JP2007078418A - 電流センサおよび電流検出方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】差動検出式の電流センサとして、集積チップCP1を、バスバー(被検出体)からなる平行な2本のラインBB1およびBB2に挟まれるかたちで配設する。詳しくは、同チップCP1は、2本のラインBB1およびBB2の間に設けられた段差空間Sへ、ラインBB2が表側に、またラインBB1が裏側に位置するように配設する。そうして、集積チップCP1に搭載された縦型ホール素子TH1およびTH2により、これら各ラインBB1、BB2に電流(各ラインとも同一方向の電流)が流れることに起因して発生する相反する方向の磁気ベクトルを各別に検出するようにする。
【選択図】 図1
Description
すなわち、このような電流センサにおいて、例えば被検出体であるバスバーBBに図15(a)に矢印にて示す方向へ電流が流れると、図15(b)に一点鎖線の矢印で示す方向、すなわち基板面(チップ表面)に平行な方向で、且つ、バスバーBBの表裏で相反する方向に磁気ベクトルが発生する。そこで、この電流センサにおいては、上記バスバーBBの表裏に配設された集積チップCP11およびCP12を通じて、こうした磁気ベクトルを各々電圧値(ホール電圧)として検出することにより、該検出される磁気ベクトル(電圧値)の差分値に基づいて、上記バスバーBBに流れる電流を検出(差動検出)するようにしている。そして、このように磁気ベクトルの差分値をとることで、外乱(外乱磁界)の影響が相殺(キャンセル)、除去され、上記被検出体(バスバーBB)に電流が流れることに起因した磁気(磁界)に対応する信号成分のみが抽出、検出されることになる。
さらにこの場合、請求項7に記載の発明によるように、前記被検出体を、前記平行な2本のラインからなるライン対を複数有して構成されるものとし、これらライン対の各々について前記差動増幅値を求め、該求められる各ライン対の差動増幅値についてその平均値を算出するとともに、該算出される平均値に基づいて前記被検出体に流れる電流を検出するように構成することが有効である。
・前記被検出体からなる2本のラインに、同一方向の電流を流し、前記集積チップを、これら2本のラインの間に設けられた段差空間へ、これら2本のラインの一方が表側に、他方が裏側に位置するように配設する方法。
あるいは請求項13に記載の発明によるように、
・前記被検出体からなる2本のラインに、同一方向の電流を流し、前記集積チップを、これら2本のラインの間へ、これら2本のラインに対して傾斜するように配設する方法。
といった方法を採用することで、上記請求項3あるいは請求項5に記載の発明と同様の効果が奏されるようにもなる。
以下、図1〜図4を参照して、この発明に係る電流センサおよび電流検出方法を具体化した第1の実施の形態について説明する。なお、図1は、このセンサの概略構成を示す斜視図、図2は、図1中のA視矢印側からみた正面図、図3は、図1中のC視矢印側からみた平面図、図4は、図1中のB視矢印側からみた側面図である。
すなわち、このような電流センサにおいて、例えば被検出体であるバスバーのラインBB1およびBB2に図1に矢印で示す方向(各ラインとも同一方向)へ電流が流れると、集積チップCP1の表裏に位置するラインBB2およびBB1によって、基板面(チップ表面)に平行な方向で、且つ、互いに異なる(相反する)方向の磁気ベクトルが、縦型ホール素子TH2およびTH1に対して付与される(図2中の一点鎖線矢印を参照)。そこで、この電流センサにおいては、上記縦型ホール素子TH1およびTH2を通じて、こうした磁気ベクトルを各々電圧値(ホール電圧)として検出することにより、これら各検出される磁気ベクトル(電圧値)の差動増幅値に基づいて、上記ラインBB1およびBB2により構成されるバスバーに流れる電流を検出(差動検出)するようにしている。そして、この実施の形態おいても、このように磁気ベクトルの差分値をとる(減算する)ことで、外乱(外乱磁界)の影響が相殺(キャンセル)、除去され、上記被検出体(バスバー)に電流が流れることに起因した磁気(磁界)に対応する信号成分のみが抽出、検出されることになる。
(1)差動検出式の電流センサとして、集積チップCP1を、バスバー(被検出体)からなる平行な2本のラインBB1およびBB2に挟まれるかたちで配設する。より詳しくは、同チップCP1は、上記2本のラインBB1およびBB2の間に設けられた段差空間Sへ、ラインBB2が表側(図2の上側)に、またラインBB1が裏側(図2の下側)に位置するように配設する。そうして、集積チップCP1に搭載された縦型ホール素子TH1およびTH2により、これら各ラインBB1、BB2に電流(同一方向の電流)が流れることに起因して発生する相反する方向の磁気ベクトル(図2中の一点鎖線矢印を参照)を各別に検出するようにした。これにより、ただ1つの集積チップCP1で、同チップCP1に搭載される2つの縦型ホール素子TH1およびTH2により各別に検出される磁気ベクトルの差分値に基づく電流検出(差動検出)を、より容易に行うことができるようになる。
