スライド部材71の径方向外側に付勢されている。ハウジング72には電磁ソレノイド76も収容されており、電磁ソレノイド76は、駆動回路64によって通電されて、ロックピン73をスライド部材71の径方向内側に引っ張ってロックピン73をスライド部材71の突起部71aの間に侵入させる。
したがって、第2ロック機構70は、電磁ソレノイド76への非通電状態時に、ロックピン73とスライド部材71の突起部71aとの非係合により、上側ステアリングシャフト11の軸線周りの回転運動および軸線方向への直線運動を許容する。また、第2ロック機構70は、電磁ソレノイド76への通電状態時に、ロックピン73とスライド部材71の突起部71aとの係合により、上側ステアリングシャフト11の軸線周りの回転運動を禁止して軸線方向への直線運動のみを許容する。
この第2実施形態においては、衝突検出用ECU61は上記第1実施形態の場合と同様に車両の衝突を判定して、衝突判定信号を駆動回路64、伝達比制御用ECU62およびアシスト用ECU63に出力する。駆動回路64は、この衝突判定信号に応答して第1ロック機構40の電磁ソレノイド47を通電するのに加えて、第2ロック機構70の電磁ソレノイド76にも通電する。伝達比制御用ECU62は、上記第1実施形態の図2の伝達比制御プログラムに代えて図8の伝達比制御プログラムを所定の短時間ごとに繰り返し実行して、伝達比可変機構20内の電動モータ22を制御する。アシスト用ECU63は、上記第1実施形態と同様な図3のアシスト制御プログラムを所定の短時間ごとに繰り返し実行して、操舵アシスト装置17内の電動モータを制御する。他の構成は、上記第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。
次に、上記のように構成した実施形態の動作について説明する。まず、車両の衝突が発生していない状態について説明すると、衝突検出用ECU61は車両の衝突を判定しないので、第1ロック機構40内の電磁ソレノイド47および第2ロック機構70内の電磁ソレノイド76は非通電状態に保たれる。したがって、この状態では、操舵ハンドル13および上側ステアリングシャフト11は軸線周りに自由に回転可能であるとともに、第1ロック機構40および直線回転変換機構30も上側ステアリングシャフト11と一体的に回転する。一方、伝達比制御用ECU62は、図8の伝達比制御プログラムの実行により伝達比可変機構20内の電動モータ22の回転を制御するが、この車両の非衝突状態では、上記第1実施形態と同様な図8のステップS11〜S15の処理を実行する。また、アシスト用ECU63は、上記第1実施形態と同様な図3のステップS21〜S24の処理を実行する。
したがって、車両の非衝突状態では、操舵装置は上記第1実施形態と同様に動作する。すなわち、操舵ハンドル13の回動操作により、左右前輪16a,16bは、車速Vに応じて変化する伝達比Kvに従って左右に操舵される。また、操舵ハンドル13の回動操作は、操舵トルクTおよび車速Vに応じて変化する目標アシストトルクT*に従ってアシストされる。
次に、車両が他の物体に衝突した場合について説明する。この場合、衝突検出用ECU61の衝突判定により、駆動回路64は、第1ロック機構40内の電磁ソレノイド47および第2ロック機構70内の電磁ソレノイド76に通電する。これにより、第2ロック機構70のロックピン73はスライド部材71の一対の突起部71aの間に入り込み、第2ロック機構70は、上側ステアリングシャフト11の上部分の軸線周りの回転を禁止して軸線方向の変位のみを許容する。また、第1ロック機構40は、クラッチ板44と摩擦板46との係合解除により、上側ステアリングシャフト11の上部分と直線回転変換機構30のハウジング31との相対的変位(上側ステアリングシャフト11の軸線方向および軸線周りの変位)を許容する。
一方、伝達比制御用ECU62は、図8のステップS11にて「Yes」すなわち車両の衝突ありを判定して、ステップS18の処理を実行する。ステップS18においては、伝達比制御用ECU62は、上側ステアリングシャフト11の上部分が上方または下方へ変位するように、伝達比可変機構20内の電動モータ22の回転を制御する。この場合、電動モータ22は、上側ステアリングシャフト11を上方または下方へ変位させて予め決められた適正位置に変位させてもよいし、上方または下方へ所定量だけ変位させてもよい。なお、この状態では、アシスト用ECU63による操舵アシスト装置17内の電動モータの駆動は、上記第1実施形態と同様に、図3のステップS25の処理により停止制御される。
