JP2007116065A - 発光素子および発光素子の製造方法 - Google Patents

発光素子および発光素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】少なくとも、発光層と該発光層からの光を反射するための反射層とを有する化合物半導体基板と、シリコン基板とが貼り合わされてなる発光素子において、容易かつ強固に貼り合わされ、また製造コストが抑えられた発光素子およびその製造方法を提供する。
【解決手段】少なくとも、発光層と該発光層からの光を反射するための反射層とを有する化合物半導体基板と、シリコン基板とが貼り合わされてなる発光素子であって、前記化合物半導体基板と、前記シリコン基板の貼り合わせ面は、一方の基板に形成されたAu膜と、他方の基板に形成されたAg膜とが固溶化されて貼り合わされた発光素子、および化合物半導体基板の貼り合わせ面と、シリコン基板の貼り合せ面のいずれか一方にAu膜を形成し、他方にAg膜を形成し、前記Au膜とAg膜とを重ね合わせ、固溶化させて貼り合わせる発光素子の製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、発光層と発光層の光を入射角度に依存せず、高効率で反射する反射層を導入した化合物半導体基板とシリコン基板とを貼り合わせて製造した発光素子およびその製造方法に関する。
発光ダイオードや半導体レーザー等の発光素子に使用される材料及び素子構造は、長年にわたる進歩の結果、素子内部における光電変換効率が理論上の限界に次第に近づきつつある。従って、一層高輝度の素子を得ようとした場合、発光素子からの光取出し効率が極めて重要となる。
例えば、AlGaInP混晶により発光層部が形成された発光素子は、薄いAlGaInP(あるいはGaInP)活性層を、それよりもバンドギャップの大きいn型AlGaInPクラッド層とp型AlGaInPクラッド層とによりサンドイッチ状に挟んだダブルへテロ構造を採用することにより、高輝度の素子を実現できる。このようなAlGaInPダブルへテロ構造は、AlGaInP混晶がGaAsと格子整合することを利用して、GaAs単結晶基板上にAlGaInP混晶からなる各層をエピタキシャル成長させることにより形成できる。そして、これを発光素子として利用する際には、通常、GaAs単結晶基板をそのまま素子基板として利用することも多い。
しかしながら、発光層部を構成するAlGaInP混晶はGaAsよりもバンドギャップが大きいため、発光した光がGaAs基板に吸収されて十分な光取出し効率が得られにくい難点がある。この問題を解決するために、半導体多層膜からなる反射層を基板と発光素子との間に挿入する方法(例えば特許文献1)も提案されているが、積層された半導体層の屈折率の違いを利用するため、限られた角度で入射した光しか反射されず、光取出し効率の大幅な向上は原理的に期待できない。
他方、非特許文献1では、発光層部とシリコン基板との間にAuを主体とした金属層を反射層として用いている。具体的にはシリコン基板を酸化しSiO上にAuBe層及びAu層が形成され、発光層で発生した光はAu層で反射される。この構造は、入射角度に依存しない高い反射率が得られ、光取り出し効率を大幅に高めることが出来る。構造は、AlGaInPダブルヘテロ構造の発光層/GaAsキャップ層+(貼り合わせ界面)金属反射層/酸化膜/シリコン基板の順になっている。
しかし、この製造法では縦方向に発光層、反射層、シリコン基板へ電流が流れない。このため、構造が複雑となり製造工程及びコストが増加する。
また、例えば特許文献2や特許文献3のように、発光層成長用のGaAs基板を成長させた発光層より剥離し、表面に金属層を形成したシリコン等の半導体基板に、前記発光層を反射層を兼ねたAu層を介して前記剥離面で貼り合わせる技術が開示されている。また、反射層として、Au層ではなくAg層を形成して貼り合わせた発光素子が特許文献4に開示されている。
しかしながら、上記貼り合わせにおいて、AuとAuの貼り合わせの場合においては、Auの使用量が多くなるためコストのかかる発光素子となってしまう。また、コスト低減を優先し、反射層としてAg層を形成し、AgとAgで貼り合わせた場合においては、AuとAuの貼り合わせの場合と比較して貼り付きにくく、貼り合わせ不良が発生し易い。
