JP2002013544A - 等速自在継手 - Google Patents

等速自在継手

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JP2002013544A
JP2002013544A JP2000193117A JP2000193117A JP2002013544A JP 2002013544 A JP2002013544 A JP 2002013544A JP 2000193117 A JP2000193117 A JP 2000193117A JP 2000193117 A JP2000193117 A JP 2000193117A JP 2002013544 A JP2002013544 A JP 2002013544A
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constant velocity
cage
ball
joint member
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JP2000193117A
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Akira Nakagawa
亮 中川
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NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D3/00Yielding couplings, i.e. with means permitting movement between the connected parts during the drive
    • F16D3/16Universal joints in which flexibility is produced by means of pivots or sliding or rolling connecting parts
    • F16D3/20Universal joints in which flexibility is produced by means of pivots or sliding or rolling connecting parts one coupling part entering a sleeve of the other coupling part and connected thereto by sliding or rolling members
    • F16D3/22Universal joints in which flexibility is produced by means of pivots or sliding or rolling connecting parts one coupling part entering a sleeve of the other coupling part and connected thereto by sliding or rolling members the rolling members being balls, rollers, or the like, guided in grooves or sockets in both coupling parts
    • F16D3/223Universal joints in which flexibility is produced by means of pivots or sliding or rolling connecting parts one coupling part entering a sleeve of the other coupling part and connected thereto by sliding or rolling members the rolling members being balls, rollers, or the like, guided in grooves or sockets in both coupling parts the rolling members being guided in grooves in both coupling parts
    • F16D2003/22303Details of ball cages

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  • Rolling Contact Bearings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 保持器の強度及び耐久性の向上 【解決手段】 保持器4のポケット4cは、該保持器4
の軸線方向で対向する一対の軸方向壁面4c1と、周方
向で対向する一対の周方向壁面4c2と、軸方向壁面4
c1と周方向壁面4c2とを繋ぐ隅アール部4c3とで
構成される。トルク伝達ボール3の直径dに対する隅ア
ール部4c3の曲率半径Rの比(R/d)を0.45≦
R/d≦0.62の範囲内の値にし、また、周方向壁面
4c2と隅アール部4c3とを曲率半径Rの一つの円弧
で描いている。さらに、軸方向壁面4c1については、
該保持器4の熱処理(浸炭焼入れ焼戻し)後に、研削又
は焼入れ鋼切削等を行って、加工代のバラツキが小さく
なるようにしている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、駆動軸と従動軸と
が角度を取ったときでも、回転トルクを等速で伝達する
ことができる等速自在継手に関する。等速自在継手は、
二軸間の角度変位のみを許容する固定型等速自在継手
と、二軸間の角度変位及び軸方向変位を許容する摺動型
等速自在継手とに大別され、そのうち本発明は前者の固
定型等速自在継手を対象とする。
【0002】
【従来の技術】図7は、自動車のドライブシャフト等の
