JP2007013455A - チャンネル行列演算装置,チャンネル行列演算方法,およびコンピュータプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】 マルチキャリア方式のMIMOシステムにおいて、チャンネル行列の逆行列演算を組織化することによって効率よく計算でき,また,送受信アンテナがM×Nのシステムに対応することの可能な,新規かつ改良されたチャンネル行列演算装置を提供する。
【解決手段】 送受信アンテナがM×N(M,Nは2以上の自然数)で可変サイズの伝送チャンネルを備えたMIMO−OFDM送受信装置に組み込まれるチャンネル行列演算装置であって,行列Hの要素hij(iはM以下の自然数,jはN以下の自然数)を用いて,行列Hを2×2型行列に分割する小行列分割部と,分割された2×2型行列の余因子の計算を行う余因子計算部と,計算された余因子を用いて,行列Hの行列式|H|の計算を行う行列式計算部と,行列式|H|を用いて,行列Hがランク落ちであるかを判定するランク落ち判定部(803)とを備える。
【選択図】 図3

Description

本発明は,MIMOを使用したワイヤレス無線通信システムにおいて,送受信アンテナ数がM×N(例えば,M,N=2,3,4)でアンテナ数可変のMIMO−OFDM送受信装置におけるチャンネル行列演算に関する技術であり,チャンネル行列演算装置およびチャンネル行列演算方法,並びにその関連技術に関する。
送信,受信,またはその両方に,複数のアンテナ素子を使用することによって,通信容量あるいは伝送速度を大幅に向上することができる技術として,MIMO伝送方式が知られている。送信アンテナ数M,受信アンテナ数NのMIMO伝送モデルは一般に次式のように表現できる。
Figure 2007013455
ここで,XはM×1型送信信号ベクトル,YはN×1型受信信号ベクトル,HはM×N型チャンネル行列,nはN×1型雑音+干渉ベクトルである。チャンネル行列Hは一般に以下のモデルで表される。
Figure 2007013455
ここで,hnmはチャンネル行列Hの要素で以下のように表せる。
Figure 2007013455
Dは到来波数,Rは第i番目の到来波の送信アンテナmから受信アンテナnへの到来波毎の伝搬距離,λは波長である。
受信側でチャンネル行列Hを得るには,既知のトレーニング系列などを送信し,受信側でトレーニング系列から推定する手法がよく用いられる。チャンネル行列が得られると,open loop型のMIMO受信機の場合,チャンネル行列の逆行列H−1を利用することで,送信信号を推定することができる。代表的な手法として,以下のZF(Zero Forcing)法,MMSE(Minimum Mean Square Error)法がある。
ZF法:
Figure 2007013455
MMSE法:
Figure 2007013455
ここで,添え字“”は共役転置を表し,σ は雑音分散で各チャンネル等しいと仮定している。ZF法とMMSE法を比較すると,高SNRではほぼ等しい特性が得られ,低SNRではMMSEの方が良い特性が得られることが知られている。
式(4)のRZFは次式のMoore−penrose一般逆行列と同じ形式であり,行列Hにランク落ちがない場合,H−1=(HH)−1であり,通常の逆行列演算と同じ結果を得る。また,ランク落ちがある場合,正確な逆行列が得られないので,H−1を計算する際,行列式の逆数に適当な値を入れて計算すれば,オーバーフローは避けられ,装置上の破綻は生じない。
特開平6−231163号公報
上述のように,逆行列演算の装置化に際して,ランク判定を行いその判定結果に従って逆行列演算を効率に行う手法が望まれているが,上記のシステム要求を満たすような逆行列演算法を装置化する場合,装置規模が大きくなるといった問題点があった。
本発明は,従来技術が有する上記問題点に鑑みてなされたものであり,本発明の目的は,OFDM伝送で必要となる全サブキャリアのチャンネル行列の計算を組織的に行うことにより,例えば,OFDMシンボル周期内での計算,あるいは,送受信アンテナ数がM×N(例えば,M,N=2,3,4)と可変するシステムに対応することが可能であり,さらに,ランク判定を行いその判定結果に従って逆行列演算を効率に行うことの可能な,新規かつ改良されたチャンネル行列演算装置およびチャンネル行列演算方法,並びにその関連技術(コンピュータプログラム等)を提供することである。
上記課題を解決するため,本発明の第1の観点によれば,送受信アンテナがM×N(M,Nは2以上の自然数)で可変サイズの伝送チャンネルを備えたMIMO−OFDM送受信装置に組み込まれるチャンネル行列演算装置が提供される。本発明のチャンネル行列演算装置は,行列Hの要素hij(iはM以下の自然数,jはN以下の自然数)を用いて,前記行列Hを2×2型行列に分割する小行列分割部と,前記分割された2×2型行列の余因子の計算を行う余因子計算部と,前記計算された余因子を用いて,前記行列Hの行列式|H|の計算を行う行列式計算部と,前記行列式|H|を用いて,前記行列Hがランク落ちであるかを判定するランク落ち判定部と,を備えたことを特徴とする。
かかる構成によれば,行列式計算を2×2型以下に分割した小行列のみで処理することができ,ランク落ち判定情報を利用したチャンネル行列演算装置を提供することができる。
前記ランク落ち判定部は,前記行列Hの全要素について予め設定した要素判定閾値との比較を行い,前記行列Hの特定の列または行の全要素が所定の要素判定閾値以下であるか,または,前記行列式|H|が行列式判定閾値以下であれば,前記行列Hがランク落ちであると判定するようにしてもよい。かかる構成によれば,ランク落ち判定において,行列式計算の前に,特定の列あるいは行が0に近いか否かの要素判定を行うことで,特定の列あるいは行が0といった明らかにランク落ちの場合には,行列式の計算を行わずに判定できるので,無駄な計算を省略できるチャンネル行列演算装置を提供することができる。
前記ランク落ち判定部の判定結果に基づいて余因子を設定して出力する余因子設定部を備え,前記余因子設定部は,前記ランク落ち判定部によって,前記行列Hがランク落ちでないと判定された場合,前記余因子計算部で計算した余因子を出力し,前記ランク落ち判定部によって,前記行列Hがランク落ちであると判定された場合,余因子を前記行列式判定閾値に置き換えて出力するようにしてもよい。かかる構成によれば,ランク落ちがない場合は余因子を,ランク落ちの場合は予め設定した値(行列式判定閾値)に置き換えて出力することにより,逆行列計算時の数値的破綻を回避する行列式列演算装置を提供することができる。
前記余因子設定部が出力した余因子または前記行列式判定閾値を用いて,前記行列Hの逆行列を計算するようにしてもよい。かかる構成によれば,逆行列演算に小行列分割法を用いる場合,逆行列計算に必要となる値はランク落ち判定部で設定した値を用いることによって,逆行列計算でそれらの計算が不要になり,逆行列の計算量削減を図ることの可能なチャンネル行列演算装置を提供することができる。なお,行列分割法を用いた逆行列演算については,本願出願人がすでに出願した特願2005−39164の技術がある。
本発明の他の観点によれば,送受信アンテナがM×N(M,Nは2以上の自然数)で可変サイズの伝送チャンネルを備えたMIMO−OFDM送受信装置におけるチャンネル行列演算方法が提供される。本発明のチャンネル行列演算方法は,行列Hの要素hij(iはM以下の自然数,jはN以下の自然数)を用いて,前記行列Hを2×2型行列に分割する小行列分割工程と,前記分割された2×2型行列の余因子の計算を行う余因子計算工程と,前記計算された余因子を用いて,前記行列Hの行列式|H|の計算を行う行列式計算工程と,前記行列式|H|を用いて,前記行列Hがランク落ちであるかを判定するランク落ち判定工程と,を含むことを特徴とする。
かかる構成によれば,行列式計算を2×2型以下に分割した小行列のみで処理することができ,ランク落ち判定情報を利用したチャンネル行列演算方法を提供することができる。
本発明の他の観点によれば,コンピュータを,上記本発明の第1の観点にかかるチャンネル行列演算装置として機能せしめるコンピュータプログラムと,そのコンピュータプログラムを記録した,コンピュータにより読み取り可能な記録媒体が提供される。ここで,コンピュータプログラムはいかなるプログラム言語により記述されていてもよい。また,記録媒体としては,例えば,CD−ROM,DVD−ROM,フレキシブルディスクなど,プログラムを記録可能な記録媒体として現在一般に用いられている記録媒体,あるいは将来用いられるいかなる記録媒体をも採用することができる。
上記課題を解決するため,本発明の第2の観点によれば,送受信アンテナがM×N(M,N=2,3,4)で可変サイズの伝送チャンネルを備えたMIMO−OFDM送受信装置に組み込まれるチャンネル行列演算装置が提供される。本発明のチャンネル行列演算装置は,4×4型の行列Hの要素hij(i,j=1,2,3,4)について,前記行列Hを以下の2×2型行列に分割する小行列分割部と,
Figure 2007013455
前記分割された2×2型行列の余因子|A11|,|A22|,|A12|,|A21|,|B1|,|B2|,|B3|,|B4|,|B5|,|B6|,|B7|,|B8|の計算を行う余因子計算部と,
前記計算された余因子を用いて,前記行列Hの行列式
Figure 2007013455
の計算を行う行列式計算部と,
前記行列式|H|を用いて,前記行列Hがランク落ちであるかを判定するランク落ち判定部と,を備えたことを特徴とする。
かかる構成によれば,4×4型,3×3型,2×2型行列の行列式計算を2×2型以下に分割した小行列のみで処理することができ,ランク落ち判定情報を利用したチャンネル行列演算装置を提供することができる。
前記ランク落ち判定部は,前記行列Hの全要素について予め設定した要素判定閾値との比較を行い,前記行列Hの特定の列または行の全要素が所定の要素判定閾値以下であるか,または,前記行列式|H|が行列式判定閾値以下であれば,前記行列Hがランク落ちであると判定するようにしてもよい。かかる構成によれば,ランク落ち判定において,行列式計算の前に,特定の列あるいは行が0に近いか否かの要素判定を行うことで,特定の列あるいは行が0といった明らかにランク落ちの場合には,行列式の計算を行わずに判定できるので,無駄な計算を省略できるチャンネル行列演算装置を提供することができる。