特開平7−66455号公報 特開2002−217450号公報 特開2003−243699号公報 特開2004−207508号公報 Applied Physics Letters,75(1999)3054
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたもので、少なくとも、発光層と該発光層からの光を反射するための反射層とを有する化合物半導体基板と、シリコン基板とが貼り合わされてなる発光素子において、容易かつ強固に貼り合わされ、また製造コストが抑えられた発光素子およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するために、少なくとも、発光層と該発光層からの光を反射するための反射層とを有する化合物半導体基板と、シリコン基板とが貼り合わされてなる発光素子であって、前記化合物半導体基板と、前記シリコン基板の貼り合わせ面は、一方の基板に形成されたAu膜と、他方の基板に形成されたAg膜とが固溶化されて貼り合わされたものであることを特徴とする発光素子を提供する(請求項1)
このように、化合物半導体基板と、シリコン基板の貼り合わせ面が、一方の基板に形成されたAu膜と、他方の基板に形成されたAg膜とが固溶化されて貼り合わされた発光素子であれば、前記貼り合わせ面におけるAuの量はAuとAuの貼り合わせによるものに比べて半分以下に抑えられ、製造コストが低減された発光素子とすることができる。また、AuとAgが固溶化されて貼り合わされたものなので、AgとAgの貼り合わせの場合に比べて容易かつ強固に両基板が貼り合わされたものとすることができる。しかも、AuとAuとの貼り合わせと同等の接合強度を得られる。
このとき、前記反射層は、Au、Ag、AgPdCuのいずれかよりなるものであるのが好ましい(請求項2)。
このように、反射層をAu、Ag、AgPdCuのいずれかよりなるものとすることができる。このような材質からなる反射層により効率良く光の取り出しを実現することが可能である。
また、前記化合物半導体基板は、前記反射層と、前記貼り合わせ面に形成されたAu膜またはAg膜との間に拡散防止金属層を有しており、該拡散防止金属層は、前記反射層にAuまたはAgが混入するのを防止するものであるのが好ましい(請求項3)。
このように、前記反射層と、前記貼り合わせ面に形成されたAu膜またはAg膜との間に拡散防止金属層を有するものであれば、反射層にAuまたはAgが混入するのを防止することができる。このため、反射層において上記混入による反射率の低下を防ぐことが可能であり、光の取出し効率が高いものとすることができる。
このとき、前記拡散防止金属層は、Ti、W、Cr、Niのいずれかよりなるものであるのが好ましい(請求項4)。
このように、拡散防止金属層を、Ti、W、Cr、Niのいずれかよりなるものとすることができ、AuまたはAgが反射層に混入するのを効果的に防止することができる。
前記発光層は、n型クラッド層、活性層及びp型クラッド層がこの順序で積層されたダブルへテロ構造で構成されたものであるのが好ましい(請求項5)。
このように、発光層が、n型クラッド層、活性層及びp型クラッド層がこの順序で積層されたダブルへテロ構造で構成されたものであれば、より高輝度の発光素子とすることができる。
また、本発明は、少なくとも、発光層と該発光層からの光を反射するための反射層とを有する化合物半導体基板と、シリコン基板とを貼り合わせて発光素子を製造する方法であって、前記化合物半導体基板の貼り合わせ面と、前記シリコン基板の貼り合せ面のいずれか一方にAu膜を形成し、他方にAg膜を形成し、前記Au膜とAg膜とを重ね合わせ、固溶化させて貼り合わせることを特徴とする発光素子の製造方法を提供する(請求項6)。
このように、化合物半導体基板の貼り合わせ面と、シリコン基板の貼り合せ面のいずれか一方にAu膜を形成し、他方にAg膜を形成し、前記Au膜とAg膜とを重ね合わせ、固溶化させて貼り合わせれば、Au膜を形成するのは一方の基板に対してだけなので、AuとAuの貼り合わせの場合に比べてAuの使用量を抑え、コストをかけずに発光素子を製造することができる。また、Ag膜とAu膜とを固溶化させて接合するので、AgとAg貼り合わせの場合に比べて容易に貼り合わせることが可能である。しかも、AuとAuとの貼り合わせと同等の接合強度が得られ、接合不良も発生しにくい。
