JP2007095657A - 非水電解液および非水電解液二次電池 - Google Patents

非水電解液および非水電解液二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】 高沸点で、イオン伝導度が高く、且つ高電圧下での酸化が抑制された非水電解液と、該非水電解液を有する非水電解液二次電池を提供する。
【解決手段】 少なくとも、分岐型ポリエーテル骨格を有する化合物と、電解質塩とを含有することを特徴とする非水電解液と、該非水電解液を有してなる非水電解液二次電池である。本発明の非水電解液二次電池においては、分岐型ポリエーテル骨格を有する化合物としては、特定構造を有するオリゴエチレンオキシド誘導体やカーボネート化合物が好ましく、電解質塩としては、リチウム塩が好適である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、蒸気圧が低く、室温においてもイオン伝導度が高い分岐型ポリエーテル骨格を有する化合物を含有する非水電解液およびこれを用いた非水電解質二次電池に関するものである。
リチウムイオン二次電池などの非水電解液二次電池は、エネルギー密度が高いことから、携帯機器用の電源として広く使用されている。この非水電解液二次電池は、電解液(電解質)として、電解質塩を有機溶媒に溶解させた非水電解液を用いているが、有機溶媒としては、これまで、エチレンカーボネートなどの環状エステルと、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、プロピオン酸メチルなどの鎖状エステルとを混合して用いてきた。
しかしながら、これらのエステル系溶媒(特に鎖状カーボネートエステル)は低沸点であるため、蒸気圧が高く、貯蔵時に電池膨れが生じ易く、また、非水電解液が液漏れした場合に着火し易いなど、安全性、貯蔵性に問題があり、また、性能面においても、必ずしも満足できるわけでなかった。
そのため、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのランダムコポリマー構造単位を有する架橋ポリマーと、上記と同様の構造単位を有する未架橋のランダムコポリマーと、アルカリ電解質塩との混合物を、電解質として用いることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1などに開示されているように、エチレンオキシド−プロピレンオキシド系のポリマーを用いた電解質は、高沸点で蒸気圧が低く、電池の安全性の向上には効果が認められるものの、イオン伝導率が低く、室温下で作動が困難という問題があった。例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシドなどのコポリマーからなる電解質を用いる電池は、通常40℃以上の温度でしか作動しない。
そのため、室温で低粘度かつ高イオン伝導度を有するエーテル系の溶媒を用いて非水電解液を構成する技術も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平2−34660号公報 特開平9−223517号公報
特許文献2に開示されているような、高沸点で、室温下において低粘度のエーテル系溶媒、例えば、テトラグライムなどのグライムに代表される分子量1万以下の鎖状ポリオキサイド類は、高イオン伝導度を有している。しかしながら、上記のような鎖状ポリオキサイド類は、分子内におけるエーテル結合が高電圧下で酸化されやすく、正極の電位がリチウム基準で4V以上となる高電圧電池の電解液溶媒としては使用できない。現実に、このような現象が原因となって、テトラグライムなどを溶媒とする非水電解液を有する非水電解液二次電池は、現在でも実用化されていない。
すなわち、高沸点・低粘度で、イオン伝導度が高いエーテル系有機溶媒を有する非水電解液を用いて作動電圧が高い非水電解液二次電池を構成するに当たっては、該有機溶媒におけるエーテル結合の酸化反応を如何に抑制するかが重要な課題であるといえる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、高沸点で、イオン伝導度が高く、且つ高電圧下での酸化が抑制された非水電解液と、該非水電解液を有する非水電解液二次電池を提供することにある。
上記目的を達成し得た本発明の非水電解液は、少なくとも、分岐型ポリエーテル骨格を有する化合物と、電解質塩とを含有することを特徴とするものである。
上記分岐型ポリエーテル骨格を有する化合物は、下記一般式(1)で示されるエーテル結合を分子内に有するものであることが好ましい。
Figure 2007095657
[上記一般式(1)中、Rはフッ素基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキレンであり、R’はフッ素基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基であり、mは1〜10の整数を表す。]
上記電解質塩としては、リチウム塩が推奨される。
また、正極、負極、セパレータ、および上記本発明の非水電解液を有する非水電解液二次電池も本発明に包含される。
本発明によれば、高沸点で、イオン伝導度が高く、高電圧下での酸化が抑制された非水電解液が提供できる。また、本発明の非水電解液を有する非水電解液二次電池は、安全性が高く、充放電特性にも優れている。
本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、エーテル結合を有する有機化合物の高電圧下での酸化性は、その分子構造によって大きく異なることが判明した。例えば、特許文献1における電解質で使用されているエチレンオキサイド−プロピレンオキサイド系のポリマーは、テトラグライムのような鎖状ポリオキサイド類に比べて、耐酸化性が高い。
本発明者らは、エーテル結合を有する有機化合物の分子構造や分子の形態などに注目し、分岐型ポリエーテル骨格を有する化合物が、高い酸化電位を有することを見出した。そして、更に詳しく検討を重ねた結果、エーテル結合からなるセグメントを分岐型の構造を有する分子の枝に導入することによって、イオン伝導度の向上を図り得ること、また、分子内の官能基や分子の形状の選択によって、非水電解液溶媒として要求される粘度などを制御できることを見出し、更に、このような分岐型ポリエーテル骨格を有する化合物に電解質塩を添加することにより、高沸点で、室温で低粘度であり、高イオン伝導度を有する非水電解液を調製できることを見出し、本発明を完成させた。以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の非水電解液は、少なくとも、分岐型ポリエーテル骨格を有する化合物と、電解質塩とを含有している。
本発明に係る分岐型ポリエーテル骨格を有する化合物は、枝分かれの分子構造と、複数のエーテル結合を有していればよい。例えば、ある官能基を有するモノマーAと、モノマーAの有する官能基と結合を形成し得る官能基を2以上有するモノマーBとを用い、該モノマーAの全ての官能基にモノマーBを結合させると、複数個の官能基(モノマーB由来の官能基)を有する分子(化合物)が得られる。この分子に、更に他の反応性の官能基を複数個有するモノマーを結合させると、枝の数がさらに増えた分子ができる。このようにしてモノマーの結合を繰り返すと、中心から多数の枝分かれした分子鎖が結合した樹枝状分子が得られる。こうした樹枝状分子は一般にデンドリティック高分子と呼ばれるもので、その中には、デンドリマー、ハイパーブランチポリマー、デンドロンなどに分類されるが、本明細書では便宜上デンドリマーと呼ぶ。本発明に係る分岐型ポリエーテル骨格を有する化合物は、このようなデンドリマーと同様の合成技術で得られるものであり、該化合物には、所謂デンドリマーも含まれる。
デンドリマーは、現在、形と構造を明確に決定できる化合物として、機能性分子、溶媒の担体、錯体の配位子などへの応用が広く研究されているが、本発明では、このようなデンドリマーを含む分岐型ポリエーテル骨格を有する化合物を、非水電解液の溶媒または添加剤として使用する。
