JP2007057762A - 液晶表示装置用カラーフィルター基板およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】
開口部を有する遮光層がパターン形成され、前記開口部と開口部周辺部の遮光層上に着色層が形成され、遮光層と着色層上に透明平坦化層が設けられた液晶表示装置用カラーフィルター基板において、開口部と開口部周辺部の遮光層上の着色層段差に起因する開口部内段差を低減する。
【解決手段】
透明基板上に開口部を有する遮光層がパターン形成され、開口部と開口部周辺部の遮光層上に着色層が形成され、該遮光層上および該着色層上に透明平坦化層が設けられた液晶表示装置用カラーフィルター基板であって、遮光層の膜厚が着色層の膜厚よりも厚く、かつ開口部周辺部の遮光層上に形成された透明平坦化層の上面の最大高さと開口部内に形成された透明平坦化層の上面の最小高さの差が0.2μm以下であることを特徴とする液晶表示装置用カラーフィルター基板。
【選択図】 図4
開口部を有する遮光層がパターン形成され、前記開口部と開口部周辺部の遮光層上に着色層が形成され、遮光層と着色層上に透明平坦化層が設けられた液晶表示装置用カラーフィルター基板において、開口部と開口部周辺部の遮光層上の着色層段差に起因する開口部内段差を低減する。
【解決手段】
透明基板上に開口部を有する遮光層がパターン形成され、開口部と開口部周辺部の遮光層上に着色層が形成され、該遮光層上および該着色層上に透明平坦化層が設けられた液晶表示装置用カラーフィルター基板であって、遮光層の膜厚が着色層の膜厚よりも厚く、かつ開口部周辺部の遮光層上に形成された透明平坦化層の上面の最大高さと開口部内に形成された透明平坦化層の上面の最小高さの差が0.2μm以下であることを特徴とする液晶表示装置用カラーフィルター基板。
【選択図】 図4
Description
本発明は、広く情報端末の表示媒体として普及している液晶表示装置に使用されるカラーフィルター基板およびそれを用いた液晶表示装置に関するものであり、特に、カラーフィルター基板上に形成された着色層を有する開口部内の平坦性に起因する表示品質低下を抑制し、コスト面および品質面に優れた液晶表示装置用カラーフィルター基板およびそれを用いることで得られる高品質な液晶表示装置に関するものである。
液晶表示装置は長年に渡り培われた画像表示能力の信頼性に基づき、テレビやパーソナルコンピューター用途の大型表示画面から携帯情報端末用途の小型表示画面まで市場の裾野を拡大してきた。液晶表示装置に求められる特性は多岐に渡るが、前述の幅広い用途に使用されるために、表示品質の向上は現在でも重要な開発要素である。
液晶表示装置は、少なくとも透明基板上に開口部を有する遮光層と、前記開口部上に着色層を設けたカラーフィルター基板と、透明基板上に駆動電極等を形成した電極基板を所定間隙にて保持し、基板間に液晶を充填して得られる液晶パネル部と、液晶の駆動を制御する駆動回路等を含む周辺回路部と、バックライトや外光などの光源部により構成される。したがって、液晶表示装置は、カラーフィルター基板と電極基板間に印可する電圧に応じて配向が変化する液晶のスィッチング機能を利用し、開口部の透過率制御を行うことで任意の表示を行う。さらに、隣接する開口部に赤、緑、青の着色層を形成して一つの表示画素とすると、3色の透過率変化による加法混色の原理を用いて表示画素の色を決定できるため、カラー液晶表示装置では複数の表示画素を用いて表示領域を形成している。
開口部上にこれら着色層を形成する場合、着色層寸法が開口部寸法に比べて小さくなると、開口部内の着色層が形成されない部分から光源光が漏れ、着色層の有する所定の色度からずれが生じ表示品質の低下を引き起こす。したがって、着色層は図1、図2に示すように開口部周辺部の遮光層に積層することが一般的である。すなわち、図1、図2のカラーフィルター基板は、透明基板1上に開口部Aを有する樹脂遮光層2をパターン形成し、着色層3を開口部周辺部aの遮光層に積層しており、また、この遮光層は開口部以外の透過光を遮断する機能を有しているため、コントラストなど表示品質の向上に効果がある。
液晶表示装置では液晶パネル内を透過した光を表示に使用するため、カラーフィルター基板と電極基板間の間隙の均一化は重要な課題である。この基板間隙が不均一であると、液晶パネル内の透過光の光路長差に伴い透過率が減衰し、表示品質が低下する。開口部上に形成された着色層について、開口部内の最も膜厚の低い部分を着色層膜厚と定義し、複数の開口部の着色層膜厚の差を開口部間段差と定義すると、開口部間段差が大きくなると開口部間の基板間隙が不均一になるため、表示領域内の全ての開口部にわたって着色層膜厚を概ね均一とし、表示品質向上を図ってきた。
一方で、最近では開口部上に形成された着色層内で発生する膜厚差に起因する課題も増えてきている。従来の液晶表示装置では、特許文献1に示されるように、遮光層として膜厚0.1μm以下の金属薄膜材料を使用しており、開口部周辺部の遮光層上に積層された着色層表面と開口部上の着色層表面の高さは概ね同等であった。しかし、製造コストや環境負荷を考慮して樹脂遮光層が広く用いられるようになってくると、金属薄膜と同等の遮光性を発揮するために膜厚を厚くする必要があり、図2に示すように、開口部周辺部aの樹脂遮光層2上に積層された着色層3表面が開口部A上の着色層表面に比べて高くなってしまう。このとき、開口部周辺部の遮光層上に積層した着色層上面の最も高い部分を頂部、開口部上の着色層上面の最も低い部分を底部とすると、頂部と底部の差dが大きいほど頂部から底部に向かって着色層が傾斜し、開口部上の着色層も影響を受け、開口部周辺部近傍と開口部中央部の着色層に膜厚差が生じる。この開口部内の着色層に生じる膜厚差を開口部内段差ADと定義すると、段差が大きい場合には、開口部内で液晶のプレチルト角が変化し、駆動時の配向が不均一になり表示品質の低下につながる。中でも印可電圧に対する応答速度向上のために用いられる低電圧駆動が可能な液晶や、単純マトリックスで駆動されるSTN液晶などツイスト角が大きい液晶は開口部内段差の影響を受けやすいことが課題であった。
さらに、写真等の静止画やテレビ等の動画に対する表示品質向上のために要求される色再現範囲の向上に対しては、着色層中の着色剤の濃度を高くするよう膜厚の厚い着色層を形成するため、開口部周辺部の遮光層上に積層された着色層の頂部はさらに高くなり、開口部内段差も拡大することで表示品質低下が懸念されていた。すなわち、開口部内段差の改善は、多くの液晶表示装置やその用途において重要かつ急務な課題であった。
そのため、樹脂遮光層を用いるカラーフィルター基板の開口部内段差低減策は種々の検討がなされている。特許文献2には、最初に複数の着色層を開口部と同じパターンに形成した後、樹脂遮光層を着色層間に形成する方式が提案されている。この方式では、開口部周辺部の遮光層上に着色層が積層されることは無く、開口部内段差が生じないことが期待されるが、着色層間の樹脂遮光層寸法が小さくなり、光漏れによる表示品質低下が懸念される。これに対し本文献中では、樹脂遮光層を隣接する開口部上の着色層に積層した後、研磨を行い着色層上の遮光層を除去することでその懸念は解消できると提案している。しかし、着色層上に形成された不要な遮光層は層間の相互作用により一部が除去できずに残存し透過率の低下が懸念されること、さらには研磨工程の増加による歩留まり低下や着色層に影響を与えない研磨精度を得るために工程が煩雑になることが課題であった。
特許文献3には、透明基板上に開口部を有する遮光層をパターン形成し、ネガ型感光性着色層材料を開口部上と開口部周辺部の遮光層上に積層するようパターン印刷し、基板の反印刷面より露光することで開口部内のみ硬化した後、開口部周辺部の着色層を除去する方式を提案している。しかし、このような方式では印刷直後から遮光層上に積層された着色層頂部と開口部上の着色層底部間に段差が生じており、結果として開口部内段差は改善されないこと、また、着色層膜厚や着色剤によっては反印刷面からの露光時に光線透過率が低下し、着色層表面まで十分に硬化することができず、未硬化部が現像時に除去されることで所望の着色層特性が得られないことを考慮しなければならなかった。
さらに特許文献4および特許文献5には、開口部を有する遮光層をパターン形成し、前記開口部を受容部としてインクジェット法や電着法を用いて着色層を形成する方式が提案されている。これらの方式では、開口部周辺部の遮光層上に着色層は積層されず、開口部上のみに着色層を形成することができるため開口部内段差は発生しないが、一方で着色層材料の表面張力を最適化しなければ着色層表面が歪曲し色ムラが生じることが課題であり、また高濃度や高粘度の着色層材料の適用範囲が狭いことも改善の必要があった。
特許文献6および特許文献7では、遮光層を着色層の積層により形成するカラーフィルター基板を提案している。しかし、着色層の積層部を遮光層として用いることは、本出願に記載する開口部周辺部の遮光層上に着色層を重ね合わせる構成と同じである。すなわち、第1の着色層上に積層した第2の着色層膜厚が厚くなり、第2の着色層の開口部に開口部内段差が発生する。これに対し、特許文献6では積層部の膜厚を減じるために、着色層の積層部を露光する際に該当部のみ露光量を減じ半硬化状態でエッチングすることで膜厚が低減できるとしているが、煩雑な工程になると共に安定したエッチング精度が得られないことも予想される。加えて、第1の着色層上に第2の着色層を積層したことで生じる開口部内段差は、エッチングにより軽減されないことも課題であった。