このとき、前記反射層を、Au、Ag、AgPdCuのいずれかにより形成するのが好ましい(請求項7)。
このように、反射層をAu、Ag、AgPdCuのいずれかによりなるものとすることができる。反射層にこれらのような材質を用いることで、より効率良く光の取り出しを実現することが可能である。
また、前記化合物半導体基板の貼り合わせ面に、前記反射層にAuまたはAgが混入するのを防止するための拡散防止金属層を形成してから前記Au膜またはAg膜を形成するのが好ましい(請求項8)。
このように、化合物半導体基板の貼り合わせ面に、拡散防止金属層を形成してからAu膜またはAg膜を形成すれば、反射層にAuまたはAgが混入するのを防止することが可能である。このため、反射層において上記混入による反射率の低下を防ぐことが可能であり、光の取出し効率を高くすることができる。
このとき、前記拡散防止金属層を、Ti、W、Cr、Niのいずれかにより形成するのが好ましい(請求項9)。
このように、拡散防止金属層を、Ti、W、Cr、Niのいずれかにより形成することができ、AuまたはAgが反射層に混入するのを効果的に防止することができる。
そして、前記発光層を、n型クラッド層、活性層及びp型クラッド層がこの順序で積層されたダブルへテロ構造で構成するのが好ましい(請求項10)。
このように、発光層が、n型クラッド層、活性層及びp型クラッド層がこの順序で積層されたダブルへテロ構造で構成されたものであれば、より高輝度の発光素子とすることができる。
本発明の発光素子および発光素子の製造方法によって、少なくとも、発光層と該発光層からの光を反射するための反射層とを有する化合物半導体基板と、シリコン基板とを、AgとAgの貼り合わせの場合に比べて容易かつ強固に貼り合わされ、かつ、AuとAuとの貼り合わせの場合に比べてコストを抑えて貼り合わされた発光素子を得ることが可能である。
以下では、本発明の実施の形態について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
上記のように、高輝度の素子を得るため、発光素子からの光取出し効率が重要視されている。この光取出し効率を良くするため、反射層を素子内部に設けている。また、発光素子の製造方法において、発光層成長用のGaAs基板を発光層から剥離する一方で、表面に金属層を形成したシリコン等の半導体基板を、反射層を兼ねたAu層またはAg層を介して上記発光層の剥離面に貼り合わせて製造する技術が開示されている。
しかしながら、この貼り合わせにおいて、シリコン基板表面の金属層をAuとし、AuとAuによる貼り合わせたものではコストがかかってしまい、また、AgとAgによる貼り合わせではAu−Auの貼り合わせの場合と比較して貼り付きにくいという問題があった。
そこで、本発明者は、光取出し効率を向上させるため、発光層とシリコン基板との間に反射層を有する貼り合わせ発光素子およびその製造方法について、鋭意研究を行った結果、少なくとも、発光層と反射層とを有する化合物半導体基板と、シリコン基板とを貼り合わせたもので、両基板の貼り合わせ面が、一方の基板に形成されたAu膜と、他方の基板に形成されたAg膜とが固溶化されて貼り合わされた発光素子であれば、AuとAuによる貼り合わせよりもコストを抑え、AgとAgによる貼り合わせに比べて容易かつ強固に貼り合わせ、AuとAuとの貼り合わせと同程度の接合強度が得られ、接合不良を低減できることを見出して本発明を完成させた。
以下では、本発明の実施の形態について図を用いて具体的に説明する。
図1は、本発明に従う発光素子の構造の一例を示す概略図である。
本発明の発光素子1は、少なくとも、発光層と該発光層からの光を反射するための反射層とを有する化合物半導体基板と、シリコン基板とが貼りあわされたものであって、少なくとも、前記発光層21、反射層13、AuとAgの固溶化層30、シリコン基板部19から構成されている。
