JP2007034196A - 導電材としてのカーボンナノチューブを含む導電糸およびこれを用いた画像形成装置用ブラシ - Google Patents
導電材としてのカーボンナノチューブを含む導電糸およびこれを用いた画像形成装置用ブラシ Download PDFInfo
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Abstract
【課題】 導電材の含有量が少なく、強度が高く、抵抗値のばらつきが小さい導電糸およびこれを用いた画像形成装置用ブラシを提供する。
【解決手段】 母材樹脂211、221にカーボンナノチューブを分散させ、溶融紡糸、延伸して導電糸210、220を作製した。カーボンナノチューブの含有量が上記母材樹脂に対して1重量%以上10重量%以下とすることにより、強度が高く、抵抗値のばらつきが小さい導電糸を得ることができた。
【選択図】図2
【解決手段】 母材樹脂211、221にカーボンナノチューブを分散させ、溶融紡糸、延伸して導電糸210、220を作製した。カーボンナノチューブの含有量が上記母材樹脂に対して1重量%以上10重量%以下とすることにより、強度が高く、抵抗値のばらつきが小さい導電糸を得ることができた。
【選択図】図2
Description
本発明は、導電材としてのカーボンナノチューブを含む導電糸およびこれを用いた画像形成装置用ブラシに関するものであり、特に、電子写真複写機、電子写真プリンター等の帯電ブラシや転写用ブラシ等に適した導電糸およびこれを用いた画像形成装置用ブラシに関するものである。
電子写真複写機、電子写真プリンター等の画像形成装置には、静電潜像担持体表面を帯電させる帯電用ブラシ、トナー像を転写材へ転写する転写用ブラシ、感光体上の転写残トナーを除去するクリーニング用ブラシ等の各種画像形成装置用ブラシが用いられている。これらの画像形成装置用ブラシは、静電気を利用するものが多いため、一般に、ナイロン等の繊維に導電材を分散させて抵抗値を所望の値に調整した導電糸が用いられており、上記導電材としては、カーボンの粉末が最も一般的に用いられている。上記ブラシの用途は、近年拡大傾向にあり、それに伴ってブラシへの要求仕様が多様化する傾向にあるため、導電糸としては、強度や加工性に優れたものが求められるようになって来ている。
さらに、近年は、新素材を応用したブラシの開発も精力的に進められている。例えば、ナノテクノロジーの代表的素材であるカーボンナノチューブを、導電材としてではなく、ブラシとして作用させることを目的とした画像形成装置用ブラシがいくつか提案されている(特許文献1〜3)。
特開2001−281964号公報(平成13(2001)年10月10日公開)
特開2001−281965号公報(平成13(2001)年10月10日公開)
特開2001−281966号公報(平成13(2001)年10月10日公開)
しかしながら、上記従来のカーボン粉末を分散させた導電糸は、強度が十分ではなく、細繊維化が困難であるという問題がある。
すなわち、上記従来のカーボン粉末を分散させた導電糸は、カーボン粉末を母材樹脂に対して20〜35重量%含有させなければ導電性を示すことができず、カーボン粉末の含有量が非常に多いため、強度が弱くなってしまう。また、強度が弱いため加工性に劣り、細繊維化は困難である。
また、種々の用途に適合させた所望の導電性を持つブラシを得る必要性に鑑みると、導電糸にとって抵抗値は最も重要なパラメータであるが、カーボン粉末を分散させた導電糸では、カーボン粉末の含有量が非常に多いため、抵抗値のばらつきが大きくなるという問題がある。
さらに、上記特許文献1〜3に記載された帯電ブラシは、繊維の先端よりカーボンナノチューブを露出させ、カーボンナノチューブそのものをブラシとして作用させるものであるが、カーボンナノチューブを導電材として用いるものではなく、カーボンナノチューブを導電材として分散させた導電糸に関する知見は存在していない。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、導電材の含有量が少なく、強度が高く、抵抗値のばらつきが小さい導電糸およびこれを用いた画像形成装置用ブラシを提供することにある。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討した結果、導電材としてのカーボンナノチューブが母材樹脂の内部に分散された導電糸が、従来のカーボン粉末を含有する導電糸よりも導電材の含有量を大幅に減少させることができるとともに、導電糸の強度を強化でき、導電糸の抵抗値のばらつきを低減することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明に係る導電糸は、母材樹脂と、導電材としてのカーボンナノチューブとを少なくとも含み、上記カーボンナノチューブが上記母材樹脂の内部に分散された導電糸であって、上記カーボンナノチューブの少なくとも両端が上記母材樹脂の内部に保持されていることを特徴としている。
