JP2007098558A - 軟質材用開孔具 - Google Patents

軟質材用開孔具 Download PDF

Info

Publication number
JP2007098558A
JP2007098558A JP2005295440A JP2005295440A JP2007098558A JP 2007098558 A JP2007098558 A JP 2007098558A JP 2005295440 A JP2005295440 A JP 2005295440A JP 2005295440 A JP2005295440 A JP 2005295440A JP 2007098558 A JP2007098558 A JP 2007098558A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
blade
soft material
cutting
edge
hole
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2005295440A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4166238B2 (ja
Inventor
Yuji Sudo
雄二 須藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SHINGI KK
Original Assignee
SHINGI KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by SHINGI KK filed Critical SHINGI KK
Priority to JP2005295440A priority Critical patent/JP4166238B2/ja
Publication of JP2007098558A publication Critical patent/JP2007098558A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4166238B2 publication Critical patent/JP4166238B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Drilling Tools (AREA)
  • Perforating, Stamping-Out Or Severing By Means Other Than Cutting (AREA)

Abstract

【課題】ゴムなどの軟質材に孔開け加工をするための開孔具において、円形の綺麗な丸孔を開けることができ、孔周縁にチップ状切り滓を残留させることないようにし、且つ長寿命化させる。
【解決手段】シャンク部2と支持首部3と刃部4とを有し、刃部4は、軟質材Nの肉厚と同等以上の軸方向長さと、丸孔12の半径距離で描かれる円柱状背面13と、周方向に有限とすべき幅を持たせる両側縁14とを有して刃身10を形成させたものであり、支持首部3は刃部4の円柱状背面13よりも括れた細径に形成されたものであり、刃身10には先方向きの切り刃20と支持首部3向きのカエリ刃21とが設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、ゴムなどの軟質材に綺麗な丸孔を開けることができる開孔具に関するものである。
図10に示すように、丸孔を開ける工具としての代表格であるドリル100は、ドリル先端の径方向(半径相当)に形成されているエッジ101を被加工物(金属や木材など)Wへ回転させつつ押し当てて、被加工物Wを表面側から穿ち且つすくい取ってゆき、細かな裂断形又はコイル状の流れ形として発生した切粉(切削屑)Sを外周面のドリル溝102に沿ってシャンク側(ドリル100の根本側)へ掻き出すようになっている。このドリル100による孔開け加工では、被加工物Wをドリル100が突き抜けたときに、この突き抜けた側の孔周縁にバリTが発生することは周知である。
このバリTは、面取りなどの後処理(バリ取り作業)によって被加工物Wの裏面側から除去する面倒がある。そこで従来、孔開け加工時にこのバリTを同時に除去できるように、ドリル先端より後方側に窪みを設けて、この窪み内に、径方向に刃先縁が向く面取刃を備えさせるようにしたドリルが提案されている(例えば、特許文献1など参照)。
この提案に係るドリルでは、被加工物Wをドリルが突き抜けた後、一旦、ドリルを軸心の直交方向(一偏心方向)へ少しだけ移動させ(横に振り)、且つ軸方向に若干引き戻して面取刃を孔周縁に押し付けるといった動作や、その後の軸方向押し出し及び横振りの戻しといった復帰動作を組み合わせた複雑な面取り工程が必要であった。すなわち、結果として工程の減少には繋がっておらず、また通常のボール盤では使用不可能であるといった欠点を有していた。
