JP2007099259A - 車両窓用隙間閉塞部材及び車両窓用板状体 - Google Patents
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Abstract
【課題】車両の組み立て前に隙間閉塞部材が予め車両窓用板状体に固着可能で、寸法精度よく取り付けを行うことができる車両窓用隙間閉塞部材及び車両窓用板状体を提供すること。これを用いて車両の組立工程における部品点数を削減し、簡便で効率的な車両の組立が可能な車両窓用板状体の取り付け構造を実現し、高性能で意匠性の高い車両窓用板状体の取り付け構造を提供することを目的とする。
【解決手段】ウインドウガラス2の周縁部に予め固着することが可能で、車両本体1の開口部とウインドウガラス2の間の隙間を閉塞する隙間閉塞部材3であって、隙間閉塞部材3が予め固着されたウインドウガラス2を車両本体1に取り付ける際の寸法誤差を吸収する吸収手段を備えることを特徴とする車両用隙間閉塞部材及びこれを備えた車両窓用板状体。
【選択図】図3
【解決手段】ウインドウガラス2の周縁部に予め固着することが可能で、車両本体1の開口部とウインドウガラス2の間の隙間を閉塞する隙間閉塞部材3であって、隙間閉塞部材3が予め固着されたウインドウガラス2を車両本体1に取り付ける際の寸法誤差を吸収する吸収手段を備えることを特徴とする車両用隙間閉塞部材及びこれを備えた車両窓用板状体。
【選択図】図3
Description
本発明は、車両窓用隙間閉塞部材に係り、自動車等の車両の窓部に取り付けられる車両窓用板状体と車両本体開口部との間の隙間を閉塞する車両窓用隙間閉塞部材及びそれを備えた車両窓用板状体に関する。
車両、特に自動車の車両窓用板状体、例えばウインドウガラスは、その周縁にウインドウガラスと車両本体開口部の隙間を埋めるモール、ガスケットやガーニッシュなど(以下隙間閉塞部材ともいう)を設け、開口窓部の固定、封止、雨滴排水などを行うと共に、外観の意匠性向上を図っている。例えば、特許文献1には、隙間閉塞部材の本体部、雨滴排水部材及びあご型のクリップ(係着部材)をウインドウガラスに固着させる構造が開示されている。すなわち、車両本体にウインドウガラスを取り付けた後に、隙間閉塞部材を挿入し、ウインドウガラス車外面に配置された本体部及び雨滴排水溝部材とウインドウガラス車内面側に配置された前記クリップにより、ウインドウグラス周縁部の車内外両面及びコバ面をくわえた形で挟着する隙間閉塞部材の構造である。また、事前に車両本体側の開口部内周面に仮止め部材(位置決め用のフック)を取り付けることで、前記隙間閉塞部材のウインドウガラス厚さ方向のはめ込み深さを一定にし、取り付け寸法誤差を低減することが提案されている。
実開平5−16420号公報
しかしながら、前述の特許文献1の車両窓用隙間閉塞部材の構成では、車両の組立工程において車両本体に隙間閉塞部材を仮付けした後に、接着剤を硬化させる工程が必要であり、作業工程が増え、作業効率が低下する。また、接着剤が硬化するまでの間、隙間閉塞部材を適正な位置に保持し続けることは難しいため、ウインドウガラスや隙間閉塞部材に孔を設けたり、両面テープを用いたりして仮止めするなどの工程が必要となる。よって、工程が増えると共に車両窓用板状体の取り付け作業の難度が高まる。その結果、車両本体外表面と隙間閉塞部材外表面にズレや段差などの取り付け寸法誤差が生じ易く、車両走行時における風きり音の発生原因となるとともに、外観意匠の完成度を落とすなどの問題があった。
一方、車両の組立工程を簡素化するためには、車両の組み立て前に隙間閉塞部材を予めウインドウガラスに固着して、ウインドウガラスの集合部品として車両本体に取り付けることが有効である。しかし、従来の隙間閉塞部材を予めウインドウガラスに取り付けた後に車両本体に取り付けた場合、隙間閉塞部材が車両本体への取り付け寸法誤差を全く吸収することはできなくなり、ウインドウガラスの取り付け工程における隙間閉塞部材の位置調整がさらに難しい。これは、ウインドウガラスの集合部品の寸法誤差と車両本体の寸法誤差の和が、直接の組み立て後の車両窓部の取り付け寸法誤差として残ってしまうためである。
つまり、車両組立工程の前に隙間閉塞部材を予めウインドウガラスに固着してウインドウガラスの集合部品として車両本体に取り付ける(以下先付けともいう)方法は、ウインドウガラスを車両本体に取り付け後に隙間閉塞部材を取り付ける(以下後付けともいう)従来の方法と比較して、車両本体への取り付け寸法誤差が大きくなってしまうという問題があった。
本発明は、上述の事情を鑑みてなされたものであり、車両の組み立て前に隙間閉塞部材を予め車両窓用板状体に固着して集合部品(以下先付け窓用板状体ともいう)を形成する先付けに、好適な車両窓用隙間閉塞部材及び車両窓用板状体を提供すること、車両の組立工程における部品点数を削減し、簡便で効率的な車両の組立工程が実現可能な車両窓用板状体の取り付け構造を実現することを目的とする。あわせて、車両本体への取り付け作業を簡便に寸法精度よく行うことができる車両窓用隙間閉塞部材を備えた車両窓用板状体を提供し、高性能で意匠性の高い車両窓用板状体の取り付け構造を提供することを目的とする。
本発明は、車両窓用板状体の周縁部に予め固着され、車両本体開口部と車両窓用板状体の間の隙間を閉塞する隙間閉塞部材であって、前記隙間閉塞部材は、車両窓用板状体及び隙間閉塞部材を車両本体に取り付ける際の寸法誤差を吸収する吸収手段を備えることを特徴とする車両窓用隙間閉塞部材を提供する。
上述の第一の態様の隙間閉塞部材は、隙間閉塞部材を車両本体に取り付ける際の寸法誤差を解消する吸収手段を備える。このため車両の組立工程の前に隙間閉塞部材の車両窓用板状体に固着する先付けが可能になる。これにより、車両の組立工程において車両窓用板状体を集合部品化して取り付けることができるため、取り付け作業が簡便になり、部品点数が削減され、工程が簡素化される。また、先付けにより隙間閉塞部材を取り付けるため、車両の組立工程での隙間閉塞部材の脱落を効果的に防止できる。これらの結果、不良や不良品の手直し作業の削減が期待できる。また、隙間閉塞部材を取り付けるための接着剤の硬化時間を省略でき、かつ、取り付け作業における位置合わせを短時間で行うことができるため、組立工程の時間短縮及びタクトアップに寄与する。さらに、先付け窓用板状体を車両本体に寸法精度よく取り付けることが可能になる。その結果、隙間閉塞部材の車外側表面と車両本体の車外側表面の段差が減少し、風きり音の発生を低減でき、外観意匠の完成度が高まる。
本発明の第2の態様は、前記隙間閉塞部材は、帯状の周縁装飾部材と係着部材を備え、前記周縁装飾部材と前記係着部材は嵌合部を介して嵌合され、前記係着部材の一部が車両窓用板状体に固着される態様1に記載の車両窓用隙間閉塞部材を提供する。
第2の態様の隙間閉塞部材は、先付けにより係着部材が車両窓用板状体に固着され周縁装飾部材と嵌合する。さらに、係着部材は車両本体への取り付けの際に、接着剤によって固定される。このため、係着部材は車両窓用板状体の重量に関係なく車両に取り付けられるまでの間、周縁装飾部材を支持するに十分な強度を持てばよく、係着部材の取り付け個数を少なくすることができる。また、車両本体に取り付け後は、係着部材を少なくすることで前記接着剤が周縁装飾部材に直接固定され、強固に取り付けることができる。これにより、車両の組立工程での隙間閉塞部材の脱落を防止できることに加え、車両の長期間の使用に対する耐久性も向上する。
本発明の第3の態様は、前記吸収手段は、前記嵌合部の一方に車両窓用板状体厚さまたは平面方向に沿って形成された長孔と、前記嵌合部の他方側に取り付けられるとともに前記長孔に沿って移動自在に嵌合された係合部材とから構成され、前記係合部材が長孔に沿って車両窓用板状体厚さまたは平面方向に移動されることにより車両窓用板状体厚さ方向の寸法誤差を吸収する態様2に記載の車両窓用隙間閉塞部材を提供する。
第3の態様の隙間閉塞部材の寸法誤差吸収手段の嵌合部は、車両窓用板状体厚さまたは平面方向に沿った長孔と係合部材を備え、前記長孔に沿って移動自在に嵌合される。係合部材は、汎用の係合方法で周縁装飾部材を先付けすることができ、また、車両窓用板状体の車内面側には係着部材の支腕部が固着されるのみの簡易な構造である。これにより、係合部材が汎用の部材が利用可能となり、周縁装飾部材、係着部材が単純な構造なるという利点がある。その結果、汎用部材の利用や部材製造時の金型費用の削減等が期待でき安価に実施可能である。また、車両窓用板状体の車内面側の接着面が大きく取れるため接着の信頼性が向上する。
本発明の第4の態様は、前記吸収手段は、前記周縁装飾部材または係着部材に形成されるとともに車両窓用板状体厚さ方向に伸延されて前記車両本体に当接される脚部と、前記嵌合部の一方に形成されるとともに前記嵌合部の他方を車両窓用板状体厚さ方向に移動自在に支持するとともに、前記周縁装飾部材を車両窓用板状体厚さ方向に付勢する付勢手段とから構成され、前記嵌合部が車両窓用板状体厚さ方向に摺動されることにより車両窓用板状体厚さ方向の取り付け寸法誤差を吸収する態様2に記載の車両窓用隙間閉塞部材を提供する。
第4の態様の吸収手段は、車両窓用板状体厚さ方向の取り付け寸法誤差の吸収手段を備える。従来の隙間閉塞部材は、車両窓用板状体及び車両本体の寸法誤差の影響を受け車外側表面の段差を生じるが、本発明は車両本体のフランジ面に当接する脚部を備えるためこれらの影響を低減できる。周縁装飾部材が車両窓用板状体厚さ方向に伸延された脚部を備える態様では、前記脚部が車両本体のフランジ面に当接されることにより、周縁装飾部材の車外側表面取り付け位置が一義的に定まる。係着部材が、車両窓用板状体厚さ方向に伸延された脚部を備える態様では、前記脚部が車両本体のフランジ面に当接されることにより、車両窓用板状体の端部の取り付け位置が一義的に定まる。さらに、嵌合部は、車両窓用板状体厚さ方向に移動自在に嵌合されることにより、車両窓用板状体取り付け時の厚さ方向の寸法誤差を吸収する。これにより、車両窓用板状体及び車両本体の厚さ方向の寸法のばらつきの影響を低減して、精度よく隙間閉塞部材、特に周縁装飾部材の取り付けが可能になる。また、摺動脚部を車両本体側に付勢する付勢手段を備えることにより、先付けを行っても前記付勢手段により前記摺動脚部は付勢されるため、嵌合部の開放による周縁装飾部材の脱落が防止されるとともに、嵌合部のガタつきも低減される。
