JP2003103588A - 導光板の成形装置および成形方法 - Google Patents
導光板の成形装置および成形方法Info
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Abstract
にゲート部を設けると、成形後に導光板の入光部にゲー
ト部の痕跡が残り後処理が必要となり、導光板の側方端
にゲート部を設けると、厚肉部と薄肉部への溶融樹脂の
流動が不均一になりやすく成形不良が発生しやすいとい
う問題を解決する。 【解決手段】 固定金型又は可動金型のうち凹状部が形
成された一方の金型と、前記金型の凹状部に対し嵌挿可
能な凸状部が形成された他方の金型との間に厚さが可変
に形成され楔型の断面形状の導光板を成形する厚肉端と
薄肉端を有するキャビティとキャビティの薄肉端に連通
するゲート部とが形成され、前記キャビティの厚さが成
形品の厚さより厚い状態でキャビティ内に溶融樹脂を射
出し、キャビティ内の溶融樹脂を圧締手段により圧縮す
る。
Description
ライト等に使用される、一方に厚肉端を有し他方に薄肉
端を有する楔型の断面形状の導光板の成形装置および成
形方法に関するものである。
導光板は、アクリル等の樹脂から射出成形される。特開
平9−77210号等に示されるように射出成形の際の
楔型の断面形状の導光板のゲート部の位置は一般に厚肉
端に設けられる。これは導光板を射出成形する場合、厚
肉端にゲート部を設けた方がゲート部の断面積を大きく
とれ、また厚肉端から薄肉端に向けて溶融樹脂を流動さ
せることができるため、樹脂の流動の点で有利であり、
成形不良が発生しにくいためである。しかし導光板を射
出成形する際に導光板の厚肉端にゲート部を設けると、
成形後に導光板の厚肉端にゲート部の痕跡が残る。とこ
ろが導光板の厚肉端は、液晶表示装置のバックライト等
に使用する場合の入光部にあたり、ゲート部の痕跡があ
ると光学上好ましくないという問題がある。そこで厚肉
端にゲート部を設ける方法で成形した導光板は、ゲート
部を切断した後、ゲート部の痕跡を研磨するなどの後処
理が必要であり、製造工程が増加しコストアップにつな
がっていた。
特開2000−321441号の図3に記載されるよう
に、ゲート部を導光板の側方端に設けた金型を使用する
ものがある。この金型を使用するものでは、前記した厚
肉端にゲート部を設けたもののように、ゲート部を研磨
する必要はない。しかしこの金型のものは、導光板のの
側面にゲートがあるため、厚肉部と薄肉部への溶融樹脂
の流動が不均一になりやすく、成形品に不良が発生しや
すいという問題があった。
鑑みてなされたものであって、導光板を射出成形する際
に、導光板の厚肉端にゲート部を設けると、成形後の導
光板の入光部の後処理が必要であり、導光板の側方端に
ゲート部を設けると、厚肉部と薄肉部への溶融樹脂の流
動が不均一になりやすく、成形不良が発生しやすい点を
解決することを課題とする。
に請求項1記載の導光板の成形装置は、固定金型又は可
動金型のうち凹状部が形成された一方の金型と、前記金
型の凹状部に対し嵌挿可能な凸状部が形成された他方の
金型と、両金型の凹状部と凸状部の間に厚さが可変に形
成され楔型の断面形状の導光板を成形する厚肉端と薄肉
端を有するキャビティとキャビティの薄肉端に連通する
ゲート部と、前記キャビティの厚さが成形品の厚さより
厚い状態でキャビティ内に射出された溶融樹脂を圧縮す
る圧締手段とからなることを特徴とする。
項1において、凹状部が形成された一方の金型は、本体
部と、本体部の周囲に設けられ本体部より他方の金型に
向かって突出した可動周壁部とからなり、前記可動周壁
部は型閉時に他方の金型の案内面に案内されることによ
り本体部に向けて移動され凹状部が形成されることを特
徴とする。
盤に固定され押圧面を有する本体部と、本体部の周囲に
外挿され本体部の押圧面より型閉方向に向かって突出し
た接合面を有する枠体と、本体部に対する枠体の型閉方
向の位置を調整する調整手段とからなる可動金型と、前
記枠体の接合面の位置に対応する接合面を有する固定金
型と、前記可動金型と固定金型との型閉時に前記接合面
同士の内側に前記調整手段によって厚さが可変に形成さ
れ楔型の断面形状の導光板を成形する厚肉端と薄肉端を
有するキャビティとキャビティの薄肉端に連通するゲー
ト部と、可動金型を固定金型に向けて移動させる型閉手
段と、前記キャビティの厚さが成形品の厚さより厚い状
態でキャビティ内に射出された溶融樹脂を圧縮する圧締
