以下、図を参照しながら、この発明を実施するための一形態について説明する。図1は撮像システムの構成を示している。この撮像システムは、撮像装置10と例えばカメラコントロール装置40や記録再生装置50で構成されている。
撮像装置10において、画像信号生成部11の撮像部111を構成する撮像素子(図示せず)の撮像面上には、撮像レンズ(図示せず)を通して入射された光に基づいた被写体画像が結像される。撮像素子は、光電変換によって被写体画像の撮像電荷を生成し、駆動部112から供給された駆動制御信号RCに基づいて撮像電荷を読み出して電圧信号に変換する。さらに、この電圧信号を撮像信号Spaとして撮像信号処理部113に供給する。
駆動部112は、後述する制御部20から供給された制御信号CTaに基づいて駆動制御信号RCを生成して撮像部111に供給する。
撮像信号処理部113は、撮像信号Spaを増幅したのちノイズ成分を除去する。またノイズ除去された画像信号をディジタル信号に変換したのち、フィードバッククランプ処理やフレアー補正、撮像素子の欠陥に対する補正処理、プロセス処理等を行い、画像信号DVaを生成する。この画像信号DVaは、フレーム加算処理部12とフレームレート変換部13に供給される。なお、撮像信号処理部113で行う信号処理動作は、制御部20から供給された制御信号CTeに基づいて制御される。
フレーム加算処理部12は、画像信号DVaに対してフレーム加算処理を行い、画像信号DVaのフレームレートを可変する。このフレーム加算処理は、RAM(Random Access Memory)を用いて行うことができる。また、フレーム加算処理におけるの加算フレーム数は、制御部20からの加算制御信号CTbによって制御される。ここで、例えば3フレーム加算を行う場合、1フレーム目の画像信号DVaをRAM-1に記憶させ、このRAM-1に記憶された信号を読み出して2フレーム目の画像信号DVaと加算してRAM-2に記憶させる。このRAM-2に記憶されている加算信号を読み出して3フレーム目の画像信号DVaと加算してRAM-3に記憶させる。このRAM-3に記憶された信号は、3フレーム分の画像信号DVaを加算した信号となり、この信号を読み出して信号レベルを(1/3)倍すれば、所要の信号レベルであるとともに、フレームレートを1/3倍した信号となる。また、4フレーム目の画像信号DVaをRAM-1に記憶させ、このRAM-1に記憶された信号を読み出して5フレーム目の画像信号DVaと加算してRAM-2に記憶させる。このRAM-2に記憶されている加算信号を読み出して6フレーム目の画像信号DVaと加算してRAM-3に記憶させる。このRAM-3に記憶された信号は、3フレーム分の画像信号DVaを加算した信号となり、この信号を読み出して信号レベルを(1/3)倍すれば、所要の信号レベルであるとともに、フレームレートを1/3倍した信号となる。以下同様にして、3フレーム分の画像信号DVaを加算した所要の信号レベルである画像信号DVbを順次生成することができる。
なお、フレーム加算処理は、フレーム遅延回路を用いても行うことができる。例えば、1フレーム目の画像信号DVaをフレーム遅延回路で2フレーム期間遅延させると共に、2フレーム目の画像信号DVaをフレーム遅延回路で1フレーム期間遅延させる。この遅延させた1フレーム目の画像信号と2フレーム目の画像信号DVaを、3フレーム目の画像信号DVaに加算して3フレーム分の画像信号DVaが加算された信号を得る。この信号の信号レベルを(1/3)倍すれば、所要の信号レベルであるとともに、画像信号DVaのフレームレートを1/3倍した画像信号DVbを得ることができる。
このようにフレーム加算処理を行うことで、例えば画像信号DVaのフレームレートが「60P(数字は1秒当たりのフレーム数、Pはプログレッシブ方式の信号であることを示すものであり、他の場合も同様である)」であるとき、加算フレーム数を2フレームとすれば、「30P」のフレームレートの画像信号DVbを得ることができる。また加算フレーム数を4フレームとすれば、「15P」のフレームレートの画像信号DVbを得ることができる。
さらに、加算フレーム数の切り換えだけでなく、撮像素子からの信号読み出しを制御して撮像信号Spaのフレームレートを可変すれば、画像信号DVbのフレームレートを連続して可変することが可能となり、所望のフレームレートで撮像した可変速フレームレート撮像画像の画像信号DVbを生成できる。このようにしてフレーム加算処理部12で生成された画像信号DVbは、送信部14に供給される。