本発明の第5の態様は、前記吸収手段は、前記周縁装飾部材または係着部材に形成されるとともに車両窓用板状体平面方向に伸延されて前記車両本体に当接される脚部と、前記嵌合部の一方に形成されるとともに前記嵌合部の他方を車両窓用板状体平面方向に移動自在に支持するとともに前記周縁装飾部材を車両窓用板状体平面方向に付勢する付勢手段とから構成され、前記嵌合部が車両窓用板状体平面方向に摺動されることにより車両窓用板状体平面方向の寸法誤差を吸収する態様2に記載の車両窓用隙間閉塞部材を提供する。
第5の態様の寸法誤差の吸収手段は、車両窓用板状体平面方向の取り付け寸法誤差の吸収手段を備える。従来の隙間閉塞部材は、車両窓用板状体及び車両本体の寸法誤差の影響を受け車両窓用板状体取り付け位置にばらつきが生じるが、本発明は車両本体の内壁面に当接する脚部を備えるためこれらの影響を低減できる。周縁装飾部材が車両窓用板状体平面方向に伸延された脚部を備える態様では、前記脚部が車両本体の内壁面に当接されることにより、周縁装飾部材の平面方向取り付け位置が一義的に定まる。係着部材が、車両窓用板状体平面方向に伸延された脚部を備える態様では、前記脚部が車両本体の内壁面に当接されることにより、車両窓用板状体の平面方向取り付け位置が一義的に定まる。さらに、嵌合部は、車両窓用板状体平面方向に移動自在に嵌合されることにより、車両窓用板状体取り付け時の平面方向の寸法誤差を吸収する。これにより、車両窓用板状体及び車両本体の平面方向の寸法のばらつきの影響を低減して、精度よく隙間閉塞部材、特に周縁装飾部材の取り付けが可能になる。また、摺動脚部に車両本体側に付勢する付勢手段を備えることにより、先付けを行っても前記付勢手段により前記摺動脚部は付勢されるため、嵌合部の開放による周縁装飾部材の脱落が防止されるとともに、嵌合部のガタつきも低減される。
本発明の第6の態様は、前記吸収手段は、前記周縁装飾部材または係着部材に形成されるとともに車両窓用板状体厚さ方向に伸延されて前記車両本体に当接される第一の脚部と、前記周縁装飾部材または係着部材に形成されるとともに車両窓用板状体平面方向に伸延されて前記車両本体に当接される第二の脚部とを備え、前記嵌合部の一方側には、前記嵌合部の他方側を車両窓用板状体厚さ方向に移動自在に支持するとともに前記嵌合部の他方側を車両窓用板状体厚さ方向に付勢する第一の付勢手段及び前記嵌合部の他方側を車両窓用板状体平面方向に移動自在に支持するとともに前記嵌合部の他方側を車両窓用板状体平面方向に付勢する第二の付勢手段を備え、前記嵌合部が、車両窓用板状体厚さ方向に摺動されることにより車両窓用板状体厚さ方向の取り付け寸法誤差を吸収し、車両窓用板状体平面方向に摺動されることにより車両窓用板状体平面方向の取り付け寸法誤差を吸収する態様2に記載の車両窓用隙間閉塞部材を提供する。
第6の態様の寸法誤差の吸収手段は、車両窓用板状体厚さ方向及び平面方向の取り付け寸法誤差の吸収手段を備える。従来の隙間閉塞部材は、車両窓用板状体及び車両本体開口部の寸法誤差の影響を受け、車両窓用板状体取り付け位置にばらつきが生じるが、本発明は、車両窓用板状体厚さ方向に伸延し車両本体のフランジ面に当接される脚部と、車両窓用板状体平面方向に伸延し車両本体の内壁面に当接される脚部とを備え、嵌合部は、車両窓用板状体厚さ方向及び平面方向の二方向に移動自在に嵌合され、前記二方向で周縁装飾部材を車両本体側に付勢する付勢手段を備え、車両窓用板状体及び車両本体開口部の寸法誤差の影響を低減することができる。周縁装飾部材の車両窓用板状体厚さ及び平面方向に車両本体と当接する脚部を備える態様では、前記脚部が車両本体に当接されることにより、周縁装飾部材の取り付け位置が一義的に定まる。係着部材が脚部を備える態様では、前記脚部が車両本体に当接されることにより、車両窓用板状体の端部の取り付け位置が一義的に定まる。さらに、嵌合部は、車両窓用板状体厚さ及び平面方向に移動自在に嵌合されることにより、車両窓用板状体取り付け時の厚さ及び平面方向の寸法誤差を吸収する。
つまり、前記吸収手段の吸収可能範囲内において、車両本体開口部に対して車両窓用板状体及び隙間閉塞部材が自立的に適切な位置に収まる。よって、車両窓用板状体及び車両本体開口部の厚さ及び平面方向の寸法のばらつきの影響を低減して、簡便に精度よく隙間閉塞部材、特に周縁装飾部材の取り付けが可能になる。また、摺動脚部に車両本体側に付勢する付勢手段を備えることにより、先付けを行っても前記付勢手段により前記摺動脚部は付勢されるため、嵌合部の開放による周縁装飾部材の脱落が防止されるとともに、嵌合部のガタつきも低減される。
本発明の第7の態様は、車両窓用板状体の周縁部に予め固着され、車両本体開口部と車両窓用板状体の間の隙間を閉塞する隙間閉塞部材であって、前記隙間閉塞部材は、弾性モール部材であり、車両窓用板状体平面外方向に車両本体内壁面より張り出して固着され、車両本体開口部と車両窓用板状体との間の隙間に嵌入されることにより、車両窓用板状体及び隙間閉塞部材を車両本体に取り付ける際の寸法誤差を変形して吸収する車両窓用隙間閉塞部材を提供する。
第7の態様において、車両窓用板状体の厚さと平面方向の二方向の取り付け誤差吸収手段を備える。本態様の隙間閉塞部材は、前述の周縁装飾部材、係着部材、係合部材等の機能を兼ねる弾性モール部材であり、先付け窓用板状体の部品点数を削減できる利点がある。隙間閉塞部材の先付けにより、車両の組立工程において複数の部材を一つの集合部品として一度に取り付けることができ、車両の組立部品点数が削減され組立工程が効率化される。
第7の態様の取り付け寸法誤差の吸収手段は、弾性モール部材が車両本体開口部と車両窓用板状体との間の隙間に嵌入されることにより変形して、車両本体開口部に先付け窓用板状体を取り付ける際の寸法誤差を吸収する。車両窓用板状体平面方向の取り付け寸法誤差の吸収では、車両本体の内壁面より車外側に張り出して取り付けられた弾性モール部材が車両本体と当接して湾曲しながら変形し、車両窓用板状体を適正な取り付け位置に自立的に誘導する。
さらに、車両窓用板状体厚さ方向の取り付け寸法誤差の吸収は、嵌入される際の前述の変形に加えに加え、弾性モール部材の車外側表面が回動することにより、車両本体の車外表面の境界が面一となり、弾性モール部材と車両本体の車外側表面を段差なく収めることができる。
よって、車両窓用板状体及び車両本体開口部の厚さ及び平面方向の寸法のばらつきの影響を低減して、精度よく隙間閉塞部材、特に弾性モール部材の取り付けが可能になる。さらに、先付け窓用板状体を車両本体開口部に寸法精度よく取り付けることを可能になる。
その結果、隙間閉塞部材の車外側表面と車両本体の車外側表面の段差が減少し、風きり音の発生を低減でき、外観意匠の完成度が高まる。かつ、取り付け作業における位置合わせを短時間で行うことができるため、車両の組立工程の時間短縮及びタクトアップに寄与する。
その結果、隙間閉塞部材の車外側表面と車両本体の車外側表面の段差が減少し、風きり音の発生を低減でき、外観意匠の完成度が高まる。かつ、取り付け作業における位置合わせを短時間で行うことができるため、車両の組立工程の時間短縮及びタクトアップに寄与する。
本発明の第8の態様は、車両窓用板状体の周縁部に予め装着され、車両本体開口部と車両窓用板状体の間の隙間を閉塞する隙間閉塞部材であって、前記隙間閉塞部材は、車両窓用板状体及び隙間閉塞部材を車両本体に取り付ける際の寸法誤差を吸収する吸収手段を備え、車両窓用板状体平面方向に伸延されて前記車両本体に当接される第一の脚部と車両窓用板状体厚さ方向に伸延されて前記車両本体に当接される第二の脚部を備え、前記吸収手段は、車両窓用板状体と隙間閉塞部材の間の設けられた緩衝部材であり、車両本体開口部と車両窓用板状体との間の隙間に嵌入されることにより、前記緩衝部材が変形して、車両窓用板状体及び隙間閉塞部材を車両本体に取り付ける際の寸法誤差を吸収する車両窓用隙間閉塞部材を提供する。
第8の態様において、車両窓用板状体の厚さと平面方向の二方向の取り付け誤差吸収手段を備える。本態様の隙間閉塞部材および緩衝部材は、前述の周縁装飾部材、係着部材、係合部材等の機能を兼ねる部材であり、先付け窓用板状体の部品点数を削減できる利点がある。隙間閉塞部材の先付けにより、車両の組立工程において複数の部材を一つの集合部品として一度に取り付けることができ、車両の組立部品点数が削減され組立工程が効率化される。
第8の態様の取り付け寸法誤差の吸収手段は、前記緩衝部材が車両本体開口部と車両窓用板状体との間の隙間で板状体面方向および厚さ方向に追従しながら変形して、車両本体開口部に先付け窓用板状体を取り付ける際の寸法誤差を吸収する。車両窓用板状体平面方向の取り付け寸法誤差の吸収では、隙間閉塞部材の位置は、車両窓用板状体平面方向に伸延した第一の脚部が車両本体の内壁面と当接して面方向の位置が定まり、第二の脚部が車両本体のフランジ面と当接して厚さ方向の位置が定まる。このとき、板状体と隙間閉塞部材の間にある緩衝部材が変形し、誤差を吸収可能な範囲内において、車両窓用板状体が適正な取り付け位置に自立的に誘導される。
また、第一の脚部と第二の脚部を独立して形成することが可能なため、単純な断面形状で隙間閉塞部材を形成でき、隙間閉塞部材の厚さを薄くすることもできる。このため、本態様は、車両のサイドウインドウなど平滑な意匠(フラッシュ性)を達成するために好適である。また、薄く小さい隙間閉塞部材はコストの低減にも効果的で経済的な設計が可能になる。また、脚部が板状体を挟持する形状を形成してもよく、板状体車内側に平面部を設けることも容易なため、隙間閉塞部材に車両本体に取り付ける際に使用する仮止めクリップを取り付けることもできる。また、前述の仮止めクリップを隙間閉塞部材と連続するようにあらかじめ一体成形することも可能である。
以上のように、本実施の態様は、車両窓用板状体及び車両本体開口部の厚さ及び平面方向の寸法のばらつきの影響を低減して、精度よく隙間閉塞部材の取り付けが可能になる。さらに、先付け窓用板状体を車両本体開口部に寸法精度よく取り付けることを可能になる。また、車両本体に取り付ける際の仮止めクリップとの併用が容易で、その機能をかねることもできる。
その結果、隙間閉塞部材の車外側表面と車両本体の車外側表面の段差が減少し、風きり音の発生を低減でき、外観意匠の完成度が高まる。かつ、取り付け作業における位置合わせを短時間で行うことができるため、車両の組立工程の時間短縮及びタクトアップに寄与する。