連結用継手として従来より使用されている固定型等速自
在継手(ツェパー型等速自在継手:ボールフィックスド
ジョイント)を示している。この等速自在継手は、球面
状の内径面11aに6本の曲線状の案内溝11bを軸方
向に形成した外側継手部材11と、球面状の外径面12
aに6本の曲線状の案内溝12bを軸方向に形成し、内
径面に歯型(セレーション又はスプライン)を有する嵌
合部12cを形成した内側継手部材12と、外側継手部
材11の案内溝11bとこれに対応する内側継手部材1
2の案内溝12bとが協働して形成される6本のボール
トラックに配された6個のトルク伝達ボール13と、ト
ルク伝達ボール13を保持するポケット14cを備えた
保持器14とで構成される。
【0003】外側継手部材11の案内溝11bの中心A
は内径面11aの球面中心に対して、内側継手部材12
の案内溝12bの中心Bは外径面12aの球面中心に対
して、それぞれ、軸方向に等距離だけ反対側(同図に示
す例では中心Aは継手の開口側、中心Bは継手の奥部
側)にオフセットされている。そのため、案内溝11b
とこれに対応する案内溝12bとが協働して形成される
ボールトラックは、軸方向の一方(同図に示す例では継
手の開口側)に向かって楔状に開いた形状になる。外側
継手部材11の内径面11aの球面中心、内側継手部材
12の外径面12aの球面中心は、いずれも、トルク伝
達ボール13の中心を含む継手中心面O内にある。
【0004】外側継手部材11と内側継手部材12とが
角度θだけ角度変位すると、保持器14に案内されたト
ルク伝達ボール13は常にどの作動角θにおいても、角
度θの2等分面(θ/2)内に維持され、継手の等速性
が確保される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】図8は、上述した等速
自在継手の保持器14を示している。保持器14は、ト
ルク伝達ボール13を保持する6個の窓形のポケット1
4cを円周等配位置に備えている。ポケット14cの円
周方向両側は柱部14dである。従来、保持器14のポ
ケット14cは、プレスによる抜き加工の後、軸線方向
で対向する一対の軸方向壁面14c1{図8(b)参
照}をシェービング(ブローチ)で仕上げ加工してい
た。この場合、軸方向壁面14c1の加工により、ポケ
ット14cとトルク伝達ボール13との軸方向初期隙間
を−50μm〜−10μmに設定するが、軸方向壁面1
4c1の加工代にばらつきがあると、ポケット14cの
中心位置が周方向に配列されたポケット14c間でばら
つく、所謂ポケット千鳥状態が発生し、保持器14の強
度や耐久性に障害となる。そのため、ポケット14cの
隅アール部14c3の曲率半径Rを小さくして直線部1
4c4を残し、軸方向壁面14c1と直線部14c4と
の間の軸方向寸法δを管理して、所謂ポケット千鳥状態
が発生しないようにしている。従って、隅アール部14
c3の曲率半径Rを小さくする分、本来機能的に不必要
な部分までポケット空間が広がる結果となる。
【0006】一方、本出願人は、図7に示す従来の等速
自在継手(6個ボールの固定型等速自在継手)と同等以
上の強度、負荷容量及び耐久性を確保しつつ、より一層
のコンパクト化、軽量化を実現するため、8本のボール
トラックと8個のトルク伝達ボールを備えた固定型等速
自在継手を既に提案している(特願平8−259484
号等)。この既提案に係る等速自在継手では、外側継手
部材の外径寸法が上述した従来の等速自在継手(6個ボ
ールの固定型等速自在継手)に比べてコンパクトになる
分、保持器のポケット周辺部の断面積が小さくなる。従
って、保持器のポケット構造を従来構造のままとする
と、ポケット空間が機能面から見て広すぎることによ
り、保持器の柱部に作用する応力が高くなり、また内径
面及び外径面の表面積が小さくなり、保持器の強度及び
耐久性が十分に確保できない場合がある。
【0007】そこで、本発明の目的は、上記の既提案に
係る等速自在継手において、保持器の機能を損なうこと
なくポケット構造を最適化し、それによって、保持器の
強度及び耐久性、ひいては継手の強度及び耐久性を向上
させることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、球面状の内径面に軸方向に延びる8本の
曲線状の案内溝を形成した外側継手部材と、球面状の外
径面に軸方向に延びる8本の曲線状の案内溝を形成した
内側継手部材と、外側継手部材の案内溝とこれに対応す
る内側継手部材の案内溝とが協働して形成される8本の
ボールトラックに配された8個のトルク伝達ボールと、
トルク伝達ボールを保持する8個の窓形のポケットを有
する保持器とを備え、前記ボールトラックが軸方向の一
方に向かって楔状に開いた等速自在継手であって、前記
保持器のポケットが隅アール部を有し、前記隅アール部
の曲率半径Rとトルク伝達ボールの直径dとの比(R/
d)がR/d≧0.22、好ましくは0.45≦R/d
≦0.62である構成を提供する。
【0009】比(R/d)を上記範囲内としたのは次の
理由による。図6は、比(R/d)と保持器の柱部(周
方向に隣接するポケット間の間隔部)に作用する最大主
応力荷重との関係をFEM解析によって求めた結果を示
している。同図に示す結果から{(R/d)−(最大主
応力荷重)}線図がR/d=0.537で極小値を取る
ことが認められ、R/d=0.537のときに柱部の最
大主応力荷重が理論上最も小さくなることが確認され
た。また、表1に示すように、この解析結果に基づい
て、トルク伝達ボールの各サイズごとにR/d=0.5
37を満足するR寸法を求めた。さらに、R寸法の一般
公差が±1mm(一般公差:基準寸法の区分6mmを超
えるものについては許容差が±1mm)であることか
ら、R寸法の上限値、下限値を求め、それぞれの値に対
応するR/dの上限値、下限値を求めた(R/dの中央
値は上限値と下限値の平均値)。その結果、R/dの好
ましい範囲として、0.45≦R/d≦0.62が得ら
れた。一方、図8に示す従来の保持器ではR/d=0.