フレームレート変換部13は、制御部20から供給された変換制御信号CTfに基づき、例えばRAMへの画像信号の書き込みや読み出しを制御することで、画像信号DVaのフレームレート変換を行い、フレームレート変換後の画像信号をモニタ画像信号DVfとして信号セレクタ16に供給する。
図2は、フレームレート変換部13の構成の一例を示している。フレームレート変換部13は、供給された画像信号DVaを、例えば3つのRAM(Random Access Memory)131-a〜131-cにフレーム単位で振り分けて順次書き込む。また、変換制御信号CTfに基づき、順次RAMを選択しながらRAMに書き込まれている画像信号を読み出し、フレームレートが変換されたモニタ画像信号DVfを生成する。
書込制御部132は、変換制御信号CTfに基づいて、画像信号DVaを書き込むRAMを選択するための選択信号SEWや、画像信号DVaをRAMに書き込むための書込制御信号CKWを生成する。この選択信号SEWは、信号セレクタ133に供給される。また、書込制御信号CKWは、画像信号DVaを書き込むRAMに供給される。さらに、書込制御部132は、各RAMでの画像信号DVaの書き込み状態を示す書込情報信号MIFを生成して、読出制御部134に供給する。
信号セレクタ133は、選択信号SEWによって選択されたRAMに画像信号DVaを供給し、この選択されたRAMでは、書込制御信号CKWに基づいて画像信号DVaの書き込みを行う。
読出制御部134は、変換制御信号CTfに基づき、読出制御信号CKRを生成する。この読出制御信号CKRは、変換後のフレームレートでRAMから画像信号を読み出すための信号である。また、変換制御信号CTfと書込情報信号MIFに基づき、画像信号を読み出すRAMを選択するための選択信号SERを生成する。選択信号SERは、信号セレクタ135に供給される。また読出制御信号CKRは、画像信号を読み出すRAMあるいは各RAMに供給される。
読出制御信号CKRが供給されたRAMは、記憶している画像信号を読出制御信号CKRに基づき読み出して信号セレクタ135に供給する。信号セレクタ135は、選択信号SERによって選択されたRAMからの画像信号を選択して、モニタ画像信号DVfとして出力する。
ここで、RAMからの画像信号の読み出しは、書込情報信号MIFに基づき画像信号の書き込みが最後に完了しているRAMを判別して、この判別したRAMを次に画像信号の読み出しを行うRAMとして選択するよう選択信号SERを生成する。また、RAMから1フレーム分の画像信号を読み出したとき、次フレームの画像信号の書き込みが完了していないことを書込情報信号MIFによって検出した場合は、画像信号を読み出すRAMを変更することなく、同じフレームの画像信号を読み出すものとする。このように画像信号の読み出しを制御することで、画像信号DVaのフレームレートを低いフレームレートに変換するときは、画像信号DVaに対してフレーム間引きが行われて、フレームレートが低くされたモニタ画像信号DVfを生成できる。また、画像信号DVaのフレームレートを高いフレームレートに変換するときには、画像信号DVaをフレーム単位で繰り返すことによりフレーム追加が行われて、フレームレートが高くされたモニタ画像信号DVfを生成できる。
送信部14は、伝送路30を介してカメラコントロール装置40の受信部41と接続されており、画像信号DVbと制御部20から供給された通信情報RMpをカメラコントロール装置40に供給する。
受信部15は、伝送路30を介してカメラコントロール装置40の送信部45と接続されており、カメラコントロール装置40側から供給された再生画像信号DVrを、信号セレクタ16に供給する。また、カメラコントロール装置40側から供給された通信情報RMt,RMqを制御部20に供給する。
信号セレクタ16は、制御部20からの選択信号CSfに基づき、モニタ画像信号DVfあるいは再生画像信号DVrのいずれかの信号を選択して、モニタ出力信号VFoutとして画像表示装置例えば電子ビューファインダー25に供給する。