また、本発明に係る導電糸は、上記カーボンナノチューブの全体が上記母材樹脂の内部に保持されていることが好ましい。
上記構成によれば、母材樹脂に分散されたカーボンナノチューブの向きが、母材樹脂の内部において、糸の長さ方向にほぼ揃うため、少量のカーボンナノチューブで母材樹脂に導電性を付与することができる。また、導電材の含有量を少なくすることができるので導電糸の強度を高めることができ、導電糸の抵抗値のばらつきを小さくすることができる。
また、本発明に係る導電糸では、上記母材樹脂が熱可塑性樹脂であることが好ましい。上記構成によれば、熱可塑性樹脂は導電糸の母材樹脂として広く用いられているので、ナイロンやポリエステル等、多種類の汎用性のある母材樹脂に導電性を付与しつつ、導電糸の強度を高め、抵抗値のばらつきを小さくすることができる。
また、本発明に係る導電糸では、上記分散の態様が均一分散型であることが好ましい。ここで「均一分散型」とは、導電材を母材樹脂に分散させる態様の一つであって、導電材を母材樹脂に均一分散せしめることをいう。上述のように、従来の導電糸は、カーボン粉末を高濃度に均一分散させているために繊維が脆く、ブラシとしての機械的物性に劣ることなどの問題点があったが、本発明に係る導電糸では導電材としてカーボンナノチューブを母材樹脂に分散させているので、分散の態様が均一分散型であっても導電糸の強度を低下させることがない。したがって、均一分散型の導電糸の製造に好適に用いることができる。
また、本発明に係る導電糸では、上記分散の態様が複合型であることが好ましい。ここで「複合型」とは、導電材を母材樹脂に分散させる態様の一つであって、絶縁層と導電層とを混在させることをいう。例えば、母材樹脂により導電性成分をサンドイッチ状に挟む態様や、母材樹脂の外周を導電性成分によって覆う態様等が挙げられる。分散の態様が複合型である場合、温湿度雰囲気下で安定して感光体表面を均一に帯電することができるという利点があるため(例えば特開平11−65227号公報(平成11年(1999年)3月5日公開)を参照)、上記分散の態様を複合型にすれば、少ない導電材の量で母材樹脂に導電性を付与でき、強度に優れ、抵抗値のばらつきが少ない導電糸を得ることができるという上述の効果の他、上記利点を有する導電糸を得ることができる。
また、本発明に係る導電糸では、上記カーボンナノチューブの含有量が上記母材樹脂に対して1重量%以上10重量%以下であることが好ましい。カーボンナノチューブの含有量を当該範囲とすることにより、母材樹脂に対する導電材としてのカーボンナノチューブの量を適正量に保つことができるので、母材樹脂に導電性を付与することができるとともに、導電糸の強度を高めることができ、抵抗値のばらつきを小さくすることができる。
本発明に係る画像形成装置用ブラシは、本発明に係る導電糸を含むことを特徴としている。本発明に係る導電糸は、上述のように少量のカーボンナノチューブにより導電性が付与され、高い強度を持ち、抵抗値のばらつきが小さい。したがって、所望の抵抗値を有するとともに、強度が高く、抵抗値のばらつきが小さいという良好な特性を持つ画像形成装置用ブラシを得ることができる。
本発明に係る画像形成装置用ブラシは、さらに、上記導電糸の平均体積抵抗値が10Ωcm以上108Ωcm以下であることが好ましい。画像形成装置用ブラシには、上述のように、例えば帯電用ブラシ等の種々の用途があるが、平均体積抵抗値が上記範囲内であれば全ての用途に対応可能であるため好ましい。
以上のように、本発明に係る導電糸は、母材樹脂と、導電材としてのカーボンナノチューブとを少なくとも含み、上記カーボンナノチューブが上記母材樹脂の内部に分散された導電糸であって、上記カーボンナノチューブの少なくとも両端が上記母材樹脂の内部に保持されている構成である。