この電動モータ22の回転により、下側ステアリングシャフト12はほぼ定位置に固定されているので、伝達比可変機構20のハウジング21、上側ステアリングシャフト11の下部分および直線回転変換機構30のハウジング31が、上側ステアリングシャフト11の軸線周りに回転する。この場合、上側ステアリングシャフト11の上部分は第2ロック機構70によって軸線方向の変位のみ許容されているので、直線回転変換機構30による回転運動から直線運動への変換動作により、上側ステアリングシャフト11の上部分および操舵ハンドル13が上方または下方へ変位する。
前記図8のステップS18の処理後、伝達比制御用ECU62は、上記第1実施形態と同様なステップS16の処理により駆動回路65を制御して、伝達比可変機構20内の電動モータ22を回生制動動作モードに設定制御する。そして、この状態で、運転者が操舵ハンドル13に衝突すると、すなわち2次衝突が発生すると、上記第1実施形態の場合と同様に、操舵ハンドル13および上側ステアリングシャフト11の上部分は、第2ロック機構70のスライド部材71によって案内され、また第1ロック機構40のロック解除により、上側ステアリングシャフト11の軸線方向下方に変位する。この上側ステアリングシャフト11の上部分の変位により、同部分は直線回転変換機構30のハウジング31の回転を伴いながら、同ハウジング31内に侵入する。
このハウジング31の回転は、上記第1実施形態の場合と同様に、上側ステアリングシャフト11の下部分および伝達比可変機構20のハウジング21を介して、電動モータ22のケーシングに伝達される。これにより、電動モータ22の固定子は、回転子に対して相対回転、すなわち下側ステアリングシャフト12に対して相対回転する。そして、この場合も、駆動回路65は電動モータ22を回生制動モードに設定しているので、前記電動モータ22の逆転による回生制動動作により発電される電力はバッテリ67に供給される。その結果、上記第2実施形態によっても、運転者の操舵ハンドル13への衝突による衝撃が電動モータ22の回生制動によって和らげられながら、操舵ハンドル13は適度な速度で下方に移動するので、運転者の保護が良好に図られる。また、このとき、操舵アシスト装置17の作動は停止制御されていて、下側ステアリングシャフト12は軸線回りに回転し難くなっているので、直線回転変換機構30のハウジング31、上側ステアリングシャフト11の下部分、伝達比可変機構20のハウジング21および電動モータ22のケーシングの下側ステアリングシャフト12に対する回転が良好に確保される。
さらに、この第2実施形態においては、運転者が操舵ハンドル13に衝突する前に、図8のステップS18の処理により、上側ステアリングシャフト11の上方または下方への変位に伴い、操舵ハンドル13は適正位置に変位している。したがって、運転者が操舵ハンドル13に衝突した際には、例えば、操舵ハンドル13の下方へのストロークを十分大きくすることができるなど、操舵ハンドル13を適正量だけ変化させることができ、上記第1実施形態の場合に比べて、運転者の操舵ハンドル13への衝突による衝撃が適切に緩和され、運転者はより良好に保護される。
なお、本発明には直接関係しないので説明を省略したが、車両の衝突が発生していない通常時には、伝達比可変機構20内の電動モータ22を、上側ステアリングシャフト11の上部分を伸縮させるテレスコ機能に用いるとよい。この場合も、前記車両衝突時と同様に、第1ロック機構40による上側ステアリングシャフト11の上部分と直線回転変換機構30のハウジング31との相対的変位を許容するとともに、第2ロック機構70による上側ステアリングシャフト11の上部分の軸線周りの回転を禁止する。そして、電動モータ22の正方向および逆方向の回転により、操舵ハンドル13および上側ステアリングシャフト11の上部分を上下動させるとよい。
以上、本発明の第1および第2実施形態について説明したが、本発明の実施にあたっては、上記第1および第2実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
例えば、上記第1および第2実施形態では、直線回転変換機構30としてボールねじ機構を用いるようにした。しかし、これに代えて、直線運動と回転運動との間の変換を可能とするものであれば、いかなる機械要素も利用できる。
