JP2007077291A - エポキシ樹脂組成物、および半導体装置 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物、および半導体装置 Download PDF

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Abstract

【課題】潜伏性硬化性および流動性が良好なエポキシ樹脂組成物、ならびに信頼性に優れた半導体装置を提供する。
【解決手段】下記一般式(1)で表される化合物、ZSi(OR) (Zは置換もしくは無置換の芳香族または複素環を有する有機基、あるいは置換もしくは無置換の脂肪族基を示す。Rは、炭素数1〜3の脂肪族基である。)で表されるシラン化合物および硬化促進剤を含むエポキシ樹脂組成物において、下記一般式(1)で表される化合物、シラン化合物および硬化促進剤は、減圧下で溶融混合されたものであることを特徴とする、エポキシ樹脂組成物。
Figure 2007077291

[式中、Xは有機基を表す。]
【選択図】なし

Description

本発明は、エポキシ樹脂組成物、および半導体装置に関するものである。
IC、LSI等の半導体素子を封止して半導体装置を得る方法としては、エポキシ樹脂組成物のトランスファー成形が、低コストで、大量生産に適しているという点で広く用いられている。また、エポキシ樹脂組成物において、エポキシ樹脂や、硬化剤であるフェノール樹脂などによる改良により、半導体装置としての特性や、信頼性の向上が図られている。
しかしながら、昨今の小型化、軽量化および高性能化されている電子機器の市場動向においては、半導体の高集積化も年々進んでおり、半導体装置の表面実装化も促進されている。これに伴い、半導体素子の封止に用いられるエポキシ樹脂組成物への要求特性は、益々厳しいものとなってきている。このため、従来からのエポキシ樹脂組成物では、解決できない(対応できない)問題も生じている。
近年、半導体素子の封止に用いられる材料には、これを用いた成形における生産効率の向上を目的とした速硬化性の向上と、半導体を封止した際の、半導体装置の耐熱性や信頼性の向上のため、樹脂による改良だけでなく、無機質の充填材を高充填しても損なわれることのない高流動性が求められるようになってきている。
電気・電子材料分野向けのエポキシ樹脂組成物には、硬化時における樹脂の硬化反応を促進する目的で、速硬化性に優れる第三ホスフィンとキノン類との付加反応物が、硬化促進剤として添加される(例えば、特許文献1参照。)。
ところで、かかる硬化促進剤は、硬化促進効果を示す温度領域が比較的低温にまで及ぶため、硬化反応の初期において、エポキシ樹脂の硬化反応がわずかずつであるが促進してしまい、この反応が原因となって、樹脂組成物が高分子量化する。かかる高分子量化は、樹脂粘度の向上を引き起こし、結果として、信頼性向上のために充填材を高充填した樹脂組成物においては、流動性の不足により成形不良などの問題を引き起こす。
また、流動性を向上させるべく、硬化性を抑制する成分を用いて、反応性の基質を保護する試みも、さまざまなものが取り組まれてきた。このような手段は潜伏化と呼ばれており、例えば、ホスホニウムイオンを強いアニオン性の化合物との塩とし、硬化促進剤の活性点をイオン対により保護することで、潜伏化された硬化促進剤が知られている(例えば、特許文献2〜3参照。)。しかし、このような塩類では、硬化反応の初期から終期まで、常に抑制成分が存在するために、硬化性と流動性は同時に向上することは難しく、満足のいくものではなかった。
一方、半導体装置の信頼性向上のために、エポキシ樹脂組成物から揮発分を低減し、硬化物中のボイド発生によるクラックの発生を抑止する取り組みもなされている。例えば、テトラ置換ホスホニウムテトラ置換ボレートと、硬化剤を予め減圧下で予備混合し、発生する揮発分を除く技術(例えば、特許文献4参照。)があるが、ここで用いられる硬化促進剤は、予備混合し反応させることで潜伏性が著しく悪化してしまう問題があった。
特開平10−25335号公報(第2頁) 特開2001−98053号公報(第5頁) 米国特許第4171420号明細書(第2−4頁) 特開2005−162942号公報(第2頁)
本発明の目的は、潜伏硬化性および流動性が良好なエポキシ樹脂組成物、ならびに信頼性に優れた半導体装置を提供することにある。
本発明者らは、前述したような問題点を解決すべく、鋭意検討を重ねた結果、特定のシラン化合物と、特定の水酸基を有する化合物と、さらに硬化促進剤とを溶融混合する際に、減圧下で是を行なうことで、潜伏硬化性に優れたエポキシ樹脂組成物を得ることができることを見出した。
さらに、本発明者らは、上記手法により得られたエポキシ樹脂組成物が、無機充填材を高充填した場合でも、高い流動性と良好な硬化性、および信頼性を発揮できるものであることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、下記(1)〜(5)の本発明により達成される。