なお、図1に、分岐型ポリエーテル骨格を有する化合物の分子構造の一例を示すが、この化合物は、例えば、図1のボール構造などのように特殊な立体構造を呈することから、比較的大きな分子量でも、室温下において液体状態であり得る。また、本発明に係る分岐型ポリエーテル骨格を有する化合物では、図1に示す略球状のような特殊な立体構造をとることによって、電解質塩に対する親和性(電解質塩の溶解性)も向上する。更に、分子内の空間制限や枝間の相互作用のために、エーテル結合が、主に分子の立体構造の内部(例えば図1のようなボール構造をとる場合にはボール内)に位置して保護されるため、高電圧下に置かれても、酸化に耐えることができる。
本発明に係る分岐型ポリエーテル骨格を有する化合物は、上記一般式(1)で示されるエーテル結合を分子内に有していることが好ましい。
上記一般式(1)におけるRは、炭素数1〜10のアルキレンであることが好ましく、炭素原子上の水素原子の一部または全部がフッ素原子に置換されていてもよい。なお、Rの炭素数が多すぎると、疎水性が強くなりすぎて、電解質塩との親和性が低下することがある。上記一般式(1)における代表的な「R−O」としては、メチレンオキシド、エチレンオキシド、n−プロピレンオキシド、イソプロピレンオキシド、ブチレンオキシドなどが挙げられる。中でも、メチレンオキシドまたはエチレンオキシドが好ましい。
上記一般式(1)におけるR’は、炭素数1〜10のアルキル基であることが好ましく、炭素原子上の水素原子の一部または全部がフッ素原子に置換されていてもよい。なお、R’の炭素数が多すぎると、疎水性が強くなりすぎて、電解質塩との親和性が低下することがある。代表的なR’としては、メチル基、エチル基、ブチル基などが挙げられ、中でも、メチル基またはエチル基が好ましい。
なお、上記一般式(1)におけるmは、1〜10の整数であることが好ましい。mが大きすぎて鎖が長くなりすぎると、分岐型ポリエーテル骨格を有する化合物が結晶し易くなったり、電解質塩との親和性が低下することがある。
分岐型ポリエーテル骨格を有する化合物が、分子内に上記一般式(1)で表されるエーテル結合を有する場合には、沸点や引火点が高く、化学的や電気化学的に安定であるため、非水電解液二次電池の非水電解液用の溶媒や添加剤として用いることで、電池の安全性をより効果的に改善できる。
本発明の非水電解液に係る上記分岐型ポリエーテル骨格を有する化合物としては、より具体的には、例えば、下記一般式(2)で表されるオリゴエチレンオキシド誘導体や、下記一般式(3)、(4)、(5)または(6)で表されるカーボネート化合物が挙げられる。
Figure 2007095657
[上記一般式(2)中、Rは炭素数が1〜5の炭化水素基、Rはエステル結合を含んでいても良い炭素数1〜10のアルキル基であり、nは2以上の整数、oおよびpは1以上の整数を表す。]
Figure 2007095657
[上記一般式(3)中、R、R、R、およびRは、それぞれ異なっていてもよいアルキル基を表し、qおよびrは1以上の整数を表す。]
Figure 2007095657
[上記一般式(4)中、R、R、R、R10、R11、R12、R13、およびR14は、それぞれ異なっていてもよいアルキル基を表し、sおよびtは1以上の整数を表す。]
Figure 2007095657
[上記一般式(5)中、R15、R16、R17、およびR18は、それぞれ異なっていてもよいアルキル基を表し、R19は、アルキレンまたは2価の芳香環を表し、uおよびvは1以上の整数を表す。]
Figure 2007095657
[上記一般式(6)中、R20、R21、R22、R23、R24、R25、R26、およびR27は、それぞれ異なっていてもよいアルキル基を表し、R28は、アルキレンまたは2価の芳香環を表し、wおよびxは1以上の整数を表す。]
上記一般式(2)において、Rは、炭素数1〜5の炭化水素基であり、具体的には、例えば、下記式(7)〜(9)に示される炭化水素基などが挙げられる。
Figure 2007095657
また、上記一般式(2)におけるRは、エステル結合を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基であり、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、メチルスルフォン基(CHSO−)、メチルスルフェート基(CHOSO−)などが挙げられる。また、nは2以上の整数であるが、その上限は6であることが好ましい。更に、oおよびpは、1以上の整数であるが、その上限は20であることが好ましい。
上記一般式(3)におけるR、R、R、およびR、上記一般式(4)におけるR、R、R、R10、R11、R12、R13、およびR14、上記一般式(5)におけるR15、R16、R17、およびR18、並びに上記一般式(6)におけるR20、R21、R22、R23、R24、R25、R26、およびR27はアルキル基を表しており、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基などの、直鎖状、分岐状または環状のアルキル基であって、炭素数が、1以上で、10以下、より好ましくは4以下のものが好適である。
また、上記一般式(3)におけるqおよびr、上記一般式(4)におけるsおよびt、上記一般式(5)におけるuおよびv、並びに上記一般式(6)におけるwおよびxは、1以上の整数を表しているが、その上限は5であることが好ましい。
更に、上記一般式(5)におけるR19、および上記一般式(6)におけるR28は、アルキレンまたは2価の芳香環を表している。アルキレンとしては、具体的には、例えば、エタン−1,2−ジイル、n−プロパン−1,2−ジイル、n−プロパン−1,3−ジイル、n−ブタン−1,2−ジイル、n−ブタン−1,4−ジイル、n−ブタン−2,3−ジイル、シクロヘキサン−1,4−ジイル、3−オキサペンタン−1,5−ジイル、3,6−ジオキサオクタン−1,8−ジイルなどの、直鎖状、分岐状、または環状のアルキレンであって、炭素数が、1以上で、20以下、より好ましくは4以下のものが好適である。また、2価の芳香環の場合には、具体的には、例えば、p−フェニレン、ナフタレン−1,5−ジイル、アントラセン−1,5−ジイルなどの、炭素数が、6以上で、20以下、より好ましくは14以下のものが望ましい。
上記の分岐型ポリエーテル骨格を有する化合物は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用しても構わない。
なお、上記の一般式(2)〜(6)において示されている繰り返し単位は、通常の繰り返し単位とは異なり、分岐を含む構造の繰り返しを示している。例えば、上記一般式(2)では、n=2の場合、下記構造式で表される化合物を示している。
Figure 2007095657
上記構造式中、R1a、R1b、R1cは、炭素数が1〜5の炭化水素基で、それぞれ異なっていてもよく、Rはエステル結合を含んでもよい炭素数1〜10のアルキル基であり、o、o、p、pは、それぞれ異なっていてもよい1以上の整数である。
また、上記一般式(2)では、n=3の場合、下記構造式で表される化合物を示している。
Figure 2007095657
上記構造式中、R1a、R1b、R1c、R1d、R1e、R1f、R1gは、炭素数が1〜5の炭化水素基で、それぞれ異なっていてもよく、Rはエステル結合を含んでもよい炭素数1〜10のアルキル基であり、o、o、o、o、p、p、p、pは、それぞれ異なっていてもよい1以上の整数である。
なお、例えば、上記一般式(3)で表され、かつ上記一般式(3)におけるR、R、R、およびRのうち少なくとも1つがメチル基であるカーボネート化合物、特にR、R、R、およびRの全てがメチル基であるカーボネート化合物は、室温において、より低粘度であり、かつより高いイオン伝導度を確保できることから、特に好ましく用いることができる。また、上記のようなR、R、R、およびRを有する上記一般式(3)で表されるカーボネート化合物では、上記一般式(3)におけるqおよびrが1以上4以下であることがより好ましく、このような構造の場合には、短いエーテル結合を有することとなるため、電解質塩に対する親和性(電解質塩の溶解性)が更に向上し、より高イオン伝導度を実現することができる。