したがって、母材樹脂に導電性を付与するための導電材の含有量を、従来のカーボン粉末を用いた導電糸に比べて大幅に減少させることができるという効果を奏する。また、導電材の含有量を減少させることができるので、導電糸の強度を高めることができ、導電糸の抵抗値のばらつきを小さくすることができるという効果を奏する。
本発明の実施の形態について説明すれば以下のとおりであるが、本発明はこれに限定されるものではない。以下、本発明に係る導電糸について詳述する。
本明細書において「母材樹脂」とは、導電糸の基材となる樹脂をいう。母材樹脂としては、カーボンナノチューブを内部に分散することができるものであれば特に限定されるものではなく、熱可塑性樹脂であっても熱硬化性樹脂であってもよいが、導電糸の母材樹脂として広く用いられているため、熱可塑性樹脂を好適に用いることができる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、レーヨン、ナイロン、アセテート、銅アンモニア、ビニリデン、ビニロン、フッ化エチレン、プロミックス、ベンゾエート、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリクラール、ポリノジック、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアミド等を挙げることができる。
また、熱硬化性樹脂としては、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂等を挙げることができる。
これらの母材樹脂の内部に導電材としてのカーボンナノチューブを分散させることにより、その分散量に応じて適宜所望の抵抗値を得ることができる。
従来の導電糸において一般的に用いられている導電剤であるカーボン粉末は、サブミクロンの球形に近い形状であるのに対し、カーボンナノチューブは、直径対長さの比が非常に大きい。また、母材樹脂内におけるカーボンナノチューブの向きは導電糸の長さ方向にほぼ揃っている。このため、本発明に係る導電糸は、従来の導電糸より導電剤の含有量が少なくても導電性を得ることができると考えられる。
上記カーボンナノチューブは単層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブのどちらでもよい。カーボンナノチューブとは、グラファイト状炭素原子面を丸めた円筒の1個または数個〜数十個が、入れ子状に配列した繊維状構造を有し、その直径がナノメートルオーダーのきわめて微細な物質である。グラファイト状炭素原子面を丸めた円筒が1個のものを単層カーボンナノチューブ、複数個のものを多層カーボンナノチューブという。
単層カーボンナノチューブの大きさは触媒によって異なり、直径が0.7〜50nm、軸方向の長さ(以後長さと略す)は10nm〜1mmであり、より合成しやすい大きさは直径が0.7〜5nm、長さが30nm〜100μmである。一方、多層カーボンナノチューブは直径が1〜500nmで、長さが10nm〜1mmであり、より合成しやすい大きさは直径が2〜50nmで、長さが300nm以上である。
カーボンナノチューブは以下の方法によって作製される。単層カーボンナノチューブは、陽極としてグラファイトにFe,Co,Ni,Ru,Rh,Pd,Os,Ir,Pt,La,Y等の金属触媒を混合したコンポジット棒を用い、陰極としてグラファイト棒を用い、100〜700Torr(1.33×104 〜9.31×104 Pa)のHe,ArまたはH2 雰囲気でのアーク放電により合成する。単層カーボンナノチューブは金属触媒の種類によってチャンバー内壁の煤(チャンバー煤)か、または陰極表面の煤(陰極煤)の中に存在する。
また、前記のコンポジット棒を電気炉中で1000〜1400℃に加熱し、500Torr(6.65×104 Pa)のAr雰囲気で、Nd:YAGパルスレーザーを照射して単層カーボンナノチューブを合成してもよい。合成された単層カーボンナノチューブは種々の不純物を含むため、水熱法、遠心分離法、限外ろ過法等によって80%以上の純度に精製するのがよい。
一方、多層カーボンナノチューブは、陽極、陰極ともグラファイト棒を用い、100〜700Torr(1.33×104 〜9.31×104 Pa)のHe,ArまたはH2 雰囲気でのアーク放電を用いて合成する。多層カーボンナノチューブは陰極上の円柱状堆積物の中心に存在する。またベンゼン、エチレン、アセチレン等の炭化水素をH2 またはHeガス流下で600〜1500℃で熱分解することによっても得られる。多層カーボンナノチューブも合成後は種々の不純物が含まれるため、有機溶媒や界面活性剤が添加された水溶液に分散させた後、遠心分離法や限外ろ過法によって高純度に精製するのがよい。なお、カーボンナノチューブの先端は閉管、開管のどちらの形状でもよい。
本発明に係る導電糸は、母材樹脂、導電材としてのカーボンナノチューブとを少なくとも含むことが必要である。その他の成分としては、カーボンナノチューブの母材樹脂への分散を妨げず、導電糸の強度を低下させないものであれば特に限定されるものではない。例えば、タングステン、ステンレス、金、白金、鉄、銅、アルミニウム等の導電性材料等を含んでいてもよい。
上記カーボンナノチューブは、上記母材樹脂の内部に分散されていることを要する。ここで、「上記母材樹脂の内部に分散されている」とは、カーボンナノチューブの端部が母材樹脂の表面から外部に突出していないことをいう。すなわち、上記カーボンナノチューブの少なくとも両端が上記母材樹脂の内部に保持されていることが必要である。
ただし、できるだけ少量のカーボンナノチューブで母材樹脂に導電性を付与し、導電糸の強度を高くするためには、カーボンナノチューブの向きが導電糸の長さ方向に揃っていることが好ましいため、カーボンナノチューブの一端から他端までの全体が上記母材樹脂の内部に保持されていることが好ましい。
なお、カーボンナノチューブの向きが不揃いになればなるほど、同じ抵抗値の導電糸を得るためにはカーボンナノチューブの含有量を増やさなければならず、カーボンナノチューブの含有量が多くなりすぎると、導電糸の強度が低下してしまうため好ましくない。
また、例えば特許文献1〜3に記載された帯電ブラシは、繊維の表面からカーボンナノチューブを突出させ、カーボンナノチューブそのものをブラシとして作用させるものである。しかしながら、カーボンナノチューブは機械的強度および硬度が非常に高く、しかも非常に細いものである。したがって、カーボンナノチューブそのものをブラシとして作用させると、感光体(特に有機感光体)に接触した際に、感光体に高い圧力がかかり、細いスジ状の傷をつけてしまう可能性があるため好ましくない。したがって、感光体保護の観点からも、カーボンナノチューブは、表面に突出せず、一端から他端までの全体が上記母材樹脂の内部に保持されていることが好ましいといえる。
さらに、カーボンナノチューブは、単体では抵抗値が低いため、表面に突出していると、異常放電やリークを起こす可能性がある。したがって、カーボンナノチューブは、表面に突出せず、一端から他端までの全体が上記母材樹脂の内部に保持されていることが好ましい。
なお、上記特許文献1〜3においてはカーボンナノチューブの突出量は0.2μm〜5μmと記載されているが、係る長さではブラシ毛として短すぎるため、特許文献1〜3の構成では、実際上カーボンナノチューブをブラシとして作用させることは困難である。
本発明に係る導電糸は、カーボンナノチューブそのものをブラシとして作用させるのではなく、導電材として用いるものである。導電材としてのカーボンナノチューブを母材樹脂の内部に分散させることにより、従来のカーボン粉末等を導電材として用いる導電糸に比べて大幅に導電材の使用量を減らすことができ、その結果、強度に優れ、抵抗値のばらつきの少ない導電糸を得ることができる。
また、本発明に係る導電糸は、強度が高いため、従来の導電糸よりも優れた加工性を有する。例えば、所望の強度を保ちつつ、導電糸の径を従来よりも細くすることができる。したがって、画像形成装置用ブラシの小型化や製造コストの低減を図ることができる。また、本発明に係る導電糸は、抵抗値のばらつきが小さいため、帯電能力や除電能力等、導電糸に求められる種々の特性を安定化することができる。
ここで、上記抵抗値のばらつきについて説明する。通常、導電糸は例えば500g単位や1kg単位の定量をコーンに巻き、コーン毎に抵抗値の測定がなされる。抵抗値は、例えば、糸の両端に電圧を印加し、流れる電流の値を電流計で読み取り、計算することによって求められ、1コーンの導電糸につき数百ポイントの抵抗値が測定され、平均値が求められる。
通常、数十から数百コーンの導電糸を用いてブラシ用のパイル織り生地が製織されるが、この数十から数百コーンの導電糸の体積抵抗値の平均値を平均体積抵抗値という。なお、導電糸の体積抵抗値とは、以下の式1によって示されるパラメータである。
ρ=r・S/L・・・式1