(1) 下記一般式(1)で表される化合物、下記一般式(2)で表されるシラン化合物および硬化促進剤を含むエポキシ樹脂組成物において、下記一般式(1)で表される化合物、下記一般式(2)で表されるシラン化合物および硬化促進剤は、減圧下で溶融混合されたものであることを特徴とする、エポキシ樹脂組成物。
Figure 2007077291
[式中、Xは有機基を表す。]
Figure 2007077291
[式中、R1、R2、およびR3は、炭素数1〜3の脂肪族基であり、互いに同一でも異なっていてもよい。Zは置換もしくは無置換の芳香環または複素環を有する有機基、あるいは置換もしくは無置換の脂肪族基を示す。]
(2) 前記溶融混合は、100〜200℃の温度で加熱して行うものである、第(1)項に記載のエポキシ樹脂組成物。
(3) 前記溶融混合は、エポキシ樹脂の硬化剤を含んで行うものである、第(1)項または第(2)項に記載のエポキシ樹脂組成物。
(4) 前記一般式(1)で表される化合物と、一般式(2)で表されるシラン化合物とは、下記式を満たすモル比で混合されるものである、第(1)項乃至第(3)項のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
Mc≧Md×2
上記式中、Mcは一般式(1)で表される化合物のモル数で、Mdは一般式(2)で表される化合物のモル数を示す。
(5) 第(1)項〜第(4)項のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物の硬化物により電子部品を封止してなる半導体装置。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、優れた潜伏硬化性、流動性および保存性を両立したものであり、無機充填材を用いた場合でも良好な流動性を発揮することができる。
また、本発明の半導体装置は、耐半田クラック性および耐湿信頼性などの特性において信頼性に優れたものを得ることができる。
本発明は、一般式(1)で表される化合物、一般式(2)で表されるシラン化合物および硬化促進剤を含むエポキシ樹脂組成物であって、前記一般式(1)で表される化合物、下記一般式(2)で表されるシラン化合物および硬化促進剤は、減圧下で溶融混合されたものであることを特徴とし、これにより、エポキシ樹脂組成物は、潜伏硬化性を有し、優れた流動性や保存性を発現することができるものである。
加えて、前記エポキシ樹脂組成物を用いて、その硬化物により半導体を封止した場合に、ボイドの発生を低減することができ、その結果、信頼性に優れた半導体装置を得ることができる。
本発明に用いるエポキシ樹脂としては、1分子内にエポキシ基を2個以上有する化合物であれば、何ら制限はない。
前記エポキシ樹脂としては、具体的には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂および臭素化ビスフェノール型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂;、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂およびジヒドロキシベンゼン型エポキシ樹脂などのエポキシ樹脂;、多官能のフェノール化合物の水酸基にエピクロロヒドリンを反応させて製造するエポキシ化合物、オレフィンを過酸により酸化させエポキシ化したエポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂およびグリシジルアミン型エポキシ樹脂等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明に用いるエポキシ樹脂の硬化剤としては、1分子内にフェノール性水酸基を2個以上有する化合物を挙げることができるが、前記エポキシ樹脂の硬化剤として機能するものであれば限定されない。
前記1分子内にフェノール性水酸基を2個以上有する化合物としては、具体的には、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノール樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ビフェニルアラルキル樹脂、トリスフェノール樹脂、キシリレン変性ノボラック樹脂、テルペン変性ノボラック樹脂およびジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂などが挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明に用いる硬化促進剤としては、エポキシ樹脂の硬化反応を促進するものであれば、その形態や種類に制限はなく、具体的には、イミダゾール化合物、アミン化合物、ホスフィン化合物および双環式ジアザ化合物などの非塩類、アンモニウム塩化合物、ホスホニウム塩化合物およびスルホニウム塩化合物などのオニウム塩類、ホスホベタイン化合物などの分子内塩類、ならびにこれらにカプセル化、包接化、微粉砕化、ナノ分散化などの処理を施した形態などがあげられるが、これらのうちでも、オニウム塩類および分子内塩化合物を用いたときに、硬化性と潜伏性の際立った両立が見られるため、好ましい。