非水電解液の全溶媒(分岐型ポリエーテル骨格を有する化合物とその他の溶媒の合計、以下同じ)中に含有される分岐型ポリエーテル骨格を有する化合物の量は、例えば、0.1質量%以上、より好ましくは1質量%以上、更に好ましくは10質量%以上であることが望ましい。分岐型ポリエーテル骨格を有する化合物の含有量が少なすぎると、この非水電解液を用いた電池において、その安全性の向上や電池特性の向上効果が小さくなることがある。なお、非水電解液の全溶媒が、分岐型ポリエーテル骨格を有する化合物であってもよいことから、非水電解液の全溶媒中における分岐型ポリエーテル骨格を有する化合物の好適量の上限は、100質量%である。
本発明の非水電解液では、分岐型ポリエーテル骨格を有する化合物を、該化合物以外の有機溶媒と共に用いてもよい。すなわち、例えば、上記の分岐型ポリエーテル骨格を有する化合物以外の有機溶媒を、電解液溶媒として用いてもよく、上記の分岐型ポリエーテル骨格を有する化合物を添加剤の如く使用し、他の有機溶媒を電解液溶媒の主成分とすることもできる。また、例えば、上記の分岐型ポリエーテル骨格を有する化合物は、その多くは室温で液体であるが、固体であるものも存在する。このように室温で固体の分岐型ポリエーテル骨格を有する化合物であっても、他の有機溶媒を併用し、該有機溶媒に溶解させることで、本発明の非水電解液を構成することができる。
上記の分岐型ポリエーテル骨格を有する化合物と併用できる他の有機溶媒としては、高誘電率のものが好ましく、エステル類(カーボネート類を含む)が望ましい。中でも、誘電率が30以上のエステルを使用することが推奨される。このような高誘電率のエステルとしては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、イオウ系エステル(エチレングリコールサルファイトなど)などが挙げられる。中でも環状エステルが好ましく、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネートなどの環状カーボネートが特に好ましい。
また、上記以外にも、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネートなどに代表される低粘度の極性有機溶媒も用いることができる。特に非水電解液の全溶媒中における上記の分岐型ポリエーテル骨格を有する化合物の含有量が、例えば、50質量%を超える場合には、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネートなどを少量添加すると、非水電解液のセパレータへの濡れ性の改善に非常に効果的である。
更に上記有機溶媒以外にも、プロピオン酸メチルなどの鎖状のアルキルエステル類;リン酸トリメチルなどの鎖状リン酸トリエステル;3−メトキシプロピオニトリルなどのニトリル系溶媒;などの有機溶媒を用いることができる。
さらに、フッ素系の溶媒も用いることができる。フッ素系の溶媒としては、例えば、H(CF)OCH、COCH、H(CF)OCHCH、H(CF)OCHCF、H(CF)CHO(CF)Hなど、または、CFCHFCFOCH、CFCHFCFOCHCHなどの直鎖構造の(パーフロロアルキル)アルキルエーテル、若しくは、イソ(パーフロロアルキル)アルキルエーテル、すなわち、2−トリフロロメチルヘキサフロロプロピルメチルエーテル、2−トリフロロメチルヘキサフロロプロピルエチルエーテル、2−トリフロロメチルヘキサフロロプロピルプロピルエーテル、3−トリフロロオクタフロロブチルメチルエーテル、3−トリフロロオクタフロロブチルエチルエーテル、3−トリフロロオクタフロロブチルプロピルエーテル、4−トリフロロデカフロロペンチルメチルエーテル、4−トリフロロデカフロロペンチルエチルエーテル、4−トリフロロデカフロロペンチルプロピルエーテル、5−トリフロロドデカフロロヘキシルメチルエーテル、5−トリフロロドデカフロロヘキシルエチルエーテル、5−トリフロロドデカフロロヘキシルプロピルエーテル、6−トリフロロテトラデカフロロヘプチルメチルエーテル、6−トリフロロテトラデカフロロヘプチルエチルエーテル、6−トリフロロテトラデカフロロヘプチルプロピルエーテル、7−トリフロロヘキサデカフロロオクチルメチルエーテル、7−トリフロロヘキサデカフロロオクチルエチルエーテル、7−トリフロロヘキサデカフロロヘキシルオクチルエーテルなどが挙げられる。さらに、上記のイソ(パーフロロアルキル)アルキルエーテルと、上記の直鎖構造の(パーフロロアルキル)アルキルエーテルを併用することもできる。
上記の分岐型ポリエーテル骨格を有する化合物は、エチレンカーボネートなどの環状エステルや、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、プロピオン酸メチルなどの鎖状エステルとの混合性が特に良好であり、また、これらの有機溶媒は耐酸化性も優れている。そのため、上記の分岐型ポリエーテル骨格を有する化合物と併用する他の有機溶媒としては、これらの環状エステルや鎖状エステルが特に好ましい。
分岐型ポリエーテル骨格を有する化合物と他の有機溶媒を併用する場合には、非水電解液の全溶媒中における他の有機溶媒の含有量は、例えば、10質量%以上であって、99.9質量%以下、より好ましくは90質量%以下であることが望ましい。
本発明の非水電解液に用いる電解質塩としては、アルカリ金属の過塩素酸塩、有機ホウ素アルカリ金属塩、含フッ素化合物のアルカリ金属塩、アルカリ金属イミド塩などのアルカリ金属塩(例えば、リチウム塩)が好ましい。このような電解質塩の具体例としては、例えば、MClO (MはLi、Na、Kなどのアルカリ金属元素を示す、以下同じ)、MPF、MBF 、MAsF 、MSbF 、MCFSO、MCFCO 、M(SO 、MN(CFSO、MN(CSO、MC(CFSO)3 、MCn F2n+1SO n≧2)、MN(RfOSO〔ここで、Rfはフルオロアルキル基〕などが挙げられ、これらの各化合物におけるMがリチウム元素である化合物がより好ましく、含フッ素有機リチウム塩が特に好ましい。含フッ素有機リチウム塩は、アニオン性が大きく、かつイオン分離し易いので、非水電解液中において溶解し易いからである。
非水電解液中における電解質塩の濃度は、例えば、0.3mol/l以上、より好ましくは0.7mol/l以上であって、1.7mol/l以下、より好ましくは1.2mol/l以下であることが望ましい。電解質塩濃度が低すぎると、イオン伝導度が小さくなることがあり、高すぎると、溶解しきれない電解質塩が析出する虞がある。
また、本発明の非水電解液には、これを用いた電池の性能を向上することができる各種の添加剤を添加してもよい。特に、上記の分岐型ポリエーテル骨格を有する化合物と共に、他の有機溶媒を用いる場合には、後記の各種添加剤を使用することが好ましい。
例えば、C=C不飽和結合を分子内に有する化合物を添加した非水電解液では、これを用いた電池の充放電サイクル特性の低下を抑制できる場合がある。このようなC=C不飽和結合を分子内に有する化合物としては、例えば、C11(シクロヘキシルベンゼン)などの芳香族化合物;H(CFCHOOCCH=CH、F(CFCHCHOOCCH=CHなどのフッ素化された脂肪族化合物;フッ素含有芳香族化合物;などが挙げられる。また、1,3−プロパンスルトン、1,2−プロパンジオール硫酸エステルをはじめとするイオウ元素を有する化合物(例えば、鎖状または環状スルホン酸エステルや、硫酸エステルなど)や、ビニレンカーボネートなどのC=C不飽和結合を有する環状カーボネートも使用でき、非常に効果的な場合がある。これらの各種添加剤の添加量は、非水電解液全量中、例えば、0.5〜5質量%とすることが好ましい。
この他、非水電解液二次電池の高温特性の改善を達成すべく、本発明の非水電解液に酸無水物を添加しても良い。酸無水物は負極の表面改質剤として負極表面に複合皮膜の形成に関与し、高温時における電池の貯蔵特性などを向上させる機能を有する。また、酸無水物を非水電解液に添加することにより、非水電解液中の水分量を低減させることができるため、この非水電解液を用いた電池内でのガス発生量も減少させることができる。非水電解液に添加する酸無水物については、特に制限はなく、分子内に酸無水物構造を少なくとも1個有する化合物であればよく、複数個有する化合物であってもよい。酸無水物の具体例としては、例えば、無水メリト酸、無水マロン酸、無水マレイン酸、無水酪酸、無水プロピオン酸、無水プルビン酸、無水フタロン酸、無水フタル酸、無水ピロメリト酸、無水乳酸、無水ナフタル酸、無水トルイル酸、無水チオ安息香酸、無水ジフェン酸、無水シトラコン酸、無水ジグリコールアミド酸、無水酢酸、無水琥珀酸、無水桂皮酸、無水グルタル酸、無水グルタコン酸、無水吉草酸、無水イタコン酸、無水イソ酪酸、無水イソ吉草酸、無水安息香酸などが挙げられ、それらの1種または2種以上を用いることができる。
本発明の非水電解液における酸無水物の添加量は、非水電解液全量中、0.05〜2質量%とすることが好ましい。なお、酸無水物も含有する非水電解液を用いた電池において、より良好な放電特性を確保するためには、非水電解液全量中における酸無水物の添加量の上限を、1質量%とすることがより好ましい。
本発明の非水電解液は、上記の通り、室温で低粘度であり、かつ高イオン伝導度を有している。また、本発明の非水電解液に係る上記の分岐型ポリエーテル骨格を有する化合物は、上記の通り耐酸化性に優れるなど、化学的や電気化学的に安定であることに加えて、沸点や引火点が高い。そのため、こうした分岐型ポリエーテル骨格を有する化合物を含有する本発明の非水電解液を用いて、非水電解液二次電池を構成することにより、その電池特性および安全性を良好なものとすることができる。
なお、本発明の非水電解液が、非水電解液二次電池に用いられる場合であって、特にこの非水電解液二次電池が、炭素材料を活物質とする負極(詳しくは後述する)を有する場合には、上記非水電解液は、上記の分岐型ポリエーテル骨格を有する化合物と共に、上記例示の環状カーボネートを含有していることが好ましく、これら環状カーボネートとしては、エチレンカーボネートおよび/またはビニレンカーボネートがより好ましい。これら環状カーボネートの使用量は、エチレンカーボネートを含む環状カーボネートについては、非水電解液中の全溶媒中、10質量%以上であって、60質量%以下、より好ましくは40質量%以下とすることが望ましく、ビニレンカーボネートを含むC=C不飽和結合を含有する環状カーボネートについては、上で示した好適量(非水電解液全量中、0.5〜5質量%)とすることが推奨される。
本発明の非水電解液二次電池は、本発明の非水電解液を有していればよく、その他の構成要素については特に制限はなく、従来公知の非水電解液二次電池と同様のものを採用できる。
正極に係る正極活物質には、リチウムを吸蔵放出可能な化合物が使用でき、例えば、LiMOまたはLi(ただし、Mは遷移金属であり、0≦x≦1、0≦y≦2)で表される複合酸化物、スピネル状の酸化物、層状構造の金属カルコゲン化物などが挙げられる。その具体例としては、LiCoOなどのリチウムコバルト酸化物、LiMnなどのリチウムマンガン酸化物、LiNiOなどのリチウムニッケル酸化物、リチウムマンガン・ニッケル複合酸化物、リチウムマンガン・ニッケル・コバルト複合酸化物、二酸化マンガン、五酸化バナジウム、クロム酸化物、などの金属酸化物;リチウムチタン酸化物または二硫化チタン、二硫化モリブデンなどの金属硫化物;などが挙げられる。これらの正極活物質は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
特に、LiCoO、LiMn、LiNiO、LiNi1−x−y―zCoAlMg(ただし、0≦x≦1、0≦y≦0.1、0≦z≦0.1、0≦1−x−y−z≦1)、LiNi1/2Mn1/2などに代表されるリチウムマンガン・ニッケル複合酸化物、LiNi1/3Mn1/3Co1/3やLiNi0.6Mn0.2Co0.2などに代表されるリチウムマンガン・ニッケル・コバルト複合酸化物などの、充電時の開路電圧がLi基準で4V以上を示すリチウム複合酸化物を正極活物質として用いる場合には、高電圧下での酸化が抑制された本発明の非水電解液の特徴を生かすことができ、高エネルギー密度の非水電解液二次電池が得られることから、好ましい。
非水電解液二次電池を構成するための正極は、例えば、上記の正極活物質に、カーボンブラック、アセチレンブラックなどの導電助剤や、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレンオキシドなどの結着剤などを適宜添加して正極合剤を調製し、これをアルミニウム箔などからなる集電材料を芯材として帯状の成形体に仕上げたものが用いられる。ただし、正極の作製方法は、上記例示のもののみに限定される訳ではない。
本発明の有機電解液二次電池を構成するための負極における負極活物質としては、例えば、リチウムを吸蔵放出可能な化合物が使用できる。例えば、リチウム金属単体の他、Al、Si、Sn、Inなどの合金またはリチウム(Li)に近い低電位で充放電できる酸化物、炭素材料などの各種材料も、負極活物質として用いることができる。本発明の非水電解液二次電池においては、負極活物質としては、リチウムイオンを電気化学的に出し入れ可能な炭素材料が特に好ましい。このような炭素材料としては、たとえば、黒鉛、熱分解炭素類、コークス類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物の焼成体、メソカーボンマイクロビーズ、炭素繊維、活性炭などが挙げられる。
負極活物質に炭素材料を用いる場合、該炭素材料の(002)面の層間距離d002に関しては、0.37nm以下であることが好ましい。また、電池の高容量化を実現するため、d002は、0.35nm以下であることがより好ましく、0.34nm以下であることが更に好ましい。d002の下限値は特に限定されないが、理論的には約0.335nmである。
また、炭素材料のc軸方向の結晶子の大きさLcは、3nm以上であることが好ましく、8nm以上であることがより好ましく、25nm以上であることがさらに好ましい。Lcの上限は特に限定されないが、通常200nm程度である。そして、その平均粒径は、3μm以上、より好ましくは5μm以上であって、15μm以下、より好ましくは13μm以下であることが望ましく、また、純度は99.9%以上であることが望ましい。
負極は、例えば、上記負極活物質、またはその負極活物質に必要に応じて導電助剤(カーボンブラック、アセチレンブラックなど)や結着剤(ポリフッ化ビニリデン、スチレンブタジエンゴムなど)などを適宜加えて調製した負極合剤を、銅箔などの集電材料を芯材として成形体に仕上げることによって作製される。ただし、負極の作製方法は、上記例示のもののみに限られることはない。
本発明の非水電解液二次電池において、正極と負極を仕切るためのセパレータも特に制限はなく、従来公知の非水電解液二次電池で採用されている各種セパレータを用いることができる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂で構成される微孔性セパレータが好適に用いられる。
本発明の非水電解液二次電池は、例えば、上記の正極と負極とを、上記のセパレータを介して重ね合わせて積層電極体としたり、更にこれを巻回して巻回電極体とした後、外装体に装填し、正負極と外装体の正負極端子とをリード体などを介して接続し、更に上記本発明の非水電解液を外装体内に注入した後に外装体を封止して作製される。
電池の外装体としては、金属製の角形、円筒形などの外装体や、金属(アルミニウムなど)ラミネートフィルムからなるラミネート外装体などを用いることもできる。
なお、非水電解液二次電池の製造方法は特に限定されないが、d002が0.34nm以下の炭素材料を負極活物質として用いる場合、外装体に正極、負極、セパレータおよび非水電解液を収納した後であって電池を完全に密閉する前に、充電を行う開放化成工程を設けることが好ましい。これにより、充電初期に発生するガスや電池内の残留水分を電池外に除去することができる。化成後、電池内のガスの除去方法は特に限定されるものではなく、自然除去または真空除去のいずれもよい。また、電池を完全に密閉する前に、電池を押圧などにより適宜成形してもよい。
本発明の非水電解液二次電池は、安全性に優れており、電池特性も良好であることから、こうした特性を活かして、携帯電話、ノート型パソコンなどのモバイル情報機器の駆動電源用の二次電池としてだけではなく、様々な機器の電源として幅広く利用することができる。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に述べる。ただし、下記実施例は本発明を制限するものではなく、前・後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施をすることは、全て本発明の技術的範囲に包含される。