本発明の第9の態様は、前記第二の脚部が第一の脚部に連続して形成される態様8に記載の車両窓用隙間閉塞部材を提供する。
第9の態様において、第8の態様による効果に加えて、第一の脚部と第二の脚部が連続して形成されることにより、隙間閉塞部材の取り付け位置が、事実上一本の脚部で板状体面および厚さの両方向で一義的に定まる。その結果、車両窓用板状体の取り付け位置も、緩衝部材の変形により誤差を吸収可能な範囲内において、適正な取り付け位置に自立的に誘導される。
また、第二の脚部を車両本体の内壁に非常に近接して取り付けることができるため、板状体を車両本体と車両窓用板状体を非常に近接して取り付けることができる。これは、車両窓用板状体と車両本体の隙間が小さくできるという意匠上の優位性を持つとともに、接着剤によって固定されるべき部材間の距離が小さくなり、接着が容易になるとともに、接着剤の塗布量を低減、およびはみ出し防止にも効果がある。また、本実施の形態は、隙間閉塞部材の断面に分岐を設ける必要がなく、隙間閉塞部材を射出成形または押出成形により形成する際に容易に精度よく形成することが可能になる。
本発明の第10の態様は、前記態様1〜9に記載の車両窓用隙間閉塞部材を備える車両窓用板状体を提供する。
前述の1〜9の態様の隙間閉塞部材を車両窓用板状体に備えることで、隙間閉塞部材の先付けが可能で、車両の組立工程における部品点数が少なく、取り付けが簡便になる。また、車両窓用板状体及び車両本体開口部の厚さ及び平面方向の取り付け寸法のばらつきの影響を低減して、簡便に精度よく取り付けが可能で外観意匠に優れ高性能な車両窓用板状体を提供できる。
本発明の車両窓用隙間閉塞部材及び車両窓用板状体によれば、車両の組立工程の前に隙間閉塞部材を予め車両窓用板状体に固着して集合部品化して車両本体に取り付ける先付けを実現することができる。このため、車両の組立工程における部品点数が削減でき、簡便で効率的な車両の組立工程が実現可能になる。また、本発明の車両窓用隙間閉塞部材及び車両窓用板状体は、隙間閉塞部材に車両本体に取り付ける際の寸法誤差を低減する吸収手段を備え、隙間閉塞部材の先付けを可能にした。これにより、車両本体への取り付け作業を簡便に寸法精度よく行うことができる車両窓用隙間閉塞部材及び車両窓用板状体を提供し、高性能で意匠性の高い車両窓用板状体の取り付け構造を提供することが可能になる。
ここで、本発明について図を参照しながら詳細に説明する。
なお、本発明において、隙間閉塞部材とは、車両窓用板状体と車両本体開口部の隙間を閉塞するために用いられる、モール部材、ガーニッシュ、クリップ等の他これに付属するリップモール、接着剤仕切部材等、隙間を閉塞するために用いられるすべての部材を含むものとする。また、周縁装飾部材とは、隙間閉塞部材のうち車両の外側表面の一部を形成する面を備えるもの、一般にガーニッシュやアッパーモール等と呼ばれる部材を指すものとする。また、モール部材は、隙間閉塞部材のうち車両窓用板状体に直接固着されるもの、一般に弾性を備えモール、モールディング、ガスケット等と呼ばれる部材を指すものとする。当然ながら、周縁装飾部材及びモール部材は、お互いの機能を兼ねてもよく、補完しあってもよい。
図1は、隙間閉塞部材3を車両窓用板状体であるウインドウガラス2の周縁に装着した自動車10の斜視図である。ウインドウガラス2は、車両本体1の開口部に取り付けられ、隙間閉塞部材3は、ウインドウガラス2と車両本体1の隙間を塞ぐようにウインドウガラス2の上辺と側辺に沿って取り付けられる。ここでは、隙間閉塞部材3は上辺と側辺に沿って設ける例を示したが、下辺にも隙間閉塞部材3を設けてもよい。また、隙間閉塞部材3は、例えば辺ごとに複数の部材で構成してもよく、一体の部材でもよい。
[第1の実施形態]
本実施の形態は、ウインドウガラス2の厚さ方向の取り付け誤差吸収手段を備える形態の一例である。図2は、本発明に係る第1の実施形態の先付けウインドウガラス体4の構成の一例を示す組立斜視図である。ウインドウガラス2の両側辺には1辺の少なくとも3箇所にあご型のクリップ(係着部材)14が設けられる。また、ウインドウガラス2の両側辺に沿って帯状のガーニッシュ12が設けられ、ガーニッシュ12とクリップ14は、図3の断面図に示すようにねじ(係合部材)16とナット17とによって連結(嵌合)される。また、図2の如くウインドウガラス2の上辺には、帯状のアッパーモール15が嵌合され、これによって、先付けウインドウガラス体4が形成される。
本実施の形態は、ウインドウガラス2の厚さ方向の取り付け誤差吸収手段を備える形態の一例である。図2は、本発明に係る第1の実施形態の先付けウインドウガラス体4の構成の一例を示す組立斜視図である。ウインドウガラス2の両側辺には1辺の少なくとも3箇所にあご型のクリップ(係着部材)14が設けられる。また、ウインドウガラス2の両側辺に沿って帯状のガーニッシュ12が設けられ、ガーニッシュ12とクリップ14は、図3の断面図に示すようにねじ(係合部材)16とナット17とによって連結(嵌合)される。また、図2の如くウインドウガラス2の上辺には、帯状のアッパーモール15が嵌合され、これによって、先付けウインドウガラス体4が形成される。
ウインドウガラス2、ガーニッシュ12、アッパーモール15、クリップ14及びねじ16が先付けされることにより、複数の部材を一つの集合部品として一度に取り付けることができ、車両組立における部品点数が削減され、車両の組立工程を効率化できる。クリップ14は、車両の組み立て前に先付けされた部材が脱落しない程度に固着されればよい。
先付けウインドウガラス体4を車両本体1に取り付けた後は、図3の接着剤22に直接固定されるためである。クリップ14の固着は、接着剤を用いてもよく、両面テープ等でもよい。
先付けウインドウガラス体4を車両本体1に取り付けた後は、図3の接着剤22に直接固定されるためである。クリップ14の固着は、接着剤を用いてもよく、両面テープ等でもよい。
先付けウインドウガラス体4として取り付けられたウインドウガラス2は、車両本体1に取り付けられ、接着剤22で固定される。また、ウインドウガラス2には先付けによりクリップ14が固着されおり、さらにガーニッシュ12がねじ16で連結されている。クリップ14は、ウインドウガラス2の縁部に支腕部26を嵌入することにより取り付けられ、ウインドウガラス厚さ方向に伸延される嵌合部を備える。ガーニッシュ12は、車外側表面を形成する面から略垂直に伸延された支持部13と、ウインドウガラス厚さ方向に伸延される摺動脚部34を備え、摺動脚部34にウインドウガラス厚さ方向に沿った長孔28を備える。クリップ14とガーニッシュ12は、長孔28に対するねじ16の移動量分だけウインドウガラス厚さ方向にその位置が自在に調整されて連結される。
これにより、ウインドウガラス厚さ方向の取り付け寸法誤差を吸収することができる。
すなわち、ねじ16と長孔28とによって、寸法誤差を吸収する吸収手段を構成している。この吸収手段を備えることにより、隙間閉塞部材3の先付けが可能になるとともに、簡便に寸法精度よく先付けウインドウガラス体4を取り付けることができる。前記吸収手段の移動可能長さは、車両本体1の寸法誤差とウインドウガラス2の寸法誤差よりも大きいことが好適であり、0.1〜5.0mm程度とすることが好ましく、0.5〜3.0mmがより好ましい。また、ここではガーニッシュ12に長孔28を備える構成を示したが、長孔28はクリップ14に備えられてもよい。
すなわち、ねじ16と長孔28とによって、寸法誤差を吸収する吸収手段を構成している。この吸収手段を備えることにより、隙間閉塞部材3の先付けが可能になるとともに、簡便に寸法精度よく先付けウインドウガラス体4を取り付けることができる。前記吸収手段の移動可能長さは、車両本体1の寸法誤差とウインドウガラス2の寸法誤差よりも大きいことが好適であり、0.1〜5.0mm程度とすることが好ましく、0.5〜3.0mmがより好ましい。また、ここではガーニッシュ12に長孔28を備える構成を示したが、長孔28はクリップ14に備えられてもよい。
図4は、図3に示したクリップ14以外の部分におけるウインドウガラス2の取り付け例を示した断面図である。ウインドウガラス2は、車両本体1に取り付けられ、接着剤22で固定され、ウインドウガラス2には先付けによりガーニッシュ12が固着されている。ガーニッシュ12は、車外側表面を形成する面から略垂直に伸延された支持部13と、ウインドウガラス厚さ方向に伸延される脚部32をそれぞれ備え、接着剤22に直接固定される。
このように本実施の形態では、車両本体1に取り付け後のガーニッシュ12が接着剤22により強固に固定されるため、図2に示したクリップ14の数を減らすことができるなど、簡便な方法で先付けを実施できるという利点がある。同時に、ウインドウガラス2の車内面側にはクリップ14の支腕部26が固着されるのみの簡易な構造となり、ウインドウガラス2の車内面側の接着面が大きく取れるため接着の信頼性が向上するという利点もある。
図3では、ねじ16及びナット17を用いた連結例(嵌合例)を示したが、連結(嵌合)方法はこれに限定されるものではなく、摺動によるもの、ビス止め、クリップや接着など公知の係合方法でガーニッシュ12を係合することができる。また、係合部材として公知の部材が利用可能となることで、ガーニッシュ12、クリップ14が簡素な構造となるという利点がある。その結果、汎用部材の利用や部材製造時の金型費用の削減等が期待でき安価に実施可能になる。
ガーニッシュ12は、車両本体1及びウインドウガラス2との当接部にリップ部材18を備えてもよく、これは本発明の他の実施の形態においても同様である。また、図3、図4に示したように、ウインドウガラス2の面内方向に張り出し部19を形成して雨滴排水機能部(溝)21をガーニッシュ12に備えてもよく、これ以外の走行時の風巻き込み防止等の隙間閉塞以外の追加機能を備えてもよい。
車両本体1とウインドウガラス2の間のフランジ面40のフランジ端側には、接着剤仕切部材20を設けてもよい。接着剤仕切部材20は、接着剤22がウインドウガラス2の視界範囲にはみ出すことを防止し、視界範囲の透明性と意匠性の低下を防止できる。また、接着剤仕切り部材20に車両本体1とウインドウガラス2のスペーサの機能を備えてもよい。