前記ランク落ち判定部の判定結果に基づいて余因子を設定して出力する余因子設定部を備え,前記余因子設定部は,前記ランク落ち判定部によって,前記行列Hがランク落ちでないと判定された場合,前記余因子計算部で計算した余因子|A11|,|A22|を出力し,前記ランク落ち判定部によって,前記行列Hがランク落ちであると判定された場合,余因子|A11|,|A22|を前記行列式判定閾値に置き換えて出力するようにしてもよい。かかる構成によれば,ランク落ちがない場合は余因子|A11|と|A22|を,ランク落ちの場合は予め設定した値(行列式判定閾値)に|A11|と|A22|を置き換えて出力することにより,逆行列計算時に必要な1/|A11|あるいは1/|A22|の数値的破綻を回避する行列式列演算装置を提供することができる。
前記余因子設定部が出力した余因子|A11|,|A22|または前記行列式判定閾値を用いて,前記行列Hの逆行列を計算するようにしてもよい。かかる構成によれば,逆行列演算に小行列分割法を用いる場合,逆行列計算に必要となるA11,A22はランク落ち判定部で設定した値を用いることによって,逆行列計算でそれらの計算が不要になり,逆行列の計算量削減を図ることの可能なチャンネル行列演算装置を提供することができる。なお,行列分割法を用いた逆行列演算については,本願出願人がすでに出願した特願2005−39164の技術がある。
本発明の他の観点によれば,送受信アンテナがM×N(M,N=2,3,4)で可変サイズの伝送チャンネルを備えたMIMO−OFDM送受信装置におけるチャンネル行列演算方法が提供される。本発明のチャンネル行列演算方法は,4×4型の行列Hの要素hij(i,j=1,2,3,4)について,前記行列Hを以下の2×2型行列に分割する小行列分割工程と,
Figure 2007013455
前記分割された2×2型行列の余因子|A11|,|A22|,|A12|,|A21|,|B1|,|B2|,|B3|,|B4|,|B5|,|B6|,|B7|,|B8|の計算を行う余因子計算工程と,前記計算された余因子を用いて,前記行列Hの行列式
Figure 2007013455
の計算を行う行列式計算工程と,前記行列式|H|を用いて,前記行列Hがランク落ちであるかを判定するランク落ち判定工程と,を含むことを特徴とする。
かかる方法によれば,4×4型,3×3型,2×2型行列の行列式計算を2×2型以下に分割した小行列のみで処理することができ,ランク落ち判定情報を利用したチャンネル行列演算方法を提供することができる。
本発明の他の観点によれば,コンピュータを,上記本発明の第2の観点にかかるチャンネル行列演算装置として機能せしめるコンピュータプログラムと,そのコンピュータプログラムを記録した,コンピュータにより読み取り可能な記録媒体が提供される。ここで,コンピュータプログラムはいかなるプログラム言語により記述されていてもよい。また,記録媒体としては,例えば,CD−ROM,DVD−ROM,フレキシブルディスクなど,プログラムを記録可能な記録媒体として現在一般に用いられている記録媒体,あるいは将来用いられるいかなる記録媒体をも採用することができる。
以上のように,本発明によれば,行列式計算を2×2型以下に分割した小行列のみで処理することができ,ランク落ち判定情報を利用したチャンネル行列演算装置を提供することができる。また,ランク落ち判定において,行列式計算の前に,特定の列あるいは行が0に近いか否かの要素判定を行うことで,特定の列あるいは行が0といった明らかにランク落ちの場合には,行列式の計算を行わずに判定できるので,無駄な計算を省略することができる。また,ランク落ちがない場合は余因子を,ランク落ちの場合は予め設定した値(行列式判定閾値)に置き換えて出力することにより,逆行列計算時に必要な値の数値的破綻を回避することができる。また,逆行列演算に小行列分割法を用いる場合,逆行列計算に必要となる値はランク落ち判定部で設定した値を用いることによって,逆行列計算でそれらの計算が不要になり,逆行列の計算量削減を図ることができる。
以下に添付図面を参照しながら,本発明にかかるチャンネル行列演算装置,チャンネル行列演算方法,およびコンピュータプログラムの好適な実施形態について詳細に説明する。なお,本明細書および図面において,実質的に同一の機能構成を有する構成要素については,同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
(1)チャンネル逆行列演算装置の概略構成
MIMOシステムを用いたOFDM送受信装置の一例の概略構成について,図1,図2を参照しながら説明する。本実施形態では,送信アンテナ4本,受信アンテナ4本から成る4×4型MIMOシステムの一例について説明する。OFDMで採用するサブキャリア数は52とし,OFDMシンボルには既知の系列をもったトレーニングシンボルが周期的に挿入されているとする。
<図1:4×4MIMO−OFDM送信装置例>
4×4MIMO−OFDM送信装置100は,図1に示したように,変調部101と,OFDMシンボル生成部102と,MIMO信号生成部103と,IFFT104と,MIMO−RF送信部105a〜105dとを含んで構成されている。