前記オニウム塩化合物および分子内塩類の硬化促進剤としては、具体的には、テトラフェニルホスホニウムクロライド、テトラフェニルホスホニウムブロマイド、テトラフェニルホスホニウムヨーダイド、トリメチルアンモニウムブロマイドおよびジフェニルスルホニウムブロマイドなどのオニウムハロゲン塩類;、2−(トリフェニルホスホニオ)フェノラートおよびトリフェニルホスフィンと1,4−ベンゾキノンとの付加物、2−(トリフェニルホスホニオ)フェノラート、3−(トリフェニルホスホニオ)フェノラートなどのホスホニウムベタイン類;、1−カルボキシル−N,N,N−トリメチルメタナミニウム分子内塩などのアンモニウムベタイン類;テトラフェニルホスホニウムとビスフェノールAなどのビスフェノール類とからなる分子化合物およびテトラブチルホスホニウムと2,3−ジヒドロキシナフタレンなどのジヒドロキシナフタレン類とからなる分子化合物などの分子化合物類;、トリフェニルホスフィンとフェノール化合物とから形成される4級ホスホニウム塩類などが挙げられる。
これらの内、特に、テトラフェニルホスホニウムとビスフェノール類との分子化合物およびテトラフェニルホスホニウムとジヒドロキシナフタレン類との分子化合物などの分子化合物類、トリフェニルホスフィンと1,4−ベンゾキノンとの付加物および2−(トリフェニルホスホニオ)フェノラートなどのホスホニウムベタイン類を使用した場合、エポキシ樹脂組成物は、極めて良好な硬化性と潜伏性を両立できるため、好ましい。
本発明に用いる一般式(1)で表される化合物は、前記式(1)におけるXとして、有機基を有するものである。Xの有機基としては、具体的には、エチレン基およびメチルエチレン基などの置換もしくは無置換の脂肪族基、フェニレン基およびナフタレン基などの置換もしくは無置換の芳香族基などが挙げられ、これらの中でも、特に、1,2−フェニレン基および2,3−ナフタレン基などの芳香族基が、形成される硬化遅延成分としての構造の安定性が高くなり、潜伏性に優れることとなるため、特に好ましい。なお、前記脂肪族基および芳香族基における置換基としては、メチル基、エチル基、ターシャリーブチル基、メトキシ基、エトキシ基および水酸基などが挙げられる。
このような一般式(1)で表される化合物としては、具体的に、1,2−ジヒドロキシベンゼン(o−カテコール)、4−メチル−o−カテコール、4−エチル−o−カテコール、4−ブロモ−o−カテコール、5−クロロ−o−カテコール、4−ニトロ−o−カテコール、4−ターシャリーブチル−o−カテコール、4−アミノメチル−o−カテコールおよび4−ヒドロキシメチル−o−カテコールなどのカテコール類、2,3−ジヒドロキシナフタレン、7−メチル−2,3−ジヒドロキシナフタレンおよび6−メチル−2,3−ジヒドロキシナフタレンなどのナフタレン化合物、ピロガロール、没食子酸および没食子酸メチルなどのピロガロール化合物などの、隣接水酸基を有する置換または無置換の芳香族類が、硬化遅延成分の生成反応が進みやすいので好ましい。中でも、2,3−ジヒドロキシナフタレンを用いた場合、硬化遅延成分の潜伏化効果がより良好になるために好ましい。
本発明に用いる一般式(2)で表されるシラン化合物は、前記式(2)におけるR1、R2、およびR3として、炭素数1〜3の脂肪族基を有するものであり、これらは互いに同一でも異なっていてもよく、また、Zとして、置換もしくは無置換の芳香環または複素環を有する有機基あるいは置換もしくは無置換の脂肪族基を有するものである。
前記R1、R2、およびR3としての炭素数1〜3の脂肪族基としては、メチル基、エチル基およびプロピル基などが挙げられる。
前記Zとしての置換もしくは無置換の芳香環または複素環を有する有機基あるいは置換もしくは無置換の脂肪族基としては、具体的には、フェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基およびナフタレン基などの置換もしくは無置換の芳香環を有する有機基、ピリジニル基などの置換もしくは無置換の複素環を有する有機基、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基およびヘキシル基などの置換もしくは無置換の脂肪族基、などが挙げられるが、これらの中でも、フェニル基およびヘキシル基などの炭素数4〜8の置換もしくは無置換の芳香環を有する有機基または置換もしくは無置換の脂肪族基が、キレート構造の安定性が高いため好ましい。なお、前記芳香環を有する有機基、複素環を有する有機基および脂肪族基における置換基としては、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、水酸基、アミノ基、チオール基およびグリシジルエーテル基などが挙げられる。