ウインドウガラス2は、無機ガラスであるが、強化ガラスや合せガラスが好適である。
また、無機ガラス以外では公知の透明樹脂を用いることもできる。隙間閉塞部材3は、それぞれ公知の樹脂材料を用いることが可能であるが、部材ごとに好適な硬さがある。接着剤仕切部材20、リップ部材18、ガーニッシュ12、クリップ14の順で硬度が増していくように組み合わせることが好ましい。詳しくは接着剤仕切部材20には、公知のゴム及び発泡材料が使用可能であり、EPDM(エチレンプロピレンジエンメチレンリンケージ)が好適である。リップ部材18は、公知の硬質樹脂が使用可能であるが、射出成形及び押し出し成形による製造に適した樹脂が好ましく、スチレン系熱可塑性樹脂、PVC樹脂が好適である。ガーニッシュ12には、公知の硬質樹脂が使用可能であるが、射出成形及び押し出し成形による製造に適した樹脂が好ましく、ウレタン系樹脂、スチレン系熱可塑性樹脂、PVC樹脂が好適である。クリップ14には、公知の硬質樹脂が利用可能であり、PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂、POM(ポリオキシメチレン)樹脂、PBT(ポリブチレンテレフタレート)樹脂が好適である。接着剤22は、公知の高耐久接着剤が利用可能であるが、ウレタン系接着剤が好適である。
また、無機ガラス以外では公知の透明樹脂を用いることもできる。隙間閉塞部材3は、それぞれ公知の樹脂材料を用いることが可能であるが、部材ごとに好適な硬さがある。接着剤仕切部材20、リップ部材18、ガーニッシュ12、クリップ14の順で硬度が増していくように組み合わせることが好ましい。詳しくは接着剤仕切部材20には、公知のゴム及び発泡材料が使用可能であり、EPDM(エチレンプロピレンジエンメチレンリンケージ)が好適である。リップ部材18は、公知の硬質樹脂が使用可能であるが、射出成形及び押し出し成形による製造に適した樹脂が好ましく、スチレン系熱可塑性樹脂、PVC樹脂が好適である。ガーニッシュ12には、公知の硬質樹脂が使用可能であるが、射出成形及び押し出し成形による製造に適した樹脂が好ましく、ウレタン系樹脂、スチレン系熱可塑性樹脂、PVC樹脂が好適である。クリップ14には、公知の硬質樹脂が利用可能であり、PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂、POM(ポリオキシメチレン)樹脂、PBT(ポリブチレンテレフタレート)樹脂が好適である。接着剤22は、公知の高耐久接着剤が利用可能であるが、ウレタン系接着剤が好適である。
[第2の実施形態]
本実施の形態は、ウインドウガラスの厚さ方向の取り付け誤差吸収手段を備える他の形態の一例である。図5に示すように、ウインドウガラス2の側辺には1辺の少なくとも3箇所にクリップ14(図5では一個のみ図示)が設けられる。また、ウインドウガラス2の側辺に沿ってガーニッシュ12が設けられ、ガーニッシュ12とクリップ14は嵌合部30で嵌合される。また、ウインドウガラス2の上辺には、図2に示した帯状のアッパーモール15が嵌合され、これによって、先付けウインドウガラス体4が形成される。
本実施の形態は、ウインドウガラスの厚さ方向の取り付け誤差吸収手段を備える他の形態の一例である。図5に示すように、ウインドウガラス2の側辺には1辺の少なくとも3箇所にクリップ14(図5では一個のみ図示)が設けられる。また、ウインドウガラス2の側辺に沿ってガーニッシュ12が設けられ、ガーニッシュ12とクリップ14は嵌合部30で嵌合される。また、ウインドウガラス2の上辺には、図2に示した帯状のアッパーモール15が嵌合され、これによって、先付けウインドウガラス体4が形成される。
図5は、本発明に係る隙間閉塞部材の第2の実施形態の嵌合部を示す組立斜視図である。ウインドウガラス2、ガーニッシュ12及びクリップ14が先付けされることにより、複数の部材を一つの集合部品として一度に取り付けることができ、車両組立における部品点数が削減され、車両の組立工程を効率化できる。クリップ14は、車両の組み立て前に先付けされた部材が脱落しない程度に固着されればよい。先付けウインドウガラス体4を車両本体1に取り付けた後は、接着剤22に直接固定されるためである。クリップ14の固着は、接着剤を用いてもよく、両面テープ等でもよい。
クリップ14は、ウインドウガラス厚さ方向に嵌合用の孔31を備え、かつ孔31の車内側両端に付勢手段である板ばね36を備える。ガーニッシュ12は、車外側表面を形成する面から略垂直に伸延された脚部32、摺動脚部34と支持部13を備える。脚部32は短冊状に形成されている。また、摺動脚部34は短冊状に形成され、その先端部に台形形状をした凸部35がウインドウガラス2の側辺方向に張り出して形成されている。摺動脚部34と凸部35とからなる一体形成部は、脚部32と同じ長さに伸延される。
図6は本発明に係る第2の実施形態の取り付け寸法誤差の吸収手段を示す模式図である。図6(A)に示すように、ガーニッシュ12とクリップ14は、摺動脚部34とクリップ14の孔31によりウインドウガラス厚さ方向に移動自在に嵌合される。このとき摺動脚部34の先端の凸部35が板ばね36によりウインドウガラス厚み方向に付勢され、嵌合部30が開放による先付けされた部材の脱落を防止するよう嵌合される。
図6(B)は、先付けウインドウガラス体4が車両本体1に取り付けられた後の寸法誤差の吸収手段を示す。車両本体1への取り付け後は、ガーニッシュ12の摺動脚部34の先端の凸部35は、車両本体1のフランジ面40に当接する。凸部35がフランジ面40に当接されることにより、ガーニッシュ12の車外側表面取り付け位置が一義的に定まる。さらに、嵌合部30におけるガーニッシュ12とクリップ14は、ウインドウガラス厚さ方向に移動自在に嵌合されているため、摺動脚部34沿ってクリップ14が摺動することにより、先付けウインドウガラス体4の取り付け時のウインドウガラス厚さ方向の寸法誤差を吸収することができる。
図7は、図6(B)に示したクリップ14を含むウインドウガラス2の取り付け例を示した断面図である。先付けウインドウガラス体4として取り付けられたウインドウガラス2は、車両本体1に取り付けられ、接着剤22で固定される。また、ウインドウガラス2には先付けにより、クリップ14が固着され、さらにガーニッシュ12が嵌合部30を介してクリップ14に嵌合されている。ガーニッシュ12の摺動脚部34が嵌合部30を介することにより、クリップ14に対してウインドウガラス厚み方向に移動自在に嵌合される。よって、クリップ14がウインドウガラス厚さ方向に移動されることより、ウインドウガラス厚み方向の取り付け寸法誤差を吸収することができる。
図8は、図6(B)に示したクリップ14を含まないウインドウガラス2の取り付け例を示した断面図である。図8に示すようにクリップ14を含まない断面のガーニッシュ12は、車外側表面を形成する面から略垂直に伸延された支持部13と脚部32を備え、脚部32は車両本体1のフランジ面40に当接する。また、ガーニッシュ12は接着剤22によって、ウインドウガラス2及びフランジ面40に直接固定される。
ここでは、脚部32と摺動脚部34がほぼ同じ長さであり、ともにフランジ面40に当接する例を示したが、フランジ面40に当接する部位は、脚部32と摺動脚部34のどちらか一方でもよい。また、脚部32と摺動脚部34が支持部13と独立して形成される例を示したが、支持部13から連続して形成されてもよい。
また、当接する部位は、クリップ14から脚部を伸延させてフランジ面40に当接させてもよい。クリップ14がフランジ面40に当接することにより、ウインドウガラス2の端部の取り付け位置が一義的に定まる。さらに、嵌合部30は、ウインドウガラス厚さ方向に移動自在に嵌合されているため、摺動脚部34に沿ってクリップ14が摺動し、先付けウインドウガラス体4の取り付け時の厚さ方向の寸法誤差を吸収することができる。
本実施の形態は、前述の寸法誤差の吸収手段を備えることより、隙間閉塞部材3の先付けが可能になる。また、ウインドウガラス2及び車両本体1の厚さ方向の寸法のばらつきの影響を低減し、先付けウインドウガラス体4が簡便に精度よく取り付け可能になる。
従来の隙間閉塞部材は、ウインドウガラス2及び車両本体1の寸法誤差の影響を受け車外側表面の取り付け位置にばらつきが生じるが、本発明は車両本体1のフランジ面40に当接する脚部32を備えるため、これらの影響を低減できる。ガーニッシュ12がウインドウガラス厚さ方向に伸延された脚部32を備え、脚部32がフランジ面40に当接される場合は、ガーニッシュ12の車外側表面取り付け位置が一義的に定まる。よって、ガーニッシュ12の取り付け精度が向上し、車外側表面の段差が低減される。
まお、クリップ14が、ウインドウガラス厚さ方向に伸延された脚部を備え、この脚部が車両本体1のフランジ面40に当接される場合は、ウインドウガラス2の端部取り付け位置が一義的に定まる。さらに、ガーニッシュ12が嵌合部30を介することにより、クリップ14に対してウインドウガラス厚み方向に移動自在に嵌合されているため、先付けウインドウガラス体4の取り付け時の厚さ方向の寸法誤差を吸収する。
これにより、ウインドウガラス厚み方向の寸法のばらつきの影響を低減して、精度よく隙間閉塞部材3、特にガーニッシュ12の取り付けが可能になる。
ガーニッシュ12にフランジ面に当接する脚部を設ける場合、ウインドウガラス2の寸法に起因する取り付け寸法誤差の吸収に効果的である。これに対して、クリップ14にフランジ面40に当接する脚部を設ける場合、車両本体1及びガーニッシュ12の寸法に起因する取り付け寸法誤差の吸収に効果的であるため、目的に応じて使い分けることが可能である。
また、摺動脚部34をフランジ面40に付勢する板ばね36を備えることにより、先付けを行っても板ばね36により摺動脚部34はフランジ面40に付勢されるため、嵌合部30の開放によるガーニッシュ12の脱落が防止されるとともに、嵌合部30のガタつきも低減される。ここでは、凸部35を備えた摺動脚部34と板ばね36を用いた付勢手段の例を示したが、摺動脚部の形状は、付勢手段によって付勢可能な形状であればこれに限定されない。また、付勢手段も板ばね36に限定されず公知の付勢手段を用いてもよく、コイルばねなどの他の弾性体による付勢手段や空気スプリングや油圧スプリングなどの流体を用いた付勢手段を用いてもよい。また、これら他の摺動脚部の形状及び付勢手段は、以下の実施の形態でも同様に用いることができる。
またここでは、クリップ14がウインドウガラス2の車内側に支腕部を備えない例を示したが、支腕部を備えてもよい。また、図8に示したように脚部32の先端付近に突起32Aを設けてもよい。この突起32Aによって接着剤22との接触面積が増え、アンカー効果もあるためガーニッシュ12がより強固に固定でき、隙間閉塞部材3の耐久性が向上する。このように、車両本体に取り付け後のガーニッシュ12及びクリップ14は、接着剤22により強固に固定される。よって、クリップ14の数を減らすことができ、簡便な方法で先付けを実施できるという利点がある。同時に、ウインドウガラス2の車内面側が簡易な構造となり、ウインドウガラス2の車内面側の接着面が大きく取れるため接着の信頼性が向上するという利点もある。
また、図5では脚部32は短冊状であるが、脚部32をウインドウガラス2の側辺方向に拡幅された壁状としてもよい。接着剤との接触面積がさらに増大し、ガーニッシュ12の固定する力がさらに向上する。
本実施の形態に係るその他構成は、第1の実施の形態の構成と共通に用いることができ、同等の効果を奏する。よって、詳細は省略する。
[第3の実施形態]
本実施の形態は、ウインドウガラス2の平面方向の取り付け誤差吸収手段を備える形態の一例である。図2と同様にウインドウガラス2の側辺には1辺の少なくとも3箇所にクリップ14が設けられる。また、ウインドウガラス2の両側辺に沿ってガーニッシュ12が設けられ、ガーニッシュ12とクリップ14は図9に示す嵌合部30を介して嵌合され、先付けウインドウガラス体4が形成される。本実施の形態においても、先付けにより前述の第2の実施形態の効果と同様の効果が得られる。
本実施の形態は、ウインドウガラス2の平面方向の取り付け誤差吸収手段を備える形態の一例である。図2と同様にウインドウガラス2の側辺には1辺の少なくとも3箇所にクリップ14が設けられる。また、ウインドウガラス2の両側辺に沿ってガーニッシュ12が設けられ、ガーニッシュ12とクリップ14は図9に示す嵌合部30を介して嵌合され、先付けウインドウガラス体4が形成される。本実施の形態においても、先付けにより前述の第2の実施形態の効果と同様の効果が得られる。
図9は、本発明に係る隙間閉塞部材の第3の実施形態の嵌合部を示す組立斜視図である。ウインドウガラス(図示せず)の側辺には、クリップ14が固着され、クリップ14は、ウインドウガラス2の平面方向に嵌合用の孔31を備え、孔31のウインドウガラス面外方向の両端に付勢手段である板ばね38を備える。また、クリップ14は、ウインドウガラス2を挟み込んで取り付けるための支腕部26を有し、この支腕部26は、ウインドウガラス厚さ方向に伸延された脚部32に形成されている。ガーニッシュ12は、車外側表面を形成する面から略垂直に伸延された支持部13と、支持部13に連続してウインドウガラス面外方向に伸延される摺動脚部34を備え、支持部13はウインドウガラス側辺方向に形成された壁状であり、先端部はウインドウガラス2に当接される。摺動脚部34は短冊状に形成され、その先端部に台形形状をした凸部35がウインドウガラス2の側辺方向に張り出して形成されている。
ガーニッシュ12とクリップ14は、摺動脚部34とクリップ14の嵌合用の孔31により、ウインドウガラス平面方向に移動自在に嵌合される。このときガーニッシュ12は、摺動脚部34の先端の凸部35が板ばね38によりウインドウガラス平面方向に付勢され、嵌合部30の開放による先付けされた部材の脱落を防止するよう嵌合される。
図10は、図9に示したクリップ14を含むウインドウガラス2の取り付け例を示した断面図である。先付けウインドウガラス体4として取り付けられたウインドウガラス2は、車両本体1に取り付けられ、接着剤22で固定される。また、ウインドウガラス2には先付けによりクリップ14が固着され、ガーニッシュ12が嵌合部30を介して嵌合されている。クリップ14は、ウインドウガラス2を支腕部26により挟み込んで保持し、ウインドウガラス厚さ方向に伸延された脚部32を備え、脚部32は車両本体1のフランジ部40に当接される。
ガーニッシュ12は、車外側表面を形成する面から略垂直に伸延された支持部13と支持部13から連続してウインドウガラス平面方向に伸延される摺動脚部34を備え、クリップ14と移動自在に嵌合される。前記吸収手段の移動可能長さは、車両本体1の寸法誤差とウインドウガラスの寸法誤差よりも大きいことが好適であり、0.1〜5.0mm程度とすることが好ましく、0.5〜3.0mmがより好ましい。
図11は、クリップ14を含まない取り付け例を示した断面図である。図11に示すようにクリップ14のない断面においてガーニッシュ12は、車外側表面を形成する面から略垂直に伸延された支持部13と支持部13に連続してウインドウガラス平面方向に伸延される脚部32を備え、脚部32は車両本体1の内壁面に当接される。また、ガーニッシュ12は、脚部32の付近で接着剤22に直接固定される。
またここでは、ガーニッシュ12の脚部32が内壁面42に当接する例を示したが、内壁面に当接する部位は、脚部32と摺動脚部34のどちらか一方でもよく、両方でもよい。脚部32と摺動脚部34の両方を当接させる場合には、両脚部長さはほぼ同じにすると先付けウインドウガラス体4の取り付けが安定する。また、図11の脚部32は短冊状でもよく、ウインドウガラスの短辺方向に拡幅された壁状としてもよい。
本実施の形態の取り付け寸法誤差吸収手段は、図6で前述した取り付け寸法誤差の吸収手段と比較して、取り付け方向と吸収する寸法誤差の方向が、ウインドウガラス厚さ方向と平面方向で異なる以外はほぼ同様の構成であり、同様の効果を奏する。つまり、従来の隙間閉塞部材3は、ウインドウガラス2及び車両本体1の寸法誤差の影響を受けウインドウガラスの取り付け位置にばらつきが生じるが、本発明は車両本体の内壁面42に当接する脚部32または摺動脚部34を備えるためこれらの影響を低減できる。
ガーニッシュ12がウインドウガラス平面方向に伸延された脚部32を備える場合は、脚部32が車両本体1の内壁面42に当接されることにより、ガーニッシュ12の平面方向取り付け位置が一義的に定まる。クリップ14が、ウインドウガラス平面方向に伸延された脚部32を備える場合は、脚部32が車両本体1のフランジ面42に当接されることにより、ウインドウガラス2の平面方向取り付け位置が一義的に定まる。さらに、嵌合部30がウインドウガラス平面方向に移動自在であることにより、ウインドウガラス2の取り付け時の平面方向の寸法誤差を吸収する。これにより、ウインドウガラス2及び車両本体1の平面方向の寸法のばらつきの影響を低減して、精度よく隙間閉塞部材3、特にガーニッシュ12の取り付けが可能になる。
また、摺動脚部34をウインドウガラス2の内側に付勢する板ばね38を備えることにより、先付けを行っても板ばね38により摺動脚部34は付勢されるため、嵌合部30の開放によるガーニッシュ12の脱落が防止されるとともに、嵌合部30のガタつきも低減される。
ここでは、脚部32と摺動脚部34が支持部13と連続して形成される例を示したが、支持部13から独立して形成されてもよい。また、クリップ14の脚部32がフランジ面40に当接する例を示したが、ガーニッシュ12から脚部を伸延させてフランジ面40に当接させてもよい。また、クリップ14がウインドウガラス2の面側に支腕部26を備える例を示したが、固着性能が維持できれば支腕部26を備えてなくてもよい。
本実施の形態に係るその他構成は、前述の実施の形態の構成と共通に用いることができ、同等の効果を奏する。よって、詳細は省略する。
[第4の実施形態]
本実施の形態は、車両窓用板状体の厚さと平面方向の二方向の取り付け誤差吸収手段を備える形態の一例である。図2と同様にウインドウガラス2の側辺には1辺の少なくとも3箇所にクリップ14が設けられる。また、ウインドウガラス2の両側辺に沿ってガーニッシュ12が設けられる。また、図12、図13に示すようにガーニッシュ12とクリップ14は嵌合部30で嵌合され、先付けウインドウガラス体4が形成される。本実施の形態においても、先付けにより前述の第2の実施形態の効果と同様の効果が得られる。
本実施の形態は、車両窓用板状体の厚さと平面方向の二方向の取り付け誤差吸収手段を備える形態の一例である。図2と同様にウインドウガラス2の側辺には1辺の少なくとも3箇所にクリップ14が設けられる。また、ウインドウガラス2の両側辺に沿ってガーニッシュ12が設けられる。また、図12、図13に示すようにガーニッシュ12とクリップ14は嵌合部30で嵌合され、先付けウインドウガラス体4が形成される。本実施の形態においても、先付けにより前述の第2の実施形態の効果と同様の効果が得られる。
図12は、本発明に係る隙間閉塞部材の第4の実施形態のクリップ14を示す斜視図、図13は本発明に係る隙間閉塞部材の第4の実施形態のガーニッシュ12を示す斜視図である。
図12の如く、ウインドウガラス2の側辺に取り付けられるクリップ14は、略コの字形状であり、コの字形状の凹部でウインドウガラス(図示せず)と固着される。また、前記凹部の車外側にウインドウガラスの平面方向に嵌合用の孔31を備え、この孔31はウインドウガラス厚さ方向に摺動脚部34の厚さ以上の高さを備える。さらに、クリップ14の孔31の両端にウインドウガラス平面方向の付勢手段である板ばね38を備え、かつクリップ14のウインドウガラス側辺方向の両端に、ウインドウガラス厚さ方向の付勢手段である板ばね36を備える。
図13に示したガーニッシュ12は、車外側表面を形成する面から略垂直に伸延された支持部13を備え、支持部13はウインドウガラス側辺方向に形成された壁状である。また、支持部13に連続して脚部32、摺動脚部34、押圧部37をそれぞれ備える。
脚部32は、ウインドウガラス平面方向及び厚さ方向に分岐して伸延し、一方は車両本体のフランジ面40と当接され、他方は車両本体の内壁面42に当接される。摺動脚部34は、ウインドウガラス面外方向に伸延し、その先端部に台形形状をした凸部35がウインドウガラス2の側辺方向に張り出して形成されている。押圧部37は、ウインドウガラス面外方向に伸延された短冊形状であり、摺動脚部34と同一平面を含んで、摺動脚部34の両側の独立した位置に形成される。