ところで、ドリル100による孔開け加工をするには被加工物Wにある程度の硬度が必要であり、軟質材への孔開け加工はできない(軟質材をスポンジ等であると考えると判りやすい)。すなわち、ドリル100を回転させつつ軟質材に押し当てると、軟質材が簡単に弾性変形を起こし、ドリル先端の径方向エッジ101では穿ち作用もすくい取り作用も発生せず、単に、ドリル100の外周面に対する当接力が高圧力となって、食いつき現象などが起きてしまうからである。
それ故、回転加工装置が低トルクである場合にはその駆動回転が止まってしまったり、回転加工装置が高トルクである場合にはドリル100が折れてしまったりするおそれがある。また、仮に孔開けができたとしても、その孔径はドリル径よりも径小となってしまったり、孔形状が円形でなく歪になってしまったりする。
そこで本発明者は嘗て、図11及び図12に示すような開孔具120を開発した。この開孔具120は自動車のドアの衝撃緩衝用ゴムチューブのような中空の軟質材にエアー抜きの孔を穿孔するのに適しており、回転加工装置の工具取付部(チャック部等)に把持させるシャンク部(図示略)とこのシャンク部の先端に設けられた刃部121とを有したもので、刃部121は、断面円形の工具素材(丸棒材)の先端中央部(直径方向)に、研磨加工等によってVノッチ状のスリ割り(切れ目)122を入れ、その両側に槍形状の刃身123が突出するように二股になっている。各刃身123は、シャンク部の外周面をそのまま延ばした状態で残る円柱状背面123aを有しており、刃身123の先端は尖った刃先縁123bとされており、この刃先縁123bから刃身123の両側縁123cにかけた領域を切り刃とするものである。
すなわち、この開孔具120を回転させつつ前記衝撃緩衝用ゴムチューブのような軟質材Nへ押し当てると、軟質材Nの表面に対し、切り刃(刃先縁123b〜側縁123c)が、形成しようとする丸孔の孔輪郭に沿って筋引きするようなカット作用を生じさせつつ、軟質材Nの肉厚内へ切り込んでゆく状態となる。これは、換言すれば剃刀やカッター刃と同じような切断メカニズムである。この開孔具120によれば、軟質材Nに対して円形の綺麗な丸孔を開けることができる。
なお、この開孔具120による孔開け加工では、切り刃(刃先縁123b〜側縁123c)によって外周がカットされてできる円板状乃至円柱状のチップ状切り滓Gが、徐々に形成される丸孔の内部で開孔具120によって押し縮められてゆき、開孔具120が軟質材Nを突き抜けた時点で、その突き抜け先へ一緒に排出されるようになる。このチップ状切り滓Gは、所謂、バリTとは全く異質のものである。このように切断メカニズムやチップ状切り滓Gの発生事情に鑑みれば、この開孔具120はドリル100による孔開け加工とは技術的思想が全く別異であることが明らかである。
特開平4−152009号公報
本発明者が開発した開孔具120では、図12に二点鎖線で示したように、開孔具120が軟質材Nを突き抜けてその突き抜け先へ一緒に排出されるようになるチップ状切り滓Gが、ときとして軟質材Nから巧く剥がれ落ちず、残ってしまうことがあった。そのため作業者は、孔開け加工を終えた後で、いちいち、チップ状切り滓Gの有無を点検し、チップ状切り滓Gが見つかればこれを引きちぎるといった面倒な作業が必要になっていた。さらに、点検でチップ状切り滓Gが見過ごされると外観不良を招くこともあった。
またこの孔開けした相手が軟質材Nであり、当然にチップ状切り滓Gも同じ軟質材Nであることから、図13に示すように、チップ状切り滓Gを引きちぎった後に小さな凹みXや小さな凸片Yが生じることがあるが、場合によっては(軟質材Nにより製作される商品、或いはその商品の製作者によっては)、これら凹みXや凸片Yが商品価値を下げる要因と判断されることもあった。
なお、このような軟質材Nへの孔開け加工は、中空のチューブ材に対して行うことがある。それは例えば、自動車のドア周りなどに取り付けるシーリングチューブであり、丸孔は、自動車側への取付鋲を差し込むためのものとされる。この場合、丸孔は、チューブ材における周壁の一部を貫通させるだけであり、チューブ材そのものを貫通させることはできないので、チップ状切り滓Gはチューブの内部に発生することになる。しかも丸孔は、チューブ材の長手方向に沿って細かいピッチで多数ある。そのため、このチップ状切り滓Gの有無を点検したり引きちぎったりする作業は、非常に面倒で困難となっていた。
また孔開け加工時に軟質材Nの細かな屑や粉などが発生し、熱変してピッチ化すると、それらが開孔具120の刃部121周辺(各刃身123など)に付着してその後の切れ味を悪化させてしまい、開孔具120の短寿命化を招来すると共に、これに伴って益々、チップ状切り滓Gの残留率を高めることに繋がるということがあった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、ゴムなどの軟質材に孔開け加工をするための軟質材用開孔具において、円形の綺麗な丸孔を開けることができ、孔周縁にチップ状切り滓を残留させることないようにし、しかも寿命を長引かせることができるようにした軟質材用開孔具を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は次の手段を講じた。