このような一般式(2)で表されるシラン化合物としては、具体的には、トリメトキシフェニルシラン、トリエトキシフェニルシラン、トリプロポキシフェニルシランおよびジメトキシエトキシフェニルシランなどの芳香族置換基を有するシラン類、トリメトキシヘキシルシランおよびジエトキシメトキシオクチルシランなどの脂肪族置換基を有するシラン類などが挙げられる。これらの中でも、前記一般式(2)におけるR1、R2およびR3がメチル基であり、Zがフェニル基などの芳香族基であるものが、潜伏化能力に優れるために好ましい。
本発明において、一般式(1)で表される化合物および一般式(2)で表されるシラン化合物の混合比は、所望する硬化の遅延程度に応じ、調整することができるが、下記式のモル比で混合されることがより好ましい。
Mc≧Md×2
上記式中、Mcは一般式(1)で表される化合物のモル数で、Mdは一般式(2)で表される化合物のモル数を示す。

上記の具体例としては、一般式(2)で表される化合物1モルに対し、一般式(1)で表されるシラン化合物2モル以上が好ましく、2〜6モルであることがより好ましい。前記混合比の範囲であると、硬化性と潜伏化作用のバランスが優れるものとなるが、一般式(1)で表されるシラン化合物が2モル未満である場合、一般式(2)で表されるシラン化合物の反応が溶融混合で十分に進行せず、成形時にボイドの原因となることがある。
本発明のエポキシ樹脂組成物において、これらの一般式(1)で表される化合物および一般式(2)で表されるシラン化合物の含有量(添加量)は、所望の潜伏化度合いに応じて、その添加量を調節することができる。具体的には、硬化促進剤成分1モルに対し、一般式(2)で表されるシラン化合物を0.1〜5モルの範囲で添加することが好ましく、0.5〜2モルの範囲で添加することがより好ましい。一般式(1)で表される化合物は一般式(2)で表されるシラン化合物の量に応じ、適切な混合比で添加することが好ましい。前記含有量(添加量)の範囲であると、硬化性と潜伏化作用のバランスに、より優れたものとなる。
本発明においては、少なくとも一般式(1)で表される化合物、一般式(2)で表されるシラン化合物、および硬化促進剤を、減圧条件下で溶融混合することで、これらの反応を行う。
ここで、減圧条件下としては、溶融混合時に、組成物中の気体分を吸引して系外に放出することができる程度の圧力雰囲気とすることであり、具体的には、0.8気圧以下の圧力で、気体分の吸引を実施した減圧状態が挙げられる。このような条件に保つためには、フラスコや反応釜などの、加熱と減圧が同時にできるバッチ式装置を用いる他に、気体分の吸引により減圧が可能な連続式の二軸混練機や加熱ニーダーなどが使用できる。減圧条件が0.8気圧を超えると、ボイドの原因となるアルコール類などの脱離成分を効率的に除去することができないことがある。
さらに、本発明では、減圧条件下に加え、系中を100〜200℃の加熱条件下におくことがより好ましい。このようにすることで、硬化抑制成分の形成を促すと共に、アルコール類などの脱離成分を気化させ、系外に除去することができる。
好適な加熱温度は使用する一般式(1)で表される化合物および一般式(2)で表されるシラン化合物により変化するが、少なくとも脱離するアルコールの、1気圧での沸点を上回る必要がある。例えば、一般式(2)で表されるシラン化合物におけるR1がブチル基であれば、脱離するアルコールはブタノールであるので、ブタノールの沸点である117℃を少なくとも超える条件である必要がある。また、加熱温度が200℃を超えると、形成した硬化抑制成分や、硬化促進剤が酸化や分解などの反応で変性し、硬化性に悪影響を与えることがある。
上記溶融混合を行うことにより、一般式(1)で表される化合物と、一般式(2)で表されるシラン化合物とが反応し、硬化遅延成分として働く、シリケート化合物を得ることができる。この反応により生成する成分の代表例は、下記式(3)で表される化合物である。
Figure 2007077291
[式中、X、Zは、一般式(1)で表される化合物および一般式(2)で表されるシラン化合物における有機基X、Zと同一である。]
前記式(3)で表される化合物は、それ自体を合成し、樹脂組成物に添加することも可能であるが、本発明における手法は、予め前記式(3)で表される化合物を合成する必要がないために、工数や製造コストを大幅に削減することができる。
本発明においては、さらに、上記溶融混合において、エポキシ樹脂の硬化剤の、全量、もしくは一部を同時に混合することができる。このようにすることで、形成した硬化抑制成分、硬化促進剤が均質に樹脂組成物に分散され、優れた硬化性を発揮することができる。
