JP2007069420A - フィルムの製造方法およびフィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】
透明性、耐熱性に優れ、かつフィルム欠陥が少なく、平面性に優れたフィルムを生産性良く製造できるフィルムの製造方法、並びに、該フィルムの製造方法によって製造されたフィルムを提供する。
【解決手段】
ポリマーを有機溶剤に溶解させたドープを支持体上に流延し乾燥させて、ガラス転移温度が250℃以上かつ全光線透過率が70%以上のフィルムを形成するフィルムの製造方法であって、調整後の前記ドープを流延前に減圧脱気することを特徴とするフィルムの製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は耐熱性、透明性、平面性、寸度安定性に優れたフィルムを高い生産性で製造することのできるフィルムの製造方法および該製造方法によって製造されたフィルムに関する。
有機ポリマーよりなるフィルムは一般にその熱変形温度や融点以上の温度をかけることにより溶融状態とし、それを口金から溶融膜として吐出してフィルムを成形する。これに対し、熱変形温度や融点と分解温度の近い、または熱変形温度や融点が分解温度より高いポリマーは、溶融と同時に分解が発生するため、適当な溶剤にポリマーを溶かし、そうして得られた溶液を支持体上にキャストし、その後溶剤を除去する溶液製膜法によってフィルムに成形される。このようなポリマーとしては例えば、セルローストリアセテートあるいは芳香族ポリアミド、芳香族ポリイミドなどが挙げられる。溶液製膜法により得られるフィルムは、溶融製膜により得られるフィルムに較べ、溶剤の除去に時間がかかるなど生産性上不利になる場合があるが、表面平滑性等のフィルム特性が優れる場合が多く、使用される用途によっては溶液製膜法により得られるフィルムが好ましく用いられる。しかし、その一方で優れたフィルム特性を維持したまま生産性を向上させることが溶液製膜法に求められるようになっている。
近年、液晶表示素子、有機エレクトロルミネッセンス素子(以下「有機EL素子」という。)等のフラットパネルディスプレイ分野において、耐破損性の向上、軽量化、薄型化の要望から、基板をガラスからプラスチックに置き換えることが検討されている。特に、携帯電話や、電子手帳、ラップトップ型パソコンなど携帯情報端末などの移動型情報通信機器用表示装置の分野では、プラスチック基板に対する強い要望がある。
上記プラスチック基板は導電性を付与するために、酸化インジウム、酸化スズ、またはスズ−インジウム合金の酸化物等の半導体膜、金、銀、パラジウム合金の酸化膜等の金属膜、または前記半導体膜と前記金属膜とを組み合わせた透明導電層をプラスチック基板上に形成する検討がなされている。また、液晶配向層やTFT設置など各種機能化が検討されているが、いずれの場合も高い耐熱性と透明性とがプラスチック基板には求められている。また、各種機能層の特性維持のため、基板として用いるフィルムは、気泡、ゴミなどの欠陥がないこと、平滑性に優れることなどが求められている。
特許文献1および2には、脂環構造を有するポリイミドを用いた透明導電性フィルム、薄膜トランジスタ基板に関する記載がある。該ポリイミドは、透明性に優れ、ガラス転移温度が250℃以上と高い耐熱性を示す。また、一般的な全芳香族ポリイミドに対して有機溶剤に対する溶解性に優れ、溶液製膜に適している。
特許文献3には、6,6’−ジヒドロキシ−4,4,4’,4’,7,7’−ヘキサメチルー2,2’−スピロビクロマン(以下、「スピロビクロマンジオール」とも称する。)とイソフタル酸およびテレフタル酸とから誘導されるポリエステルフィルムに関する記載がある。該ポリエステルは、透明性に優れ、柔軟性に富んだ優れた力学特性を有するフィルムを与え、ガラス転移温度が250℃以上と高い耐熱性を示す。また、ジクロロメタンなど低沸点溶剤に対する溶解性にも優れ、溶液製膜に適している。
特許文献4には、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン(以下、「ビスフェノールフルオレン」とも称する。)とイソフタル酸およびテレフタル酸とから誘導されるポリエステルフィルムに関する記載がある。また、特許文献5には、アルキル置換されたビスフェノールフルオレンとイソフタル酸およびテレフタル酸とから誘導されるポリエステルフィルムに関する記載がある。更に、特許文献6には、フェノールのオルト位をハロゲン等で置換したビスフェノールフルオレンから誘導されるポリエステルフィルムの記載がある。
これらの置換または無置換のビスフェノールフルオレンとイソフタル酸およびテレフタル酸とから誘導されるポリエステルは、いずれもガラス転移温度(Tg)が300℃付近若しくはそれ以上であり、透明性や破断伸びに優れた柔軟なフィルムを作製することができる。また、ジクロロメタンなど低沸点溶剤に対する溶解性にも優れ、溶液製膜に適している。
上記のように透明性や耐熱性に優れるポリマーを用いたフィルムをプラスチック基板として用いる検討が多数行われている。しかしながら、一方で透明性や耐熱性に優れたポリマーは溶液製膜により製膜することができるが、フィルム欠陥が少なく、平面性に優れたフィルムを溶液製膜により生産性良く製造する方法については知られていない。
特許文献7など多数の文献に、セルローストリアセテートの溶液製膜方法についての記載がある。セルローストリアセテートはジクロロメタンなど低沸点溶剤を用いて高速で製膜が可能であり、溶液製膜であっても生産性に優れることが知られている。
しかし、本発明者が、セルローストリアセテートと同様の方法を上述のような透明性、耐熱性に優れるフィルムに適用した結果、フィルム欠陥が少なく、平面性に優れたフィルムを生産性良く製造することが難しいことが明らかとなった。
特開2003−141936号公報(特許請求の範囲) 特開2003−168800号公報(特許請求の範囲) 特開平11−302364号公報(特許請求の範囲) 特開平3−28222号公報(特許請求の範囲) 国際公開WO99/18141号公報(クレーム) 特開2002−145998号公報(特許請求の範囲) 特開2002−103360号公報(特許請求の範囲)
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、透明性、耐熱性に優れ、かつフィルム欠陥が少なく、平面性に優れたフィルムを生産性良く製造できるフィルムの製造方法、並びに、該フィルムの製造方法によって製造されたフィルムを提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、透明性、耐熱性に優れ、かつフィルム欠陥が少なく、平面性に優れたフィルムを溶液製膜によって生産性良く製造できる製造方法を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の上記課題は以下の手段によって達成される。
(1)ポリマーを有機溶剤に溶解させたドープを支持体上に流延し乾燥させて、ガラス転移温度が250℃以上かつ全光線透過率が70%以上のフィルムを形成するフィルムの製造方法であって、
調製後の前記ドープを流延前に減圧脱気することを特徴とするフィルムの製造方法。
(2)流延前の前記ドープに超音波処理を行うことを特徴とする(1)に記載のフィルムの製造方法。
(3)流延前の前記ドープを、濾過助剤を用いて濾過することを特徴とする(1)または(2)に記載のフィルムの製造方法。
(4)乾燥後のフィルムに2段階の加熱処理を行うことを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載のフィルムの製造方法。
(5)前記ポリマーが下記一般式(1)で表されるスピロ構造または下記一般式(2)で表されるカルド構造を含む繰り返し単位を有することを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載のフィルムの製造方法。
Figure 2007069420
〔一般式(1)中、環αは単環式または多環式の環を表し、2つの環はスピロ結合によって結合される。〕
Figure 2007069420
〔一般式(2)中、環βおよび環γは単環式または多環式の環を表し、2つの環γはそれぞれ同一若しくは異なっていてもよい。また、環βおよび環γは、環β上の1つの4級炭素原子によって連結される。〕
(6)(1)〜(5)のいずれかに記載のフィルムの製造方法によって製造されるフィルム。
(7)1m2当たりの気泡の数が10個以下であることを特徴とする(6)に記載のフィルム。
(8)70mm2当たりの5μm以上の異物の数が60個以下であることを特徴とする(6)または(7)に記載のフィルム。
(9)200℃で5時間保持した場合の寸法変化率が±0.1%以下であることを特徴とする(6)〜(8)のいずれかに記載のフィルム。
本発明は、ポリマーを有機溶剤に溶解させたドープを支持体上に流延し、乾燥させて、ガラス転移温度が250℃以上かつ全光線透過率が70%以上のフィルムを形成するフィルムの製造方法に関するものであり、本発明によれば、流延前のドープを減圧脱気することで透明性、耐熱性に優れ、かつフィルム欠陥が少なく、平面性に優れたフィルムを生産性良く製造可能となる。
更に、本発明によれば、透明性、耐熱性に優れ、かつフィルム欠陥が少なく、平面性に優れたフィルムを提供することができる。
以下、本発明のフィルムの製造方法について詳細に説明する。
なお、本明細書において「〜」は、その前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味として使用される。
〔フィルムの製造方法〕
本発明のフィルムの製造方法は、ポリマーを有機溶剤に溶解させたドープを支持体上に流延し乾燥させて、ガラス転移温度が250℃以上かつ全光線透過率が70%以上のフィルムを形成するフィルムの製造方法であって、流延前の前記ドープを減圧脱気することを特徴とする。尚、本発明においては有機溶剤にポリマーを溶解させた溶液を「ドープ」と称する。
本発明のフィルムの製造方法によれば、流延前のドープを減圧脱気することで透明性、耐熱性に優れ、かつフィルム欠陥が少なく、平面性に優れた本発明のフィルムを生産性良く製造することができる。
本発明のフィルムは、本発明のフィルムの製造方法によって製造されるフィルムであって、1m2当たりの気泡の数が10個以下であることが好ましい。
本発明のフィルムの製造方法は、ポリマーを有機溶剤に熔解させてドープを調製する工程(ドープ調製工程)と、前記ドープを減圧脱気する工程(減圧脱気工程)と、減圧脱気を施したドープを支持体上に流延し乾燥する工程(流延乾燥工程)と、を少なくとも含み、その他必要に応じた諸工程を含むものである。
以下に、本発明のフィルムの製造方法について工程ごとに説明する。
(ドープ調製工程)
本発明におけるドープ調製工程は、ポリマーを有機溶剤に溶解させてドープを調製する工程である。
−ポリマー−
本発明に用いることのできるポリマー(以降、「本発明におけるポリマー」とも称する。)は、熱可塑性樹脂でも硬化性樹脂でもよく特に制限はないが、少なくとも1種の有機溶媒に可溶で、フィルムにした場合のガラス転移温度が250℃以上であり、かつ、全光線透過率が70%以上であるポリマーが用いられる。
本発明におけるポリマーの例としては、ポリマー自身のガラス転移温度が250℃以上でありかつ実質的に無色透明であるものが好ましく、例えば、含フッ素ポリイミド、脂環構造を含むポリイミド、または、剛直な連結基を含むポリアリレートやポリアミドなどが挙げられる。本発明におけるポリマーとして特に好ましくは、下記一般式(1)で表されるスピロ構造または下記一般式(2)で表されるカルド構造を含む繰り返し単位を有するポリマーが挙げられる。
Figure 2007069420
〔一般式(1)中、環αは単環式または多環式の環を表し、2つの環はスピロ結合によって結合される。〕
Figure 2007069420
〔一般式(2)中、環βおよび環γは単環式または多環式の環を表し、2つの環γはそれぞれ同一若しくは異なっていてもよい。また、環βおよび環γは、環β上の1つの4級炭素原子によって連結される。〕
前記一般式(1)における環αは単環式または多環式の環を表し、例えば、インダン、クロマン、ベンゾフランが挙げられる。また、2つの環αはスピロ結合によって結合される。前記一般式(1)で表されるスピロ構造を含む繰り返し単位を有するポリマーの好ましい例として、下記一般式(3)で表されるスピロビクロマン構造を含む繰り返し単位を有するポリマーを挙げることができる。
また、前記一般式(2)における環βは、単環式または多環式の環を表し、例えばフルオレン、1,4−ビベンゾシクロヘキサンが挙げられる。環βは4級炭素原子を含むものであり、係る4級炭素原子によって環βおよび環γは連結される。環γは、単環式または多環式の環を表し、例えばベンゼン、ナフタレンが挙げられる。2つの環γはそれぞれ同一若しくは異なっていてもよい。一般式(2)で表されるカルド構造を含む繰り返し単位を有するポリマーの好ましい例として、下記一般式(4)で表されるフルオレン構造を含む繰り返し単位を有するポリマーを挙げることができる。
Figure 2007069420
前記一般式(3)中、R41はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、R42は置換基を表す。また、R41およびR42はそれぞれが連結して環を形成してもよい。mおよびnは0〜3の整数を表す。前記置換基の好ましい例は、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基である。R41のより好ましい例としては、水素原子、メチル基、フェニル基であり、R42のより好ましい例としては、塩素原子、臭素原子、メチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、フェニル基である。
Figure 2007069420
一般式(4)中、R61、R62はそれぞれ独立に置換基を表す。また、R61およびR62はそれぞれが連結して環を形成してもよい。jおよびkは0〜4の整数を表す。前記置換基の好ましい例は、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基である。また、R61およびR62のより好ましい例としては、塩素原子、臭素原子、メチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、フェニル基である。
前記一般式(1)〜(4)で表される構造を繰り返し単位中に含むポリマーは、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタンなど種々の結合方式で連結されたポリマーであってもよいが、前記一般式(1)〜(4)で表される構造を有するビスフェノール化合物から誘導されるポリエステルが耐熱性、透明性、有機溶剤に対する溶解性の観点で好ましい。
一般式(1)〜(4)で表される構造を有するビスフェノール化合物から誘導されるポリエステル(以下、「本発明におけるポリエステル」とも称する。)の好ましい例として、下記一般式(5)〜(6)で表される繰り返し単位を有するポリエステルを挙げることができる。
Figure 2007069420