図14は、本発明に係る第4の実施形態の嵌合部のウインドウガラス平面方向の断面模式図である。ガーニッシュ12とクリップ14は、嵌合部30で嵌合用の孔31と摺動脚部34を介してウインドウガラス2の平面方向に移動自在に嵌合される。このとき、ガーニッシュ12は、摺動脚部34の先端の凸部35がウインドウガラス平面方向の板ばね38によりウインドウガラス面外方向に付勢され、嵌合部30が脱落しない程度に固着される。
図15は、本発明に係る第4の実施形態の嵌合部30のウインドウガラス厚さ方向の断面模式図である。ウインドウガラス2に固着されたクリップ14の嵌合用の孔31に摺動部34が嵌合されるとともに、板ばね36によって押圧部37がウインドウガラス厚さ方向に付勢される。このときクリップ14の孔31の高さを摺動脚部34の厚さより高くする。これにより、ガーニッシュ12とクリップ14は、ウインドウガラス厚さ方向にも移動自在にとなる。
図16は、本発明に係る第4の実施形態のクリップ14を含む取り付け例を示した断面図である。先付けウインドウガラス体4として取り付けられたウインドウガラス2は、車両本体1に取り付けられ、接着剤22で固定される。また、ウインドウガラス2には先付けによりクリップ14が固着され、ガーニッシュ12が嵌合部30を介して嵌合されている。ガーニッシュ12は、支持部13と支持部13から連続してウインドウガラス平面方向に伸延される摺動脚部34を備え、クリップ14と移動自在に嵌合される。
図17は、図16に示したクリップ14を含まないウインドウガラス2の取り付け例を示した断面図である。図17に示すようにクリップ14のない断面でガーニッシュ12は、支持部13に連続してウインドウガラス平面方向に伸延される脚部32を備え、脚部32は、ウインドウガラス平面方向及び厚さ方向に分岐して伸延し、車両本体1のフランジ面40と内壁面42に当接される。また、ガーニッシュ12は、脚部32付近で接着剤22に直接固定される。
本実施の形態の取り付け寸法誤差吸収手段は、第3及び第4の実施の形態で述べた取り付け寸法誤差吸の収手段の機能を併せ持つ構成である。すなわち、ウインドウガラス厚さ方向及び平面の二方向の取り付け寸法誤差の吸収手段を備え、第3及び第4の実施の形態で述べた効果を合わせたと同様の効果を奏する。
従来の隙間閉塞部材3は、ウインドウガラス2及び車両本体1の寸法誤差の影響を受け、ウインドウガラス2の取り付け位置にばらつきが生じる。しかし、本実施の形態は、ウインドウガラス厚さ方向に伸延し車両本体1のフランジ面40に当接される脚部32と、ウインドウガラス平面方向に伸延し車両本体1の内壁面42に当接される脚部34とを備え、嵌合部30は、ウインドウガラス厚さ方向及び平面方向の二方向に移動自在に嵌合され、前記二方向でガーニッシュ12を車両本体1側に付勢する板ばね36、38を備える。これにより、ウインドウガラス2及び車両本体1の寸法誤差の影響を低減することができる。
ガーニッシュ12がウインドウガラス厚さ及び面の二方向に車両本体1と当接する脚部32を備える場合は、脚部32が車両本体1に当接されることにより、ガーニッシュ12の取り付け位置が一義的に定まる。クリップ14が脚部32を備える場合は、脚部32が車両本体1に当接されることにより、ウインドウガラス2の端部の取り付け位置が一義的に定まる。さらに、嵌合部30がウインドウガラス厚さ及び面の二方向に移動自在に嵌合されることにより、ウインドウガラス2の取り付け時の厚さ及び平面方向の寸法誤差を吸収する。
つまり、前記吸収手段の吸収可能範囲内において、車両本体1に対してウインドウガラス2及び隙間閉塞部材3がほとんど調整せず、自立的に適切な位置に収まるということである。よって、ウインドウガラス2及び車両本体1の厚さ及び面の二方向の寸法のばらつきの影響をともに低減して、簡便に精度よく隙間閉塞部材3、特にガーニッシュ12の取り付けが可能になる。
また、摺動脚部34に車両本体1側に付勢する板ばね36、38を備えることにより、先付けを行っても板ばね36、38により摺動脚部34は付勢されるため、嵌合部30の開放によるガーニッシュ12の脱落が防止されるとともに、嵌合部30のガタつきも低減される。
またここでは、ガーニッシュ12の脚部32がフランジ面40及び内壁面42に当接する例を示したが、クリップ14から脚部を伸延させてフランジ面40及び内壁面42に当接させてもよい。また、クリップ14がウインドウガラス2の面側に支腕部26を備える例を示したが、固着性能が維持できれば支腕部26を備えてなくてもよい。また、脚部32の先端付近に突起を設けてもよい。また、脚部32は、図13のような脚状の形状でなく、脚部32をウインドウガラス2の側辺方向に拡幅された壁状としてもよい。接着剤との接触面積がさらに増大し、ガーニッシュ12の固定する力がさらに向上する。
本実施の形態に係るその他構成は、前述の実施の形態の構成と共通に用いることができ、同等の効果を奏する。よって、詳細は省略する。
[第5の実施形態]
本実施の形態は、車両窓用板状体の厚さと平面方向の両方の取り付け誤差吸収手段を備える他の形態の一例である。ウインドウガラスの両側辺に沿って隙間閉塞部材は先付けで設けられ、先付けウインドウガラス体4を形成する。本実施の形態の隙間閉塞部材は、図18の如く前述のガーニッシュ、クリップ、ねじ等の機能を兼ねる弾性モール部材44であり、先付けウインドウガラス体4の部品点数を削減できる利点がある。弾性モール部材44には、公知の樹脂が使用可能であるが、射出成形及び押し出し成形による製造に適した樹脂が好ましく、スチレン系熱可塑性樹脂、PVC樹脂が好適である。本実施の形態においても、先付けにより前述の第2の実施形態の効果と同様の効果が得られる。
本実施の形態は、車両窓用板状体の厚さと平面方向の両方の取り付け誤差吸収手段を備える他の形態の一例である。ウインドウガラスの両側辺に沿って隙間閉塞部材は先付けで設けられ、先付けウインドウガラス体4を形成する。本実施の形態の隙間閉塞部材は、図18の如く前述のガーニッシュ、クリップ、ねじ等の機能を兼ねる弾性モール部材44であり、先付けウインドウガラス体4の部品点数を削減できる利点がある。弾性モール部材44には、公知の樹脂が使用可能であるが、射出成形及び押し出し成形による製造に適した樹脂が好ましく、スチレン系熱可塑性樹脂、PVC樹脂が好適である。本実施の形態においても、先付けにより前述の第2の実施形態の効果と同様の効果が得られる。
図18は、本発明に係る隙間閉塞部材の第5の実施形態の隙間閉塞部材を示す断面図である。図18(A)に示したようにウインドウガラス2には隙間閉塞部材としての弾性モール部材44が先付けされ、先付けウインドウガラス体4が形成される。弾性モール部材44は、車外側表面を形成する面のウインドウガラス面外方向に張り出した力点部46と、車外側表面を形成する面から略垂直に伸延された支持部48とを備え、さらに支持部48に連続して設けられる固着部50を備え、固着部50でウインドウガラス2の車内側面に先付けで固着される。車両本体1へ取り付けられる前の弾性モール部材44は、ウインドウガラス平面外方向に傾斜しており、車両本体1の内壁面42より張り出して固着されている。
弾性モール部材44は、図18に示したようにウインドウガラス2の面内方向に張り出し部19を形成して雨滴排水機能部(溝)21を備えてもよく、これ以外の走行時の風巻き込み防止等の隙間閉塞以外の追加機能を備えてもよい。また、固着部50は、ウインドウガラス2を車外側面側に設けてもよく、両方に設けることもできる。また、力点部46以外に図18に示した当接部54のような凸部を設けてもよい。
図18(B)に示したように、ウインドウガラス2と弾性モール部材44からなる先付けウインドウガラス体4は、車両本体1とウインドウガラス2との間の隙間に嵌入されることにより変形して、先付けウインドウガラス体4を車両本体1に取り付ける際の寸法誤差を吸収する。
車両本体1とウインドウガラス2間の隙間のフランジ面40のフランジ端側には、接着剤仕切部材20を設けてもよい。接着剤仕切部材20は、接着剤22がウインドウガラスの視界範囲にはみ出すことを防止し、視界範囲の透明性と意匠性の低下を防止できる。また、前記接着剤仕切部材20は、車両本体1とウインドウガラス2のスペーサの機能を備えてもよい。ウインドウガラス2は、無機ガラスであるが、公知の透明樹脂を用いることもできる。また、接着剤22は、公知の高耐久接着剤が利用可能であるが、ウレタン系接着剤が好適である。
本実施の形態の取り付け寸法誤差の吸収手段は、弾性モール部材44が車両本体1によって湾曲部52及び力点部46などが変形して、車両本体1とウインドウガラス2との間の隙間を閉塞することによって達成される。つまり、ウインドウガラス平面方向の取り付け寸法誤差の吸収は、弾性モール部材44が車両本体1に沿って嵌入されることにより、湾曲部52が変形ながらウインドウガラス2を適正な取り付け位置に自立的に誘導し、さらに、力点部46及び当接部54が車両本体1と当接して弾性モール部材44を変形させることにより達成される。弾性モール部材44は、弾性を備えることにより変形可能な範囲で取り付け寸法誤差を吸収する。このため取り付け寸法の許容範囲が弾性を備えない部材より大きく、簡便に取り付け位置が定まり、作業が効率化される。
一方、ウインドウガラス厚さ方向の取り付け寸法誤差の吸収は、弾性モール部材44が車両本体1に沿って嵌入される際の前述の変形による吸収に加え、力点部46がと車両本体1の肩部43が当接して弾性モール部材44を変形させることにより達成される。また、力点部46は、肩部43に当接することにより支持部48の車外側表面を支点として回動する。その結果、力点部46と車両本体の車外表面の境界が面一となり、弾性モール部材44の車外側表面と車両本体1の車外側表面を段差なく収めることができる。
ウインドウガラス厚さ方向の取り付け位置は、弾性モール部材44の車外側表面が車両本体1の車外側表面の取り付け位置とほぼ同じか、車内側に低くなることが力点部46に変形を促す力が伝わりやすくなり好適である。また、前記段差は、弾性モール部材44の変形可能範囲であれば可能であるが、0.5〜3.0mmが好ましい。