21であり、R/d≧0.22であれば最大主応力荷重
の低減効果が期待できる。従って、比(R/d)をR/
d≧0.22、好ましくは0.45≦R/d≦0.62
の範囲内とした。また、比(R/d)を上記範囲内にす
ることにより、保持器の機能(トルク伝達ボールに対す
る作動性)を損なうことなく、ポケット空間を必要最小
限にし、その分、保持器の内径面及び外径面の表面積を
増大させることができる。これにより、柱部の最大主応
力荷重の低減効果と相俟って、保持器の強度及び耐久性
を高めることができる。
【0010】
【表1】
【0011】また、本発明は、球面状の内径面に軸方向
に延びる8本の曲線状の案内溝を形成した外側継手部材
と、球面状の外径面に軸方向に延びる8本の曲線状の案
内溝を形成した内側継手部材と、外側継手部材の案内溝
とこれに対応する内側継手部材の案内溝とが協働して形
成される8本のボールトラックに配された8個のトルク
伝達ボールと、トルク伝達ボールを保持する8個の窓形
のポケットを有する保持器とを備え、前記ボールトラッ
クが軸方向の一方に向かって楔状に開き、かつ、前記外
側継手部材および内側継手部材の各案内溝に直線状の溝
底を有するストレート部が設けられた等速自在継手であ
って、前記保持器のポケットが隅アール部を有し、前記
隅アール部の曲率半径Rとトルク伝達ボールの直径dと
の比(R/d)がR/d≧0.22、好ましくは0.4
5≦R/d≦0.62である構成を提供する。この発明
の等速自在継手は、外側継手部材および内側継手部材の
各案内溝に直線状の溝底を有するストレート部を備えて
いるので、上述した発明の等速自在継手に比較して、大
きな作動角を取ることができるという特徴がある。その
他の事項は上述した発明の等速自在継手と同じである。
【0012】本発明の等速自在継手において、トルク伝
達ボールの組込みは次のようにして行う。すなわち、外
側継手部材と内側継手部材とを相対的に角度変位させ、
保持器のポケットを外側継手部材の一方の開口部から外
部に臨ませた状態で、トルク伝達ボールを保持器のポケ
ット及びボールトラックに組込む。外側継手部材と内側
継手部材とが相対的に角度変位すると、保持器のポケッ
トに保持されたトルク伝達ボールは周方向に相対移動す
るので、トルク伝達ボールの組込み時(この時の外側継
手部材と内側継手部材との変位角を「ボール組込み角」
という。)、既に組込まれたトルク伝達ボールが周方向
に相対移動して保持器のポケットの周方向壁面と干渉し
ないように、保持器のポケットの周方向長さを設定する
必要がある。また、ポケット内でのトルク伝達ボールの
周方向相対移動量は、位相角45°、135°、225
°、315°の各位置で最大、位相角0°、90°、1
80°、270°の各位置で0になる。これらの点を考
慮して、前記保持器の8個のポケットを、周方向長さが
相互に異なる第1ポケットと第2ポケットとで構成し、
かつ、周方向長さの短い第1ポケットを90度又は18
0度の間隔で配置した構成とすることができる。周方向
長さの長い第2ポケットは、トルク伝達ボールの組込み
時に、トルク伝達ボールがポケット内で最大量相対移動
してもポケットの周方向壁面と干渉しない長さに設定
し、周方向長さの短い第1ポケットは、継手が最大作動
角(継手が機能上取り得る最大の変位角)を取った時
に、トルク伝達ボールがポケット内で最大量相対移動し