上記のように、化合物半導体基板は、少なくとも、発光層21と反射層13を有しており、まず、発光層21としては、例えば、n型クラッド層、活性層及びp型クラッド層がこの順序で積層されたダブルへテロ構造で構成されたものであるのが好ましい。このようなダブルへテロ構造のものとして、AlGaInPから成る活性層8を、n型AlGaInPクラッド層9とp型AlGaInPクラッド層7により挟んだAlGaInP混晶が挙げられる。また、GaInP混晶等も挙げられる。このような構造を採用することにより、両クラッド層から注入されたホールと電子とが活性層の狭い空間内に閉じ込められる形で効率良く再結合するので、高輝度の発光素子とすることができる。
また、反射層13としては、Au、Ag、AgPdCuなどのいずれかより成るものが挙げられる。これらから成る反射層によって、前記発光層からの光を効果的に反射させることにより、効率良く光の取出しを行うことができる。なお、取り出す光の波長によって反射層13の材質を適宜選択すれば良い。
上述したように、本発明は、化合物半導体基板とシリコン基板とを貼り合わせたものであり、したがって、化合物半導体基板部とシリコン基板部との間に貼り合わせ面があり、その貼り合わせ面は、AuとAgの固溶化層30でできている。
これは、化合物半導体基板とシリコン基板の貼り合わせにあたり、一方の基板に形成したAu膜と、他方の基板に形成したAg膜とが固溶化して形成された層であり、ナノレベルでの結合力により、AuとAgの微粒子が結合してできている。AuとAgが全率固溶化したものであり、AuとAuの貼り合わせと同程度の接合強度を有している。
なお、シリコン基板と貼り合せることにより、それ自体を、発光素子を駆動するための導通路の一部として利用でき、素子構造の簡略化を図ることができる。そして、特に安価なシリコン基板を用いることにより、コストを抑えて製造された発光素子とすることができる。
さらに、この固溶化層30と反射層13との間に拡散防止金属層14が設けられている。この拡散防止金属層14は、例えばTi、W、Cr、Niのいずれかから構成することができる。このような拡散防止金属層14を設けることにより、Ag膜とAu膜を固溶して貼り合わせる際に、固溶化層からAuまたはAgが反射層に混入することを防止することができる。例えば、反射層13がAuからなる場合、その反射層にAgが混入してしまうと反射率が低下してしまうが、上記のような拡散防止金属層14を設けることにより、上記混入を防ぎ、反射率を悪化させず、効率良く光を反射させることが可能である。
また、図1に示すように、ダブルへテロ構造を有する発光層21上には、電流拡散層6(p−AlGaAs)、コンタクト層および酸化防止キャップ層5(p−GaAs)、電極22が形成されている。なお、電極22は、発光層21の表面の一部のみを覆う形にて形成されているので、電流拡散層6を形成することでダブルへテロ構造に対し面内方向に均一になるように電流を拡散することが可能となり、電極22に覆われていない領域においても高輝度な発光状態を得ることができる。
そして、発光層21と反射層13との間には、電流拡散層10(n−GaAs)、エッチングストップ層11(n+GaAs)、オーミック電極12(AuGeNi)が形成されている。エッチングストップ層11は、発光素子1を製造する際、後述する成長用基板を取り除く工程のために形成されたものである。また、オーミック電極12を形成することにより、素子の直列抵抗低減に貢献することができる。
さらに、固溶化層30を介して反対側のシリコン基板側には、シリコン基板部19からのシリコンの混入を防止するためのシリコン拡散防止層17、シリコン基板とシリコン拡散防止層17との接合層18とが設けられている。シリコン拡散防止層17には、例えばTi、W、Cr、Ni、AuSn、AuIn、AuGa、AuPbのいずれかから構成することが可能である。また接合層18としては、AuSbやAgSbが挙げられる。
そして、さらにシリコン基板部19、接合層18、シリコン拡散防止層17、電極20(Au)と続いて構成されている。
このような発光素子1であれば、上記化合物半導体基板とシリコン基板との貼り合わせにおいて、AgとAgの貼り合わせに比べて容易かつ強固に貼り合わせることが可能であり、貼り合わせ不良も生じ難く、しかも、AuとAuとの貼り合わせと同等の接合強度を得られる。また、AuとAuの貼り合わせの場合に比べてAuの使用量が抑制されてコストが抑えられた発光素子とすることができる。
次に、本発明の発光素子の製造方法について具体的に説明をする。図2は、図1の発光素子の製造工程の一例を示す概略説明図である。
