JP2007100806A - 固定式等速自在継手 - Google Patents

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Abstract

【課題】ボールを脱落させることなく外側継手部材の外側に出すことにより、従来以上の高作動角を実現可能な固定式等速自在継手を提供すること。
【解決手段】内側継手部材2の案内溝2bのボール中心軌跡C2を、その中間部は継手中心の軸直角断面Vで前記外側継手部材1のボール中心軌跡の傾斜直線C1に逆勾配で対称的に交差する傾斜直線部C2aとし、両端部は継手中心を中心とする円弧であって前記傾斜直線部C2aの両端から所定長で延在する円弧部C2b、C2cとし、かつ、前記保持器4の外径側窓開き寸法を前記ボール3の径よりも狭め、前記外側継手部材1に対して前記内側継手部材2が作動角を成して前記ボール3の一つが前記外側継手部材1の案内溝1bの開口側端部まで移動した状態で、当該ボール3の中心が、内側継手部材2の案内溝2bのボール中心軌跡C2における前記傾斜直線部C2aと円弧部C2b、C2cの境目まで移動するようにした。
【選択図】図1

Description

本発明の固定式等速自在継手は、駆動側の回転軸と従動側の回転軸とを連結し、両軸が角度をなした状態でも等角速度でトルク伝達可能にしたもので、プランジングを行わず角度変位のみが可能であり、自動車をはじめ各種産業機械の動力伝達用の固定式等速自在継手として利用される。
自動車のドライブシャフトのアクスル連結部や、ステアリングシャフトのシャフト折曲げ連結部には、固定式等速自在継手が一般に使用される。この固定式等速自在継手として、従来、ゼッパ型等速自在継手やアンダーカットフリー型(以下UJ型という)等速自在継手が知られている。ゼッパ型の特徴は、外側継手部材の案内溝のボール中心軌跡と内側継手部材の案内溝のボール中心軌跡が、それぞれ、継手中心から輪方向に等距離離れた点を中心とする二つの球の子午線となっていることである。(特許文献1参照)。
これに対してUJ型等速自在継手は、ゼッパ型等速自在継手よりも高作動角とするために発明されたもので、外側継手部材の案内溝のボール中心軌跡が、上記ゼッパ型の子午線の円弧のうち、継手中心を通る軸直角断面より外側継手部材の開口側の部分が継手軸と平行な直線となっている。(特許文献2参照)
ゼッパにより発明されたゼッパ型等速自在継手は、最初は、外側継手部材の案内溝のボール中心軌跡と、内側継手部材の案内溝のボール中心軌跡が、ともに継手中心に中心を持つ同一円弧であった。(特許文献3参照)。その自在継手は、作動角0°における保持器の回転位置が一定に定まらないという欠点があり、それを補うために、内側継手部材と外側継手部材の間に保持器の位置を制御するための別部品を追加していた(特許文献4のFig.1、Fig.2のパイロットピンKを参照)。
その後改良されたゼッパ型等速自在継手は、いわゆるダブルオフセット型と呼ばれるもので、図5(A)および図6のように、外側継手部材1と内側継手部材2の二つの案内溝1b,2bのボール中心軌跡C1,C2を、継手中心Oから継手軸線方向反対方向にそれぞれ等距離だけ離れた点A,Bを中心とする同じ半径Rの円にしたものである。詳しくは図5に示すように、ダブルオフセット型等速自在継手は、球面状の内周面1aに6本の曲線状の案内溝1bを軸方向に形成した外側継手部材1と、球面状の外周面2aに6本の曲線状の案内溝2bを軸方向に形成し、スプライン(またはセレーション)孔2cを有する内側継手部材2と、外側継手部材1の案内溝1bと内側継手部材2の案内溝2bとが協働して形成される6本のボールトラックに1個ずつ配されたトルク伝達ボール3と、トルク伝達ボール3を保持する保持器4とで構成される。保持器4の内外周面は、内外継手部材の球面状内周面1aと球面状外周面2aに接する球面で構成される
外側継手部材1の内周面1aの曲率中心、内側継手部材2の外周面2aの曲率中心は、いずれも、継手中心Oと一致している。外側継手部材1の案内溝1bの曲率中心Aと内側継手部材2の案内溝2bの曲率中心Bは、継手中心Oを挟んで、軸方向に等距離だけ反対側に(同図に示す例では中心Aは継手の開口側に、中心Bは継手の奥部側に)オフセットしている。そのため、案内溝1b,2bが協働して形成されるボールトラックは、軸方向の一方に向かって開いた楔形状となっている。