実験1[非水電解液の調製]
実施例1
<分岐型のポリエーテル骨格を有する化合物4aの合成>
分子の枝にエチレンオキサイドセグメントを有する分岐型のポリエーテル骨格を有する化合物4a[下記構造式(10)]を合成した。詳細な合成方法および条件は、以下の通りである。
Figure 2007095657
1aの合成:
窒素雰囲気下で、3.41gの水素化ナトリウム(純度55%)を100mlの脱水テトラヒドロフラン(THF)に氷浴下で分散させ、これに10.0mlのジエチレングリコールモノメチルエーテルをゆっくり滴下した。その後14時間撹拌して得られた溶液に、氷浴下で5.2mlの3−クロロ−2−クロロメチル−1−プロペンをゆっくり滴下して、10分間攪拌した。これを16時間加熱撹拌した後、反応混合物を塩化メチレン/希塩酸で抽出し、塩化メチレン相を減圧留去によって濃縮し、粗生成物を得た。この反応粗生成物を、固定相にシリカゲルを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製し、下記構造式(11)で表され、nが2である化合物1aを8.43g得た(収率68%)。
Figure 2007095657
2aの合成:
窒素雰囲気下で、6.21gの1aを、9−BBN(9−borabicyclo[3.3.1]nonane)の0.5M脱水THF溶液128mlに、0℃でゆっくり滴下した。これに6Nの水酸化ナトリウム水溶液58mlと31質量%の過酸化水素水66mlを、0℃で加えた。これを1時間室温で撹拌した後、減圧留去によりTHFを除去し、得られた反応混合物を200mlのヘキサンで洗浄した後、塩化メチレン/希塩酸で抽出し、塩化メチレン相を減圧留去によって濃縮し、粗生成物を得た。固定相にシリカゲルを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィーでこの反応粗生成物を精製し、下記構造式(12)で表され、nが2である化合物2aを0.90g得た(収率14%)。
Figure 2007095657
3aの合成:
窒素雰囲気下で、533mgの水素化ナトリウム(純度55%)を氷浴下で50mlの脱水THFに分散させ、これに2.1gの2aをゆっくり滴下した。3時間還流して得られた溶液に、0.39mlの3−クロロ−2−クロロメチル−1−プロペンを氷浴下でゆっくり滴下して、10分間攪拌した。これを16時間加熱撹拌した後、反応混合物を塩化メチレン/希塩酸で抽出し、塩化メチレン相を減圧留去によって濃縮し、粗生成物を得た。固定相にシリカゲルを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィーで、この反応粗生成物を精製し、下記構造式(13)で表され、nが2である化合物3aを1.04g得た(収率46%)。
Figure 2007095657
4aの合成:
水素雰囲気下、三方コックを取付けた50mlのなす型フラスコ中で、15.8mgのパラジウム炭素を無水エタノールに分散させ、これに1.04gの3aを加えた。これを、水素を満たした風船で加圧した状態で室温で3日間撹拌した。パラジウム炭素をろ過で除去し、得られたろ液中のエタノールを減圧留去で除去することにより、1.01g(収率97%)の透明な液体4aを得た。4aの構造を、H−NMR(CDCl)を用いて同定した。その結果は、以下の通りである。δ 3.68−3.54(m,32H),3.49(d,8H),3.42(d,4H),3.39(s,12H),3.33(m,2H),3.21(m,2H),2.17(m,2H),1.97(m,1H),0.90(d,3H)。
<非水電解液の調製>
上記の分岐型ポリエーテル骨格を有する化合物4a:80質量%に、LiTFSI[Lithum bis(trifluoromethane sulfonyl)imide、Li・N(CFSO]:20質量%を、Ar雰囲気中で溶解させて非水電解液を調製した。
実施例2
<分岐型ポリエーテル骨格を有する化合物4bの合成>
下記構造式(14)で表される化合物4bを、4aと同様に合成した。詳細な合成方法および条件は、以下の通りである。
Figure 2007095657
1bの合成
窒素雰囲気下で、2.05gの水素化ナトリウム(純度55%)を、100mlの脱水テトラヒドロフラン(THF)に氷浴下で分散させ、これに10.0mlのテトラエチレングリコールモノメチルエーテルをゆっくり滴下した。その後14時間撹拌して得られた溶液に、3.1mlの3−クロロ−2−クロロメチル−1−プロペンを氷浴下でゆっくり滴下し10分間攪拌した。これを16時間加熱撹拌した後、反応混合物を塩化メチレン/希塩酸で抽出し、塩化メチレン相を減圧留去によって濃縮し、粗生成物を得た。この反応粗生成物を、固定相にシリカゲルを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製し、上記構造式(11)で表され、nが4である化合物1bを5.39g得た(収率45%)。
2bの合成:
窒素雰囲気下で、5.18gの1bを、9−BBNの0.5M脱水THF溶液67mlに、0℃でゆっくり滴下した。これに6Nの水酸化ナトリウム水溶液30mlと31質量%の過酸化水素水34mlを、0℃で加えた。これを1時間室温で撹拌した後、減圧留去によりTHFを除去し、得られた反応混合物を200mlのヘキサンで洗浄した後、塩化メチレン/希塩酸で抽出し、塩化メチレン相を減圧留去によって濃縮し、粗生成物を得た。固定相にシリカゲルを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィーでこの反応粗生成物を精製し、上記構造式(12)で表され、nが4である化合物2bをを4.22g得た(収率78%)。
3bの合成:
窒素雰囲気下で、180mgの水素化ナトリウム(純度55%)を50mlの脱水THFに氷浴下で分散させ、これに2.1gの2bをゆっくり滴下した。3時間還流して得られた溶液に、0.25mlの3−クロロ−2−クロロメチル−1−プロペンを氷浴下でゆっくり滴下し10分間攪拌した。110時間加熱撹拌した後、反応混合物を塩化メチレン/希塩酸で抽出し、塩化メチレン相を減圧留去によって濃縮し、粗生成物を得た。固定相にシリカゲルを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィーで、この反応粗生成物を精製し、上記構造式(13)で表され、nが4である化合物3bを676mg得た(収率30%)。
4bの合成:
水素雰囲気下、三方コックを取付けた50mlのなす型フラスコ中で、11.9mgのパラジウム炭素を無水エタノールに分散させ、これに675mgの3bを加えた。これを、水素を満たした風船で加圧した状態で3日間撹拌した。パラジウム炭素をろ過で除去し、得られたろ液中のエタノールを減圧留去で除去することにより、687mg(収率>99%)の透明な液体4bを得た。4bの構造を、H−NMR(CDCl)を用いて同定した。その結果は、以下の通りである。δ 3.68−3.54(m,64H),3.49(d,8H),3.42(d,4H),3.39(s,12H),3.33(m,2H),3.21(m,2H),2.17(m,2H),1.97(m,1H),0.90(d,3H)。
<非水電解液の調製>
上記の分岐型ポリエーテル骨格を有する化合物4bを用いた他は、実施例1と同様にして非水電解液を調製した。
実施例3
<分岐型ポリエーテル骨格を有する化合物3の合成>
下記構造式(15)で表される化合物3を合成した。詳細な合成方法および条件は、以下の通りである。
Figure 2007095657
化合物3−1の合成:
1H,1H,5H−オクタフルオロペンタノール(20.9g)、および水酸化カリウム(0.685g)をTHF(25ml)に加え、60℃で10分撹拌した。これに、氷浴下で、3−(1H,1H,5H−オクタフルオロペンチロキシ)−1,2−エポキシプロパン(19.8g)を加え、48時間還流撹拌した。これを3N塩酸で中和し、エーテルで抽出、エーテル相を無水MgSOで乾燥した。乾燥剤をろ別し、ろ液を減圧下で蒸留して、下記構造式(16)で表される化合物3−1(30.5g、収率85%)を得た。この化合物3−1の構造を、H−NMR(CDCl)で同定した。その結果は、以下の通りである。δ 6.06(tt,J=5.6Hz,2H),4.99(quin,5.2Hz,2H),3.69(sep,J=6.0Hz,4H),2.42(d,1H)。
Figure 2007095657
化合物3の合成:
窒素雰囲気下で、化合物3−1(1.84g)、および水酸化カリウム(0.038g)をTHF(15ml)に加え、60℃で10分撹拌した。これを室温まで放冷し、N,N’−カルボニルジイミダゾール(0.489g)を加え、3時間還流撹拌した。反応液をエバポレーターで濃縮し、n−ヘキサン:酢酸エチル(3:1、体積比)でカラムクロマトグラフィーにかけ、透明な液体である化合物3(1.25g、収率66%)を得た。この化合物3の構造を、H−NMR(CDCl)で同定した。その結果は、以下の通りである。δ 6.06(tt,4H), 4.00(m,5H),3.98(sext,J=11.6Hz,8H),3.81(d,J=4.8Hz,8H)。
<非水電解液の調製>
上記の分岐型ポリエーテル骨格を有する化合物3を用いた他は、実施例1と同様にして非水電解液を調製した。
実施例4
<分岐型ポリエーテル骨格を有する化合物4の合成>
下記構造式(17)で表される化合物4を合成した。詳細な合成方法および条件は、以下の通りである。
Figure 2007095657
化合物4−1の合成:
合成原料としてn−ブタノール(37.1g)、n−ブチルグリシジルエーテル(66.7g)を用いて、実施例3における化合物3−1の合成反応と同様の反応を行い、下記構造式(18)で表される化合物4−1(25.5g、収率25%)を得た。この化合物4−1の構造を、H−NMR(CDCl)で同定した。その結果は、以下の通りである。δ 3.93(quin,1H),3.45(m,8H),2.90(s,1H),1.55(quin,4H),1.38(sext,4H),0.92(t,6H)。
Figure 2007095657
化合物4−2の合成:
窒素雰囲気下で、脱水THF(30ml)および水素化ナトリウム(5.00g)を氷浴下撹拌し、化合物4−1(25.5g)を少量ずつ加え、15分撹拌した。これに、氷浴下で3−クロロ−2−クロロメチル−1−プロペン(7.88g)を少量ずつ加え、50℃で24時間撹拌した。得られた反応液に蒸留水を加えて失活させた後、エーテルで抽出し、エーテル相を無水MgSOで乾燥した。その後乾燥剤をろ別し、ろ液をエバポレーターで濃縮してn−ヘキサン:酢酸エチル(5:1、体積比)でカラムクロマトグラフィーにかけ、下記構造式(19)で表される化合物4−2(17.4g、収率71%)を得た。この化合物4−2の構造を、H−NMR(CDCl)で同定した。その結果は、以下の通りである。δ 5.20(s,2H),4.18(s,4H),3.62(quin,2H),3.60(m,8H),3.42(m,8H),1.54(quin,8H),1.36(sext,8H),0.91(t,12H)。
Figure 2007095657
化合物4−3の合成:
窒素雰囲気下で、化合物4−2(2.24g)をTHF(5ml)に加え、氷浴下で、更に9−BBNの0.5M THF溶液(20ml)を少量ずつ加えて、2時間撹拌した。次に30%過酸化水素水(2.2ml)を加え、室温で1時間撹拌した。得られた反応液に炭酸カリウムを飽和するまで加え、エーテルで抽出し、エーテル相を無水MgSOで乾燥した。その後乾燥剤をろ別し、ろ液をエバポレーターで濃縮してn−へキサン:酢酸エチル(1:1、体積比)でカラムクロマトグラフィーにかけ、下記構造式(20)で表される化合物4−3(1.90g、収率81%)を得た。この化合物4−3の構造を、H−NMR(CDCl)で同定した。その結果は、以下の通りである。δ 3.73(m,4H),3.64(dd,Ja=9.6Hz,Jb=6.8Hz,2H),3.58(quin,J=5.2Hz,2H),3.45(m,16H),3.33(t,1H),2.10(sep,J=5.4Hz,1H),1.55(quin,J=7.1Hz,8H),1.35(sext,J=7.5Hz,8H),0.92(t,12H)。
Figure 2007095657
化合物4の合成:
合成原料に化合物4−3(0.934g)を用い、実施例3における化合物3の合成反応と同様の反応を行い、透明な液体である化合物4(0.525g、収率55%)を得た。この化合物4の構造を、H−NMR(CDCl)で同定した。その結果は、以下の通りである。δ 4.19(d,J=6.0Hz,4H),3.63(m,8H),3.52(m,4H),3.45(m,32H),2.33(quin,J=6.0,2H),1.55(quin,16H),1.35(sext,16H),0.92(t,24H)。
<非水電解液の調製>
上記の分岐型ポリエーテル骨格を有する化合物4を用いた他は、実施例1と同様にして非水電解液を調製した。
実施例5
<分岐型ポリエーテル骨格を有する化合物5の合成>
合成原料にエタノールとエチルグリシジルエーテルを用いた他は、実施例4と同様の手順で、下記構造式(21)で表される透明な液体の化合物5を合成した。
Figure 2007095657
<非水電解液の調製>
上記の分岐型ポリエーテル骨格を有する化合物5を用いた他は、実施例1と同様にして非水電解液を調製した。
実施例6
<分岐型ポリエーテル骨格を有する化合物6の合成>
合成原料にイソプロパノールとイソプロピルグリシジルエーテルを用いた他は、実施例4と同様の手順で、下記構造式(22)で表される透明な液体の化合物6を合成した。
Figure 2007095657
<非水電解液の調製>
上記の分岐型ポリエーテル骨格を有する化合物6を用いた他は、実施例1と同様にして非水電解液を調製した。
実施例7
<分岐型ポリエーテル骨格を有する化合物7[Bis(4−(2,6−dioxaheptyl))carbonate)]の合成>
下記構造式(23)で示される化合物7を合成した。詳細な合成方法および条件は、以下の通りである。
Figure 2007095657
三方コックを取り付けた200ml容のナス型フラスコ中で、64.6mgの水酸化カリウム(1.15mmol)を30.4gの2,6−ジオキサ−4−ヘプタノール(0.253mol)に溶解させた。この溶液に、20.2gの1,1’−カルボニルジイミダゾール(0.124mol)を添加し、60℃で17時間攪拌した。得られた粗生成物を150mlのクロロホルムに溶解させ、この溶液を300mlの塩化アンモニウム飽和水溶液と300mlの飽和食塩水で洗浄した。このクロロホルム溶液を減圧留去で濃縮し、減圧蒸留(76℃、0.03mmHg)することにより、無色の液体の化合物7(5.30g、収率16%)を得た。
この化合物7の構造を同定した。その結果は、以下の通りである。H−NMR(400MHz,CDCl):d 3.37(s,CH),3.57(d,CH),4.98(m,CH),13C−NMR(100MHz,CDCl):d 59.25(CH),70.95(CH),75.40(CH),154.46(C=O)。
<非水電解液の調製>
上記の分岐型ポリエーテル骨格を有する化合物7を用いた他は、実施例1と同様にして非水電解液を調製した。
比較例1
分岐型ポリエーテル骨格を有する化合物4aに代えて、常温下で液体で、エーテル結合を有しているテトラグライムを用いた以外は、実施例1と同様にして非水電解液を調製した。
比較例2
分岐型ポリエーテル骨格を有する化合物4aに代えて、ポリエチレンオキシド(PEO、分子量:8000)を用いて、実施例1と同様の組成の非水電解液を調製した。なお、PEOは常温で固体であるため、電解質塩であるLiTFSIを、PEOのアセトン溶液に溶解させ、これを60℃で一晩真空乾燥してアセトンを除去する方法で、非水電解質を調製した(なお、比較例2の非水電解質は常温で固体であるが、便宜上、以降は「非水電解液」と記載する)。
比較例3
分岐型ポリエーテル骨格を有する化合物4aに代えて、ジエチルカーボネート(DEC)を用いて、実施例1と同様の組成の非水電解液を調製した。この比較例3で用いたDECは、非水電解液二次電池の非水電解液溶媒として汎用されている室温で液状の溶媒の中でも、耐酸化性が比較的良好なものである。
