JP2007009829A - 車両 - Google Patents
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Abstract
【目的】エンジンが車体に対して縦置きになった場合、シリンダが車体に対して左右方向いずれか側に傾斜して取付けられ、傾斜しているシリンダにスロットルボディを正立の状態で取付けると、吸気ポート及び吸気通路が傾くため、噴霧軸線が吸気ポートを直接指向しなくなる場合があり得るので、このような縦置きエンジンに対しても燃料噴霧を良好にする。
【構成】クランク軸を車体の前後方向へ配設し、シリンダを車体の左右方向いずれか側へ傾けた縦置き形式のエンジンを備え、シリンダ15のシリンダ軸線C1の傾きθ に合わせてスロットルボディ17の上下方向の中心線C5をθだけ同方向エンジン傾ける。これにより、シリンダ15の吸気ポート及び吸気通路が傾いても、インジェクタ43の噴射軸線C2も傾くため、吸気ポートへの噴霧を良好にする。
【選択図】図7
【構成】クランク軸を車体の前後方向へ配設し、シリンダを車体の左右方向いずれか側へ傾けた縦置き形式のエンジンを備え、シリンダ15のシリンダ軸線C1の傾きθ に合わせてスロットルボディ17の上下方向の中心線C5をθだけ同方向エンジン傾ける。これにより、シリンダ15の吸気ポート及び吸気通路が傾いても、インジェクタ43の噴射軸線C2も傾くため、吸気ポートへの噴霧を良好にする。
【選択図】図7
Description
この発明は、縦置き形式のエンジンに対して燃料噴射機構により燃料を供給する形式の車両に係り、特に不整地走行用車両に好適な吸気構造を備えたものに関する。なお、縦置き形式とは、クランク軸を車体の前後方向へ向けて配設するエンジンの配置形式を意味する。
不整地走行用車両の車体に、クランク軸を左右方向へ向けて配置した横置きエンジンを搭載し、このエンジンの吸気通路へ燃料噴射機構を接続するとともに、燃料噴射機構はスロットルボディとインジェクタを備え、スロットルボディも車体に正立で取付けたものがある(特許文献1参照)。なお、正立とは、シリンダ軸線やスロットルボディ等の上下方向における中心線を、対象とする部材の上下方向基準線と平行にした状態をいう。
従来技術において、車体に対してシリンダが正立しており、燃料噴射機構のスロットルボディも車体に対して正立で取付けられているので、燃料が吸気ポートへスムーズに入るよう良好なインジェクションの噴霧を可能としている。しかし、エンジンが車体に対して縦置きになった場合、シリンダが車体に対して左右方向いずれか側に傾斜して取付けられ、傾斜しているシリンダにスロットルボディを正立の状態で取付けると、吸気ポート及び吸気通路が傾くため、噴霧軸線が吸気ポートを直接指向しなくなる場合があり得る。また吸気ポートが複数ある場合、複数の吸気ポートへの噴霧が均一化されないことが考えられる。そこで、このような縦置きエンジンに対しても燃料噴霧を良好にすることを目的とする。
上記課題を解決するため本願の車両に係る請求項1の発明は、クランク軸を車体の前後方向へ配設し、シリンダを車体の左右方向いずれか側へ傾けた縦置き形式のエンジンを備え、シリンダの吸気通路を通して吸気ポートへ燃料を供給する燃料噴射機構を備えた車両において、
前記燃料噴射機構を前記シリンダの傾きに合わせて傾斜させたことを特徴とする。
前記燃料噴射機構を前記シリンダの傾きに合わせて傾斜させたことを特徴とする。
請求項2は上記請求項1において、前記吸気ポートを複数設けるとともに、これら各吸気ポートへ枝分かれして接続する1本の吸気通路を備えたことを特徴とする。
請求項3は上記請求項1又は2において、前記燃料噴射機構は、スロットルボディとインジェクタを備え、前記スロットルボディを前記シリンダとの傾斜に合わせて傾斜させたことを特徴とする。
請求項1の発明によれば、縦置きエンジンとしたことにより、シリンダが車体の左右いずれか側へ傾斜するため、吸気ポート及び吸気通路等も傾斜する。しかし、燃料噴射機構もシリンダに合わせて傾斜させたので、吸気ポート及び吸気通路に対して正立状態となり、吸気ポートへ確実に燃料を噴霧できるようになる。