てもポケットの周方向壁面と干渉しない長さに設定す
る。これにより、トルク伝達ボールの組込み性と継手の
機能を確保しつつ、保持器の内径面及び外径面の表面積
を増やして、保持器の強度及び耐久性を高めることがで
きる。
【0013】あるいは、保持器の8個のポケットを、周
方向長さが相互に同じポケットで構成することもでき
る。上述のように、比(R/d)を上記範囲内の値にす
ることにより、保持器の強度及び耐久性が向上するの
で、8個のポケットの周方向長さを全て同じ(上記の第
2ポケットと同じ長さ)にすることも可能となる。
【0014】保持器のポケットの壁面のうち、少なくと
も該保持器の軸線方向で対向する一対の軸方向壁面は、
該保持器の熱処理後の切削によって形成するのが好まし
い。ここでの「切削」には、研削、焼入れ鋼切削等が含
まれる。これにより、軸方向壁面の加工代のばらつきが
縮小するので、従来のポケット構造において軸方向壁面
の加工代を管理するために設けていた直線部をなくし、
隅アール部の曲率半径を大きくして、比(R/d)を上
記範囲内の値にすることが可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
従って説明する。
【0016】図1及び図2は、本発明の第1の実施形態
に係る固定型等速自在継手を示している。この実施形態
の等速自在継手は、球面状の内径面1aに8本の曲線状
の案内溝1bを軸方向に形成した外側継手部材1と、球
面状の外径面2aに8本の曲線状の案内溝2bを軸方向
に形成し、内径面に歯型(セレーション又はスプライ
ン)を有する嵌合部2cを形成した内側継手部材2と、
外側継手部材1の案内溝1bとこれに対応する内側継手
部材2の案内溝2bとが協働して形成される8本のボー
ルトラックに配された8個のトルク伝達ボール3と、ト
ルク伝達ボール3を保持する保持器4とで構成される。
内側継手部材2の嵌合部2cには、例えば自動車のドラ
イブシャフトの軸端部が歯型嵌合(セレーション嵌合又
はスプライン嵌合)される。
【0017】外側継手部材1の案内溝1bの中心O1は
内径面1aの球面中心に対して、内側継手部材2の案内
溝2bの中心O2は外径面2aの球面中心に対して、そ
れぞれ、軸方向に等距離Fだけ反対側(同図に示す例で
は、中心O1は継手の開口側、中心O2は継手の奥部
側)にオフセットされている。そのため、案内溝1bと
これに対応する案内溝2bとが協働して形成されるボー
ルトラックは、軸方向の一方(同図に示す例では継手の
開口側)に向かって楔状に開いた形状になる。
【0018】保持器4の外径面4aの球面中心、およ
び、保持器4の外径面4aの案内面となる外側継手部材
1の内径面1aの球面中心は、いずれも、トルク伝達ボ
ール3の中心O3を含む継手中心面O内にある。また、
保持器4の内径面4bの球面中心、および、保持器4の
内径面4bの案内面となる内側継手部材2の外径面2a
の球面中心は、いずれも、継手中心面O内にある。従っ
て、案内溝1bの中心O1のオフセット量Fは、中心O
1と継手中心面Oとの間の軸方向距離、案内溝2bの中
心O2のオフセット量Fは、中心O2と継手中心面Oと
の間の軸方向距離になり、両者は等しい。
【0019】トルク伝達ボールのピッチ円径(PCD
BALL)と直径(d)との比r1(=PCDBALL/d)は
3.3≦r1≦5.0、好ましくは3.5≦r1≦5.
