JP2008300689A - 電解コンデンサの駆動用電解液 - Google Patents
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Abstract
【課題】比抵抗の上昇を抑制しながら、かつ、火花発生電圧(電解液の耐電圧)の向上を図ることができる電解コンデンサの駆動用電解液を提供する。
【解決手段】エチレングリコールを主溶媒とする溶媒に、少なくとも、高級二塩基酸またはその塩と、ホウ酸またはそのアンモニウム塩と、ウンデカノイックγ−ラクトンとが配合されていることを特徴とし、
さらに、上記ウンデカノイックγ−ラクトンの配合量が、電解液全体に対して0.5〜2.0wt%であることを特徴とする。
【選択図】なし
【解決手段】エチレングリコールを主溶媒とする溶媒に、少なくとも、高級二塩基酸またはその塩と、ホウ酸またはそのアンモニウム塩と、ウンデカノイックγ−ラクトンとが配合されていることを特徴とし、
さらに、上記ウンデカノイックγ−ラクトンの配合量が、電解液全体に対して0.5〜2.0wt%であることを特徴とする。
【選択図】なし
Description
本発明は、電解コンデンサの駆動用電解液(以下、電解液と称す)の改良に関するものであり、特に耐電圧を改善した駆動用電解液に関するものである。
従来、中高圧用アルミニウム電解コンデンサの電解液には、エチレングリコール等を主溶媒とし、高級二塩基酸またはそのアンモニウム塩とホウ酸またはそのアンモニウム塩を溶解し、電解液の耐電圧を上昇させるためマンニトール、ソルビトール等の多価アルコールを添加した電解液が用いられている(例えば、特許文献1〜3参照)。
特公平7−48459号公報(第1−4頁)
特公平7−48460号公報(第1−3頁)
特公平7−63047号公報(第1−4頁)
しかしながら、マンニトール、ソルビトール等の多価アルコールは、添加量に対する耐電圧の向上が緩慢であり、また多価アルコールを多量に添加すると、高級二塩基酸およびホウ酸とエステル化反応をするため、比抵抗が著しく上昇するという問題がある。
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、比抵抗が低く、かつ、耐電圧の高い駆動用電解液を提供することにある。
本願発明者は、上記課題を解決するために種々検討を行った結果、多価アルコールと比較してウンデカノイックγ−ラクトンが電極箔への吸着性が高いという新たな知見を得、本発明は、かかる知見に基づいて、その特性を駆動用電解液に適用することにより、課題の解決を図ったものである。
すなわち、本発明に係る電解液では、エチレングリコールを主成分とする溶媒に、少なくとも、高級二塩基酸またはその塩と、ホウ酸またはそのアンモニウム塩と、以下の化学式で示されるウンデカノイックγ−ラクトンとを配合したことを特徴とする。
本発明において、前記ウンデカノイックγ−ラクトンの配合量が、電解液全体に対して0.5〜2.0wt%であることが好ましい。
本発明において、高級二塩基酸としては、アゼライン酸、セバシン酸、安息香酸、1,6−デカンジカルボン酸、5,6−デカンジカルボン酸、7−ビニルヘキサデセン−1,16−ジカルボン酸等を挙げることができる。
高級二塩基酸の塩としては、メチルアミン、エチルアミン、t−ブチルアミン等の一級アミン塩、ジメチルアミン、エチルメチルアミン、ジエチルアミン等の二級アミン塩、トリメチルアミン、ジエチルメチルアミン、エチルジメチルアミン、トリエチルアミン等の三級アミン塩、テトラメチルアンモニウム、トリエチルメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム等の四級アンモニウム塩等を挙げることができる。
エチレングリコールに混合する副溶媒としては、プロピレングリコール等のグリコール類、γ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン等のラクトン類、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−エチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−エチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホリックアミド等のアミド類、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、イソブチレンカーボネート等の炭酸類、アセトニトリル等のニトリル類、ジメチルスルホキシド等のオキシド類、エーテル類、ケトン類、エステル類、スルホラン、スルホラン誘導体、水等を例示することができる。これらの溶媒は一種類だけでなく、二種類以上を混合して使用することもできる。
さらに、上記の電解液には、漏れ電流の低減、耐電圧向上、ガス吸収等の目的で種々の添加剤を加えることができる。添加剤の例として、リン酸化合物、ホウ酸化合物、多価アルコール類、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールのランダム共重合体およびブロック共重合体に代表される高分子化合物、ニトロ化合物等が挙げられる。
本発明では、エチレングリコールを主成分とする溶媒に、高級二塩基酸、ホウ酸またはそれらの塩を配合した電解液にウンデカノイックγ−ラクトンを添加したため、比抵抗が低く、かつ、耐電圧の高い電解液を実現することができる。
また、エチレングリコールを主成分とする溶媒に、高級二塩基酸またはその塩と、ホウ酸またはそのアンモニウム塩を溶質とし、ウンデカノイックγ−ラクトンを添加することで、ウンデカノイックγ−ラクトンと、高級二塩基酸、ホウ酸とのエステル化反応による生成物は、電解液中のイオンの移動を妨げず、電解液の比抵抗上昇を抑制しながら耐電圧を向上させることができる。
さらに、ウンデカノイックγ−ラクトンは、電極箔に対する高い吸着性を有するため、電極箔上にて効率良く高級二塩基酸、ホウ酸とのエステル化反応を行うことができ、少量の添加で耐電圧を向上させることができる。
さらに、ウンデカノイックγ−ラクトンは、電極箔に対する高い吸着性を有するため、電極箔上にて効率良く高級二塩基酸、ホウ酸とのエステル化反応を行うことができ、少量の添加で耐電圧を向上させることができる。
以下、本発明の実施例を具体的に説明する。表1および表2に示す組成で電解液を調合し、30℃における比抵抗と85℃における火花発生電圧(電解液の耐電圧)を測定した。その結果を表1および表2に示す。
表1および表2より、マンニトールを添加した従来例と比較して、本発明である実施例1〜17は、比抵抗上昇を抑制しながら、耐電圧の向上が図られていることが分かる。
ただし、ウンデカノイックγ−ラクトンの添加量が0.5wt%未満では、耐電圧の向上が確認できず(実施例1)、また、添加量2.0wt%を超えると比抵抗上昇が著しく、低比抵抗の用途に不向きとなる(実施例5)。
以上のことより、ウンデカノイックγ−ラクトンの添加量は、0.5〜2.0wt%の範囲が好ましいと言える。
ただし、ウンデカノイックγ−ラクトンの添加量が0.5wt%未満では、耐電圧の向上が確認できず(実施例1)、また、添加量2.0wt%を超えると比抵抗上昇が著しく、低比抵抗の用途に不向きとなる(実施例5)。
以上のことより、ウンデカノイックγ−ラクトンの添加量は、0.5〜2.0wt%の範囲が好ましいと言える。
なお、本発明の効果は、実施例に限定されるものではなく、先に記載した各種化合物を単独または複数溶解した電解液や、その他添加剤を加えた電解液、副溶媒を混合した電解液に用いても実施例と同等の効果があった。
Claims (2)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007146050A JP2008300689A (ja) | 2007-05-31 | 2007-05-31 | 電解コンデンサの駆動用電解液 |
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Publications (1)
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JP2007146050A Pending JP2008300689A (ja) | 2007-05-31 | 2007-05-31 | 電解コンデンサの駆動用電解液 |
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2007
- 2007-05-31 JP JP2007146050A patent/JP2008300689A/ja active Pending
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