4×4MIMO−OFDM送信装置100は,データのフレーム化,チャンネル符号化等の処理の後,送信データとして変調部101に入力し,OFDMサブキャリア毎に定められた変調を行い,OFDMシンボル生成部102でパイロットキャリア挿入などOFDMシンボル化された後,MIMO信号送信部103で定められたMIMOフォーマットに従って,送信アンテナ数4本それぞれで送信するデータストリームを生成する。これら4本のデータストリームはIFFT104で逆フーリエ変換されて52本のサブキャリアを形成し,ガードシンボル等が付加された後,MIMO−RF送信部105a〜105dの各D/A変換器で4本のストリームをアナログ信号に変換し,RF部でアップコンバートされて,それぞれの送信アンテナから適切なタイミングで4ストリームの信号が送信される。
<図2:4×4MIMO−OFDM受信装置例>
4×4MIMO−OFDM受信装置200は,図2に示したように,MIMO−RF受信部201a〜201dと,FFT202と,MIMO信号受信部203と,復調部204と,チャンネル行列推定部205と,チャンネル行列処理部206とを含んで構成されている。
4×4MIMO−OFDM受信装置200は,MIMO−RF受信部201a〜201dの各受信アンテナで送信された4ストリームの信号を受信し,各ストリームの信号はRF部でダウンコンバートされ,それぞれのA/D変換器でベースバンド信号に変換される。FFT202では,適切なタイミングで各ストリームのFFTを施して52本のサブキャリアに対応する信号を再生し,MIMO信号受信部でデータとトレーニングシンボルを分け,データを復調部204に,トレーニングシンボルをチャンネル行列推定器205に出力する。チャンネル行列推定器205では,既知の系列とトレーニングシンボルとの相関を取る等の処理により,チャンネル行列Hの要素を推定する。チャンネル行列処理部206は,ZF法を用いる場合RZFを,MMSE法を用いる場合RMMSEをOFDMシンボル毎に52サブキャリア分計算し,復調部204でサブキャリア毎に,ZF法の場合は式(4),MMSE法の場合は式(5)を計算することによって受信信号ベクトルの復調を行い,送信されたストリーム毎の復調データとして出力する。
(2)小行列分割法を用いた一般逆行列演算処理の概要
(2.1)小行列分割による逆行列演算
本実施形態にかかる小行列分割法による一般逆行列演算処理の概要について説明する。
本実施形態のシステムでは,逆行列演算の最大要素数は送信アンテナ数4,受信アンテナ数4の4×4の複素数である。ガウス消去法やLU分解を用いて逆行列を求める場合,4×4の要素に対して演算を行うため,装置化を行う場合,効率的なモジュールを構築し難い。そこで,本実施形態では,小行列分割法による行列分割を行い,2×2の行列,1×2,2×1のベクトルとスカラの演算を基本とし,かつ,エルミート行列の特徴を生かした演算処理を行う。
まず,小行列分割法の原理を説明する(“Statistical and Adaptive Signal Processing”, D.G.Manolakis, V.K.Ingle,
S.M.Kogon参照)。本実施形態で対象とする4×4型より小さい行列を以下のように2×2型以下の行列に4分割する。
(1)4×4型の場合:
Figure 2007013455
各小行列は以下のように表せる。
Figure 2007013455
(2)3×3型の場合:
Figure 2007013455
各小行列は以下のように表せる。
Figure 2007013455
各小行列は以下のように表せる。
(3)4×3型の場合:
Figure 2007013455
各小行列は以下のように表せる。
Figure 2007013455
(4)3×4型の場合:
Figure 2007013455
各小行列は以下のように表せる。
Figure 2007013455
(5)3×2型の場合:
Figure 2007013455
各小行列は以下のように表せる。
Figure 2007013455
(6)2×3型の場合:
Figure 2007013455
各小行列は以下のように表せる。
Figure 2007013455
このように分割した各小行列を用いると,行列Aの逆行列A−1は次式のように表せる。
Figure 2007013455
ここで,行列E,F,E,Fは次式のように置く。
Figure 2007013455
また,A12=A21であり,逆行列A11 −1とA22 −1は存在すると仮定している。
一般逆行列の場合,式(22)の行列Aは式(4)の(HH),式(5)の(HH+σI)が対象となる。いずれも正方行列かつエルミート行列である。そのため,上記の4×4型,3×3型の小行列のみ考えれば良い。
2×2型行列の逆行列は直接次式から求まる。
Figure 2007013455
式(22)より,以下の4つについて逆行列を計算する必要がある。
Figure 2007013455
4×4型行列の場合,式(25)の小行列は,いずれも2×2型行列なので,式(24)を用いて計算可能である。3×3型行列の場合,A22 −1とE −1はスカラの実数なので,それぞれの逆数を求めれば良い。