0のの範囲内の値に設定されている。ここで、トルク伝
達ボールのピッチ円径(PCD BALL)は、PCRの2倍
の寸法である(PCDBALL=2×PCR)。外側継手部
材1の案内溝1bの中心O1とトルク伝達ボール3の中
心O3を結ぶ線分の長さ、内側継手部材2の案内溝2b
の中心O2とトルク伝達ボール3の中心O3を結ぶ線分
の長さが、それぞれPCRであり、両者は等しい。ま
た、外側継手部材1の外径(DOUTER)と内側継手部材
2の嵌合部2cの歯型(セレーション又はスプライン)
のピッチ円径(PCDSERR)との比r2(=DOUTER
PCDSERR)は、2.5≦r2<3.5の範囲内の値に
設定されている。従って、この実施形態の等速自在継手
は、従来継手(6個ボールの固定型等速自在継手)と同
等以上の強度および耐久性を有し、かつ、外径寸法がコ
ンパクトである。
【0020】上記構成において、外側継手部材1と内側
継手部材2とが角度θだけ角度変位すると、保持器4に
案内されたトルク伝達ボール3は常にどの作動角θにお
いても、角度θの2等分面(θ/2)内に維持され、継
手の等速性が確保される。図3は、保持器4を示してい
る。保持器4は、トルク伝達ボール3を収容保持する8
個の窓形のポケット4cと、円周方向に隣接したポケッ
ト4c間の柱部4dとを備えている。この実施形態にお
いて、各ポケット4cの周方向長さは全て同一である。
また、継手の運転初期時におけるポケット4cの軸方向
寸法Lとトルク伝達ボール3の直径dとの差(=L−
d)、すなわち両者の間の軸方向初期隙間は−30〜+
10μm、好ましくは−10〜+10μmの範囲内に管
理されている。なお、8個のポケット4cを、周方向長
さが相互に異なる第1ポケットと第2ポケットとで構成
し、かつ、周方向長さの短い第1ポケットを90度又は
180度の間隔で配置しても良い。保持器4は、例えば
浸炭用鋼で形成され、その表層部に浸炭焼入れ焼戻しに
よる浸炭層を備えている。浸炭用鋼としては、クロム
鋼、クロムモリブデン鋼、ニッケルクロムモリブンデン
鋼等を用いることができる。この実施形態では、クロム
モリブデン鋼SCM415Bを用いている。浸炭層の表
面硬さはHRC58〜63、芯部(浸炭層を除く部分)
の硬さはHRC35〜45である。また、保持器4の所
定断面、特に柱部4dの断面において、全面積中に占め
る芯部の面積比率は40〜55%である。
【0021】図4に拡大して示すように、保持器4のポ
ケット4cは、該保持器4の軸線方向で対向する一対の
軸方向壁面4c1と、周方向で対向する一対の周方向壁
面4c2と、軸方向壁面4c1と周方向壁面4c2とを
繋ぐ隅アール部4c3とで構成される。この実施形態で
は、トルク伝達ボール3の直径dに対する隅アール部4
c3の曲率半径Rの比(R/d)を0.45≦R/d≦
0.62の範囲内の値、同図に示す例ではR/d=0.