最初に、発光層成長用基板として半導体結晶基板であるGaAs単結晶基板25を用意し、該GaAs基板上に発光層を形成する工程について説明する(図2(A))。まず、表面にGaAsバッファ層24を例えば0.5μm、エッチングストップのためのAlInP層23、GaAs層11をそれぞれ5nm、さらにn型AlGaAs層よりなる電流拡散層10を例えば2μm、この順序にてエピタキシャル成長させる。
また、さらにその上にダブルへテロ構造となるように、1μmのn型AlGaInPクラッド層9、0.6μmのノンドープのAlGaInP活性層8、1μmのp型AlGaInPクラッド層7を順次エピタキシャル成長して発光層21を形成する。
このように、発光層21を上記ダブルへテロ構造で構成すれば、高輝度の発光素子を製造することが可能であり、効果的に光を取り出すことができる。
この後さらに、電流拡散層としてAlGaAs層6(またはGaP層)を1μm、コンタクト層および酸化防止キャップ層としてGaAs層5を5nmエピタキシャル成長し、その後、P電極22としてAuZnまたはAuBe層4を蒸着、さらにTi層3、Au層2を蒸着する。
次に、後の工程でシリコン基板29と貼り合わせることになる化合物半導体基板28を製造する工程について説明する。まず、化合物半導体基板の支持部となる支持基板26を用意する。この支持基板と上記の発光層を形成した基板とを、スピンコートしたワックス27を介して重ね合せ、加熱圧着を施すことにより両基板を貼り合わせる(図2(B))。
この後、発光層成長用基板のGaAs基板部25、GaAs層24、AlInP層23の順に選択エッチングを行うことにより除去する。GaAsに対して選択エッチング性を有するエッチング液として、例えばアンモニア/過酸化水素混合液を用いてGaAs基板25、GaAsバッファ層24をともにエッチング除去し、次いで、例えば塩酸を用いてAlInP層23をエッチング除去する(図2(C))。
次に、上記のエッチングストップ層であるGaAs層11の表面にAuGeNiまたはAgGeNiのドット電極を、蒸着またはスパッタリングで成膜し、オーミック電極12になるように450℃の温度で5分の熱処理を施し、p電極22のシンター処理を同時に行う(図2(D))。
この後、反射層13を形成する。反射層13としては、上記したように、例えばAu、Ag、AgPdCuのいずれかより形成することができる。このような反射層を形成することにより、効率良く光を反射して、光の取出しを実現することが可能である。このようにして化合物半導体基板28を製造することができる。
そして、この反射層13の表面に拡散防止金属層14を設け、さらにシリコン基板との貼り合わせのためにAu膜またはAg膜(ここではAu膜15とする)を形成する(図2(E))。このように、拡散防止金属層14を形成してからAu膜またはAg膜を形成することにより、固溶した時に反射層13にAuまたはAgが混入することを防ぐことが可能である。拡散防止金属層14は、例えばTi、W、Cr、Niのいずれかより形成することができる。このような拡散防止金属層14によって、Au、Agの混入による反射率の低下を防止し、効果的に光を取出すことが可能となる。
なお、上記反射層13、拡散防止金属層14、Au膜15(またはAg膜)は、例えば蒸着やスパッタリングにより形成することができる。
ここで、化合物半導体基板28と貼り合せるシリコン基板29を用意する(図2(E)下)。シリコン基板をHFにより洗浄した後、該シリコン基板上にAuSb層またはAgSb層18を形成し、さらにその表面にシリコン基板からのシリコンの拡散防止のために、シリコン拡散防止層17としてTi、W、Cr、Ni、AuSn、AuIn、AuGa、AuPbのいずれかを蒸着する。そして貼り合わせ面にAg膜またはAu膜(ここではAg膜16とする)を形成する。その反対側の面には、電極20となるAuを形成する。その後、200〜364℃未満でオーミック電極を形成する。これらのAuSb層18、シリコン拡散防止層17、Ag膜16、電極20となるAu等は、蒸着やスパッタリングにより形成することができる。
このとき、本例のように、上述した化合物半導体基板28の貼り合わせ面に形成した膜がAu膜であれば、上記シリコン基板29の貼り合わせ面に形成するのはAg膜とする。両基板の貼り合わせ面に形成するAu膜またはAg膜はその逆であっても良い。Au膜とAg膜とで両基板を重ね合わせて固溶して貼り合わせる形になるように、両基板の貼り合わせ面にAu膜またはAg膜を形成する。
