JP2007056380A - 海島繊維とその製造方法および極細アクリル繊維の製造方法 - Google Patents
海島繊維とその製造方法および極細アクリル繊維の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2007056380A JP2007056380A JP2005239707A JP2005239707A JP2007056380A JP 2007056380 A JP2007056380 A JP 2007056380A JP 2005239707 A JP2005239707 A JP 2005239707A JP 2005239707 A JP2005239707 A JP 2005239707A JP 2007056380 A JP2007056380 A JP 2007056380A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polymer
- sea
- fiber
- island
- acrylonitrile
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Chemical Or Physical Treatment Of Fibers (AREA)
- Artificial Filaments (AREA)
- Multicomponent Fibers (AREA)
Abstract
【解決手段】 アクリロニトリル系ポリマー(A)とエステル系ポリマー (B)とからなる海島繊維であって、ポリマー(A)を島成分、ポリマー(B)を海成分とすることを特徴とする海島繊維、およびポリマー(A)とポリマー(B)の重量の合計に対するポリマー(A)の重量の割合が30重量%未満となるように混合したポリマー原液を、湿式紡糸あるいは乾湿式紡糸することを特徴とするポリマー(A)が島成分、ポリマー(B)が海成分となった海島繊維の製造方法、および、この海島繊維から、アルカリ溶液によりポリマー(B)を分解溶出することを特徴とする極細アクリル繊維の製造方法である。
【選択図】なし
Description
粘度測定法により、下記の測定装置および条件を用いて測定し、下記の剪断速度の範囲内で実測された粘度の値を溶液粘度として使用した。
粘度測定装置:BROOKFIELD製 DV−II+Pro VISCOMETER
恒温装置:BROOKFIELD製 TC500
剪断速度:10〜20sec−1
B.ブレンド繊維のモルホロジー観察
アクリロニトリル系ポリマー(A)とエステル系ポリマー(B)からなるブレンド繊維のモルホロジー観察は電子顕微鏡用のエポキシ樹脂に繊維束を含浸した後にミクロトームを用いて繊維軸に垂直な面の超薄切片を作製した。得られた切片を電子顕微鏡用のメッシュに載せ、透過型電子顕微鏡((株)日立製作所、H−7100FA)により海島相構造の観察を行った。アクリロニトリル系ポリマー(A)が島状に独立分散していることが観察された場合は、得られた画像を画像処理ソフト(三谷商事(株)製、Winroof)で図形分離を行い、島部それぞれの面積から円換算径を算出し、ランダムに選んだ島部100個の円換算径から島部の平均直径と最大直径の値を求めた。
アクリロニトリル系ポリマー(A)としては、ジメチルスルホキシドを溶媒とする溶液重合法により、アクリロニトリル100モル %を重合し、45℃において200poiseを示す20重量%アクリロニトリルホモポリマーのジメチルスルホキシド溶液を作製した。
実施例1において、アクリロニトリル系ポリマー(A)/エステル系ポリマー(B)の比率を10/90(重量)とした以外は実施例1と同様にした。製糸性は良好であり、得られたブレンド繊維のモルホロジー観察により、アクリロニトリル系ポリマー(A)が島部となった海島繊維の形成が確認され、島部の平均直径は214nm、最大直径は3.3μmであった。ブレンド繊維を温度40℃、湿度90%の雰囲気下に24時間放置したところ、単糸同士の接着はみられなかった。このブレンド繊維を直径5cmのかせに巻き取り、3重量%60℃の水酸化ナトリウム水溶液中に10分間浸漬し、エステル系ポリマー(B)を分解溶出したところ、処理前後で繊維の重量は86%減量し、ブレンド繊維中のエステル系ポリマー(B)が96%除去されていることを確認した。
実施例1において、アクリロニトリル系ポリマー(A)/エステル系ポリマー(B)の比率を29/71(重量)とした以外は実施例1と同様にした。製糸性は良好であり、得られたブレンド繊維のモルホロジー観察により、アクリロニトリル系ポリマー(A)が島部となった海島繊維の形成が確認され、島部の平均直径は335nm、最大直径は4.8μmであった。ブレンド繊維を温度40℃、湿度90%の雰囲気下に24時間放置したところ、単糸同士の接着はみられなかった。このブレンド繊維を直径5cmのかせに巻き取り、3重量%60℃の水酸化ナトリウム水溶液中に10分間浸漬し、エステル系ポリマー(B)を分解溶出したところ、処理前後で繊維の重量は68%減量し、ブレンド繊維中のエステル系ポリマー(B)が95%除去されていることを確認した。
実施例1において、エステル系ポリマー(B)として、アクリロニトリルをグラフト共重合しないブロックポリエーテルエステル(BP)を使用したこと以外は実施例1と同様にした。製糸性は良好であったが、延伸工程における糸切れが1回/1時間発生した。得られたブレンド繊維のモルホロジー観察により、アクリロニトリル系ポリマー(A)が島部となった海島繊維の形成が確認され、島部の平均直径は362nm、最大直径は4.9μmであった。ブレンド繊維を温度40℃、湿度90%の雰囲気下に24時間放置したところ、単糸同士の接着はみられなかった。このブレンド繊維を直径5cmのかせに巻き取り、3重量%60℃の水酸化ナトリウム水溶液中に10分間浸漬し、エステル系ポリマー(B)を分解溶出したところ、処理前後で繊維の重量は73%減量し、ブレンド繊維中のエステル系ポリマー(B)が97%除去されていることを確認した。
実施例1において、エステル系ポリマー(B)の代わりに重合度1700、ケン化度99モル%のポリビニルアルコール(PVA)の20重量%ジメチルスルホキシド溶液を使用したこと以外は実施例1と同様にした。この結果、凝固浴における凝固不良により製糸が不可能であった。
実施例1において、エステル系ポリマー(B)の代わりに重合度1700、ケン化度99モル%のポリビニルアルコール(PVA)の20重量%ジメチルスルホキシド溶液を使用し、45℃下でアクリロニトリル系ポリマー(A)/PVAの比率を25/75(重量)となるようにミキサーで混合し、45℃において25poiseの紡糸原液とした。この紡糸原液を、孔径0.065mmφ、ホール数400の紡糸口金を使用し、5℃の30重量%ジメチルスルホキシドから/プロパノールなる凝固浴中に吐出し、6.0m/minで引き取り凝固糸を得た。凝固糸は引き続き、20℃の30重量%ジメチルスルホキシド/プロパノール溶液、35℃の10重量%ジメチルスルホキシド/プロパノール水溶液からなる2段の延伸浴で6倍延伸した後、800dtex/400fのブレンド繊維を得た。得られたブレンド繊維のモルホロジー観察により、アクリロニトリル系ポリマー(A)が島部となった海島繊維の形成が確認され、島部の平均直径は423nm、最大直径は2.7μmであった。ブレンド繊維を温度40℃、湿度90%の雰囲気下に24時間放置したところ、繊維同士が接着した。ブレンド繊維を直径5cmのかせに巻き取り、100℃の沸騰水中に10分間浸漬した後に乾燥すると繊維同士が接着した。また、処理前後で繊維の重量は52%しか減量せず、ブレンド繊維中のポPVAが69%しか除去されていないことを確認した。繊維同士の接着は処理後の繊維中にPVAが残留している事を示し、10分間の除去処理ではPVAの溶出が十分でなく、この結果は、PVAの溶出には、エステル系ポリマー(B)のアルカリ溶液による分解溶出と比べて時間がかかる事を示す。
実施例1において、アクリロニトリル系ポリマー(A)/エステル系ポリマー(B)の比率を40/60とした以外は実施例1と同様にした。製糸性は良好であり、得られたブレンド繊維のモルホロジー観察により、アクリロニトリル系ポリマー(A)が海部を構成していることが観察され、アクリロニトリル系ポリマー(A)が島部となった海島繊維構造をとっていなかった。
Claims (3)
- アクリロニトリル系ポリマー(A)とエステル系ポリマー(B)とからなる海島繊維であって、ポリマー(A)を島成分、ポリマー(B)を海成分とすることを特徴とする海島繊維。
- ポリマー(A)とポリマー(B)の重量の合計に対するポリマー(A)の重量の割合を30重量%未満になるよう混合したポリマー原液を、湿式紡糸あるいは乾湿式紡糸する請求項1記載の海島繊維の製造方法。
- 請求項1記載の海島繊維から、アルカリ溶液によりポリマー(B)を分解溶出することを特徴とする極細アクリル繊維の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005239707A JP4591281B2 (ja) | 2005-08-22 | 2005-08-22 | 海島繊維とその製造方法および極細アクリル繊維の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005239707A JP4591281B2 (ja) | 2005-08-22 | 2005-08-22 | 海島繊維とその製造方法および極細アクリル繊維の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007056380A true JP2007056380A (ja) | 2007-03-08 |
JP4591281B2 JP4591281B2 (ja) | 2010-12-01 |
Family
ID=37920105
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005239707A Expired - Fee Related JP4591281B2 (ja) | 2005-08-22 | 2005-08-22 | 海島繊維とその製造方法および極細アクリル繊維の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4591281B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104264359A (zh) * | 2014-08-22 | 2015-01-07 | 海安启弘纺织科技有限公司 | 一种经编疏水植物绒毛仿生涤纶织物 |
Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6157406B2 (ja) * | 1979-04-13 | 1986-12-06 | Asahi Chemical Ind | |
JPH03130411A (ja) * | 1989-10-16 | 1991-06-04 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | 超極細繊維及びその製法 |
JPH07102420A (ja) * | 1993-10-01 | 1995-04-18 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | 複合繊維 |
JPH07229018A (ja) * | 1994-02-18 | 1995-08-29 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | 易分割性アクリル繊維 |
JPH10168651A (ja) * | 1996-12-05 | 1998-06-23 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | 表面フィブリル化繊維及びそれから得られるフィブリル含有分割繊維、並びにそれらの製造方法 |
JP2920312B2 (ja) * | 1990-05-14 | 1999-07-19 | 三菱レイヨン株式会社 | 超極細繊維の製法 |
JP3537601B2 (ja) * | 1996-08-05 | 2004-06-14 | 株式会社クラレ | 不織布 |
-
2005
- 2005-08-22 JP JP2005239707A patent/JP4591281B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6157406B2 (ja) * | 1979-04-13 | 1986-12-06 | Asahi Chemical Ind | |
JPH03130411A (ja) * | 1989-10-16 | 1991-06-04 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | 超極細繊維及びその製法 |
JP2920312B2 (ja) * | 1990-05-14 | 1999-07-19 | 三菱レイヨン株式会社 | 超極細繊維の製法 |
JPH07102420A (ja) * | 1993-10-01 | 1995-04-18 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | 複合繊維 |
JPH07229018A (ja) * | 1994-02-18 | 1995-08-29 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | 易分割性アクリル繊維 |
JP3537601B2 (ja) * | 1996-08-05 | 2004-06-14 | 株式会社クラレ | 不織布 |
JPH10168651A (ja) * | 1996-12-05 | 1998-06-23 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | 表面フィブリル化繊維及びそれから得られるフィブリル含有分割繊維、並びにそれらの製造方法 |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104264359A (zh) * | 2014-08-22 | 2015-01-07 | 海安启弘纺织科技有限公司 | 一种经编疏水植物绒毛仿生涤纶织物 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP4591281B2 (ja) | 2010-12-01 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2009150005A (ja) | 繊維状構造物およびその用途ならびに製造方法 | |
JP4591281B2 (ja) | 海島繊維とその製造方法および極細アクリル繊維の製造方法 | |
JP4604911B2 (ja) | 炭素繊維前駆体繊維およびその製造方法および極細炭素繊維の製造方法 | |
KR101031924B1 (ko) | 나노사이즈의 메타아라미드피브릴의 제조방법 | |
JP4221015B2 (ja) | 分割型複合繊維及びその製造方法 | |
JP5137768B2 (ja) | 断面形態制御繊維およびその製造方法 | |
JP2007126794A (ja) | 多孔質アクリル繊維の製造方法 | |
JP2005200593A (ja) | ペレット | |
JP2008081883A (ja) | 軽量アクリル繊維およびその製造方法 | |
JP3364099B2 (ja) | 分割性アクリル系合成繊維及びその製造方法 | |
JP4480858B2 (ja) | 軽量複合アクリル繊維及びその製造方法 | |
JP2010116651A (ja) | 海島複合繊維、および該繊維を用いたポリアクリロニトリル系ポリマー繊維の製造方法 | |
JP4943368B2 (ja) | 易割繊性アクリル系複合繊維の製造方法 | |
JP2000178864A (ja) | 不織布構造体の製造方法及び不織布構造体 | |
JPS63126911A (ja) | 四弗化エチレン樹脂極細繊維及びその製造法 | |
JP3544090B2 (ja) | ポリビニルアルコール系繊維の製造方法 | |
JP2003064535A (ja) | ポリビニルアルコール系の活性炭布又は活性炭シート及びそれらの製造法 | |
WO2020101002A1 (ja) | 極細繊維および繊維分散液 | |
JP2010116650A (ja) | 芯鞘複合繊維、および該繊維を用いたポリアクリルニトリル系ポリマー繊維の製造方法 | |
JP2000248424A (ja) | 低温水溶性ポリビニルアルコール系繊維の製造法 | |
JP3845339B2 (ja) | 分割型複合繊維及びその製造方法 | |
JP2905545B2 (ja) | 耐熱水性にすぐれた高強度高弾性率ポリビニルアルコール系繊維 | |
JPH03130411A (ja) | 超極細繊維及びその製法 | |
JP2000080521A (ja) | 割繊性アクリル繊維及び割繊アクリル繊維並びにシート状物 | |
JP2001192930A (ja) | ポリビニルアルコール系バインダー繊維及びその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20080617 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20100817 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20100830 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130924 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130924 Year of fee payment: 3 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |