JP2007081135A - 電解コンデンサの駆動用電解液 - Google Patents
電解コンデンサの駆動用電解液 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2007081135A JP2007081135A JP2005267110A JP2005267110A JP2007081135A JP 2007081135 A JP2007081135 A JP 2007081135A JP 2005267110 A JP2005267110 A JP 2005267110A JP 2005267110 A JP2005267110 A JP 2005267110A JP 2007081135 A JP2007081135 A JP 2007081135A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- acid
- electrolyte
- electrolytic solution
- electrolytic capacitor
- driving
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Electric Double-Layer Capacitors Or The Like (AREA)
Abstract
Description
本発明は、電解コンデンサの駆動用電解液(以下、電解液と称す)の改良に関するものであり、特に耐電圧を改善した電解液に関するものである。
従来、中高圧用アルミニウム電解コンデンサ用の電解液は、エチレングリコール等の溶媒に、高級二塩基酸またはそのアンモニウム塩、ホウ酸またはそのアンモニウム塩、マンニトール等の多価アルコール類を配合したものが用いられている。この種の電解液において、ホウ酸と多価アルコール類とはエステル化合物を形成し、その構造的な特性により電解液の耐電圧が向上することが知られている。さらに合成高分子であるポリビニルアルコールを配合することも提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
特公平7−48459号公報(第1−4頁)
特公平7−48460号公報(第1−3頁)
特公平7−63047号公報(第1−4頁)
しかしながら、炭素数が6程度のマンニトール、ソルビトール等は添加量を増加させても電解液の耐電圧の向上が緩慢であるため、耐電圧を大幅に向上させるには、大量に添加する必要があり、その結果、比抵抗の顕著な上昇を伴うという問題点がある。
一方、ポリビニルアルコールはマンニトールより少量の添加で電解液の耐電圧向上が図れるが、エチレングリコールを主成分とする溶媒に対して溶解性が著しく低いため多量に添加ができない。また、電解液を調製するのに長時間の加熱と攪拌とを必要とするため、調合に多大な手間がかかるという問題がある。
さらに、多価アルコール類は、主溶質である高級二塩基酸ともエステル反応を起こすことがあるため、電解液自身の特性変化が大きくなるという問題があった。
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、低比抵抗化および耐電圧の上昇の双方を図ることができる電解コンデンサ用の駆動用電解液を提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するため各種検討した結果、見出されたものであり、フェルラ酸がカルボニル基を有することに着目し、この構造により電解液と電極箔との化学反応を抑制し、耐電圧の上昇を図ろうとするものである。
すなわち、本発明に係る電解コンデンサ用の駆動用電解液では、エチレングリコールを主成分とする溶媒に、少なくとも、カルボン酸またはその塩と、以下の化学式で示されるフェルラ酸とを配合したことを特徴とする。
本発明において、フェルラ酸の配合量は、電解液全体に対して0.1〜5.0wt%であることが好ましい。
本発明において、カルボン酸の例として、ギ酸、酢酸、ラウリン酸、ステアリン酸、デカン酸、安息香酸、サリチル酸、マレイン酸、フタル酸、フマル酸、コハク酸、グルタル酸、アゼライン酸、セバシン酸、2−メチルアゼライン酸、1,6−デカンジカルボン酸、5,6−デカンジカルボン酸、7−ビニルヘキサデセン−1,16−ジカルボン酸が挙げられる。
カルボン酸の塩としては、アンモニウム塩の他、メチルアミン、エチルアミン、t−ブチルアミン等の一級アミン塩、ジメチルアミン、エチルメチルアミン、ジエチルアミン等の二級アミン塩、トリメチルアミン、ジエチルメチルアミン、エチルジメチルアミン、トリエチルアミン等の三級アミン塩、テトラメチルアンモニウム、トリエチルメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム等の四級アンモニウム塩、イミダゾリニウム塩等の溶融塩を例示することができる。
エチレングリコールに混合する副溶媒としては、プロピレングリコール等のグリコール類、γ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン等のラクトン類、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−エチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−エチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホリックアミド等のアミド類、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、イソブチレンカーボネート等の炭酸類、アセトニトリル等のニトリル類、ジメチルスルホキシド等のオキシド類、エーテル類、ケトン類、エステル類、スルホラン、スルホラン誘導体、水等を例示することができる。これらの溶媒は一種類だけでなく、二種類以上を混合して使用することもできる。
上記の電解液には、漏れ電流の低減、耐電圧向上、ガス吸収等の目的で種々の添加剤を加えることができる。添加剤の例として、リン酸化合物、ホウ酸化合物、多価アルコール類、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールのランダム共重合体およびブロック共重合体に代表される高分子化合物、ニトロ化合物等が挙げられる。
本発明に係る電解液を用いて電解コンデンサを構成すると、フェルラ酸の少量の添加で、電解液と電極箔との化学反応が抑えられるため、電解液の低比抵抗化および耐電圧の向上を図ることができる。その理由は、フェルラ酸のカルボニル基部分が電解液中でアルミニウム電極箔の酸化皮膜と反応し、耐水性の皮膜を形成するためと考えられる。
また、フェルラ酸は、エチレングリコールを主成分とする溶媒に対して溶解性が高く、主溶質のカルボン酸とのエステル化反応が少ないことから、高温雰囲気下での比抵抗の経時的な増大を防止することができる。
また、フェルラ酸は、エチレングリコールを主成分とする溶媒に対して溶解性が高く、主溶質のカルボン酸とのエステル化反応が少ないことから、高温雰囲気下での比抵抗の経時的な増大を防止することができる。
以下、本発明を実施例に基づきより具体的に説明する。まず、表1および表2に示す組成で電解液を調合し、30℃における電解液の比抵抗と85℃における火花発生電圧(電解液の耐電圧)を測定した。その結果を表1および表2に示す。
表1および表2より、フェルラ酸を溶解した実施例に係る電解液は、従来例に係る電解液より比抵抗が低く、耐電圧が向上していることが分かる。ここで、フェルラ酸の配合量が電解液全体に対して0.1wt%未満(実施例1)では、耐電圧向上の効果が十分でなく、5.0wt%を超えると(実施例5)、比抵抗の上昇が大きくなるため好ましくない。よって、フェルラ酸の配合量は、電解液全体に対して0.1〜5.0wt%の範囲が好ましい。
なお、本発明は実施例に限定されるものではなく、先に例示した各種溶質を単独または複数溶解した電解液や、その他の特性改善を目的とした添加剤を加えた電解液、副溶媒を混合した電解液でも実施例と同等の効果があった。
Claims (2)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005267110A JP2007081135A (ja) | 2005-09-14 | 2005-09-14 | 電解コンデンサの駆動用電解液 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005267110A JP2007081135A (ja) | 2005-09-14 | 2005-09-14 | 電解コンデンサの駆動用電解液 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007081135A true JP2007081135A (ja) | 2007-03-29 |
Family
ID=37941110
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005267110A Pending JP2007081135A (ja) | 2005-09-14 | 2005-09-14 | 電解コンデンサの駆動用電解液 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2007081135A (ja) |
-
2005
- 2005-09-14 JP JP2005267110A patent/JP2007081135A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4637685B2 (ja) | 電解コンデンサの駆動用電解液 | |
JP4307093B2 (ja) | 電解コンデンサの駆動用電解液 | |
JP4541230B2 (ja) | 電解コンデンサの駆動用電解液 | |
JP2007081135A (ja) | 電解コンデンサの駆動用電解液 | |
JP4641458B2 (ja) | 電解コンデンサの駆動用電解液 | |
JP4555164B2 (ja) | 電解コンデンサの駆動用電解液 | |
JP4404761B2 (ja) | 電解コンデンサの駆動用電解液 | |
JP2006339202A (ja) | 電解コンデンサの駆動用電解液 | |
JP4520286B2 (ja) | 電解コンデンサの駆動用電解液 | |
JP4589148B2 (ja) | 電解コンデンサの駆動用電解液 | |
JP4523834B2 (ja) | 電解コンデンサの駆動用電解液 | |
JP4641455B2 (ja) | 電解コンデンサの駆動用電解液 | |
JP4555158B2 (ja) | 電解コンデンサの駆動用電解液および電解コンデンサ | |
JP4441400B2 (ja) | 電解コンデンサの駆動用電解液 | |
JP2006186217A (ja) | アルミニウム電解コンデンサの駆動用電解液 | |
JP4637701B2 (ja) | 電解コンデンサの駆動用電解液 | |
JP4555152B2 (ja) | 電解コンデンサの駆動用電解液 | |
JP2006186208A (ja) | 電解コンデンサの駆動用電解液 | |
JP4150249B2 (ja) | 電解コンデンサの駆動用電解液 | |
JP4405905B2 (ja) | アルミニウム電解コンデンサの駆動用電解液 | |
JP2004128275A (ja) | 電解コンデンサの駆動用電解液及び電解コンデンサ | |
JP4136669B2 (ja) | 電解コンデンサの駆動用電解液 | |
JP2008300689A (ja) | 電解コンデンサの駆動用電解液 | |
JP4090907B2 (ja) | 電解コンデンサの駆動用電解液 | |
JP2005045089A (ja) | 電解コンデンサの駆動用電解液 |