537に設定し、また、周方向壁面4c2と隅アール部
4c3とを曲率半径Rの一つの円弧で描いている。さら
に、軸方向壁面4c1については、該保持器4の熱処理
(浸炭焼入れ焼戻し)後に、研削又は焼入れ鋼切削等を
行って、加工代のバラツキが小さくなるようにしている
(周方向
【0022】壁面4c2と隅アール部4c3はプレスに
よる抜き加工のまま残している)。図5は、本発明の第
2の実施形態に係る等速自在継手を示している。この実
施形態の等速自在継手が、上述した第1の実施形態の等
速自在継手と異なる点は、外側継手部材1の案内溝1b
および内側継手部材2の案内溝2bにそれぞれ直線状の
溝底を有するストレート部U1、U2を設けた点にした
点にある。この実施形態の等速自在継手は、外側継手部
材1の案内溝1bおよび内側継手部材2の案内溝2bに
それぞれストレート部U1、U2を設けたことにより、
上述した第1の実施形態の等速自在継手に比べて最大作
動角を大きくすることができる。その他の事項は上述し
た第1の実施形態と同じであるので、説明を省略する。
【0023】
【発明の効果】本発明によれば、8本のボールトラック
と8個のトルク伝達ボールを備えた固定型等速自在継手
において、保持器の機能を損なうことなくポケット構造
を最適化し、それによって、保持器の強度及び耐久性、
ひいては継手の強度及び耐久性を向上させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る等速自在継手の
縦断面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係わる等速自在継手
の横断面図である。
【図3】保持器の横断面図{図3(a)}、縦断面図
{図3(b)}である。
【図4】保持器のポケット周辺部を示す拡大平面図であ
る。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る等速自在継手の
縦断面図である。
【図6】比(R/d)と柱部の最大主応力荷重との関係
を示す図である。
【図7】従来の等速自在継手を示す縦断面図{図6
(a)}、{図6(b)}である。
【図8】従来継手における保持器の縦断面図{図8
(a)}、ポケット周辺部を示す拡大平面図{図8
(b)}である。
【符号の説明】
1 外側継手部材 1a 内径面 1b 案内溝 2 内側継手部材 2a 外径面 2b 案内溝 3 トルク伝達ボール 4 保持器 4c ポケット 4d 柱部 4c1 軸方向壁面 4c3 隅アール部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 球面状の内径面に軸方向に延びる8本の
    曲線状の案内溝を形成した外側継手部材と、球面状の外
    径面に軸方向に延びる8本の曲線状の案内溝を形成した
    内側継手部材と、外側継手部材の案内溝とこれに対応す
    る内側継手部材の案内溝とが協働して形成される8本の
    ボールトラックに配された8個のトルク伝達ボールと、
    トルク伝達ボールを保持する8個の窓形のポケットを有
    する保持器とを備え、前記ボールトラックが軸方向の一
    方に向かって楔状に開いた等速自在継手であって、 前記保持器のポケットが隅アール部を有し、前記隅アー
    ル部の曲率半径Rとトルク伝達ボールの直径dとの比
    (R/d)がR/d≧0.22であることを特徴とする
    等速自在継手。
  2. 【請求項2】 球面状の内径面に軸方向に延びる8本の
    曲線状の案内溝を形成した外側継手部材と、球面状の外
    径面に軸方向に延びる8本の曲線状の案内溝を形成した
    内側継手部材と、外側継手部材の案内溝とこれに対応す
    る内側継手部材の案内溝とが協働して形成される8本の
    ボールトラックに配された8個のトルク伝達ボールと、
    トルク伝達ボールを保持する8個の窓形のポケットを有
    する保持器とを備え、前記ボールトラックが軸方向の一
    方に向かって楔状に開き、かつ、前記外側継手部材およ
    び内側継手部材の各案内溝に直線状の溝底を有するスト
    レート部が設けられた等速自在継手であって、 前記保持器のポケットが隅アール部を有し、前記隅アー
    ル部の曲率半径Rとトルク伝達ボールの直径dとの比
    (R/d)がR/d≧0.22であることを特徴とする
    等速自在継手。
  3. 【請求項3】 前記隅アール部の曲率半径Rとトルク伝
    達ボールの直径dとの比(R/d)が0.45≦R/d
    ≦0.62であることを特徴とする請求項1又は2記載
    の等速自在継手。
  4. 【請求項4】 前記保持器の8個のポケットが、周方向
    長さが相互に異なる第1ポケットと第2ポケットとで構
    成され、かつ、周方向長さの短い第1ポケットが90度
    又は180度の間隔で配置されていることを特徴とする
    請求項1から3の何れかに記載の等速自在継手。
  5. 【請求項5】 前記保持器の8個のポケットの周方向長
    さが相互に同じであることを特徴とする請求項1から3
    の何れかに記載の等速自在継手。
  6. 【請求項6】 前記保持器のポケットの壁面のうち、少
    なくとも該保持器の軸線方向で対向する一対の軸方向壁
    面が、該保持器の熱処理後の切削によって形成されてい
    ることを特徴とする請求項1から5の何れかに記載の等
    速自在継手。
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