制御部20には、ユーザインタフェース部21が接続されている。このユーザインタフェース部21を介して、ユーザ操作に応じた操作信号PSpが供給されると、制御部20は、この操作信号PSpに基づいて制御信号CTa,CTb等を生成して各部の動作を制御することにより、撮像装置10をユーザの操作に応じて動作させる。また、フレーム加算処理部12から出力される画像信号DVbのフレームレートやモニタ画像信号DVfのフレームレートを指示するフレームレート指示信号RSFpが、ユーザインタフェース部21を介して制御部20に供給されたとき、制御部20は、フレームレート指示信号RSFpに基づき、制御信号CTaや加算制御信号CTb,変換制御信号CTfを生成する。例えば撮像時のフレームレートの変更を行い、操作信号PSpとしてフレームレート指示信号RSFpが制御部20に供給されたとき、あるいはリモートコントロール装置からフレームレート指示信号RSFpが制御部20に供給されたとき、フレームレート指示信号RSFpに応じた制御信号CTaを生成して駆動部112に供給する。また、加算制御信号CTbを生成してフレーム加算処理部12に供給するとともに、変換制御信号CTfを生成してフレームレート変換部13に供給する。さらに、受信部15を介して通信情報RMtや通信情報RMqが供給されたときは、この通信情報RMt,RMqに基づいて制御信号CTaや加算制御信号CTb,変換制御信号CTfを生成する。また、操作信号PSpや通信情報RMt,RMqに基づいて選択信号CSfの生成を行うとともに、モニタ出力信号VFoutのフレームレートを示すフレームレート信号MFRを生成して電子ビューファインダー25に供給する。また、制御部20は、カメラコントロール装置40や記録再生装置50の動作を制御するための通信情報RMpの生成も必要に応じて行う。また、ユーザインタフェース部21には、動作モード設定操作部21aが設けられており、この動作モード設定操作部21aが操作されて優先制御モードに設定されたとき、制御部20は、フレームレート変換部13の制御を通信情報RMt,RMqに係らず、フレームレート指示信号RSFpに基づいて行う。
電子ビューファインダー25は、フレームレート信号MFRに基づきモニタ出力信号VFoutのフレームレートを判別し、この判別したフレームレートでモニタ出力信号VFoutに基づく画像表示を行う。なお、電子ビューファインダー25が、モニタ出力信号VFoutのフレームレートを自動的に検出して画像表示を行うことができるものであるときは、制御部20からフレームレート信号MFRを電子ビューファインダー25に供給することなく、モニタ出力信号VFoutに基づいた画像を正しく表示できる。
カメラコントロール装置40は、受信部41で受信した画像信号DVbを遅延補償部42に供給する。遅延補償部42は、伝送路30で生じた画像信号DVbの遅延を補償して信号セレクタ44と記録再生装置50の記録処理部51に供給する。また、受信部41で受信した通信情報RMpを信号セレクタ44や記録再生装置50の制御部55に供給する。
記録再生装置50から再生画像信号DVrが供給されたとき、この再生画像信号DVrを遅延補償部43に供給する。遅延補償部43は、伝送路30で生ずる遅延を予め見込んで再生画像信号DVrを送信部45から撮像装置10に送信する。また、記録再生装置50の制御部55から通信情報RMqが供給されたとき、この通信情報RMqを撮像装置10に送信する。
また、カメラコントロール装置40には信号セレクタ44が設けられており、撮像装置10からの通信情報RMpや記録再生装置50からの通信情報RMqあるいは後述する制御部46からの選択信号CStに基づき、画像信号DVbあるいは再生画像信号DVrの何れかを選択して画像信号DVtとして出力する。
制御部46には、ユーザインタフェース部47が接続されている。このユーザインタフェース部47を介して、ユーザ操作に応じた操作信号PStが供給されると、制御部46は、この操作信号PStに基づいて撮像装置10の動作を制御する通信情報RMtや記録再生装置50の動作を制御する通信情報RMuを生成する。この通信情報RMtは、送信部45を介して撮像装置10に供給される。また、通信情報RMuは、記録再生装置50の制御部55に供給される。さらに、制御部46は、操作信号PStに基づき選択信号CStの生成も必要に応じて行う。