このとき、弾性モール部材44の湾曲部52とウインドウガラス2の間には空隙を設けることが望ましい。弾性モール部材44の変形を容易にするためである。また、接着剤仕切部材20にスペーサ機能を持たせてもよいが、別途スペーサを設けてもよい。ウインドウガラス2の厚さ方向の取り付け誤差を減少させ、弾性モール部材44の機能をより引き出すことが可能になるためである。
また、ここでは車両本体1の力点部46と当接する部分に肩部43を設けたが、肩部を設けず摩擦力や弾性モール部材44の硬度の調整等で力点部46を変形させてもよい。また、力点部46は、取り付け寸法誤差の吸収機能に加え、隙間閉塞部材3としてのシール機能を備えることが好ましい。また、図18に示したような当接部54を設けてもよい。
弾性モール部材44の変形しながら嵌合する際に変形する力を均一に受けるようになるとともに、変形可能な部位及び範囲が増加するためである。また、適正な取り付け位置に自立的に誘導しやすくなるとともに、車両本体1の接触面積が増加し、シール性の向上が期待できる。
弾性モール部材44の変形しながら嵌合する際に変形する力を均一に受けるようになるとともに、変形可能な部位及び範囲が増加するためである。また、適正な取り付け位置に自立的に誘導しやすくなるとともに、車両本体1の接触面積が増加し、シール性の向上が期待できる。
前記吸収手段によって、ウインドウガラス2の厚さ及び平面方向の寸法のばらつきの影響を低減して、精度よく隙間閉塞部材、特に弾性モール部材44の取り付けが可能になる。その結果、隙間閉塞部材3の車外側表面と車両本体の車外側表面の段差が減少し、風きり音の発生を低減でき、外観意匠の完成度が高まる。かつ、取り付け作業における位置合わせを短時間で行うことができるため、車両の組立工程の時間短縮及びタクトアップに寄与する。
[第6の実施形態]
本実施の形態は、車両窓用板状体の厚さと平面方向の両方の取り付け誤差吸収手段を備える他の形態の一例である。ウインドウガラスの少なくとも両側辺に沿って帯状の形成される隙間閉塞部材は先付けで設けられ、先付けウインドウガラス体4を形成する。
本実施の形態は、車両窓用板状体の厚さと平面方向の両方の取り付け誤差吸収手段を備える他の形態の一例である。ウインドウガラスの少なくとも両側辺に沿って帯状の形成される隙間閉塞部材は先付けで設けられ、先付けウインドウガラス体4を形成する。
図19は、本発明に係る第6の実施形態の緩衝部材を含む取り付け断面図である。図19(A)に示したようにウインドウガラス2には、緩衝部材60を介して隙間閉塞部材3が先付けされ、先付けウインドウガラス体4が形成される。隙間閉塞部材3は、ガーニッシュ62とガーニッシュの車外側表面を形成する面から略垂直に伸延された支持部63と、ウインドウガラス平面方向に伸延される第一の脚部64と、第一の脚部に連続してウインドウガラスの厚さ方向に伸延して形成される第二の脚部65を備える。また、ガーニッシュ62の面外側端部および支持部63の板状体2との接触部位には、リップ部材18が設けられている。
緩衝部材60はウインドウガラス2の小口面と隙間閉塞部材3の第二の脚部の面内側に両面テープや接着剤等で固着される。緩衝部材60は、車両本体への取り付け前においてはウインドウガラス2から隙間閉塞部材3が脱落しない程度に固着されていればよく、自由長前後の長さで緩衝部材自身の剛性により隙間閉塞部材3を支持している。また、ここでは、緩衝部材60がウインドウガラス2の小口面に固着される例を示したが、緩衝部材の位置はこれに限定されず、ウインドウガラス2の車内面または車外面と隙間閉塞部材3の間に取り付けられてもよく、車両本体への取り付け時の寸法誤差の吸収を妨げない限り、車内面、車外面、小口面の二つ以上を含んでL字型やコの字型で取り付けることも可能である。
図18(B)に示したように、先付けウインドウガラス体4は車両への取り付けに際して、緩衝部材60が車両本体1とウインドウガラス2との間の隙間で板状体面方向および厚さ方向に追従しながら変形して、車両本体1に先付けウインドウガラス体4を取り付ける際の寸法誤差を吸収する。車両窓用板状体平面方向の取り付け寸法誤差の吸収では、隙間閉塞部材の位置は、車両窓用板状体平面方向に伸延した第一の脚部64が車両本体の内壁面42と当接することで面方向の位置が定まり、第二の脚部65が車両本体のフランジ面40と当接することで厚さ方向の位置が定まる。
このとき、板状体と隙間閉塞部材の間にある緩衝部材60が変形し、誤差を吸収可能な範囲内において、車両窓用板状体が適正な取り付け位置に自立的に誘導される。前記緩衝部材60の誤差を吸収するための変形可能長さは、車両本体1の寸法誤差とウインドウガラス2の寸法誤差よりも大きいことが好適であり、0.1〜5.0mm程度とすることが好ましく、0.5〜3.0mmがより好ましい。
さらに、ウインドウガラス2および隙間閉塞部材3は、脚部65の付近で接着剤22に直接固定される。このとき、接着剤22の面内側に接着剤仕切部材(図示せず)を設けても良い。また、ウインドウガラス2隙間閉塞部材3の間の緩衝部材60を設けない部分にフェルトや不織布をそなえてもよい。緩衝作用の補完に加え、部材のすべりによる脱落防止に効果が期待できる。
緩衝部材60は、公知のゴム発泡材料が使用可能であるが、ここでは日東電工製エプトシーラーを用いた。緩衝材60は硬すぎると寸法誤差を吸収しきれなくなったり、嵌合部に応力が残ったりして好ましくない。また、やわらかすぎるとウインドウガラス2と隙間閉塞部材3の取り付けが不十分になり脱落の危険性がある。以上のような理由からEPDM(エチレンプロピレンジエンメチレンリンケージ)発砲体が好ましく、さらに気密性、水密性の向上や耐久性および耐候性からも好適である。
隙間閉塞部材3は、図19に示したようにウインドウガラス2の面内方向に張り出し部を形成して雨滴排水機能部(溝)を備えてもよく、これ以外の走行時の風巻き込み防止等の隙間閉塞以外の追加機能を備えてもよい。
図20は、図19に示した緩衝部材を含まないウインドウガラス2の取り付け例を示した断面図である。図20に示すように緩衝部材60のない断面で隙間閉塞部材3は、支持部63に連続してウインドウガラス平面方向に伸延される脚部32を備える、脚部32は、ウインドウガラス平面方向及び厚さ方向に分岐して伸延して接着剤22に直接固定される。このとき脚部32は車両本体の内壁面42およびフランジ面40と当接しても良い。また、ガーニッシュ62の面外側端部および支持部63の板状体2との接触部位には、リップ部材18が設けられている。
本実施の形態では、第一の脚部64と第二の脚部65が連続して形成されることにより、隙間閉塞部材の取り付け位置が、事実上一本の脚部で板状体2の面および厚さの両方向で一義的に定まる。その結果、車両窓用板状体の取り付け位置も、緩衝部材の変形により誤差を吸収可能な範囲内において、適正な取り付け位置に自立的に誘導される。その結果、車両窓用板状体及び車両本体開口部の厚さ及び平面方向の寸法のばらつきの影響を低減して、精度よく隙間閉塞部材の取り付けが可能になる。さらに、先付け窓用板状体を車両本体開口部に寸法精度よく取り付けることが可能になる。
また、車両本体に取り付ける際に従来から用いられている仮止めクリップとの併用が容易で、その機能をかねることもできる。また、第二の脚部65が車両本体の内壁面42に非常に近接して取り付けることができるため、板状体2を車両本体1に非常に近づけることができる。これは、車両窓用板状体2と車両本体1の隙間が小さくできるという意匠上の優位性を持つとともに、接着剤22によって固定されるべき部材間の距離が小さくなり、接着が容易になるとともに、接着剤22の塗布量を低減、およびはみ出し防止にも効果がある。また、本実施の形態は、隙間閉塞部材3の断面に分岐を設ける必要がなく、隙間閉塞部材を射出成形または押出成形により形成する際に容易に精度よく形成することが可能になる。
[第7の実施形態]
本実施の形態は、車両窓用板状体の厚さと平面方向の両方の取り付け誤差吸収手段を備える他の形態の一例である。図21は、本実施形態の一例を示す斜視図である。ウインドウガラス2の少なくとも両側辺に沿って帯状に形成される隙間閉塞部材3は、緩衝部材60を介して、ウインドウガラス2に先付けで設けられ、先付けウインドウガラス体4を形成する。このとき、図に示したように、隙間閉塞部材3の面内側に車両本体取り付け用の仮止めクリップを取り付けるための台座67が設けられても良い。
本実施の形態は、車両窓用板状体の厚さと平面方向の両方の取り付け誤差吸収手段を備える他の形態の一例である。図21は、本実施形態の一例を示す斜視図である。ウインドウガラス2の少なくとも両側辺に沿って帯状に形成される隙間閉塞部材3は、緩衝部材60を介して、ウインドウガラス2に先付けで設けられ、先付けウインドウガラス体4を形成する。このとき、図に示したように、隙間閉塞部材3の面内側に車両本体取り付け用の仮止めクリップを取り付けるための台座67が設けられても良い。
図22は、図21のA−A’線における断面図であり、第7の実施形態の緩衝部材をウインドウガラス2の小口面に取り付けた態様の一例である。図22に示したようにウインドウガラス2には、緩衝部材60を介して隙間閉塞部材3が先付けされる。隙間閉塞部材3は、ガーニッシュ62とガーニッシュ62とウインドウガラス平面方向に伸延される第一の脚部64と、これと分岐してウインドウガラスの厚さ方向に車外側表面を形成する面から略垂直に伸延された伸延して形成される第二の脚部65を備える。このとき、隙間閉塞部材3と車両本体1および板状体2との接触部位には、リップ部材(図示せず)が設けられもよい。また、ウインドウガラス2および隙間閉塞部材3は、脚部65の付近で接着剤22に直接固定される。このとき、接着剤22の面内側に接着剤仕切部材(図示せず)を設けても良い。
図23は、図21のB−B’線における断面図であり、第7の実施形態の緩衝部材をウインドウガラス2の車内面側に取り付けた態様の一例である。図に示したように隙間閉塞部材3の車内面側に、車両本体取り付け用の仮止めクリップを取り付けるための台座67が設けられている。台座67には仮止め部材66が挿入されて、車両本体の取り付け用の孔に嵌合される。