手段とからなることを特徴とする。
項1ないし請求項3においてゲート部に連通する固定金
型の溶融樹脂通路に開閉手段が設けられたことを特徴と
する。
項1ないし請求項4においてゲート部の長さが成形され
る導光板の薄肉端面長さの6%ないし30%となるよう
に設けられたことを特徴とする。
項1ないし請求項5において可動金型の圧縮開始位置に
おけるゲート部の厚さが0.7mmないし2.0mmで
あり、可動金型の圧縮終了位置におけるゲート部の厚さ
が0.3mmないし0.9mmであってかつ圧縮開始位
置におけるゲート部の厚さより0.1mm以上小さい値
であることを特徴とする。
固定金型との間に、楔型の断面形状の導光板を成形する
厚肉端と薄肉端を有するキャビティとキャビティの薄肉
端に連通したゲート部とが可動金型の移動によりそれぞ
れ厚さを可変に設けられ、前記キャビティの厚さが成形
品の厚さより厚い状態でゲート部からキャビティ内に溶
融樹脂を射出し、圧締装置により可動金型を固定金型に
向けて圧締し、キャビティ及びゲート部の厚さを減少さ
せつつ少なくともキャビティ内に射出された溶融樹脂を
圧縮することを特徴とする。
いて、固定金型の溶融樹脂通路に開閉手段が設けられ、
成形される導光板の厚さより所定間隔だけキャビティの
厚さが厚い状態で開閉手段を開放して溶融樹脂をキャビ
ティ内に射出し、溶融樹脂を圧縮するとともに溶融樹脂
の圧縮中に開閉手段を閉鎖することを特徴とする。
板の成形装置の要部の断面図である。図2に示すもの
は、本発明の導光板の成形装置のゲート部付近の拡大断
面図である。図3に示すものは、本発明の導光板の成形
装置による成形方法を示す説明図である。図4に示すも
のは、本発明の導光板の成形装置により成形されランナ
ー等が付いた状態の成形品を示す図である。
には、固定盤2に固定金型3が取付けられ、固定盤2と
図示しない支持盤の間に取付けられたタイバー4に対し
摺動可能に設けられた可動盤5に可動金型6が取付けら
れている。この実施の形態で一方の金型に相当する固定
金型3には凸状部7が設けられ、それに対し他方の金型
である可動金型6には凹状部8が設けられている。そし
て可動金型6の前記凹状部8に対し固定金型3の前記凸
状部7が嵌挿可能に設けられている。そして固定金型3
と可動金型6との間には、厚さが可変に形成され、楔型
の断面形状の導光板を成形する厚肉端9と薄肉端10を
有するキャビティ11が設けられ、前記キャビティ11
の薄肉端10に連通して同じく厚さが可変に形成された
ゲート部12が設けられる。
定金型3に向けて移動させる図示しない型閉手段と、成
形時に溶融樹脂の圧縮を行う圧締手段13とが設けられ
ている。圧締手段13のラム14は、可動盤5の中央に
固定され、図示しないシリンダ内に油を導入することに
より、可動盤5を圧締する。また圧締手段13は、図示
しない制御手段に接続されている。なお圧締手段13と
しては、タイバー4にそれぞれ設けられた四つのシリン
ダにより可動盤5を移動させるものでもよく、型閉手段
と圧締手段はサーボモータとボールネジの組合せを使用
するものであってもよい。
ールドプレート17、鏡面板側プレート18から構成さ
れており、互いにボルトにより結合されている。バック
プレート16はボルトにより固定盤2に取付けられてお
り、中央部には射出装置19のノズル20が当接するブ
ッシュ21が設けられている。また、バックプレート1
6の一側には溶融樹脂通路22の開閉手段であるバルブ
ゲート装置23のシリンダ24が固定されている。
17内に一定の間隙を隔てて取付けられたマニホールド
25が固定されている。マニホールド25には可動金型
6側に向けてホットチップ26が設けられている。これ
らのブッシュ21、マニホールド25、ホットチップ2
6からホットランナーユニット27が形成され、その内
部には溶融樹脂通路22が設けられるとともに、その外
側にはヒータ28が取付けられている。図2に示される
ようにホットチップ26内の溶融樹脂通路22のうち前
方寄りの部分はノズルシール部29となっており、ホッ
トチップ26の内壁がテーパー状に細くなっている。
ゲート装置23のシリンダ24のロッド30がマニホー
ルド25等を貫通して挿入されており、シリンダ24内
のピストン31によりロッド30は進退可能に設けられ
ている。ロッド30は溶融樹脂通路22の太さより細く
設けられ、その先端部32はノズルシール部29の形状
に合致するようにテーパー状に設けられている。そして
