JP2007020246A - 回転電動機の制御装置および回転電動機の制御方法 - Google Patents

回転電動機の制御装置および回転電動機の制御方法 Download PDF

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文一 松田
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Abstract

【課題】 モータの電磁加振力またはモータ固有振動数とスイッチング周波数との共振を低減する。
【解決手段】 共振発生周波数算出手段(28a)、共振判定手段(28b)、およびスイッチング周波数制御手段(28c)を持つ音振抑制性御部(28)を回転電動機の制御装置に設ける。共振発生周波数算出手段(28a)は、外部が与えられるインバータのスイッチング周波数fswと、ω演算・Θ演算部(26)から渡された情報から得られる永久磁石型モータのモータ回転周波数fとに基づき共振発生周波数を算出する。共振判定手段(28b)は、スイッチング周波数に依存して幾つかの特定の周波数で発生する振動レベルが記載されている音振固有値マップ(30)を参照して、前記共振発生周波数算出手段で算出された前記共振発生周波数と、前記永久磁石型モータの固有振動周波数とが一致するか否かを前記モータ回転周波数fの変化に基づき予め判定する。
【選択図】図1

Description

本発明は回転電動機の制御装置および回転電動機の制御方法に関する。
永久磁石モータは固有振動数を持っており、その固有モードとモータに電流を流すことで発生する電磁加振力が共振することでモータが騒音や振動を発生する。また、同様に、モータ固有振動数や電磁加振力とインバータのスイッチング素子をオン、オフするスイッチング周波数も同様に共振することで振動、騒音が発生する。その時の振動周波数はスイッチング周波数fswとモータ回転数fからfsw、fsw±2fで共振することが分っている。一方、インバータの損失は電流が流れることで発生する定常損失とインバータを構成するパワー素子IGBTをオン、オフすることで発生するスイッチング損失があり、損失の割合は定常損とスイッチング損がほぼ同じである。
ここで、各インバータの損失式は
Figure 2007020246
と表される。
このようなモータの電磁加振力により振動を低減する技術としてモータの部材であるステータやロータなどの寸法を設計段階で調整するものがある(特許文献1を参照されたい。)。
特開2004−357405号公報(段落0011-0014、図1)
上述したような定常損失はモータに流す電流で決定される為、トルクが決まれば定常損失は一定である。一方、スイッチング損失はスイッチング回数と比例して損失が多くなる。つまり、インバータとしてはスイッチング周波数を出来るだけ少なくすれば、損失は減ることとなり、可能な限りスイッチング周波数を小さく設定することが要求される。しかしながら、実際はスイッチング周波数を小さくすると上記にも示した通りモータの固有振動数と共振する為、限界があるのが現状である。これを解決する為には、(1)電磁加振力を低減することで、音振低減を図るか、(2)スイッチング周波数をモータ固有振動数より高いところに上げる必要があるが、(2)を実行するには上記に示したとおりインバータの損失が大きくなり、インバータの設計上非常に厳しい条件となるため、スイッチング共振ポイントに関してはモータ外部に防音材をつける等の措置が必要になってくる。また、上述した従来技術で加振力による振動をある程度(この従来例は半径方向の加振力のみを対象とする)までは低減することが可能であるが、さらに振動の低減を図る必要があり、また、スイッチング周波数が変動した場合に全ての周波数帯域において加振力や固有振動数との共振の低減を図ることは困難であるという課題もある。とくに、モータを搭載した電気自動車などの分野では、搭乗者の乗り心地を快適にするため共振による騒音をさらに低減することが強く要求されている。
上述した諸課題を解決すべく、第1の発明による回転電動機の制御装置は、
インバータのスイッチング周波数fswと永久磁石型モータのモータ回転周波数fとに基づき共振発生周波数を算出する共振発生周波数算出手段(例えば回路など)と、
前記共振発生周波数算出手段で算出された前記共振発生周波数と、前記永久磁石型モータの固有振動周波数とが一致するか否かを前記モータ回転周波数fの変化に基づき予め判定する(即ち、共振が発生するか否かをモータ回転周波数fの変化に基づき事前に予測する)共振判定手段(回路)と、
前記共振判定手段で一致すると判定された場合に、前記共振発生周波数と前記固有振動周波数とが一致して共振が発生するのを避けるように、前記インバータのスイッチング周波数をシフト(即ち、ずらす)するスイッチング周波数制御手段(回路)と、
を具える。
また、第2の発明による回転電動機の制御装置は、
インバータのスイッチング周波数fswと永久磁石型モータのモータ回転周波数fとに基づき共振発生周波数を算出する共振発生周波数算出手段(回路)と、
前記共振発生周波数算出手段で算出された前記共振発生周波数と、前記永久磁石型モータの電磁加振周波数とが一致するか否かを前記モータ回転周波数fの変化に基づき予め判定する(即ち、共振が発生するか否かをモータ回転周波数fの変化に基づき事前に予測する)共振判定手段(回路)と、
前記共振判定手段で一致すると判定された場合に、前記共振発生周波数と前記電磁加振周波数とが一致して共振が発生するのを避けるように、前記インバータのスイッチング周波数をシフトするスイッチング周波数制御手段(回路)と、
を具える。
また、第3の発明による回転電動機の制御装置は、
前記スイッチング周波数制御手段が、
前記モータ回転周波数fが増加しているときは(即ちモータ回転数が上昇中)、前記インバータのスイッチング周波数を増加するようにシフトし、前記モータ回転周波数fが減少しているときは(即ちモータ回転数が減少中)、前記インバータのスイッチング周波数を減少するようにシフトする、
ことを特徴とする。
また、第4の発明による回転電動機の制御装置は、
前記共振判定手段が、
前記スイッチング周波数fswによって規定されるモ−タ固有振動レベルを含む、予め求めてあるモータ固有振動マップ、または、前記スイッチング周波数fswと前記永久磁石型モータの回転数との関係で規定される電磁加振レベルを含む、予め求めてある電磁加振振動マップを参照して、一致するか否かを判定する、
ことを特徴とする。
また、第5の発明による回転電動機の制御装置は、
前記スイッチング周波数制御手段が、
前記モータ回転周波数fが増加しているときは、前記スイッチング周波数fswを、前記スイッチング周波数fswに隣接する電磁加振周波数のうち高い側にある電磁加振周波数fel(next)、または、前記スイッチング周波数fswに隣接する固有振動周波数のうち高い側にある固有振動周波数fmot(next)の小さい方(即ち次に共振の発生が予測されるポイント)に2fを加えた数値にシフトさせ、前記モータ回転周波数fが減少しているときは、前記スイッチング周波数fswを、前記スイッチング周波数fswに隣接する電磁加振周波数のうち低い側にあるfel(next)、または、スイッチング周波数fswに隣接する固有振動周波数のうち低い側にある固有振動周波数fmot(next)」の小さい方(即ち次に共振の発生が予測されるポイント)から2fを引いた数値にシフトさせる、
ことを特徴とする。
即ち、次に共振が予測されるポイントは、モータ回転周波数fが上昇中は、現行のスイッチング周波数fswより高い側にある最初の電磁加振周波数か固有振動周波数のどとらかとなる。このうちのより小さい方を選択する理由はスイッチング周波数をより低いものを選択してできる限りスイッチング損失を低減させるためである。
上述したように本発明の解決手段を装置として説明してきたが、本発明はこれらに実質的に相当する方法、プログラム、プログラムを記録した記憶媒体としても実現し得るものであり、本発明の範囲にはこれらも包含されるものと理解されたい。
例えば、上述した第1の発明を方法として実現させると、本発明による回転電動機の制御方法は、
演算手段(CPU、マイコンなど)を用いて、インバータのスイッチング周波数fswと永久磁石型モータのモータ回転周波数fとに基づき共振発生周波数を算出する共振発生周波数算出ステップと、
前記演算手段を用いて、前記共振発生周波数算出ステップで算出された前記共振発生周波数と、前記永久磁石型モータの固有振動周波数とが一致するか否かを前記モータ回転周波数fの変化に基づき予め判定する(即ち、共振が発生するか否かをモータ回転周波数fの変化に基づき事前に予測する)共振判定ステップと、
前記演算手段を用いて、前記共振判定ステップで一致すると判定された場合に、前記共振発生周波数と前記固有振動周波数とが一致して共振が発生するのを避けるように、前記インバータのスイッチング周波数をシフトするスイッチング周波数制御ステップと、
を含むものである。
また、上述した第2の発明を方法として実現させると、本発明による回転電動機の制御方法は、
演算手段を用いて、インバータのスイッチング周波数fswと永久磁石型モータのモータ回転周波数fとに基づき共振発生周波数を算出する共振発生周波数算出ステップと、
前記演算手段を用いて、前記共振発生周波数算出ステップで算出された前記共振発生周波数と、前記永久磁石型モータの電磁加振周波数とが一致するか否かを前記モータ回転周波数fの変化に基づき予め判定する(即ち、共振が発生するか否かをモータ回転周波数fの変化に基づき事前に予測する)共振判定ステップと、
前記演算手段を用いて前記共振判定ステップで一致すると判定された場合に、前記共振発生周波数と前記電磁加振周波数とが一致して共振が発生するのを避けるように、前記インバータのスイッチング周波数をシフトするスイッチング周波数制御ステップと、
を含むものである。
第1および第2の発明によれば、モータの音振動を避けながらインバータのスイッチング周波数をシフトすることで、モータの音振動性能とインバーダの温度特性とを両立させることが可能となり、インバータの損失が低下させることなく、システムとしての効率向上を図りながら、音振低減を実現することができるようになる。
回転数が上昇中は、スイッチング周波数を増加させるほうが良い。スイッチング周波数を下げると、共振周波数を避けた次数の共振周波数よりも低い次数の共振周波数において共振が発生する頻度が高くなってしまう不都合があるからである。従って、第3の発明によれば、このような不都合を回避し、共振発生を回避しながら、さらに「シフト後の次の共振発生」の頻度を低く抑えることが可能となる。
第4の発明によれば、たとえ共振が発生すると予測される場合であっても、振動マップを参照することによって振動レベル(即ち発生する騒音)が、当該モータ回転数において影響が小さく十分に無視できる範囲内(例えば、回転数別に規定された幾つかの閾値を使って無視するか否かを判定する)である場合には、一致しない(即ち、一応、共振は発生するが、発生しないものとみなし)ものと判定して、過剰なスイッチング周波数の変動を回避することが可能になる。また、振動ピックアップ等のセンサで振動を計測せずに振動レベル(即ち共振による騒音レベル)を推定することができ、安価に振動値を推定することも可能となる。
一般的に共振はスイッチング周波数fswの±2fで発生するが、スイッチング周波数fswに2fを加えたポイントまでシフトしてやれば、モータ回転数が上昇中の場合には新たなスイッチング周波数(fsw_next=fsw+2f)においては、当分の間にわたって共振が発生することがないためスイッチング周波数の変更をせずに済み、制御の簡便化が図れるため制御上非常に都合が良い。逆に言えば、共振はスイッチング周波数を僅かにシフトするだけでも回避することが可能ではあるが、すぐに「シフト後の次の共振」が発生し、スイッチング周波数を頻繁に変更する必要があるという不都合が発生する。このことはモータ回転数が減少する場合においてもシフトする方向(fsw_next=fsw−2f))以外は同様である。他方で、スイッチング周波数が低いほどスイッチング損失を低減することが可能であり、できる限り小さい値に設定することが望ましい。「シフト後の次の共振」がすぐに発生するのを防止し、かつ、「当該モータ回転数で許容される最も低いスイッチング周波数」という要求を満たすのが上述した「fsw±2f」であり、第5の発明によってこのようにスイッチング周波数をシフトするのが制御面、かつ、スイッチング損失面から最適である。
以降、諸図面を参照しつつ、本発明の実施態様を詳細に説明する。
図1は、本発明による回転電動機の制御装置の基本的な構成を示すブロック図である。図に示すように、図に示すように本発明による回転電動機の制御装置は、トルク演算部10、PI(比例積分)制御部12、2相/3相変換部14、電源16、IGBT(インバータ)18、モータ(回転電動機)20、位置センサ(レゾルバ)22、3相/2相変換部24、ω演算・Θ演算部26、
音振抑制制御部28を具える。
モータ制御ではモータ20の位置センサ22(レゾルバやエンコーダ)で回転子の位置を検知し回転数を計算し、得られたレゾルバ信号或いはエンコーダ信号をω演算・Θ演算部26に与える。ω演算・Θ演算部26は、与えられた信号に基づき電気角速度ωと電気角Θを演算し、電気角速度ωをトルク演算部10に、電気角Θを2相/3相変換部14にそれぞれ与える。3相/2相変換部24は、電流センサで計測した3相電流を2相に変換しPI制御部12に与える。
トルク演算部10は、予め用意してあるトルク電流変換マップを参照することによって、外部から与えられたトルク指令値T*に対し、そのときのモータ回転数から電流をマップ引きしてトルク指令値を電流指令値に変換する。また、この電流指令値(id*、iq*)はPI(比例積分)制御部12で電圧指令値(vd*、vq*)に変換される。2相/3相変換部14は、dq軸電圧指令値vd*、vq*を3相電圧指令値vu*、vv*、vw*に変換する。パルス生成部32は、3相電圧指令値vu*、vv*、vw*および音振抑制制御部28から得られたスイッチング周波数などに基づき各相のパルスを生成し、IGBT18に与える。
音振抑制性御部28は、共振発生周波数算出手段28a、共振判定手段28b、およびスイッチング周波数制御手段28cを具える。
共振発生周波数算出手段28aは、外部が与えられるインバータのスイッチング周波数fswと、ω演算・Θ演算部26から渡された情報(モータ回転数、ω、Θなど)から得られる永久磁石型モータのモータ回転周波数fとに基づき共振発生周波数を算出する。
共振判定手段28bは、スイッチング周波数に依存して幾つかの特定の周波数で発生する振動レベルが記載されている音振固有値マップ30を参照して、前記共振発生周波数算出手段で算出された前記共振発生周波数と、前記永久磁石型モータの固有振動周波数とが一致するか否かを前記モータ回転周波数fの変化に基づき予め判定する(即ち、共振が発生するか否かをモータ回転周波数fの変化に基づき事前に予測する)。
なお、共振発生周波数は、剛性やバラツキを考慮した所定の範囲の周波数とする構成をとることも可能である。
また、共振判定手段28bは、共振発生周波数算出手段で算出された共振発生周波数と、スイッチング周波数fswと前記前記永久磁石型モータの回転数との関係で規定される電磁加振レベルを含む、予め求めてある電磁加振振動マップ(下記の表1を参照されたい。)を参照して、前記永久磁石型モータの電磁加振周波数とが一致するか否かを前記モータ回転周波数fの変化に基づき予め判定する。表1の電磁加振振動マップは、縦軸がモータ回転数[rpm]であり、横軸がインバータのスイッチング周波数[Hz]であり、この2つのファクターによって規定される振動レベル[db]を予め計算または計測によって予め求めたものである。
Figure 2007020246
スイッチング周波数制御手段28cは、共振判定手段で一致すると判定された場合に、共振発生周波数と固有振動周波数とが一致して共振が発生するのを避けるように、或いは、共振発生周波数と電磁加振周波数とが一致して共振が発生するのを避けるように、前記インバータのスイッチング周波数をシフトする。
そして、このようにして、共振が発生する前に、共振が発生しないように調整(シフト)されたスイッチング周波数fswがパルス生成部32に渡される。
図2は、上述した音振抑制制御部28で実行されるプロセスの一例を示すフローチャートである。
図に示すように、ステップS0ではモータ回転数Nが一定か否かを判定し、一定の場合はループして回転数が変化し出すのを待ち、変化し出した場合には後のステップに進む。
ステップS1では、レゾルバやエンコーダ等により計測したモータ回転数Nよりその時のモータ回転周波数fを計算する。
ステップS2では、モータは固有振動周波数を持っており、制御上では、各周波数をマップとして持ち、この音振固有値マップを参照して各固有振動周波数をfmotとする。
ステップS3では、その時の回転数から、モータの電磁加振力周波数を計算する(これは予め計測または計算した表1のようなマップを参照してもよい)。モータにより大きさは異なるが、一般的には8極モータであれば、4次、8次、12次、16次、20次、24次、32次,40次、48次、96次が特に大きいとされている。このような、電磁加振力周波数をfel、各周波数をf4,f8,‥‥,f48,f96とする。
また、ステップS3では、共振の発生が予想される共振発生周波数を、その時のスイッチング周波数fswと上記で計算した回転数時の周波数fから、「fsw士2f」として計算しておく。
次に、ステップS4では、モータ回転数が上昇中か否かを判定し、条件を満たさない場合(下降中)は、ルーチンA(図3)に進む。
回転数上昇中の処理
ステップS4の条件を満たす(上昇中)の場合には、ステップS5に進む。ステップS5では、回転数Nが10000rpm未満か否かを判定し、未満の場合には、ステップS6で初期値としてfswを96次(640Hz)より低い値、例えば500Hzに設定する。
ステップS7では、共振発生周波数「fsw±2f」と各電磁加振周波数fel(f4,f8,f12、…、f48、f96)または複数の固有周波数fmotのうちいずれかが等しいか否か、即ち共振が発生するのか否かを判定する。なお、実際には回転数Nやトルク指令値などの変化・推移に基づき、共振の発生に到る前に共振が発生することを予測することが好適であるが、フローチャート作成の便宜上、一旦、共振が発生するような状態に達した後でスイッチング周波数をシフトするような図面としてある。
ステップS7の条件を満たす場合(共振が発生)、ステップS8では、当該スイッチング周波数から見て、次に共振の発生が予測されるポイントである「次の固有振動数fmot(next)」と「次の電磁加振周波数fel(next)」を求める。なお、当該スイッチング周波数に隣接する共振ポイントは高い側と低い側とに存在するが、回転数が上昇中であるため、次の共振ポイントの候補は高い側のものとなる。
ステップS9では、この求めた2つの数値が以下の式満たすか否かを判定する。
fmot(next)≦fel(next)
ステップS9の条件を満たす場合にはfsw(next)をfmot(next)+2fに設定し(ステップS10)、条件を満たさない場合にはfsw(next)をfel(next)+2fに設定する(ステップS10)。
回転数が下降する場合
図3は、上述した音振抑制制御部28で実行されるプロセスの一例を示すフローチャート(ルーチンA)であり、回転数が下降するときの処理を説明する図である。
まず、ステップS12では、モータ回転数Nを検査し、1000rpm未満の場合には、ステップS13でfswを96次(640Hz)より低い値、例えば500Hzに設定する(即ち初期値に戻す)。
回転数が1000rpm以上である場合には、ステップS14で、共振発生周波数「fsw±2f」と各電磁加振周波数fel(f4,f8,f12、…、f48、f96)または複数の固有周波数fmotのうちのいずれかが等しいか否か、即ち共振が発生するのか否かを判定する。
ステップS14の条件を満たす場合(共振が発生)、ステップS15では、当該スイッチング周波数から見て、次に共振の発生が予測されるポイントである「次の固有振動数fmot(next)」と「次の電磁加振周波数fel(next)」を求める。この場合、回転数が下降中であるため、次の共振ポイントの候補は低い側のものとなる。
ステップS16では、この求めた2つの数値が以下の式満たすか否かを判定する。
fmot(next)≦fel(next)
ステップS16の条件を満たす場合にはfsw(next)をfmot(next)-2fに設定し(ステップS17)、条件を満たさない場合にはfsw(next)をfel(next)-2fに設定する(ステップS10)。
図4は、本発明による音振抑制制御機構を実際に適用した場合のスイッチング周波数とモータ回転数との関係を示した図である。この場合は、モータ回転数が上昇していくときのスイッチング周波数のシフト状況を示してある。図に示すように、モータ固有振動値ラインV1,V2V3,V4がそれぞれ約600、1000、2500、6300[Hz]に存在する。また、電磁加振周波数のラインである4次ライン、8次ライン、12次ライン、16次ライン、24次ライン、48次ライン、96次ラインも図示してある。
そして、最初のスイッチング周波数fsw(1)は1250Hzであり、回転数の上昇に伴って1000HzにあるラインV1と共振を起こすこととなる。そしてこのときのスイッチング周波数から見て次の共振ポイントの候補が48次ラインであるため、この48次ラインに当たって共振が発生するのを避けるようにスイッチング周波数をfsw(2)へとシフトさせる。同様に回転数の上昇に伴って発生する共振点を避けるようにスイッチング周波数をfsw(3),fsw(4),fsw(5),fsw(6)へとシフトさせていく。
図5は、本発明による音振抑制制御機構を実際に適用した場合のスイッチング周波数とモータ回転数との関係を示した図である。この場合は、モータ回転数が下降していくときのスイッチング周波数のシフト状況を示してある。
最初のスイッチング周波数fsw(6)は6000Hzであり、回転数の下降に伴って7000Hzにある96次ラインと共振を起こすこととなる。そしてこのときのスイッチング周波数から見て次の共振ポイントの候補がラインV4であるため、このラインV4に当たって共振が発生するのを避けるようにスイッチング周波数をfsw(5)へとシフトさせる。同様に回転数の下降に伴って発生する共振点を避けるようにスイッチング周波数をfsw(4),fsw(3),fsw(2),fsw(1)へとシフトさせていく。
図6は、振動レベルとスイッチング周波数との関係を示す概念図である。実線が想定振動レベルラインであり、点線が当該モータの振動として許容される騒音である許容ラインである。この図の場合には、スイッチング周波数fsw-noize1およびfsw-noise2において許容ラインを超えるノイズ1およびノイズ2が発生している。従って、ノイズ1、ノイズ2が発生する箇所だけスイッチング周波数を変更して共振を抑えてやれば十分となる。即ち、この図のように共振による振動レベルには大小があり共振が発生しても無視でき許容される箇所が幾つかある。従って、この許容ラインを閾値として使って、共振発生を避ける必要性の少ないケースでのスイッチング周波数の変更を回避してスイッチング損失が増大することを防ぐ構成を取ることも可能である(第4の発明に相当)。
本発明を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。
本発明による回転電動機の制御装置の基本的な構成を示すブロック図である。 音振抑制制御部28で実行されるプロセスの一例を示すフローチャートである。 音振抑制制御部28で実行されるプロセスの一例を示すフローチャート(ルーチンA)である。 本発明による音振抑制制御機構を実際に適用した場合のスイッチング周波数とモータ回転数との関係を示した図である。 本発明による音振抑制制御機構を実際に適用した場合のスイッチング周波数とモータ回転数との関係を示した図である。 振動レベルとスイッチング周波数との関係を示す概念図である。
符号の説明
10 トルク演算部
12 PI(比例積分)制御部
14 2相/3相変換部
16 電源
18 IGBT(インバータ)
20 モータ(回転電動機)
22 位置センサ(レゾルバ)
24 3相/2相変換部
26 ω演算・Θ演算部
28 音振抑制制御部
28a 共振発生周波数算出手段
28b 共振判定手段
28c スイッチング周波数制御手段

Claims (7)

  1. 回転電動機の制御装置であって、
    インバータのスイッチング周波数fswと永久磁石型モータのモータ回転周波数fとに基づき共振発生周波数を算出する共振発生周波数算出手段と、
    前記共振発生周波数算出手段で算出された前記共振発生周波数と、前記永久磁石型モータの固有振動周波数とが一致するか否かを前記モータ回転周波数fの変化に基づき予め判定する共振判定手段と、
    前記共振判定手段で一致すると判定された場合に、前記共振発生周波数と前記固有振動周波数とが一致して共振が発生するのを避けるように、前記インバータのスイッチング周波数をシフトするスイッチング周波数制御手段と、
    を具える回転電動機の制御装置。
  2. インバータのスイッチング周波数fswと永久磁石型モータのモータ回転周波数fとに基づき共振発生周波数を算出する共振発生周波数算出手段と、
    前記共振発生周波数算出手段で算出された前記共振発生周波数と、前記永久磁石型モータの電磁加振周波数とが一致するか否かを前記モータ回転周波数fの変化に基づき予め判定する共振判定手段と、
    前記共振判定手段で一致すると判定された場合に、前記共振発生周波数と前記電磁加振周波数とが一致して共振が発生するのを避けるように、前記インバータのスイッチング周波数をシフトするスイッチング周波数制御手段と、
    を具える回転電動機の制御装置。
  3. 請求項1または2に記載の回転電動機の制御装置において、
    前記スイッチング周波数制御手段が、
    前記モータ回転周波数fが増加しているときは、前記インバータのスイッチング周波数を増加するようにシフトし、前記モータ回転周波数fが減少しているときは、前記インバータのスイッチング周波数を減少するようにシフトする、
    ことを特徴とする回転電動機の制御装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の回転電動機の制御装置において、
    前記共振判定手段が、
    前記スイッチング周波数fswによって規定されるモ−タ固有振動レベルを含む、予め求めてあるモータ固有振動マップ、または、前記スイッチング周波数fswと前記前記永久磁石型モータの回転数との関係で規定される電磁加振レベルを含む、予め求めてある電磁加振振動マップを参照して、一致するか否かを判定する、
    ことを特徴とする回転電動機の制御装置。
  5. 請求項3または4に記載の回転電動機の制御装置において、
    前記スイッチング周波数制御手段が、
    前記モータ回転周波数fが増加しているときは、前記スイッチング周波数fswを、前記スイッチング周波数fswに隣接する電磁加振周波数のうち高い側にある電磁加振周波数fel(next)、または、前記スイッチング周波数fswに隣接する固有振動周波数のうち高い側にある固有振動周波数fmot(next)の小さい方に2fを加えた数値にシフトさせ、前記モータ回転周波数fが減少しているときは、前記スイッチング周波数fswを、前記スイッチング周波数fswに隣接する電磁加振周波数のうち低い側にあるfel(next)、または、スイッチング周波数fswに隣接する固有振動周波数のうち低い側にある固有振動周波数fmot(next)の小さい方から2fを引いた数値にシフトさせる、
    ことを特徴とする回転電動機の制御装置。
  6. 回転電動機の制御方法であって、
    演算手段を用いて、インバータのスイッチング周波数fswと永久磁石型モータのモータ回転周波数fとに基づき共振発生周波数を算出する共振発生周波数算出ステップと、
    前記演算手段を用いて、前記共振発生周波数算出ステップで算出された前記共振発生周波数と、前記永久磁石型モータの固有振動周波数とが一致するか否かを前記モータ回転周波数fの変化に基づき予め判定する共振判定ステップと、
    前記演算手段を用いて、前記共振判定ステップで一致すると判定された場合に、前記共振発生周波数と前記固有振動周波数とが一致して共振が発生するのを避けるように、前記インバータのスイッチング周波数をシフトするスイッチング周波数制御ステップと、
    を含む回転電動機の制御方法。
  7. 回転電動機の制御方法であって、
    演算手段を用いて、インバータのスイッチング周波数fswと永久磁石型モータのモータ回転周波数fとに基づき共振発生周波数を算出する共振発生周波数算出ステップと、
    前記演算手段を用いて、前記共振発生周波数算出ステップで算出された前記共振発生周波数と、前記永久磁石型モータの電磁加振周波数とが一致するか否かを前記モータ回転周波数fの変化に基づき予め判定する共振判定ステップと、
    前記演算手段を用いて前記共振判定ステップで一致すると判定された場合に、前記共振発生周波数と前記電磁加振周波数とが一致して共振が発生するのを避けるように、前記インバータのスイッチング周波数をシフトするスイッチング周波数制御ステップと、
    を含む回転電動機の制御方法。
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