請求項2の発明によれば、吸気ポートを複数設けるとともに、これら各吸気ポートへ枝分かれして接続する1本の吸気通路に対して、シリンダの傾きに合わせて傾斜する燃料噴射機構を接続したので、同様に正立状態が保たれ、燃料を各ポートに確実に噴霧できる。
請求項3によれば、スロットルボディをシリンダの傾斜に合わせるだけで済むため組み付け易い。また、他の機種に搭載する際、シリンダの傾斜が変わったとしても、このシリンダの傾斜にスロットルボディの傾斜を合わせだけで済むから、スロットルボディを多機種へ流用できる。
以下、図面に基づいて一実施形態を説明する。なお、以下の説明における前後左右等の各方向は、原則として、車両の進行方向を前方とし、これを基準とする。
図1は実施例に係る4輪バギー車の車体骨格部分における主要部の側面図である。この車両は鞍乗型車両であって、車体フレーム1の前後に、大径の低圧バルーンタイヤを装備した前輪2及び後輪3を備え、不整地走行を可能にしたものである。
車体フレーム1は、上下に略平行する上フレーム4及び下フレーム5と、これらの前端間にを前方へ斜め下がりに連結する前フレーム6及び後部間を後方へ斜め上がりに連結する後フレーム7とにより略ループ状に形成され、さらに斜めのステー8、9で補強されている。
車体フレーム1の前後方向中央部にはエンジン10が縦置きで搭載されている。縦置きとは、クランク軸線11を前後方向へ延びる車体中心線(後述)と平行に配置するレイアウト形式であり、クランクケース12の前後から動力を出力し、前輪用と後輪用の各プロペラシャフト13、14へ動力を伝達するようになっている。
クランクケース上のシリンダ15は、後述するようにシリンダ軸線を車体の左右いずれか側へ傾けた状態をなし、その後部側面に吸気通路16を介してスロットルボディ17が接続されている。スロットルボディ17にはその後方からコネクティングチューブ18を介して接続されたエアクリーナ19から浄化空気が供給されている。
エンジン10の前方に配置された燃料ポンプ20から燃料供給管21を介して燃料が供給される。燃料ポンプ20の上方には燃料タンク22が上フレーム4上に支持されて位置し、その底部から燃料ホース23を介して燃料が燃料ポンプ20へ送り込まれる。
シリンダ15の前部側面には排気管24が接続されている。排気管24は後方へ屈曲してシリンダ15の側方を通過し、上フレーム4の後端へ支持されたマフラー25へ接続し、ここから排気を外部へ排出する。マフラー25の上方にはリヤキャリヤ26が設けられ、その前方にシート28が配置されている。
シート28の前端部は燃料タンク22の後部へ接続し、この接続部下方にシュノーケル29の上端部が上向きに配置されている。シュノーケル29の下端部はエアクリーナ19へ接続している。
図中の符号30はラジエタ、31はステアリング軸、32はハンドル、33はフロントキャリヤ、34はフロントフェンダ、35はリヤフェンダである。
図2は上記車両における車体骨格部の一部を示す平面図である。この図に明らかなように、車体フレーム1の構成部材並びに前輪2及び後輪3はそれぞれ左右一対で設けられる。図中の符号C0は車体中心線であり、車体の前後方向へ延びている。この車体中心線C0に対して前述のようにクランク軸線11(図1参照)が平行又は重なるようにエンジンが配置されている。
燃料ポンプ20及びスロットルボディ17は車体中心線C0の近傍に位置し、燃料供給管21はエンジンの上方に配置された遮熱板36の上を通って燃料ポンプ20とスロットルボディ17を接続している。遮熱板36はエンジン10の上方かつ燃料タンク22の下方部分にて左右の上フレーム4、4間に掛け渡されている。
シュノーケル29の開口部は車体中心線C0を横断して左右方向へ長く広がっており、その近傍にシュノーケル29用のレゾネータ37aがスロットルボディ17の前方に配置されている。スロットルボディ17の上方はスロットルボディカバー38で覆われてる。
コネクティングチューブ18の 側方にもコネクティングチューブ用のレゾネータ37bが設けられている(図4、5参照)。エアクリーナ19は左右の上フレーム4、4間に配置されている。図中の符号39、39は車体の中央に設けられたステップであり、左右へ突出している。