図5(a)に示すように二軸が角度変位しない場合すなわち二軸の回転軸線が一直線となった状態では、すべてのトルク伝達ボール3の中心が継手中心Oを含み回転軸線に垂直な平面内にある。外側継手部材1と内側継手部材2とが角度αだけ角度変位すると、保持器4によってトルク伝達ボール3が、角度αを二等分する平面内に配向せしめられ、これにより継手の等速性が確保される。
このダブルオフセット型等速自在継手においては、継手を高作動角で回転させる場合、ボール3が外側継手部材1の案内溝1bから外側にはみ出すと、ボール3が保持器4の窓から半径方向外方に飛出すのを防止することができない。このため、従来のダブルオフセット型等速自在継手では、ボール3は必ず外側継手部材1の案内溝1bの中に収めておく必要があり、これにより継手の限界作動角が抑えられ、せいぜい48°程度が限界であった。
一方、UJ型等速自在継手は、ゼッパ型等速自在継手の作動角をさらに拡大するために発明されたもので、ボールが外側継手部材の案内溝から外れる位置を延長するために、外側継手部材の案内溝のボール中心軌跡を、外側継手部材入りロ部のみ、円弧状から直線状に変更した。しかし、UJ型等速自在継手でも限界作動角は52°程度であった。
継手の作動角をさらに大きく、例えば60°程度にするには、ボールを外側継手部材の案内溝から外側に出さざるを得ない。そのとき、保持器のボール案内面が平面であると、ボールが保持器の窓から外側に脱落してしまい、等速自在継手はその機能を失う。
米国特許第2046584号公報 特開昭53−65547号公報 米国特許第1665280号公報 米国特許第2010899号公報
本発明の目的は、ボールを脱落させることなく外側継手部材の外側に出すことにより、従来以上の高作動角を実現可能な固定式等速自在継手を提供することにある。
前記課題を解決するため、請求項1の発明は、球面状の内周面に軸方向に延びる複数の案内溝を形成した外側継手部材と、球面状の外周面に軸方向に延びる複数の案内溝を形成した内側継手部材と、外側継手部材の案内溝と内側継手部材の案内溝とが協働して形成する複数のボールトラックに1個ずつ配されたトルク伝達ボールと、トルク伝達ボールを窓内に収容して保持する保持器とを備え、外側継手部材の隣り合う案内溝のボール中心軌跡を継手中心軸に対して交互に逆の勾配を持つ傾斜直線にするとともに、内側継手部材の案内溝のボール中心軌跡を、その中間部は継手中心の軸直角断面で前記外側継手部材の傾斜直線に逆勾配で対称的に交差する傾斜直線部とし、両端部は継手中心を中心とする円弧であって前記傾斜直線部の両端から所定長で延在する円弧部とし、かつ、前記保持器の外径側窓開き寸法を前記ボールの径よりも狭め、前記外側継手部材に対して前記内側継手部材が作動角を成して前記ボールの一つが前記外側継手部材の案内溝の開口側端部まで移動した状態で、当該ボールの中心が、内側継手部材の案内溝のボール中心軌跡における前記傾斜直線部と円弧部の境目まで移動するようにしたことを特徴とする。
この発明の等速自在継手は、大きな作動角を取ったときでも、内側継手部材のボール中心軌跡の円弧部が継手中心を中心とする円弧であるため、ボールが外側継手部材の案内溝から外れてもその中心位置が継手中心から離れていかない。このため、外側継手部材の案内溝を開口側に長く延在させる必要がなく、従って内側継手部材に連結するシャフトが外側継手部材に干渉する作動角を高角化することができる。また、50°を越えて60°に近づく高作動角では一部のボールが外側継手部材の案内溝から外側に出ることになるが、保持器外径側の窓開き寸法をボールの径よりも狭めたので、外側継手部材の外側であってもボールを保持器で内側継手部材のボール中心軌跡である円弧部と対応する案内溝側に抱え込んでおくことができ、ボールが保持器から脱落するのを防止できる。
また、外側継手部材の隣り合う案内溝のボール中心軌跡を継手中心軸に対して交互に逆の勾配を持つ傾斜直線にしたことにより、継手がトルクを伝達する際、継手内部の力関係のうち特に保持器がボールから受ける力をポケットの隣り同士で逆向きにして互いに打ち消すことができ、すべての案内溝が同じ勾配の継手に比べてより応力バランスの取れたものとなり保持器に発生する最大応力を低減することができる。
さらに、内側継手部材の案内溝のボール中心軌跡の中間部を、継手中心の軸直角断面で外側継手部材の傾斜直線に対して逆勾配で対称的に交差する傾斜直線部としたから、ボールが前記交差部分にある間は継手によるトルク伝達が可能であり、かつ、継手作動角0°では保持器を継手中心の軸直角断面内に保持することができる。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記保持器の外径側窓開き寸法を、保持器と別体の別部材によって前記ボールの径よりも狭めたことを特徴とする。
外径側窓開き寸法を保持器と別体の部材によって狭めることで、窓へのボールの挿入を保持器外径側から行ない、別部材は後工程で装着することが可能となって作業性が向上する。
請求項3の発明は、請求項1または2の発明において、内側継手部材の案内溝のボール中心軌跡の円弧部に対応する部分を、内側継手部材本体とは別部材で構成したことを特徴とする。
ボール中心軌跡の傾斜直線部に対応する部分を内側継手部材の本体に形成し、円弧部に対応する部分を別部材として形成することにより、案内溝の加工が前者は直線状、後者は円弧状に単純化することができ、両方とも汎用の旋盤とミーリング機で簡単に機械加工することができる。また、内側継手部材を冷間鍛造する場合でも鍛造型の製作が容易である。
請求項4の発明は、請求項1から3の発明において、継手開口側の保持器の内径面を円筒面にするとともに、この円筒面に内側継手部材の球面状外周面を摺接案内するための案内リングと、案内リングの抜止め用の留め輪を装着したことを特徴とする。
保持器のボール案内面を外径側で内側に狭めた場合、継手の組付時に保持器外径側から窓内にボールを挿入することができない。ボールは保持器内径側から窓内に挿入することになるが、そうすると、内側継手部材を継手開口側から軸線方向で保持器に挿入しなければならないから、継手開口側の保持器の内径面は円筒面にしておく必要がある。この円筒面は、そのままにしておくと内側継手部材の抜止めにならないから、案内リングと止め輪で内側継手部材を抜止めする。
本発明の固定式等速自在継手は、高作動角を取ったときでもボールの中心位置が継手中心から離れていかないので、外側継手部材の案内溝を開口側に長く延在させる必要がなく、従って内側継手部材に連結するシャフトが外側継手部材に干渉する作動角を高角化することができる。また、例えば50°を越えて60°に近づく高作動角で一部のボールが外側継手部材の案内溝から外側に出た場合でも、ボールを内側継手部材の案内溝側に保持器で抱え込んでおくことができ、ボールが保持器から脱落することがない。
本発明では外側継手部材の案内溝のボール中心軌跡すなわち溝底形状を、継手の中心軸に対し勾配を持つ直線で構成したので、当該案内溝を汎用の旋盤とミーリング機で容易に製作可能であり、冷間鍛造する場合でも鍛造型の製作が容易である。したがって、曲線の案内溝を有する等速自在継手に比べて外側継手部材を低コストで製作することができる。
また、内側継手部材の案内溝のボール中心軌跡の円弧部に対応する部分を別部材で構成する場合は、この部分がトルク伝達では無効な部分であるから別部材のみ例えば冷間鍛造にて安価に形成することができ、傾斜直線部に対応する部分のみ汎用の旋盤とミーリング機あるいは研削盤で高精度に仕上げればよいから加工が容易である。
また、外側継手部材の隣り合う案内溝のボール中心軌跡を継手中心軸に対して交互に逆の勾配を持つ傾斜直線にしたので、トルク伝達の際に保持器がボールから受ける力をポケットの隣り同士で逆向きにして互いに打ち消すことができ、保持器に発生する最大応力を減らすことができる。
以下、本発明の実施の形態を図1〜図4に基づいて説明する。図1(A)(B)は本発明の固定式等速自在継手を示したものであって、(A)が作動角0°、(B)が限界作動角の状態を示す。この等速自在継手の構成部材は、外側継手部材が両側開口型であること、外側継手部材と内側継手部材の案内溝の形状が異なること以外は、基本的に図5の等速自在継手と同様である。したがって、図5と対応する部分に同一符号を付すことにより重複した説明を省略する。なお、本発明は外側継手部材が椀状で片側開口型の固定式等速自在継手にも適用可能である。
この等速自在継手の特徴は、外側継手部材1と内側継手部材2の二つの案内溝1b,2bのボール中心軌跡C1,C2にある。図1(A)(B)、図2のように、外側継手部材1の隣り合う案内溝1bのボール中心軌跡C1は、継手中心軸に対して交互に逆の勾配θを持つ傾斜直線C1とされる。図1(A)(B)で上側のボール中心軌跡が右下がりの傾斜直線C1、下側のボール中心軌跡も右下がりの傾斜直線C1である。案内溝1bの数ないしトルク伝達ボールの個数は、この実施形態では8とする。図1(A)(B)に現れていない6つの案内溝1bの勾配も、周方向に交互に逆の勾配で形成される。
内側継手部材2の案内溝2bのボール中心軌跡C2は、継手中心Oの軸直角断面Vを横切る傾斜直線部C2aと、この傾斜直線部C2aの両端から所定長延在する円弧部C2b、C2cで構成される。傾斜直線部C2aは、継手中心の軸直角断面で外側継手部材1の傾斜直線C1に逆勾配で左右対称形に交差する。円弧部C2b、C2cはいずれも継手中心Oを中心とする半径Rの円弧である。ここで、継手中心Oは、図1(A)に示す作動角0°で継手の中心軸と保持器4の窓4bの中心線とが交わる交点である。
案内溝1b,2bは継手内部の応力バランスをとるために偶数で配設するのを基本とする。特殊な設計では案内溝1b,2bを奇数で配設することもあり得る。本実施例では案内溝1b,2bを8本形成するが、6本あるいはそれ以外の数で形成してもよい。ボール中心軌跡C1,C2の勾配の程度、すなわち案内溝1b,2bの溝底の勾配の程度は、継手の限界作動角などの設計条件に依存する。一般的には限界作動角が大きいほど勾配を小さくする。
ボール中心軌跡C1、C2を合成したものが図3(A)(B)である。これから分かるように、継手作動角0°において、傾斜直線部C1とC2aは継手中心の軸直角断面Vで交差する。傾斜直線C1の中央部分と傾斜直線部C2aは、傾斜ないし勾配に関して、継手作動角0°において軸直角断面Vに関して鏡像対称の関係にある。
保持器4は、図2のように、継手中心Oを中心とする半径RとRの球面状内周面4cと外周面4dを有する。これら内周面4cおよび外周面4dは、内側継手部材2の外周面2aおよび外側継手部材1の内周面1aと摺接する。保持器4の一端側の内径面は、内側継手部材2との組付け上の理由から、必要に応じて、図4のようにしてもよい。図4では、保持器4の一端側の内径面を所定幅にわたって内径一定の円筒面とし、この円筒面に形成した溝部4aに止め輪5(サークリップ)を嵌合する。この止め輪5の内側であって保持器4の窓4bまでの間にできた奥狭まりの環状楔空間に、案内リング6を嵌合する。この案内リング6は、その内周面が内側継手部材2の球面状外周面2aに嵌合し、外周面が保持器4の球状内周面4cに嵌合する。また、案内リング6の外端は止め輪5の内面に当接する。案内リング6の内端とボール3との間には一定の隙間が確保される。このように構成することにより、内側継手部材2を保持器4内に同軸方向で装入できる。なお、内側継手部材2は一般的には保持器4に対して軸を直角にして装入される。
保持器4の窓4bのボール案内面は、図2および図4のように、外径側が幅狭になっている。すなわち、ボール案内面の内径側は、ボール径と等しい間隔を明けて互いに平行直線状4b1であるが、ボール案内面の外径側はボール径よりもやや狭い間隔となるように先すぼまりとなっている。この先すぼまりの部分は、傾斜した直線で構成してもよいが、ボール3との当り面圧を下げるために、ボール3の外周曲率に符合した凹円弧状4b2にするのがよい。
本発明に係る固定式等速自在継手は以上のように構成され、大きな作動角を取ったときでも、内側継手部材2のボール中心軌跡である円弧部C2b、C2cが継手中心Oを中心とする一定半径Rの円弧であるため、ボール3の中心位置が継手中心から離れていかない。このため、外側継手部材1の案内溝1bを両側開口側に長く延在させる必要がなく、従って内側継手部材2に連結するシャフト7が外側継手部材1に干渉する作動角を高角化することができる。
また、例えば50°を越えて60°に近づく高作動角では一部のボール3が外側継手部材1の案内溝1bから外側に出ることになるが、保持器4外径側のボール案内面の対向間隔をボール径よりも狭くしておくことにより、外側継手部材1の外側であってもボール3を保持器4で内側継手部材2のボール中心軌跡C2である円弧部C2b、C2cに対応する案内溝2b側に抱え込んでおくことができ、ボール3が保持器4から脱落するのを防止できる。
