JP2007038535A - 板状樹脂成形品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 外観不良、ガス焼け、転写不良の原因であるウエルドラインの発生を抑え、残留応力が少なく、ソリの発生を抑制でき、射出ゲートの痕に由来する外観欠陥やディスプレイ用途での光学性能の低下も回避でき、さらに、表面に光学パターン賦形を施すことも可能で、光拡散剤などの微粒子を分散させることも可能な射出成形による生産性の高い製造方法を提供すること。
【解決手段】 上記課題は、溶融した樹脂を1秒あたりの射出量である射出率が30〜350cm/secの範囲で、1ヶ所の射出ゲートより射出成形する工程を含み、前記射出ゲートに相当する位置が前記主面を構成する矩形の長辺に接する側面の中心付近であり、該射出ゲートの幅が成形品の長辺長さの20%以上100%未満である板状樹脂成形品の製造方法により解決される。
【選択図】 図3

Description

各種表示装置の光拡散板、バックライトなどに用いられる板状樹脂成形品の製造方法に関する。
板状樹脂成形品の製造方法としては、そのサイズが比較的小さい場合は一般的に、射出成形法、押出成形法、キャスト成形法などが用いられる。目的とする板状樹脂成形体のサイズが比較的大きい場合は、製品の板厚にもよるが、押出成形法やキャスト成形法が主として用いられる。このような板状樹脂成形体は、樹脂が透明な場合は各種ディスプレイの表示用途に好適に用いられ、また、樹脂に樹脂の屈折率とは異なる屈折率を有する光拡散剤(粒子径0.01〜30μm、添加量0.1〜50%程度)を添加した場合は、照明用光拡散板として好適に用いられる。
近年、ディスプレイ分野では大型化の要求が高まっており、また、市場の多様化により多品種への対応が必要となっている。
押出成形法は、銘柄変更に伴なう手間やロスが多いことから多品種への対応には不利である。特に目的とする板状樹脂成形体のサイズが比較的大きい場合にあっては、装置の大型化に伴い、この問題は更に深刻である。またレンズフィルムなどの用途で表面に高度に制御した光学パターン賦形を行う用途もあるが、ここでも押出成形法、キャスト成形法による対応は困難である。
これら多品種への対応や表面にプリズムなどの形状を付す場合、射出成形法や光硬化樹脂成形法が有利であり、原料コストや生産性の点から射出成形がより有利である。サイズが比較的大きい場合、射出成形の一種である射出プレス成形法などが好適に用いられる。
このような板状樹脂成形体を射出成形するに際し、そのサイズが比較的大きい場合は、製品の面内に多数の射出ゲートを配置して射出成形し、後工程にて射出ゲート部分の表面を平滑に仕上げる方法が採られるが、この方法は、工程が多いだけでなく射出ゲートを処理した部分の表面性が悪化するので、収率を充分高めることが困難なため、低コスト化が困難となる。
一方、射出ゲート位置を成形品の側面に配置して射出成形する方法があるが、通常、このような板状樹脂成形品の側面に射出ゲートを設置する場合は溶融樹脂の流動長が最短となる位置、つまり、成形品が長方形の場合、長辺側に設置するのが一般的である。しかし、板状樹脂成形品の側面に射出ゲートを設置する場合、ウエルドラインによる外観不良、ガス焼け、転写不良などが発生し易くなる。
また、基材中に光拡散剤を均一に分散させた光拡散板のように異種材料の均一な分散性が必要な用途では、前記のウエルドラインが発生すると、光拡散剤の分散不良(凝集)が発生しやすく、光拡散板を製造した場合によって明るさの明暗ムラなど製品の性能低下につながる問題が発生する。
また、板状樹脂成形品の表面に光学パターンなどの微細形状を付与した場合でもウエルドラインが発生し、異常発光となり外観不良の原因となる。特に長辺方向に形成された光学パターンは、光線方向を短辺方向について制御する働きがあり、多くの、長辺方向を水平方向とするディスプレイ用途において求められる水平方向視野角を保持しつつ正面輝度を高めるという要求に応える目的などで有用である。ここで長辺方向に光学パターンが形成されているとは、長辺と対向する長辺とを垂直に結ぶ線分が光学パターンと交差するように形成されていることを指す。したがって該光学パターンが形成されている板状樹脂成形品は、光拡散板、導光板などの用途で好適に用いることができる。