また、上記第1および第2実施形態では、伝達比可変機構20としてハウジング21に固定した電動モータ22を回転させることにより、上側ステアリングシャフト11の回転角と下側ステアリングシャフト12の回転角との比を変更するようにした。しかし、上側ステアリングシャフト11の回転角と下側ステアリングシャフト12の回転角との比を変更可能なものであれば、種々の伝達比可変機構を用いることができ、例えば、上側ステアリングシャフト11と下側ステアリングシャフト12との間に遊星歯車機構を介在させて、電動モータにより遊星歯車機構のギヤ比を変えて上側ステアリングシャフト11の回転角と下側ステアリングシャフト12の回転角との比を変更する伝達比可変機構を用いてもよい。さらに、波動歯車減速機を用いた伝達比可変機構を用いるようにしてもよい。
11…上側ステアリングシャフト、12…下側ステアリングシャフト、13…操舵ハンドル、15…ラックバー、16a,16b…左右前輪、17…操舵アシスト装置、20…伝達比可変機構、22…電動モータ、30…直線回転変換機構、32…ボール、40…第1ロック機構、61…衝突検出用ECU、63…伝達比制御用ECU、64…アシスト用ECU、70…第2ロック機構
Claims (4)
- 上端部にて操舵ハンドルに接続されて軸線周りに操舵ハンドルと一体回転する上側ステアリングシャフトと、
下端部側にて操舵輪に連結されて軸線周りの回転に応じて操舵輪を操舵する下側ステアリングシャフトと、
前記上側ステアリングシャフトの下端部と前記下側ステアリングシャフトの上端部との間に介装された伝達比変更用電動モータを含み、前記伝達比変更用電動モータの回転によって前記上側ステアリングシャフトの軸線周りの回転角と前記下側ステアリングシャフトの軸線周りの回転角との比を変更する伝達比可変機構と、
前記上側ステアリングシャフトに組み付けられて、前記操舵ハンドルから入力された前記上側ステアリングシャフトの軸線方向の直線運動を前記上側ステアリングシャフトの軸線周りの回転運動に変換して前記伝達比可変機構に出力する直線回転変換機構と、
車両の通常走行時にロック状態に設定されて前記直線回転変換機構による直線運動から回転運動への変換動作を禁止し、かつ車両の衝突時にロック解除状態に設定されて前記直線回転変換機構による直線運動から回転運動への変換動作を許容する第1のロック装置とを備えたことを特徴とする車両の操舵装置。 - 請求項1に記載した車両の操舵装置において、
車速を検出する車速センサと、
車両の通常走行時に、前記検出された車速に応じて、前記上側ステアリングシャフトの軸線周りの回転角と前記下側ステアリングシャフトの軸線周りの回転角との比を変更するように前記伝達比変更用電動モータを回転制御し、車両の衝突時に前記伝達比変更用電動モータを回生制動動作させるように制御する伝達比制御手段とを設けたことを特徴とする車両の操舵装置。 - 請求項1または2に記載した車両の操舵装置において、
前記伝達比可変機構に対して操舵輪側に設けられて、運転者による操舵ハンドルの操舵操作をアシストするアシスト用電動モータと、
車両の通常走行時に前記アシスト用電動モータを駆動制御し、かつ車両の衝突時に前記アシスト用電動モータの駆動制御を停止するアシスト制御手段とを設けたことを特徴とする車両の操舵装置。 - 請求項1ないし3のうちのいずれか一つに記載した車両の操舵装置において、
前記直線回転変換機構は、前記伝達比可変機構から入力された前記上側ステアリングシャフトの軸線周りの回転運動を前記上側ステアリングシャフトの軸線方向の直線運動に変換して前記操舵ハンドルに出力する機能も備えており、さらに
車両の通常走行時にロック解除状態に設定されて前記上側ステアリングシャフトの軸線周りの回転を許容し、かつ車両の衝突時にロック状態に設定されて前記上側ステアリングシャフトの軸線周りの回転を禁止するとともに前記上側ステアリングシャフトの軸線方向の直線運動を許容する第2のロック装置と、
車両の衝突時に、上側ステアリングシャフトを軸線方向上方または下方へ変位させるために、前記伝達比変更用電動モータを回転駆動するシャフト変位制御手段とを設けたことを特徴とする車両の操舵装置。
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JP2021070412A (ja) * | 2019-10-31 | 2021-05-06 | 株式会社ショーワ | 操舵装置および操舵装置用の制御装置 |
-
2005
- 2005-10-28 JP JP2005314413A patent/JP2007118800A/ja active Pending
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