(2.2)小行列分割による逆行列演算
行列式はランク判定に用いるため,逆行列演算の前に計算する。ここで,|H|は行列式を表す。
(A)4×4型行列の場合
上記「(2.1)小行列分割による逆行列演算」の式(10)のHについて,以下のように,2×2型行列まで余因子分解を行う。
Figure 2007013455
このように分解することで,4×4型の行列式を2×2型の行列式のみを用いて計算できる。ここで,上記「(2.1)小行列分割による逆行列演算」の式(10)で用いた小行列A22,A21を用いて書き直す。
Figure 2007013455
ここで,
Figure 2007013455
さらに,以下のように変形することで,上記「(2.1)小行列分割による逆行列演算」の式(10)で用いた小行列A11,A12も用いて書ける。
Figure 2007013455
さらに,変形すると次式を得る。
Figure 2007013455
この結果,行列式演算で|A11|と|A22|の計算を行う。これらは,行列分割法を用いた逆行列演算を行う場合,逆行列演算においても計算する必要がある。そこで,これらをレジスタ記憶しておき,逆行列の計算のとき読み出せば,改めて計算する必要が無くなる。
(B)3×3型行列の場合,
上記「(2.1)小行列分割による逆行列演算」の式(11)に基づいて3行目に関して余因子分解を行う。
Figure 2007013455
この結果,行列式演算で|A11|を得る。A22はスカラである。4×4型行列と同様に,行列分割法を用いた逆行列演算を行う場合,これらをレジスタ記憶しておき,逆行列の計算のとき読み出せば,改めて計算する必要が無くなる。
(c)2×2型行列の場合,
Figure 2007013455
この場合,行列式演算は|A11|そのものであり,4×4型行列と同様に,行列分割法を用いた逆行列演算を行う場合,これをレジスタ記憶しておき,逆行列の計算のとき読み出せば,改めて計算する必要が無くなる。
(3)小行列分割法による逆行列演算装置の概略構成
本実施形態にかかる小行列分割法による一般逆行列演算装置の一例の概略構成について,チャンネル行列Hが4×4の場合を例に,図3を参照しながら説明する。
<図3:チャンネル行列演算装置>
上記「(2)小行列分割法を用いた一般逆行列演算処理の概要」で説明した小行列分割によるチャンネル行列演算装置の一例の概略構成を図3に示す。チャンネル行列演算装置300は,図3に示したように,レジスタ301と,入力行列モジュール302と,共役転置部303と,逆行列乗算モジュール304と,行列乗算モジュール(A)305と,行列減算部306と,逆行列乗算モジュール307と,行列乗算モジュール(B)308と,出力行列モジュール309と,ランク判定部310と,制御部311とを含んで構成されている。
本実施形態では,チャンネル逆行列演算装置を用いて,チャンネル行列Hが,4×4型,3×3型,2×2型といった正方行列でかつランク落ちがない場合,通常C=Hとして逆行列演算を行ってH−1を求める。また,ランク落ちがある場合,余因子の行列式を予め設定した閾値に置き換えて行列演算を行ってH−1を求める。
Hが4×k型,k=2,3,3×2型といった縦長の非正方行列はC=H’H,一方,k×4型,k=2,3,2×3型といった横長の非正方行列はC=HH’を計算することで,行数と列数の少ない方で決まる正方行列Cを得た後,Cの逆行列C −1を計算し,縦長の非正方行列はH−1=C −1H’によって,横長の非正方行列はH−1=H’C −1によって擬似逆行列を求めるものとする。Cにランク落ちがある場合は,正方行列と同様に,余因子の行列式を予め設定した閾値に置き換えて行列演算を行ってC −1を求める。
ランク落ち判定はランク判定部310で逆行列演算前に行い,ランク落ちのない場合は式(31),(32)に示した余因子|A11|や|A22|を用いて,逆行列演算モジュール304〜行列乗算モジュール308で逆行列演算を行う。一方,ランク落ちのある場合は余因子|A11|や|A22|を予め設定した閾値,例えば10−4に置き換えてから,逆行列演算モジュール304〜行列乗算モジュール308で逆行列演算を行う。ここで,余因子|A11|や|A22|を置き換える所定の閾値は,逆行列計算が破綻しないような値であれば任意の値に設定することができ,例えば,上述の行列式判定の閾値th_bと同じ値に設定してもよい。
正方行列の場合,行列Cは任意の要素を持った行列である。一方,非正方行列の場合,行列Cはエルミート行列となる。エルミート行列の効率的な逆行列演算装置は,本願出願人がすでに出願した特願2005−39164の技術がある。ここでは,任意の要素を持った場合の処理について説明する。また,ランク落ち判定において,要素判定の閾値をth_a,行列式判定の閾値をth_bとする。
図3の各ブロックの主要部分(逆行列演算,ランク判定)について,図4〜図9に示す。
逆行列演算は,逆行列演算モジュール304〜行列乗算モジュール(B)308で行う。
<図4:逆行列演算モジュール>
逆行列演算モジュール304,307は,図4に示したように,逆行列計算部401,レジスタ402で構成される。逆行列計算部401については,図5を参照しながら説明する。
