JP2007023984A - 圧縮機の摺動部材とその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】油膜形成能力が高い圧縮機の摺動部材とその製造方法を提供すること。
【解決手段】軟質基材に硬質粒子を分散させた材料で摺動部材を構成し、摺動部材の少なくとも摺動表面に硬質微粒子を噴射した後に、弾性体で構成し少なくとも表層部に砥粒を分散させた研摩材を摺動部材の少なくとも摺動表面に投射し、摺動部材の表層部を形成する塑性変形層を加工して硬質粒子を露出させるとともに軟質基材にディンプルと浅く細かい凹部を形成させることにより、露出された硬質粒子が相手材料と浅く細かい凹部との間に適度な隙間を形成し、ディンプルから補給される潤滑油によって楔効果が発揮されるため、油膜形成能力が高い圧縮機の摺動部材が得られるものである。
【選択図】図3
【解決手段】軟質基材に硬質粒子を分散させた材料で摺動部材を構成し、摺動部材の少なくとも摺動表面に硬質微粒子を噴射した後に、弾性体で構成し少なくとも表層部に砥粒を分散させた研摩材を摺動部材の少なくとも摺動表面に投射し、摺動部材の表層部を形成する塑性変形層を加工して硬質粒子を露出させるとともに軟質基材にディンプルと浅く細かい凹部を形成させることにより、露出された硬質粒子が相手材料と浅く細かい凹部との間に適度な隙間を形成し、ディンプルから補給される潤滑油によって楔効果が発揮されるため、油膜形成能力が高い圧縮機の摺動部材が得られるものである。
【選択図】図3
Description
本発明は、業務用、および非業務用を問わず各種用途での冷凍空調に使用されている圧縮機の摺動部材とその製造方法に関するものである。
従来の圧縮機の摺動部材とその製造方法は、基材と表層部の二層構造にして表層部を基材と同じ粉末焼結材で構成しているものであり、基材に偏析部が存在しても、表層部がシリコン等の均一に分散した粉末燒結材であるため、切削仕上げ面も良好で、表面に疲労破壊の起点となるようなシリコンの脱落部が生じない信頼性の高い旋回スクロール部材を形成している(例えば、特許文献1参照)。
図6、図7は特許文献1に記載された従来の圧縮機の摺動部材とその製造方法を示すものである。図に示すように、旋回スクロールは、円板状の鏡板1、その上面部1cから渦巻状に直立して形成されるラップ部2、および軸受部3から構成されている。ラップ部の高さは、その肉厚の約6倍程度になっている。鏡板1およびラップ部2の基材1b、2bは一体に形成されており、材質は30%のシリコンと、若干のニッケル、マグネシュームを含有したアルミニウムダイキャスト品である。また、鏡板1の上面部1cおよび側面部1dとラップ部2のラップ表層部2aとは基材部と同じ材質の粉末燒結材で構成されている。
特開平3−24286号公報
しかしながら、前記従来の構成では、軟らかいアルミニウムをベースとして硬いシリコンを30%も含有しているため、表層部1a、2aは粗く、その表面粗さを十分小さくできないという問題を有する。その結果、高負荷運転時、特にCO2冷媒における高差圧運転では高面圧となり、粗さの山が相手材料と接触して金属接触に至る可能性があり、摺動損失が増加して効率の低下を招く恐れがある。
本発明はこのような従来の問題を解決するものであり、軟質基材に硬質粒子を分散してなる材料で構成され、油膜形成能力が高い圧縮機の摺動部材とその製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の圧縮機の摺動部材とその製造方法は、軟質基材に硬質粒子を分散させた材料で摺動部材を構成し、摺動部材の少なくとも摺動表面に硬質微粒子を噴射した後に、弾性体で構成し少なくとも表層部に砥粒を分散させた研摩材を摺動部材の少なくとも摺動表面に投射し、摺動部材の表層部を形成する塑性変形層を加工して硬質粒子を露出させるとともに軟質基材にディンプルと浅く細かい凹部を形成させたものである。
これによって、軟質基材の表面にはその一部にディンプル、すなわち油溜りが形成され、残りには研摩材の投射によって平滑化されているが、浅く細かい凹部が多数形成されている。そして適度に露出された硬質粒子によって相手材料と軟質基材表面の浅い凹部との間に適度な隙間が形成され、ディンプルから補給される潤滑油も加わって潤滑油の楔効果が発揮されて十分厚い油膜が形成される。従って、油膜形成能力が高い摺動部材が得られるものである。
本発明の圧縮機の摺動部材とその製造方法は、摺動によるロスが少なく、かつ耐久性の高い圧縮機の摺動部材を提供することができる。
第1の発明は、軟質基材に硬質粒子を分散させた材料で摺動部材を構成し、摺動部材の少なくとも摺動表面に硬質微粒子を噴射した後に、弾性体で構成し少なくとも表層部に砥粒を分散させた研摩材を摺動部材の少なくとも摺動表面に投射し、摺動部材の表層部を形成する塑性変形層を加工して硬質粒子を露出させるとともに軟質基材にディンプルと浅く細かい凹部を形成させることにより、油膜形成能力が高い摺動表面となり、摺動によるロスが少ない圧縮機の摺動部材が得られる。
第2の発明は、第1の発明の硬質粒子の露出高さを1μm以下とし、かつ硬質粒子の露出量を面積率で4.7%以上としたことにより、潤滑油の油性効果が大きくなり、耐焼付き性が高い圧縮機の摺動部材が得られる。
第3の発明は、第1または第2の発明の軟質基材を固体潤滑材で被服したことにより、固体潤滑作用によって相手材との馴染み性が発揮されるようになり、始動運転や過渡運転に適した圧縮機の摺動部材が得られる。
第4の発明は、第1〜第3のいずれか1つの発明の軟質基材をAlとし、硬質粒子をSiとしたことにより、軽くかつ耐焼付き性が高くなり、軽量化に適した高い圧縮機の摺動部材が得られる。
第5の発明は、第1〜第3のいずれか1つの発明の軟質基材をFe系材料とし、硬質粒子を炭化物としたことにより、靭性が高くなり、機械強度が高い圧縮機の摺動部材が得られる。
第6の発明は、第1〜第3のいずれか1つの発明の軟質基材をMg合金としたことにより、更に軽量になり、高速運転に適した圧縮機の摺動部材が得られる。
第7の発明は、第1〜第3のいずれか1つの発明の軟質基材を樹脂としたことにより、小型化が可能となり、低圧な空気圧縮機などに適した圧縮機の摺動部材が得られる。
第8の発明は、第1〜第7のいずれか1つの発明の圧縮機をスクロール圧縮機とし、摺動部材を旋回スクロールとしたことにより、摺動によるロスが少なくなり、効率の高いスクロール圧縮機が得られる。
第9の発明は、第1〜第7のいずれか1つの発明の圧縮機をスライディングベーン型ロータリ圧縮機とし、摺動部材をシリンダとし、シリンダの内周面の少なくとも吐出切欠きの開始位置から上死点までの範囲に研摩材を投射したことにより、シリンダの重量が軽くなり、軽量なスライディングベーン型ロータリ圧縮機が得られる。
第10の発明は、第1〜第7のいずれか1つの発明の圧縮機をスライディングベーン型ロータリ圧縮機とし、摺動部材をベーンとしたことにより、ベーンの耐摩耗性が高くなり、耐久性の高いスライディングベーン型ロータリ圧縮機が得られる。
第11の発明は、軟質基材に硬質粒子を分散させた材料で摺動部材を構成し、摺動部材の少なくとも摺動表面に硬質微粒子を噴射した後に、弾性体で構成しかつ少なくとも表層
部に砥粒を分散させた研摩材を摺動部材の少なくとも摺動表面に投射し、摺動部材の表層部で硬質粒子を覆う塑性変形層を加工することにより、摺動部材の部分的な加工が可能となり、低価格な圧縮機の摺動部材が得られる。
部に砥粒を分散させた研摩材を摺動部材の少なくとも摺動表面に投射し、摺動部材の表層部で硬質粒子を覆う塑性変形層を加工することにより、摺動部材の部分的な加工が可能となり、低価格な圧縮機の摺動部材が得られる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は本発明の第1の実施例によるスクロール圧縮機の断面図である。
図1は本発明の第1の実施例によるスクロール圧縮機の断面図である。
図1において、4は密閉容器、5は吸入管、6は吐出管である。密閉容器4内には圧縮機構部7とモータ部(図示せず)が内蔵されている。圧縮機構部7はフレーム8に固定された固定スクロール9と、固定スクロール9に対向配置された旋回スクロール10と、旋回スクロール10とフレーム8との間に設けられたオルダムリング11と、モータ部に連結されているクランク軸12より構成されている。
固定スクロール9は鏡板9a、はね9b、吸入ポート9c、吐出ポート9dから構成され、吸入ポート9cには吸入管5が接続されている。図2に旋回スクロール10の断面図を示す。旋回スクロール10は鏡板10a、10b、はね10c、軸受10dから構成され、はね10cの高さは固定スクロール9のはね9bの高さより低く設定されている。また、フレーム8には環状溝13にシール部材14が設けられ、シール部材14の内側は高圧に設定されている。この圧力によって旋回スクロール10は固定スクロール9に押付けられ、旋回スクロール10と固定スクロール9の軸方向の隙間がシールされている。
図3に旋回スクロール10の鏡板10a付近の断面組織を示す。旋回スクロール10は軟質基材であるAl15aに硬質粒子である平均粒子径が3〜5μmの微細な共晶Si15dが分散しているAl−Si合金より構成されている。固定スクロール9の鏡板9a、特にはね9bの先端に押付けられて摺働する旋回スクロール10の鏡板10aの少なくともシール部材14の内側で高圧のかかる部分は、始めに、平均粒子径が10〜100μmのシリカやアルミナなどの硬質微粒子が空気や水とともに噴射され、次に、少なくとも表層部に平均粒子径が0.1〜10μmのSiCやアルミナなどの砥粒が分散された平均粒子径が0.1〜10mmのゴムよりなる研摩材が投射されて表層部の塑性変形層が加工されている。すなわち、Al地は、その山が除去されて平滑化されているが、その一部にはφ5〜30μmのディンプル15bが形成され、残りには浅く細かい深さ1μm以下、好ましくは0.5μm以下の凹部、すなわち傷15cが多数形成されている。また、共晶Si15dを覆う表層部のAlは除去されて共晶Si15dは露出されている。
次に、動作について説明する。
モータ部の回転はクランク軸12を介して旋回スクロール10に伝達され、オルダムリング11と協働して旋回スクロール10を旋回運動させる。この旋回運動によって互いに噛合う位置に配置された旋回スクロール10と固定スクロール9のはね10c、9bは吸入管5から吸入ポート9cを介して冷媒を吸入し圧縮する。圧縮された冷媒は吐出ポート9dから密閉容器4内に吐出され、吐出管6から密閉容器4外に導き出される。密閉容器4内は高圧になっている。
さて、HFC冷媒における高負荷運転時や特にCO2冷媒による高差圧運転時において摺動状態が厳しくなる旋回スクロール10の鏡面10aのディンプル15bに溜まっている潤滑油は固定スクロール9のはね9bの先端との摺動に伴い傷15cに供給され、そこで潤滑油の楔効果が発揮され、十分厚い油膜が形成される。従って、金属接触を防止でき
、摺動によるロスを小さくできる。
、摺動によるロスを小さくできる。
また、共晶SiをAl地より1μm以下、好ましくは0.5μm以下で凸とし、その露出量を面積率で4.7%以上にすることにより、共晶Si15dのエッジ部が適度に丸められ、潤滑油は共晶Si15dに吸着されて油性効果を発揮し、共晶Si15dの非凝着性の効果も加わって、耐焼付き性を大幅に向上できる。なお、Si面積率4.7%は実験的に求めた、耐焼付き性を確保するのに必要な露出量である。
また、シール部材14の内側に過大な圧力が発生するが、適度に露出された非凝着性の高い微細な共晶Si15dの粒子が固定スクロール9のはね9bの先端を支えるため、また共晶Si15dに吸着された潤滑油の油性効果によって焼付きは防止され、運転可能な負荷範囲が広いスクロール圧縮機が得られる。
また、固体潤滑材を旋回スクロール10の鏡板10aに塗布すると、馴染み性が向上し、始動時や過渡運転時の運転特性を向上できる。
また、軟質基材をFe系材料とし硬質粒子を炭化物とすると、旋回スクロール10の靭性が高くなり、はね10cの高さを上げることができ、能力の大きいスクロール圧縮機が得られる。
また、軟質基材をMg合金を用いると、大幅に軽くなり、高速化によって能力制御巾が大きいスクロール圧縮機が得られる。
また、軟質基材として樹脂を用いると、射出成形などによる小型化できるようになり、低圧な空気圧縮などに適したスクロール圧縮機が得られる。
また、この製造方法によって、摺動表面のみの加工が可能となり、摺動部材全体を加工する必要がないので、短時間かつ低コストで摺動部材の加工ができるものである。
(実施の形態2)
図4、図5は本発明の第2の実施例によるスライディングベーン型ロータリ圧縮機の断面図である。
図4、図5は本発明の第2の実施例によるスライディングベーン型ロータリ圧縮機の断面図である。
図に示すように、圧縮機21は、シリンダ22と、ロータ23と、ベーン24と、前部側板25と、後部側板26と、駆動軸27で構成されている。シリンダ22は内周面を摺接面とした筒状に形成されている。このシリンダ22は前部側板25と後部側板26との間にボルトで固定されている。駆動軸27は前部側板25の軸受28と後部側板26の軸受29によって支持されている。この駆動軸27には円柱状のロータ23が軸着されている。ロータ23にはベーン溝30が形成され、ベーン溝30には、ベーン24が摺動自在に収納されている。背圧室31の圧力によってベーン24はベーン溝30から突出する方向に付勢されている。そして、ベーン24の先端はシリンダ22の内周面に摺接しながらロータ23とともに回転し、隣り合うベーン24の間に吸入室32と圧縮室33が形成される。吸入室32は、シリンダ22に設けられた吸入口34に連通し、上記圧縮室33はシリンダ22に設けられた吐出切欠き36を介して吐出口35に連通している。吐出口35はリアケース37に通じ、高圧となっているリアケース37内の下部には潤滑油38が貯留されている。なお、36aは吐出切欠き36の開始位置であり、39は上死点の位置であり、シリンダ22とロータ23の隙間が最も小さく設定されている。
シリンダ22は、軟質基材であるAlに硬質粒子で平均粒子径が30〜50μmと比較的大きな初晶Siと平均粒子径が3〜5μmの微細な共晶Siが分散しているAl−Si合
金より構成されている。シリンダ22の内周面の少なく吐出切欠36の開始位置36aと上死点位置39の範囲は、始めに、平均粒子径が10〜100μmのシリカやアルミナなどの硬質微粒子が空気や水とともに噴射され、次に、少なくとも表層部に平均粒子径が0.1〜10μmのSiCやアルミナなどの砥粒を分散させた平均粒子径が0.1〜1.0mmのゴムよりなる研摩材が投射されて表面の塑性変形層が加工されている。
金より構成されている。シリンダ22の内周面の少なく吐出切欠36の開始位置36aと上死点位置39の範囲は、始めに、平均粒子径が10〜100μmのシリカやアルミナなどの硬質微粒子が空気や水とともに噴射され、次に、少なくとも表層部に平均粒子径が0.1〜10μmのSiCやアルミナなどの砥粒を分散させた平均粒子径が0.1〜1.0mmのゴムよりなる研摩材が投射されて表面の塑性変形層が加工されている。
すなわち、Al地は、その山が除去されて平滑化されているが、その一部にはφ5〜30μmのディンプルが形成され、残りには浅く細かい深さ1μm以下、好ましくは0.5μm以下の凹部、すなわち傷が多数形成されている。また、Siはそれを覆うAlが除去されてAl地より1μm以下、好ましくは0.5μm以下の凸とし、面積率で4.7%以上露出されている。なお、ベーン24の先端にはNi−P系メッキ層が形成されている。
以下に本実施例による圧縮機の動作について説明する。
エンジンからベルトを介して圧縮機21の駆動軸27に動力が伝達されロータ23が回転する。この回転による遠心力と背圧室31の圧力によってベーン24はベーン溝30から突出し、ベーン24の先端はシリンダ22の内周面に摺接しながらロータ23とともに回転する。ロータ23の回転に伴って、冷媒は吸入口34から吸入室32に吸入され、その後圧縮室33で圧縮されて吐出口35そしてリアケース16を経て外部に吐出される。潤滑油38は、その一部がシリンダ22に供給され、前部側板25、後部側板26とロータ23との隙間やシリンダ22内周面の潤滑が行われる。
さて、高負荷運転時においては、ベーン24が吐出切欠き36の開始位置36aを通過すると吐出ポート35と吐出切欠き36が形成するデッドボユ−ムの再膨張によってベーン24の先端に作用する圧力が急激に下がり、ベーン24をシリンダ22の内周面に押付ける力が急増する。しかし、ベーン24の摺動によってディンプルに溜まっている油が浅い凹部である傷に供給されて潤滑油の楔効果が現れ、また、適度に露出された非凝着性の高いSiの適度に丸められたエッジに吸着された潤滑油が油性効果を発揮するため、耐焼付き性が高い、そして軽量なスライディングベーン型ロータリ圧縮機が得られる。