次に、上記の化合物半導体基板28とシリコン基板29とを貼り合わせる(図2(F))。上述のように、化合物半導体基板28の貼り合わせ面に形成したAu膜15(またはAg膜)と、シリコン基板29の貼り合わせ面に形成したAg膜16(またはAu膜)とを重ね合わして圧迫して、180〜360℃の温度、1kPa〜5000kPaの圧力下、20分の熱処理を施す。
このとき、両基板に形成したAu膜15とAg膜16とにおいて、ナノレベルでの結合力により低温、低圧でAuの微粒子とAgの微粒子同士が結合し、AuとAgの固溶化が生じ、固溶化層30が形成されて両基板を貼り合わすことができる。この場合、両金属は全率固溶化されており、AuとAuの貼り合わせと同程度に強固に貼り合わせることができる。
なお、この貼り合わせ工程は、例えば不二越機械工業社製ウエーハ貼り合わせ機(HPF−75)を用いて行うことができる。
この後、支持基板26およびワックス27を除去し、通常の方法によりダイシングして半導体チップとし、台座に乗せて、リード線のワイヤボンディング等を行った後、エポキシ樹脂またはシリコーン樹脂にて樹脂封止をすることにより発光素子1を得ることができる(図2(G))。なお、発光層21に対してp電極22側の電流拡散層6としてGaP層を形成した場合は、発光層21からの光を多く取出すために、ダイシング後にフロスト処理をするのが好ましい。
以下、本発明を実施例及び比較例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されない。
(実施例1)
まず、発光層成長用基板としてGaAs単結晶基板を用意し、それぞれの基板上に、バッファ層(GaAs層)、エッチングストップ層(AlInP層とGaAs層)、電流拡散層(AlGaAs層)、発光層(n型AlGaInPクラッド層、AlGaInP活性層、p型AlGaInPクラッド層)、電流拡散層(AlGaAs層)、コンタクト層および酸化防止キャップ層(GaAs層)をエピタキシャル成長させる。その後、P電極としてAuBeを蒸着し、AuBe層上にTi、Auを蒸着する。
そして、ワックスを介して支持基板と上記の発光層を形成した基板とを重ね合せ、加熱圧着して貼り合わせ、GaAs基板、GaAs層、AlInP層の順に、アンモニア/過酸化水素混合液や塩酸を用いて選択エッチングを行い、これらの基板および層を除去する。
次に、エッチングストップ層のGaAs層上にAuGeNiのドット電極を蒸着し、オーミック電極になるように450℃で5分の熱処理を施し、同時にP電極のシンター処理も行う。
この後、その上に反射層であるAuを蒸着し、金属拡散防止層としてTiを蒸着する。さらに、貼り合わせ面にAu膜を形成する。
このようにして、貼り合わせ面にAu膜が形成された化合物半導体基板を作製した。
一方で、化合物半導体基板と貼り合わせるシリコン基板を用意した。まず、基板をフッ酸で洗浄した後、表裏面に接合層としてAuSbを、シリコン拡散防止層としてTiを蒸着した。さらに、貼り合わせ面にはAg膜を形成し、反対側の面にはAuを蒸着して200℃でオーミック電極を形成した。
以上のように、貼り合わせ面にAu膜が形成された化合物半導体基板と、貼り合わせ面にAg膜が形成されたシリコン基板とを用意し、不二越機械工業社製ウエーハ貼り合わせ機(HPF−75)を用いて、温度260℃、圧力200kPaで両基板を貼り合わせた。この後ダイシングして半導体チップを得た。
このようにして得られた半導体チップは、貼り合わせ面に形成したAu膜とAg膜は固溶化してAu/Ag固溶化層を形成していた。また、これらの半導体チップの接合不良率を調査したところ、2%にとどまった。
(実施例2)
化合物半導体基板の貼り合わせ面にAg膜を形成し、シリコン基板の貼り合わせ面にAu膜を形成して、それ以外は実施例1と同様の手順により半導体チップを作製した。
得られた半導体チップはAg膜とAu膜の固溶化層が形成されており、接合不良率は2%であった。
(比較例1)
化合物半導体基板の貼り合わせ面にAu膜を形成し、シリコン基板の貼り合わせ面にAu膜を形成して、それ以外は実施例1と同様の手順により半導体チップを作製した。
得られた半導体チップは貼り合わせ面にAu層が形成されており、接合不良率は2%であった。