即ち、本発明は、軟質材へ丸孔を形成させる開孔具に関するものであって、この開孔具は、回転加工装置の工具取付部に把持させるシャンク部と、このシャンク部の先に支持首部を介して設けられた刃部とを有している。
刃部は少なくとも一つの刃身を有している。この刃身は、軟質材の肉厚と同等以上の軸方向長さと、シャンク部の回転軸心まわりに、開孔させようとする丸孔の半径距離で描かれる円柱状背面と、周方向に有限とすべく幅を持たせる両側の側縁とを有して形成されている。このような刃部に対し、支持首部は、刃部の円柱状背面よりも括れた細径に形成されている。
刃部の刃身には切り刃とカエリ刃とが設けられている。切り刃は、先方を向く刃先縁から少なくとも一方の側縁に及ぶ領域に形成されたものであり、またカエリ刃は、支持首部の方を向く刃先縁(即ち、切り刃の刃先縁とは逆向きとなっている)から少なくとも一方の側縁に及ぶ領域に形成されたものである。
このような構成を具備する開孔具であれば、刃部における切り刃により、本出願人が嘗て開発した開孔具(図11及び図12参照)と同様に、形成しようとする丸孔の孔輪郭に沿って筋引きするようなカット作用(剃刀やカッター刃と同じような切断メカニズム)で、軟質材に円形の綺麗な丸孔を開けることができる。
のみならず、開孔具が軟質材を突き抜けた後に、その突き抜け先へ一緒に排出されたチップ状切り滓が軟質材から巧く剥がれ落ちずに残っていたとしても、開孔具を軟質材から引き抜くときには、刃部におけるカエリ刃により、丸孔の開孔縁とチップ状切り滓との繋がった部分が筋引き様のカット作用(剃刀やカッター刃と同じような切断メカニズム)によって確実に切り落とされる。
従って、実際に開孔具が軟質材から引き抜かれた後は、軟質材にチップ状切り滓が残留することはない。当然に、孔開け加工を終えた後、いちいち、チップ状切り滓の有無を点検したりチップ状切り滓を引きちぎるといった面倒な作業は不要になる。また、チップ状切り滓の引きちぎりが原因となる小さな凹みや凸片も生じないので、軟質材により製作される商品の価値が低下することも防止できる。
刃部の刃身に設けられた切り刃やカエリ刃は、それらの刃先縁から一方の側縁に及ぶ領域だけでなく、各刃先縁から両側の側縁に及ぶ領域に設けられたものとすることができる。このようにすることで、この開孔具として回転方向が限定されることがなくなり、使用可能な現場を選ばない(汎用性が高くなる)といった利点がある。
刃部は、シャンク部の回転軸心を挟んだ対向配置で一対の刃身が設けられたものとするのが好適である。このようにすれば刃身の数だけカット作用を増加でき、切れ味を高め、且つ各刃身の強度負担を減らして刃部としての耐久性を高めるうえで好適となる。また刃部の形成は、刃身を単一的に設ける場合に比してむしろ容易となる。
刃部のカエリ刃は、周方向に複数の刃先縁を有したものとされ、各刃先縁の隣接間に凹部状の刃底が形成されたものとすることもできる。このようにすることで、結果として切断可能領域が増加することになり、切れ味を高めることに繋がる。
なお、この場合、支持首部は、シャンク部の回転軸心周りで正多角形の断面形状を有して形成するものとして、この正多角形の中の一辺の両端位置(角部の稜線)が、刃部のカエリ刃に設けられた刃底に一致するように位置付けるのがよい。これは、カエリ刃を形成させるに際してワイヤ放電加工を採り入れるうえで好都合となる。
刃部の切り刃及びカエリ刃は、油中ワイヤ放電加工で得られる表面粗さ及び硬度を有したものとするのが好適である。すなわち、油中でのワイヤ放電加工によって得られる表面粗さは、研磨加工で得られる表面粗さに比して適度に粗く、それだけ軟質材に対する切断抵抗(接触面圧)を減らすことに繋がるため、切れ味を高めるうえで有益となる。またピッチの剥離性を良好にさせるうえでも有益となる。油中でのワイヤ放電加工によって得られる硬度については、研磨加工で得られる硬度に比して適度に硬く、それだけ耐久性が上がる利点となる。
本発明に係る軟質材用開孔具は、ゴムなどの軟質材に対して円形の綺麗な丸孔を開けることができる。また形成した丸孔の孔周縁にチップ状切り滓を残留させるようなことはない。しかも開孔具としての長寿命化が可能になった。
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づき説明する。
図1乃至図7は、本発明に係る軟質材用開孔具1の第1実施形態を示している。軟質材Nは、自動車のドア周りなどに取り付けるゴム製のシーリングチューブとしてある。この開孔具1は、シャンク部2と、このシャンク部2の先に支持首部3を介して設けられた刃部4とを有して、一体形成されている。形成素材には例えば超硬合金が用いられている。