記録再生装置50の記録処理部51は、供給された画像信号DVbに対して変調処理や誤り訂正符号の付加処理等を行い、記録信号WSを生成して記録ヘッド52Wに供給する。この記録ヘッド52Wを記録信号WSによって駆動することで、記録媒体60に撮像画像を記録する。また、記録媒体60に記録されている撮像画像を再生ヘッド52Rによって読み出し、得られた読出信号RSを再生処理部53に供給する。再生処理部53は、誤り訂正処理や復調処理を行い、得られた再生画像信号DVrをカメラコントロール装置40の遅延補償部43に供給する。
制御部55には、ユーザインタフェース部56が接続されている。このユーザインタフェース部56を介して、ユーザ操作に応じた操作信号PSqが供給されると、制御部55は、この操作信号PSqに基づいて制御信号等を生成して記録処理部51や再生処理部53および記録媒体60を駆動する駆動部57の動作を制御し、記録再生装置50をユーザの操作に応じて動作させる。また、通信情報RMpや通信情報RMuが供給されたときには、この通信情報RMp,RMuに基づいて各部の動作を制御する。また、操作信号PSqに基づいて、撮像装置10やカメラコントロール装置40の動作を制御する通信情報RMqを生成して、撮像装置10やカメラコントロール装置40に供給する。
次に、撮像装置の動作について説明する。最初に、撮像装置10側のユーザインタフェース部21を操作して、可変速フレームレートでの撮像を行う場合について説明する。制御部20は、ユーザインタフェース部21からのフレームレート指示信号RSFpに基づいて、上述したように撮像部111で生成される撮像信号Spaのフレームレート(撮像フレームレート)FRpとフレーム加算処理部12での加算フレーム数FAを切り替える。例えば図3に示すように、フレームレート指示信号RSFpによって可変速フレームレート撮像画像のフレームレート(可変速フレームレート)FRcが「60P≧FRc>30P」の範囲内に設定されたときは、加算フレーム数FAを「1」として、撮像フレームレートFRpを可変速フレームレートFRcと等しくする。可変速フレームレートFRcが「30P≧FRc>20P」の範囲内に設定されたときは、加算フレーム数FAを「2」として、撮像フレームレートFRpを可変速フレームレートFRcの2倍とする。可変速フレームレートFRcが「20P≧FRc>15P」の範囲内に設定されたときは、加算フレーム数FAを「3」として、撮像フレームレートFRpを可変速フレームレートFRcの3倍とする。以下同様にして、撮像フレームレートFRpと加算フレーム数FAを切り替えることで、可変速フレームレートFRcを連続して可変することが可能となり、所望の可変速フレームレートFRcの画像信号DVbを生成できる。
撮像信号Spaのフレームレートを可変する場合、駆動部112から撮像部111に供給する駆動制御信号RCによって、撮像素子での電荷蓄積期間や撮像電荷の読み出しタイミング等を制御することでフレームレートが可変された撮像信号Spaを得ることができる。さらに、CDR方式(Common Data Rate:共通サンプリング周波数方式)を用いるものとして、水平帰線期間あるいは垂直帰線期間の長さを調整して、撮像フレームレートFRpの可変処理を行うものとすれば、撮像フレームレートFRpを可変しても有効画面期間の画像サイズが変化しない撮像信号Spaを生成できる。また、CDR方式を用いることで、撮像フレームレートFRpを用いる各部の動作周波数を撮像フレームレートFRpに応じて可変する必要がなく、構成が簡単となる。
CDR方式では、図4Aに示すように帰線期間と有効画面期間が設定された画像信号に対して、図4Bに示すように水平帰線期間の長さを調整したり、図4Cに示すように垂直帰線期間の長さを調整することで、有効画面期間の画像サイズを変化させることなく撮像フレームレートFRpを可変した撮像信号Spaを生成できる。
図5は、画像信号DVbの生成動作を説明するための図であり、上述のようにRAM-1〜RAM-3と加算器等を用いてフレーム加算処理を行う場合を示している。例えば、可変速フレームレートFRcを「18P」とする場合、図2から撮像フレームレートFRpは「54P」、加算フレーム数FAは「3」となる。なお、図5Aは画像信号DVaのフレーム、図5Bはフレーム加算処理部12を構成するRAM-1の動作、図5CはRAM-2の動作、図5DはRAM-3の動作、図5Eは画像信号DVbのフレームを示している。
画像信号DVaのフレーム「0f」が開始する時点t1において、フレーム加算処理部12は、例えばRAM-1を書き込みRAMに設定して、書き込みRAMにフレーム「0f」の画像信号DVaを記憶させる。