詳しくは、外側継手部材1に対して内側継手部材2が作動角を成してボール3が外側継手部材1の案内溝1bの両側開口に向って移動すると、例えば図3(B)に示すように、このボール3の中心は外側継手部材1の案内溝1bに沿いながら、内側継手部材2の案内溝2bのボール中心軌跡C2における傾斜直線部C2aと円弧部C2bの境目まで移動する(点d)。この状態は、点dに位置するボール3がトルクを伝達することが可能な限界である。内側継手部材2がさらに傾斜すると、図1(B)のようにボール3が外側継手部材1の案内溝1bから外れ、同時にボール3が一方では窓4bの凹円弧状4b2によって飛出しを拘束され、他方では内側継手部材2の案内溝2bの円弧部によって継手中心Oから等距離で支持される。ボール3を支持する内側継手部材2の案内溝2bの円弧部は、図3(B)のボール中心軌跡C2の円弧部C2b(C2c)に対応する部分である。図1(B)に示す2つのボール3はまったく継手のトルク伝達に関与しないが、図に現れていない他のボールのいくつかは、ボール中心軌跡の傾斜直線C1と傾斜直線部C2aの交点に依然位置して不十分ではあるがトルク伝達に関与する。これにより、図1(B)の状態でも保持器4の傾きはシャフトの作動角の二分の一に制御される。
一方、図3(A)のように作動角0°の状態では、外側継手部材1と内側継手部材2の二つの案内溝1b、2bのボール中心軌跡の傾斜直線C1と傾斜直線部C2aが、継手中心の軸直角断面Vでそれぞれの中間部を交差させる。このためボール3が前記交差部分すなわち継手中心Oの軸直角断面V内に保持される。このようなボール3の定位置保持によって、保持器4の球状内周面4cと球状外周面4dがともに継手中心Oを中心とするにもかかわらず、継手作動角0°において、保持器4を継手中心Oの軸直角断面V内に保持することができる。
(A)(B)は本発明に係る固定式等速自在継手の断面図。 図1(A)の要部拡大図。 (A)は作動角0°におけるボール中心軌跡図、(B)は限界作動角におけるボール中心軌跡図。 保持器の変形例を示す部分断面図。 (A)は従来のゼッパ型等速自在継手の縦断面図、(B)は同横断面図。 従来のゼッパ型等速自在継手の内側継手部材と外側継手部材の2つの案内溝のボール中心軌跡図。
符号の説明
1 外側継手部材
1a 球面状内周面
1b,2b 案内溝
2 内側継手部材
2a 球面状外周面
2c スプライン孔
3 トルク伝達ボール
4 保持器
4a 溝部
4b 窓
4c 球状内周面
4d 球状外周面
5 止め輪
6 案内リング
7 シャフト
C1 ボール中心軌跡(傾斜直線)
C2 ボール中心軌跡
C2a 傾斜直線部
C2b、C2c 円弧部
V 軸直角断面

Claims (4)

  1. 球面状の内周面に軸方向に延びる複数の案内溝を形成した外側継手部材と、球面状の外周面に軸方向に延びる複数の案内溝を形成した内側継手部材と、外側継手部材の案内溝と内側継手部材の案内溝とが協働して形成する複数のボールトラックに1個ずつ配されたトルク伝達ボールと、トルク伝達ボールを窓内に収容して保持する保持器とを備え、外側継手部材の隣り合う案内溝のボール中心軌跡を継手中心軸に対して交互に逆の勾配を持つ傾斜直線にするとともに、内側継手部材の案内溝のボール中心軌跡を、その中間部は継手中心の軸直角断面で前記外側継手部材の傾斜直線に逆勾配で対称的に交差する傾斜直線部とし、両端部は継手中心を中心とする円弧であって前記傾斜直線部の両端から所定長で延在する円弧部とし、かつ、前記保持器の外径側窓開き寸法を前記ボールの径よりも狭め、前記外側継手部材に対して前記内側継手部材が作動角を成して前記ボールの一つが前記外側継手部材の案内溝の開口側端部まで移動した状態で、当該ボールの中心が、内側継手部材の案内溝のボール中心軌跡における前記傾斜直線部と円弧部の境目まで移動するようにしたことを特徴とする固定式等速自在継手。
  2. 前記保持器の外径側窓開き寸法を、保持器と別体の別部材によって前記ボールの径よりも狭めたことを特徴とする請求項3の固定式等速自在継手。
  3. 内側継手部材の案内溝のボール中心軌跡の円弧部に対応する部分を、内側継手部材本体とは別部材で構成したことを特徴とする請求項1または2の固定式等速自在継手。
  4. 継手開口側の保持器の内径面を円筒面にするとともに、この円筒面に内側継手部材の球面状外周面を摺接案内するための案内リングと、案内リングの抜止め用の留め輪を装着したことを特徴とする請求項1から3のいずれかの固定式等速自在継手。
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