(比較例2)
化合物半導体基板の貼り合わせ面にAg膜を形成し、シリコン基板の貼り合わせ面にAg膜を形成して、それ以外は実施例1と同様の手順により半導体チップを作製した。
得られた半導体チップは貼り合わせ面にAg層が形成されており、接合不良率は8%であった。
実施例1および2、比較例1および2から判るように、本発明の発光素子の製造方法により、AgとAgの貼り合わせの場合に比べて容易かつ強固に貼り付けることができることが判る。しかも、AuとAuとの貼り合わせと同等の接合強度が得られる。
また、AuとAuの貼り合わせの場合に比べてAuの使用量を抑制することができることからコストを低減することが可能である。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
本発明に従う発光素子の構造の一例を示す概略図である。 本発明の発光素子を製造する工程の一例を示す概略説明図である。
符号の説明
1…発光素子、 2…Au層、 3…Ti層、 4…AuBe(AuZn)層、
5…コンタクト層および酸化防止キャップ層、 6、10…電流拡散層、
7、9…クラッド層、 8…活性層、 11、23…エッチングストップ層、
12、20、22…電極、 13…反射層、14…拡散防止金属層、
15…Au膜、 16…Ag膜、 17…シリコン拡散防止層、 18…接合層、
19…シリコン基板部、 21…発光層、 24…GaAsバッファ層、
25…GaAs単結晶基板、 26…支持基板、 27…ワックス、
28…化合物半導体基板、 29…シリコン基板、 30…Au/Ag固溶化層。

Claims (10)

  1. 少なくとも、発光層と該発光層からの光を反射するための反射層とを有する化合物半導体基板と、シリコン基板とが貼り合わされてなる発光素子であって、前記化合物半導体基板と、前記シリコン基板の貼り合わせ面は、一方の基板に形成されたAu膜と、他方の基板に形成されたAg膜とが固溶化されて貼り合わされたものであることを特徴とする発光素子。
  2. 前記反射層は、Au、Ag、AgPdCuのいずれかよりなるものであることを特徴とする請求項1に記載の発光素子。
  3. 前記化合物半導体基板は、前記反射層と、前記貼り合わせ面に形成されたAu膜またはAg膜との間に拡散防止金属層を有しており、該拡散防止金属層は、前記反射層にAuまたはAgが混入するのを防止するものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の発光素子。
  4. 前記拡散防止金属層は、Ti、W、Cr、Niのいずれかよりなるものであることを特徴とする請求項3に記載の発光素子。
  5. 前記発光層は、n型クラッド層、活性層及びp型クラッド層がこの順序で積層されたダブルへテロ構造で構成されたものであることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の発光素子。
  6. 少なくとも、発光層と該発光層からの光を反射するための反射層とを有する化合物半導体基板と、シリコン基板とを貼り合わせて発光素子を製造する方法であって、前記化合物半導体基板の貼り合わせ面と、前記シリコン基板の貼り合せ面のいずれか一方にAu膜を形成し、他方にAg膜を形成し、前記Au膜とAg膜とを重ね合わせ、固溶化させて貼り合わせることを特徴とする発光素子の製造方法。
  7. 前記反射層を、Au、Ag、AgPdCuのいずれかにより形成することを特徴とする請求項6に記載の発光素子の製造方法。
  8. 前記化合物半導体基板の貼り合わせ面に、前記反射層にAuまたはAgが混入するのを防止するための拡散防止金属層を形成してから前記Au膜またはAg膜を形成することを特徴とする請求項6または請求項7に記載の発光素子の製造方法。
  9. 前記拡散防止金属層を、Ti、W、Cr、Niのいずれかにより形成することを特徴とする請求項8に記載の発光素子の製造方法。
  10. 前記発光層を、n型クラッド層、活性層及びp型クラッド層がこの順序で積層されたダブルへテロ構造で構成することを特徴とする請求項6から請求項9のいずれか一項に記載の発光素子の製造方法。
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