<図5:逆行列計算部>
逆行列計算部401は,図5に示したように,セレクタ(I)501,複素乗算器502a,502b,レジスタ503a,503b,減算部504,セレクタ(II)505,逆数演算部506,レジスタ507,複素乗算器508a,508b,508c,508d,符号反転部509a,509bで構成される。
<図6:行列乗算モジュール(A)>
行列乗算モジュール(A)305は,図6に示したように,セレクタ601,行列乗算部602,レジスタ603,セレクタ(II)604で構成される。
<図7:行列乗算モジュール(B)>
行列乗算モジュール(B)308は,図7に示したように,行列乗算部701,レジスタ702で構成される。
<図8:ランク判定部>
ランク判定はランク判定部310で行う。ランク判定部310は,図8に示したように,要素判定部801,行列式計算部802,行列式判定部803,余因子設定部804で構成される。
<図9:行列式計算部>
行列式計算部802は,図9に示したように,セレクタ901,複素乗算部902a,902b,904,減算部903,レジスタ(I)905,レジスタ(II)906,加算部907,レジスタ(III)908で構成される。
以下,逆行列計算の概略を4×4型正方行列,4×3または3×4型行列を例に説明する。
(A)ランク判定
チャンネル行列推定部205で得られたチャンネル行列Hはレジスタ301に記憶される。
Hが正方行列の場合,レジスタ301からランク判定部310にHを出力する。ランク判定部301は,要素判定部801で,列または行の各要素と閾値th_aとの比較を行い,結果をランク落ち判定部803に出力する。ランク落ち判定部803では,ある特定の列または行の全要素が閾値以下であればランク落ちと判定し結果を余因子設定部804に出力する。
該要素判定結果がランク落ちでない場合,行列式計算部802は,式(27)〜(30)に従ってセレクタ901で小行列に分割して行列式|H|を計算すると共に,計算途中で得られる余因子|A11|と|A22|をレジスタ(II)に記憶する。行列式|H|の計算結果はレジスタ(III)908からランク落ち判定部803に,余因子|A11|と|A22|はレジスタ(II)906から余因子設定部804にそれぞれ出力される。ランク落ち判定部803は,行列式|H|と閾値th_bとの比較を行い,|H|>th_bならばランク落ちなし,|H|≦th_bならばランク落ちと判定し,結果を余因子設定部804に出力する。
ランク落ち判定部803は上記2種類のランク落ち判定の結果より,ランク落ち有無のフラグを出力する。余因子設定部804はランク落ちがない場合,余因子|A11|と|A22|をそのまま出力する。一方,ランク落ちがある場合,余因子を|A11|=th_b,|A22|=th_bと置き換えて出力する。
Hが非正方行列の場合,レジスタ301から行列入力モジュール302にHを出力し,縦長行列はC=H’H,横長行列はC=HH’を計算し,行数と列数の少ない方で決まる正方行列Cをランク判定部310に出力する。ランク判定部310は,Cを上記の正方行列Hの場合と同様のランク判定を行う。
(B)逆行列演算
行列式計算の結果から,逆行列計算を行う場合は以下の手順で処理を行う。すなわち,Hが正方行列のとき,行列入力モジュール302で何もせずに通過した2×2型に小行列分割されたHについて,式(10)のA11,A22の逆行列A11 −1,A22 −1を逆行列計算部304で計算する。計算に必要な行列式|A11|と|A22|は余因子設定部804の設定値を用いるので,これら値を出力できるようにセレクタ(I)501とセレクタ(II)502で選択して逆数演算部506に送り,1/|A11|,1/|A22|を計算してレジスタ507に記憶し,式(24)に従って逆行列A11 −1,A22 −1を計算する。
Hが非正方行列のとき,行列入力モジュール302で計算したCについて小行列分解を行う。この場合,行列Hは3×4型または4×3型なので,Cは3×3型である。式(13)のように分割すると2×2型の小行列はA11のみとなり,逆行列計算部304はA11について,上記と同じように逆行列を計算する。一方,A22はスカラなので逆数演算部506で1/A22を計算する。
続いて,式(22)に従って,E −1,−E −1,−E −1,E −1を計算する。これらは,A×B×Cの乗算を行う行列乗算モジュール(A)305,2つの行列の減算を行う行列減算部306,E,Eの逆行列E −1,E −1の計算を行う逆行列モジュール307,−E −1とF,E −1とFの乗算を行う行列乗算モジュール308でそれぞれの処理を行う。この結果,Hが正方行列の場合はH−1が得られ,行列出力モジュール309では何もせずに出力する。Hが非正方行列の場合はC −1が得られ,行列出力モジュール309では縦長の非正方行列の場合H−1=C −1H’によって,横長の非正方行列の場合H−1=H’C −1によって擬似逆行列を計算して結果を出力する。
(4)ランク判定とチャンネル行列の信頼度
ランク落ち判定部803でランク落ちと判定された場合,余因子設定部で|A11|,|A22|を閾値th_bで置き換えたが,ランク落ちは|A11|あるいは|A22|が0に近い場合に生じる。そのため,そのまま|A11|,|A22|を逆行列計算に用いると1/|A11|あるいは1/|A22|を計算するとき,値が非常に大きくなり,装置化を行う場合,オーバーフローしてしまう。オーバーフローしない程度の値だとしても,逆行列の要素が大きくなりチャンネル行列Hそのものが特異に近い行列と見なせるので,推定したチャンネル行列自体の信頼度も低いとみなせる。そのため,特異に近い行列に対して厳密に逆行列を求めても意味がないので,ランク落ちと判定された場合,|A11|や|A22|を逆行列計算が破綻しないような値に閾値th_bを選べばよい。また,処理速度と装置規模に余裕があれば,ランク落ちと判定された場合は,特異値分解を用いて擬似逆行列を求めるのもひとつの手法である。
本実施形態で説明した技術を無線LANに適用する場合,OFDMで52本のサブキャリアについて逆行列を計算する必要がある。チャンネルの周波数特性が全サブキャリアでほぼ同じ,あるいは送受信間の伝搬路構成が全サブキャリアでほぼ同じ,時間変動がほとんどないといったとき,サブキャリア毎のチャンネル行列もほぼ同じ特徴をもつ。このような環境で,あるサブキャリアでランク落ちを判定された場合,隣接するサブキャリアもランク落ちする可能性が高く,隣接する複数サブキャリアでランク落ちが生じることも考えられる。例えば,単一回折波が支配的な伝搬環境では,チャンネル行列の収縮が生じ,ランク落ちが起こる。隣接する複数サブキャリアでランク落ちが観測された場合,チャンネル行列信頼度が低いと判断することもできる。ランク落ち判定はこのような伝搬路の信頼度情報としても利用できる。
以上,本実施形態にかかるチャンネル行列演算装置300およびこれを用いたチャンネル行列演算方法について説明した。かかるチャンネル行列演算装置300は,コンピュータに上記機能を実現するためのコンピュータプログラムを組み込むことで,コンピュータをチャンネル行列演算装置300として機能させることが可能である。かかるコンピュータプログラムは,所定の記録媒体(例えば,CD−ROM)に記録された形で,あるいは,電子ネットワークを介したダウンロードの形で市場を流通させることが可能である。
以上,添付図面を参照しながら本発明にかかるチャンネル行列演算装置,チャンネル行列演算方法,およびコンピュータプログラムの好適な実施形態について説明したが,本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば,上記実施形態では,逆行列演算の具体例として,4×4型正方行列,4×3または3×4型行列などを例に挙げて説明したが,本発明はこれに限定されず,任意のM×N(M,Nは2以上の自然数)行列に適用可能である。
また,上記実施形態を適用することの可能な逆行列演算の手法として,本願出願人がすでに出願した特願2005−39164の技術(行列分割法を用いた逆行列演算)について説明したが,本発明はこれに限定されず,あらゆる逆行列演算に適用可能である。
本発明は,多重アンテナを使用したワイヤレス無線通信システムにおいて,送受信アンテナがM×N(例えば,M,N=2,3,4)で可変サイズの伝送チャンネルを備えたMIMO−OFDM送受信装置のチャンネル行列演算に関する技術であり,チャンネル行列演算装置およびチャンネル行列演算方法,並びにその関連技術に利用可能である。
4×4MIMO−OFDM送信装置の説明図である。 4×4MIMO−OFDM受信装置の説明図である。 チャンネル行列演算装置の説明図である。 逆行列演算モジュールの説明図である。 逆行列計算部の説明図である。 行列乗算モジュール(A)の説明図である。 行列乗算モジュール(B)の説明図である。 ランク判定部の説明図である。 行列式計算部の説明図である。
符号の説明
100 4×4MIMO−OFDM送信装置
200 4×4MIMO−OFDM受信装置
300 チャンネル行列演算装置
301 レジスタ
302 行列入出力モジュール
303 共役転置部
304 逆行列演算モジュール
305 行列乗算モジュール(A)
306 行列減算部
307 逆行列演算モジュール
308 行列乗算モジュール(B)
309 行列出力モジュール
310 ランク判定部
311 制御部
401 逆行列計算部
800 ランク判定部
900 行列式計算部

Claims (12)

  1. 送受信アンテナがM×N(M,Nは2以上の自然数)で可変サイズの伝送チャンネルを備えたMIMO−OFDM送受信装置に組み込まれるチャンネル行列演算装置であって,
    行列Hの要素hij(iはM以下の自然数,jはN以下の自然数)を用いて,前記行列Hを2×2型行列に分割する小行列分割部と,
    前記分割された2×2型行列の余因子の計算を行う余因子計算部と,
    前記計算された余因子を用いて,前記行列Hの行列式|H|の計算を行う行列式計算部と,
    前記行列式|H|を用いて,前記行列Hがランク落ちであるかを判定するランク落ち判定部と,
    を備えたことを特徴とする,チャンネル行列演算装置。
  2. 前記ランク落ち判定部は,