実施例1〜7および比較例1〜3の非水電解液について、下記の各評価を行った。なお、実施例1〜7の非水電解液に用いた分岐型ポリエーテル骨格を有する化合物については、いずれも常圧での沸点が、それ自身の分解温度よりも高いことも確認した。また、実施例7の非水電解液に用いた化合物7については、0.03mmHgの高真空度でも沸点が76℃と高いことも確認した。
<イオン伝導度の測定>
ステンレス鋼(SUS)板上に、φ=8.0mmで厚みが500μmの、セル(穴)を有するプロピレンゴムを貼り付け、実施例1〜7または比較例1、2の非水電解液を該セル中に注入した後に、別のSUS板を、該プロピレンゴム上に重ねて、非水電解液が2枚のSUS板で挟み込まれた状態とした。これを宝泉社製のHSセルに組み込んでモデルセルを作製した。そして、モデルセル中の非水電解液の−20〜70℃の温度範囲でのイオン伝導度とその温度依存性を、交流インピーダンス法により測定した。なお、測定条件は、測定装置:Solartron Group Ltd.製「Solartron−1287」、測定範囲:0.1〜10Hz、電位変化:5mVとした。実施例1〜6および比較例1、2の非水電解液についてのイオン伝導度測定の結果を図2に、実施例7の非水電解液についてのイオン伝導度測定の結果を図3に示す。
<サイクリックボルタモグラム法(CV法)による評価>
正極にSUS板、負極にリチウム金属箔を有する電池(モデルセル)を作製して、実施例1〜7および比較例1〜3の非水電解液中のリチウム塩(LiTFSI)が脱溶媒和して、SUS板表面にリチウム金属が析出するか否か、非水電解液の5Vでの電流値および酸化開始電位を調べた。
SUS板上に、φ=8.0mmで厚みが500μmの、セル(穴)を有するプロピレンゴムを貼り付け、実施例1〜7または比較例1〜3の非水電解液を該セル中に注入した後に、片面にリチウム金属箔を貼り付けたSUS板を、リチウム金属箔側がプロピレンゴム側となるように重ねて、非水電解液がSUS板とリチウム金属箔を貼り付けたSUS板とで挟み込まれた状態とした。これを宝泉社製のHSセルに組み込んでモデルセルを作製した。
上記のモデルセルについて、CV法により20℃で測定を行い、非水電解液の特性を調べた。掃引速度は5mV/秒とし、測定範囲は−0.5〜5.0Vとした。このような測定範囲としたのは、−0.5Vにおいて、SUS板へのリチウム金属の析出の有無が確認できるからであり、また、5.0Vを超えるとSUS板が溶解するからである。このCV測定の結果を、図4、図5および表1に示す。
また、実施例7および比較例3の非水電解液については、正極をSUS板から白金板に代えた他は、上記と同様にしてモデルセルを組み、測定範囲を3.0〜6.0Vとした以外は、上記と同じ条件でCV法による非水電解液の特性評価を行った。なお、この条件化での測定の正極をSUS板から白金板に代えたのは、白金板であれば6.0Vを超えても溶解しないからである。このCV測定の結果を図6に示す。
Figure 2007095657
図2および図3は、各非水電解液のイオン伝導度測定結果を示しており、横軸が測定温度、縦軸がイオン伝導度σである。この図2から分かるように、非水電解液のイオン伝導度は、実施例1〜6の非水電解液においては、含有している分岐型ポリエーテル骨格を有する化合物の構造に依存しており、特に化合物4a(実施例1)および化合物4b(実施例2)を用いた非水電解液のイオン伝導度が高い。なお、実施例1〜6の非水電解液のイオン伝導度は、室温では、10−5〜10−1mS・cm−1で、テトラグライムを用いた比較例1の非水電解液の1.8mS・cm−1よりは低いものの、PEOを用いた比較例2の非水電解液(室温下では絶縁体、70℃では1.2×10−6mS・cm−1)よりも高い。
また、図3は、実施例7の非水電解液のイオン伝導度測定結果であるが、この図3から分かるように、実施例7の非水電解液では、室温でのイオン伝導度が約3.2×10−1mS・cm−1で比較的高い。ちなみに、DECを用いた非水電解液では、室温のイオン伝導度は、3mS・cm−1である。
図4は、実施例1の非水電解液のCV曲線であり、横軸が電圧、縦軸が電流値である。図4から分かるように、分岐型ポリエーテル骨格を有する化合物4aを用いた実施例1の非水電解液では、SUS板表面でのリチウム金属の析出と溶出が可逆的に行われており、この非水電解液を用いてのリチウムの吸蔵・放出が可能であることを示している。また、5Vでの電流値が小さく、4V以上の高電圧の領域での酸化電流ピークが観察されず、耐酸化性に優れていることが分かる。
図5は、実施例7の非水電解液について、SUS板を正極に用いたモデルセルでの測定により得られたCV曲線であるが、この図5から分かるように、分岐型ポリエーテル骨格を有する化合物7を用いた実施例7の非水電解液でも、SUS板表面でのリチウム金属の析出と溶出が可逆的に行われており、この非水電解液を用いてのリチウムの吸蔵・放出が可能であることを示している。
そして、図6は、実施例7および比較例3の非水電解液について、白金板を正極に用いたモデルセルでの測定により得られたCV曲線であるが、この図6から分かるように、分岐型ポリエーテル骨格を有する化合物7を用いた実施例7の非水電解液は酸化開始電位が5.5V以上であり、比較的耐酸化性が良好であることが知られているDECを用いた比較例3の非水電解液の4.5Vよりも、耐酸化性が大幅に向上している。また、実施例7の非水電解液では、6Vでの電流値も小さく、4V以上の高電圧領域での酸化電流ピークも観察されないことから、耐酸化性が非常に優れていることが分かる。
なお、表1には、実施例1〜7および比較例1〜3の非水電解液のCV測定(正極にSUS板を用いた場合)による5Vでの電流値および酸化開始電位を示している。5Vでの電流値が小さく、また、酸化開始電位が高いほど、非水電解液の耐酸化性が良好であることを意味しているが、実施例1〜7の非水電解液では、テトラグライムを用いた比較例1の非水電解液およびDECを用いた比較例3の非水電解液に比べて、5Vでの電流値が低く、また、酸化開始電位も高い。
よって、図4〜6および表1に示す結果から、実施例1〜7の非水電解液は、高沸点で、且つ高イオン伝導度と良好な耐酸化性を兼ね備えており、高い安全性と良好な電池特性を有する非水電解液二次電池を構成し得るものであることが分かる。
実験2[リチウム金属負極を有する非水電解液二次電池の作製]
実施例8
<非水電解液二次電池の作製>
92質量部のLiCoOと、5質量部の鱗片状黒鉛を混合し、この混合物に、3質量部分のポリフッ化ビニリデンをN−メチル−2−ピロリドンに溶解させた溶液を加えて混合し、正極合剤含有スラリーを得た。この正極合剤含有スラリーを、厚みが15μmのアルミニウム箔からなる正極集電体の片面に均一に塗布して乾燥させ、その後φ=12mmの円形に切断して正極を得た。正極における正極活物質量は、約13mg/cmであった。
負極には、厚みが200μmのリチウム金属箔を用い、これをφ=13mmの円形に切断し、ステンレス鋼(SUS)板状に貼り付けて負極とした。
厚みが20μmの微孔性ポリエチレンセパレータ(空隙率49%)を、φ=15mmの円形に切断して、セパレータに用いた。実施例1の非水電解液に、更に10質量%のエチレンカーボネートと、20質量%のジエチルカーボネートを混合して、電池作製用の非水電解液を調製し、この非水電解液を浸み込ませた上記セパレータを介して、上記の正極と負極を重ね、これを宝泉社製のHSセルに組み込んだ。その後、HSセル内に、電池作製用の上記非水電解液を注入して非水電解液二次電池を作製した。なお、作製した電池は、4.3Vまで充電したときの設計容量を2.27mAhとした。
実施例9〜14、比較例4
実施例1の非水電解液に代えて、実施例2の非水電解液(実施例9)、実施例3の非水電解液(実施例10)、実施例4の非水電解液(実施例11)、実施例5の非水電解液(実施例12)、実施例6の非水電解液(実施例13)、実施例7の非水電解液(実施例14)および比較例1の非水電解液(比較例4)を用い、これらの非水電解液に10質量%のエチレンカーボネートと、20質量%のジエチルカーボネートを混合して、電池作製用の非水電解液を調製して使用した他は、実施例8と同様にして非水電解液二次電池を作製した。