画像信号DVaのフレーム「0f」が終了してフレーム「1f」が開始するタイミングである時点t2では、フレーム「0f」の画像信号が記憶されたRAM-1を内部読み出しRAMとして指定するとともに、書き込みRAMをRAM-1から例えばRAM-2に変更する。さらに、内部読み出しRAMに記録されている信号、すなわちRAM-1に記憶されているフレーム「0f」の信号を読み出して、この信号にフレーム「1f」の画像信号DVaを加算器で加算して書き込みRAMであるRAM-2に記憶させる。
画像信号DVaのフレーム「1f」が終了してフレーム「2f」が開始するタイミングである時点t3となると、3フレームの加算信号を生成するために、フレーム「0f」とフレーム「1f」を加算した信号が書き込まれているRAM-2を内部読み出しRAMに指定する。また、書き込みRAMをRAM-2から例えばRAM-3に変更する。さらに、内部読み出しRAMに記録されている信号、すなわちRAM-2に記憶されている信号を読み出して、この信号にフレーム「2f」の画像信号DVaを加算器で加算して書き込みRAMであるRAM-3に記憶させる。
画像信号DVaのフレーム「2f」が終了してフレーム「3f」が開始するタイミングである時点t4となると、3フレーム分の画像信号DVaを加算した3フレーム加算信号の生成が完了したことから、この3フレーム加算信号が記憶されているRAM-3を外部読み出しRAMに指定する。また、RAM-1を書き込みRAMに設定して、書き込みRAMにフレーム「3f」の画像信号DVaを記憶させる。
3フレーム加算信号の生成後、この3フレーム加算信号を外部読み出しRAMから読み出して、この読み出した信号の信号レベルを(1/3)倍して画像信号DVbとして出力させる。
以下同様に、RAM-1〜RAM-3と加算器等を使用して画像信号DVaを3フレーム加算して3フレーム加算信号を生成し、この3フレーム加算信号の信号レベルを(1/3)倍することで、可変速フレームレートFRcの画像信号DVbを得ることができる。
また、フレームレート指示信号RSFpに基づいて生成した変換制御信号CTfによって、フレームレート変換部13の動作を制御して、画像信号DVbのフレームレートを撮像者が設定したフレームレートのモニタ画像信号DVfに変換して信号セレクタ16に供給する。また、選択信号CSfによって信号セレクタ16でモニタ画像信号DVfを選択させてモニタ出力信号VFoutとする。さらに、モニタ画像信号DVfのフレームレートを示すフレームレート信号MFRを電子ビューファインダー25に供給する。このため、フレームレート指示信号RSFpに基づいた画像信号DVbを、カメラコントロール装置40側に供給できる。また、電子ビューファインダー25の画面上には、撮像者が所望するフレームレートで撮像中の画像を表示できる。
記録再生装置50によって画像信号DVbを記録媒体60に記録する場合、制御部20から記録再生装置50に対して、撮像画像の記録を開始するコマンドを通信情報RMpとして供給する。記録再生装置50の制御部55は、通信情報RMpに基づき記録処理部51や駆動部57を制御し、画像信号DVbに基づき記録信号WSを生成して記録ヘッド52Wに供給させることで、可変速フレームレート撮影画像を記録媒体60に記録する。また、カメラコントロール装置40の信号セレクタ44で画像信号DVbを選択させれば、画像信号DVbを画像信号DVtとして出力できる。
次に、記録媒体60に記録されている撮像画像を電子ビューファインダー25に表示させる場合について説明する。撮像画像を電子ビューファインダー25に表示させる操作が行われた場合、制御部20から記録再生装置50の制御部55に対して、撮像画像の再生を開始するコマンドを通信情報RMpとして供給する。制御部55は、通信情報RMpに基づき再生処理部53や駆動部57を制御して、記録媒体60に記録されている信号を再生ヘッド52Rで読み出して再生処理部53に供給する。さらに、再生処理部53で得られた再生画像信号DVrを撮像装置10に供給させる。また、撮像装置10の制御部20は、選択信号CSfによって信号セレクタ16で再生画像信号DVrを選択させてモニタ出力信号VFoutとする。さらに、制御部20からフレームレート信号MFRによってモニタ出力信号VFoutのフレームレートを電子ビューファインダー25に通知して、電子ビューファインダー25に再生画像を表示させる。なお、通信情報RMpによってカメラコントロール装置40の信号セレクタ44を制御して、再生画像信号DVrを画像信号DVtとして出力させることもできる。