本発明において、溶融混合する際に、一般式(1)で表される化合物および一般式(2)で表されるシラン化合物の反応によりアルコールが発生するが、吸引した気相を冷却トラップ装置に通し、反応により発生したアルコール類を回収し、その重量を確認することで、反応が十分に進行しているか否かを確認することが出来る。発生するアルコールの量は、一般式(1)で表される化合物の式中のOR1〜OR3に由来するため、一般式(1)で表される化合物の添加量より算出することができる。好ましくは、このようにして算出した理論量の90%以上のアルコールが反応物より除去されていることが望ましい。この除去量が少なすぎると、成形時にボイドの発生する量が増大し、成形品の信頼性に悪影響を及ぼす。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、物理強度の向上や、耐熱性の向上などを目的として、無機充填材を添加することができる。
そのような無機充填材としては、例えば、溶融破砕シリカ、溶融シリカ、結晶シリカ、2次凝集シリカ、アルミナ、チタンホワイト、水酸化アルミニウム、タルク、クレーおよびガラス繊維等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物において、前記硬化促進剤の含有量(配合量)は、特に限定されないが、前記エポキシ樹脂と、その硬化剤、例えば、1分子内にフェノール性水酸基を2個以上有する化合物からなる樹脂成分に対して、0.01〜10重量%程度であるのが好ましく、0.1〜5重量%程度であるのが、より好ましい。
また、前記エポキシ樹脂と1分子内にフェノール性水酸基を2個以上有する化合物との配合比率も、特に限定されないが、前記エポキシ樹脂のエポキシ基1モルに対し、前記1分子内にフェノール性水酸基を2個以上有する化合物のフェノール性水酸基が0.5〜2モル程度となるように用いるのが好ましく、0.7〜1.5モル程度となるように用いるのが、より好ましい。これにより、エポキシ樹脂組成物の硬化物が、十分な強度を得ることができる。
また、無機充填材の含有量(配合量)は、特に限定されないが、前記エポキシ樹脂とその硬化剤からなる樹脂成分100重量部に対して、200〜2400重量部程度であるのが好ましく、400〜1400重量部程度であるのが、より好ましい。無機充填材の含有量が前記下限値未満の場合、無機充填材による補強効果が充分に発現しないおそれがあり、一方、無機充填材の含有量が前記上限値を超えた場合、エポキシ樹脂組成物の流動性が低下し、エポキシ樹脂組成物の成形時に、充填不良等が生じるおそれがある。本発明において、硬化促進剤と硬化遅延成分とにより流動性を優れたものに調整することにより、無機充填材の含有量を多くすることができ、その場合、無機充填材より得られる効果により、耐半田クラック性および耐湿信頼性などの特性の信頼性に優れた半導体装置を得ることができる。
また、無機充填材の含有量(配合量)は、前記エポキシ樹脂、前記その硬化剤や無機充填材自体の比重を、それぞれ考慮し、重量部を体積%に換算して取り扱うようにしてもよい。
また、本発明のエポキシ樹脂組成物中には、上記の他に、必要に応じて、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のカップリング剤、カーボンブラック等の着色剤、臭素化エポキシ樹脂および酸化アンチモン、リン化合物等の難燃剤、シリコーンオイルおよびシリコーンゴム等の低応力成分、天然ワックス、合成ワックス、高級脂肪酸もしくはその金属塩類およびパラフィン等の離型剤、酸化防止剤等の各種添加剤を配合するようにしてもよい。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、前述した減圧下で溶融混合したものを、冷却・粉砕した後に、エポキシ樹脂、その硬化剤、任意に無機充填材、および、必要に応じて、その他の添加剤等を、ミキサーを用いて混合して得られ、さらには、常温で混合したものを、熱ロールおよび加熱ニーダー等の混練機を用いて、加熱混練した後、冷却、粉砕することによっても得ることができる。
上記で得られたエポキシ樹脂組成物をモールド樹脂として用いて、トランスファーモールド、コンプレッションモールドおよびインジェクションモールド等の成形方法で硬化成形することにより、半導体素子等の電子部品を封止する。これにより、本発明の半導体装置が得られる。
本発明の半導体装置の形態としては、特に限定されないが、例えば、SIP(Single Inline Package)、HSIP(SIP with Heatsink)、ZIP(Zig−zag Inline Package)、DIP(Dual Inline Package)、SDIP(Shrink Dual Inline Package)、SOP(Small Outline Package)、SSOP(Shrink Small Outline Package)、TSOP(Thin Small Outline Package)、SOJ(Small Outline J−leaded Package)、QFP(Quad Flat Package)、QFP(FP)(QFP Fine Pitch)、TQFP(Thin Quad Flat Package)、QFJ(PLCC)(Quad Flat J−leaded Package)、BGA(Ball Grid Array)等が挙げられる。