シャンク部2は、回転加工装置5の工具取付部(チャック部等)6に把持させるところであり、断面円形をはじめ、回り止め用の面取りが施された様々な断面形状(半月状や四角形、或いはその他の多角形など)として形成された棒状部分である。このシャンク部2の長さや太さなどは、刃部4の外径に応じて適宜選択すればよい。
刃部4は、シャンク部2の回転軸心を挟んだ対向配置で一対(二つ)の刃身10を有したもので、両刃身10の対向間には、先方ほど広がるVノッチ状のスリ割り(切れ目)11が設けられている。図1に示すように、各刃身10は、軟質材Nの肉厚tと同等以上の軸方向長さLと、シャンク部2の回転軸心まわりに、開孔させようとする丸孔12の半径距離Φ/2で描かれる円柱状背面13と、周方向に有限とすべく幅H(図3等参照)を持たせる両側の側縁14とを有して形成されている。
なお、この刃部4において、シャンク部2の回転軸心からの最大外径となる部位(丸孔12の半径位置)は上記のように円柱状背面13となっているが、これに対して支持首部3は、刃部4の円柱状背面13よりも括れた細径に形成されている。また、両刃身10の対向間に設けられたVノッチ状のスリ割り11は、この支持首部3まで達している。
各刃身10には、切り刃20とカエリ刃21とが設けられている。切り刃20は、先方を向く刃先縁22を有している。この刃先縁22から両側の側縁14に及ぶ領域は長円を短軸で半割りにしたような爪先状の円弧形に形成されており、この円弧形領域が切り刃20としての切断領域である。
このようにして形成された切り刃20は、円柱状背面13と同一面上に存在する。すなわち、開孔具1を回転させつつ軟質材Nの表面へ押し付けてゆくと、この切り刃20は、軟質材Nに対してその表面に直交して当接し、また開孔させようとする丸孔12に対してはその孔内周面に面対偶で当接する状態となる。そのためこの切り刃20では、丸孔12の孔輪郭に沿って筋引きするようなカット作用(剃刀やカッター刃と同じような切断メカニズム)が生じ、軟質材Nに対して円形の綺麗な丸孔12を開けることができる。
カエリ刃21は、支持首部3の方を向く複数の刃先縁(図例では中央の刃先縁24とその両脇の刃先縁25との計三つ)を有しており、各刃先縁24,25の隣接間は凹部状とされて、この凹部状部分で刃底26が形成されている。中央の刃先縁24からその両側の刃底26に及ぶ領域は半円形に形成されている。また両脇の刃先縁25は、側縁14と刃底26との間の領域で牙状に尖って形成されている。これら中央の刃先縁24による半円形領域や両脇の刃先縁25による牙状領域が、カエリ刃21としての切断領域である。
このようにして形成されたカエリ刃21もまた、円柱状背面13と同一面上に存在する。すなわち、開孔具1で軟質材Nに丸孔12を形成させることによって刃部4が軟質材Nを突き抜けた後、この丸孔12内において開孔具1を同軸上で引き戻すようにすると、このカエリ刃21は、軟質材Nに対してその裏面に直交する位置関係となり、また丸孔12に対してはその孔内周面に面対偶で当接するような状態となる。
そのためこのカエリ刃21では、丸孔12の孔輪郭に沿って筋引きするようなカット作用(剃刀やカッター刃と同じような切断メカニズム)が生じ、丸孔12にチップ状切り滓Gが残っていた場合に、これを確実に切り落とすことができる。
上記した支持首部3は、シャンク部2の回転軸心周りで正多角形の断面形状(本第1実施形態では正六角形とした)を有して形成されている。そしてこの正多角形の一辺の両端位置(角部稜線)が、刃部4のカエリ刃21に設けられた刃底26に一致するように位置付けられている。これは、カエリ刃21を形成させるに際してワイヤ放電加工を採用しているためである。
ワイヤ放電加工は、この開孔具1を形成する工具素材と、極細(例えば0.25mm程度)の真鍮製等のワイヤとの間に電圧を印加し、油中(イオン水中でもよい)で放電させて工具素材の金属分子を破壊することにより、工具素材を切断していく方法である。ワイヤは、支持首部3の根本側(シャンク部2寄り)から刃部4へ向けて支持首部3の各外面を形成させるように食い込ませてゆき、カエリ刃21を形成させる部分で工具素材から斜め後方へ引き抜くようにし、これを支持首部3の正多角形状の辺の数だけ角度を変えながら繰り返すことで、上記した形状の(刃先縁24,25や刃底26を備えた形状の)カエリ刃21が形成されることになる。
油中ワイヤ放電加工を採用して形成された切り刃20やカエリ刃21は、その表面粗さが研磨加工で得られる表面粗さに比して適度に粗くなる。従ってそれだけ軟質材Nとの切断抵抗(接触面圧)を減らすことに繋がるため、切れ味を高め、またピッチの剥離性を良好にできることになる。また硬度に関しても、油中でのワイヤ放電加工では研磨加工で得られる硬度に比して適度に硬くなるため、それだけ開孔具1としての耐久性が上がることになる。