ρ:導電糸の体積抵抗値(Ω・cm)
r:導電糸の抵抗値(Ω)
S:導電糸の断面積(cm2)
L:導電糸の長さ(cm)
次に、導電糸の平均体積抵抗値の算出方法の一例について説明する。まず、1コーンの導電糸(断面積Scm2)について、Lcmに切った導電糸の束を200束用意する。そして、導電糸一束の両端に電源および電流計を接続して、計測された電流値および電源電圧値から抵抗値r1を算出し、この抵抗値r1の対数logr1を求める。このような計測を200束全てについて行うことにより、logr1〜logr200まで求める。さらに、求めたlogr1〜logr200の平均値であるlograveを求める。次に、lograveからraveを求め、このraveを導電糸の抵抗値の平均値とし、式1に代入することによって、導電糸の体積抵抗値を求めることができる。用いるブラシに織り込む全てのコーンの導電糸について、同様にして体積抵抗値を求める。全てのコーンの体積抵抗値の平均値を計算し、この値をそのブラシの平均体積抵抗値とする。
ρ=r・S/L・・・式1
ρ:導電糸の体積抵抗値(Ω・cm)
r:導電糸の抵抗値(Ω)
S:導電糸の断面積(cm2)
L:導電糸の長さ(cm)
次に、導電糸の平均体積抵抗値の算出方法の一例について説明する。まず、1コーンの導電糸(断面積Scm2)について、Lcmに切った導電糸の束を200束用意する。そして、導電糸一束の両端に電源および電流計を接続して、計測された電流値および電源電圧値から抵抗値r1を算出し、この抵抗値r1の対数logr1を求める。このような計測を200束全てについて行うことにより、logr1〜logr200まで求める。さらに、求めたlogr1〜logr200の平均値であるlograveを求める。次に、lograveからraveを求め、このraveを導電糸の抵抗値の平均値とし、式1に代入することによって、導電糸の体積抵抗値を求めることができる。用いるブラシに織り込む全てのコーンの導電糸について、同様にして体積抵抗値を求める。全てのコーンの体積抵抗値の平均値を計算し、この値をそのブラシの平均体積抵抗値とする。
導電糸や画像形成装置用ブラシの抵抗値は、JIS等で規定されていないので、その測定方法や管理方法は必ずしも定まっていないが、画像形成装置用ブラシの場合、例えば当該ブラシを構成する導電糸のうち、1本の導電糸のみが他より極端に高い抵抗値を有していたとしても、他の多数の導電糸の抵抗値で性能が決まる。したがって、抵抗値、体積抵抗値などは、上述のように平均値で規定しておくことが好ましい。
従来の、カーボン粉末を母材樹脂に対して25%分散させた導電糸の場合、測定した抵抗値をRとした場合、logR=8.0レベルの導電糸で、コーン内の抵抗値の標準偏差は0.1〜0.2程度、コーン間のlogRのばらつきは±0.5程度である。一方、本発明に係る導電糸では、カーボンナノチューブを母材樹脂に対して3%分散させた場合、logR=8.0レベルの導電糸でコーン内の抵抗値の標準偏差は0.03〜0.07、コーン間のlogRのばらつきは±0.3以下であった。
このように、従来の導電糸において抵抗値のばらつきが生じる要因としては、カーボン粉末の含有率の僅かな差で抵抗値が大きく変化することと、母材樹脂内でのカーボン粉末の分散状態の不均一性が挙げられる。具体的には、導電糸におけるカーボン粉末の含有量(母材樹脂に対するカーボン粉末の重量%)が0.1%変化すると抵抗値は1オーダー以上変化する。
これは、母材樹脂内でのカーボン粉末粒子間の距離が抵抗値に相関しており、僅かな距離の変化が抵抗値の変化になってしまうためであると考えられている。したがって、分散状態の僅かな不均一性も抵抗値のばらつきの要因となる。
上記母材樹脂におけるカーボンナノチューブの分散の態様は、特に限定されるものではない。例えば、均一分散型、複合型等を用いることができる。図1は、分散の態様が均一分散型である導電糸100の縦断面を示す模式図である。図1に示すように、均一分散型の導電糸100では、カーボンナノチューブが母材樹脂全体に分散されているため、導電糸100全体が導電性成分で構成されていることになる。