このようにして得られた本発明の半導体装置は、耐半田クラック性および耐湿信頼性に優れる。
以上、本発明のエポキシ樹脂組成物および半導体装置の好適実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
まず、本発明の実施例および比較例に用いる硬化促進剤E1〜E3を以下のようにして合成した。
(化合物E1の合成)
撹拌装置付きのビーカー(容量:1000mL)に、テトラフェニルホスホニウムブロマイド25.2g(0.060mol)、ビスフェノールA27.4g(0.120mol)、およびメタノール200mLを仕込み、攪拌しながらよく溶解させた後、1mol/L水酸化ナトリウム水溶液60ml、および純水600mLを順次添加した。析出した粉末を純水で洗浄後、濾過・乾燥し、白色の粉末を得た。
この化合物をE1とした。化合物E1を、1H−NMR、マススペクトル、元素分析で分析した結果、下記式(5)で表される目的のホスホニウム分子化合物であることが確認された。得られた化合物E1の収率は、83%であった。
Figure 2007077291
(化合物E2の合成)
冷却管および撹拌装置付きのセパラブルフラスコ(容量:200mL)に、2−ブロモフェノール10.4g(0.060mol)、トリフェニルホスフィン17.3g(0.066mol)、塩化ニッケル0.65g(5mmol)およびエチレングリコール40mL仕込み、攪拌下160℃で加熱反応した。反応液を冷却後、純水40mLを滴下し、析出した粉末をトルエンで洗浄後、濾過・乾燥し、白色の粉末を得た。
次に、得られた粉末をメタノール100mlに溶解し、1mol/L水酸化ナトリウム水溶液60mlと、純水500mlを順次投入した。得られた結晶をろ過、洗浄し、淡黄色結晶12.7gを得た。
この化合物をE2とした。化合物E2を、1H−NMR、マススペクトル、元素分析で分析した結果、下記式(6)で表される目的のホスホベタインであることが確認された。得られた化合物E2の収率は、83%であった。
Figure 2007077291
(化合物E3の合成)
冷却管および撹拌装置付きのセパラブルフラスコ(容量:200mL)に、ベンゾキノン6.49g(0.060mol)、トリフェニルホスフィン17.3g(0.066mol)およびアセトン40mLを仕込み、攪拌下室温で反応した。析出した結晶をアセトンで洗浄後、濾過・乾燥し、褐色結晶20.0gを得た。
この化合物をE3とした。化合物E3を、1H−NMR、マススペクトル、元素分析で分析した結果、下記式(7)で表される目的のホスホベタインであることが確認された。得られた化合物E3の収率は、84%であった。
Figure 2007077291
次に、エポキシ樹脂硬化剤(B)、一般式(1)で表される化合物(C)、一般式(2)で表されるシラン化合物(D)、硬化促進剤(E)成分より必要な成分を選択して作成した溶融混合品である、反応物P1〜P7を、下記の様にして調整した。
[溶融混合物の調整]
(反応物P1の調整)
(C)成分として、カテコール44.0g(0.4mol)、(D)成分として、トリエトキシフェニルシラン24.0g(0.1mol)、(E)成分の硬化促進剤としてテトラメチルアンモニウムアセテート13.3g(0.1mol)、および、(B)成分の一部として、エポキシ樹脂硬化剤である、ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂(明和化成(株)製MEH−7851SS)100gを、常温常圧下でミキサー混合したのち、これをフラスコに投入し、120℃、0.5気圧の減圧条件で60分溶融混合した。溶融混合において、吸引した気相から13.4g(理論量の97%)のエタノールを回収できたことより、予想する反応が十分に進行していることが確認できた。これを冷却後粉砕し、得られた溶融混合物を、反応物P1とした。
(反応物P2の調整)
(C)成分として、4−ターシャリーブチル−o−カテコール33.2g(0.2mol)、(D)成分として、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン19.6g(0.1mol)、(E)成分としてテトラフェニルホスホニウムブロマイド41.9g(0.1mol)、および、(B)成分の一部として、エポキシ樹脂硬化剤である、フェノールアラルキル樹脂(三井化学(株)製XLC−LL)100gを、常温常圧下でミキサー混合したのち、これをフラスコに投入し、110℃0.5気圧の減圧条件で60分溶融混合した。溶融混合において、吸引した気相から9.3g(理論量の97%)のメタノールを回収できたことより、予想する反応が十分に進行していることが確認できた。これを冷却後粉砕し、得られた溶融混合物を、反応物P2とした。