なお、図5に示したように、刃部4の外径Φ(軟質材Nに設ける丸孔12の孔径に同じ)は1〜10mm程度に対応でき、また刃身10の軸方向長さLは1〜2mm程度に対応できる。また刃身10の対向間に設けるVノッチ状のスリ割り11の開き角度θは20〜50°程度(30°前後が好適)にでき、この場合、20°より小さいと軟質材Nから発生するピッチなどがスリ割り11内に付着したとときにこれを除去し難くなる不具合に繋がり、また50°より大きいと切り刃20の切れ味低下に繋がるおそれがある。支持首部3に対するカエリ刃21の起角αは20〜60°程度(30°前後が好適)にでき、この場合、20°より小さいとカエリ刃21の強度低下に繋がり、60°より大きいとカエリ刃21の切れ味低下に繋がるおそれがある。
以上詳説した構成を具備する開孔具1であれば、図7に示すように、刃部4における切り刃20により、本出願人が嘗て開発した開孔具(図11及び図12参照)と同様に、丸孔12の孔輪郭に沿って筋引きするようなカット作用(剃刀やカッター刃と同じような切断メカニズム)が生じ、軟質材Nに対して円形の綺麗な丸孔12を開けることができる。
のみならず、開孔具1が軟質材Nを突き抜けた後、その突き抜け先へ一緒に排出されたチップ状切り滓Gが軟質材Nから巧く剥がれ落ちずに残ってしまったとしても、開孔具1を軟質材Nから引き抜くときに、刃部4におけるカエリ刃21により、丸孔12の開孔縁とチップ状切り滓Gとの繋がった部分が筋引き様のカット作用(剃刀やカッター刃と同じような切断メカニズム)によって確実に切り落とされる。
従って、実際に開孔具1が軟質材Nから引き抜かれた後にチップ状切り滓Gが残留することはない。当然に、孔開け加工を終えた後、いちいち、チップ状切り滓Gの有無を点検したりチップ状切り滓Gを引きちぎるといった面倒な作業は不要になる。また、チップ状切り滓Gの引きちぎりが原因となる小さな凹みXや凸片Y(図13参照)も生じないので、軟質材Nにより製作される商品の価値が低下することも防止できる。
なお、第1実施形態の開孔具1は、各刃身10に設けられた切り刃20及びカエリ刃21において、それらの刃先縁22,25からそれぞれ、両側の側縁14に及んで刃先が設けられているので、回転方向は限定されない。すなわち、正回転で使用することも逆回転で使用することもできるので、使用可能な現場を選ばない(汎用性が高くなる)利点がある。
図8は、本発明に係る開孔具1の第2実施形態を示したもので、上記第1実施形態の開孔具1と最も異なるところは、刃部4における刃身10の軸方向長さが短くなっている点と、支持首部3が断面正方形とされている点とにある。その他の構成、作用効果は第1実施形態と略同様であり、ここでの詳説は省略する。
図9は、本発明に係る開孔具1の第2実施形態を示したもので、この開孔具1では、刃部4の刃身10に対し、その幅方向中央部にダイヤモンド製の補強部30を設けてある点にある。このような補強部30は、開孔具1の形成素材とする超硬の丸棒を製作する段階で、この丸棒を成型する型内の所定箇所へダイヤモンドチップを埋め込み、この丸棒が得られた後に、支持首部3や刃部4を形成させるためのワイヤ放電加工を行えばよいものである。
ところで、本発明は、上記各実施形態に限定されるものではなく、実施の形態に応じて適宜変更可能である。
例えば、刃身10は一つだけとすることもできる。また切り刃20やカエリ刃21は、それらの刃先縁22,25からいずれか一方の側縁14(回転時に先行する方の側縁14)に及ぶ領域だけに刃先を設けたものとすることができる。
支持首部3は、その断面形状を正方形から正十角形のうち所望角数の断面形状とすることができる。
この開孔具1によって孔開け加工を実施できる軟質材Nは、ゴム、樹脂をはじめ紙や布帛などでもよい。
本発明に係る開孔具の第1実施形態についてその使用状況を示した側面図である。 第1実施形態の開孔具を示した中間省略斜視図である。 図2のA−A線矢視図である。 図2のB−B線矢視図である。 図3のC−C線断面図である。 図4のD−D線矢視図である。 第1実施形態の開孔具について開孔メカニズムを説明した側面図である。 本発明に係る開孔具の第2実施形態を図3と同じ視角で示した側面図である。 本発明に係る開孔具の第3実施形態を図3と同じ視角で示した側面図である。 一般に孔開け加工に使用されるドリルの開孔メカニズムを説明した側面図である。 本出願人が嘗て開発した軟質材用開孔具の先端部を示した斜視図である。 図11の開孔具による開孔メカニズムを説明した側面図である。 図11の開孔具により軟質材へ孔開けしたときに場合によっては難点とされる現象を説明した軟質材の部分平面図である。
符号の説明
1 開孔具
2 シャンク部
3 支持首部
4 刃部
5 回転加工装置
6 工具取付部
10 刃身
12 丸孔
13 円柱状背面
14 側縁
20 切り刃
21 カエリ刃
22 切り刃の刃先縁
24 カエリ刃における中央の刃先縁
25 カエリ刃における両脇の刃先縁
26 カエリ刃の刃底
N 軟質材

Claims (6)

  1. 軟質材(N)へ丸孔(12)を形成させる開孔具であって、回転加工装置(5)の工具取付部(6)に把持させるシャンク部(2)とこのシャンク部(2)の先に支持首部(3)を介して設けられた刃部(4)とを有し、
    上記刃部(4)は少なくとも一つの刃身(10)を有したもので、この刃身(10)は、軟質材(N)の肉厚と同等以上の軸方向長さと、シャンク部(2)の回転軸心まわりに、開孔させようとする丸孔(12)の半径距離で描かれる円柱状背面(13)と、周方向に有限とすべく幅を持たせる両側の側縁(14)とを有して形成されており、上記支持首部(3)は刃部(4)の円柱状背面(13)よりも括れた細径に形成されたものであり、
    上記刃身(10)には、
    先方を向く刃先縁(22)から少なくとも一方の側縁(14)に及ぶ領域に形成された切り刃(20)と、
    支持首部(3)の方を向く刃先縁(24,25)から少なくとも一方の側縁(14)に及ぶ領域に形成されたカエリ刃(21)とが設けられていることを特徴とする軟質材用開孔具。
  2. 前記刃部(4)の刃身(10)に設けられた切り刃(20)及びカエリ刃(21)は、それらの刃先縁(22)(24,25)から両側の側縁(14)に及ぶ領域に形成されていることを特徴とする請求項1記載の軟質材用開孔具。
  3. 前記刃部(4)には、シャンク部(2)の回転軸心を挟んだ対向配置で一対の刃身(10)が設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の軟質材用開孔具。
  4. 前記刃部(4)のカエリ刃(21)は、周方向に複数の刃先縁(24,25)を有したものとされ、各刃先縁(24,25)の隣接間に凹部状の刃底(26)が形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の軟質材用開孔具。
  5. 前記支持首部(3)は、シャンク部(2)の回転軸心周りで正多角形の断面形状を有して形成されており、この正多角形の中の一辺の両端位置が前記刃部(4)のカエリ刃(21)に設けられた刃底(26)に一致して位置付けられていることを特徴とする請求項4記載の軟質材用開孔具。
  6. 前記刃部(4)の切り刃(20)及びカエリ刃(21)は、油中ワイヤ放電加工で得られる表面粗さ及び硬度を有していることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の軟質材用開孔具。
JP2005295440A 2005-10-07 2005-10-07 軟質材用開孔具 Expired - Fee Related JP4166238B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005295440A JP4166238B2 (ja) 2005-10-07 2005-10-07 軟質材用開孔具