開口部内段差を低減する手段として一般的に用いられるのが、特許文献8、9に示す遮光層上および着色層上に透明平坦化層を設ける構成である。図3を用いて説明すると、透明基板1上に開口部Aを有する樹脂遮光層2をパターン形成し、着色層3を前記開口部A上と開口部周辺部aの遮光層上に積層するように設け、樹脂遮光層2上および着色層3上に透明平坦化層4を形成する。透明平坦化層は、透明平坦化層用材料をカラーフィルター基板の概全面に塗布して形成するが、前記透明平坦化層材料は、開口部周辺部の遮光層上に積層された着色層頂部から開口部上の着色層底部に向かって流れ込み段差を緩和する。すなわち、開口部周辺部の遮光層に積層された着色層上の透明平坦化層上面について、最も高い部分を透明平坦化層の上面の最大高さ、開口部上に形成された着色層上の透明平坦化層上面について、最も低い部分を透明平坦化層の上面の最小高さと定義すると、その差Dが着色層の頂部と底部の差dに比べ小さくなることにより、透明平坦化層上の開口部内段差も大幅に緩和される。その結果、開口部上で液晶のプレチルト角が安定して表示品質も向上するが、遮光層や着色層の膜厚が厚くなるほど着色層の頂部と底部間の段差も拡大するため、透明平坦化層の膜厚も厚くしなければならない。しかし、透明平坦化層は光吸収係数が小さいものの、膜厚が厚くなると表示光強度の低下や色つきが生じ、一方で、透明平坦化層が厚くなるとカラーフィルター基板表面の硬度低下が生じるため、液晶パネル体の間隙を支持するために使用する支持体の保持が不安定になり、基板間隙の不均一となるなどの課題があった。
特開平10−288707号公報(公開日:平成10年10月27日)
特開2002−6130号公報(公開日:平成14年1月9日)
特開平6−174913号公報(公開日:平成6年6月24日)
特開2003−177232号公報(公開日:平成15年6月27日)
特開平10−3005号公報(公開日:平成10年1月6日)
特開2003−131020号公報(公開日:平成15年5月8日)
特開平10−268292号公報(公開日:平成10年10月9日)
特開2004−184664号公報(公開日:平成16年7月2日)
特開平11−38906号公報(公開日:平成11年2月12日)
本発明の目的は、以上のような従来技術の欠点を鑑み検討した結果、開口部を有する遮光層をパターン形成され、前記開口部と開口部周辺部の遮光層上に着色層を形成し、遮光層上および着色層上に透明平坦化層を積層したカラーフィルター基板において、開口部周辺部の遮光層上と開口部上の段差により生じた開口部内段差を簡便な方法で改善した液晶表示装置用カラーフィルター基板および液晶表示装置を提供することにある。
本発明では、透明基板上に開口部を有する遮光層がパターン形成され、開口部と開口部周辺部の遮光層上に着色層が形成され、該遮光層上および該着色層上に透明平坦化層が設けられた液晶表示装置用カラーフィルター基板であって、遮光層の膜厚が着色層の膜厚よりも厚く、かつ開口部周辺部の遮光層上に形成された透明平坦化層の上面の最大高さと開口部内に形成された透明平坦化層の上面の最小高さとの差を0.2μm以下とすることで、開口部内での透明平坦化層上の開口部内段差を大幅に低減する効果を十分に発揮することができ、液晶配向に影響を与えず、かつ表示品質の劣化の少ない液晶表示装置に好適に用いられるカラーフィルター基板を得ることが可能である。
さらに本発明の液晶表示装置用カラーフィルター基板においては次の好ましい態様を含んでいる。
(1)遮光層の膜厚が着色層の膜厚の1.1倍以上であることを特徴とする液晶表示装置用カラーフィルター基板であって、
(2)開口部周辺部の遮光層上に形成された着色層と遮光層の積層部幅が5μm以下である液晶表示装置用カラーフィルター基板であって、
(3)透明平坦化層の膜厚が1.2μm以上である液晶表示装置用カラーフィルター基板である。
(1)遮光層の膜厚が着色層の膜厚の1.1倍以上であることを特徴とする液晶表示装置用カラーフィルター基板であって、
(2)開口部周辺部の遮光層上に形成された着色層と遮光層の積層部幅が5μm以下である液晶表示装置用カラーフィルター基板であって、
(3)透明平坦化層の膜厚が1.2μm以上である液晶表示装置用カラーフィルター基板である。
本発明の液晶表示装置用カラーフィルター基板は、開口部を有する遮光層がパターン形成された透明基板上に着色層用材料を塗布、乾燥、パターン形成して開口部と開口部周辺部の遮光層上に着色層を形成し、さらに該遮光層上および該着色層上に透明平坦化層材料を塗布し、前記遮光層を着色層よりも厚く形成することにより簡便に得ることができる。
また、着色層を形成するための着色層用材料が25℃において剪断速度38/秒での粘度が10mN/m2・s以上、60mN/m2・s未満であり、さらには透明平坦化層を形成するための材料が25℃において剪断速度38/秒での粘度が1mN/m2・s以上、20mN/m2・s未満である材料を用いることにより、本発明のカラーフィルター基板の効果を発揮できる。
さらに、このようにして得られた本発明のカラーフィルター基板を用いることで、表示品質の良好な液晶表示装置を得ることができる。
本発明の液晶表示装置用カラーフィルター基板では、開口部上に形成される着色層膜厚と、着色層が積層される開口部周辺部の遮光層膜厚の関係、及び開口部周辺部の遮光層上の着色層の積層幅に着目し、遮光層と着色層上に透明平坦化層を形成した後のカラーフィルター表面において、開口部周辺部上の透明平坦化層の上面の最大高さと開口部内の透明平坦化層の上面の最小高さの差を小さくすることで、開口部内段差を低減し液晶配向を安定化できる。したがって、着色層膜厚を厚くすることにより色再現範囲を拡大することや、低電圧での配向特性を有する液晶を用いて応答速度を向上することなど、高品質な液晶表示装置用カラーフィルター基板を安価に提供することが可能である。
以下に、図面を用いて本発明のカラーフィルター基板および液晶表示装置について例示詳述するが、本発明はこれらに限定されているものではない。
図4は、開口部を有する遮光層をパターン形成し、前記開口部上と開口部周辺部の遮光層上に形成された着色層と、遮光層と着色層上に透明平坦化層を設けた本発明の液晶表示装置用カラーフィルター基板の概略断面図である。
図4に示す本発明の液晶表示装置用カラーフィルター基板では、まず透明基板1上に開口部Aを有する樹脂遮光層2をパターン形成し、次いで開口部A上と開口部周辺部aの遮光層上に着色層3を設け、遮光層および着色層上に透明平坦化層4を積層する。
本発明で用いる透明基板1としては、例えば、石英ガラス、ホウケイ酸ガラス、アルミノケイ酸塩ガラスおよび表面をシリカコートしたソーダライムガラスなどの無機ガラス類、プラスチックフィルムまたはシートなどの透明樹脂等が好ましく用いられる。
透明基板上に形成される樹脂遮光層2は、遮光剤を分散した樹脂からなる樹脂遮光層を用いる。本発明の遮光層とは光の非透過領域であり、複数の開口部を分割するようにパターン形成し、それ自身は表示に寄与しない領域と定義する。液晶表示装置では明暗の画像をコントラストよく表示することが表示品質向上に欠かせない手段であり、開口部周囲の遮光部には十分な遮光性が必要である。すなわち、暗画像を表示する場合、開口部からの光透過が無いようにしても表示装置内で表示光が散乱することにより漏れ光が生じてしまうため、開口部周囲に遮光部を配置し漏れ光を遮断する。そのため遮光層に必要な光学濃度は3.5以上が好ましいが、樹脂遮光層に含まれる遮光剤は着色力が弱く、遮光剤の含有量を増やすために遮光層の膜厚を厚くする必要がある。光学濃度3.5以上を有する樹脂遮光層の膜厚は0.8μm以上が好ましく、さらに好ましくは1.0μm以上であると十分な遮光性を得ることができる。
また本発明の遮光層は、着色層の積層により光の非透過領域を形成してもよく、この場合、下層となる第1の着色層が本発明の遮光層に相当し、第1の着色層上に形成される第2色の着色層が本発明の着色層に相当する。
本発明のカラーフィルター基板では開口部内段差を低減することを目的としており、開口部上で生じる液晶の配向不良に伴う暗画像の光漏れに対しても効果がある。開口部内段差が発生すると液晶配向が乱れるために光漏れ等の原因となることから開口部内段差を低減する本発明はコントラスト向上にも有効である。
樹脂遮光層に用いられる遮光剤の分散体である樹脂としては、例えば、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂およびゼラチンなどの感光性樹脂または非感光性樹脂等の材料が好ましく用いられる。なお、感光性樹脂に遮光剤を分散した場合、露光時に光線透過率が低下し樹脂の硬化不良等が発生することがある。したがって、好ましくは感度の高いエチレン性不飽和二重結合などの構造を化合物中に含有するか、熱反応により硬化する構造を含む樹脂を使用するか、または両者の混合物を使用すると樹脂遮光層を十分に硬化することができる。さらに好ましくはアルカリ可溶な成分を含むポリイミド骨格やその前駆体、アクリル骨格、エポキシ骨格により熱反応性のみを付与した非感光性樹脂を使用し、フォトレジスト等の感光性樹脂を積層形成した後、フォトリソグラフィー法にて不要部の除去、感光性樹脂の剥離、熱硬化を順に行うと露光時の感度に影響されず良好な加工性が得られ表示品質も向上する。
樹脂遮光層に用いられる遮光剤としては、例えば、カーボンブラック、酸化チタン、酸化窒化チタン、四酸化鉄などの金属酸化物粉、金属硫化物粉、顔料やこれらの混合物などが好ましい。本発明においては遮光性や導電性等の所望の特性を考慮した上でいずれの遮光剤を使用してもよく、さらには樹脂遮光層の色調を調整するために補色顔料を混合してもよい。特に遮光剤のみでは樹脂遮光層が使用する遮光剤特有の色を呈することから、表示特性の面においても無彩色にすることが好ましい。
本発明においては、透明基板上への遮光層材料の塗膜形成方法は特に限定されない。スピンコーティング法、ロールコーティング法、バーコーティング法、ダイコーティング法等のウェットコーティング方式により基板全面に塗布後、フォトリソグラフィー法により遮光部を形成しない開口部を除去して所定の遮光部パターンを形成してもよいし、フィルム転写法、印刷法、電着法、インクジェット法により遮光部を形成し、未形成部を開口部としてもよい。また、開口部の配列方法は特に限定されず、少なくとも3色の着色層が形成される開口部がストライプ状に交互に並ぶストライプ状配列や開口部を3角形状の繰り返し配置するデルタ状配列が代表的である。本発明ではストライプ状配列を基に説明する。
本発明で用いられる着色層3は、カラー表示に必要な構成であれば特に限定されず、加法混色であれば赤、青および緑の3色、減法混色であればシアン、マゼンタおよびイエローの3色が使用可能である。なお、本発明では赤、青、緑の3色を基に説明する。
着色層は少なくとも着色剤、着色剤の分散体となる樹脂、溶剤からなる着色層用材料を用いてフォトリソグラフィー法により形成する。前記着色剤としては、液晶表示装置において所望の表示特性を得るために赤、橙、黄、緑、青または紫などの有機顔料、無機顔料や染料の着色剤が好適に用いられる。なお、前記顔料は、必要に応じて、ロジン処理、酸性基処理、塩基性処理または顔料誘導体処理などの表面処理がされていてもよい。一般に、顔料および染料の色を特定する記号として、PR(ピグメントレッド)、PG(ピグメントグリーン)あるいはPB(ピグメントブルー)等のカラーインデックス(C.I.;The Society of Dyers and Colourrists社発行)が用いられる。正式表記としては、C.I.の後に特定の色記号(例えば、C.I.PR254など)で表示されているが、本発明の説明においては、前記C.I.の表記は省略(例えば、C.I.PR254ならば、PR254)する。
また着色剤の分散体に使用されている樹脂成分としては、例えば、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂およびエポキシ系樹脂などの感光性樹脂または非感光性樹脂やこれらの混合材料が好適に用いられる。さらに着色層材料中には、紫外線吸収剤や分散剤などの種々の添加剤を添加してもよく、分散剤としては界面活性剤、顔料の中間体、染料の中間体および高分子分散剤などの広範囲のものが使用されている。なお、ここに説明したカラー表示以外に本発明の液晶表示装置用カラーフィルター基板では、着色領域として透過率85%以上の透明樹脂を用いた無彩色領域を形成してもよい。
本発明で用いる開口部に着色層を形成するためのフォトリソグラフィー法は、前記着色層用材料を、開口部を有する遮光層パターン上に概ね全面塗布し、乾燥工程において溶媒除去し着色層塗膜を形成する。着色層塗膜に感光機能が付与されている場合には塗膜上から、また、着色層塗膜に感光機能が付与されていない場合には、感光性樹脂を用いて着色層塗膜上に積層膜を形成した上から、所定の着色層形状にパターンが形成されたフォトマスクを介して露光、現像を行い、開口部上、および開口部周辺部の遮光層上に着色層を得ることができる。
着色層の形状は特に限定されず、着色層を隣接する開口部上に渡ってストライプ状に配列する方法や、各開口部上に概ね矩形状に配置する方法が代表的である。本発明では、着色層が開口部周辺部の遮光層上に積層する構成に用いられるものであり、少なくとも着色層の一部が開口部周辺部の遮光層に積層されている構成であれば適用することが可能である。
本発明では、図4に示す通り、遮光層膜厚2を着色層膜厚3より厚くし、所望の関係を満たすようにすることで、開口部周辺部の遮光層上に積層した着色層の頂部が低くなり、着色層の頂部と底部間で生じる段差dが低減できること、さらにこの状態で遮光層上および着色層上に透明平坦化層を形成すると、開口部周辺部の透明平坦化層の上面の最大高さと、開口部上の透明平坦化層の上面の最小高さの差Dも緩和されるため、開口部内段差が大幅に改善されることを見出した。なお、遮光層膜厚は開口部に隣接する遮光層の最も膜厚の低い部分と定義する。着色層膜厚は前述の通り、開口部上に形成された着色層について、開口部内の最も膜厚の低い部分を着色層膜厚と定義する。所望の色度を呈する着色層膜厚を決定し、相対的に遮光層膜厚を設計すれば簡便に本発明のカラーフィルター基板を得ることができる。
発明者はこのような開口部内段差が低減できる理由について次の通り類推した。着色層用材料は、塗布直後に開口部周辺部の遮光層上から開口部上へと高低差にしたがい流れ込むが、遮光層の膜厚を着色層よりも厚くすると、より多くの着色用材料が流れ込み、開口部周辺部の遮光層上に積層される着色層膜厚が薄くなることで、着色層の頂部、底部間の段差が軽減される。さらに透明平坦化層も同様に、塗布直後から開口部周辺部の着色層頂部から、開口部上の着色層底部に向かって流れ込みが生じ段差が軽減されるが、加えて開口部周辺部上の着色層頂部が低くなることで、透明平坦化層用材料の流動性が向上し、容易に開口部上へと流れ込みやすくなる。したがって、透明平坦化層の形成後に上面の最大高さと最小高さの差も小さくなり、開口部周辺部から開口部に渡って平坦化されるため開口部内段差を大幅に低減できると考えた。
このように開口部内段差を低減するためには、開口部周辺部の透明平坦化層の上面の最大高さと開口部上の透明平坦化層の上面の最小高さの差を低減することが必要であり、本発明において検討した結果、0.2μm以下の段差とすることで液晶のプレチルト角や配向性が安定する開口部内段差が得られることを見出した。
本発明では、遮光層膜厚を着色層膜厚の1.1倍以上とすることにより、開口部周辺部上の着色層頂部と開口部上の着色層底部間の段差低減効果に好ましく、さらに好ましくは遮光層の膜厚を着色層の膜厚の1.3倍以上とすることにより、開口部周辺部上からの着色層用材料の流れ込みが促進され、その結果、開口部周辺部上の着色層頂部が低くなり、透明平坦化層による段差低減効果も向上する。
発明者はこの現象をさらに詳細に分析した結果、開口部周辺部上の遮光層と着色層の積層幅が着色層の頂部と底部の段差に影響することを見出した。ここで、積層幅とは、開口部と遮光層の境界部から、遮光層上に積層された着色層端部までの距離と定義する。すなわち、図4におけるaの距離が相当する。積層幅は、隣接する異なる色方向の開口部周辺部に積層された着色層に用いてもよいし、隣接する同じ色方向の開口部周辺部に積層された着色層に用いてもよい。好ましくは、この遮光層と着色層の積層幅が5μm以下であれば、着色層用材料の流れ込み後の頂部と底部間段差が大幅に低減でき、これはフォトリソグラフィー法により着色層の積層幅を狭くすることで、着色層膜厚の厚い領域を除去し、かつ塗布時に流動性を阻害する領域が減少できるためと推定した。そのため、透明平坦化層形成時にも段差低減効果が向上することが期待できた。さらに好ましくは積層幅が3μm以下であり、ばらつきを考慮した上で1〜3μmであることが最も好ましい。
一方、開口部周辺部の遮光層上から開口部上へ着色層用材料が円滑に流れ込むためには、流動特性が重要である。着色剤等の粒子が分散された着色層用材料では、粒子間の相互作用による構造粘性が生じ流動性が低下することが懸念される。したがって、粒子の分散安定性を向上させる必要があり、このような着色層用材料は固形分濃度が20wt%以下であることが好ましく、さらに好ましくは15wt%以下である。また、25℃において剪断速度1〜200/秒の範囲の異なる剪断速度で測定された少なくとも3点の粘度からCasson式により求めた降伏値が0.01N/m2未満であるニュートニアン流体であり、かつ25℃において剪断速度38/秒での粘度が10mN/m2・s以上、60mN/m2・s未満であることが好ましい。さらに好ましく前記ニュートニアン流体であって、25℃において剪断速度38/秒での粘度が10mPa・s以上、30mPa・s未満であると、遮光部から開口部への流れ込みが容易になる。
液晶表示装置によりカラー画像を表示する用途が広がるにしたがい、CIE色度系におけるC光源を用いた色再現範囲がNTSC比40%以上を示す着色層が好適に用いられてきている。しかし、色再現範囲が広いほど着色層中の着色剤濃度を増やす必要がある一方で、樹脂中に含まれる着色剤の量が多くなると硬化不良、パターン加工性や信頼性低下の原因となるため、着色層の膜厚を厚くする必要が生じる。しかし、着色層膜厚が厚くなるにしがい、開口部周辺部の遮光層上に積層された着色層の頂部が高くなり、開口部内段差が悪化し表示品質低下の大きな原因であったが、前述の構成を採用することで表示品質の劣化の低減したカラーフィルター基板を得ることができる。
本発明で用いられる透明平坦化層4は、着色層による頂部と底部間の段差を緩和し、開口部内段差を改善するために用いる。透明平坦化層膜厚は、着色層膜厚として定義された部分に積層された透明平坦化層の膜厚と定義する。十分な段差改善効果を得るためには、透明平坦化層膜厚を1.2μm以上とすることが好ましい。さらに好ましくは透明平坦化層の膜厚が1.5μm以上とすることで着色層の頂部と底部の差を大幅に低減でき、開口部内段差の小さいカラーフィルター基板を作製できる。
本発明で用いる透明平坦化層材料には、例えば、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂およびポリイミド系樹脂などにより代表される熱硬化性樹脂、アクリル樹脂などを使用する感光性樹脂、およびそれらの混合物のいずれも適宜用いることができる。また、透明平坦化層に特定の機能を付与するために添加剤を使用してもよい。例えば、透明平坦化層の硬度を向上させる目的のシリカなどが挙げられる。
透明平坦化層用材料には、熱硬化性樹脂やその前駆体、感光性樹脂材料を溶剤に溶解したものを用いるが、着色層用材料同様に、容易に開口部へ十分な流れ込みを生じるために流動特性が重要である。好ましくは固形分濃度が30wt%以下であり、さらに好ましくは20wt%以下である。また、25℃において剪断速度1〜200/秒の範囲の異なる剪断速度で測定された少なくとも3点の粘度からCasson式により求めた降伏値が0.01N/m2未満であるニュートニアン流体であり、かつ25℃において剪断速度38/秒での粘度が1mN/m2・s以上、20mN/m2・s未満であることが好ましい。さらに好ましくは前記ニュートニアン流体であって、25℃において剪断速度38/秒での粘度が0.5mN/m2・s以上、10mN/m2・s未満であると段差緩和に優れた透明平坦化層用材料が得られる。
さらに、基板上に塗布された透明平坦化層用材料が着色層の段差を十分に緩和するためには、乾燥時間を長くとることで材料の流れ込みが促進される。この場合、溶媒に沸点170℃以上の高沸点溶媒を添加するのが好ましい。例えば溶媒としてジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテルなどのグリコールジエーテル系溶媒、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルなどのグリコールエーテル系溶媒、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートなどのグリコールエステル系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N、N−ジメチルホルムアミドなどのアミド系溶媒、γ―ブチルラクトンなどのラクトン系溶媒などを使用する樹脂の溶解性に応じて適宜用いることができる。
本発明の液晶表示装置用カラーフィルター基板には、透明平坦化層上に透明電極層を形成してもよい。透明電極層には、インジウム・錫酸化物(ITO)、酸化亜鉛、酸化スズなど、またはその合金等が好ましく使用できる。透明電極層の形成方法としては、表示領域の所定部を開放したマスク材と基板を重ね合わせ、ディッピング法、化学気相成長、真空蒸着法、スパッタリング法およびイオンプレーティング法などを用いて所望の領域に形成することができる。特にスパッタリング法では、均一性の高い電極を得ることができ、DCマグネトロンスパッタを用いることで高い成膜レートを得ることができるが、本発明はこれらに限定されているものではない。
また、透明電極層はマスク材を使用せずに概全面に形成してもよく、概全面に形成された透明電極上層に感光性フォトレジストを塗布し、フォトリソグラフィー法を用いたエッチング加工やレーザー加工により、所定領域のみに透明電極層を形成することも可能である。この場合、カラーフィルター基板の耐エッチング性を向上するために、透明平坦化層と透明電極層間にSiO2の保護層を形成してもよい。
カラーフィルター基板と対向する電極基板との基板間隙を保持するためには、概均一径を有するスペーサービースやロッドスペーサーを使用してもよいし、カラーフィルター基板や電極基板のいずれか一方の所定の位置に、あるいは両基板上に柱状スペーサーを設けて基板間隙を保持してもよい。柱状スペーサーの形成位置は特に限定されないが、開口部に影響を与えないように遮光部上に配置してもよいし、遮光部と着色層を積層した部分に形成してもよい。
柱状スペーサーに使用される樹脂としては種々の樹脂材料が使用可能であるが、その加工性や機械強度を考慮し、好ましくはポジ型やネガ型の感光性樹脂のいずれかを用いるのがよい。例えば、ポジ型感光性樹脂としては、ノボラック樹脂とナフトキノンジアジスルホン酸エステルとの混合物が好ましく用いられる。また、ネガ型感光性樹脂としては、環化ゴムービスアジド系、フェノール樹脂−アジド系、アクリル系樹脂および化学増感系などの樹脂が挙げられる。さらに、柱状スペーサーの機械強度改善のために、樹脂の中に各種の添加剤を入れて調整しても良い。添加剤としては、例えば、無機粒子などが用いられる。また、柱状スペーサーの形成方法は特に限定されないが、微細加工の観点によりフォトリソグラフィー法が好ましい。
本発明のカラーフィルター基板を用いる液晶表示装置の駆動方式は特に限定されないが、例えば、単純マトリックス方式であるSTN液晶を使用した液晶表示装置では、液晶の旋回角が大きいため、カラーフィルター基板表面の凹凸がプレチルト角に影響し、駆動時の液晶旋回角が変化することで表示品質が低下する。したがって、特に開口部内段差の影響を受けやすいため、本発明のカラーフィルター基板は好適に用いられる。また、例えば各表示領域に駆動用のTFTを有するアクティブマトリックス方式の液晶表示装置では、広視野角を得ることができる水平駆動液晶や垂直配向液晶等など、特異な配向性を示す液晶を用いるIPS方式やVA方式等に開口部内段差が小さい本発明のカラーフィルター基板を好適に用いることができる。さらに、高速応答を得るためにカラーフィルター基板と電極基板間の基板間隙を狭くした液晶表示装置では、低い駆動電圧で配向可能な液晶を用いて応答速度を向上する。しかし、開口部内段差の大きいカラーフィルター基板では、表面の凹凸が液晶配向時の障壁となり応答速度低下の原因となるため、本発明のカラーフィルター基板は好適に用いることができる。これらの液晶表示装置以外にもカラーフィルター基板表面の平坦性が要求されるような液晶表示装置には特に好適に用いることができる。
以下に単純マトリックス方式のSTN液晶を使用した実施例を用いて本発明を具体的に説明するが、本発明の構成を満たすカラーフィルター基板や前記カラーフィルター基板を使用する液晶表示装置に関してはこれらに限定されるものではない。
実施例1
[液晶表示装置の作製]
本実施例で用いた単純マトリックス方式液晶表示装置の作製方法は公知技術を用いて実施しており、ここでは概略のみ記載する。液晶表示装置は2枚の無アルカリガラス基板(日本電気ガラス社製OA−10)を透明基板として用い、一方の基板にはITO電極を形成した電極基板とし、他方の基板をカラーフィルター基板として所定の方法で2枚の基板を貼り合わせ、基板間に液晶を封入して液晶パネル体を作製した。
[液晶表示装置の作製]
本実施例で用いた単純マトリックス方式液晶表示装置の作製方法は公知技術を用いて実施しており、ここでは概略のみ記載する。液晶表示装置は2枚の無アルカリガラス基板(日本電気ガラス社製OA−10)を透明基板として用い、一方の基板にはITO電極を形成した電極基板とし、他方の基板をカラーフィルター基板として所定の方法で2枚の基板を貼り合わせ、基板間に液晶を封入して液晶パネル体を作製した。
(カラーフィルター基板の作製)
カラーフィルター基板は以下のように作製した。
カラーフィルター基板は以下のように作製した。
透明基板上に樹脂遮光層を用いてストライプパターン状に開口部を形成し、前記開口部上と開口部周辺部の遮光層上に矩形状の赤、青および緑の着色層を同一ストライプ方向に配置した。さらにカラーフィルター基板の概ね全面に透明平坦化層を積層した後、無機保護膜層としてSiO2をスパッタリング法により積層し、最後に透明電極層としてITO膜を成膜してカラーフィルター基板を得た。
以下に作製方法を詳述する。
(1)遮光層の作成
温度計、乾燥窒素導入口、温水・冷却水による加熱・冷却装置、および、攪拌装置を付した20Lの反応釜に、γ−ブチロラクトン 14324.1g、N−メチル−2−ピロリドン 2320g、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル 600.7g、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン 670.2g、ビス−3−(アミノプロピル)テトラメチルシロキサン 74.6gを投入し、釜を30℃に加熱した。30分後、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物 644.4g、ピロメリット酸二無水物 641.3g、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物 294.2gを投入し、釜を58℃に加熱した。3時間後、無水マレイン酸 11.8gを添加し、58℃でさらに1時間加熱することにより、ポリイミド前駆体(ポリアミック酸)材料(P1)を得た。
温度計、乾燥窒素導入口、温水・冷却水による加熱・冷却装置、および、攪拌装置を付した20Lの反応釜に、γ−ブチロラクトン 14324.1g、N−メチル−2−ピロリドン 2320g、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル 600.7g、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン 670.2g、ビス−3−(アミノプロピル)テトラメチルシロキサン 74.6gを投入し、釜を30℃に加熱した。30分後、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物 644.4g、ピロメリット酸二無水物 641.3g、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物 294.2gを投入し、釜を58℃に加熱した。3時間後、無水マレイン酸 11.8gを添加し、58℃でさらに1時間加熱することにより、ポリイミド前駆体(ポリアミック酸)材料(P1)を得た。
カーボンブラック 4.6g、ポリアミック酸材料(P1) 24.0g、N−メチル−2−ピロリドン 61.4gをガラスビーズ 90gとともにホモジナイザーを用い、7000rpmで30分間分散処理後、ガラスビーズを濾過により除去し、カーボンブラック分散液(CB1)を得た。
また、青顔料PB15:6 2.2g、ポリアミック酸溶液(P1) 24.0g、N−メチル−2−ピロリドン 63.8gをガラスビーズ 90gとともにホモジナイザーを用い、7000rpmで30分間分散処理後、ガラスビーズを濾過により除去し、青顔料分散液(B1)を得た。得られた両分散液CB1、B1を全量混合し、遮光層用材料を得た。
この遮光層用材料を目標膜厚1.1μmにてガラス基板上にスピンコートし、50℃で10分間、90℃で10分間、110℃で20分間オーブンを用いて空気中で加熱乾燥後、ポリアミック酸樹脂遮光層塗布膜を得た。この膜上にポジ型フォトレジスト(東京応化社製OFPR−800)を膜厚1μmで塗布後、80℃で20分間加熱乾燥してレジスト膜を形成した。この遮光層塗布膜とレジスト膜の積層膜を形成した基板に、キャノン社製紫外線露光機PLA−501Fを用いて、クロム製のフォトマスクを介し波長365nm、強度50mJ/cm2の紫外線を照射、所定のパターンとなるよう露光を行った。露光後基板をテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドの2.38wt%の水溶液からなる現像液に浸漬し、フォトレジストおよび樹脂遮光層塗布膜の現像を同時に行った後、不要となったフォトレジスト層をメチルセロソルブアセテートで剥離した。さらにこのようにして得られたポリアミック酸樹脂遮光層パターン基板を窒素雰囲気中において300℃で30分間熱処理し、ポリイミド樹脂遮光層を形成した。
(2)着色層の形成
赤、青、緑の着色層を形成するために着色剤として次の顔料を使用した。赤色着色層用としてPR177、PR254、PY138、PY139、青色着色層用としてPB15:6、PV23、緑色着色層用としてPG36、PY138、PY139である。これら着色層を目標膜厚1.0μmにおいて、CIE色度系C光源による色純度を顕微分光光度計(大塚電子製 MCPD−2000)を用いた測定により赤色着色層はx=0.571、y=0.343、青色着色層はx=0.151、y=0.173、緑色着色層はx=0.314、y=0.509、色再現範囲をNTSC比46.5%となるように顔料比率を調整し、ポリアミック酸材料(P1)中に樹脂遮光層の場合と同様な方法で分散し、着色層用材料を得た。ここで、赤、青、緑の着色層用材料の25℃における剪断速度38/秒における粘度が各々14.2mN/m2・s、16.0mN/m2・s、16.2mN/m2・sとなるようポリアミック酸と顔料の濃度を調整した。得られた赤色着色層用材料を遮光部と開口部が形成された透明基板の概ね全面にダイコーターを用いて塗布し、50℃で10分間、90℃で10分間、110℃で20分間オーブンを用いて空気中で加熱乾燥し溶媒除去を行いた。この塗膜上に膜厚約1μmでポジ型フォトレジスト(東京応化社製OFPR−800)を塗布し、80℃で20分間加熱乾燥しレジスト膜を得た。この着色層用材料の塗膜とレジスト膜の積層した透明基板に対し、キャノン社製紫外線露光機PLA−501Fを用い、所定の着色層パターン部が遮蔽されたクロム製のフォトマスクを介して、波長365nmでの強度が50mJ/cm2の紫外線を照射、露光した。このときフォトマスク上で遮蔽された着色層パターンは開口部寸法に比べて開口部周辺部上に+5μm広げたものを使用し、開口部周辺部の遮光層上に着色層の積層部を形成した。露光後にテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドの2.38wt%の水溶液からなる現像液に浸漬しフォトレジストおよびポリアミック酸樹脂による着色層の現像を同時に行い、このとき開口部周辺部の遮光層と着色層の積層幅が4.5μmとなるよう現像時間を調整した。現像後に不要となったフォトレジスト層をメチルセロソルブアセテートで剥離し、基板を窒素雰囲気中において300℃で30分間熱処理して赤色のポリイミド樹脂着色層パターンを得た。同様にして、緑色、青色の着色層用材料を用いて着色層を形成し、赤、緑および青の3原色を有するカラーフィルター基板を得た。
赤、青、緑の着色層を形成するために着色剤として次の顔料を使用した。赤色着色層用としてPR177、PR254、PY138、PY139、青色着色層用としてPB15:6、PV23、緑色着色層用としてPG36、PY138、PY139である。これら着色層を目標膜厚1.0μmにおいて、CIE色度系C光源による色純度を顕微分光光度計(大塚電子製 MCPD−2000)を用いた測定により赤色着色層はx=0.571、y=0.343、青色着色層はx=0.151、y=0.173、緑色着色層はx=0.314、y=0.509、色再現範囲をNTSC比46.5%となるように顔料比率を調整し、ポリアミック酸材料(P1)中に樹脂遮光層の場合と同様な方法で分散し、着色層用材料を得た。ここで、赤、青、緑の着色層用材料の25℃における剪断速度38/秒における粘度が各々14.2mN/m2・s、16.0mN/m2・s、16.2mN/m2・sとなるようポリアミック酸と顔料の濃度を調整した。得られた赤色着色層用材料を遮光部と開口部が形成された透明基板の概ね全面にダイコーターを用いて塗布し、50℃で10分間、90℃で10分間、110℃で20分間オーブンを用いて空気中で加熱乾燥し溶媒除去を行いた。この塗膜上に膜厚約1μmでポジ型フォトレジスト(東京応化社製OFPR−800)を塗布し、80℃で20分間加熱乾燥しレジスト膜を得た。この着色層用材料の塗膜とレジスト膜の積層した透明基板に対し、キャノン社製紫外線露光機PLA−501Fを用い、所定の着色層パターン部が遮蔽されたクロム製のフォトマスクを介して、波長365nmでの強度が50mJ/cm2の紫外線を照射、露光した。このときフォトマスク上で遮蔽された着色層パターンは開口部寸法に比べて開口部周辺部上に+5μm広げたものを使用し、開口部周辺部の遮光層上に着色層の積層部を形成した。露光後にテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドの2.38wt%の水溶液からなる現像液に浸漬しフォトレジストおよびポリアミック酸樹脂による着色層の現像を同時に行い、このとき開口部周辺部の遮光層と着色層の積層幅が4.5μmとなるよう現像時間を調整した。現像後に不要となったフォトレジスト層をメチルセロソルブアセテートで剥離し、基板を窒素雰囲気中において300℃で30分間熱処理して赤色のポリイミド樹脂着色層パターンを得た。同様にして、緑色、青色の着色層用材料を用いて着色層を形成し、赤、緑および青の3原色を有するカラーフィルター基板を得た。
(3)透明平坦化層の形成
遮光層と着色層を形成したカラーフィルター基板へ透明平坦化層を形成するにあたっては、熱硬化型アクリル材料(JSR社オプトマーSS6917)を剪断速度38/秒における粘度が3.5mN/m2・sとなるようにジエチレングリコールジメチルエーテル中に希釈した透明平坦化用材料を使用した。透明平坦化層は目標膜厚1.2μmとして、カラーフィルター基板の概ね全面にダイコーターを用いて塗布後、100℃で5分、260℃で30分加熱した。
遮光層と着色層を形成したカラーフィルター基板へ透明平坦化層を形成するにあたっては、熱硬化型アクリル材料(JSR社オプトマーSS6917)を剪断速度38/秒における粘度が3.5mN/m2・sとなるようにジエチレングリコールジメチルエーテル中に希釈した透明平坦化用材料を使用した。透明平坦化層は目標膜厚1.2μmとして、カラーフィルター基板の概ね全面にダイコーターを用いて塗布後、100℃で5分、260℃で30分加熱した。
(4)透明電極層の形成
透明電極層は、真空中においてRFスパッタリング法により目標膜厚0.02μmとなるようカラーフィルター基板の概ね全面にSiO2膜を成膜し、次に、DCマグネトロンスパッタ法により目標膜厚0.15μmとなるようITO膜を成膜した。その後、ITO膜上にポジ型フォトレジストを積層し、フォトリソグラフィー法によりフォトレジストとITOのストライプパターンを形成し、上層のポジレジスト(AZエレクトロニックマテリアルズ社製RFP−230K2)をメチルセロソルブアセテートにより除去した。ITO電極のストライプパターンは、異なる着色層が形成された隣接開口部方向に沿ったストライプとし、ストライプ幅はストライプ方向の開口部幅と概ね同一寸法とした。
透明電極層は、真空中においてRFスパッタリング法により目標膜厚0.02μmとなるようカラーフィルター基板の概ね全面にSiO2膜を成膜し、次に、DCマグネトロンスパッタ法により目標膜厚0.15μmとなるようITO膜を成膜した。その後、ITO膜上にポジ型フォトレジストを積層し、フォトリソグラフィー法によりフォトレジストとITOのストライプパターンを形成し、上層のポジレジスト(AZエレクトロニックマテリアルズ社製RFP−230K2)をメチルセロソルブアセテートにより除去した。ITO電極のストライプパターンは、異なる着色層が形成された隣接開口部方向に沿ったストライプとし、ストライプ幅はストライプ方向の開口部幅と概ね同一寸法とした。
(電極基板の作製)
電極基板は以下の構成のものを使用した。
電極基板は以下の構成のものを使用した。
透明基板上の概ね全面にITO電極を膜厚1500Åで形成した後、ポジ型フォトレジスト(AZエレクトロニックマテリアルズ社製RFP−230K2)を積層し、フォトリソグラフィー法によりストライプパターンを作製した後、上層のポジレジストをメチルセロソルブアセテートにより除去した。電極基板上のITO電極のストライプパターンは、カラーフィルター基板上において同色の着色層が形成された隣接開口部方向に沿ったストライプとし、カラーフィルター基板上のストライプ方向と直交するように形成した。ストライプ幅はストライプ方向の開口部幅と概ね同一寸法となるようにした。以下の実施例、比較例については本電極基板を使用する。
(液晶表示装置の作製)
液晶表示装置の作製について、まず液晶パネル部の構成を以下に述べる。
液晶表示装置の作製について、まず液晶パネル部の構成を以下に述べる。
電極基板上とカラーフィルター基板上の各々に、ポリイミド系配向膜を塗布し加熱硬化した後にラビング処理を行う。その後、遮光層と着色層からなる表示領域周囲にシール剤を印刷して貼り合わせた後、加熱しながら2枚の基板の外側から圧力を印可し密着させて液晶パネル部を作製した。単純マトリックス方式液晶表示装置の液晶駆動は、所望の開口部上で交差するカラーフィルター基板上のITO電極ストライプと電極基板上のITO電極ストライプ間で電圧を印加するため、両基板上のITOストライプ端部は表示領域周囲のシール部領域まで延伸され、シール剤中に含まれる金属被覆等が施された導電性ボールスペーサー剤により導通を保持した。さらに、延伸されたITO電極ストライプ端部は、その先端を1辺に集約して駆動回路との接続配線とした。
貼り合わせを行った両基板間には、予めシール部の一部の領域を切り欠いた注入口を設けておき、その注入口から液晶を注入充填した後、感光性樹脂を用いて注入口を封止する。最後に偏光板を電極基板とカラーフィルター基板の外側から所定の偏光軸を有するように接着し液晶パネル体を得た。
次に液晶表示装置の作製方法について述べる。銅箔積層基板上に白色LEDを配置し、電源回路への接続配線を設ける。この銅箔積層基板を液晶パネル体の電極基板側から白色LEDの表示光が液晶パネル体に透過するように配置した。前記の電源回路への接続配線と、液晶パネルの一辺に集約されたカラーフィルター基板上および電極基板上のITO電極端部の接続配線を、あらかじめ駆動用回路、論理回路や電源部品等を配置した回路用基板と、銅泊積層ポリイミドフィルムを介して電気的に接続し液晶表示装置を得た。
(液晶表示装置用カラーフィルター基板の評価)
本実施例に基づき作製した液晶表示装置用カラーフィルター基板20個の内10個について、断面SEMを用いて遮光層膜厚、着色層膜厚を測定した結果、遮光層膜厚は平均1.12μm、着色層膜厚は平均0.95μmであり、このとき遮光層の膜厚は着色層の膜厚対比1.18倍となった。さらに、開口部と遮光層の境界部から、開口部周辺部の遮光層上に積層された着色層端部までの積層幅を測定した結果、平均4.2μmであった。透明平坦化層の膜厚は、膜厚を測定した着色層上に積層された部分が平均1.21μmであった。これらカラーフィルター基板について、開口部周辺部上の透明平坦化層の上面の最大高さと開口部上の透明平坦化層の上面の最小高さの差を測定した結果、平均0.15μmであった。残りの10個のカラーフィルター基板を使用し、液晶表示装置を作製して表示特性を観察した結果、画素内において配向不良が認められず、良好な結果を得た。
本実施例に基づき作製した液晶表示装置用カラーフィルター基板20個の内10個について、断面SEMを用いて遮光層膜厚、着色層膜厚を測定した結果、遮光層膜厚は平均1.12μm、着色層膜厚は平均0.95μmであり、このとき遮光層の膜厚は着色層の膜厚対比1.18倍となった。さらに、開口部と遮光層の境界部から、開口部周辺部の遮光層上に積層された着色層端部までの積層幅を測定した結果、平均4.2μmであった。透明平坦化層の膜厚は、膜厚を測定した着色層上に積層された部分が平均1.21μmであった。これらカラーフィルター基板について、開口部周辺部上の透明平坦化層の上面の最大高さと開口部上の透明平坦化層の上面の最小高さの差を測定した結果、平均0.15μmであった。残りの10個のカラーフィルター基板を使用し、液晶表示装置を作製して表示特性を観察した結果、画素内において配向不良が認められず、良好な結果を得た。
実施例2
実施例1と同様の遮光層用材料を用い、目標膜厚1.85μmの遮光層を形成したカラーフィルター基板を40個作製した。着色層は実施例1と同様の顔料を用い、目標膜厚1.6μmにおいて、CIE色度系におけるC光源による色度座標は顕微分光光度計(大塚電子製 MCPD−2000)を用いた測定により赤色着色層はx=0.638、y=0.327、青色着色層はx=0.139、y=0.102、緑色着色層はx=0.282、y=0.582、色再現範囲をNTSC比65.1%となるように顔料比率を調整し、ポリアミック酸溶液(P1)中に分散して着色層材料を得た。赤、青、緑の各々の着色層用材料は25℃における剪断速度38/秒の粘度は各々17.5mN/m2・s、20.4mN/m2・s、25.1mN/m2・sとなるよう濃度を調整した。得られた着色層用材料を用いて、開口部上及び開口部周辺部の遮光層上に目標積層幅4.5μmとなるように着色層を形成した。さらに、20個のカラーフィルター基板を用いて、透明平坦化層を目標膜厚1.5μmで積層した後、SiO2層、ITO電極層を形成したカラーフィルター基板を作製した。
実施例1と同様の遮光層用材料を用い、目標膜厚1.85μmの遮光層を形成したカラーフィルター基板を40個作製した。着色層は実施例1と同様の顔料を用い、目標膜厚1.6μmにおいて、CIE色度系におけるC光源による色度座標は顕微分光光度計(大塚電子製 MCPD−2000)を用いた測定により赤色着色層はx=0.638、y=0.327、青色着色層はx=0.139、y=0.102、緑色着色層はx=0.282、y=0.582、色再現範囲をNTSC比65.1%となるように顔料比率を調整し、ポリアミック酸溶液(P1)中に分散して着色層材料を得た。赤、青、緑の各々の着色層用材料は25℃における剪断速度38/秒の粘度は各々17.5mN/m2・s、20.4mN/m2・s、25.1mN/m2・sとなるよう濃度を調整した。得られた着色層用材料を用いて、開口部上及び開口部周辺部の遮光層上に目標積層幅4.5μmとなるように着色層を形成した。さらに、20個のカラーフィルター基板を用いて、透明平坦化層を目標膜厚1.5μmで積層した後、SiO2層、ITO電極層を形成したカラーフィルター基板を作製した。
実施例1と同様に、10個のカラーフィルター基板について膜厚、段差の測定を行った結果、遮光層膜厚は平均1.81μm、着色層膜厚は平均1.61μmであり、遮光層膜厚は着色層膜厚の1.14倍であった。また、透明平坦化層膜厚は平均1.50μmであり、開口部周辺部の遮光層と着色層の積層幅は平均4.7μmであった。さらに、透明平坦化層の上面の最大高さと開口部上の透明平坦化層の上面の最小高さの差は平均0.18μmであり、本発明の構成を満足することを確認した。残り10個のカラーフィルター基板を用いた液晶表示装置の表示状態を観察した結果、画素内で液晶の配向が起因した表示欠点は皆無であり、遮光層、着色層の膜厚が厚く、色再現範囲が広いカラーフィルター基板を用いても効果が得られることを確認した。
実施例3
実施例2において作製した遮光層と着色層の残り20個を用い、透明平坦化層材料を実施例1と同じものを使用し、目標膜厚1.85μmで形成した。実施例1と同様の方法でカラーフィルター基板上にSiO2層、ITO電極層を成膜した後に、そのうち10個のカラーフィルター基板について、膜厚、段差を測定した結果、遮光層膜厚は平均1.83μm、着色層膜厚は平均1.61μmとなり、遮光層膜厚は着色層膜厚の1.14倍であった。さらに、透明明平坦化層膜厚は平均1.88μmであり、開口部周辺部の遮光層と着色層の重なり部の幅を測定した結果、平均4.5μmであり、透明平坦化層の上面の最大高さと開口部上の透明平坦化層の上面の最小高さの差は平均0.12μmと本発明の構成を満足することを確認した。さらに残りの10個の液晶表示装置の表示状態を観察した結果、液層の配向性に起因する表示欠点は発生していなかった。
実施例2において作製した遮光層と着色層の残り20個を用い、透明平坦化層材料を実施例1と同じものを使用し、目標膜厚1.85μmで形成した。実施例1と同様の方法でカラーフィルター基板上にSiO2層、ITO電極層を成膜した後に、そのうち10個のカラーフィルター基板について、膜厚、段差を測定した結果、遮光層膜厚は平均1.83μm、着色層膜厚は平均1.61μmとなり、遮光層膜厚は着色層膜厚の1.14倍であった。さらに、透明明平坦化層膜厚は平均1.88μmであり、開口部周辺部の遮光層と着色層の重なり部の幅を測定した結果、平均4.5μmであり、透明平坦化層の上面の最大高さと開口部上の透明平坦化層の上面の最小高さの差は平均0.12μmと本発明の構成を満足することを確認した。さらに残りの10個の液晶表示装置の表示状態を観察した結果、液層の配向性に起因する表示欠点は発生していなかった。
実施例4
実施例1と同じ遮光層用材料を用い、目標膜厚2.1μmの遮光層形成したカラーフィルター基板を40個準備した。そのうち20個の基板は着色層は実施例2と同様の着色層用材料を使用し、同一の色再現範囲、開口部周辺部の遮光層と着色層の目標積層幅を4.5μmとなるよう形成した。さらに、透明平坦化層は目標膜厚1.85μmとして形成した後、SiO2層、ITO電極層を成膜し、実施例1と同様の方法で10個のカラーフィルター基板を測定した。その結果、遮光層層膜厚は平均2.12μm、着色層膜厚は平均1.60μm、透明平坦化層膜厚は平均1.84μmであり、遮光層膜厚と着色層膜厚の1.33倍であった。さらに開口部周辺部の遮光層と着色層の積層幅は平均4.2μmとなった。透明平坦化層の上面の最大高さと開口部上の透明平坦化層の上面の最小高さの差は平均0.15μmであり、本発明の構成を満足することを確認した。残り10個のカラーフィルター基板を使用した液晶表示装置の表示状態を観察した結果、液晶配向に起因するような表示欠点は発生しておらず、遮光層の膜厚をさらに厚くしたカラーフィルター基板を用いても効果が得られることを確認した。
実施例1と同じ遮光層用材料を用い、目標膜厚2.1μmの遮光層形成したカラーフィルター基板を40個準備した。そのうち20個の基板は着色層は実施例2と同様の着色層用材料を使用し、同一の色再現範囲、開口部周辺部の遮光層と着色層の目標積層幅を4.5μmとなるよう形成した。さらに、透明平坦化層は目標膜厚1.85μmとして形成した後、SiO2層、ITO電極層を成膜し、実施例1と同様の方法で10個のカラーフィルター基板を測定した。その結果、遮光層層膜厚は平均2.12μm、着色層膜厚は平均1.60μm、透明平坦化層膜厚は平均1.84μmであり、遮光層膜厚と着色層膜厚の1.33倍であった。さらに開口部周辺部の遮光層と着色層の積層幅は平均4.2μmとなった。透明平坦化層の上面の最大高さと開口部上の透明平坦化層の上面の最小高さの差は平均0.15μmであり、本発明の構成を満足することを確認した。残り10個のカラーフィルター基板を使用した液晶表示装置の表示状態を観察した結果、液晶配向に起因するような表示欠点は発生しておらず、遮光層の膜厚をさらに厚くしたカラーフィルター基板を用いても効果が得られることを確認した。
実施例5
実施例4で作製した遮光層パターンを有するカラーフィルター基板残り20個を使用し、着色層材料は実施例2と同一のものを用いて開口部周辺部との積層幅を3.0μmとなるように着色層を形成した。透明平坦化層は実施例3と同一構成とし、目標膜厚1.85μmで形成した。SiO2層、ITO電極層を成膜した後に、これらカラーフィルター基板の10個を実施例1と同様の方法で評価した結果、遮光層膜厚は平均2.11μm、着色層膜厚は平均1.62μmであり、その結果、遮光層膜厚と着色層膜厚の1.30倍であった。透明平坦化層膜厚は平均1.85μmであり、開口部周辺部の遮光層と着色層の積層幅は平均2.8μm、透明平坦化層の上面の最大高さと開口部上の透明平坦化層の上面の最小高さの差は平均0.08μmとなったことから本発明の構成を満足することを確認した。その結果、残り10個のカラーフィルター基板を用いた液晶表示装置では、液晶の配向性に起因する表示欠点は発生しておらず、遮光層と着色層の重なり部の幅を狭くしたカラーフィルター基板を用いた場合にも改善が得られることを確認した。
実施例4で作製した遮光層パターンを有するカラーフィルター基板残り20個を使用し、着色層材料は実施例2と同一のものを用いて開口部周辺部との積層幅を3.0μmとなるように着色層を形成した。透明平坦化層は実施例3と同一構成とし、目標膜厚1.85μmで形成した。SiO2層、ITO電極層を成膜した後に、これらカラーフィルター基板の10個を実施例1と同様の方法で評価した結果、遮光層膜厚は平均2.11μm、着色層膜厚は平均1.62μmであり、その結果、遮光層膜厚と着色層膜厚の1.30倍であった。透明平坦化層膜厚は平均1.85μmであり、開口部周辺部の遮光層と着色層の積層幅は平均2.8μm、透明平坦化層の上面の最大高さと開口部上の透明平坦化層の上面の最小高さの差は平均0.08μmとなったことから本発明の構成を満足することを確認した。その結果、残り10個のカラーフィルター基板を用いた液晶表示装置では、液晶の配向性に起因する表示欠点は発生しておらず、遮光層と着色層の重なり部の幅を狭くしたカラーフィルター基板を用いた場合にも改善が得られることを確認した。
比較例1
遮光層を実施例1に基づき作製した20個のカラーフィルター基板上に、実施例1と同様に目標膜厚1.0μmで着色層を開口部周辺部の着色層上に目標積層幅を4.5μmとなるように形成した。透明平坦化層は実施例2と同一構成とし、目標膜厚1.5μmで形成した。実施例1と同様の方法でカラーフィルター基板上にSiO2層、ITO電極層を成膜し、10個のカラーフィルター基板について、膜厚、段差の評価を行った結果、遮光層膜厚は平均1.00μm、着色層膜厚は平均0.97μmとなった。その結果、遮光層膜厚は着色層膜厚に対し1.03倍であった。透明平坦化層膜厚は平均1.51μmであり、透明平坦化層の上面の最大高さと開口部上の透明平坦化層の上面の最小高さの差をは平均0.27μmとなり、本発明の構成よりも大きかった。これは遮光層膜厚が着色層膜厚とほぼ同等のため、着色層材料の流れ込みが不十分であり、透明平坦化層を積層しても段差が緩和できなかったためと推定された。残り10個のカラーフィルター基板を使用して作製した液晶表示装置の表示状態を観察したところ、開口部内において、開口部周辺部の遮光層近傍の着色層が暗く表示されるものが3個発生していた。これは開口部内段差により開口部周辺部近傍の液晶配向が乱れているためと判断できた。
遮光層を実施例1に基づき作製した20個のカラーフィルター基板上に、実施例1と同様に目標膜厚1.0μmで着色層を開口部周辺部の着色層上に目標積層幅を4.5μmとなるように形成した。透明平坦化層は実施例2と同一構成とし、目標膜厚1.5μmで形成した。実施例1と同様の方法でカラーフィルター基板上にSiO2層、ITO電極層を成膜し、10個のカラーフィルター基板について、膜厚、段差の評価を行った結果、遮光層膜厚は平均1.00μm、着色層膜厚は平均0.97μmとなった。その結果、遮光層膜厚は着色層膜厚に対し1.03倍であった。透明平坦化層膜厚は平均1.51μmであり、透明平坦化層の上面の最大高さと開口部上の透明平坦化層の上面の最小高さの差をは平均0.27μmとなり、本発明の構成よりも大きかった。これは遮光層膜厚が着色層膜厚とほぼ同等のため、着色層材料の流れ込みが不十分であり、透明平坦化層を積層しても段差が緩和できなかったためと推定された。残り10個のカラーフィルター基板を使用して作製した液晶表示装置の表示状態を観察したところ、開口部内において、開口部周辺部の遮光層近傍の着色層が暗く表示されるものが3個発生していた。これは開口部内段差により開口部周辺部近傍の液晶配向が乱れているためと判断できた。
比較例2
実施例2と同様に目標膜厚1.60μmの遮光層と1.60μmの着色層を、開口部周辺部の遮光層と着色層の目標積層幅4.5μmとなるように形成した。透明平坦化層は実施例3と同一材料として目標膜厚1.85μmとして形成し、その上層にSiO2層、ITO電極層を成膜したカラーフィルター基板を20個作製し、その内10個について膜厚等を測定した。その結果、遮光層膜厚は平均1.63μm、着色層膜厚は平均1.62μmであり、遮光層膜厚は着色層膜厚と比較し1.02倍であった。開口部周辺部の遮光層と着色層の積層幅は平均4.6μmであり本発明の構成を満足していたが、透明平坦化層の上面の最大高さと開口部上の透明平坦化層の上面の最小高さの差をは平均0.38μmであり、本発明の構成より大きくなった。残り10個のカラーフィルター基板を用いて液晶表示装置を作成し評価したところ、開口部内において、開口部周辺部の遮光層近傍の着色層が暗く表示される不良が認められるものが4個発生しており、比較例1と同様に、遮光層膜厚と着色層膜厚がほぼ同等のため着色層材料の流れ込みが不十分となり、透明平坦化層を厚くしても段差緩和効果が得られないと推定された。
実施例2と同様に目標膜厚1.60μmの遮光層と1.60μmの着色層を、開口部周辺部の遮光層と着色層の目標積層幅4.5μmとなるように形成した。透明平坦化層は実施例3と同一材料として目標膜厚1.85μmとして形成し、その上層にSiO2層、ITO電極層を成膜したカラーフィルター基板を20個作製し、その内10個について膜厚等を測定した。その結果、遮光層膜厚は平均1.63μm、着色層膜厚は平均1.62μmであり、遮光層膜厚は着色層膜厚と比較し1.02倍であった。開口部周辺部の遮光層と着色層の積層幅は平均4.6μmであり本発明の構成を満足していたが、透明平坦化層の上面の最大高さと開口部上の透明平坦化層の上面の最小高さの差をは平均0.38μmであり、本発明の構成より大きくなった。残り10個のカラーフィルター基板を用いて液晶表示装置を作成し評価したところ、開口部内において、開口部周辺部の遮光層近傍の着色層が暗く表示される不良が認められるものが4個発生しており、比較例1と同様に、遮光層膜厚と着色層膜厚がほぼ同等のため着色層材料の流れ込みが不十分となり、透明平坦化層を厚くしても段差緩和効果が得られないと推定された。
比較例3
開口部周辺部の遮光層と着色層の目標積層幅を7μmとする以外は、実施例2と同じ構成のカラーフィルター基板を20個作製した内10個を測定した結果、遮光層膜厚は平均1.85μm、着色層膜厚は平均1.62μmであり、遮光層膜厚は着色層膜厚に比べ1.14倍であった。開口部周辺部の遮光層と着色層の積層幅は、平均7.4μmであり、本発明の構成より大きくなった。透明平坦化層の膜厚は平均1.84μmであったが、透明平坦化層の上面の最大高さと開口部上の透明平坦化層の上面の最小高さの差は0.41μmとなり、その結果、残りの10個のカラーフィルター基板を用いた液晶表示装置には、開口部の遮光層近傍の着色層が暗いものが7個存在していた。これは遮光層と着色層の膜厚の関係を本発明の構成と同様としても、開口部周辺部の遮光層と着色層の積層幅が広いため、着色層材料の流れ込みが進んでも開口部周辺部上の着色層領域が広く十分膜厚が薄くならないこと、また透明平坦化層材料の流動性を阻害し、着色層段差が緩和されず、開口部内段差が大きいことが原因と推定される。
開口部周辺部の遮光層と着色層の目標積層幅を7μmとする以外は、実施例2と同じ構成のカラーフィルター基板を20個作製した内10個を測定した結果、遮光層膜厚は平均1.85μm、着色層膜厚は平均1.62μmであり、遮光層膜厚は着色層膜厚に比べ1.14倍であった。開口部周辺部の遮光層と着色層の積層幅は、平均7.4μmであり、本発明の構成より大きくなった。透明平坦化層の膜厚は平均1.84μmであったが、透明平坦化層の上面の最大高さと開口部上の透明平坦化層の上面の最小高さの差は0.41μmとなり、その結果、残りの10個のカラーフィルター基板を用いた液晶表示装置には、開口部の遮光層近傍の着色層が暗いものが7個存在していた。これは遮光層と着色層の膜厚の関係を本発明の構成と同様としても、開口部周辺部の遮光層と着色層の積層幅が広いため、着色層材料の流れ込みが進んでも開口部周辺部上の着色層領域が広く十分膜厚が薄くならないこと、また透明平坦化層材料の流動性を阻害し、着色層段差が緩和されず、開口部内段差が大きいことが原因と推定される。
比較例4
透明平坦化層の目標膜厚を1.0μmとした以外は、実施例2と同様の構成のカラーフィルター基板を20個作製し、その内10個の基板について、実施例1と同様の評価を行った結果、遮光層膜厚は平均1.85μm、着色層膜厚は平均1.60μm、遮光層膜厚は着色層膜厚に対し1.14倍であった。また、着色層と開口部周辺部の遮光層の積層幅は平均4.1μmであり、本発明の構成を満足していた。一方で、透明平坦化層の膜厚は、平均で1.03μmであり、本発明の構成よりも薄く、透明平坦化層の上面の最大高さと開口部上の透明平坦化層の上面の最小高さの差も0.64μmと大きくなった。これは透明平坦化層が薄いため、開口部に流れ込み、着色層段差を緩和するためには十分な量をではないためと推定された。残り10個のカラーフィルター基板を使用した液晶表示装置の評価では、開口部の開口部周辺部遮光層の近傍部のみ色が暗いものが9個発生しており、開口部内段差が液晶の配向性に影響しているものと判断した。
透明平坦化層の目標膜厚を1.0μmとした以外は、実施例2と同様の構成のカラーフィルター基板を20個作製し、その内10個の基板について、実施例1と同様の評価を行った結果、遮光層膜厚は平均1.85μm、着色層膜厚は平均1.60μm、遮光層膜厚は着色層膜厚に対し1.14倍であった。また、着色層と開口部周辺部の遮光層の積層幅は平均4.1μmであり、本発明の構成を満足していた。一方で、透明平坦化層の膜厚は、平均で1.03μmであり、本発明の構成よりも薄く、透明平坦化層の上面の最大高さと開口部上の透明平坦化層の上面の最小高さの差も0.64μmと大きくなった。これは透明平坦化層が薄いため、開口部に流れ込み、着色層段差を緩和するためには十分な量をではないためと推定された。残り10個のカラーフィルター基板を使用した液晶表示装置の評価では、開口部の開口部周辺部遮光層の近傍部のみ色が暗いものが9個発生しており、開口部内段差が液晶の配向性に影響しているものと判断した。
比較例5
実施例1と同様の遮光層用材料を用い、目標膜厚1.85μmの遮光層を形成したカラーフィルター基板を40個作製した。着色層として、目標膜厚1.6μmにおいて、CIE色度系におけるC光源による色度座標が顕微分光光度計(大塚電子製 MCPD−2000)を用いた測定により赤色着色層はx=0.638、y=0.327、青色着色層はx=0.139、y=0.102、緑色着色層はx=0.282、y=0.582、色再現範囲をNTSC比65.1%となるように顔料比率を調整し、ポリアミック酸溶液(P1)中に分散した赤、青、緑用の着色層材料を準備した。ここで赤、青の着色層用材料については、実施例2と同様に、25℃における剪断速度38/秒の粘度は各々17.5mN/m2・s、20.4mN/m2・sとなるように濃度調整を行ったが、緑用の着色層用材料のみ、粘度が68.1mN/m2・sとなるよう濃度を上昇した。得られた着色層用材料を用い、事前に準備した遮光層付きのカラーフィルター基板を20個使用し、開口部上及び開口部周辺部の遮光層上に目標積層幅4.5μmとなるように着色層を形成した。さらに、透明平坦化層を目標膜厚1.85μmで積層した後、SiO2層、ITO電極層を形成したカラーフィルター基板を作製した。
実施例1と同様の遮光層用材料を用い、目標膜厚1.85μmの遮光層を形成したカラーフィルター基板を40個作製した。着色層として、目標膜厚1.6μmにおいて、CIE色度系におけるC光源による色度座標が顕微分光光度計(大塚電子製 MCPD−2000)を用いた測定により赤色着色層はx=0.638、y=0.327、青色着色層はx=0.139、y=0.102、緑色着色層はx=0.282、y=0.582、色再現範囲をNTSC比65.1%となるように顔料比率を調整し、ポリアミック酸溶液(P1)中に分散した赤、青、緑用の着色層材料を準備した。ここで赤、青の着色層用材料については、実施例2と同様に、25℃における剪断速度38/秒の粘度は各々17.5mN/m2・s、20.4mN/m2・sとなるように濃度調整を行ったが、緑用の着色層用材料のみ、粘度が68.1mN/m2・sとなるよう濃度を上昇した。得られた着色層用材料を用い、事前に準備した遮光層付きのカラーフィルター基板を20個使用し、開口部上及び開口部周辺部の遮光層上に目標積層幅4.5μmとなるように着色層を形成した。さらに、透明平坦化層を目標膜厚1.85μmで積層した後、SiO2層、ITO電極層を形成したカラーフィルター基板を作製した。
これまでの実施例、比較例と同様に、10個のカラーフィルター基板について膜厚、段差の測定を行った結果、遮光層膜厚は平均1.83μm、着色層膜厚は平均1.63μmとなり、遮光層膜厚は着色層膜厚の1.12倍であった。また、透明平坦化層膜厚は平均1.82μmであり、開口部周辺部の遮光層と着色層の積層幅は平均4.7μmであった。ここで、透明平坦化層の上面の最大高さと開口部上の透明平坦化層の上面の最小高さの差を測定したところ、赤、青の着色層に比べ、緑の着色層部分で段差が大きくなっていることが判明した。この段差の平均は0.28μmであり、残り10個のカラーフィルター基板を用いた液晶表示装置の表示状態を観察したところ、緑が形成された開口部周囲の色が暗いものが4個発生しており、さらには、黒表示時に緑色がかる現象が見られた。これは、材料濃度が高く、粘度の高い材料で形成された、緑の着色層では開口部内段差が大きくなるため、開口部周囲で液晶配向が乱れ、黒表示においても配向の乱れによる光漏れが影響しているものと判断した。
比較例6
比較例5で作製した遮光層付き基板20個を用いて、着色層は実施例2と同材料を使用して目標膜厚1.60μmでカラーフィルター基板を作製した。ここで透明平坦化層材料には、実施例1の熱硬化型アクリル樹脂を25℃における剪断速度38/秒の粘度が、17.5mN/m2・sとなるよう調整した材料を使用し、目標膜厚を1.85μmで透明平坦化層を形成した。これまでと同様に10個のカラーフィルター基板について、実施例1と同様の評価を行った結果、遮光層膜厚は平均1.83μm、着色層膜厚は平均1.61μmであり、遮光層膜厚は着色層膜厚に対し1.15倍であった。また、着色層と開口部周辺部の遮光層の積層幅は平均4.6μmであり、本発明の構成を満足していた。しかし、透明平坦化層の膜厚は平均1.83μmと本発明の構成を満足していたにも関わらず、透明平坦化層の上面の最大高さと開口部上の透明平坦化層の上面の最小高さの差が0.31μmと大きくなった。これは透明平坦化層の粘度が本発明の範囲よりも高く、開口部周辺部から開口部内への流れ込みが十分では無いためと推定された。残り10個のカラーフィルター基板を使用した液晶表示装置の評価では、開口部の開口部周辺部遮光層の近傍部のみ色が暗いものが6個発生しており、開口部内段差が液晶の配向性に影響しているものと判断した。
比較例5で作製した遮光層付き基板20個を用いて、着色層は実施例2と同材料を使用して目標膜厚1.60μmでカラーフィルター基板を作製した。ここで透明平坦化層材料には、実施例1の熱硬化型アクリル樹脂を25℃における剪断速度38/秒の粘度が、17.5mN/m2・sとなるよう調整した材料を使用し、目標膜厚を1.85μmで透明平坦化層を形成した。これまでと同様に10個のカラーフィルター基板について、実施例1と同様の評価を行った結果、遮光層膜厚は平均1.83μm、着色層膜厚は平均1.61μmであり、遮光層膜厚は着色層膜厚に対し1.15倍であった。また、着色層と開口部周辺部の遮光層の積層幅は平均4.6μmであり、本発明の構成を満足していた。しかし、透明平坦化層の膜厚は平均1.83μmと本発明の構成を満足していたにも関わらず、透明平坦化層の上面の最大高さと開口部上の透明平坦化層の上面の最小高さの差が0.31μmと大きくなった。これは透明平坦化層の粘度が本発明の範囲よりも高く、開口部周辺部から開口部内への流れ込みが十分では無いためと推定された。残り10個のカラーフィルター基板を使用した液晶表示装置の評価では、開口部の開口部周辺部遮光層の近傍部のみ色が暗いものが6個発生しており、開口部内段差が液晶の配向性に影響しているものと判断した。
本発明の液晶表示装置用カラーフィルター基板およびそれを用いた液晶表示装置は、ノートPC、モニター、TV、小型のビューファインダーや携帯情報端末に好適に用いられ、特に、広い色再現範囲を必要とする静止画像表示、加えて優れた応答速度が必要な動画表示を行う場合においても、カラーフィルター基板上に樹脂遮光層を用いて設けられた開口部に生じる開口部内段差を低減し、表示品質の劣化が少ない液晶表示装置に好適に用いることができる。
A:開口部
a:開口部周辺部(遮光層)
D:透明平坦化層の上面の最大高さと透明平坦化層の上面の最小高さの差
d:着色層の頂部と底部の差
AD:開口部内段差
1:透明基板
2:樹脂遮光層
3、3R、3G、3B:着色層
4:透明平坦化層
a:開口部周辺部(遮光層)
D:透明平坦化層の上面の最大高さと透明平坦化層の上面の最小高さの差
d:着色層の頂部と底部の差
AD:開口部内段差
1:透明基板
2:樹脂遮光層
3、3R、3G、3B:着色層
4:透明平坦化層
Claims (8)
- 透明基板上に開口部を有する遮光層がパターン形成され、開口部と開口部周辺部の遮光層上に着色層が形成され、該遮光層上および該着色層上に透明平坦化層が設けられた液晶表示装置用カラーフィルター基板であって、遮光層の膜厚が着色層の膜厚よりも厚く、かつ開口部周辺部の遮光層上に形成された透明平坦化層の上面の最大高さと開口部内に形成された透明平坦化層の上面の最小高さとの差が0.2μm以下であることを特徴とする液晶表示装置用カラーフィルター基板。
- 遮光層の膜厚が着色層の膜厚の1.1倍以上であることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置用カラーフィルター基板。
- 開口部周辺部の遮光層上に形成された着色層と遮光層の積層幅が5μm以下であることを特徴とする請求項1、2いずれかに記載の液晶表示装置用カラーフィルター基板。
- 透明平坦化層の膜厚が1.2μm以上であることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の液晶表示装置用カラーフィルター基板。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の液晶表示装置用カラーフィルター基板を用いた液晶表示装置。
- 開口部を有する遮光層がパターン形成された透明基板上に着色層用材料を塗布、乾燥、パターン形成して開口部と開口部周辺部の遮光層上に着色層を形成し、さらに該遮光層上および該着色層上に透明平坦化層材料を塗布するカラーフィルター基板の製造方法であって、遮光層を着色層よりも厚く形成することを特徴とする液晶表示装置用カラーフィルター基板の製造方法。
- 着色層用材料の粘度が、25℃において剪断速度38/秒での粘度が10mN/m2・s以上、60mN/m2・s未満であることを特徴とする液晶表示装置用カラーフィルター基板の製造方法。
- 透明平坦化層用材料の粘度が、25℃において剪断速度38/秒での粘度が1mN/m2・s以上、10mN/m2・s未満であることを特徴とする液晶表示装置用カラーフィルター基板の製造方法。
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