(反応物P3の調整)
(C)成分として、2,3−ジヒドロキシナフタレン42.0g(0.3mol)、(D)成分としてトリメトキシフェニルシラン19.8g(0.1mol)、(E)成分の硬化促進剤として、前記化合物E1を79.0g(0.1mol)、および、(B)成分の一部として、エポキシ樹脂硬化剤である、ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂(明和化成(株)製MEH−7851SS)100gを、常温常圧下でミキサー混合したのち、これをフラスコに投入し、105℃0.4気圧の減圧条件で60分溶融混合した。溶融混合において、吸引した気相から9.3g(理論量の97%)のメタノールを回収できたことより、予想する反応が十分に進行していることが確認できた。これを冷却後粉砕し、得られた溶融混合物を、反応物P3とした。
(反応物P4の調整)
(C)成分として、2,3−ジヒドロキシナフタレン42.0g(0.3mol)、(D)成分として3−メルカプトプロピルトリメトキシラン19.6g(0.1mol)、(E)成分の硬化促進剤として、前記化合物E2を35.4g(0.1mol)、および、(B)成分の一部として、エポキシ樹脂硬化剤である、ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂(明和化成(株)製MEH−7851SS)100gを、常温常圧下でミキサー混合したのち、これをフラスコに投入し、105℃0.4気圧の減圧条件で60分溶融混合した。溶融混合において、吸引した気相から9.5g(理論量の99%)のメタノールを回収できたことより、予想する反応が十分に進行していることが確認できた。これを冷却後粉砕し、得られた溶融混合物を、反応物P4とした。
(反応物P5の調整)
(C)成分として、ピロガロール42.0g(0.3mol)、(D)成分として3−グリシジルプロピルトリエトキシラン27.8g(0.1mol)、(E)成分の硬化促進剤として、前記化合物E3を37.0g(0.1mol)を、常温常圧下でミキサー混合したのち、これをフラスコに投入し、170℃0.4気圧の減圧条件で90分溶融混合した。溶融混合において、吸引した気相から13.4g(理論量の97%)のエタノールを回収できたことより、予想する反応が十分に進行していることが確認できた。これを冷却後粉砕し、得られた溶融混合物を、反応物P5とした。
(反応物P6の調整)
フラスコ投入後の反応温度を120℃とし、減圧を行なわないことを除いては、反応物P1の調整と同様に配合、溶融混合した。これを冷却後粉砕し、得られた溶融混合物を、反応物P6とした。
(反応物P7の調整)
(C)成分として、2,3−ジヒドロキシナフタレン14.0g(0.1mol)を用い、加熱温度を130℃にしたほかは、反応物P3の調整と同様に配合し、溶融混合した。この反応物は、成分(C)と成分(D)の比率が、請求項3の関係を満たしていない。溶融混合において、吸引した気相から9.0g(理論量の90%)のメタノールを回収できたことより、予想する反応が十分に進行していることが確認できた。これを冷却後粉砕し、得られた溶融混合物を、反応物P7とした。
[エポキシ樹脂組成物の調製]
以下のようにして、上記で得た反応物P1〜P7を含むエポキシ樹脂組成物を調製した。
(実施例1〜6、比較例1〜3)
表1に示される配合比に従い、(A)成分のエポキシ樹脂である、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製NC−3000P)ないしビフェニル型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製YX−4000HK)、(B)成分の1分子内にフェノール性水酸基を2個以上有する化合物であるビフェニルアラルキル型フェノール樹脂(明和化成(株)製MEH−7851SS)ないしフェノールアラルキル樹脂(三井化学(株)製XLC−LL)、上記で得られた予備反応物P1〜P7、および無機充填材として溶融球状シリカを、まず室温で混合し、次いで、熱ロールを用いて95℃で8分間混練した後、冷却粉砕して、エポキシ樹脂組成物を得た。
Figure 2007077291
次に、このエポキシ樹脂組成物をモールド樹脂として用い、100ピンTQFPのパッケージ(半導体装置)を8個、および、16ピンDIPのパッケージ(半導体装置)を15個、それぞれ製造した。
100ピンTQFPは、金型温度175℃、注入圧力7.4MPa、硬化時間2分でトランスファーモールド成形し、175℃、8時間で後硬化させることにより製造した。
なお、この100ピンTQFPのパッケージサイズは、14×14mm、厚み1.4mm、シリコンチップ(半導体素子)サイズは、8.0×8.0mm、リードフレームは、42アロイ製とした。