図2は、分散の態様が複合型である導電糸の縦断面を示す模式図である。図2(a)は上記複合型のうち、カーボンナノチューブを母材樹脂に均一に分散させた導電材を、母材樹脂によってサンドイッチ状に挟んだ分散の態様を表している。図2(a)において、導電糸210は、母材樹脂211と、母材樹脂211と同一の樹脂にカーボンナノチューブを均一に分散させて構成した導電材212とからなる複合型導電糸であり、左右一対の蒲鉾型の母材樹脂211により中央の板状に成形された導電材212がサンドイッチ状に挟まれている。ここで、母材樹脂211は絶縁性であり、導電材212は導電性である。
また、図2(b)は、上記複合型のうち、カーボンナノチューブを母材樹脂に均一に分散させた導電材によって、母材樹脂の外周を覆った分散の態様を表している。図2(b)において、導電糸220は、母材樹脂221と、母材樹脂221と同一の樹脂にカーボンナノチューブを均一に分散させて構成した導電材222とからなる複合型導電糸であり、円柱状の母材樹脂221の外周を導電材222が覆っている。ここで、母材樹脂221は絶縁性であり、導電材222は導電性である。ただし、分散の態様はこれに限定されるものではなく、抵抗値が所望の値に調整できればよいので、例えば、導電材の外周を母材樹脂によって覆ったものであってもよい。
本発明の導電糸の横断面形状は特に限定されるものではなく、丸断面形状のもののみならず、四角や三角の多角形のものや中空のものでもよい。
次に、本発明の導電糸の製造方法を説明する。本発明の導電糸は、カーボンナノチューブと母材樹脂とを、例えばエクストルーダーで混練・溶融してカーボンナノチューブを母材樹脂に分散させ、紡糸口金より押し出し、冷却・延伸を行うなどの公知の方法で製造することができる。
カーボンナノチューブと母材樹脂との混練・溶融方法としては、例えば、二軸エクストルーダー等を用いて、カーボンナノチューブを母材樹脂と直接混練することもできるが、カーボンナノチューブを高濃度に含有したマスターチップを作製してから混練するほうが、より均一な混練ができるため好ましい。
また、マスターチップとして用いられる樹脂は、導電糸と同じ物性(例えば分子量)を有するものを用いることができるが、カーボンナノチューブの高濃度化の観点から上記樹脂の共重合体や母剤樹脂よりも低分子量のものがより好ましい。例えば、イソフタル酸、スルホイソフタル酸、ポリエチレングリコール等を0.3〜30モル%共重合したポリエステルやポリアミド等が挙げられる。また、低分子量のものとしては、母剤樹脂との相対粘度比で40〜100%程度のものが好ましく、さらに好ましくは45〜80%程度のものである。
溶融紡糸の方法は特に限定されるものではなく、常法によって行うことができる。紡糸温度は用いる樹脂の融点Tmに対して、Tm+10〜Tm+80℃の範囲とすることが好ましい。紡糸温度が高すぎると母材樹脂が熱分解を起こし、円滑な紡糸が困難になるとともに得られるフィラメントの物性が劣ったものとなる。また紡糸温度が低すぎると未溶解物等が残るために、均一な混練ができなくなるため好ましくない。
紡出されたフィラメントは、0〜100℃、好ましくは15〜40℃の冷却風により冷却される。冷却温度をあまり低くすると温度管理及び作業性等に困難をきたし、高すぎると冷却不足となり最終的に得られるフィラメントの糸質性能が劣ったものとなる。
冷却後のフィラメントに付与する紡糸油剤においては、ポリアミン系カチオン界面活性剤〔例えば、「サファノール503−D(三洋化成株式会社製)」、「CA−200(正研化工株式会社製)」〕、多価アルコール系非イオン界面活性剤〔例えば、「サンソフターNP−25(日華化学株式会社製)」、「PS−9(松本油脂株式会社製)」、「KT2A(松本油脂株式会社製)」〕、ノニオン界面活性剤〔例えば「KE−4001(竹本油脂株式会社製)」、「KE−4002(竹本油脂株式会社製)」、「UTN−2631(竹本油脂株式会社製)」〕等が好適に用いられる。
次いで、冷却固化したフィラメントは、500〜1500m/分で一旦巻き取った後に延伸される。延伸は一段又は二段以上の多段で行うことができるが、延伸倍率は、最大延伸倍率の50〜80%で延伸することが好ましい。延伸する際の延伸温度としては、延伸前ローラ温度20〜100℃、ヒータープレート温度120〜180℃とすると好適に延伸することができる。
以上のような紡糸と延伸とによって、カーボンナノチューブの向きが導電糸の長さ方向にほぼ揃うものと考えられる。カーボンナノチューブの向きを揃えるために、紡糸条件としては、カーボン粉末を用いた導電糸よりも導電糸の粘度を低下させ、紡糸速度を遅くすることが好ましい。上記例示した均一分散型の導電糸100、導電材212、導電材222においては、紡糸と延伸とによって、カーボンナノチューブの向きが導電糸の長さ方向にほぼ揃えられ、例えば以下のようにカーボンナノチューブの含有量が制御される。