次に、図6を参照して、この発明に係る電流センサおよび電流検出方法を具体化した第2の実施の形態について説明する。ただし、同図6に示されるように、この実施の形態に係るセンサも、基本的には、先の第1の実施の形態のセンサに準ずる構造を有しているため、この図6においては、図1〜図4中に示した要素と同一の要素に各々同一の符号を付し、ここでは主に、上記第1の実施の形態のセンサとの相違点のみについて説明する。なお、図6は、先の図2に対応する正面図である。
なお、上記各実施の形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・上記被検出体は、前述の棒状の導体に限られることなく任意であり、例えば検出対象の電流が小電流であれば、プリント基板上に配設された配線などを該被検出体として採用するようにしてもよい。
(イ)段差のない上記平行な2本のラインBB1およびBB2の隙間、すなわち図中の縦方向(上下方向)の空間へ、横型ホール素子YH1およびYH2を搭載した集積チップCP2を、縦(各ラインに垂直)にして差し込んだ構成。
あるいは図14に示されるように、
(ロ)段差のない上記平行な2本のラインBB1およびBB2の隙間、すなわち図中の横方向(左右方向)の空間へ、横型ホール素子YH1およびYH2を搭載した集積チップCP2を、横(各ラインに平行)にして差し込んだ構成。
等々の構成とすることができる。なお、上記図10〜図13は先の図1〜図4に対応する図面、図14は図11に対応する正面図である。
Claims (13)
- 被検出体に電流が流れることに起因して発生する相反する方向の磁気ベクトルを各別に検出する2つの磁気検出素子が少なくとも集積化された集積チップを備え、これら2つの磁気検出素子を通じて検出される相反する方向の磁気ベクトルの差分値に基づいて、前記被検出体に流れる電流を検出する電流センサであって、
前記集積チップは、前記被検出体からなる平行な2本のラインに挟まれるかたちで配設されてなり、前記2つの磁気検出素子は、これら各ラインに電流が流れることに起因して発生する相反する方向の磁気ベクトルを各別に検出する
ことを特徴とする電流センサ。 - 前記2つの磁気検出素子は共に、ホール効果に基づきウェハ面に平行な磁界成分を検出する縦型ホール素子であり、該縦型ホール素子の集積化された前記集積チップは、ホールICである
請求項1に記載の電流センサ。 - 前記被検出体からなる2本のラインは、同一方向の電流が流されるものであり、前記集積チップは、これら2本のラインの間に設けられた段差空間に、これら2本のラインの一方を表側に、他方を裏側に有する態様で、配設されてなる
請求項2に記載の電流センサ。 - 前記被検出体からなる2本のラインおよび前記2つの磁気検出素子が、前記集積チップの面方向に連続して配設されてなる
請求項3に記載の電流センサ。 - 前記被検出体からなる2本のラインは、同一方向の電流が流されるものであり、前記集積チップは、これら2本のラインの間に、これら2本のラインに対して傾斜して配設されてなる
請求項2に記載の電流センサ。 - 前記集積チップは、前記2つの磁気検出素子を通じて検出される各磁気ベクトルを電圧値として検出するものであって、前記磁気ベクトルの差分値は、これら磁気ベクトルの電圧値を差動増幅することによって得られる差動増幅値である
請求項1〜5のいずれか一項に記載の電流センサ。 - 前記被検出体は、前記平行な2本のラインからなるライン対を複数有して構成されるものであり、これらライン対の各々について前記差動増幅値を求め、該求められる各ライン対の差動増幅値についてその平均値を算出するとともに、該算出される平均値に基づいて前記被検出体に流れる電流を検出する
請求項6に記載の電流センサ。 - 前記被検出体からなる2本のラインは、同一の形状を有してなる
請求項1〜7のいずれか一項に記載の電流センサ。 - 前記被検出体は、棒状の導体、およびプリント基板上に配設された配線、のいずれか一方である
請求項1〜8のいずれか一項に記載の電流センサ。 - 被検出体に電流が流れることに起因して発生する相反する方向の磁気ベクトルを各別に検出する2つの磁気検出素子が少なくとも集積化された集積チップを用意し、これら2つの磁気検出素子を通じて検出される相反する方向の磁気ベクトルの差分値に基づいて、前記被検出体に流れる電流を検出する電流検出方法であって、
前記集積チップを、前記被検出体からなる平行な2本のラインに挟まれるように配設し、前記2つの磁気検出素子により、これら各ラインに電流が流れることに起因して発生する相反する方向の磁気ベクトルを各別に検出する
ことを特徴とする電流検出方法。 - 前記2つの磁気検出素子として、ホール効果に基づきウェハ面に平行な磁界成分を検出する縦型ホール素子を用い、該縦型ホール素子の集積化された前記集積チップとして、ホールICを用いる
請求項10に記載の電流検出方法。 - 前記被検出体からなる2本のラインに、同一方向の電流を流し、前記集積チップを、これら2本のラインの間に設けられた段差空間へ、これら2本のラインの一方が表側に、他方が裏側に位置するように配設する
請求項11に記載の電流検出方法。 - 前記被検出体からなる2本のラインに、同一方向の電流を流し、前記集積チップを、これら2本のラインの間へ、これら2本のラインに対して傾斜するように配設する
請求項11に記載の電流検出方法。
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