また、16ピンDIPは、金型温度175℃、注入圧力6.8MPa、硬化時間2分でトランスファーモールド成形し、175℃、8時間で後硬化させることにより製造した。
なお、この16ピンDIPのパッケージサイズは、6.4×19.8mm、厚み3.5mm、シリコンチップ(半導体素子)サイズは、3.5×3.5mm、リードフレームは、42アロイ製とした。
[半導体装置の特性評価]
実施例1〜6および比較例1〜3で得られた半導体装置の特性評価(1)〜(4)を、それぞれ、以下のようにして行った。
(1):スパイラルフロー
EMMI−I−66に準じたスパイラルフロー測定用の金型を用い、金型温度175℃、注入圧力6.8MPa、硬化時間2分で測定した。
このスパイラルフローは、流動性のパラメータであり、数値が大きい程、流動性が良好であることを示す。
(2):硬化トルク
キュラストメーター(オリエンテック(株)製、JSRキュラストメーターIV PS型)を用い、175℃、45秒後のトルクを測定した。
この硬化トルクは、数値が大きい程、硬化性が良好であることを示す。
(3):耐半田クラック性
100ピンTQFPを85℃、相対湿度85%の環境下で168時間放置し、その後、260℃の半田槽に10秒間浸漬した。
その後、顕微鏡下に、外部クラックの発生の有無を観察し、クラック発生率=(クラックが発生したパッケージ数)/(全パッケージ数)×100として、百分率(%)で表示した。
また、シリコンチップとエポキシ樹脂組成物の硬化物との剥離面積の割合を、超音波探傷装置を用いて測定し、剥離率=(剥離面積)/(シリコンチップの面積)×100として、8個のパッケージの平均値を求め、百分率(%)で表示した。
これらのクラック発生率および剥離率は、それぞれ、数値が小さい程、耐半田クラック性が良好であることを示す。
(4):耐湿信頼性
16ピンDIPに、125℃、相対湿度100%の水蒸気中で、20Vの電圧を印加し、断線不良を調べた。15個のパッケージのうち8個以上に不良が出るまでの時間を不良時間とした。
なお、測定時間は、最長で500時間とし、その時点で不良パッケージ数が8個未満であったものは、不良時間を500時間超(>500)と示す。
この不良時間は、数値が大きい程、耐湿信頼性に優れることを示す。
各特性評価(1)〜(4)の結果を、表1に示す。
表1に示すように、実施例1〜6で得られたエポキシ樹脂組成物は、いずれも、流動性に優れるために無機充填剤の充填量を増やすことが可能であり、その結果、半導体素子を封止した際のパッケージ信頼性である、耐半田クラック性、耐湿信頼性が良好なものであった。
これに対し、比較例1は、流動性や硬化性は得られるものの、予備混合が全くされていないため、硬化反応中にアルコール分が揮発し、これがボイドの原因となって、信頼性を著しく低下させている。比較例2は、流動性を改善する成分が一切添加されていないため、充填剤を多く含む材料としたときに流動性が悪く成形不良が生じ、信頼性を低下させている。比較例3では、さらに(D)成分に相当するフェニルメトキシシランを追加しており、硬化中に発生するボイドがより増加することで、信頼性を大きく低下させている。

Claims (5)

  1. 下記一般式(1)で表される化合物、下記一般式(2)で表されるシラン化合物および硬化促進剤を含むエポキシ樹脂組成物において、下記一般式(1)で表される化合物、下記一般式(2)で表されるシラン化合物および硬化促進剤は、減圧下で溶融混合されたものであることを特徴とする、エポキシ樹脂組成物。
    Figure 2007077291
    [式中、Xは有機基を表す。]
    Figure 2007077291
    [式中、R1、R2、およびR3は、炭素数1〜3の脂肪族基であり、互いに同一でも異なっていてもよい。Zは置換もしくは無置換の芳香環または複素環を有する有機基、あるいは置換もしくは無置換の脂肪族基を示す。]
  2. 前記溶融混合は、100〜200℃の温度で加熱して行うものである、請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
  3. 前記溶融混合は、エポキシ樹脂の硬化剤を含んで行うものである、請求項1または2に記載のエポキシ樹脂組成物。
  4. 前記一般式(1)で表される化合物と、一般式(2)で表されるシラン化合物とは、下記式を満たすモル比で混合されるものである、請求項1乃至3のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
    Mc≧Md×2
    上記式中、Mcは一般式(1)で表される化合物のモル数で、Mdは一般式(2)で表される化合物のモル数を示す。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物の硬化物により電子部品を封止してなる半導体装置。
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