しかしながら長辺方向に光学パターンが形成された板状樹脂成形品の成形においては、短辺側に射出ゲートを設けると溶融樹脂の流路長が長いため正確な賦形が困難であり、一方、長辺側に射出ゲートを設けると溶融樹脂の流れと光学パターンが交差するため溶融樹脂の流れが妨げられるので、ウエルドラインの発生が顕著になる。以上の理由から長辺方向に形成された光学パターンを有する樹脂成形品の成形は特に困難である。
このような板状樹脂成形品の成形方法として、特許文献1のように、溶融粘度、射出率を設定して成形する方法がある。
しかしながら前記特許文献1で示される方法では、成形機、金型面での対応をする必要があると同時に、低速領域での成形であるため樹脂が固化しやすく、残留応力、ソリなどが発生し易い。そこで、樹脂温度や金型温度を高くするなどの対策を取ることが考えられるが、樹脂の熱劣化等の問題もあり、その対策としては十分とはいえない。
特開2002−46159号公報
そこで、本発明者らは、ディスプレイ分野で有用な板状樹脂の製造方法であって、外観不良、ガス焼け、転写不良の原因であるウエルドラインの発生を抑え、残留応力が少なく、ソリの発生を抑制でき、射出ゲートの痕に由来する外観欠陥やディスプレイ用途での光学性能の低下も回避でき、さらに、表面に光学パターン賦形を施すことも可能で、光拡散剤などの微粒子を分散させることも可能な射出成形による生産性の高い製造方法を提供することを目的とする。
そこで上記課題を鑑み、鋭意検討し、本発明の製造方法を見出した。
請求項1に記載の発明は、板状樹脂成形体が矩形の主面を持つ板状樹脂成形体の製造方法であって、溶融した樹脂を1秒あたりの射出量である射出率が30〜350cm/secの範囲で、1ヶ所の射出ゲートより射出成形する工程を含み、前記射出ゲートに相当する位置が前記主面を構成する矩形の長辺に接する側面の中心付近であり、該射出ゲートの幅が成形品の長辺長さの20%以上100%未満であることを特徴とする板状樹脂成形品の製造方法である。
矩形の主面を持つ板状樹脂成形体は、テレビやパソコンモニターなどのディスプレイ分野で前面板、光拡散板、導光板、反射板などの多くの光学部材用途に有用である。また矩形の縦横比はウエルドラインの発生と密接な関係があるが、そこで本発明ではディスプレイ分野で有用な縦横比4:5〜9:16の矩形の主面を持つ板状樹脂成形体を製造する上で特に望ましい製造方法を提供する。
射出率を30〜350cm/secの範囲とすることで、生産性よく板状樹脂成形品を製造することができる。射出率が30cm/sec未満であると、成形サイクルが長いだけでなく、成形中に樹脂が固化しやすく、ソリなどの原因となる残留応力が増加する傾向になり好ましくない。一方、射出率が350cm/secを越えると、大きな射出能力が必要となり、装置が大型化するうえ、ガス焼けなどの外観不良の原因となり、好ましくない。
射出ゲートを側面に設けることで、板状樹脂成形体の射出ゲートの跡に由来する光学部材の光学性能、外観品位などへの悪影響を回避することができる。また射出ゲートの数を1ヶ所とすることで、射出ゲート痕の処理によるロスが少なくなる。また、板状樹脂成形品の主面を構成する主面の長辺の中心付近に射出ゲートを設けることで、溶融樹脂の流路長を短くできるため、高い成形性が得られる。該射出ゲートの幅が成形品の長辺長さの20%以上であることで、ウエルドラインの発生を抑制できる。また100%未満とすることで、前記射出ゲートに相当する位置を長辺に沿って切断する際の位置決めが容易である。また、射出ゲートの幅を小さくすることで、ゲート痕に由来するロスが軽減できる。
請求項2に記載の発明は、前記板状樹脂成形品の主面の少なくとも1面に長辺方向に光学パターンを形成し、該光学パターン高さ(Hp)と製品板厚(T)との比Hp/Tが0.005〜0.3であることを特徴とする請求項1に記載の板状樹脂成形品の製造方法である。