一般式(5)中、環βは単環式または多環式の置換基を有していてもよい環を表す。環βは上述の一般式(2)の環βと同義である。好ましい環βは、少なくとも1つの芳香環を含む多環式の環である。環β上の好ましい置換基はアルキル基、アリール基、ハロゲン原子であり、より好ましくは、塩素原子、臭素原子、メチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、フェニル基が挙げられる。Lは置換基を有していてもよい炭化水素からなる2価の連結基を表す。好ましいLは、アルキレン、アリーレンであり、好ましいアルキレンは脂環構造を含むアルキレンである。この中でも特にアリーレン連結が特に好ましくフェニレン、ナフタレン、ビフェニレンなどを挙げることができる。また、アリーレン連結の好ましい置換基はアルキル基、アリール基、ハロゲン原子であり、より好ましくは、メチル基、塩素原子、臭素原子である。
また、前記一般式(5)で表される繰り返し単位を有するポリエステルは、Lの異なる2種以上の繰り返し単位の共重合体とすることで溶媒に対する溶解性が向上することから、Lの異なる2種以上の共重合体として用いることが特に好ましい。前記共重合体の好ましい繰り返し単位の組み合わせとしては、パラフェニレンとメタフェニレンとの組み合わせ、パラフェニレン、2,6−ナフタレンおよび4,4'−ビフェニレンの3種の中から2種以上選択する組み合わせを挙げることができる。R1、R2はそれぞれ置換基を表し、好ましい置換基はアルキル基、アリール基、ハロゲン原子であり、より好ましくは、塩素原子、臭素原子、メチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、フェニル基が挙げられる。lおよびmは0〜4の整数を表す。
Figure 2007069420
一般式(6)中、環αは単環式または多環式の置換基を有していてもよい環を表し、2つの環はスピロ結合によって結合する。環αは上述の一般式(1)の環αと同義である。Lは置換基を有していてもよい炭化水素からなる2価の連結基を表す。好ましいLは、アルキレン、アリーレンであり、好ましいアルキレンは脂環構造を含むアルキレンである。この中でも特にアリーレン連結が特に好ましくフェニレン、ナフタレン、ビフェニレンなどを挙げることができる。また、アリーレン連結の好ましい置換基はアルキル基、アリール基、ハロゲン原子であり、より好ましくは、メチル基、塩素原子、臭素原子である。
また、一般式(6)で表される繰り返し単位を有するポリエステルは、Lの異なる2種以上の繰り返し単位の共重合体とすることで溶媒に対する溶解性が向上することから、Lの異なる2種以上の共重合体として用いることが特に好ましい。前記共重合体の好ましい繰り返し単位の好ましい組み合わせとしては、パラフェニレンとメタフェニレンとの組み合わせ、パラフェニレン、2,6−ナフタレンおよび4,4'−ビフェニレンの3種の中から2種以上選択する組み合わせを挙げることができる。R1、R2はそれぞれ置換基を表し、好ましい置換基はアルキル基、アリール基、ハロゲン原子であり、より好ましくは、塩素原子、臭素原子、メチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、フェニル基が挙げられる。lおよびmは0〜3の整数を表す。
また、前記一般式(5)で表される繰り返し単位の好ましい例としては、下記一般式(7)で表される繰り返し単位が挙げられる。
Figure 2007069420
一般式(7)中、R3、R4はそれぞれ置換基を表し、好ましい置換基はアルキル基、アリール基、ハロゲン原子であり、より好ましくは、塩素原子、臭素原子、メチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、フェニル基が挙げられる。jおよびkは0〜4の整数を表す。Lは置換基を有していてもよい炭化水素からなる2価の連結基を表す。好ましいLは、アルキレン、アリーレンであり、好ましいアルキレンは脂環構造を含むアルキレンである。この中でもアリーレン連結が特に好ましくフェニレン、ナフタレン、ビフェニレンなどを挙げることができる。また、アリーレン連結の好ましい置換基はアルキル基、アリール基、ハロゲン原子であり、より好ましくは、メチル基、塩素原子、臭素原子である。
また、一般式(7)で表される繰り返し単位を有するポリエステルは、Lの異なる2種以上の繰り返し単位の共重合体とすることで溶媒に対する溶解性が向上することから、Lの異なる2種以上の共重合体として用いることが特に好ましい。前記共重合体の好ましい繰り返し単位の好ましい組み合わせとしては、パラフェニレンとメタフェニレンとの組み合わせ、パラフェニレン、2,6−ナフタレン、4,4'−ビフェニレンの3種の中から2種以上選択する組み合わせを挙げることができる。R1、R2はそれぞれ置換基を表し、好ましい置換基はアルキル基、アリール基、ハロゲン原子であり、より好ましくは、塩素原子、臭素原子、メチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、フェニル基が挙げられる。lおよびmは0〜4の整数を表す。
以下に本発明におけるポリエステルの好ましい具体例(例示化合物PC−1〜PS−8)を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、繰り返し単位の数字は共重合比(mol%)を表し、ホモポリマーは100と記載する。
Figure 2007069420
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Figure 2007069420
Figure 2007069420
Figure 2007069420
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Figure 2007069420
Figure 2007069420
本発明におけるポリマーの分子量は、重量平均分子量で10,000以上であることが好ましい。より好ましくは重量平均分子量で20,000〜300,000であり、特に好ましくは30,000〜150,000である。分子量が10,000以上の場合、フィルムなどの成形品に応用する場合、得られる成形品の力学特性が有利となる。一方、分子量が300,000以下の場合、合成上の分子量コントロールの点で有利であり、さらに溶液の粘度も高すぎず、取り扱い上有利である。なお、分子量の代わりに対応する粘度を目安にすることもできる。
上述の通り本発明におけるポリマーは、前記一般式(1)〜(7)で表される構造を含む繰り返し単位を複数種有するコポリマーであってもよい。また、前記一般式(1)〜(7)で表される構造を含む繰り返し単位以外の公知の繰り返し単位を本発明の効果を損ねない範囲で共重合してもよい。
本発明におけるポリマー中における一般式(1)〜(7)で表される構造を含む繰り返し単位の合計のモル百分率は、40〜100モル%であることが好ましく、60〜100モル%であることがより好ましく、80〜100モル%であることがさらに好ましい。本発明におけるポリマーが一般式(1)〜(7)で表される構造を含む繰り返し単位を複数種有する場合、溶媒に対する溶解性や透明性が向上する場合があり、好ましい。この場合、いずれか1種の割合が5〜95mol%であることが好ましく、20〜80mol%であることがより好ましく、特に好ましくは30〜70mol%である。本発明におけるポリマー中における一般式(1)〜(7)で表される構造を含む繰り返し単位の割合が上記の場合、透明性、耐熱性、溶解性の観点で有利である。
本発明におけるポリマーの耐熱温度は高い方が好ましく、DSC測定によるガラス転移温度を目安にすることができる。この場合、本発明におけるポリマーのガラス転移温度は250℃以上であり、好ましくは300℃以上であり、特に好ましくは350℃以上である。また、測定範囲内(例えば420℃以下)で実質的にガラス転移温度が観測されない場合も本発明におけるポリマーとして好ましい。本発明におけるポリマーに含まれる一般式(1)〜(7)で表される構造を含む繰り返し単位を有するポリマーのうち一般式(4)または(7)で表される構造を含む繰り返し単位を有するポリマーが、耐熱性が高くより好ましい。さらに一般式(7)で表される繰り返し単位を有するポリエステルは300℃以上のガラス転移温度を発現しやすく、低沸点溶剤に対する溶解性にも優れ、最も好ましい。
−有機溶剤−
本発明は上記で挙げたポリマーを有機溶剤に溶解させたドープを用いる。本発明に用いることのできる有機溶剤は、本発明におけるポリマーを溶解できるものであれば特に制限はないが、常圧下で液温が20℃の場合における本発明におけるポリマーの溶解度が5質量%以上であることが好ましく、より好ましくは10質量%以上、特に好ましくは15質量%以上である。
好ましい有機溶媒の種類としては、本発明におけるポリマーの種類にもよって異なるため一概には言えないが、例えば、テトラヒドロフラン、アニソール、1,4−ジオキサンなどのエーテル類;ベンゼン、シクロヘキサン、イソホロン、トルエン、キシレンなどの炭化水素類;γ−ブチロラクトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、安息香酸メチル、フタル酸ジメチルなどのエステル類;ベンジルアルコ−ル、フェネチルアルコール、メタノール、エタノール、n−ブタノールなどのアルコール類;シクロヘキサノン、シクロペンタノン、アセトン、メチルエチルケトン、アセトフェノンなどのケトン類;N,N−ジメチルアセトアミド(DMAcとも称する)、N−メチル−2−ピロリドン(NMPとも称する)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMFとも称する)、ニトロベンゼン、ベンゾニトリルなどの含窒素溶媒;ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼンなどの含ハロゲン溶媒等が挙げられる。但し、本発明はこれらに限定されるものではない。
その他の前記有機溶剤の例としては、講談社サイエンティフィック編「溶剤ハンドブック」に記載されているものを用いることができる。また、前記有機溶媒は良溶媒と貧溶媒との混合、あるいは、高沸点溶媒と低沸点溶媒との混合など2種以上を混合して用いてもよい。
上記で挙げた有機溶剤は、用いられる本発明におけるポリマーの種類に対して溶解度の高いものを選択できる。本発明におけるポリマーの特に好ましい例として挙げられる上述の本発明におけるポリエステルを用いる場合を例に挙げると、例えば、テトラヒドロフラン、アニソール、1,4−ジオキサン、トルエン、キシレン、γ−ブチロラクトン、安息香酸メチル、フタル酸ジメチル、ベンジルアルコ−ル、フェネチルアルコール、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、アセトフェノン、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、ニトロベンゼン、ベンゾニトリル、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼンなどが溶解性の高い溶媒として挙げられる。
本発明に用いられる有機溶剤としては、これらの中でもさらに沸点が低いものが好ましい。前記有機溶剤の好ましい沸点は170℃以下であり、より好ましくは120℃以下である。上述した本発明におけるポリエステルに対する溶解性が高く、沸点が低い有機溶剤の例としては、例えば、テトラヒドロフラン、アニソール、1,4−ジオキサン、トルエン、キシレン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼンなどが挙げられる。これらのうちジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタンなどの低沸点含ハロゲン溶剤は本発明におけるポリエステルに対する溶解性が高く、沸点も低い溶剤である。
−添加剤−
本発明におけるドープには、各調製工程において用途に応じた種々の添加剤(例えば、可塑剤、紫外線防止剤、劣化防止剤、微粒子、光学特性調整剤など)を加えることができる。前記添加剤を添加する時期は、ドープ調製工程において何れの時期でも添加してもよいが、ドープ調製工程の最後の調製工程に添加剤を添加し調製する工程を加えて行ってもよい。
本発明におけるドープに好ましく添加される可塑剤としては、リン酸エステル、カルボン酸エステル、またはグリコール酸エステルが用いられる。リン酸エステルの例には、トリフェニルホスフェート(TPP)およびトリクレジルホスフェート(TCP)、クレジルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、ジフェニルビフェニルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブチルホスフェートが含まれる。
前記カルボン酸エステルとしては、フタル酸エステルおよびクエン酸エステルが代表的である。前記フタル酸エステルの例には、ジメチルフタレート(DMP)、ジエチルフタレート(DEP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジオクチルフタレート(DOP)、ジフェニルフタレート(DPP)およびジエチルヘキシルフタレート(DEHP)が含まれる。前記クエン酸エステルの例には、O−アセチルクエン酸トリエチル(OACTE)およびO−アセチルクエン酸トリブチル(OACTB)、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸アセチルトリブチル、が含まれる。
その他のカルボン酸エステルの例には、オレイン酸ブチル、リシノール酸メチルアセチル、セバシン酸ジブチル、種々のトリメリット酸エステルが含まれる。
グリコール酸エステルの例としては、トリアセチン、トリブチリン、ブチルフタリルブチルグリコレート、エチルフタリルエチルグリコレート、メチルフタリルエチルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレートなどがある。さらにトリメチロールプロパントリベンゾエート、ペンタエリスリトールテトラベンゾエート、ジトリメチロールプロパンテトラアセテート、ジトリメチロールプロパンテトラプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラアセテート、ソルビトールヘキサアセテート、ソルビトールヘキサプロピオネート、ソルビトールトリアセテートトリプロピオネート、イノシトールペンタアセテート、ソルビタンテトラブチレート等も好ましく利用される。
中でもトリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、トリブチルホスフェート、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジエチルヘキシルフタレート、トリアセチン、エチルフタリルエチルグリコレート、トリメチロールプロパントリベンゾエート、ペンタエリスリトールテトラベンゾエート、ジトリメチロールプロパンテトラアセテート、ペンタエリスリトールテトラアセテート、ソルビトールヘキサアセテート、ソルビトールヘキサプロピオネート、ソルビトールトリアセテートトリプロピオネート等が好ましく、特にトリフェニルホスフェート、ジエチルフタレート、エチルフタリルエチルグリコレート、トリメチロールプロパントリベンゾエート、ペンタエリスリトールテトラベンゾエート、ジトリメチロールプロパンテトラアセテート、ソルビトールヘキサアセテート、ソルビトールヘキサプロピオネート、ソルビトールトリアセテートトリプロピオネートが好ましい。これらの可塑剤は1種でもよいし2種以上併用してもよい。可塑剤の添加量は本発明におけるポリマーの種類にもより一概に言えないが、本発明のフィルム特性を大きく損ねない範囲が好ましく、例えば、本発明におけるポリマーの総量に対して0.1〜30質量%が好ましい範囲である。
これらの可塑剤は、特開平11−124445号公報記載の(ジ)ペンタエリスリトールエステル類、特開平11−246704号公報記載のグリセロールエステル類、特開2000−63560号公報記載のジグリセロールエステル類、特開平11−92574号公報記載のクエン酸エステル類、特開平11−90946号公報記載の置換フェニルリン酸エステル類として公知文献に記載されている。
本発明におけるドープには、劣化防止剤(例、酸化防止剤、過酸化物分解剤、ラジカル禁止剤、金属不活性化剤、酸捕獲剤、アミン)や紫外線防止剤を添加してもよい。これらの劣化防止剤や紫外線防止剤については、特開昭60−235852号公報、特開平3−199201号公報、同5−1907073号公報、同5−194789号公報、同5−271471号公報、同6−107854号公報、同6−118233号公報、同6−148430号公報、同7−11056号公報、同7−11055号公報、同7−11056号公報、同8−29619号公報、同8−239509号公報、特開2000−204173号公報に記載がある。これらの添加量は、本発明におけるポリマーの総量に対して0.01〜3質量%であることが好ましく、0.01〜1質量%であることがさらに好ましい。添加量が上記の範囲であると、フィルム表面への劣化防止剤や紫外線防止剤のブリードアウト(滲み出し)が認められることも少なく、有効に作用できる。特に好ましい劣化防止剤の例としては、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)を挙げることができる。
また、特に好ましくは、本発明におけるドープに一種または二種以上の紫外線吸収剤を含有させることである。前記紫外線吸収剤は、波長380nm以下の紫外線の吸収能に優れ、かつ、波長400nm以上の可視光の吸収が少ないものが好ましい。例えば、オキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物などが挙げられる。特に好ましい紫外線吸収剤は、ベンゾトリアゾール系化合物やベンゾフェノン系化合物である。中でも、ベンゾトリアゾール系化合物は、不要な着色が少ないことから、好ましい。
好ましい紫外線防止剤としては、例えば、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−tert−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサンジオール−ビス〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2,2−チオ−ジエチレンビス〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナミド)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレイトなどが挙げられる。
これらの中でも、特に2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−tert−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕が最も好ましい。また例えば、N,N’−ビス〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル〕ヒドラジンなどのヒドラジン系の金属不活性剤やトリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)フォスファイトなどの燐系加工安定剤を併用してもよい。これらの化合物の添加量は、本発明におけるポリマーの総量に対して質量割合で1ppm〜3.0%が好ましく、10ppm〜2%がさらに好ましい。
また、本発明のフィルムのレターデーションを調整するため、少なくとも2つの芳香族環を有する芳香族化合物を使用してもよい。前記芳香族化合物は、本発明におけるポリマー100質量部に対して、0.01〜20質量部の範囲で使用することができ、0.05〜15質量部の範囲で使用することが好ましく、0.1〜10質量部の範囲で使用することがさらに好ましい。また、2種類以上の芳香族化合物を併用してもよい。前記芳香族化合物の芳香族環には、芳香族炭化水素環に加えて、芳香族性ヘテロ環を含む。
前記芳香族炭化水素環は、6員環(すなわち、ベンゼン環)であることが特に好ましい。芳香族性ヘテロ環は一般に、不飽和ヘテロ環である。芳香族性ヘテロ環は、5員環、6員環または7員環であることが好ましく、5員環または6員環であることがさらに好ましい。芳香族性ヘテロ環は一般に、最多の二重結合を有する。前記不飽和ヘテロ環のヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子および硫黄原子が好ましく、窒素原子が特に好ましい。芳香族性ヘテロ環の例には、フラン環、チオフェン環、ピロール環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、フラザン環、トリアゾール環、ピラン環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環および1,3,5−トリアジン環が含まれる。
また、本発明におけるドープには添加剤として、シリカ、カオリン、タルク、ケイソウ土、石英、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、アルミナなどの無機微粒子も添加する事もできる。
−ドープの調製−
次に、溶解工程(ドープ調製工程)について記述する。本発明におけるドープは、本発明におけるポリマーおよびその他の添加剤を必要に応じて、所望の有機溶媒に溶解して調製される。その溶解方法は特に限定されず、室温でもよく、さらには冷却溶解法、高温溶解方法、超臨界溶解法さらにはこれらの組み合わせで実施される。室温溶解の場合は、温度0〜55℃で本発明におけるポリマーを溶媒や添加剤と混合し、溶解釜などの中で攪拌・混合して溶解することができる。溶解に関しては、本発明におけるポリマーが粉体である場合には、溶媒に十分均一に浸すことが重要であり、所謂ママコ(溶媒が全く行き渡らない本発明におけるポリマー粉末部)を発生させないことが好ましい。そのため、攪拌容器の中に溶媒を予め添加しておき、その後に、溶解容器を減圧にして本発明におけるポリマーを添加することが好ましい場合もある。また、逆に攪拌容器の中に本発明におけるポリマーを予め添加しておき、その後に、溶解容器を減圧にして溶媒を添加することが好ましい場合もある。また、本発明におけるポリマーを予めアルコールなどの貧溶媒に湿らせておき、しかる後に本発明におけるポリマーの良溶媒となる有機溶媒を添加することも、好ましいドープの調製方法である。
複数の有機溶媒を用いる場合、その添加順は特に限定されない。例えば、本発明におけるポリマーの良溶媒となる主溶媒中に本発明におけるポリマーを添加した後に、他の有機溶媒(例えばアルコールなどの貧溶媒など)を添加してもよいし、逆に貧溶媒を予め本発明におけるポリマーに湿らせた後に主溶媒を加えてもよい。この方法は不均一溶解の防止に有効である。なお、攪拌に当たっては本発明におけるポリマーと有機溶媒とを混合した後、そのまま静置して十分に本発明におけるポリマーを有機溶媒で膨潤させて、続いて攪拌して均一なドープとしてもよい。本発明におけるポリマーの添加量は、本発明におけるドープ中に5〜40質量%含まれるように調整することが好ましく、10〜30質量%であることがさらに好ましい。
次に前記冷却溶解法について記述する。即ち、本発明におけるポリマー溶液(ドープ)の調製は、冷却溶解法に従い実施されてもよい。まず室温近辺の温度(−10〜40℃)で有機溶媒中に本発明におけるポリマーを撹拌しながら徐々に添加する。複数の溶媒を用いる場合、その添加順は特に限定されない。例えば、主溶媒中に本発明におけるポリマーを添加した後に、他の有機溶媒(例えばアルコールなどの溶媒など)を添加してもよいし、逆に貧溶媒を予め本発明におけるポリマーに湿らせた後に主溶媒を加えてもよい。この方法は不均一溶解の防止(所謂ママコ防止)に有効である。本発明におけるポリマーの量は、有機溶媒との混合物中に5〜40質量%含まれるように調整することが好ましく、10〜30質量%であることがさらに好ましい。さらに、混合物中には任意の添加剤を添加しておいてもよい。
次に、混合物は−100〜−10℃(好ましくは−80〜−10℃、さらに好ましくは−50〜−20℃)に冷却される。前記冷却は、例えば、ドライアイス・メタノール浴(−75℃)や冷却したジエチレングリコール溶液(−30〜−20℃)中で実施できる。このように冷却すると、本発明におけるポリマーと有機溶媒との混合物が固化する場合がある。前記冷却速度は、特に限定されないがバッチ式での冷却の場合は、冷却に伴い本発明におけるポリマー溶液の粘度が上がり、冷却効率が劣るために所定の冷却温度に達するために効率よい溶解釜とすることが好ましい。なお、溶解が不充分である場合は冷却、加温の操作を繰り返してもよい。溶解が充分であるかどうかは、目視により溶液の外観を観察して判断することができる。冷却溶解方法においては、冷却時の結露による水分混入を避けるため、密閉容器を用いることが望ましい。また、冷却加温操作において、冷却時に加圧し、加温時に減圧すると溶解時間を短縮することができる。加圧および減圧を実施するためには、耐圧性容器を用いることが望ましい。
また本発明では高温溶解法も好ましく用いられる。即ち、本発明におけるポリマー溶液(ドープ)の調製は、高温溶解法に従い実施されてもよい。まず室温近辺の温度(−10〜40℃)で有機溶媒中に本発明におけるポリマーを撹拌しながら徐々に添加する。複数の溶媒を用いる場合、その添加順は特に限定されない。例えば、主溶媒中に本発明におけるポリマーを添加した後に、他の溶媒(例えばアルコールなどの貧溶媒など)を添加してもよいし、逆に貧溶媒を予め本発明におけるポリマーに湿らせた後に主溶媒を加えてもよい。この方法は不均一溶解の防止に有効である。本発明におけるポリマー溶液は、各種溶媒を含有する混合有機溶媒中に本発明におけるポリマーを添加し予め膨潤させることが好ましい。その場合、−10〜40℃でいずれかの溶媒中に、本発明におけるポリマーを撹拌しながら徐々に添加してもよいし、場合により特定の有機溶媒で予め膨潤させその後に他の併用溶媒を加えて混合し均一の膨潤液としてもよく、さらには2種以上の有機溶媒で膨潤させ、しかる後に残りの溶媒を加えてもよい。
次に有機溶媒混合液は、好ましくは0.2MPa〜30MPaの加圧下で70〜240℃に加熱される(好ましくは80〜220℃、さらに好ましくは100〜200℃、最も好ましくは100〜190℃)。前記加熱は、例えば高圧蒸気でもよく電気熱源でもよい。高圧のためには耐圧容器あるいは耐圧ラインを必要とするが、鉄やステンレス製あるいは他の金属耐圧容器やラインのいずれでもよく、特に限定されない。次にこれらの加熱溶液はそのままでは塗布できないため、使用された溶媒の最も低い沸点以下に冷却する必要がある。その場合、−10〜50℃に冷却して常圧に戻すことが一般的である。冷却は本発明におけるポリマー溶液が内蔵されている高圧高温容器やラインを、室温に放置するだけでもよく、さらに好ましくは冷却水などの冷媒を用いて該装置を冷却してもよい。なお、溶解を早めるために加熱と冷却の操作を繰り返してもよい。溶解が十分であるかどうかは、目視により溶液の外観を観察するだけで判断することができる。高圧高温溶解方法においては、溶媒の蒸発を避けるために密閉容器を用いる。また、膨潤工程おいて、加圧や減圧にしたりすることでさらに溶解時間を短縮することができる。加圧および減圧を実施するためには、耐圧性容器あるいはラインが必須である。
前述した方法により得られた本発明におけるドープは、高濃度のドープが得られるのが特徴であり、濃縮という手段に頼らずとも高濃度でしかも安定性の優れた本発明におけるドープが得られる。しかし、さらに溶解を短時間で達成するために低濃度で溶解してから、濃縮手段を用いて濃縮する方法も採用される。濃縮の方法としては、特に限定するものはないが、例えば、低濃度溶液を筒体とその内部の周方向に回転する回転羽根外周の回転軌跡との間に導くとともに、溶液との間に温度差を与えて溶媒を蒸発させながら高濃度溶液を得る方法(例えば、特開平4−259511号公報等)、加熱した低濃度溶液をノズルから容器内に吹き込み、溶液をノズルから容器内壁に当たるまでの間で溶媒をフラッシュ蒸発させるとともに、溶媒蒸気を容器から抜き出し、高濃度溶液を容器底から抜き出す方法(例えば米国特許第2,541,012号、同第2,858,229号、同第4,414,341号、同第4,504,355号各明細書等などに記載の方法)等で実施できる。
本発明におけるドープの製膜直前の粘度は、製膜の際に流延可能な範囲であればよく、通常0.1Pa・s〜2000Pa・sの範囲に調製されることが好ましく、特に0.5Pa・s〜400Pa・sが好ましい。なお、この時の温度はその流延時の温度であれば特に限定されないが、好ましくは−5〜70℃であり、より好ましくは−5〜55℃である。
次に、本発明におけるドープの濾過について記述する。本発明におけるポリマー溶液は流延に先だって金網やネルなどの適当な濾材を用いて、未溶解物やゴミ、不純物などの異物を濾過除去しておくのが好ましい。本発明におけるドープの濾過には絶対濾過精度が0.005mm以上で、0.1mm以下のフィルター用いることが好ましく、さらには絶対濾過精度が0.005mm未満、0.0005mm以上であるフィルターを用いることが更に好ましい。その場合、16kg/cm2 以下(好ましくは12kg/cm2 以下、さらに好ましくは10kg/cm2 以下、特に好ましくは2kg/cm2 以下。)の濾過圧力で濾過して製膜することが好ましい。この濾過により50μmを越える異物は面積70mm2 当たり実質上0個を達成でき、さらに5〜50μmの異物については面積70mm2 当たり60個以下を達成できる。ここで、本発明で得られるフィルム中の異物の個数は光学顕微鏡(透過光源で倍率100倍)で観察し、その時の異物の数を10箇所にわたって測定し、この評価を5回繰り返した時の異物の数と定義したものである。
また、本発明のフィルムをディスプレイ用などプラスチック基板として用いる場合、フィルム上に導電性層、ガスバリア層など各種機能層を設置して用いられる。この場合、フィルム中の異物があると表面平滑性へ影響し、各種機能性層の特性を低下させる場合がある。このような場合、本発明のフィルム中に含まれる異物の数は、50μmを越える異物は面積70mm2 当たり実質上0個であることが好ましく、さらには5〜50μmの異物が面積70mm2 当たり30個以下が好ましく、より好ましくは10個以下である。
このような異物個数を達成するための方法としては、本発明におけるドープを濾過する際に用いるフィルターの平均孔径を小さくする方法が挙げられる。好ましい平均孔径は1μm〜40μmが好ましく、より好ましくは2μm〜以上20μm、特に好ましくは3μm〜10μmである。一方でフィルターの平均孔径を小さくする方法は本発明におけるドープの濾過圧力が上昇したり、濾過速度が遅くなる場合があり注意を要する。このような場合、本発明では、濾過助剤を用いて濾過する方法を特に好ましい方法として挙げることができる。
ここでいう濾過助剤とは、使用する濾過フィルターの平均孔径よりも平均粒子サイズが大きく、不規則形状の細粉であって、本発明におけるドープに溶解しないものであり、濾過フィルター上にあらかじめ積層しておく(プレコート)ことで濾過効率を高めることができるものである。濾過助剤の種類としては特に制限はないが、セルロース、ケイソウ土、パーライト、活性炭、粉末木炭が好ましく用いられ、その中でもセルロース、ケイソウ土、パーライトが好ましく、平均長さ40〜300μmのセルロース、平均粒子サイズ2〜50μmのケイソウ土、平均粒子サイズ2〜50μmのパーライトが特に好ましい。例えば、セルロースとしては「ファイブラルセルBH−100」(米国セライト社製)、「ダイアセル−150」(セルロース−フルストッフ−ファブリック社製)、「ソルカ−フロックBW−40」(ブラウン社製)が、ケイソウ土としては「ラジオライト」(昭和化学工業(株)製)、「セライトSSC」、「C−512」、「C−505」(ジョンズ−マンビレ−インターナショナル−コーポレーション社製)、「ダイカライト スーパーエイド」、「ダイカライト2500」、「ダイカライト6000」(グレフコ社製)が、パーライトとしては「トプコパーライト」(昭和化学工業(株)製)、「ダイカライトパーライト」(ダイカライトオリエント社製)が挙げられる。これらの濾過助剤は必要に応じて複数種併用することができ、材質の異なるもの、形状の異なるもの、平均サイズの異なるもの同士を組み合わせることで単独で用いるよりも濾過効率を高めることができる場合がある。
前記濾過助剤の使用量は、濾過助剤のサイズ、必要とする異物除去レベルにもより一概に言えないが、濾過面積1m2 当り0.2〜5kgが好ましく、より好ましくは0.5〜4kgである。助剤の使用量が少なすぎる場合、濾過効果が減少し異物除去が不十分であったり、濾過圧力が上昇したり濾過速度が低下する場合がある。また助剤の使用量が多すぎても、濾過効果が変らない場合があり経済的に有利とならない。
本発明におけるドープの濾過を行う際、必要に応じて吸着剤を併用してもよい。用いられる吸着剤としては、活性アルミナ、活性白土、活性炭、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素等があげられる、これらは単独で用いても濾過助剤と併用してもよい。吸着剤を用いることで本発明におけるポリマー中に高極性物質(ビスフェノール化合物やジカルボン酸などのモノマー類、4級アンモニウム塩、Na塩などのイオン性物質など)が含まれる場合、これを低減でき好ましい。吸着剤の使用量は、一般に本発明におけるドープの質量に対して0.1質量%〜3質量%が好ましく、より好ましくは0.2質量%〜2質量%である。
本発明における濾過助剤を用いた濾過方法については、予め濾過助剤と本発明におけるドープに用いる有機溶媒と好ましくは同一の溶媒からなるスラリーを濾過して濾過フィルター表面に濾過助剤のプレコート層を形成させ、これを濾材として本発明におけるドープを濾過するプレコート法や、本発明におけるドープに適量の濾過助剤を混入して濾過するボディフィード法等がある。一方、吸着操作については、吸着剤をドープ液に加え、撹拌して吸着を行なう方法、即ち接触吸着法、あるいは吸着剤を充填した層にドープを通して吸着させる方法、即ち固定相吸着法等がある。本発明においては、いずれの濾過方法および吸着法でも適用可能であり、かつ組み合わせることもできる。特に濾過助剤を用いた濾過はプレコート法とボディフィード法とを併用する方法が特に好ましい。吸着温度および濾過温度は、除去したい異物の種類にもより異なるが、一般的に0〜120℃が好ましく、より好ましくは10〜100℃である。
(減圧脱気工程)
本発明のフィルムの製造方法においては、本発明におけるドープを流延する前に、前記ドープを減圧脱気工程において減圧脱気する。これによりドープ中に残存する空気が脱気され、気泡の発生の少ないフィルムを生産性良く製造することができる。本発明のフィルムに含まれる気泡の数は、クロスニコル下での目視観察で評価することが好ましく、1m2当たり、10個以下であることが好ましい。より好ましくは5個以下であり、特に好ましくは1個以下である。一般に有機溶剤中に含まれる空気を脱気する方法としては、超音波で振動を与える方法、アルゴンガスなど有機溶剤に対する溶解度の低い気体をバブリングさせる方法などが用いられる。一方、溶液製膜のためのドープは高濃度、高粘度のポリマー溶液であり、脱気しにくい。さらに一般コーティングと異なり通常100μm程度の厚膜とする場合が多く製膜乾燥時に気泡が抜けにくく、膜中にピンホールなどが発生しやすいことが知られる。
溶液製膜のためのドープの脱気に関して、特開2003−200445号公報には、流延の気泡による故障を防止するため、流延支持体に流延する前の高濃度セルロースアシレート溶液を、1気圧下での飽和溶存空気量の90%以下に脱気したことを特徴とする溶液製膜方法が記載されている。該公報実施例によれば、1)ドープ調製時に減圧する方法(その後濾過)、2)濾過後のドープを加温、静置する方法、3)濾過後のドープを減圧する方法、4)濾過後のドープをフラッシュさせる方法、5)流延ダイ内部または吐出口におけるドープ温度をドープ調製時よりも低くする方法などいずれの方法を用いても脱気がなされ、流延後のフィルム上にほとんど気泡が発生しないと記載されている。
さらに、特開2002−241511号公報には乾燥後のフィルム中の気泡を0個とするため、すなわち気泡を防止するための方法として(1)耐圧溶解容器中でセルロースエステルと有機溶媒等を混合後沸点付近にまで昇温し、(2)その温度で6分以上静置したまま耐圧溶解容器を大気に開放した後、(3)該耐圧溶解容器を大気から閉じ、沸点をBPとすると、BP+20℃〜BP+50℃に昇温し加圧状態とし、(4)引き続き該加圧状態で溶解したドープを使用して形成すること、等が開示されている。
上記のようにセルロースアシレートを用いたドープでは種々の方法により、フィルム中の気泡を低減させる効果を発現できる。本発明者はこれら種々の方法をガラス転移温度が250℃以上かつ全光線透過率が70%以上のフィルムの製造方法に応用しようと試みたところ、ドープの減圧脱気を行うことが特異的に優れることを見出した。
ここで、「減圧脱気」とは、減圧下で脱気を行うことである。
本発明におけるドープの減圧脱気は、減圧下で脱気を行うこと以外は特に制限はないが、より好ましい減圧脱気の方法としては、沸騰させながら減圧脱気する方法、振動を与えながら減圧脱気する方法が挙げられる。沸騰させながら減圧脱気する場合の沸騰方法としては、ドープに使用する有機溶媒の最低沸点を超える温度で処理する方法でよく、室温で減圧度を高めて沸騰させる方法でもよく、加熱しながら減圧にする方法でもよい。沸騰させながら脱気を行うことで、より短時間で効率的に脱気が可能である。また、セルロースアシレートのドープの脱気方法として知られるフラッシュ法は送り容器を加圧する加圧フラッシュ、受け容器を減圧にする減圧フラッシュに分けられるが、減圧フラッシュは結果としてドープを減圧下にさらすこととなり、本発明におけるドープの減圧脱気方法に含まれる。
また、ドープに振動を与えながら脱気する方法の振動は、できるだけ細かく且つ強い振動を与えるのがよく、脱気方法の種類としては、超音波処理を行うことが好ましい。また、振動を与える方法として配管や容器の外部から与えても良く、内部に超音波振動素子を直接配置してもよい。また有用な振動装置の振動周波数としては100Hz〜40kHzが好ましく、特に超音波振動素子としては10〜40kHzが好ましい。
本発明におけるドープの減圧脱気方法は、上記の沸騰や振動を併用する方法を段階的に組み合わせてもよく、また同時に組み合わせてもよい。さらに単独では効果の少ないその他の方法(撹拌、加温、静置、加圧フラッシュ)を減圧脱気に組み合わせることも有効である場合が多い。この中でも撹拌しながら超音波による振動を与えた後、減圧脱気する方法が、脱気効果が高く、装置が簡便となり特に好ましい。
また、本発明におけるドープを濾過する場合、ドープの減圧脱気は濾過終了後に行うことが好ましい。ドープ濾過を行う場合、通常、空気を巻き込みやすく、本発明におけるドープを脱気後にドープ濾過を行う場合、脱気の効果が低下する懸念がある。
本発明におけるドープの減圧脱気を行う際の減圧度は、ドープの温度、ドープに用いる溶媒種にもより一概には言えないが、好ましい圧力範囲として1〜90000Pa、より好ましくは100〜80000Pa、特に好ましくは1000〜70000Paである。また、本発明では上記で挙げたように沸騰させながら減圧脱気する方法が好ましく、この場合の好ましい圧力は使用する溶媒種、ドープの温度で決定され、最も沸点の低い溶媒の蒸気圧以下であることが好ましい。また、本発明におけるドープの減圧脱気後に溶媒の揮発分を添加して濃度調整をすることもできる。
(流延乾燥工程)
次に本発明のフィルムの溶液の流延工程について述べる。前記流延乾燥工程は、減圧脱気を施したドープを支持体上に流延する工程である。本発明のフィルムの製造方法において用いられる溶液流延方法は、少量で行う場合はガラスや金属の容器にドープを調製し、必要に応じて濾過を行った後に減圧脱気を行い、このドープを平滑性の高い、ガラス板や金属板などの支持体上に小型ダイやドクターブレードなどを用いて所望の膜厚に流延する。流延後、一次乾燥を行い、支持体から剥離し、必要に応じて枠張りし、後乾燥を行う。
また、大量、特に連続的にフィルムを得る場合には、従来セルローストリアセテートフィルム製造に供する溶液流延製膜方法および溶液流延製膜装置を用いることができる。溶解機(釜)で調製されたドープを濾過、減圧脱気などを行いドープの最終調製をする。その後ドープをドープ排出口から、例えば回転数によって高精度に定量送液できる加圧型定量ギヤポンプを通して加圧型ダイに送り、ドープを加圧型ダイの口金(スリット)からエンドレスに走行している流延部の支持体(ドラムやバンド)の上に均一に流延され、支持体がほぼ一周した剥離点で、生乾きのドープ膜(ウェブとも呼ぶ)を支持体から剥離する。得られるウェブの両端をクリップで挟み、幅保持しながらテンターで搬送して乾燥し、続いて乾燥装置のロール群で搬送し乾燥を終了して巻き取り機で所定の長さに巻き取る。テンターとロール群の乾燥装置との組み合わせはその目的により変わる。ドラムまたはバンドの表面は、鏡面状態に仕上げておくことが好ましい。ソルベントキャスト法における流延および乾燥方法については、米国特許第2,336,310号明細書、同2,367,603号明細書、同2,492,078号明細書、同2,492,977号明細書、同2,492,978号明細書、同2,607,704号明細書、同2,739,069号明細書、同2,739,070号明細書、英国特許第640731号明細書、同736892号明細書、特公昭45−4554号公報、同49−5614号公報、特開昭60−176834号公報、同60−203430号公報、同62−115035号公報に記載がある。ドープは、任意の表面温度に調整したドラムまたはバンド上に流延することが好ましく用いられる。
本発明では得られた本発明におけるドープを、支持体としての平滑なバンド上あるいはドラム上に単層液として流延してもよいし、2層以上の複数の本発明におけるドープを流延してもよい。複数の本発明におけるドープを流延する場合、支持体の進行方向に間隔を置いて設けた複数の流延口から本発明におけるドープをそれぞれ流延させて積層させながらフィルムを作製してもよく、例えば特開昭61−158414号公報、特開平1−122419号公報、特開平11−198285号公報などに記載の方法が適応できる。また、2つ以上の流延口から同時に本発明におけるドープを流延することによってもフィルム化することでもよく、例えば特公昭60−27562号公報、特開昭61−94724号公報、特開昭61−947245号公報、特開昭61−104813号公報、特開昭61−158413号公報、特開平6−134933号公報に記載の方法で実施できる。また、特開昭56−162617号公報に記載の高粘度の本発明におけるドープの流れを低粘度の本発明におけるドープで包み込み、その高,低粘度の本発明におけるドープを同時に押出す流延方法でもよい。
さらに、本発明においては、2個の流延口を用いて、第一の流延口により支持体に成型したフィルムを剥ぎ取り、支持体面に接していた側に第二の流延を行なうことによりフィルムを作製することでもよく、例えば特公昭44−20235号公報に記載されている方法を用いることができる。流延する本発明におけるドープは同一の溶液でもよいし、異なる本発明におけるドープでもよく特に限定されない。複数の本発明におけるポリマー層に機能を持たせるために、その機能に応じた本発明におけるドープを、それぞれの流延口から押出せばよい。さらに本発明におけるドープは、他の機能層(例えば、接着層、染料層、帯電防止層、アンチハレーション層、UV吸収層、偏光膜など)を同時に流延することも実施しうる。
また、詳細に本発明に有用な流延方法について記すと、調製されたドープを加圧ダイから支持体上に均一に押し出す方法;一旦支持体上に流延されたドープをブレードで膜厚を調節するドクターブレードによる方法;あるいは逆回転するロールで調節するリバースロールコーターによる方法等があるが、加圧ダイによる方法が好ましい。加圧ダイにはコートハンガータイプやTダイタイプ等があるがいずれも好ましく用いることができる。また、ここで挙げた方法以外にも従来知られているセルローストリアセテート溶液を流延製膜する種々の方法(例えば特開昭61−94724号公報、同61−148013号公報、特開平4−85011号公報、同4−286611号公報、同5−185443号公報、同5−185445号公報、同6−278149号公報、同8−207210号公報などに記載の方法)を好ましく用いることができ、用いる溶媒の沸点等の違いを考慮して各条件を設定することによりそれぞれの公報に記載の内容と同様の効果が得られる。
本発明のフィルムを製造方法に使用されるエンドレスに走行する支持体としては、表面がクロムメッキによって鏡面仕上げされたドラムや表面研磨によって鏡面仕上げされたステンレスベルト(バンドといってもよい)などが用いられる。本発明のフィルムの製造に用いられる加圧ダイは、支持体の上方に1基あるいは2基以上の設置でもよい。好ましくは1基または2基である。2基以上設置する場合には流延するドープ量をそれぞれのダイに種々な割合にわけてもよく、複数の精密定量ギヤアポンプからそれぞれの割合でダイにドープを送液することができる。
本発明のフィルムの製造方法に係わる支持体上におけるドープの乾燥は、一般的には支持体(ドラムあるいはベルト)の表面側、つまり支持体上にあるウェブの表面から熱風を当てる方法、ドラムあるいはベルトの裏面から熱風を当てる方法、温度コントロールした液体をベルトやドラムのドープ流延面の反対側の裏面から接触させて、伝熱によりドラムあるいはベルトを加熱し表面温度をコントロールする液体伝熱方法などがあるが、裏面液体伝熱方式が好ましい。流延される前の支持体の表面温度はドープに用いられている溶媒の沸点以下であれば特に制限はない。しかし乾燥を促進するためには、また支持体上での流動性を失わせるためには、使用される溶媒の内の最も沸点の低い溶媒の沸点より1〜10℃低い温度に設定することが好ましい。また、沸点の異なる溶媒を複数種用いる場合、温度を多段階にまたは連続的に上昇させてもよい。一方で使用される溶媒の内の最も沸点の低い溶媒の沸点より20℃以上低い温度に設定することでフィルム中に発生する泡数が減少する傾向にある。このことはフィルムの乾燥速度を低下させることで気泡の抜けを促進させているものと推測でき、生産性向上とは両立しにくい。
支持体上に形成された本発明におけるポリマーフィルムは、支持体から剥離される。このときの、剥離荷重の最大値(最大剥離荷重)は1〜30g/cmであることが好ましく、1〜28g/cmであることがより好ましく、3〜25g/cmであることがさらに好ましい。また、本発明におけるドープを支持体上に流延した時点から剥離を開始するまでの時間は、30秒〜600秒であることが好ましく、30秒〜400秒がより好ましく、30秒〜240秒がさらに好ましい。
支持体から剥離した後の乾燥工程では、溶媒の蒸発によってフィルムは巾方向に収縮しようとする。このため、高温度で乾燥するほど収縮が大きくなる。この収縮は可能な限り抑制しながら乾燥することが、でき上がったフィルムの平面性を良好にする上で好ましい。この観点から、例えば、特開昭62−46625号公報に示されているような乾燥全工程あるいは一部の工程を幅方向にクリップでウェブの巾両端を巾保持しつつ乾燥させる方法(テンター方式)が好ましい。
本発明のフィルムの製造方法における乾燥工程は多段階に温度を上昇させて乾燥させることが好ましい。初期乾燥温度は用いる有機溶媒の沸点によっても異なるが、40〜250℃が好ましく、70〜220℃がより好ましい。さらに残留溶剤を除去するために、初期乾燥温度よりも高温で乾燥させることが好ましく、50℃〜本発明のフィルムのガラス転移温度以下の温度範囲で乾燥される。その場合逐次温度を変えた高温風で乾燥してもよく、赤外線ヒーターを用いてもよく、両方を併用することもできる。以上の方法は、特公平5−17844号公報などに記載がある。この方法によると、流延から剥ぎ取りまでの時間を短縮することが可能である。使用する溶媒によって乾燥温度、乾燥風量および乾燥時間が異なり、使用溶媒の種類、組合せに応じて適宜選べばよい。最終仕上がりフィルムの残留溶剤量は2質量%以下が好ましく、0.4質量%以下がより好ましく、特に好ましくは0.1質量%以下である。また、フィルムの乾燥は必要に応じて不活性ガス気流下で行ってもよく、減圧下で行ってもよい。
本発明においては、その物理特性を向上させるために積極的に幅方向に延伸してもよく、例えば、特開昭62−115035号公報、特開平4−152125号、同4−284211号公報、同4−298310号公報、同11−48271号公報などに記載されている方法を適用できる。フィルムの延伸は、一般にはTg(ガラス転移温度)よりもさらに10〜20℃高い温度で行う場合が多いが、本発明のフィルムはガラス転移温度が高く、ガラス転移温度以上に加熱することでポリマーの分解が開始する場合がある。このような場合、本発明では特に本発明のフィルムの乾燥中の処理で延伸することが有効である。つまり溶媒を含んだ見かけのガラス転移温度が低い状態で延伸を行うことでポリマーの分解を起こさない温度で延伸することができる。その延伸方法としては、例えば、剥ぎ取り時の場合フィルムの搬送ローラーの速度を調節して、フィルムの剥ぎ取り速度よりもフィルムの巻き取り速度の方を速くするとフィルムは延伸される。また、剥ぎ取り後の乾燥時の場合、搬送方向手前側の搬送ローラーの搬送速度に対して搬送先の搬送ローラーの搬送速度を速くすることでフィルムは延伸される。また、フィルムの巾をテンターで保持しながら搬送して、テンターの巾を徐々に広げることでフィルムを幅方向に延伸できる。
フィルムの延伸倍率(元の長さに対する延伸後の長さの倍率)は、1.03〜3倍であることが好ましく、さらに好ましいのは1.05〜2.5倍であり、より好ましくは1.05〜1.8倍である。この時、延伸方向は流延方向でもよいし、流延方向と直角な方向に延伸されてもよく、さらに場合によっては両方向に延伸されてもよい。この時、延伸は同時に実施されてもよく、一方向に延伸してその後別方向に延伸されてもよい。これら流延から後乾燥までの工程は、空気雰囲気下でもよいし窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気下でもよい。
本発明におけるポリマーフィルムの製造に係わる巻き取り機は一般的に使用されているものでよく、定テンション法、定トルク法、テーパーテンション法、内部応力一定のプログラムテンションコントロール法などの巻き取り方法で巻き取ることができる。本発明のでき上がり(乾燥後)の本発明におけるポリマーフィルムの厚さは、使用目的によって異なるが、通常20から500μmの範囲が好ましく、さらに30〜250μmの範囲が好ましく、特に30〜150μmの範囲が最も好ましい。フィルム厚さの調製は、所望の厚さになるように、ドープ中に含まれる固形分濃度、ダイの口金のスリット間隙、ダイからの押し出し圧力、支持体速度等を調節すればよい。
延伸速度は5%/分〜1000%/分であることが好ましく、さらに10%/分〜500%/分であることが好ましい。延伸はヒートロールあるいは/および放射熱源(IRヒーター等)、温風により行なうことが好ましい。また、温度の均一性を高めるために恒温槽を設けてもよい。ロール延伸で一軸延伸を行なう場合、ロール間距離(L)とフィルム幅(W)との比であるL/Wが、2.0〜5.0であることが好ましい。さらに、テンター乾燥のウェブの発泡を防止し、離脱性を向上させ、発塵を防止するために、乾燥装置において乾燥器の熱風や熱源がウェブ両縁部に当たらないように、乾燥器の幅がウェブの幅よりも短く形成することも好ましい。また、テンターの保持部に熱風や熱源が当たらないようウェブ両側端部内側に遮蔽板を設置してもよい。
延伸フィルムは所定の厚さにすべき延伸倍率を選定すればよい。また、延伸することにより平面性などの面状の改良が達成でき好ましい場合がある。さらに、厚みのムラをより小さくするために、延伸温度を幅方向に勾配を持たせることで、一定の温度で延伸するより一層均一な延伸が達成できる場合もある。
本発明のフィルムの厚みムラは流延方向、幅方向いずれも0%〜5%が好ましく、より好ましくは0%〜3%、さらに好ましくは0%〜1%である。また、本発明のフィルムは、寸法変化率が低いことが好ましい。特にディスプレイ用基板として各種機能層を設置する用途に用いる場合、寸法変化率の要求レベルが高く、好ましくは200℃(より好ましくは250℃、特に好ましくは300℃)、5時間加熱処理を行った場合の縦および横の寸法変化率は±0.1%以下であることが好ましく、より好ましくは±0.01%以下、特に好ましくは±0.005%以下である。
本発明のフィルムの寸法変化率を低下させるためには、あらかじめ加熱処理をすることが有効である。この場合の加熱温度は使用する用途や要求される寸法変化率のレベルにもよるが、150℃〜ガラス転移温度以下の温度範囲で任意に選択できる。加熱時間は温度が高いほど短時間で済み、必要とする寸法変化率のレベルと加熱処理温度とによって決定される。一方、ここで行う加熱処理はフィルムの乾燥工程や必要に応じて行う延伸工程でフィルム内部に残留する内部応力を解消するために行うものであり、加熱処理によりフィルムは収縮する。従ってフィルムの収縮を急激に行うとフィルムの平面性が悪化する場合があり、注意を要する。このような場合、本発明のフィルムの製造方法における加熱処理方法としては、乾燥後のフィルムに急激な収縮を起こさないように端部を固定して加熱処理を行い、ついで端部を固定せずに加熱処理を行い、収縮を完了させる2段階で加熱処理を行う方法が平面性を悪化させずに寸法変化率を低減できる方法として特に有効である。加熱処理は裁断後のフィルムを1枚ずつ処理することもロール状にフィルムを巻取りながら連続的に加熱処理することもできる。裁断後のフィルムは金枠にクリップ等で固定し、第1加熱処理を行ったのち、クリップを外して再度加熱処理を行うことで、上記で挙げた2段階の加熱処理を行うことができる。連続的に加熱処理を行う場合は幅方向テンタークリップで固定しながら幅サイズを維持するか所望の収縮量まで収縮させながら、搬送方向は搬送ロール回転数をロールごとに調節することで端部を固定するのと同様の効果が得られ急激な収縮を抑えながら第1の加熱処理を行うことができる。その後、第2の加熱処理は、テンタークリップを解除し、全ての搬送ロール回転数を同じとすることで連続的に実施する方法と巻取り後のロールをそのまま加熱処理を行ういずれかの方法を選択することができる。
ここで、上記加熱処理後の冷却温度は、処理温度やフィルム厚みによって異なるが、好ましくは、0〜40℃である。この際、フィルムの表面と裏面を冷却する空気等の冷却媒体の温度差が大き過ぎると、得られるフィルムの表裏両面の熱収縮率差が大きくなり、加熱時にフィルムが歪み、ソリが生じ易くなり、変形が大きくなる場合がある。かかる点を考慮すると、フィルムの表面と裏面を冷却する空気等の冷却媒体の温度差は小さい方が好ましいが、本発明の目的を達成するためには、該温度差を5℃以内に調整することが好ましい。
上記の方法で本発明のフィルムを作製することで耐熱性、透過率が高く、気泡および異物などの欠陥が少なく、平面性、寸度安定性に優れたフィルムを生産性良く得ることができる。本発明のフィルムは耐熱性が高いほど好ましく、ガラス転移温度は、250℃以上であり、好ましくは300℃以上、より好ましくは350℃以上である。ガラス転移温度はDSC、TMA、粘弾性測定など公知のいずれかの方法で測定可能であり、TMA測定が最も簡便で好ましい測定法である。本発明のフィルムは透過率が高いことが好ましく、全光線透過率が70%以上であり、好ましくは75%以上、より好ましくは80%以上である。全光線透過率はスガ試験製、直読式ヘイズコンピューターHGM−2DPを用いて測定できる。また、全光線透過率と同時にフィルムのヘイズも測定可能であり、好ましいヘイズは0.8%以下であり、より好ましくは0.5%以下である。
本発明のフィルムの製造は、回転ドラムまたはバンド上への溶液流延、剥ぎ取りおよび乾燥を連続的に行い、ロール状に巻取ることにより行なう方法が好ましい。この際、フィルムを機械的に搬送するときに、フィルムの力学強度が高いことが好ましい。好ましい力学強度は、搬送装置によって異なるため一概に言えないが、目安としてフィルムの引張試験から得られる破断応力と破断伸度とを用いることができる。好ましい破断応力は、50MPa以上、より好ましくは80MPa以上、さらに好ましくは100MPa以上である。破断伸度は、サンプル作製条件等によっても変動するため、破断応力よりは信頼性がやや低いが、好ましくは5%以上、より好ましくは10%以上、さらに好ましくは15%以上である。
(本発明のフィルムの改質)
次に本発明のフィルムについて、さらに機能を付与する場合の好ましい態様を記述する。まず本発明のフィルムの表面処理方法について記述する。
本発明のフィルムは、場合により表面処理を行なうことによって、本発明のフィルムと各種機能層との接着の向上を達成することができる。例えばグロー放電処理、紫外線照射処理、コロナ処理、火炎処理、酸またはアルカリ処理を用いることができる。グロー放電処理とは、10-3〜20Torr(0.13〜2700Pa)の低圧ガス下でおこる、いわゆる低温プラズマのことも示すが、大気圧下でのグロー放電処理でもよい。
まず、低圧下でのグロー放電処理は、米国特許第3,462,335号明細書、同3,761,299号明細書、同4,072,769号明細書および英国特許第891,469号明細書に記載されている。また不活性ガス、酸化窒素類、有機化合物ガス等の特定のガス等を導入することも行われる。水蒸気バリアフィルムの表面をグロー放電処理する際には大気圧でもよいし減圧下で実施されてもよい。さらに、グロー放電処理の雰囲気に酸素、窒素、ヘリウムあるいはアルゴンのような種々のガスや水を導入しながら実施してもよい。グロー放電処理時の真空度は0.005〜20Torr(0.6666〜2700Pa)が好ましく、より好ましくは0.02〜2Torr(2.666〜266.6Pa)である。また、電圧は500〜5000Vの間が好ましく、より好ましくは500〜3000Vである。使用する放電周波数は、直流から数千MHz、より好ましくは50Hz〜20MHz、さらに好ましくは1KHz〜1MHzである。放電処理強度は、0.01KV・A・分/m2〜5KV・A・分/m2が好ましく、より好ましくは0.15KV・A・分/m2〜1KV・A・分/m2である。
次に本発明のフィルムの表面処理としては、紫外線照射法も本発明では好ましく用いられる。使用される水銀灯は石英管からなる高圧水銀灯で、紫外線の波長が180〜380nmの間であるものが好ましい。紫外線照射の方法については、光源は本発明のフィルムの表面温度が150℃前後にまで上昇することが支持体性能上問題なければ、主波長が365nmの高圧水銀灯ランプを使用することができる。低温処理が必要とされる場合には主波長が254nmの低圧水銀灯が好ましい。またオゾンレスタイプの高圧水銀ランプ、および低圧水銀ランプを使用する事も可能である。処理光量に関しては処理光量が多いほど本発明のフィルムと被接着層との接着力は向上するが、光量の増加に伴い支持体が着色し、また支持体が脆くなるという問題が発生する。従って、365nmを主波長とする高圧水銀ランプで、照射光量20〜10000(mJ/cm2)がよく、より好ましくは50〜2000(mJ/cm2)である。254nmを主波長とする低圧水銀ランプの場合には、照射光量100〜10000(mJ/cm2)がよく、より好ましくは300〜1500(mJ/cm2)である。
次に本発明のフィルムの表面処理としてコロナ放電処理も好ましく用いることができる。コロナ放電処理装置としては、Pillar社製ソリッドステートコロナ処理機、LEPEL型表面処理機、VETAPHON型処理機等を用いることができる。また、コロナ放電処理は空気中、常圧で行なうことができる。処理時の放電周波数は、5〜40KV、より好ましくは10〜30KVであり、波形は交流正弦波が好ましい。電極と誘電体ロールとのギャップクリアランスは0.1〜10mm、より好ましくは1.0〜2.0mmである。放電は、放電帯域に設けられた誘電サポートローラーの上方で処理し、処理量は、0.3〜0.4KV・A・分/m2、より好ましくは0.34〜0.38KV・A・分/m2である。
次に火炎処理について記述する。前記火炎処理に用いられるガスは天然ガス、液化プロパンガス、都市ガスのいずれでもかまわないが、空気との混合比が重要である。天然ガス/空気の好ましい混合比は容積比で1/6〜1/10、好ましくは1/7〜1/9である。また、液化プロパンガス/空気の場合は1/14〜1/22、好ましくは1/16〜1/19、都市ガス/空気の場合は1/2〜1/8、好ましくは1/3〜1/7である。また、火炎処理量は1〜50Kcal/m2、より好ましくは3〜20Kcal/m2の範囲で行なうとよい。
次にアルカリケン化処理について具体的に説明する。本発明のフィルム表面をアルカリ溶液に浸漬した後、酸性溶液で中和し、水洗して乾燥するサイクルで行われることが好ましい。前記アルカリ溶液としては、水酸化カリウム溶液、水酸化ナトリウム溶液が挙げられ、水酸化イオンの濃度は0.1mol/L〜4.0mol/Lであることが好ましく、0.5mol/L〜3.5mol/Lであることがさらに好ましい。アルカリ溶液温度は、室温〜90℃の範囲が好ましく、40℃〜70℃がさらに好ましい。次に一般には水洗され、しかる後に酸性水溶液を通過させた後に、水洗して表面処理したフィルムを得る。
この時、酸としては塩酸、硝酸、硫酸、酢酸、蟻酸、クロロ酢酸、シュウ酸などであり、その濃度は0.01mol/L〜3.0mol/Lであることが好ましく、0.05mol/L〜2.0mol/Lであることがさらに好ましい。アルカリケン化時間は、20秒〜600秒で実施されるがことが好ましくは、さらには30秒〜300秒が好ましく、特には40秒〜210秒であることが好ましい。また中和は、20秒〜600秒で実施されることが好ましく、より好ましくは30秒〜250秒、特には40秒〜180秒であるであることが好ましい。さらに水洗については、20秒〜400秒で実施されることが好ましく、より好ましくは30秒〜300秒、特には40秒〜210秒であるであることが好ましい。
本発明のフィルムと機能性層とを接着するために、表面活性化処理をしたのち、直接本発明のフィルム上に機能層を形成して接着力を得る方法と、一旦何がしかの表面処理をした後、あるいは表面処理なしで、下塗層(接着層)を設けこの上に機能層を形成する方法とがある。下塗層は第1層として支持体によく接着する層を設け、その上に第2層として機能層とよく接着する下塗り第2層を塗布する所謂重層法を用いてもよい。
本発明のフィルムに場合により施される下塗り層には、機能層の透明性などを実質的に損なわない程度に無機または、有機の微粒子をマット剤として含有させることができる。無機の微粒子のマット剤としてはシリカ(SiO2),二酸化チタン(TiO2),炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムなどを使用することができる。有機の微粒子マット剤としては、ポリメチルメタクリレ−ト、セルロースアセテートプロピオネ−ト、ポリスチレン、米国特許第4,142,894号明細書に記載されている処理液可溶性のもの、米国特許第4,396,706号明細書に記載されているポリマーなどを用いることができる。これらの微粒子マット剤の平均粒子サイズは0.01〜10μmのものが好ましい。より好ましくは、0.05〜5μmである。また、その含有量は0.5〜600mg/m2が好ましく、さらに好ましくは、1〜400mg/m2である。下塗液は、一般に良く知られた塗布方法、例えばディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、スライドコート法、あるいは、米国特許第2,681,294号明細書に記載のホッパ−を使用するエクストルージョンコート法により塗布することができる。
本発明のフィルムの表面には用途に応じて下塗り層以外にも、表面平滑化のため平滑化層、耐傷性付与のためのハードコート層、耐光性を高めるための紫外線吸収層、フィルムの搬送性を改良させるための表面粗面化層など目的に応じて種々の公知の機能性層を付与することができる。
本発明のフィルムは、耐熱性、透明性に優れ、各種ディスプレイ基板に用いることができ、この場合、透明導電層、ガスバリア層などを形成し、TFTや有機EL素子などを本発明のフィルム上に形成することもできる。
前記透明導電層としては、公知の金属膜、金属酸化物膜等が適用できるが、中でも、透明性、導電性、機械的特性の点から、金属酸化物膜が好ましい。例えば、不純物としてスズ、テルル、カドミウム、モリブテン、タングステン、フッ素、亜鉛、ゲルマニウム等を添加した酸化インジウム、酸化カドミウムおよび酸化スズ、不純物としてアルミニウムを添加した酸化亜鉛、酸化チタン等の金属酸化物膜が挙げられる。中でも酸化スズから主としてなり、酸化亜鉛を2〜15質量%含有した酸化インジウムの薄膜が、透明性、導電性が優れており、好ましく用いられる。
これら透明導電層の製膜方法は、目的の薄膜を形成できる方法であれば、いかなる方法でもよいが、例えばスパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、プラズマCVD法等の気相中より材料を堆積させて膜形成する気相堆積法などが適しており、特許第3400324号、特開2002−322561号、特開2002−361774号各公報記載の方法で製膜する事ができる。中でも、特に優れた導電性・透明性が得られるという観点からは、スパッタリング法が好ましい。
スパッタ法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、プラズマCVD法の好ましい真空度は0.133mPa〜6.65Pa、より好ましくは0.665mPa〜1.33Paである。このような透明導電層を設ける前に、プラズマ処理(逆スパッタ)、コロナ処理のように基材フィルムに表面処理を加えることが好ましい。また透明導電層を設けている間に50〜200℃に昇温してもよい。
透明導電層の膜厚は20〜500nmであることが好ましく、50〜300nmであることがさらに好ましい。
また、透明導電層の25℃・60%RH(relative humidity)で測定した表面電気抵抗は0.1〜200Ω/□であることが好ましく、0.1〜100Ω/□であることがより好ましく、0.5〜60Ω/□であることがさらに好ましい。また透明導電層の光透過性は80%以上、より好ましくは83%以上、さらに好ましくは85%以上である。
本発明のフィルムには、ガス透過性を抑制するために、ガスバリア層を設けることも好ましい。好ましいガスバリア層としては、例えば珪素、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛、ジルコニウム、チタン、イットリウム、タンタルからなる群から選ばれる1種または2種以上の金属を主成分とする金属酸化物、珪素、アルミニウム、ホウ素の金属窒化物またはこれらの混合物を挙げることができる。この中でも、ガスバリア性、透明性、表面平滑性、屈曲性、膜応力、コスト等の点から珪素原子数に対する酸素原子数の割合が1.5〜2.0の珪素酸化物を主成分とする金属酸化物が良好である。
これら無機のガスバリア層は、例えば、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、プラズマCVD法等の気相中より材料を堆積させて膜形成する気相堆積法により作製できる。中でも、特に優れたガスバリア性が得られるという観点から、スパッタリング法が好ましい。また、ガスバリア層を設けている間に50〜200℃に昇温してもよい。
前記ガスバリア層の膜厚は、10〜300nmであることが好ましく、30〜200nmであることがより好ましい。
前記ガスバリア層は、透明導電層と同じ側または反対側いずれに設けてもよく、また両面に設けてもよい。
ガスバリア層を設けたフィルムのガスバリア性は、40℃・相対湿度100%で測定した水蒸気透過度が0〜5g/m2・dayであることが好ましく、0〜1g/m2・dayであることがより好ましく、0〜0.5g/m2・dayであることがさらに好ましい。また、40℃・相対湿度90%で測定した酸素透過度は0〜1ml/m2・day・atmであることが好ましく、0〜0.7ml/m2・day・atmであることがより好ましく、0〜0.5ml/m2・day・atmであることがさらに好ましい。
本発明のフィルムは、バリア性を向上させる目的で、ガスバリア層と隣接して欠陥補償層を設けることが好ましい。前記欠陥補償層は、(1)米国特許第6171663号明細書、特開2003−94572号公報記載のようにゾルゲル法を用いて作製した無機酸化物層を利用する方法、(2)米国特許第6413645号明細書、同64163645号明細書記載のように有機物層を利用する方法で作製できる。また、欠陥補償層は、前記文献に記載されているように、真空下で蒸着後、紫外線若しくは電子線で硬化させる方法、または塗布した後、加熱、電子線、紫外線等で硬化させる方法で作製することが好ましい。塗布方式で作製する場合には、従来用いられる種々の塗布方法、例えば、スプレーコート、スピンコート、バーコート等の方法を用いることができる。
〔画像表示素子〕
本発明のフィルムは、薄膜トランジスタ(TFT)表示素子用基板として用いることができる。TFTアレイの作製方法は、特表平10−512104号公報に記載された方法等が挙げられる。さらに、これらの基板はカラー表示のためのカラーフィルターを有していてもよい。カラーフィルターはいかなる方法を用いて作製してもよいが、好ましくはフォトリソグラフィー手法で作製することが好ましい。
本発明のフィルムは、必要に応じて各種機能層を設けた上で画像表示素子に用いることができる。ここで、画像表示素子としては特に限定されず、従来知られているものを用いることができる。また、本発明のフィルムを用いて表示品質に優れたフラットパネルディスプレイを作製できる。フラットパネルディスプレイとしては液晶、プラズマディスプレイ、エレクトロルミネッセンス(EL)、蛍光表示管、発光ダイオードなどが挙げられ、これら以外にも従来ガラス基板が用いられてきたディスプレイ方式のガラス基板に代替する基板として用いることができる。さらに、本発明のフィルムは太陽電池、タッチパネルなどの用途にも利用可能である。太陽電池は、特開平9−148606号公報、特開平11?288745号公報、新しい有機太陽電池のオールプラスチック化への課題と対応策(2004年、技術情報協会出版)などに記載のものに応用できる。タッチパネルは、特開平5−127822号公報、特開2002−48913号公報等に記載のものに応用できる。
本発明のフィルムを液晶表示用途などに使用する場合には、光学的均一性を達成するために非晶性ポリマーであることが好ましい。また、複屈折は小さい方が好ましく、特に面内レタデ−ション(Re)は50nm以下であることが好ましく、30nm以下であることがより好ましく、15nm以下であることがさらに好ましい。本発明におけるポリマーのみを用いて複屈折の小さいフィルムを得るためには、溶液流延時の溶媒および乾燥条件を適宜調節し、または必要に応じて延伸して調節することもできる。さらに、レターデーション(Re)およびその波長分散を制御する目的で、固有複屈折の符号が異なる樹脂を組み合わせたり、波長分散の大きい(あるいは小さい)樹脂を組み合わせたりすることもできる。また、本発明のフィルムはレターデーション(Re)の制御を行ったり、ガス透過性や力学特性の改良を行ったりする目的で、異種樹脂の積層等を好適に用いることができる。また、公知の位相差板を併用して位相差補償を行うこともできる。
一方、光学異方性をコントロールすることで、本発明のフィルムを位相差板として用いることもできる。この場合、必ずしも複屈折が小さい必要はなく、所望の複屈折を有していればよい。所望の複屈折を得る方法としては、本発明のフィルムを延伸したり、複屈折を有する化合物を混合したり、塗設したり公知のあらゆる方法を用いることができる。
反射型液晶表示装置に用いる場合は、下から順に、下基板、反射電極、下配向膜、液晶層、上配向膜、透明電極、上基板、λ/4板、そして偏光膜からなる。このうち本発明のフィルムは光学特性の調節によりλ/4板、偏光膜用保護フィルム、他の位相差板(例えば視野角補償フィルム)として用いてもよいが、その耐熱性の観点から基板としての利用が好ましく、さらには透明性の観点から透明電極および配向膜付上基板として使用することが好ましい。また、必要に応じてガスバリア層、TFTなどを設けることもできる。カラー表示の場合には、さらにカラーフィルター層を反射電極と下配向膜との間、または上配向膜と透明電極との間に設けることが好ましい。
透過型液晶表示装置に用いる場合は、下から順に、バックライト、偏光板、λ/4板、下透明電極、下配向膜、液晶層、上配向膜、上透明電極、上基板、λ/4板、そして偏光膜からなる。このうち本発明のフィルムは、光学特性の調節によりλ/4板、偏光膜用保護フィルム、他の位相差板(例えば視野角補償フィルム)として用いてもよいが、その耐熱性の観点から基板としての利用が好ましく、透明電極および配向膜付基板として使用することが好ましい。また、必要に応じてガスバリア層、TFTなどを設けることもできる。カラ−表示の場合には、さらにカラーフィルター層を下透明電極と下配向膜との間、または上配向膜と透明電極との間に設けることが好ましい。
液晶セルは特に限定されないが、TN(Twisted Nematic)、IPS(In-Plane Switching)、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)、AFLC(Anti-ferroelectric Liquid Crystal)、OCB(Optically Compensated Bend)、STN(Super Twisted Nematic)、VA(Vertically Aligned)およびHAN(Hybrid Aligned Nematic)のような様々な表示モードが提案されている。また、上記表示モ−ドを配向分割した表示モードも提案されている。本発明のフィルムは、いずれの表示モードの液晶表示装置においても有効である。また、透過型、反射型、半透過型のいずれの液晶表示装置においても有効である。
これらは特開平2−176625号公報、特公平7−69536号公報、MVA(SID97,Digest of tech. Papers(予稿集)28(1997)845)、SID99, Digest of tech. Papers (予稿集)30(1999)206、特開平11−258605号公報、SURVAIVAL(月刊ディスプレイ、第6巻、第3号(1999)14)、PVA(Asia Display 98,Proc. of the-18th-Inter. Display res. Conf.(予稿集)(1998)383)、Para−A(LCD/PDP Iternational`99)、DDVA(SID98, Digest of tech. Papers(予稿集)29(1998)838)、EOC(SID98, Digest of tech. Papers(予稿集)29(1998)319)、PSHA(SID98, Digest of tech. Papers(予稿集)29(1998)1081)、RFFMH(Asia Display 98, Proc. of the-18th-Inter. Display res. Conf. (予稿集)(1998)375)、HMD(SID98, Digest of tech. Papers (予稿集)29(1998)702)、特開平10−123478号公報、国際公開W098/48320号公報、特許第3022477号公報、および国際公開WO00/65384号公報等に記載されている。
本発明のフィルムは、必要に応じてガスバリア層、TFTを設け、透明電極付基板として有機EL表示用途に使用できる。
有機EL表示素子としての具体的な層構成としては、陽極/発光層/透明陰極、陽極/発光層/電子輸送層/透明陰極、陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/透明陰極、陽極/正孔輸送層/発光層/透明陰極、陽極/発光層/電子輸送層/電子注入層/透明陰極、陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/透明陰極等が挙げられる。
本発明のフィルムが使用できる有機EL素子は、前記陽極と前記陰極との間に直流(必要に応じて交流成分を含んでもよい)電圧(通常2ボルト〜40ボルト)、または直流電流を印加することにより、発光を得ることができる。
これら有機EL素子の駆動については、特開平2−148687号公報、特開平6−301355号公報、特開平5−29080号公報、特開平7−134558号公報、特開平8−234685号公報、特開平8−241047号公報、米国特許第5828429号明細書、同6023308号明細書、日本特許第2784615号公報等に記載された方法を利用できる。
以下に実施例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
[フィルム特性値の測定方法]
フィルムの特性値は以下のように測定した。
<フィルムの厚さ(膜厚)>
ダイヤル式厚さゲージ(アンリツ(株)製、K402B)により測定した。
<フィルムの全光線透過率>
スガ試験機製「直読式ヘイズコンピューターHGM−2DP」を用いてフィルムの全光線透過率を測定した。
<ガラス転移温度(Tg)>
フィルムサンプル(0.5cm×2.0cm片)を作製し、引張荷重100mNの条件下、TMA(リガク(株)製、TMA8310)の引張荷重法にて得られる熱変形開始温度をフィルムのガラス転移温度として測定した。
<フィルムの泡数>
フィルムサンプル約1m2(32cm×100cm×3枚)内の泡の個数をクロスニコル下目視で数えフィルムの泡数とした。
<フィルムの異物数>
フィルムサンプルを光学顕微鏡によって150倍で観察し、70mm2(1.4mm2を50点観察)内の直径5μm以上の異物の数を数え、これをフィルムの異物数とした。
<フィルムの寸法変化率>
フィルムサンプル(0.5cm×2.0cm片)を作製し、引張荷重100mNの条件下、TMA(リガク(株)製、TMA8310)の引張荷重法にて任意の温度(フィルムのガラス転移温度−50℃)で5時間加熱した場合の寸法変化量を測定し、測定前のサンプル長で除した値をフィルムの寸法変化率とした(なお、いずれも収縮変化(マイナス値)を示したが、絶対値で表記した)。
<フィルムの平面性>
フィルムサンプルに蛍光灯を写し込み目視で観察し、蛍光灯像の歪みから以下のように判定し、フィルムの平面性とした。
○:蛍光灯像の歪みはほとんどない。
△:蛍光灯像の歪みが一部見られる。
×:蛍光灯像の歪みが大部分に見られる。
[比較例1]
1.フィルムの製膜方法
1−1.セルローストリアセテートフィルムの製膜(特開2003−200445号公報実施例1に記載の方法)
(ドープ調製時に減圧する方法)
減圧配管を接続した攪拌羽根を有する1Lのガラス瓶に、下記組成の溶媒および可塑剤混合溶液を調製し、ガラス瓶内圧力を90000Paにし、よく攪拌しつつ、セルローストリアセテート粉体(平均サイズ2mm)を徐々に添加し、全体が920gになるように仕込んだ。添加後、室温(25℃)にて1時間放置し、セルローストリアセテートを膨潤させた。次に、ガラス瓶を−70℃のメタノール/ドライアイス混合浴で30分間冷却し、セルローストリアセテートを溶解したのち、50℃に加温し、平均孔径40μmの濾紙(東洋濾紙(株)製,『#63』)で、0.5MPaの圧力で加圧濾過しセルローストリアセテートドープを得た。このときの濾過面積は43cm2であり、濾過に要した時間は1時間であった。このセルローストリアセテートドープを幅40cmの小型流延ダイを用いてガラス基板上に流延した。流延後、露点6℃の送風下、22℃で2分間、70℃で3分間乾燥させた後、フィルムをガラス基板より剥離し、内径が32cm×100cmの金属枠に枠張りをした状態でさらに140℃で30分乾燥させてフィルム試料(試料101)を得た。
得られたフィルム試料の膜厚、全光線透過率、ガラス転移温度、泡数、異物数、寸法変化率、平面性を濾過時間とともに表1に結果を示す。
〔組成〕
・セルローストリアセテート 28質量部
(置換度2.83、粘度平均重合度320、含水率0.4質量%、
メチレンクロライド溶液中6質量%の粘度305mPa・s)
・酢酸メチル 75質量部
・シクロペンタノン 10質量部
・アセトン 5質量部
・メタノール 5質量部
・エタノール 5質量部
・可塑剤A(ジペンタエリスリトールヘキサアセテート) 1質量部
・可塑剤B(トリフェニルフォスフェート) 1質量部
[比較例2]
1−2.セルローストリアセテートフィルムの製膜(特開2003−200445号公報実施例2に記載の方法)
(濾過後のドープを加温、静置する方法)
攪拌羽根を有する1Lのガラス瓶に、下記組成の溶媒および可塑剤混合溶液を調製し、よく攪拌しつつ、セルローストリアセテート粉体(平均サイズ2mm)を徐々に添加し、全体が920gになるように仕込んだ。添加後、室温(25℃)にて1時間放置し、セルローストリアセテートを膨潤させた。次に、ガラス瓶を−70℃のメタノール/ドライアイス混合浴で30分間冷却し、セルローストリアセテートを溶解したのち、50℃に加温し、平均孔径40μmの濾紙(東洋濾紙(株)製,『#63』)で0.5MPaの圧力で加圧濾過しセルローストリアセテートドープを得た。このときの濾過面積は43cm2であり、濾過に要した時間は1時間であった。その後、このセルローストリアセテートドープを50℃で2.5時間静置した後、幅40cmの小型流延ダイを用いてガラス基板上に流延した。流延後、露点6℃の送風下、22℃で2分間、70℃で3分間乾燥させた後、フィルムをガラス基板より剥離し、内径が32cm×100cmの金属枠に枠張りをした状態でさらに140℃で30分乾燥させてフィルム試料(試料102)を得た。
得られたフィルム試料の膜厚、全光線透過率、ガラス転移温度、泡数、異物数、寸法変化率、平面性を濾過時間とともに表1に結果を示す。
〔組成〕
・セルローストリアセテート 28質量部
(置換度2.83、粘度平均重合度320、含水率0.4質量%、
メチレンクロライド溶液中6質量%の粘度305mPa・s)
・酢酸メチル 75質量部
・シクロペンタノン 10質量部
・アセトン 5質量部
・メタノール 5質量部
・エタノール 5質量部
・可塑剤A(ジペンタエリスリトールヘキサアセテート) 1質量部
・可塑剤B(トリフェニルフォスフェート) 1質量部
[比較例3]
1−3.セルローストリアセテートフィルムの製膜(特開2003−200445号実施例4に記載の方法)
(濾過後のドープを減圧する方法)
攪拌羽根を有する1Lのガラス瓶に、下記組成の溶媒および可塑剤混合溶液を調製し、よく攪拌しつつ、セルローストリアセテート粉体(平均サイズ2mm)を徐々に添加し、全体が920gになるように仕込んだ。添加後、室温(25℃)にて1時間放置し、セルローストリアセテートを膨潤させた。次に、ガラス瓶を−70℃のメタノール/ドライアイス混合浴で30分間冷却し、セルローストリアセテートを溶解したのち、50℃に加温し、平均孔径40μmの濾紙(東洋濾紙(株)製,『#63』)で0.5MPaの圧力で加圧濾過しセルローストリアセテートドープを得た。このときの濾過面積は43cm2であり、濾過に要した時間は1時間であった。このセルローストリアセテートドープをガラス瓶に入れたまま、真空配管を取り付けた真空装置(EYELA製 VOS−301SD)内に入れ、4000〜5000Paに減圧したところ気泡の発生を目視で確認した。その後、幅40cmの小型流延ダイを用いてガラス基板上に流延した。流延後、露点6℃の送風下、22℃で2分間、70℃で3分間乾燥させた後、フィルムをガラス基板より剥離し、内径が32cm×100cmの金属枠に枠張りをした状態でさらに140℃で30分乾燥させてフィルム試料(試料103)を得た。
得られたフィルム試料の膜厚、全光線透過率、ガラス転移温度、泡数、異物数、寸法変化率、平面性を濾過時間とともに表1に結果を示す。
〔組成〕
・セルローストリアセテート 28質量部
(置換度2.83、粘度平均重合度320、含水率0.4質量%、
メチレンクロライド溶液中6質量%の粘度305mPa・s)
・酢酸メチル 75質量部
・シクロペンタノン 10質量部
・アセトン 5質量部
・メタノール 5質量部
・エタノール 5質量部
・可塑剤A(ジペンタエリスリトールヘキサアセテート) 1質量部
・可塑剤B(トリフェニルフォスフェート) 1質量部
[比較例4]
1−4.PF−1の製膜(脱気処理を行わない方法)
攪拌羽根を有する1Lのガラス瓶に、下記組成の溶媒を調製し、よく攪拌しつつ、上述のPF−1粉体(平均サイズ1mm)を徐々に添加し、全体が920gになるように仕込んだ。添加後、室温(25℃)にて1時間放置し、PF−1を膨潤させた。次に、ガラス瓶を密閉、シーソー回転式ローターで24時間撹拌を継続し、PF−1を溶解したのち、50℃に加温し、平均孔径40μmの濾紙(東洋濾紙(株)製,『#63』)で0.5MPaの圧力で加圧濾過しPF−1ドープを得た。このときの濾過面積は43cm2であり、濾過に要した時間は1時間であった。このPF−1ドープを幅40cmの小型流延ダイを用いてガラス基板上に流延した。流延後、露点6℃の送風下、22℃で2分間、70℃で3分間乾燥させた後、フィルムをガラス基板より剥離し、内径が32cm×100cmの金属枠に枠張りをした状態でさらに140℃で30分乾燥させてフィルム試料(試料104)を得た。
得られたフィルム試料の膜厚、全光線透過率、ガラス転移温度、泡数、異物数、寸法変化率、平面性を濾過時間とともに表1に結果を示す。
〔組成〕
・上述の例示化合物PF−1 21質量部
(重量平均分子量65000、DSC測定によるガラス転移温度320℃)
・ジクロロメタン 79質量部
[比較例5]
1−5.PF−1の製膜(脱気処理を行わなずに低温で乾燥させる方法)
攪拌羽根を有する1Lのガラス瓶に、下記組成の溶媒を調製し、よく攪拌しつつ、PF−1粉体(平均サイズ1mm)を徐々に添加し、全体が920gになるように仕込んだ。添加後、室温(25℃)にて1時間放置し、PF−1を膨潤させた。次に、ガラス瓶を密閉、シーソー回転式ローターで24時間撹拌を継続し、PF−1を溶解したのち、50℃に加温し、平均孔径40μmの濾紙(東洋濾紙(株)製,『#63』)で0.5MPaの圧力で加圧濾過しPF−1ドープを得た。このときの濾過面積は43cm2であり、濾過に要した時間は1時間であった。このPF−1ドープを幅40cmの小型流延ダイを用いてガラス基板上に流延した。流延後、露点6℃の送風下、12℃で10分間、40℃で10分間乾燥させた後、フィルムをガラス基板より剥離し、内径が32cm×100cmの金属枠に枠張りをした状態でさらに140℃で30分乾燥させてフィルム試料(試料105)を得た。
得られたフィルム試料の膜厚、全光線透過率、ガラス転移温度、泡数、異物数、寸法変化率、平面性を濾過時間とともに表1に結果を示す。
・上述の例示化合物PF−1 21質量部
(重量平均分子量65000、DSC測定によるガラス転移温度320℃)
・ジクロロメタン 79質量部
[比較例6]
1−6.PF−1の製膜(ドープ調製時に減圧する方法)
減圧配管を接続した攪拌羽根を有する1Lのガラス瓶に、下記組成の溶媒を調製し、ガラス瓶内圧力を90000Paにし、よく攪拌しつつ、PF−1粉体(平均サイズ1mm)を徐々に添加し、全体が920gになるように仕込んだ。添加後、室温(25℃)にて1時間放置し、PF−1を膨潤させた。次に、ガラス瓶を密閉、シーソー回転式ローターで24時間撹拌を継続し、PF−1を溶解したのち、50℃に加温し、平均孔径40μmの濾紙(東洋濾紙(株)製,『#63』)で0.5MPaの圧力で加圧濾過しPF−1ドープを得た。このときの濾過面積は43cm2であり、濾過に要した時間は1時間fであった。このPF−1ドープを幅40cmの小型流延ダイを用いてガラス基板上に流延した。流延後、露点6℃の送風下、22℃で2分間、70℃で3分間乾燥させた後、フィルムをガラス基板より剥離し、内径が32cm×100cmの金属枠に枠張りをした状態でさらに140℃で30分乾燥させてフィルム試料(試料106)を得た。
得られたフィルム試料の膜厚、全光線透過率、ガラス転移温度、泡数、異物数、寸法変化率、平面性を濾過時間とともに表1に結果を示す。
〔組成〕
・上述の例示化合物PF−1 21質量部
(重量平均分子量65000、DSC測定によるガラス転移温度320℃)
・ジクロロメタン 79質量部
[比較例7]
1−7.PF−1の製膜(濾過後のドープを加温、静置する方法)
攪拌羽根を有する1Lのガラス瓶に、下記組成の溶媒を調製し、よく攪拌しつつ、PF−1粉体(平均サイズ1mm)を徐々に添加し、全体が920gになるように仕込んだ。添加後、室温(25℃)にて1時間放置し、PF−1を膨潤させた。次に、ガラス瓶を密閉、シーソー回転式ローターで24時間撹拌を継続し、PF−1を溶解したのち、50℃に加温し、平均孔径40μmの濾紙(東洋濾紙(株)製,『#63』)で0.5MPaの圧力で加圧濾過しPF−1ドープを得た。このときの濾過面積は43cm2であり、濾過に要した時間は1時間であった。その後、このPF−1ドープを50℃で2.5時間静置した後、幅40cmの小型流延ダイを用いてガラス基板上に流延した。流延後、露点6℃の送風下、22℃で2分間、70℃で3分間乾燥させた後、フィルムをガラス基板より剥離し、内径が32cm×100cmの金属枠に枠張りをした状態でさらに140℃で30分乾燥させてフィルム試料(試料107)を得た。
得られたフィルム試料の膜厚、全光線透過率、ガラス転移温度、泡数、異物数、寸法変化率、平面性を濾過時間とともに表1に結果を示す。
〔組成〕
・上述の例示化合物PF−1 21質量部
(重量平均分子量65000、DSC測定によるガラス転移温度320℃)
・ジクロロメタン 79質量部
[比較例8]
1−8.PF−1の製膜(ドープ調製時に減圧する方法、加熱収縮処理を行う)
減圧配管を接続した攪拌羽根を有する1Lのガラス瓶に、下記組成の溶媒を調製し、ガラス瓶内圧力を90000Paにし、よく攪拌しつつ、PF−1粉体(平均サイズ1mm)を徐々に添加し、全体が920gになるように仕込んだ。添加後、室温(25℃)にて1時間放置し、PF−1を膨潤させた。次に、ガラス瓶を密閉、シーソー回転式ローターで24時間撹拌を継続し、PF−1を溶解したのち、50℃に加温し、平均孔径40μmの濾紙(東洋濾紙(株)製,『#63』)で0.5MPaの圧力で加圧濾過しPF−1ドープを得た。このときの濾過面積は43cm2であり、濾過に要した時間は1時間であった。このPF−1ドープを幅40cmの小型流延ダイを用いてガラス基板上に流延した。流延後、露点6℃の送風下、22℃で2分間、70℃で3分間乾燥させた後、フィルムをガラス基板より剥離し、内径が32cm×100cmの金属枠に枠張りをした状態でさらに140℃で30分乾燥させた。その後、枠から外して270℃、8時間の加熱処理を行いフィルム試料(試料108)を得た。
得られたフィルム試料の膜厚、全光線透過率、ガラス転移温度、泡数、異物数、寸法変化率、平面性を濾過時間とともに表1に結果を示す。
〔組成〕
・上述の例示化合物PF−1 21質量部
(重量平均分子量65000、DSC測定によるガラス転移温度320℃)
・ジクロロメタン 79質量部
[比較例9]
1−9.PF−1の製膜(金属網での濾過後のドープを加温、静置する方法)
攪拌羽根を有する1Lのガラス瓶に、下記組成の溶媒を調製し、よく攪拌しつつ、PF−1粉体(平均サイズ1mm)を徐々に添加し、全体が920gになるように仕込んだ。添加後、室温(25℃)にて1時間放置し、PF−1を膨潤させた。次に、ガラス瓶を密閉、シーソー回転式ローターで24時間撹拌を継続し、PF−1を溶解したのち、50℃に加温し、平均孔径15μmの金属網を濾材として0.5MPaの圧力で加圧濾過しPF−1ドープを得た。このときの濾過面積は43cm2であり、濾過に要した時間は3時間であった。その後、このPF−1ドープを50℃で2.5時間静置した後、幅40cmの小型流延ダイを用いてガラス基板上に流延した。流延後、露点6℃の送風下、22℃で2分間、70℃で3分間乾燥させた後、フィルムをガラス基板より剥離し、内径が32cm×100cmの金属枠に枠張りをした状態でさらに140℃で30分乾燥させてフィルム試料(試料109)を得た。
得られたフィルム試料の膜厚、全光線透過率、ガラス転移温度、泡数、異物数、寸法変化率、平面性を濾過時間とともに表1に結果を示す。
〔組成〕
・上述の例示化合物PF−1 21質量部
(重量平均分子量65000、DSC測定によるガラス転移温度320℃)
・ジクロロメタン 79質量部
[実施例1]
2.フィルムの製膜方法(本発明の方法)
2−1.PF−1の製膜(濾過後のドープを減圧する方法)
攪拌羽根を有する1Lのガラス瓶に、下記組成の溶媒を調製し、よく攪拌しつつ、PF−1粉体(平均サイズ1mm)を徐々に添加し、全体が920gになるように仕込んだ。添加後、室温(25℃)にて1時間放置し、PF−1を膨潤させた。次に、ガラス瓶を密閉、シーソー回転式ローターで24時間撹拌を継続し、PF−1を溶解したのち、50℃に加温し、平均孔径40μmの濾紙(東洋濾紙(株)製,『#63』)で0.5MPaの圧力で加圧濾過しPF−1ドープを得た。このときの濾過面積は43cm2であり、濾過に要した時間は1時間であった。その後、このPF−1ドープをガラス瓶に入れたまま、真空配管を取り付けた真空装置(EYELA製 VOS−301SD)内に入れ、4000〜5000Paの減圧下5分間保持したところ気泡の発生を目視で確認した。その後、幅40cmの小型流延ダイを用いてガラス基板上に流延した。流延後、露点6℃の送風下、22℃で2分間、70℃で3分間乾燥させた後、フィルムをガラス基板より剥離し、内径が32cm×100cmの金属枠に枠張りをした状態でさらに140℃で30分乾燥させてフィルム試料(試料201)を得た。
得られたフィルム試料の膜厚、全光線透過率、ガラス転移温度、泡数、異物数、寸法変化率、平面性を濾過時間とともに表1に結果を示す。
〔組成〕
・上述の例示化合物PF−1 21質量部
(重量平均分子量65000、DSC測定によるガラス転移温度320℃)
・ジクロロメタン 79質量部
[実施例2]
2−2.PF−1の製膜(濾過後のドープを超音波処理した後、減圧する方法)
攪拌羽根を有する1Lのガラス瓶に、下記組成の溶媒を調製し、よく攪拌しつつ、PF−1粉体(平均サイズ1mm)を徐々に添加し、全体が920gになるように仕込んだ。添加後、室温(25℃)にて1時間放置し、PF−1を膨潤させた。次に、ガラス瓶を密閉、シーソー回転式ローターで24時間撹拌を継続し、PF−1を溶解したのち、50℃に加温し、平均孔径40μmの濾紙(東洋濾紙(株)製,『#63』)で0.5MPaの圧力で加圧濾過しPF−1ドープを得た。このときの濾過面積は43cm2であり、濾過に要した時間は1時間であった。このPF−1ドープを撹拌しながら超音波処理を行い、その後ガラス瓶に入れたまま、真空配管を取り付けた真空装置(EYELA製 VOS−301SD)内に入れ、4000〜5000Paの減圧下5分間静置したところ気泡の発生を目視で確認した。その後、幅40cmの小型流延ダイを用いてガラス基板上に流延した。流延後、露点6℃の送風下、22℃で2分間、70℃で3分間乾燥させた後、フィルムをガラス基板より剥離し、内径が32cm×100cmの金属枠に枠張りをした状態でさらに140℃で30分乾燥させてフィルム試料(試料202)を得た。
得られたフィルム試料の膜厚、全光線透過率、ガラス転移温度、泡数、異物数、寸法変化率、平面性を濾過時間とともに表1に結果を示す。
〔組成〕
・上述の例示化合物PF−1 21質量部
(重量平均分子量65000、DSC測定によるガラス転移温度320℃)
・ジクロロメタン 79質量部
[実施例3]
2−3.PF−1の製膜(濾過助剤を用いて濾過を行う方法)
攪拌羽根を有する1Lのガラス瓶に、下記組成の溶媒を調製し、よく攪拌しつつ、PF−1粉体(平均サイズ1mm)を徐々に添加し、全体が920gになるように仕込んだ。添加後、室温(25℃)にて1時間放置し、PF−1を膨潤させた。次に、ガラス瓶を密閉、シーソー回転式ローターで24時間撹拌を継続し、PF−1を溶解した。その後、PF−1溶液に濾過助剤としてダイカライト6000(三井金属鉱業(株)販売)を0.37g添加し均一に分散させ、50℃に加温し、平均孔径40μmの濾紙(東洋濾紙(株)製,『#63』)上にジクロロメタン1000gと3.2gのダイカライト6000との混合分散液を事前に濾過することで形成したプレコート層を通して0.5MPaの圧力で加圧濾過しPF−1ドープを得た。このときの濾過面積は43cm2であり、濾過に要した時間は1時間であった。このPF−1ドープを撹拌しながら超音波処理を行い、その後ガラス瓶に入れたまま、真空配管を取り付けた真空装置(EYELA製 VOS−301SD)内に入れ、4000〜5000Paの減圧下5分間静置したところ気泡の発生を目視で確認した。その後、幅40cmの小型流延ダイを用いてガラス基板上に流延した。流延後、露点6℃の送風下、22℃で2分間、70℃で3分間乾燥させた後、フィルムをガラス基板より剥離し、内径が32cm×100cmの金属枠に枠張りをした状態でさらに140℃で30分乾燥させてフィルム試料(試料203)を得た。
得られたフィルム試料の膜厚、全光線透過率、ガラス転移温度、泡数、異物数、寸法変化率、平面性を濾過時間とともに表1に結果を示す。
〔組成〕
・上述の例示化合物PF−1 21質量部
(重量平均分子量65000、DSC測定によるガラス転移温度320℃)
・ジクロロメタン 79質量部
[実施例4]
2−4.PF−1の製膜(2段階加熱処理を行う方法)
攪拌羽根を有する1Lのガラス瓶に、下記組成の溶媒を調製し、よく攪拌しつつ、PF−1粉体(平均サイズ1mm)を徐々に添加し、全体が920gになるように仕込んだ。添加後、室温(25℃)にて1時間放置し、PF−1を膨潤させた。次に、ガラス瓶を密閉、シーソー回転式ローターで24時間撹拌を継続し、PF−1を溶解した。その後、PF−1溶液に濾過助剤としてダイカライト6000(三井金属鉱業(株)販売)を0.37g添加し均一に分散させ、50℃に加温し、平均孔径40μmの濾紙(東洋濾紙(株)製,『#63』)上にジクロロメタン1000gと3.2gのダイカライト6000との混合分散液を事前に濾過することで形成したプレコート層を通して0.5MPaの圧力で加圧濾過しPF−1ドープを得た。このときの濾過面積は43cm2であり、濾過に要した時間は1時間であった。このPF−1ドープを撹拌しながら超音波処理を行い、その後ガラス瓶に入れたまま、真空配管を取り付けた真空装置(EYELA製 VOS−301SD)内に入れ、4000〜5000Paの減圧下5分間静置したところ気泡の発生を目視で確認した。その後、幅40cmの小型流延ダイを用いてガラス基板上に流延した。流延後、露点6℃の送風下、22℃で2分間、70℃で3分間乾燥させた後、フィルムをガラス基板より剥離し、内径が32cm×100cmの金属枠に枠張りをした状態でさらに140℃で30分乾燥させた。ついで枠張りをしたまま270℃、8時間、枠から外して270℃、8時間の加熱処理を行いフィルム試料(試料204)を得た。
得られたフィルム試料の膜厚、全光線透過率、ガラス転移温度、泡数、異物数、寸法変化率、平面性を濾過時間とともに表1に結果を示す。
〔組成〕
・上述の例示化合物PF−1 21質量部
(重量平均分子量65000、DSC測定によるガラス転移温度320℃)
・ジクロロメタン 79質量部
[実施例5]
2−5.PF−7の製膜(2−4.と同じ方法)
攪拌羽根を有する1Lのガラス瓶に、下記組成の溶媒を調製し、よく攪拌しつつ、PF−7粉体(平均サイズ1mm)を徐々に添加し、全体が920gになるように仕込んだ。添加後、室温(25℃)にて1時間放置し、PF−7を膨潤させた。次に、ガラス瓶を密閉、シーソー回転式ローターで24時間撹拌を継続し、PF−7を溶解した。その後、PF−7溶液に濾過助剤としてダイカライト6000(三井金属鉱業(株)販売)を0.37g添加し均一に分散させ、50℃に加温し、平均孔径40μmの濾紙(東洋濾紙(株)製,『#63』)上にジクロロメタン1000gと3.2gのダイカライト6000との混合分散液を事前に濾過することで形成したプレコート層を通して0.5MPaの圧力で加圧濾過しPF−7ドープを得た。このときの濾過面積は43cm2であり、濾過に要した時間は1時間であった。このPF−7ドープを撹拌しながら超音波処理を行い、その後ガラス瓶に入れたまま、真空配管を取り付けた真空装置(EYELA製 VOS−301SD)内に入れ、4000〜5000Paの減圧下5分間静置したところ気泡の発生を目視で確認した。その後、幅40cmの小型流延ダイを用いてガラス基板上に流延した。流延後、露点6℃の送風下、22℃で2分間、70℃で3分間乾燥させた後、フィルムをガラス基板より剥離し、内径が32cm×100cmの金属枠に枠張りをした状態でさらに140℃で30分乾燥させた。ついで枠張りをしたまま300℃、8時間、枠から外して300℃、8時間の加熱処理を行いフィルム試料(試料205)を得た。
得られたフィルム試料の膜厚、全光線透過率、ガラス転移温度、泡数、異物数、寸法変化率、平面性を濾過時間とともに表1に結果を示す。
〔組成〕
・上述の例示化合物PF−7 21質量部
(重量平均分子量60000、DSC測定によるガラス転移温度350℃)
・ジクロロメタン 79質量部
[実施例6]
2−6.PS−4の製膜(2−4.と同じ方法)
攪拌羽根を有する1Lのガラス瓶に、下記組成の溶媒を調製し、よく攪拌しつつ、PS−4粉体(平均サイズ1mm)を徐々に添加し、全体が920gになるように仕込んだ。添加後、室温(25℃)にて1時間放置し、PS−4を膨潤させた。次に、ガラス瓶を密閉、シーソー回転式ローターで24時間撹拌を継続し、PS−4を溶解した。その後、PS−4溶液に濾過助剤としてダイカライト6000(三井金属鉱業(株)販売)を0.37g添加し均一に分散させ、50℃に加温し、平均孔径40μmの濾紙(東洋濾紙(株)製,『#63』)上にジクロロメタン1000gと3.2gのダイカライト6000との混合分散液を事前に濾過することで形成したプレコート層を通して0.5MPaの圧力で加圧濾過しPS−4ドープを得た。このときの濾過面積は43cm2であり、濾過に要した時間は1時間であった。このPS−4ドープを撹拌しながら超音波処理を行い、その後ガラス瓶に入れたまま、真空配管を取り付けた真空装置(EYELA製 VOS−301SD)内に入れ、4000〜5000Paの減圧下5分間静置したところ気泡の発生を目視で確認した。その後、幅40cmの小型流延ダイを用いてガラス基板上に流延した。流延後、露点6℃の送風下、22℃で2分間、70℃で3分間乾燥させた後、フィルムをガラス基板より剥離し、内径が32cm×100cmの金属枠に枠張りをした状態でさらに140℃で30分乾燥させた。ついで枠張りをしたまま200℃、8時間、枠から外して200℃、8時間の加熱処理を行いフィルム試料(試料206)を得た。
得られたフィルム試料の膜厚、全光線透過率、ガラス転移温度、泡数、異物数、寸法変化率、平面性を濾過時間とともに表1に結果を示す。
〔組成〕
・上述の例示化合物PS−4 21質量部
(重量平均分子量63000、DSC測定によるガラス転移温度260℃)
・ジクロロメタン 79質量部
Figure 2007069420
表1中、比較例1〜3の結果からセルローストリアセテートを用いたフィルムはいずれの脱気方法を用いても泡数の少ない良好なフィルムが得られることがわかる。一方で本発明に用いることのできる高Tgポリマーを用いた比較例6〜9は、セルローストリアセテートで効果のあった脱気方法を用いても脱気処理を行わない比較例4に対して泡数低減の効果はほとんど見られなかった。一方で比較例5は低温、長時間の乾燥を行うことによって泡数低減の効果がある程度認められるが、該方法は乾燥に長時間を要する為、生産速度との両立の観点で不十分である。
これに対し、本発明の減圧脱気を用いた実施例1は低温、長時間の乾燥を用いなくても大幅な泡数低減の効果が認められる。さらに減圧脱気前に超音波処理を行った本発明の試料202〜206(実施例2〜6)ではほとんど泡の発生が認められないほど改善された。さらに濾過助剤を用いて濾過を行った本発明の試料203〜206(実施例3〜6)は濾過時間を長時間化する必要なく、異物数がほとんど認められなくなった。また、2段階の加熱処理を行った本発明の試料204〜206(実施例4〜6)は平面性を悪化させることなく寸法変化率を改善することが可能であることがわかる。
以上のことから、本発明により耐熱性、透明性、平面性、寸度安定性に優れ、異物、気泡の混入の少ないフィルムを生産性よく製造可能となることが分かる。

Claims (9)

  1. ポリマーを有機溶剤に溶解させたドープを支持体上に流延し乾燥させて、ガラス転移温度が250℃以上かつ全光線透過率が70%以上のフィルムを形成するフィルムの製造方法であって、
    調製後の前記ドープを流延前に減圧脱気することを特徴とするフィルムの製造方法。
  2. 流延前の前記ドープに超音波処理を行うことを特徴とする請求項1に記載のフィルムの製造方法。
  3. 流延前の前記ドープを、濾過助剤を用いて濾過することを特徴とする請求項1または2に記載のフィルムの製造方法。
  4. 乾燥後のフィルムに2段階の加熱処理を行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のフィルムの製造方法。
  5. 前記ポリマーが下記一般式(1)で表されるスピロ構造または下記一般式(2)で表されるカルド構造を含む繰り返し単位を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のフィルムの製造方法。
    Figure 2007069420
    〔一般式(1)中、環αは単環式または多環式の環を表し、2つの環はスピロ結合によって結合される。〕
    Figure 2007069420
    〔一般式(2)中、環βおよび環γは単環式または多環式の環を表し、2つの環γはそれぞれ同一若しくは異なっていてもよい。また、環βおよび環γは、環β上の1つの4級炭素原子によって連結される。〕
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載のフィルムの製造方法によって製造されるフィルム。
  7. 1m2当たりの気泡の数が10個以下であることを特徴とする請求項6に記載のフィルム。
  8. 70mm2当たりの5μm以上の異物の数が60個以下であることを特徴とする請求項6または7に記載のフィルム。
  9. 200℃で5時間保持した場合の寸法変化率が±0.1%以下であることを特徴とする請求項6〜8のいずれか一項に記載のフィルム。
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