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005295440A JP4166238B2 (ja) 2005-10-07 2005-10-07 軟質材用開孔具

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007098558A true JP2007098558A (ja) 2007-04-19
JP4166238B2 JP4166238B2 (ja) 2008-10-15

Family

ID=38025998

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005295440A Expired - Fee Related JP4166238B2 (ja) 2005-10-07 2005-10-07 軟質材用開孔具

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4166238B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103144144A (zh) * 2013-03-25 2013-06-12 广州科密股份有限公司 一种装订机穿孔刀具及其制造方法
CN103770152A (zh) * 2013-12-31 2014-05-07 郑州轻工业学院 一种用于软质材料规则取孔的中空刀具
JP2018099763A (ja) * 2016-12-21 2018-06-28 化成工業株式会社 ウエザーストリップのクリップ孔穿孔用ドリル、クリップ孔穿孔装置、及びクリップ孔穿孔方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103144144A (zh) * 2013-03-25 2013-06-12 广州科密股份有限公司 一种装订机穿孔刀具及其制造方法
CN103770152A (zh) * 2013-12-31 2014-05-07 郑州轻工业学院 一种用于软质材料规则取孔的中空刀具
JP2018099763A (ja) * 2016-12-21 2018-06-28 化成工業株式会社 ウエザーストリップのクリップ孔穿孔用ドリル、クリップ孔穿孔装置、及びクリップ孔穿孔方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4166238B2 (ja) 2008-10-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5249517B2 (ja) ホールソー
JP5377992B2 (ja) ドリルおよび該ドリルを用いる切削方法
JP4166238B2 (ja) 軟質材用開孔具
JP4464953B2 (ja) 切削工具及びその製造方法
JP4910153B2 (ja) バリ取り工具
JP2017177320A (ja) 重ねた硬度の異なる金属板の穴明け用ドリル及びこれを用いた穴明け方法
JPH1133807A (ja) 交差穴加工方法および穴加工用工具
JP2009178787A (ja) ドリル及びドリル用切削インサート並びに切削方法
JPH09267207A (ja) 管体穿孔用ホールソー
JP2006088267A (ja) ドリル
KR101852613B1 (ko) 프레스용 피어스 펀치
JP7317371B2 (ja) 孔あけ具
JPH11104916A (ja) 加工穴のかえり取り工具
JP2007021688A (ja) バリ取り刃付きホルソー
JPH0773742B2 (ja) 穴明けポンチ
JP2005246577A (ja) バリ除去ドリル
JPH07164226A (ja) 総型バイトによるバリ取り方法
JP3119919U (ja) 難削材用穴明けドリル
KR102370707B1 (ko) 복합 적층판 전용 드릴날
JP2008012569A (ja) 薄板鋼板等に対する孔開け方法
JPH08294891A (ja) 吸着ノズル及びその製造方法及びカッター
JP3761171B2 (ja) バリレスドリル
JP2007283453A (ja) 筒状部材の製造方法
JP3127027U (ja) 小型ドリル
JPH0985534A (ja) バリ取り工具

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070531

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20070531

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20070706

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070717

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070914

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071211

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080208

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080318

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080515

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080701

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080729

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110808

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120808

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130808

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees