JP2007044929A - インクジェットプリンタ - Google Patents

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Abstract

【課題】 インクカートリッジからインクジェット記録ヘッドへのインク供給に専用のポンプ装置が不要で、装置全体の小型化と低コスト化とを実現できるインクジェットプリンタを提供すること。
【解決手段】 キャリッジ23上のインクジェット記録ヘッドに接続された背圧調整ユニット35のインク供給路とインクカートリッジ17からインクを誘導するインク供給チューブ33との間に、インク貯留室55がインク圧によって膨張可能な弾性壁により画成されたダンパユニット34を設けて、キャリッジ23の移動時の加速に伴うインク供給チューブ33内のインク圧の変動を利用して、ダンパユニット34にポンプ動作をさせる。
【選択図】 図7

Description

本発明は、インクジェットプリンタに関し、特に、プリンタ本体の所定位置に装備されたインクカートリッジ内のインクが、キャリッジに搭載されたインクジェット記録ヘッドに供給されるインクジェットプリンタに関するものである。
図9は、インクジェットプリンタの従来例を示したものである。
図9に示したインクジェットプリンタ110は、プリンタ本体の所定位置に装備されたインクカートリッジ106と、ガイド部材101に支持されて図示しない駆動手段により用紙幅方向に往復駆動されるキャリッジ102と、このキャリッジ102に設けられたインクジェット記録ヘッド103と、このキャリッジ102に搭載されて印刷時にインク貯蔵室111内のインクを記録ヘッド103に供給するサブタンク104と、インクカートリッジ106内のインクをインク貯蔵室111に供給するためにインクカートリッジ106とインク貯蔵室111とを連通させたインク供給チューブ105と、を備えた構成である。
そして、インク供給チューブ105を介してのインクカートリッジ106からインク貯蔵室111へのインク供給は、専用のポンプユニット107によって行うのが一般的である(例えば、特許文献1参照)。
上記ポンプユニット107は、例えばインクカートリッジ106内を密封可能なハードケース116とインク袋117との空間118に空気を送り込んでインク袋117を加圧することで、インク袋117内のインクをインク供給チューブ105に送り出すように構成されている。
ところが、インクカートリッジ106からサブタンク104のインク貯蔵室111へのインク供給を専用のポンプユニット107を用いた従来の構成では、ポンプユニット107の動作を高精度に制御するポンプ制御手段120が必要であり、ポンプユニット107やポンプ制御手段120の装備のために構成が複雑化したり、ポンプユニット107やポンプ制御手段120の設置スペース確保のためにインクジェットプリンタ110の小型化が困難になったりするという問題があった。
そこで、このような問題を解決するべく、図10に示す構成のインクジェットプリンタが提案された。
ここに示したインクジェットプリンタ201は、下記特許文献2に記載されたもので、インクジェット記録ヘッド103を搭載してガイド部材101に沿って往復駆動されるキャリッジ102上に、印刷時にインクをインクジェット記録ヘッド103に供給する背圧調整ユニット(自己封止弁)203と、一端がインクカートリッジ106内のインク袋117に接続されたインク供給チューブ105の他端が接続されたインク供給ポンプ220と、このインク供給ポンプ220と背圧調整ユニット203との間の流路に介装されてインクの逆流を防止する一方向弁205と、この一方向弁205と背圧調整ユニット203との間に装備されて背圧調整ユニット203に供給されるインクの脈動を防止するダンパユニット207と、を備えたものである。
また、キャリッジ102の往復動作時の慣性によってインク供給チューブ105内のインクがポンプユニット107に逆流しないようにするために、ポンプユニット107とインク供給チューブ105との接続部にも、一方向弁209を設けている。
背圧調整ユニット203は、印刷時にインクをインクジェット記録ヘッド103に供給するインク貯留部と、このインク貯留部内のインクの減少に伴って発生するインク貯留部内の負圧により前記インク貯留部へのインク供給路を開く弁機構とを備えた構成である(例えば、特許文献3参照)。
インク供給ポンプ220は、図11に示すように、インク供給チューブ105に接続されるインク吸込口222が一端に装備されると共に一方向弁205に接続されるインク吐出口224が他端に装備された筒状部材221と、この筒状部材221内に摺動可能に収容された移動部材226とから構成されている。移動部材226は、筒状部材221の内周に摺動自在に嵌合する筒部226aと、この筒部226a内の仕切壁に貫通形成された連通孔226bと、この連通孔226bを一方向弁205側から閉じるリード弁225とを備えて、インク吸込口222からインク吐出口224に向かって流れるインクのみを挿通させる一方向弁として機能する。
以上の構成により、インク供給ポンプ220は、キャリッジ102が往復移動する際の加減速によって、筒部221a内を摺動する慣性力が移動部材26に働く。そして、移動部材226が図中の矢印x2に示すようにインク吸込口222側に向かって移動する時は、リード弁225が連通孔226bを開いた状態になり、インクの流入を許す。その後、慣性力で矢印x1方向に戻る時には、リード弁225が連通孔226bを閉じた状態になるため、これにより、インク吸込口222から筒状部材221内に流入したインクがインク吐出口224に向かって送り出される。
上記インクジェットプリンタ201では、インクカートリッジ106からインクジェット記録ヘッド103側にインクを送り出すインク供給ポンプ220が、キャリッジ102の往復動作によって作用する慣性力で自動的に駆動されるもので、ポンプを駆動するための専用の駆動手段や制御手段が必要とならない。
従って、ポンプ用の駆動手段や制御手段が削減される分、構成部品が減って、構成の単純化や、部品配置スペースの削減を図ることが可能になる。
特開2001−270133号公報 特開2003−220711号公報 特開平9−11488号公報
ところが、前述したインク供給ポンプ220は、筒状部材221内での移動部材226の慣性による往復動がインクを吐出するポンプ動作となるものであり、安定したポンプ動作を実現するためには、移動部材226が少ない抵抗で滑らかに摺動できるように、且つ、筒状部材221と移動部材226との嵌合部でのインク漏れが生じないように、筒状部材221と移動部材226との嵌め合い公差を高精度に管理しなければならない。そこで、部品精度の高精度化が要求されるため、インク供給ポンプ220にコストがかかり、プリンタの高額化を招く虞があった。
また、キャリッジ102上に、インク供給ポンプ220、一方向弁205、ダンパユニット207等の多数の部品を搭載するため、キャリッジ102の大型化や重量増を招き、キャリッジを駆動するモータの大型化等によるコストアップを招く虞もあった。
そこで、本発明の目的は上記課題を解消することに係り、インクカートリッジからインクジェット記録ヘッドへのインク供給に専用のポンプ装置が不要で、装置全体の小型化と低コスト化とを実現できるインクジェットプリンタを提供することである。
本発明の上記目的は、プリンタ本体の所定位置に装備されてインクを貯留したインクカートリッジと、前記インクカートリッジに対して往復駆動されるキャリッジと、このキャリッジに設けられたインクジェット記録ヘッドと、印刷時にインクを前記インクジェット記録ヘッドに供給するインク貯留部とこのインク貯留部内のインクの減少に伴って発生するインク貯留部内の負圧により前記インク貯留部へのインク供給路を開く弁機構とを備えて前記キャリッジに搭載される背圧調整ユニットと、前記インクカートリッジ内のインクを前記背圧調整ユニットのインク供給路に導くインク供給チューブと、を備えたインクジェットプリンタであって、
前記背圧調整ユニットのインク供給路と前記インク供給チューブとの間に、インク供給チューブに連通するインク入口と前記背圧調整ユニットのインク供給路に連通するインク出口とを備えたインク貯留室がインク圧によって膨張可能な弾性壁により画成されたダンパユニットを設けると共に、
前記インクカートリッジと前記ダンパユニットとの間の流路には、前記インクジェット記録ヘッドの非印刷時で、且つ前記キャリッジの移動時の加速で前記インク供給チューブ内のインクが前記ダンパユニットのインク貯留室を加圧する正圧状態になるときには流路を開き、また、前記インクジェット記録ヘッドが負圧になる印刷時には流路を閉じる開閉弁を設けたことを特徴とするインクジェットプリンタにより達成される。
上記構成のインクジェットプリンタによれば、印字動作を開始するためにキャリッジが往路を加速して移動する時、インク供給チューブ内のインクは、キャリッジの加速によって作用する慣性力の働きでダンパユニット内を加圧する正圧状態になる。
そこで、インクカートリッジとダンパユニットとの間の流路を開閉する開閉弁が開かれていれば、作用している慣性力によって、インクカートリッジからダンパユニット内に新しいインクが流入する。このとき、ダンパユニットに接続された背圧調整ユニットは、インク消費が無いためにインク貯留部が負圧になっていない状態(即ち、インク貯留部が正圧の状態)では、弁機構によりダンパユニットに連通するインク供給路が閉ざされているため、ダンパユニットに流入したインクは、ダンパユニット内に貯留される。従って、ダンパユニットは、流入したインク圧によってインク貯留室が膨張した状態になる。
そして、キャリッジの加速が終了して、印字が始まるときには、インクカートリッジとダンパユニットとの間の流路を開閉する開閉弁は閉じた状態にしておく。印字が開始されると、印字により背圧調整ユニットのインク貯留部のインクが消費される。そして、消費したインク量に伴いインク貯留部内が負圧になり、この負圧が所定値になると、背圧調整ユニットの弁機構が作動してダンパユニットに連通するインク供給路が開かれる。
すると、ダンパユニットに貯留されているインクが、インク貯留室の膨張により生じている弾性加圧力によって、背圧調整ユニットのインク貯留部に流入し、背圧調整ユニットのインク貯留部内が負圧で無くなるまで、インク貯留部へのインク補充がなされる。インク貯留部内がインクの流入により負圧で無くなると、弁機構がダンパユニットに連通するインク供給路を閉じるため、それ以上、インクが供給されることはない。
ここで、キャリッジが復路を加速して移動する時、インク供給チューブ内のインクは、キャリッジの加速によって作用する慣性力の働きでインクカートリッジに戻る方向に付勢されるが、この時、インクカートリッジとダンパユニットとの間の流路を開閉する開閉弁を閉じた状態にしておけば、インク供給チューブ内のインクがインクカートリッジに逆流することはない。
即ち、上記構成のインクジェットプリンタでは、キャリッジの往路の加速時にインク供給チューブ内のインクに作用する慣性力で、インクをダンパユニットに貯留し、ダンパユニットのインク貯留に伴う膨張により発生する加圧力によって、背圧調整ユニットへのインク補充を行うので、ダンパユニットがその弾性膨張を活かしてポンプ動作を果たしている。
なお、上記構成のインクジェットプリンタにおいて、前記ダンパユニットのインク貯留室の弾性膨張により貯留されるインク容量が、少なくとも前記インクジェット記録ヘッドの1パスの印字で消費される最大インク量以上に設定されることが望ましい。
この構成のインクジェットプリンタによれば、インクジェット記録ヘッドが1パスでの印字処理で最大限にインクを消費した場合でも、ダンパユニット内はいつでも背圧調整ユニットにインク補充が可能な正圧状態に維持でき、安定した印刷性能を維持することができる。
また、前記開閉弁が、開閉制御される電磁弁であることが望ましい。
この構成のインクジェットプリンタによれば、例えば、ソレノイド等によって開閉操作される電磁弁を採用することで、比較的に簡単に開閉制御することができる。
また、前記開閉弁が、前記ダンパユニット側へのインクの流れのみを許容する一方向弁であることが望ましい。
この構成のインクジェットプリンタによれば、例えば、一方向弁として弾性部材で一体成形された逆止弁等を採用することで、更にコストの削減を図ることができる。
本発明のインクジェットプリンタによれば、キャリッジの往路の加速時にインク供給チューブ内のインクに作用する慣性力で、インクをダンパユニットに貯留し、ダンパユニットのインク貯留に伴う膨張により発生する加圧力によって、背圧調整ユニットへのインク補充を行うので、ダンパユニットがその弾性膨張を活かしてポンプ動作を果たしている。
また、ポンプ動作を行うダンパユニットは、弾性壁によってインク貯留室を形成したもので、摺動等の可動部品が不要なため、高い部品精度がそれほど必要とならず、加工精度の緩和によって加工コストの低減を図ることもできる。
更に、キャリッジ上の搭載部品は、インクジェット記録ヘッドに取り付けられる背圧調整ユニットと、この背圧調整ユニットに接続されるダンパユニットのみで良く、従来のものと比較すると、キャリッジ上の搭載部品の削減によりキャリッジの小型・軽量化が図れる。その結果、キャリッジ駆動モータの小型化も図れる。従って、装置全体の小型化と低コスト化とを実現できる。
以下、添付図面に基づいて本発明の一実施形態に係るインクジェットプリンタを詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態に係るインクジェットプリンタの外観斜視図、図2は図1に示したインクジェットプリンタのプリンタカバーを開いた状態の斜視図、図3は図2に示したインクジェットプリンタからプリンタケースを取り外した状態の斜視図、図4は図3に示したインクジェットプリンタのインクカートリッジからキャリッジ上のインクジェット記録ヘッドまでの部品の接続構造を示す要部斜視図、図5は図4に示したインクカートリッジからキャリッジ上のインクジェット記録ヘッドまでの構成を別の向きから見た斜視図、図6は図5に示したダンパユニットの縦断面図、図7は図4に示したインクジェットプリンタの概略ブロック図である。
本実施形態のインクジェットプリンタ1は、複数種のカラーインク液を使用してロール紙にカラー印刷するものであり、図1に示すように、プリンタ本体を覆うプリンタケース2の前面には、ロール紙カバー5及びインクカートリッジカバー7が開閉自在に装備されている。更に、プリンタケース2の前面には、電源スイッチ3と共にフィードスイッチやインジケータ等も配置されている。
ロール紙カバー5を開くと、図2に示すように、印刷用紙であるロール紙11を収容した用紙収容部13が開放状態になって、用紙の交換が可能になる。
また、インクカートリッジカバー7を開くと、図2に示すように、カートリッジ装着部15が開放状態になり、該カートリッジ装着部15へのインクカートリッジ17の着脱が可能になる。
インクカートリッジ17は、カートリッジケース18内に複数個のカラーインクパック19を収容したものである。本実施形態のインクジェットプリンタ1の場合は、インクカートリッジカバー7を開く動作に連動して、カートリッジ装着部15の前方にインクカートリッジ17が所定距離だけ引き出される構成になっている。
プリンタケース2内の用紙収容部13の上方には、図3及び図4に示すように、インクジェット記録ヘッド21を搭載したキャリッジ23が装備される。キャリッジ23は、ロール紙11の幅方向に沿って延在するガイド部材25によって用紙幅方向に移動自在に支持されると共に、ロール紙11の幅方向に延在する無端ベルト26aと該無端ベルト26aを駆動するキャリッジモータ26bとによって、プラテン28の上方をロール紙11の幅方向に往復移動可能になっている。
図示のように、カートリッジ装着部15の上方が、往復移動するキャリッジ23の待機位置(ホームポジション)となっている。そして、この待機位置の下方には、キャリッジ23の下面に露出するインクジェット記録ヘッド21のインクノズルを覆うキャップ27と、キャップ27を介してインクジェット記録ヘッド21の各インクノズル内のインクを吸引廃棄するインク吸引機構29とが装備されている。
インクカートリッジ17内の各インクパック19は、図4に示すように、インクカートリッジ17をカートリッジ装着部15に装着した際に、カートリッジ装着部15側に装備されたインク供給針がインクパック19のインク供給口に差込接続される。カートリッジ装着部15のインク供給針には、プリンタケース2内に固定されたインク流路31が接続され、このインク流路31には、可撓性のインク供給チューブ33の一端が接続されている。
インク供給チューブ33の他端は、図4及び図5に示すように、キャリッジ23上に装備されたダンパユニット34に接続されている。このダンパユニット34は、インクジェット記録ヘッド21に接続された背圧調整ユニット35に接続されている。
即ち、本実施形態の場合、キャリッジ23には、インクジェット記録ヘッド21の他に、背圧調整ユニット35とダンパユニット34とが搭載された構成になっている。インクカートリッジ17内の各インクパック19のインク液は、カートリッジ装着部15のインク供給針から、インク流路31、インク供給チューブ33、ダンパユニット34、背圧調整ユニット35を経て、インクジェット記録ヘッド21上の各インクノズルに供給されるようになっている。
キャリッジ23に装備された背圧調整ユニット35は、印刷時にインクをインクジェット記録ヘッド21に供給するインク貯留部と、このインク貯留部内のインクの減少に伴って発生するインク貯留部内の負圧により前記インク貯留部へのインク供給路を開く弁機構とを備えたものである。背圧調整ユニット35における前記インク貯留部やインク供給路や弁機構は、インクカートリッジ17に収容された各インクパック19毎に独立して設けられている。
キャリッジ23に装備されたダンパユニット34は、図6に示すように、一面を開放したユニットケース51と、このユニットケース51の開放部を気密に覆う蓋部材53とによって、互いに独立した複数個のインク貯留室55を区画形成している。
インク貯留室55の装備数は、背圧調整ユニット35に装備されるインク貯留部の数量に対応している。
ユニットケース51は、各インク貯留室55を区画するための仕切壁51aが、底壁部51bに立設された構造であり、比較的硬質の樹脂材料によって一体成形されている。
蓋部材53は、各インク貯留室55の上方を覆う複数個のダンパ膜(弾性壁)53aと、各ダンパ膜53aの周囲を縁取るように装備されて各仕切壁51aの上端面に気密に突き合わせ接続されるフランジ部53bとを例えば合成ゴム等の弾性変形し易い材料で一体形成したものである。
ダンパ膜53aとフランジ部53bとの連絡部53cは、インク貯留室55内に流入するインク圧でダンパ膜53aが膨張変形(変位)し易いように、半円状又は波形に成形されている。
各インク貯留室55を区画している仕切壁51a及び底壁部51bには、インク供給チューブ33に連通するインク入口57と、背圧調整ユニット35のインク供給路に連通するインク出口59とが形成されている。
即ち、ダンパユニット34は、前記背圧調整ユニット35のインク供給路と前記インク供給チューブ33との間に、流入するインク圧に応じて膨張可能なインク貯留室55を形成している。
インク供給チューブ33からインク貯留室55へのインクの流入は、キャリッジ23の移動時の加速度でインク供給チューブ33内のインクにインク貯留室55に向かう慣性力が働き、これによりインク貯留室55が加圧される時に起こる。
そして、インク貯留室55に貯留されるインク量は、キャリッジ23の加速度、キャリッジ23が加速している時間、ダンパ膜53aの弾性変形によるインク貯留室55の容積変化量(コンプライアンスと呼ぶ)、インク流路31やインク供給チューブ33等の流路における流路抵抗(圧損)、インク供給チューブ33の移動時の変位部におけるイナータンス等で決まり、次の(1)式に示す等価式となる。
Figure 2007044929
但し、上記(1)式において、
M:イナータンス
1/C:インク貯留室55のコンプライアンスの逆数
R:流路抵抗
q:流量
P:圧力
本実施形態の場合、上記(1)式に従って、インク貯留室55に貯留されるインク量をVdとする時、貯留インク量Vdが少なくともインクジェット記録ヘッド21の1パス(1往復)の印字で消費される最大インク量Vmax以上となるように、ダンパ膜53aの弾性特性(インク貯留室55のコンプライアンス)を設定している。
また、本実施形態のインクジェットプリンタ1では、図4及び図5に示すように、インクカートリッジ17とダンパユニット34との間の流路を開閉する開閉弁61を備えている。
この開閉弁61は、カートリッジ装着部15側に設けられてインクカートリッジ17とインク供給チューブ33との間を連絡するインク流路31に組み込まれている。この開閉弁61は、インク流路31の外面に組み付けられたソレノイド63によって開閉操作される電磁弁である。この開閉弁61は、インクジェット記録ヘッド21の非印刷時で、且つ、キャリッジ23の移動時の加速でインク供給チューブ33内のインクがダンパユニット34のインク貯留室55を加圧する正圧状態になるときには流路を開き、また、インクジェット記録ヘッド21が負圧になる印刷時には流路を閉じる。
以上に説明したインクジェットプリンタ1では、印字動作を開始するためにキャリッジ23が図6に矢印(A)で示すように往路を加速して移動する時、インク供給チューブ33内のインクは、キャリッジ23の加速によって作用する慣性力の働きでダンパユニット34内を加圧する正圧状態になる。
そこで、インクカートリッジ17とダンパユニット34との間の流路を開閉する開閉弁61が開かれていれば、作用している慣性力によって、インクカートリッジ17からダンパユニット34内に新しいインクが流入する。このとき、ダンパユニット34に接続された背圧調整ユニット35は、インク消費が無いためにインク貯留部が負圧になっていない状態(即ち、インク貯留部が正圧の状態)では、弁機構によりダンパユニット34に連通するインク供給路が閉ざされているため、ダンパユニット34に流入したインクは、背圧調整ユニット35側には流れずにダンパユニット34内に貯留される。従って、ダンパユニット34は、流入したインク圧によってインク貯留室55が膨張した状態になる。
そして、キャリッジ23の加速が終了して、印字が始まるときには、インクカートリッジ17とダンパユニット34との間の流路を開閉する開閉弁61は閉じられる。印字が開始されると、印字により背圧調整ユニット35のインク貯留部のインクが消費される。そして、消費したインク量に伴いインク貯留部内が負圧になり、この負圧が所定値になると、背圧調整ユニット35の弁機構が作動してダンパユニット34に連通するインク供給路が開かれる。
すると、ダンパユニット34に貯留されているインクが、インク貯留室55の膨張により生じている弾性加圧力によって、背圧調整ユニット35のインク貯留部に流入し、背圧調整ユニット35のインク貯留部内が負圧で無くなるまで、インク貯留部へのインク補充がなされる。インク貯留部内がインクの流入により負圧で無くなると、弁機構がダンパユニット34に連通するインク供給路を閉じるため、それ以上、インクが供給されることはない。
なお、キャリッジ23が図6の矢印(A)とは逆向きに復路を加速して移動する時、インク供給チューブ33内のインクは、キャリッジ23の加速によって作用する慣性力の働きでインクカートリッジ17に戻る方向に付勢されるが、この時、インクカートリッジ17とダンパユニット34との間の流路を開閉する開閉弁61を閉じた状態にしておけば、インク供給チューブ33内のインクがインクカートリッジ17に逆流することはない。
即ち、上記構成のインクジェットプリンタ1では、キャリッジ23の往路の加速時にインク供給チューブ33内のインクに作用する慣性力で、インクをダンパユニット34に貯留し、ダンパユニット34のインク貯留に伴う膨張により発生する加圧力によって、背圧調整ユニット35へのインク補充を行うので、ダンパユニット34がその弾性膨張を活かしてポンプ動作を果たしている。
従って、インクカートリッジ17からインクジェット記録ヘッド21へのインク供給に専用のポンプ装置が不要で、ポンプ用の駆動手段や制御手段の削減により構成部品を低減させることができる。
また、ポンプ動作を行うダンパユニット34は、弾性壁によってインク貯留室55を形成したもので、摺動等の可動部品が不要なため、高い部品精度がそれほど必要とならず、加工精度の緩和によって、加工コストの低減を図ることもできる。
更に、キャリッジ23上の搭載部品は、図3〜図5にも示したように、インクジェット記録ヘッド21に取り付けられる背圧調整ユニット35と、この背圧調整ユニット35に接続されるダンパユニット34のみで良く、従来のインクジェットプリンタ201(図10参照)と比較すると、キャリッジ23上の搭載部品の削減によりキャリッジ23の小型・軽量化が図れ、その結果、キャリッジ23を駆動するキャリッジモータ26bの小型化も図れる。従って、装置全体の小型化と低コスト化とを実現できる。
更に、本実施形態の場合は、ダンパユニット34のインク貯留室55の弾性膨張により貯留されるインク容量Vdが、少なくともインクジェット記録ヘッド21の1パスの印字で消費される最大インク量Vmax以上に設定されているため、1パスでの印字処理で最大限にインクを消費した場合でも、ダンパユニット34内はいつでも背圧調整ユニット35にインク補充が可能な正圧状態に維持でき、安定した印刷性能を維持することができる。
なお、本発明のインクジェットプリンタにおいて、インクカートリッジとダンパユニットとの間の流路を開閉する開閉弁は、上記実施形態で示したソレノイド63によって開閉操作される電磁弁に限らない。
例えば、ダンパユニット34側への流れのみを許容する一方向弁を使用した構成とすることもできる。
図8は、インクカートリッジとダンパユニットとの間の流路中に、流路を塞ぐ栓のように嵌合装着されることで、一方向弁として機能する逆止弁71の縦断面図である。
この逆止弁71は、流路に気密に接続される円筒部71aと、この円筒部71aの一端を塞ぐ円錐状のキャップ部71bとが、ゴム等の弾性材料により一体形成されている。更に、キャップ部71bの先端には、軸方向の切れ込み71cが形成されている。
そして、この逆止弁71は、ダンパユニット34側へのインクの流れ(図中矢印方向)によってキャップ部71b内の圧力が外圧よりも高くなった時、先端の切り離し部71cの周辺が弾性変形して外側に開くことで、流路を開くことができる。
このような逆止弁71を採用することで、部品点数の削減を図ることができ、また、流路の開閉を電気的に制御する制御手段等が不要になるために、更にコストの削減を図ることが可能になる。
本発明の一実施形態に係るインクジェットプリンタの外観斜視図である。 図1に示したインクジェットプリンタのプリンタカバーを開いた状態の斜視図である。 図2に示したインクジェットプリンタからプリンタケースを取り外した状態の斜視図である。 図3に示したインクジェットプリンタのインクカートリッジからキャリッジ上のインクジェット記録ヘッドまでの部品の接続構造を示す要部斜視図である。 図4に示したインクカートリッジからキャリッジ上のインクジェット記録ヘッドまでの構成を別の向きから見た斜視図である。 図5に示したダンパユニットの縦断面図である。 図4に示したインクジェットプリンタの概略ブロック図である。 本発明に係るインクジェットプリンタにおける開閉弁の他の実施形態を示す縦断面図である。 従来のインクジェットプリンタのインク供給部周辺の構成を示すブロック図である。 従来の別のインクジェットプリンタのインク供給部周辺の構成を示すブロック図である。 図10に示したインク供給ポンプの構成を示す縦断面図である。
符号の説明
1…インクジェットプリンタ、2…プリンタケース、5…ロール紙カバー、7…インクカートリッジカバー、17…インクカートリッジ、21…インクジェット記録ヘッド、23…キャリッジ、25…ガイド部材、29…インク吸引機構、31…インク流路、33…インク供給チューブ、34…ダンパユニット、35…背圧調整ユニット、61…開閉弁、63…ソレノイド

Claims (4)

  1. プリンタ本体の所定位置に装備されてインクを貯留したインクカートリッジと、前記インクカートリッジに対して往復駆動されるキャリッジと、このキャリッジに設けられたインクジェット記録ヘッドと、印刷時にインクを前記インクジェット記録ヘッドに供給するインク貯留部とこのインク貯留部内のインクの減少に伴って発生するインク貯留部内の負圧により前記インク貯留部へのインク供給路を開く弁機構とを備えて前記キャリッジに搭載される背圧調整ユニットと、前記インクカートリッジ内のインクを前記背圧調整ユニットのインク供給路に導くインク供給チューブと、を備えたインクジェットプリンタであって、
    前記背圧調整ユニットのインク供給路と前記インク供給チューブとの間に、インク供給チューブに連通するインク入口と前記背圧調整ユニットのインク供給路に連通するインク出口とを備えたインク貯留室がインク圧によって膨張可能な弾性壁により画成されたダンパユニットを設けると共に、
    前記インクカートリッジと前記ダンパユニットとの間の流路には、前記インクジェット記録ヘッドの非印刷時で、且つ前記キャリッジの移動時の加速で前記インク供給チューブ内のインクが前記ダンパユニットのインク貯留室を加圧する正圧状態になるときには流路を開き、また、前記インクジェット記録ヘッドが負圧になる印刷時には流路を閉じる開閉弁を設けたことを特徴とするインクジェットプリンタ。
  2. 前記ダンパユニットのインク貯留室の弾性膨張により貯留されるインク容量が、少なくとも前記インクジェット記録ヘッドの1パスの印字で消費される最大インク量以上に設定されることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタ。
  3. 前記開閉弁が、開閉制御される電磁弁であることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェットプリンタ。
  4. 前記開閉弁が、前記ダンパユニット側へのインクの流れのみを許容する一方向弁であることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェットプリンタ。
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