    前記行列Hの全要素について予め設定した要素判定閾値との比較を行い,前記行列Hの特定の列または行の全要素が所定の要素判定閾値以下であるか,または,前記行列式|H|が行列式判定閾値以下であれば,前記行列Hがランク落ちであると判定することを特徴とする,請求項1に記載のチャンネル行列演算装置。
  3. 前記ランク落ち判定部の判定結果に基づいて余因子を設定して出力する余因子設定部を備え,
    前記余因子設定部は,
    前記ランク落ち判定部によって,前記行列Hがランク落ちでないと判定された場合,前記余因子計算部で計算した余因子を出力し,
    前記ランク落ち判定部によって,前記行列Hがランク落ちであると判定された場合,余因子を前記行列式判定閾値に置き換えて出力することを特徴とする,請求項2に記載のチャンネル行列演算装置。
  4. 前記余因子設定部が出力した余因子または前記行列式判定閾値を用いて,前記行列Hの逆行列を計算することを特徴とする,請求項3に記載のチャンネル行列演算装置。
  5. 送受信アンテナがM×N(M,Nは2以上の自然数)で可変サイズの伝送チャンネルを備えたMIMO−OFDM送受信装置におけるチャンネル行列演算方法であって,
    行列Hの要素hij(iはM以下の自然数,jはN以下の自然数)を用いて,前記行列Hを2×2型行列に分割する小行列分割工程と,
    前記分割された2×2型行列の余因子の計算を行う余因子計算工程と,
    前記計算された余因子を用いて,前記行列Hの行列式|H|の計算を行う行列式計算工程と,
    前記行列式|H|を用いて,前記行列Hがランク落ちであるかを判定するランク落ち判定工程と,
    を含むことを特徴とする,チャンネル行列演算方法。
  6. コンピュータを,請求項1〜4のいずれかに記載のチャンネル行列演算装置として機能せしめるコンピュータプログラム。
  7. 送受信アンテナがM×N(M,N=2,3,4)で可変サイズの伝送チャンネルを備えたMIMO−OFDM送受信装置に組み込まれるチャンネル行列演算装置であって,
    4×4型の行列Hの要素hij(i,j=1,2,3,4)について,前記行列Hを以下の2×2型行列に分割する小行列分割部と,
    Figure 2007013455
    前記分割された2×2型行列の余因子|A11|,|A22|,|A12|,|A21|,|B1|,|B2|,|B3|,|B4|,|B5|,|B6|,|B7|,|B8|の計算を行う余因子計算部と,
    前記計算された余因子を用いて,前記行列Hの行列式
    Figure 2007013455
    の計算を行う行列式計算部と,
    前記行列式|H|を用いて,前記行列Hがランク落ちであるかを判定するランク落ち判定部と,
    を備えたことを特徴とする,チャンネル行列演算装置。
  8. 前記ランク落ち判定部は,
    前記行列Hの全要素について予め設定した要素判定閾値との比較を行い,前記行列Hの特定の列または行の全要素が所定の要素判定閾値以下であるか,または,前記行列式|H|が行列式判定閾値以下であれば,前記行列Hがランク落ちであると判定することを特徴とする,請求項7に記載のチャンネル行列演算装置。
  9. 前記ランク落ち判定部の判定結果に基づいて余因子を設定して出力する余因子設定部を備え,
    前記余因子設定部は,
    前記ランク落ち判定部によって,前記行列Hがランク落ちでないと判定された場合,前記余因子計算部で計算した余因子|A11|,|A22|を出力し,
    前記ランク落ち判定部によって,前記行列Hがランク落ちであると判定された場合,余因子|A11|,|A22|を前記行列式判定閾値に置き換えて出力することを特徴とする,請求項8に記載のチャンネル行列演算装置。
  10. 前記余因子設定部が出力した余因子|A11|,|A22|または前記行列式判定閾値を用いて,前記行列Hの逆行列を計算することを特徴とする,請求項9に記載のチャンネル行列演算装置。
  11. 送受信アンテナがM×N(M,N=2,3,4)で可変サイズの伝送チャンネルを備えたMIMO−OFDM送受信装置におけるチャンネル行列演算方法であって,
    4×4型の行列Hの要素hij(i,j=1,2,3,4)について,前記行列Hを以下の2×2型行列に分割する小行列分割工程と,
    Figure 2007013455
    前記分割された2×2型行列の余因子|A11|,|A22|,|A12|,|A21|,|B1|,|B2|,|B3|,|B4|,|B5|,|B6|,|B7|,|B8|の計算を行う余因子計算工程と,
    前記計算された余因子を用いて,前記行列Hの行列式
    Figure 2007013455
    の計算を行う行列式計算工程と,
    前記行列式|H|を用いて,前記行列Hがランク落ちであるかを判定するランク落ち判定工程と,
    を含むことを特徴とする,チャンネル行列演算方法。
  12. コンピュータを,請求項7〜10のいずれかに記載のチャンネル行列演算装置として機能せしめるコンピュータプログラム。
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