一実施形態において、上記カーボンナノチューブの含有量は、上記母材樹脂に対して1重量%以上10重量%以下であることが好ましい。
当該含有量が上記母材樹脂に対して1重量%未満であると、母材樹脂に殆ど導電性を付与することができないため好ましくない。また、当該含有量が上記母材樹脂に対して10重量%を超えると、母材樹脂に十分な導電性を付与することはできるが、導電糸におけるカーボンナノチューブの含有量が多くなるため、導電糸の強度が脆弱化する可能性があり好ましくない。
当該含有量を上記母材樹脂に対して1重量%以上10重量%以下とすることにより、母材樹脂に対する導電材としてのカーボンナノチューブの量を適正量に保つことができるので、母材樹脂に導電性を付与することができるとともに、導電糸の強度を高めることができ、導電糸の抵抗値のばらつきを小さくすることができる。
また、上記カーボンナノチューブの含有量は、上記母材樹脂に対して1.5%以上7%以下であることがさらに好ましい。当該含有量が上記母材樹脂に対して1.5重量%未満の場合は導電糸の平均体積抵抗値が比較的高いため好ましくない。当該含有量が上記母材樹脂に対して7%を超えると、平均体積抵抗値は10Ωcm以下になるが、紡糸の歩留まりが低下する傾向があるため好ましくない。
当該含有量を上記母材樹脂に対して1.5%以上7%以下とすることにより、10Ωcm以上108Ωcm以下の平均体積抵抗値の範囲をカバーすることができる。当該平均体積抵抗値の範囲は、画像形成装置用ブラシの全ての用途に対応可能な範囲である。
さらに、上記カーボンナノチューブの含有量は、上記母材樹脂に対して2%以上5%以下であることが特に好ましい。当該含有量は、電子写真装置で最も使用頻度の高い103〜106Ωcmの範囲をカバーでき、紡糸の歩留まりも高いため好ましい。
図3は、導電糸における導電材の含有量と当該導電糸の強度との関係を示す図であり、図3(a)は、導電材がカーボンナノチューブである場合の導電材の含有量と当該導電糸の強度との関係を示す図である。横軸は導電糸におけるカーボンナノチューブの含有量(母材樹脂に対するカーボンナノチューブの重量%)を、縦軸は導電糸の強度を表している。強度の単位としてはdTを用いた。dT(デシテックス)とは、長さ10000mの糸の重さをグラム数で表したものである。図3(a)に示すように、カーボンナノチューブの含有量が3%までは当該含有量の増加とともに導電糸の強度も上昇した。その後は、当該含有量の増加とともに導電糸の強度は漸減する傾向を示した。
これは、カーボンナノチューブの含有量が少ない場合は、カーボンナノチューブが補強剤となって導電糸の強度を向上させるが、含有量が多すぎるとカーボンナノチューブが導電糸にとって不純物となるためであると考えられる。
また、図3(b)は従来のカーボン粉末を分散させた導電糸におけるカーボン粉末と当該導電糸の強度との関係を示す図である。横軸は導電糸におけるカーボン粉末の含有量(母材樹脂に対するカーボン粉末の重量%)を、縦軸は導電糸の強度を表している。導電糸の強度は、カーボン粉末の含有量の増加に伴って減少し、脆弱化する傾向を示した。
本発明に係る画像形成装置用ブラシは、本発明に係る導電糸を含むものである。ここで画像形成装置用ブラシとは、電子写真複写機、電子写真プリンター等の画像形成装置において用いられる導電性ブラシをいい、ブラシの種類としては特に限定されるものではない。例えば、帯電ブラシ、転写用ブラシ、クリーニングブラシ、現像シール用ブラシ等、を挙げることができる。
ブラシの形態等は特に限定されるものではないが、例えば、パイルとして製織した後、このパイル織物を円筒面に螺旋状に巻き付けてブラシとしたものが挙げられる。パイル織物は、縦糸と横糸とで構成した平面に対して垂直に立毛したパイル糸からなり、このパイル糸がブラシ毛となる。
本発明に係る画像形成装置用ブラシは、本発明に係る導電糸を含むものであり、当該導電糸が高い強度を有することから、優れた耐久性を示す。したがって、上記ブラシを用いることで、画像形成装置のランニングコストを低減することができる。
上記画像形成装置用ブラシに含まれる上記導電糸の平均体積抵抗値は10Ωcm以上108Ωcm以下であることが好ましい。上述のように画像形成装置用ブラシには種々の用途があり、用途によって好適な平均体積抵抗値は異なるが、平均体積抵抗値が上記範囲内であれば全ての用途に対応可能であるため好ましい。
本発明に係る画像形成装置用ブラシは、本発明に係る導電糸を含むものであり、当該導電糸は抵抗値のばらつきが少ないため、本発明に係る画像形成装置用ブラシについても、抵抗値のばらつきが少ないものとすることができる。
なお、本発明は以上説示した各構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示した範囲内で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明について、実施例に基づいてより具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。当業者は本発明の範囲を逸脱することなく、種々の変更、修正および改変を行うことができる。
〔実施例1〕
6ナイロンにアームチェアー型のカーボンナノチューブを直接分散させた。次に、カーボンナノチューブを分散させた6ナイロンを常法にしたがって溶融紡糸し、延伸して6dTの導電糸を作製した。上記導電糸に分散しているカーボンナノチューブは、直径が0.5nmから10nm、長さが約1μmの細長い形状であった。
6ナイロンにアームチェアー型のカーボンナノチューブを直接分散させた。次に、カーボンナノチューブを分散させた6ナイロンを常法にしたがって溶融紡糸し、延伸して6dTの導電糸を作製した。上記導電糸に分散しているカーボンナノチューブは、直径が0.5nmから10nm、長さが約1μmの細長い形状であった。
カーボンナノチューブの含有量と導電糸の平均体積抵抗値との関係を調べたところ、カーボンナノチューブの6ナイロンに対する重量比が1重量%未満の場合は、導電糸は殆ど導電性を示さず、当該重量比が1.5重量%〜2.0重量%のときに導電糸の平均体積抵抗値は106Ωcm〜108Ωcmとなり、当該重量比が2.0重量%〜3.0重量%のときに104Ωcm〜106Ωcmとなった。当該重量比が3.0重量%以上では、104Ωcmより小さくなった。
以上のように、本発明に係る導電糸は、導電材としてカーボンナノチューブが母材樹脂の内部に分散されたものであるため、導電材の含有量を大幅に少なくすることができる。また、導電材の含有量を少なくすることができるので導電糸の強度を高めることができ、導電糸の抵抗値のばらつきを小さくすることができる。
したがって、本発明は画像形成装置用ブラシの導電糸として好適に利用することができ、電子写真複写機、電子写真プリンター等に好適な優れた画像形成装置用ブラシを提供することができる。
100 導電糸
210 導電糸
211 母材樹脂
212 導電材
220 導電糸
221 母材樹脂
222 導電材
210 導電糸
211 母材樹脂
212 導電材
220 導電糸
221 母材樹脂
222 導電材
Claims (8)
- 母材樹脂と、導電材としてのカーボンナノチューブとを少なくとも含み、上記カーボンナノチューブが上記母材樹脂の内部に分散された導電糸であって、上記カーボンナノチューブの少なくとも両端が上記母材樹脂の内部に保持されていることを特徴とする導電糸。
- 上記カーボンナノチューブの全体が上記母材樹脂の内部に保持されていることを特徴とする請求項1に記載の導電糸。
- 上記母材樹脂が熱可塑性樹脂であることを特徴とする請求項1または2に記載の導電糸。
- 上記分散の態様が均一分散型であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の導電糸。
- 上記分散の態様が複合型であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の導電糸。
- 上記カーボンナノチューブの含有量が、上記母材樹脂に対して1重量%以上10重量%以下であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の導電糸。
- 請求項1から6のいずれか1項に記載の導電糸を含むことを特徴とする画像形成装置用ブラシ。
- さらに、上記導電糸の平均体積抵抗値が10Ωcm以上108Ωcm以下であることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置用ブラシ。
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