ロッド30の伸長時には、ホットチップ26のノズルシ
ール部29に当接することにより溶融樹脂通路22が閉
鎖され、ロッド30の後退時には、溶融樹脂通路22が
開放され、射出装置19からキャビティ11内に溶融樹
脂を射出することができる。射出された溶融樹脂の一部
は前記のバルブゲート装置23が閉鎖されることにより
ホットランナーユニット27の溶融樹脂通路22内にて
保温されて貯留される。
続いて鏡面板側プレート18の内部にはスプルー部33
が設けられており、スプルー部33には直角方向にラン
ナー部34が設けられている。
の鏡面板側プレート18には凸状部7が設けられてお
り、後述する可動金型6の鏡面板側プレート35には凹
状部8が設けられており、両者は型閉された際に嵌挿さ
れる。固定金型3と可動金型6の嵌挿状態について説明
すると、鏡面板側プレート18の凸状部7の嵌挿面36
と可動金型6の鏡面板側プレート35の凹状部8の内側
に設けられた嵌挿面37とは型閉時に、空気は通過可能
であるが、溶融樹脂は通過不可能でバリを発生させない
ベント15が維持されるように設けられている。そして
型閉された際に可動金型6を所定間隔移動させても、固
定金型との嵌挿状態が保たれ、内側のキャビティ11等
が外界に対して開放されないように設けられている。
面36,37を設けるものの他、嵌挿面36を凸状部7
前方に向けて幅狭となるような1°程度の傾斜面とし、
嵌挿面37をそれに対応するよう前方に向けて幅広とな
る傾斜面としてもよい。また嵌挿面36,37は型閉方
向と平行な面と傾斜面の両方からなるようにしてもよ
い。なお、これらの傾斜面を設ける理由は型閉時にかじ
りをなくすことが主な目的であるが、成形品の取出しを
容易にするために、キャビティ11内に傾斜面を設ける
こともある。またこの実施の形態では一方の金型である
可動金型6側に凹状部8、他方の金型である固定金型3
側に凸状部7が設けられたものについて記載したが、一
方の金型である固定金型3側に凹状部、他方の金型であ
る可動金型6側に凸状部が設けられたものでもよい。
と凹状部8の間であって嵌挿面36,37の内側には、
前記したランナー部34、ゲート部12、キャビティ1
1が形成されている。よってランナー部34、ゲート部
12、キャビティ11は、可動金型6を圧縮開始位置L
1から圧縮終了位置L2に向けて圧締する際に、それぞ
れの厚さが同じだけ可変に設けられている。前記したス
プルー部33に接続されるランナー部34は、固定金型
3の鏡面板側プレート18と可動金型6の鏡面板側プレ
ート35との間に所定の幅と長さを有して設けられ、そ
の一方はキャビティ11の薄肉端10の中央に連通する
ゲート部12となっており、ゲート部12は溶融樹脂通
路22に連通している。
長さ)310mm、薄肉端と厚肉端との長さ(短辺長
さ)235mm、薄肉端P1の厚さが0.6mm、厚肉
端P2の厚さが2.1mmの15インチ導光板を製造す
る金型のゲート部12は、長さが30mmに設けられて
いる。ゲート部12の長さは成形品Pの薄肉端面長さP
3に対して6%〜30%の長さであればよく、15イン
チ導光板の場合20mm〜90mmの範囲にあればよ
い。
プレート18に取付けられた鏡面板38と可動金型6の
鏡面板側プレート35に取付けられた鏡面板39の間隙
に形成される。それぞれの鏡面板38,39には冷却媒
体通路40,41がそれぞれ設けられている。そしてこ
れらの冷却媒体通路40,41は図示しない金型内の冷
却媒体通路とともに金型外の配管を通じて温調器に接続
されており、この実施の形態ではそれぞれの型温は50
℃に設定されている。
めに、その形状に対応して固定金型3の鏡面板38のキ
ャビティ内壁42が可動金型6の移動方向に対し直角方
向に設けられているのに対し、可動金型6の鏡面板39
のキャビティ内壁43は、鏡面板38のキャビティ内壁
42と平行でなく、所定の角度をもって設けられてい
る。そしてキャビティ11の薄肉端10の中央にはゲー
ト部12が連通され、ゲート部12から遠ざかるほど厚
肉に設けられ、導光板の入光部となる厚肉端9はゲート
部12と反対側に形成される。なおこの実施の形態では
ゲート部12の厚さTとキャビティ11の薄肉端10の
厚さは同じ厚さに設定されているが、ゲート部12の厚
さTは薄肉端10の厚さよりも薄く設定してもよい。
のパーティング面44にはピン45が設けられ、それに
対応する可動金型6の鏡面板側プレート35のパーティ
ング面46の前記ピン45に対応する位置には孔部47