主面の少なくとも1面に長辺方向に光学パターンの高さ(Hp)と製品板厚(T)との比Hp/Tが0.005〜0.15の光学パターンは、短辺方向の光線方向を制御する働きがあり、多くの長辺方向を水平方向とするディスプレイ用途において求められる水平方向視野角を保持しつつ正面輝度を高めるという要求に応える目的などで有用である。したがって該光学パターンが形成されている板状樹脂成形品は、光拡散板、導光板などの用途で好適に用いることができる。ここで長辺方向に光学パターンが形成されているとは、長辺と対向する長辺とを垂直に結ぶ線分が光学パターンと交差するように形成されていることを指す。
請求項3に記載の発明は、溶融樹脂を射出する工程において、溶融樹脂の射出率に対して90%以上の排出速度でキャビティ内の空気またはガスを排出することを特徴とする請求項1記載の板状樹脂成形品の製造方法である。
溶融樹脂をキャビティ内に射出する場合、キャビティ内には空気や樹脂中の揮発ガスなどが存在している。溶融樹脂を射出することにより、キャビティ内の空気または揮発ガスは、一般的にはガスベントを介してキャビティ外(金型外)に放出される。しかしながら、ガスベントが小さい場合には、空気または揮発ガスの排気ができず、キャビティ内に残るため、溶融樹脂の流動を阻害し、いわゆるウエルドラインやガスヤケなどが発生する。そこで、ガスベントより、溶融樹脂の射出率に対して90%以上の排出速度でキャビティ内の空気またはガスを排出することで上記ウエルドやガスヤケなどを解消することができる。このとき、ガスベントを大きくしすぎるとバリが発生しやすくなる。特に光学部品でバリがある場合、バリが脱落して製品部分に付着し、外観不良となったり、重ね置きした場合にキズがついたりするため、ガスベントの大きさは極力抑える必要がある。そこで、ガスベントを大きくせずに、真空ポンプなどの補助装置を使用して、強制的に排気することも効果的である。
請求項4に記載の発明は、キャビティ内の空気またはガスを板状成形品の短辺部側から排出することを特徴とする請求項3記載の板状樹脂成形品の製造方法である。板状成形品で射出ゲートが長辺側にある場合、溶融樹脂の流動状態は図1に示すような状態となる。この場合、短辺に溶融樹脂が接しすると同時に、キャビティ内の空気または揮発ガスを巻き込むために、ウエルドラインやガスヤケなどが発生するため、短辺側からより多く排気することがさらに効果的である。
請求項5に記載の発明は、前記板状樹脂成形品の製造方法であって、溶融した樹脂を射出成形する工程で得られる成形品の前記射出ゲートに相当する位置を含む長辺全体を、対向する長辺に対して平行に切断する工程を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の板状樹脂成形品の製造方法である。
溶融した樹脂を射出成形する工程で得られる成形品の前記射出ゲートに相当する位置を含む長辺全体を対向する長辺と平行に切断する工程によって簡便に射出ゲートに相当する位置を含む長辺のある端面を平滑にできる。これによって、ディスプレイ用途に用いた場合に、長辺付近に射出ゲート痕に由来する輝度ムラが発生することを防止できるので好ましい。
矩形の主面を持つ板状樹脂成形体の製造方法であって、ウエルドラインによる外観不良、ガス焼け、転写不良などの改善が図れる。また高速で成形するため、残留応力が少なく、ソリの発生を抑制できる。表面に光学パターン賦形を施すこと、特に多くのディスプレイ用途で有用な長辺方向への光学パターン賦形も可能な、射出成形による製造方法を提供する。さらに光拡散剤などの微粒子を分散した板状樹脂成形体も好適に製造できる。またディスプレイ用途に用いた場合に、射出ゲートの位置周辺の射出ゲート痕に由来する輝度ムラが発生することを効率良く防止できる。
以下に、本発明を実施するための最良の形態を示す。
近年、ディスプレイ分野では大型化の要求が高まっている。また市場の多様化により多品種への対応、レンズフィルムなどの用途で表面に高度に制御した光学パターン賦型を行う用途もある。このような板状樹脂成形体を製造する場合、押出成形法、キャスト成形法では、切り替えのロスや、光学パターン賦型率の低下が発生するため対応は困難である。これら多品種への対応や表面にプリズムなどの形状を付す場合、射出成形法や光硬化性樹脂成形法が有利であり、原料コストや生産性の点から射出成形がより有利である。サイズが比較的大きい場合、射出成形の一種である射出プレス成形法などが好適に用いられる。
このような板状樹脂成形体を射出成形法で製造する場合、射出成形時の樹脂の溶融粘度を適切に設定する必要があり、粘度が高すぎると過充填によるソリが、また、粘度が低すぎるとバリが発生するため、射出成形する場合の溶融粘度は10〜1000Pa・s(せん断速度1000〜10000の範囲)の範囲が好適であり、さらには、溶融粘度は10〜500Pa・s(せん断速度1000〜10000の範囲)の範囲がより好適である。
また、射出率については、射出率が小さすぎる場合は流動中に固化してしまい板状樹脂成形体が得られなくなり、射出率が大きすぎる場合はガス焼けなどの外観不良が発生するため、射出率は30〜350cm/secの範囲が好適である。また射出率100〜200cm/secの範囲がより好適である。
板状成形品の表面にパターンがあり、そのサイズが比較的小さい場合は、流動中に固化してしまうため、溶融粘度を低くして射出率を大きくすることが好ましく、パターンサイズが大きい場合は、パターン部分に空気が残りやすいので、流動中に空気を排出させるため、溶融粘度を高くして、射出率を小さくすることが好ましい。
板状樹脂成形体を射出成形法により製造する場合、図1に示すようにゲート2に相当する位置は、ゲート2から流動末端部までの距離である流動長が短いほど成形には有利であるため、前記板状樹脂成形体の主面を構成する矩形のキャビティ1における長辺に接する側面31の中心付近に設置するのが一般的である。さらに、このゲート2部分は、後工程により切削などによって削除されるため、歩留まりを考慮すると小さい方が通常は好ましい。
しかしながら、図1に示すように、キャビティ1内に溶融樹脂が充填される場合、ゲート2を中心に同心円状に充填が進行するが、溶融樹脂が側面(短辺)32に到達すると、溶融樹脂の折返しが発生し、結果的に主面にウエルドライン4が発生する。また光透過性の高い樹脂に樹脂の屈折率とは異なる屈折率を有する光拡散剤(粒子径0.01〜30μm、添加量0.1〜50%程度)を添加した場合、光拡散財の分散ムラによる輝度ムラが発生する。この現象はゲート幅が小さい場合や、長辺方向に光学パターンが形成されている場合に顕著となる。そこで、図2に示すように、ゲート幅を板状樹脂成形体の長辺長さの20%以上とすると溶融樹脂の充填状態がウエルドライン4を解消することができる。また、その射出ゲート厚さは、製品厚さの20%以上であることが好ましい。
また本発明の製造方法で、溶融樹脂を射出する工程で同時にキャビティ1内で発生したガスまたは残留する空気を排出することがウエルドライン4の発生抑制の上で望ましい。ガスの排出速度は溶融樹脂の射出率の90%以上であることが望ましく、100%以上であることが更に望ましい。手段としてはガスの排出孔5の大きさを調整することで排出速度を最大溶融樹脂の射出率と同等まで高めることができる。またキャビティ1内を減圧ポンプなどで吸引しながら溶融樹脂を射出することで、キャビティ1内のガスまたは空気を溶融樹脂の射出率以上の速度で排気できるため、望ましい。さらに排出する位置は、長辺方向にパターンがあるときはパターンにそって排気する方が空気またはガスが抜けやすいので、短辺側付近より排気することが好ましい(図3参照)。
本発明は、主面の少なくとも1面に長辺方向に光学パターンが形成されており、該光学パターンの高さ(Hp)と製品板厚(T)との比Hp/Tが0.005〜0.3であることを特徴とする板状樹脂成形品の製造方法を提供する。ここで長辺方向に光学パターンが形成されているとは、長辺と対向する長辺とを垂直に結ぶ線分が光学パターンと交差するように形成されていることを指す。すなわちストライプ状の長辺と平行な光学パターンだけでなく、長辺と45°以内の角度を成すストライプ状の光学パターンや、蛇行するストライプ状光学パターン、球や変形した球の一部からなる光学パターン、角柱、円柱などの光学パターンとこれらの鋭利な部分を鈍化した形状からなる光学パターンなどが挙げられる。光学パターンは通常複数形成されており、これらは同じ形でも互いに異なる形でも良い。また複数形成した光学パターンは規則的に配列されていても、ランダムに配列されていてもよい。
また、光学パターンの高さHpは特に制限はないが、光学部材用途に用いる場合は通常1μm〜500μmが望ましい。500μmより大きくなると、出射面を観察した際、凸部が視認されやすくなるため品位の低下を招く場合がある上、賦形も困難となる場合がある。また1μmより小さくなると光の回折現象により着色が発生し品位の低下を生じる場合がある。また板厚Tは特に制限はないが、0.1mm〜3mmが望ましい。0.1mm未満だと材料によっては射出成形後の成形品の取り出しが困難となる。また3mmを越えると製品である板状樹脂成形品が重くなり、一部の用途に好ましくないだけでなく、生産性も低下する。板厚Tが0.5mm以上であれば板状樹脂成形品に皺などが発生しにくいため好ましく、また、射出成形後における成形品の取り出しの観点からも望ましい。
本発明で使用される樹脂は特に制限が無いが、光透過性を有する樹脂が好ましく用いられる。たとえば、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリオレフィン、熱可塑性エラストマーおよびこれらの共重合体が挙げられる。またこれらの樹脂を基材樹脂として、基材樹脂と屈折率の異なる光拡散剤(粒子径0.01〜30μm、添加量0.1〜50%程度)などの微粒子を添加して射出成形することで、光拡散板などに有用な微粒子を分散した板状樹脂成形体を得ることができる。
上記板状樹脂成形体のゲート部分は後工程によって切断されるが、ゲート部分のみを切断した場合、切断部分の表面性や段差によっては外観不良、輝度ムラなどが発生するため、ゲートが設置されている辺全面を切断することが好ましい。そのとき、端面の表面粗さ(Ra)は10μm以下であることが好ましい。切断する部分は小さい方が、ロスが少なくなり好ましい。この際、射出ゲートの幅は長辺の長さの100%未満であるため、長辺の端部が明確であり、容易に長辺と平行に切断することができる。
(実施例1〜6および比較例1〜6)
実施例1〜6および比較例1〜6を以下に示す。本発明の製品形状は以下の2種類を用い、射出成形機は株式会社名機製作所製NADEM50000を使用した。金型5としては図3に示すように、ガス排出孔6が短辺近傍に設けられた構成のものを用いた。
[製品形状]
1:350mm×280mm(縦横比4:5) 板厚2mm
2:600mm×360mm(縦横比9:16) 板厚2mm
[樹脂及び溶融粘度]
せん断速度1000(1/sec)の時の溶融粘度(Pa・s)
A:PMMA;溶融粘度110Pa・s(樹脂温度260℃)
B:PC ;溶融粘度500Pa・s(樹脂温度300℃)
C:上記A+光拡散剤(トスパール2000B ジーイー東芝シリコーン株式会社製)0.5%添加;溶融粘度はAと同等
上記成形品形状、樹脂を使用して得られた成形品について、製品形状1については、シャープ株式会社製液晶テレビLC−26GD3に搭載して外観及び輝度ムラを測定した。輝度ムラについては、図4に示す位置の輝度を、株式会社トプコン製BM−7を用いて測定し、最小輝度/最大輝度であらわした。
製品形状2については、シャープ株式会社製液晶テレビLC−32GD1に搭載して外観及び輝度ムラを測定した。輝度ムラについては、図4に示す位置の輝度を、株式会社トプコン製BM−7を用いて測定し、最小輝度/最大輝度であらわした。
表1に示すように、板状樹脂成形体が縦横比4:5〜9:16の矩形の主面を持ち、溶融した樹脂を射出する際の1秒あたりの射出量である射出率が30〜350cm/secで、1ヶ所の射出ゲートより射出成形する板状樹脂成形体の製造方法であって、前記射出ゲートに相当する位置が、前記主面を構成する矩形の長辺に接する側面の中心付近であり、ゲートの幅が成形品の長辺長さの20%以上である実施例1〜5については、外観不良がなく、輝度ムラのない良好な成形品が得られた。また、光拡散剤を入れた実施例6でも良好な成形品が得られた。
一方、板状樹脂成形体が縦横比4:5〜9:16の矩形の主面を持ち、溶融した樹脂を射出する際の1秒あたりの射出量である射出率が30〜350cm/secの範囲外である場合、前記射出ゲートに相当する位置が前記主面を構成する矩形の短辺に接する側面にある場合、または、ゲートの幅が成形品の長辺長さの20%以下である場合の比較例1〜5は、ショートショット、ソリ、ウエルドライン、ガス焼けなどの外観不良が発生し、輝度ムラの大きい成形品が得られた。また、光拡散剤を入れた比較例6では光拡散剤の凝集ムラが発生し、外観不良が発生した。なお、射出成形での金型温度は、樹脂AおよびCを用いた場合には80℃、樹脂Bを用いた場合には110℃とした。
Figure 2007038535
(実施例7)
上記実施例2の条件で、板状樹脂成形品の主面の1面には、断面形状が頂角90°、ピッチ50μm(高さ25μm)のプリズムが長辺方向に形成されている板状樹脂成形品を得たることができた。ここで、この実施例ではプリズム形状を用いたが、パターンの断面形状は、光学的性能が満足する範囲であれば形状に制限はなく、不等辺三角形、半円、1/4円、楕円形状などであっても良い。
(実施例8、9)
上記実施例3および4で得られた成形品について、ゲートが設置されている辺全面を、メガロテクニカ株式会社製プラビューティーにて切断加工をした。そのときの切断面の10点平均粗さRaを株式会社小坂研究所製表面粗さ測定器SE−30Dで測定したところ5μmであった。実施例3の成形品をシャープ株式会社製液晶テレビLC−26GD3に搭載した実施例8では、ゲートを切り離した側の辺には外観不良は発生しなかった。また、実施例4の成形品をシャープ株式会社製液晶テレビLC−32GD1に搭載した実施例9では、ゲートを切り離した側の辺には外観不良は発生しなかった。
(比較例7、8)
上記実施例3および4で得られた成形品について、ゲートが設置されている辺のゲート部分のみをメガロテクニカ株式会社製プラビューティーにて切断加工をした。実施例3の成形品をシャープ株式会社製液晶テレビLC−26GD3に搭載した比較例7では、ゲートを切り離した側の辺で、切断面と切断面ではない部分との境界部で、光が乱反射し、外観不良が発生した。また、実施例4の成形品をシャープ株式会社製液晶テレビLC−32GD1に搭載した比較例8では、ゲートを切り離した側の辺で、切断面と切断面ではない部分との境界部で光が乱反射し、外観不良が発生した。
従来の板状樹脂成形体の製造方法における溶融樹脂の充填状態を示す図である。 本発明の板状樹脂成形体の製造方法における溶融樹脂の充填状態を示す図である。 本発明における板状樹脂成形体成形用金型のガス排出孔の位置を示した図である。 本発明の板状樹脂成形体の光学部材用途での輝度ムラを測定する方法を示す図である。
符号の説明
1:キャビティ、2:ゲート、31:側面(長辺)、32:側面(短辺)
4:ウエルドライン
5:金型、6:排出孔、7:パッキン等

Claims (5)

  1. 矩形の主面を持つ板状樹脂成形体の製造方法であって、溶融した樹脂を1秒あたりの射出量である射出率が30〜350cm/secの範囲で、1ヶ所の射出ゲートより射出成形する工程を含み、前記射出ゲートに相当する位置が前記主面を構成する矩形の長辺に接する側面の中心付近であり、該射出ゲートの幅が成形品の長辺長さの20%以上100%未満であることを特徴とする板状樹脂成形品の製造方法。
  2. 前記板状樹脂成形品の主面の少なくとも1面に長辺方向に光学パターンを形成し、該光学パターン高さ(Hp)と製品板厚(T)との比Hp/Tが0.005〜0.3であることを特徴とする請求項1に記載の板状樹脂成形品の製造方法。
  3. 溶融樹脂を射出する工程において、溶融樹脂の射出率に対して90%以上の排出速度でキャビティ内の空気またはガスを排出することを特徴とする請求項1記載の板状樹脂成形品の製造方法。
  4. キャビティ内の空気またはガスを板状成形品の短辺部側から排出することを特徴とする請求項3記載の板状樹脂成形品の製造方法。
  5. 溶融した樹脂を射出成形する工程で得られる成形品の前記射出ゲートに相当する位置を含む長辺全体を、対向する長辺に対して平行に切断する工程を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の板状樹脂成形品の製造方法。
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