このようにして、例えば記録媒体60に記録されている画像信号を「24P」で再生すると、可変速フレームレートFRcを「24P」として撮像したときに、再生画像に於ける被写体の動きの速さが実際の被写体と等しくなる。また、可変速フレームレートFRcを「24P」よりも高く設定して撮像を行い「24P」で再生すると、再生画像に於ける被写体の動きの速さは低速となり、可変速フレームレートFRcを「24P」よりも低く設定して撮像を行い「24P」で再生すると、再生画像に於ける被写体の動きの速さは高速となり、電子ビューファインダー25の画面上には、フレームレート指示信号RSFpに応じて被写体の動きの速さを可変した再生画像が表示される。
次に、カメラコントロール装置40のユーザインタフェース部47から撮像装置10の動作を制御する場合について説明する。制御部46は、ユーザインタフェース部47からのフレームレート指示信号RSFtに基づいて通信情報RMqを生成し、この通信情報RMqを撮像装置10の制御部20に供給して、ユーザインタフェース部47から指示された可変速フレームレートFRcやモニタ画像信号DVfのフレームレートを通知する。
制御部20は、撮像装置10から出力する画像信号DVbのフレームレートが指示された可変速フレームレートFRcとなるように、画像信号生成部11やフレーム加算処理部12の動作を制御する。また、モニタ画像信号DVfが指示されたフレームレートとなるように、変換制御信号CTfによってフレームレート変換部13の動作を制御する。さらに、選択信号CSfによって、モニタ画像信号DVfを信号セレクタ16からモニタ出力信号VFoutとして出力させる。さらに、モニタ出力信号VFoutのフレームレートを示すフレームレート信号MFRを電子ビューファインダー25に供給する。
ここで、モニタ画像信号DVfのフレームレートの指示が撮像装置10のユーザインタフェース部21からなされているとき、制御部20は、このフレームレート指示信号RSFpを通信情報RMtよりも優先させてモニタ画像信号DVfのフレームレートを設定する。例えば撮像者がユーザインタフェース部21を介してモニタ画像信号DVfのフレームレートを指示するフレームレート指示信号RSFpを制御部20に供給したとき、通信情報RMtよりもフレームレート指示信号RSFpを優先させる。この場合、撮像者が所望するフレームレートでモニタ画像が表示されていないときは、ユーザインタフェース部21を介してフレームレート指示信号RSFpを制御部20に供給することで、モニタ画像を所望するフレームレートに変更できる。
また、ユーザインタフェース部21の動作モード設定操作部21aが操作されて優先制御モードに設定されたとき、優先制御モード設定期間中、通信情報によるモニタ画像信号DVfのフレームレートの制御を無効として、フレームレート指示信号RSFpを優先させる。この場合、優先制御モード設定期間中は、通信情報によるモニタ画像信号DVfのフレームレートの制御が無効とされるので、撮像者が所望するフレームレートでモニタ画像を表示できるとともに、通信情報によってモニタ画像信号DVfのフレームレートが変更されてしまうことがない。また、モニタ画像信号DVfのフレームレートをユーザインタフェース部21を介して予め撮像装置の例えば制御部20に記憶させておくものとして、優先制御モードに設定されたときには、記憶されているフレームレートでモニタ画像信号DVfを生成することもできる。この場合、優先制御モードに設定するだけで予め記憶させた所望のフレームレートでモニタ画像信号DVfを生成できるので、優先制御モードの設定後にモニタ画像信号DVfを所望のフレームレートとする操作を不要にできる。
このようにモニタ画像信号DVfのフレームレートの制御を行うことで、カメラコントロール装置40で設定された可変速フレームレート撮像画像の画像信号DVbを撮像装置10から出力させることができると共に、電子ビューファインダー25には、撮像者が指示したフレームレートで撮像中の画像をモニタ画像として表示できる。
また、記録再生装置50のユーザインタフェース部56から撮像装置10の動作を制御する場合についても、カメラコントロール装置40のユーザインタフェース部47から撮像装置10の動作を制御する場合と同様に処理する。すなわち、制御部55は、ユーザインタフェース部56からのフレームレート指示信号RSFqに基づいて通信情報RMqを生成し、この通信情報RMqを撮像装置10の制御部20に供給して、ユーザインタフェース部56から指示された可変速フレームレートFRcやモニタ画像信号DVfのフレームレートを通知する。
制御部20は、通信情報RMqに基づき、画像信号DVbのフレームレートが指示された可変速フレームレートFRcとなるように、画像信号生成部11やフレーム加算処理部12の動作を制御する。モニタ画像信号DVfが、記録再生装置50から指示されたフレームレートとなるように、変換制御信号CTfによってフレームレート変換部13の動作を制御する。さらに、選択信号CSfによって、モニタ画像信号DVfを信号セレクタ16からモニタ出力信号VFoutとして出力させる。また、モニタ出力信号VFoutのフレームレートを示すフレームレート信号MFRを電子ビューファインダー25に供給する。
ここで、ユーザインタフェース部21を介してモニタ画像信号DVfのフレームレートの指示がなされているときは、この指示を通信情報RMqよりも優先させる。このため、記録再生装置50で設定された可変速フレームレート撮像画像の画像信号DVbを撮像装置10から出力させることができると共に、電子ビューファインダー25には、撮像者が指示したフレームレートで撮像中の画像をモニタ画像として表示できる。
ところで、上述の撮像装置は、画像信号DVaのフレーム加算処理を行い所望の可変速フレームレート撮像画像の画像信号DVbを生成するものとしたが、図6に示すように、画像信号生成部11で所望の可変速フレームレート撮像画像の画像信号DVbを生成して送信部14から出力させるものとしても良い。この場合、制御部20は、制御信号CTaによって撮像部111から出力される撮像信号Spaが可変速フレームレート撮像画像のフレームレートとなるように制御する。さらに、図示せずも、撮像装置10には、カメラコントロール装置40あるいは記録再生装置50のいずれか一方を接続して撮像システムを構成することもできる。
なお、上述の実施の形態は、画像信号DVbを生成するために画像信号DVaに対してフレーム加算処理を行い、画像信号DVaのフレームレートを可変するものとし、フレームレート変換部13は、RAMへの信号の書き込みと読み出しを制御して画像信号DVaからフレームレートの異なるモニタ画像信号DVfを生成するものとしたが、画像信号DVbやモニタ画像信号DVfの生成は、これらの処理に限定されるものではない。例えば、フレーム加算を行うことでモニタ画像信号DVfを生成するものとしたり、RAMへの信号の書き込みと読み出しを制御して画像信号DVbを生成するものとしても良い。さらに、他のフレームレートの可変方法、例えば動き予測による内挿画像を生成してフレーム数を増やすことにより、フレームレートを高くする方法等も用いることもできる。
このように、撮像中の画像を示すモニタ画像信号DVfに対しては、外部からの通信情報よりも撮像装置のユーザインタフェース部を介して指示されたフレームレートを優先させることで、通信情報に係らず撮像装置側で指示されたフレームレートのモニタ画像信号DVfが生成される。このため、外部から通信情報が撮像装置に供給されて、この撮像装置で生成する可変速フレームレート撮像画像のフレームレートが制御されていても、電子ビューファインダー等の画像表示装置には、撮像者が所望するフレームレートで撮像中の画像がモニタ画像として表示されるので、撮像者はモニタ画像を参照して所望の撮像操作を容易に行うことができる。
10・・・撮像装置、11・・・画像信号生成部、12・・・フレーム加算処理部、13・・・フレームレート変換部、14,45・・・送信部、15,41・・・受信部、16,44,133,135・・・信号セレクタ、20,46,55・・・制御部、21,47,56・・・ユーザインタフェース部、21a・・・動作モード設定操作部、25・・・電子ビューファインダー、30・・・伝送路、40・・・カメラコントロール装置、42,43・・・遅延補償部、50・・・記録再生装置、51・・・記録処理部、52R・・・再生ヘッド、52W・・・記録ヘッド、53・・・再生処理部、60・・・記録媒体、111・・・撮像部、112・・・駆動部、113・・・撮像信号処理部、131・・・RAM、132・・・書込制御部、134・・・読出制御部