が設けられ、ピン45が孔部47に嵌挿可能に設けられ
ている。
5とバックプレート48等からなる。バックプレート4
8はボルトにより可動盤5に取付けられ、またバックプ
レート48には成形品突き出し手段であるエジェクタ装
置49のシリンダ50が設けられている。エジェクタ装
置49は、前記バルブゲート装置23のロッド30と同
軸に設けられており、シリンダ50のピストン51を駆
動させ鏡面板側プレート35の中を貫通して固定金型3
側に向けて設けられたロッド52を伸長させることによ
り、成形品Pに付属するスプルーSを突出す。
ると、図3に示されるように、まず、制御手段からの指
令により図示しない型閉手段の油圧シリンダが駆動され
可動金型6の型閉じが行われる。この際、可動金型6の
パーティング面46と固定金型3のパーティング面44
が接合されるまで型閉じが行われ、そこから再度可動金
型6は型開き側に移動され、所定の圧縮開始位置L1に
て停止することにより、圧縮開始位置L1の位置決めが
行われる(図3の(a)を参照)。また、この実施の形
態のように最初にパーティング面の接合を行わず、型閉
手段により圧縮開始位置L1へ直接移動され、圧縮開始
位置L1の位置決めをするものでもよい。
ける型開き量はゲート部の厚さTが0.8mmとなる位
置に位置決めされる。また、この際のゲート部12の厚
さTは、成形品Pの形状(特に成形品の薄肉端P1の厚
さ)や樹脂の種類等により左右されるが、0.7mm〜
2.0mmに位置決めされることが好ましい範囲であ
る。
内のピストン31を後退させ、ロッド30を後退させる
ことにより、ホットチップ26の前方側の内壁であるノ
ズルシール部29に当接していたロッド30の先端部3
2の内壁への当接が解除され、溶融樹脂通路22とキャ
ビティ11が連通される。その状態でほぼ同時に射出装
置19による溶融樹脂の射出が行われる。この実施の形
態では使用される樹脂はアクリルであり、ノズル温度は
265℃に設定されている。溶融樹脂の射出圧は最大1
4Mpaであり、その射出量は、前記の所定間隔に型開
きされたキャビティ内容積に対し90%の容積の溶融樹
脂が射出される。これらは成形品Pの形状、ゲート部1
2の形状、使用される樹脂の種類等により相違するが、
圧締速度と溶融樹脂の冷却との関連から所定間隔に型開
きされたキャビティ内容積に対し50%以上の容積の溶
融樹脂が射出されることが好ましい(図3の(b)を参
照)。
位置に到達すると制御手段から圧締手段に対し可動金型
6を圧縮終了位置L2に向けて圧締させる指令が出さ
れ、キャビティ11内の溶融樹脂の圧縮が開始される。
が経過すると、前記のバルブゲート装置23が閉じら
れ、溶融樹脂のキャビティ11、ゲート部12、ランナ
ー部34、スプルー部33への供給および溶融樹脂の戻
りが遮断される。バルブゲート装置23が閉じられた後
も圧締手段による可動金型6を介しての溶融樹脂の圧縮
は行われ可動金型6は、所定時間経過後、圧縮終了位置
L2において停止される(図3の(c)を参照)。この
実施の形態においては圧縮開始位置L1から圧縮終了位
置L2に向けて可動金型6の移動は4秒かけて圧締力は
最大1400kNで行われ、0.2mmの移動が行われ
る。
溶融樹脂の射出量と、圧締手段13により溶融樹脂の圧
縮時間の設定により決定されるが、圧縮終了位置L2に
おいて可動金型6のパーティング面46と固定金型3の
パーティング面44は当接しない状態に設けられる。圧
縮終了位置L2においては、成形される導光板の形状と
キャビティ11の形状が略一致することは言うまでもな
く、ゲート部12もそれに合わせて間隔が狭められる。
この実施の形態では圧縮終了位置L2におけるゲート部
12の厚さTは0.6mmである。圧縮終了位置L2に
おけるゲート部12の厚さTは、成形品Pの薄肉端P1
の厚さや樹脂の種類等により左右されるが、0.3mm
〜0.9mm程度が好ましい。そして圧縮開始位置L1
から圧縮終了位置L2への間の可動金型の移動量は、
0.1mm〜1.5mmの範囲であることが好ましい。
よって圧締終了時におけるゲート部12の厚さTは、圧
縮開始位置L1のゲート部12の厚さTさよりも最低
0.1mm以上小さい値である。
終了位置L2にて可動金型6は、圧締手段により保持さ
れ、成形品Pは冷却される。やがて所定時間が経過し成
形品Pの冷却が完了すると可動金型6の型開きが行われ
る。成形品Pは可動金型6側に付着して型開きされる。
可動金型6が成形品取出位置まで型開きされると、取出
装置53により成形品Pは固定金型3側に向けて取出し
がされる。この際ほぼ同時にエジェクタ装置49のシリ
ンダ50のピストン51が移動され、ロッド52が成形
品Pに付着したスプルーSを突出すことにより成形品P
は容易に可動金型6から取出される。図4に示されるよ
うに、取出しされた成形品Pは薄肉端P1の中央にゲー
トGを介してランナーRが形成され、ランナーRにスプ
ルーSが形成されている。
実施の形態として図5により説明する。なお上記の実施
の形態と重複する部分の説明は省略する。別の実施の形
態では成形装置61の可動金型62は、本体部64と可
動周壁部65から形成され、型閉時には本体部64と可
動周壁部65により凹状部63が形成される。可動金型
62の凹状部63の底に当たる本体部64の前面66
は、キャビティ67、ゲート部68、ランナー部69の
周囲の形状に一致しており、その形状に合わせて固定金
型70側に向けて突出している。
部71となっており、凹部71の金型中心側の外向き側
面71aには、可動周壁部65がバネ72を介して外向
き方向に取付けられている。可動周壁部65は摺動部7
3を介して本体部64に対し型閉方向と略直角方向に摺
動可能に設けられ、常態では可動周壁部65は前記バネ
72の付勢により本体部64の凹部71の金型外側の内
向き側面71bに向けて押付けられ、本体部64から一
定間隔外側に位置している。また凹部71は、本体部6
4のみに設けず、本体部64と別の部材との間に凹部7
1を設けるものでもよい。
固定金型70に向けて突出して設けられている。可動周
壁部65の前方側の内側には内向き側面74が設けら
れ、前記内向き側面74はキャビティ67、ゲート部6
8、ランナー部69の側面を形成し、後述する固定金型
70の凸状部79が、可動周壁部65の内向き側面74
に嵌挿可能に設けられている。可動周壁部65の前方外
側には前方側から後方側に向けて可動周壁部65が肉厚
となるように摺動面75が設けられ、固定金型70の案
内手段である案内面76と摺動自在に設けられている。
そして可動周壁部65は、型閉時に案内面76に案内さ
れ、本体部64側に移動されて本体部64と当接するこ
とにより、可動金型62側に凹状部63が形成される。
れる。凸状部79の前面77は、キャビティ67、ゲー
ト部68、ランナー部69の形成面が形成され、その周
囲には可動金型62の可動周壁部65の一部が挿入され
る凹部78が設けられている。凹部78の金型中心側の
外向き側面78aは、型閉時に可動金型62の凹状部6
3の内側に嵌挿される。その際可動金型62の可動周壁
部65の内向き側面74と、固定金型70の凹部78の
外向き側面78aとの間には空気は通過可能であるが、
溶融樹脂は通過不可能なベントが設けられる。凹部78
の金型外側の内向き側面78bには固定金型70の奥に
向かって凹部78の間隔が徐々に狭くなる傾斜面からな
る案内手段である案内面76が設けられており、可動周
壁部65の摺動面75と摺動自在に設けられている。凹
部78についても前記の凹部71と同様に固定金型70
を構成する別の部材の間に設けられたものでもよい。ま
た、成形装置61には図示しない型閉装置と圧締装置が
設けられ、圧締装置のラム80は可動盤81に固定され
ている。
いて説明する。型閉装置により可動金型62を固定金型
70に向けて型閉を行う。所定量型閉を行うと可動金型
62の可動周壁部65の摺動面75と固定金型70の案
内面76が当接する。なおも可動金型62を固定金型7
0側に移動させると、可動周壁部65は案内面76に案
内されて、バネ72の付勢力に抗して本体部64側に押
し込まれ、可動金型62には本体部64と可動周壁部6
5により凹状部63が形成される。
金型62の凹状部63に対し、固定金型70の凸状部7
9が嵌挿される。この別の実施の形態では可動金型62
側に凹状部63が形成されるのと、固定金型70の凸状
部79が嵌挿されるのがほぼ同時に行われるものについ
て記載したが、凹状部63が形成された後に凸状部79
を嵌挿するもの、凸状部79が嵌挿された後に凹状部6
3が完全に形成されるものでもよい。
れ、圧縮開始位置L1の設定が行われる。このときのキ
ャビティ67、ゲート部68、ランナー部69の厚さは
成形品Pのキャビティ等の厚さよりも厚い状態に設けら
れる。この別の実施の形態でもキャビティは楔型の断面
形状の導光板を成形するために、厚肉端82と薄肉端8
3を有しており、薄肉端83にはゲート部68が連通し
て設けられている。その状態で射出装置84から溶融樹
脂をキャビティ67内に射出する。射出後に圧締手段に
より可動金型62を圧締し、キャビティ67、ゲート部
68、ランナー部69の厚さを減少させつつ、キャビテ
ィ67内の溶融樹脂を圧縮することにより、導光板の成
形を行う。そして所定時間経過後に圧締手段による圧縮
が終了される。圧縮終了後は溶融樹脂が冷却される間圧
縮終了位置L2で保持される。
て更に別の実施の形態として図6により説明する。なお
上記の実施の形態と重複する部分の説明は省略する。更
に別の実施の形態では成形装置91の可動金型92は、
本体部94と枠体95から構成される。本体部94は可
動盤93に固定され、固定金型側側面は押圧面96とな
っている。押圧面96を固定金型97側から見た形状は
キャビティ98、ゲート部99、ランナー部100の形
状に一致している。
に設けられた外向きの周囲の面101には前記枠体95
が本体部94に嵌挿されている。本体部94と枠体95
との嵌挿状態は、空気は通すが、溶融樹脂は通さない状
態に設けられている。枠体95の固定金型側側面には、
接合面102が設けられている。前記接合面102は、
本体部94の押圧面96よりも型閉方向に向けて突出し
ており、押圧面96と枠体95の内側側面103の一部
によってキャビティ98、ゲート部99、ランナー部1
00の形成面の一部が形成される。本体部94の基部1
04の四隅には、固定金型に対する枠体の型閉方向の位
置を調整する調整手段としての油圧シリンダ105が設
けられている。油圧シリンダ105のロッド106は前
記枠体95に固定されている。
7には図示しない油圧回路が接続されており、油圧回路
のポンプ、サーボバルブ等により油圧量を制御すること
により本体部94に対する枠体95の型閉方向における
位置を調整する。また、調整手段は油圧シリンダ105
に限定されず、本体部94と枠体95との間にバネを設
けたものでもよく、枠体95をモータ等の移動装置によ
り移動させるものでもよい。
はスタンパ109が図示しない爪により取付けられ、キ
ャビティ形成面が形成されている。スタンパ109は取
付部も含めるとキャビティ形成面より大きい面積を有
し、スタンパ109の取付部を含めた周辺部は型閉時に
可動金型92の接合面102が近接してキャビティ形成
面を構成しない。スタンパ109の周辺部と接合面10
2の型閉時の間隔は溶融樹脂が通過しない間隔に設定さ
れる。前記スタンパ109の外側の固定金型97には接
合面108が設けられている。接合面108は型閉時に
枠体95の接合面102と当接して接合面同士の内側に
キャビティ98、ゲート部99、ランナー部100の周
囲を形成し密閉するものである。そして本体部94の押
圧面96を固定金型97に向けて移動させることによ
り、楔型の断面形状を成形する厚肉端110と薄肉端1
11を有するキャビティ98、ゲート部99、ランナー
部100の厚さが可変に設けられる。
いて説明する。まず調整手段である油圧シリンダ105
のシリンダ側油室107に油量を制御して導入すること
により、可動金型92の枠体95の本体部94に対する
位置を決定する。この枠体95の位置決定は、圧縮開始
位置L1におけるキャビティ98の容量およびキャビテ
ィ98やゲート部99の厚さを決定するものである。
2を移動させ、枠体95の接合面102と固定金型97
の接合面108を当接させキャビティ98、ゲート部9
9、ランナー部100を形成する。この可動金型92と
固定金型97の当接位置が圧縮開始位置L1となり、こ
のときのキャビティ98の厚さは成形品の厚さよりも厚
い状態である。また同時にゲート部99の厚さも圧縮終
了位置L2のゲート部の厚さよりも厚くなっている。
る。キャビティ98内に溶融樹脂が射出されると、圧締
手段である油圧シリンダのラム112により可動金型9
2の本体部94を可動金型に向けて圧締する。この際に
油圧シリンダ105を制御しシリンダ側油室107の油
量を減少させることにより、本体部94の対する枠体9
5の位置を調整しキャビティ98の容積を減少させつつ
キャビティ98内に射出された溶融樹脂を圧縮すること
が可能である。そして所定時間経過後に圧締手段による
圧縮が終了される。圧縮が終了した圧縮終了位置L2に
おいても油圧シリンダ105のシリンダ側油室107に
はわずかに油量が残されるように制御がなされ、圧縮終
了後は溶融樹脂が冷却される間その位置で保持される。
なお、更に別の実施の形態のものでは固定金型97側に
スタンパ109が取付けられているから、成形品Pには
スタンパ109により転写される。
ものに限定されず、次のようなものを適宜組み合わせた
ものでもよい。上記の実施の形態においては、使用され
る樹脂についてはアクリルを用いるものについて記載し
たが、ポリカーボネートを使用してもよい。その場合、
ノズルにおける溶融樹脂の設定温度と、型温は、アクリ
ルの場合と比較してそれぞれ50℃程度高く設定され
る。
脂通路に設けられた開閉手段であるバルブゲート装置を
閉鎖することにより樹脂の流動を閉鎖するものについて
記載したが、キャビティの溶融樹脂に継続して圧縮が行
われている間もバルブゲート装置を開放したままにして
射出装置による保圧を制御し、溶融樹脂のバックフロー
を調節し、圧縮中または圧縮完了後に、成形品Pの冷却
中にバルブゲート装置を閉鎖するものでもよい。
量は、圧縮開始位置L1におけるキャビティ内の容積と
ほぼ同量とし、圧締によりキャビティの容量が減少した
分の溶融樹脂は溶融樹脂通路および射出装置側にバック
フローさせるものでもよい。また、バルブゲート装置を
設けずに射出装置の保圧を制御することにより、溶融樹
脂のバックフローを調節するものでもよい。更にホット
ランナーユニットについても必須のものではなく、射出
装置からスプルーブッシュを介して直接キャビティへ溶
融樹脂を供給するものでもよい。
5インチの楔型の断面形状の導光板を成形するものにつ
いて記載したが、スプルー部から放射方向に複数のラン
ナー部、ゲート部、キャビティを両金型の凹状部と凸状
部の間に設け、複数の成形品Pを同時に成形することも
できる。
凹状部が形成された一方の金型と、前記金型の凹状部に
対し嵌挿可能な凸状部が形成された他方の金型と、両金
型の凹状部と凸状部の間に厚さが可変に形成され楔型の
断面形状の導光板を成形する厚肉端と薄肉端を有するキ
ャビティとキャビティの薄肉端に連通するゲート部が形
成され、前記キャビティの厚さが成形品の厚さより厚い
状態でキャビティ内に溶融樹脂を射出し、キャビティ内
の溶融樹脂を圧締手段により圧縮するように設けたの
で、ゲート部の断面積が大きい状態でキャビティ内への
溶融樹脂の射出を行うことができ、薄肉端にゲート部を
設けたにもかかわらず溶融樹脂の流動が良好となった。
その結果導光板の射出成形において厚肉端にゲートを設
ける方法で成形していた際に必要だったゲート部を切断
した後に、ゲート部の痕跡を研磨するなどの後処理をす
る必要がなくなった。また導光板の側方端にゲート部を
設けたものでは導光板の厚肉部と薄肉部への溶融樹脂の
流動が不均一となりやすいという問題があったが、そう
いった問題の発生がなくなった。
果に加え、一方の金型の凹状部の一部を可動周壁部によ
って形成することにより、固定金型に対して可動金型を
嵌挿する際にかじりが発生することがあるという問題が
なくなった。請求項3の発明によれば、固定金型と可動
金型の平面同士が当接するため、凹状部と凸状部を嵌挿
させる金型を製造する際のような金型の製造精度が求め
られず、かじりの問題などに配慮する必要もなくなっ
た。
開閉手段を制御することにより、キャビティ内の溶融樹
脂の圧縮制御が容易になった。請求項5の発明によれ
ば、ゲート部の長さが所定値以下であるので、ゲート部
等に必要とされる余分な樹脂を減少させることが可能と
なり、また成形後のゲート部の切断が容易になった。請
求項6の発明によれば、0.3mm〜0.9mmの厚さ
の薄肉端を有する導光板を成形する際に薄肉端にゲート
部を設けることが可能となった。
を設ける方法で導光板を成形していた際に必要だったゲ
ート部を切断した後を研磨するなどの後処理をする必要
がなくなった。また導光板の側方端にゲート部を設けた
ものと比較して導光板の成形不良が減少した。請求項8
の発明によれば、キャビティの溶融樹脂を圧縮中に任意
の位置で溶融樹脂通路の開閉手段を閉鎖することが可能
であり、溶融樹脂のバックフローを調節することが容易
になった。
る。
大説明図である。
明図である。
ナー等が付いた状態の成形品を示す図である。
面図である。
の断面図である。
Claims (8)
- 【請求項1】 固定金型又は可動金型のうち凹状部が形
成された一方の金型と、前記金型の凹状部に対し嵌挿可
能な凸状部が形成された他方の金型と、両金型の凹状部
と凸状部の間に厚さが可変に形成され楔型の断面形状の
導光板を成形する厚肉端と薄肉端を有するキャビティと
キャビティの薄肉端に連通するゲート部と、前記キャビ
ティの厚さが成形品の厚さより厚い状態でキャビティ内
に射出された溶融樹脂を圧縮する圧締手段とからなるこ
とを特徴とする導光板の成形装置。 - 【請求項2】 凹状部が形成された一方の金型は、本体
部と、本体部の周囲に設けられ本体部より他方の金型に
向かって突出した可動周壁部とからなり、前記可動周壁
部は型閉時に他方の金型の案内面に案内されることによ
り本体部に向けて移動され凹状部が形成されることを特
徴とする請求項1に記載の導光板の成形装置。 - 【請求項3】 可動盤に固定され押圧面を有する本体部
と、本体部の周囲に外挿され本体部の押圧面より型閉方
向に向かって突出した接合面を有する枠体と、本体部に
対する枠体の型閉方向の位置を調整する調整手段とから
なる可動金型と、前記枠体の接合面の位置に対応する接
合面を有する固定金型と、前記可動金型と固定金型との
型閉時に前記接合面同士の内側に前記調整手段によって
厚さが可変に形成され楔型の断面形状の導光板を成形す
る厚肉端と薄肉端を有するキャビティとキャビティの薄
肉端に連通するゲート部と、可動金型を固定金型に向け
て移動させる型閉手段と、前記キャビティの厚さが成形
品の厚さより厚い状態でキャビティ内に射出された溶融
樹脂を圧縮する圧締手段とからなることを特徴とする導
光板の成形装置。 - 【請求項4】 ゲート部に連通する固定金型の溶融樹脂
通路に開閉手段が設けられたことを特徴とする請求項1
ないし請求項3に記載の導光板の成形装置。 - 【請求項5】 ゲート部の長さが成形される導光板の薄
肉端面長さの6%ないし30%となるように設けられた
ことを特徴とする請求項1ないし請求項4に記載の導光
板の成形装置。 - 【請求項6】 可動金型の圧縮開始位置におけるゲート
部の厚さが0.7mmないし2.0mmであり、可動金
型の圧縮終了位置におけるゲート部の厚さが0.3mm
ないし0.9mmであってかつ圧縮開始位置におけるゲ
ート部の厚さより0.1mm以上小さい値であることを
特徴とする請求項1ないし請求項5に記載の導光板の成
形装置。 - 【請求項7】 可動金型と固定金型との間に、楔型の断
面形状の導光板を成形する厚肉端と薄肉端を有するキャ
ビティとキャビティの薄肉端に連通するゲート部とが可
動金型の移動によりそれぞれ厚さを可変に設けられ、前
記キャビティの厚さが成形品の厚さより厚い状態でゲー
ト部からキャビティ内に溶融樹脂を射出し、圧締装置に
より可動金型を固定金型に向けて圧締し、キャビティ及
びゲート部の厚さを減少させつつ少なくともキャビティ
内に射出された溶融樹脂を圧縮することを特徴とする導
光板の成形方法。 - 【請求項8】 固定金型の溶融樹脂通路に開閉手段が設
けられ、成形される導光板の厚さより所定間隔だけキャ
ビティの厚さが厚い状態で開閉手段を開放して溶融樹脂
をキャビティ内に射出し、溶融樹脂を圧縮するとともに
溶融樹脂の圧縮中に開閉手段を閉鎖することを特徴とす
る請求項7に記載の導光板の成形方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001296660A JP3898015B2 (ja) | 2001-09-27 | 2001-09-27 | 導光板の成形装置 |
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JP2003103588A true JP2003103588A (ja) | 2003-04-09 |
JP3898015B2 JP3898015B2 (ja) | 2007-03-28 |
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JP (1) | JP3898015B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007038535A (ja) * | 2005-08-03 | 2007-02-15 | Kuraray Co Ltd | 板状樹脂成形品の製造方法 |
JP7399718B2 (ja) | 2020-01-14 | 2023-12-18 | 株式会社小糸製作所 | 射出成形品とその成形方法 |
-
2001
- 2001-09-27 JP JP2001296660A patent/JP3898015B2/ja not_active Expired - Fee Related
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