また、シリンダ22を鋳鉄とし、ベーン24を初晶Siをガスアトマイズによって平均粒子径が3〜5μmと微細にしたAl−Si合金で構成し、ベーン24の摺動表面に、始めに平均粒子径が10〜100μmのシリカやアルミナなどの硬質微粒子が空気や水とともに噴射し、次に少なくとも表層部に平均粒子径が0.1〜10μmのSiCやアルミナなどの砥粒を分散させた平均粒子径が0.1〜1.0mmのゴムよりなる研摩材が投射して表面の塑性変形層を加工することによって、Al地は、その山が除去されて平滑化されているが、その一部にφ5〜30μmのディンプルが形成され、残りには浅く細かい深さ1μm以下、好ましくは0.5μm以下の凹部、すなわち傷が多数形成され、Siはそれを覆うAlが除去されてAl地より1μm以下、好ましくは0.5μm以下の凸となり、面積率で4.7%以上露出される。その結果、ベーン24の摺動表面において潤滑油の楔効果や油性効果が発揮され、また露出されたSiによって非凝着性も加わって、ベーン24の耐久性はあがり、長寿命のスライディングベーン型ロータリ圧縮機が得られる。
以上のように、本発明にかかる圧縮機の摺動部材とその製造方法は、摺動によるロスが少なく、耐久性の高い圧縮機の摺動部材が得られるので、業務用、および非業務用を問わず各種用途での冷凍空調や給湯等の圧縮機や各種流体機械にも適用できる。
10 旋回スクロール
10a、10b 鏡板
15a Al地
15b ディンプル
15c 浅く細かい傷
15d 共晶Si
10a、10b 鏡板
15a Al地
15b ディンプル
15c 浅く細かい傷
15d 共晶Si
Claims (11)
- 軟質基材に硬質粒子を分散させた材料で摺動部材を構成し、摺動部材の少なくとも摺動表面に硬質微粒子を噴射した後に、弾性体で構成し少なくとも表層部に砥粒を分散させた研摩材を摺動部材の少なくとも摺動表面に投射し、摺動部材の表層部を形成する塑性変形層を加工して硬質粒子を露出させるとともに軟質基材にディンプルと浅く細かい凹部を形成させた圧縮機の摺動部材。
- 硬質粒子の露出高さを1μm以下とし、硬質粒子の露出量を面積率で4.7%以上とした請求項1に記載の圧縮機の摺動部材。
- 軟質基材を固体潤滑材で被服した請求項1または2に記載の圧縮機の摺動部材。
- 軟質基材をAlとし、硬質粒子をSiとした請求項1から3のいずれか1項に記載の圧縮機の摺動部材。
- 軟質基材をFe系材料とし、硬質粒子を炭化物とした請求項1から3のいずれか1項に記載の圧縮機の摺動部材。
- 軟質基材をMg合金とした請求項1から3のいずれか1項に記載の圧縮機の摺動部材。
- 軟質基材を樹脂とした請求項1から3のいずれか1項に記載の圧縮機の摺動部材。
- 圧縮機をスクロール圧縮機とし、摺動部材を旋回スクロールとした請求項1から7のいずれか1項に記載の圧縮機の摺動部材。
- 圧縮機をスライディングベーン型ロータリ圧縮機とし、摺動部材をシリンダとし、シリンダの内周面の少なくとも吐出切欠きの開始位置から上死点までの範囲に研摩材を投射した請求項1から7のいずれか1項に記載の圧縮機の摺動部材。
- 圧縮機をスライディングベーン型ロータリ圧縮機とし、摺動部材をベーンとした請求項1から7のいずれか1項に記載の圧縮機の摺動部材。
- 軟質基材に硬質粒子を分散させた材料で摺動部材を構成し、摺動部材の少なくとも摺動表面に硬質微粒子を噴射した後に、弾性体で構成しかつ少なくとも表層部に砥粒を分散させた研摩材を摺動部材の少なくとも摺動表面に投射して摺動部材の表層部で硬質粒子を覆う塑性変形層を加工する圧縮機の摺動部材の製造方法。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR20130125857A (ko) * | 2012-05-10 | 2013-11-20 | 한라비스테온공조 주식회사 | 마그네슘 합금 선회스크롤을 적용한 스크롤식 압축기 |
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2005
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KR101867315B1 (ko) * | 2012-05-10 | 2018-06-18 | 한온시스템 주식회사 | 마그네슘 합금 선회스크롤을 적용한 스크롤식 압축기 |
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