実施例15
実施例1の非水電解液に変えて、化合物7、エチレンカーボネート(EC)およびDECを質量比で40:20:40で混合してなる混合溶媒に、LiPFを1.0mol/lの濃度で溶解させて調製した非水電解液を用いた以外は、実施例8と同様にして非水電解液二次電池を作製した。
比較例5
比較例2の非水電解液のアセトン溶液を調製し、該溶液を、実施例8で使用したものと同じセパレータに浸み込ませた後乾燥させる操作を3回繰り返して、比較例2の非水電解液を含有するセパレータを作製した。この非水電解液を含有するセパレータを、セパレータおよび非水電解液の代わりに用いた他は、実施例8と同様にして非水電解液二次電池を作製した。
比較例6
実施例8の非水電解液に変えて、ECとDECとを体積比で30:70で混合してなる混合溶媒に、LiPFを1.0mol/lの濃度で溶解させて調製した非水電解液を用いた以外は、実施例8と同様にして非水電解液二次電池を作製した。この比較例6の電池は、従来公知の非水電解液二次電池に相当する。
実施例8〜15および比較例4〜6の非水電解液二次電池について、下記の電池特性を評価した。上記の各非水電解二次電池を20℃(ただし、比較例5の電池については70℃)において0.5mAの定電流で4.3Vになるまで充電し、更に4.3Vの定電圧で、充電の電流値が0.05mAになるまで充電し、充電容量を測定した。その後、電流を0.25mAとして3Vまで放電し、その際の放電容量を測定した。また、充電容量に対する放電容量の比率である充放電効率(%)についても求めた。結果を表2に示す。
Figure 2007095657
表2から分かるように、実施例8〜15の非水電解液二次電池は、比較例4および5の非水電解液二次電池に比べて、充電容量、充放電効率共に優れており、従来公知の非水電解液二次電池に相当する比較例6の電池と比べても遜色のない良好な電池特性を有している。このように、実施例8〜15の非水電解液二次電池は、従来の非水電解液二次電池に使用されている非水電解液に比べて耐酸化性に優れた非水電解液(上記実施例の各非水電解液)を使用しており、このような非水電解液の使用によっても、従来公知の電池特性の優れた非水電解液二次電池(比較例6の非水電解液二次電池)に匹敵する電池特性を保持できている。
実験3[炭素材料負極を有する非水電解液二次電池の作製]
実施例16〜22、比較例7
負極に、下記のようにして作製した負極を用い、非水電解液には、表3に示す組成の溶媒に、LiPFを1.0mol/lの濃度で溶解させて調製したものを用いた以外は、実施例8と同様にして非水電解液二次電池を作製した。
負極活物質には、次のようにして合成した高結晶の人造黒鉛を用いた。コークス粉末100質量部、タールピッチ40質量部、炭化ケイ素14質量部およびコールタール20質量部を、空気中において200℃で混合した後に粉砕し、窒素雰囲気中において1000℃で熱処理し、更に窒素雰囲気中において3000℃で熱処理して黒鉛化させて人造黒鉛とした。得られた人造黒鉛のBET比表面積は4.0m/gで、X線回折法によって測定される(002)面の面間隔d002は0.336nm、c軸方向の結晶子の大きさLcは48nm、全細孔容積は1×10−3/kgであった。
上記人造黒鉛と、バインダーであるスチレンブタジエンラバーと、増粘剤であるカルボキシメチルセルロースとを、質量比98:1:1の割合で混合し、更に水を加えて混合して負極合剤含有ぺーストとした。この負極合剤含有ぺーストを、厚さ10μmの銅箔からなる負極集電体の両面に均一に塗布して乾燥し、その後、ロールプレス機により圧縮成形して作製した。負極における活物質量は、約7mg/cmであった。
実施例16〜22および比較例7の非水電解液二次電池について、下記の電池特性を評価した。上記の各非水電解二次電池を20℃において0.5mAの定電流で4.2Vになるまで充電し、更に4.2Vの定電圧で、充電の電流値が0.05mAになるまで充電し、充電容量を測定した。その後、電流を0.5mAとして3Vまで放電し、その際の放電容量を測定した。また、充電容量に対する放電容量の比率である充放電効率(%)についても求めた。放電容量および充放電効率の測定結果を表3に併記する。
Figure 2007095657
なお、表3中の「VC」は、ビニレンカーボネートを意味している。
表3から分かるように、化合物7を用いて調製した非水電解液を有する実施例16〜22の非水電解液二次電池(炭素材料負極を有する電池)では、リチウム金属負極を有する実施例8〜15の非水電解液二次電池と同様に、従来公知の非水電解液二次電池に相当する比較例7の電池に比べても、遜色のない良好な電池特性を有している。また、炭素材料負極を用いたこれら実施例16〜22の電池においては、化合物7と共に、環状カーボネート(ECおよび/またはVC)を用いて調製した非水電解液を使用することで、電池特性を更に高め得ることも分かる。
分岐型ポリエーテル骨格を有する化合物の分子構造の一例を示す模式図である。 実施例1〜6および比較例1、2の非水電解液のイオン伝導度測定結果を示すグラフである。 実施例7の非水電解液のイオン伝導度測定結果を示すグラフである。 実施例1の非水電解液のCV曲線である。 実施例7の非水電解液のCV曲線である。 実施例7および比較例3の非水電解液のCV曲線である。

Claims (11)

  1. 少なくとも、分岐型ポリエーテル骨格を有する化合物と、電解質塩とを含有することを特徴とする非水電解液。
  2. 上記分岐型ポリエーテル骨格を有する化合物は、下記一般式(1)で表されるエーテル結合を分子内に有するものである請求項1に記載の非水電解液。
    Figure 2007095657
    [上記一般式(1)中、Rはフッ素基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキレンであり、R’はフッ素基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基であり、mは1〜10の整数を表す。]
  3. 上記分岐型ポリエーテル骨格を有する化合物が、下記一般式(2)で表されるオリゴエチレンオキシド誘導体である請求項1または2に記載の非水電解液。
    Figure 2007095657
    [上記一般式(2)中、Rは炭素数が1〜5の炭化水素基、Rはエステル結合を含んでいても良い炭素数1〜10のアルキル基であり、nは2以上の整数、oおよびpは1以上の整数を表す。]
  4. 上記分岐型ポリエーテル骨格を有する化合物が、下記一般式(3)または(4)で表されるカーボネート化合物である請求項1または2に記載の非水電解液。
    Figure 2007095657
    [上記一般式(3)中、R、R、R、およびRは、それぞれ異なっていてもよいアルキル基を表し、qおよびrは1以上の整数を表す。]
    Figure 2007095657
    [上記一般式(4)中、R、R、R、R10、R11、R12、R13、およびR14は、それぞれ異なっていてもよいアルキル基を表し、sおよびtは1以上の整数を表す。]
  5. 上記分岐型ポリエーテル骨格を有する化合物が、上記一般式(3)で表されるカーボネート化合物であり、上記R、R、R、およびRのうち少なくとも1つがメチル基である請求項4に記載の非水電解液。
  6. 上記R、R、R、およびRの全てがメチル基である請求項5に記載の非水電解液。
  7. 上記電解質塩は、リチウム塩である請求項1〜6のいずれかに記載の非水電解液。
  8. 環状カーボネートおよび/または鎖状カーボネートを更に含有する請求項1〜7のいずれかに記載の非水電解液。
  9. 環状カーボネートとして、エチレンカーボネートおよび/またはビニレンカーボネートを含有する請求項8に記載の非水電解液。
  10. 正極、負極、セパレータ、および請求項1〜9のいずれかに記載の非水電解液を有することを特徴とする非水電解液二次電池。
  11. 上記正極および上記負極は、リチウムを吸蔵・放出可能な活物質を含有するものである請求項10に記載の非水電解液二次電池。
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