本実施態様の寸法誤差の吸収およびその他の構成は、第一の脚部64と第二の脚部65を独立していることを除くと図22と同様に用いることができる。一方、第一の脚部64と第二の脚部65を独立して形成することが可能なため、単純な断面形状で隙間閉塞部材3を形成でき、隙間閉塞部材3の厚さを薄くすることもできる。このため、本態様は、車両のサイドウインドウなど平滑な意匠(フラッシュ性)を達成するために好適である。また、薄く小さい隙間閉塞部材3はコストの低減にも効果的で経済的な設計が可能になる。また、脚部が板状体を挟持する形状を形成してもよく、板状体車内側に平面部を設けることも容易なため、隙間閉塞部材3を車両本体1に取り付ける際に使用する仮止めクリップ用の台座67を取り付けることが容易になる。ここでは、仮止め部材66が、台座67に挿入される例を示したが、仮止め部材66は接着テープなど他の公知の方法で取り付けることが可能であり、仮止め部材66を隙間閉塞部材3と連続するようにあらかじめ一体成形することも可能である。
以上のように、本実施の態様は、車両窓用板状体2及び車両本体1の厚さ及び平面方向の寸法のばらつきの影響を低減して、精度よく隙間閉塞部材3の取り付けが可能になる。さらに、先付け窓用板状体4を車両本体1に寸法精度よく取り付けることを可能になる。また、車両本体に取り付ける際の仮止め部材66との併用が容易で、隙間閉塞部材と一体成形することによりその機能をかねることもできる。
その結果、隙間閉塞部材3の車外側表面と車両本体1の車外側表面の段差が減少し、風きり音の発生を低減でき、外観意匠の完成度が高まる。かつ、取り付け作業における位置合わせを短時間で行うことができるため、車両の組立工程の時間短縮及びタクトアップに寄与する。
ここでは、ウインドウガラス2の一つの面のみに緩衝部材60を備える例を示したが、緩衝部材60の位置はこれに限定されず、ウインドウガラス2の小口面、車内面または車外面と隙間閉塞部材3の間に取り付けられてもよいのは、第6の実施態様と同様である。また、緩衝部材60は、ウインドウガラス2の取り付け位置を定めた後にも若干動く可能性がある。よって、補助的な固定のためにウインドウガラスに直接仮止めクリップを取り付けてもよい。
また、図21ではウインドウガラス2の両端に寸法誤差吸収手段(緩衝部材)を備えた例を示したが、ウインドウガラス2の両端のうち片側にだけ寸法誤差吸収手段を備えても良い。両側に寸法誤差吸収手段を備えた場合は、寸法誤差吸収の範囲が大きくなり、様々なウインドウガラス、特に比較的面積の大きな例えば1m2以上のウインドウガラスの取り付けに好適である。片側にだけ寸法誤差吸収手段を備えた場合、寸法誤差吸収手段を備えない側を基準として、車両本体への取り付けを行うため、先付け窓用板状体の構造が簡単になる。また、部品点数が減少し作業の効率化が可能で、面積の比較的小さい、例えば1m2以下の開口部に特に好適である。これら寸法誤差吸収手段の位置構成は、他の実施態様においても同様である。
本発明は、車両用のウインドウガラスにおいて、特にフロントガラスおよびサイドガラスに好適である。なお、以上において自動車のウインドウガラスに用いる例を挙げたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば車両の他の開口部、航空機、船舶等の輸送機関やビル、住宅などの建造物等において、窓枠部材を組立前に取り付けて開口部を形成する際に利用することもできる。
1:車両本体
2:ウインドウガラス(車両窓用板状体)
3:隙間閉塞部材
4:先付けウインドウガラス体
10:自動車
12:ガーニッシュ(周縁装飾部材)
13:支持部
14:クリップ(係着部材)
16:ねじ(係合部材)
18:リップ部材(リップモール)
20:接着剤仕切部材
22:接着剤
24:接着テープ
26:支腕部(係着部材)
28:長孔
30:嵌合部
32:脚部
34:摺動脚部
35:凸部
36:板ばね(付勢手段:厚さ方向)
37:押圧部
38:板ばね(付勢手段:平面方向)
40:フランジ面
42:内壁面
43:肩部(内壁面)
44:弾性モール部材
46:力点部
48:支持部
50:固着部
52:湾曲部
54:当接部
60:緩衝部材(スポンジ)
62:ガーニッシュ
63:支持部(隙間閉塞部材)
64:第一の脚部
65:第二の脚部
66:仮止め部材(ピン)
67:台座
2:ウインドウガラス(車両窓用板状体)
3:隙間閉塞部材
4:先付けウインドウガラス体
10:自動車
12:ガーニッシュ(周縁装飾部材)
13:支持部
14:クリップ(係着部材)
16:ねじ(係合部材)
18:リップ部材(リップモール)
20:接着剤仕切部材
22:接着剤
24:接着テープ
26:支腕部(係着部材)
28:長孔
30:嵌合部
32:脚部
34:摺動脚部
35:凸部
36:板ばね(付勢手段:厚さ方向)
37:押圧部
38:板ばね(付勢手段:平面方向)
40:フランジ面
42:内壁面
43:肩部(内壁面)
44:弾性モール部材
46:力点部
48:支持部
50:固着部
52:湾曲部
54:当接部
60:緩衝部材(スポンジ)
62:ガーニッシュ
63:支持部(隙間閉塞部材)
64:第一の脚部
65:第二の脚部
66:仮止め部材(ピン)
67:台座
Claims (10)
- 車両窓用板状体の周縁部に予め装着され、車両本体開口部と車両窓用板状体の間の隙間を閉塞する隙間閉塞部材であって、
前記隙間閉塞部材は、車両窓用板状体及び隙間閉塞部材を車両本体に取り付ける際の寸法誤差を吸収する吸収手段を備えることを特徴とする車両窓用隙間閉塞部材。 - 前記隙間閉塞部材は、帯状の周縁装飾部材と係着部材を備え、前記周縁装飾部材と前記係着部材は嵌合部を介して嵌合され、前記係着部材の一部が車両窓用板状体に固着される請求項1に記載の車両窓用隙間閉塞部材。
- 前記吸収手段は、
前記嵌合部の一方に車両窓用板状体厚さまたは平面方向に沿って形成された長孔と、
前記嵌合部の他方側に取り付けられるとともに前記長孔に沿って移動自在に嵌合された係合部材とから構成され、
前記係合部材が長孔に沿って車両窓用板状体厚さまたは平面方向に移動されることにより車両窓用板状体厚さ方向の寸法誤差を吸収する請求項2に記載の車両窓用隙間閉塞部材。 - 前記吸収手段は、
前記周縁装飾部材または係着部材に形成されるとともに車両窓用板状体厚さ方向に伸延されて前記車両本体に当接される脚部と、
前記嵌合部の一方に形成されるとともに前記嵌合部の他方を車両窓用板状体厚さ方向に移動自在に支持するとともに前記周縁装飾部材を車両窓用板状体厚さ方向に付勢する付勢手段とから構成され、
前記嵌合部が車両窓用板状体厚さ方向に摺動されることにより車両窓用板状体厚さ方向の寸法誤差を吸収する請求項2に記載の車両窓用隙間閉塞部材。 - 前記吸収手段は、
前記周縁装飾部材または係着部材に形成されるとともに車両窓用板状体平面方向に伸延されて前記車両本体に当接される脚部と、
前記嵌合部の一方に形成されるとともに前記嵌合部の他方を車両窓用板状体平面方向に移動自在に支持するとともに前記周縁装飾部材を車両窓用板状体平面方向に付勢する付勢手段とから構成され、
前記嵌合部が車両窓用板状体平面方向に摺動されることにより車両窓用板状体平面方向の寸法誤差を吸収する請求項2に記載の車両窓用隙間閉塞部材。 - 前記吸収手段は、
前記周縁装飾部材または係着部材に形成されるとともに車両窓用板状体厚さ方向に伸延されて前記車両本体に当接される第一の脚部と、
前記周縁装飾部材または係着部材に形成されるとともに車両窓用板状体平面方向に伸延されて前記車両本体に当接される第二の脚部とを備え、
前記嵌合部の一方側には、前記嵌合部の他方側を車両窓用板状体厚さ方向に移動自在に支持するとともに前記嵌合部の他方側を車両窓用板状体厚さ方向に付勢する第一の付勢手段及び前記嵌合部の他方側を車両窓用板状体平面方向に移動自在に支持するとともに前記嵌合部の他方側を車両窓用板状体平面方向に付勢する第二の付勢手段を備え、
前記嵌合部が、
車両窓用板状体厚さ方向に摺動されることにより車両窓用板状体厚さ方向の寸法誤差を吸収し、
車両窓用板状体平面方向に摺動されることにより車両窓用板状体平面方向の寸法誤差を吸収する請求項2に記載の車両窓用隙間閉塞部材。 - 車両窓用板状体の周縁部に予め装着され、車両本体開口部と車両窓用板状体の間の隙間を閉塞する隙間閉塞部材であって、
前記隙間閉塞部材は、弾性モール部材であり、車両窓用板状体平面外方向に車両本体内壁面より張り出して固着され、車両本体開口部と車両窓用板状体との間の隙間に嵌入されることにより、車両窓用板状体及び隙間閉塞部材を車両本体に取り付ける際の寸法誤差を変形して吸収する車両窓用隙間閉塞部材。 - 車両窓用板状体の周縁部に予め装着され、車両本体開口部と車両窓用板状体の間の隙間を閉塞する隙間閉塞部材であって、
前記隙間閉塞部材は、車両窓用板状体及び隙間閉塞部材を車両本体に取り付ける際の寸法誤差を吸収する吸収手段を備え、
車両窓用板状体平面方向に伸延されて前記車両本体に当接される第一の脚部と、
車両窓用板状体厚さ方向に伸延されて前記車両本体に当接される第二の脚部を備え、
前記吸収手段は、車両窓用板状体と隙間閉塞部材の間の設けられた緩衝部材であり、
車両本体開口部と車両窓用板状体との間の隙間に嵌入されることにより、前記緩衝部材が変形して、車両窓用板状体及び隙間閉塞部材を車両本体に取り付ける際の寸法誤差を吸収する車両窓用隙間閉塞部材。 - 前記第二の脚部が第一の脚部に連続して形成される請求項8に記載の車両窓用隙間閉塞部材。
- 前記請求項1〜9のいずれかに記載の車両窓用隙間閉塞部材を備える車両窓用板状体。
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CN114559796A (zh) * | 2022-02-24 | 2022-05-31 | 岚图汽车科技有限公司 | 一种前三角窗安装支架及安装结构 |
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2006
- 2006-03-08 JP JP2006063283A patent/JP2007099259A/ja active Pending
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CN114559796A (zh) * | 2022-02-24 | 2022-05-31 | 岚图汽车科技有限公司 | 一种前三角窗安装支架及安装结构 |
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