図3はスロットルボディ17部分を車体の斜め上方から示す図である。この図ではスロットルボディカバー38を省略してあるが、図中の付号40で示すガセットプレートの通し穴41に対して図示省略のクリップ等により着脱自在に取付けられるようになっている。ガセットプレート40は左側の上フレーム4とクロスパイプ42とのコーナー部へ取付けられている。
スロットルボディ17はクロスパイプ42の前方に配置され、その上部にはインジェクタ43が取付けられている。インジェクタ43の一端部には燃料供給管21の後端部に設けられたジョイント44が接続され、ボルト45、45でジョイントベース46へ固定されている。ジョイントベース46はスロットルボディ17の上部へ予め取付けられている。符号47はソケットであり、ここへ図示省略の電線がカプラーを介して接続される。燃料供給管21の後端近傍部はバンド48でスロットルボディ17へ固定されている。
この図に明らかなように、スロットルボディ17とシュノーケル29が左右の上フレーム4、4間に横並びで配設され、シュノーケル29の側部へ連結されたシュノーケル用のレゾネータ37aがスロットルボディ17の近傍まで張り出して配置されている。
図4はスロットルボディ部分の側面視図であり、車体フレーム及びシュノーケル等を省略してある。この図に示すように、スロットルボディ17は左右方向いずれか側(本例では車体左側)へ傾けられているため、側面視において右側のボルト45まで見えている。スロットルボディ17が仮に正立状態(後述する上下方向の中心線が地面に対して垂直な.状態)であれば、右側のボルト45はジョイント44の陰になって見えない。
スロットルボディ17は吸気管50を介してシリンダ15を構成するシリンダヘッド51の吸気通路52に対して接続される。吸気管50はスロットルボディ17及び吸気通路52に対してそれぞれバンド53、54で締め付け固定される。
図中の符号55はシリンダブロック、56はシリンダヘッドカバーである。57はブリーザーチューブであり、未燃焼ガスをエンジン側からエアクリーナ19内へ送り込むようになっている。コネクティングチューブ18の側面にはシュノーケル用のレゾネータ37aより小型のコネクティングチューブ用レゾネータ37bが取付けられている。
図5は、スロットルボディ部分の平面図であり、同じく車体フレーム及びシュノーケル等を省略してある。この図に示すように、スロットルボディ17が車体左側へ傾けられているため、右側の側面17aが見えている。図中の符号58はフィルタエレメントであり、本図ではエアクリーナ19は上部のリッドを外して内部を見せてある。また、59は係合用突片であり、ここを左右の上フレーム4、4へ掛けてエアクリーナ19を上フレーム4、4で支持するようになっている。29aはシュノーケル29の下部側接続部である。
図6はシリンダヘッド51の吸気通路52へスロットルボディ17を接続した状態における部分断面図である。吸気通路52は吸気ポート60を介して燃焼室61へ連通し、吸気ポート60は吸気弁62で開閉される。排気側にも、排気通路63、排気ポート64及び排気弁65が設けられている。66はピストン、符号C1はシリンダ軸線である。なお、本実施例では吸気ポート60及び排気ポート64はそれぞれ左右に2つづつ設けられているが本図では各片側しか示されていない(吸気ポートについては図7参照)。
スロットルボディ17は吸気通路70内にスロットルバルブ71が紙面に直交する方向に延びるバルブ軸72を中心にして回動自在に設けられ、通気量を調節するようになっている。スロットルボディ17の上部壁面には嵌合部73が設けられ、ここにインジェクタ43の先端部が嵌合している。
嵌合部73は貫通穴74で吸気通路70と連通し、インジェクタ43の先端部に設けられている噴霧口75がスロットルバルブ71よりも吸気下流側の吸気通路70内へ臨んでいる。インジェクタ43の噴霧軸線C2は吸気通路70の吸気通路軸線C3に対して斜交し、スロットルバルブ71よりも吸気下流側
で交わるとともに、吸気ポート60を指向している。
で交わるとともに、吸気ポート60を指向している。
図7は複数の吸気ポート60と吸気通路70及びインジェクタ43の各配置関係を模式的に示した平断面図である。吸気ポート60は左右へ2個設けられ、図示省略の排気ポートも同様である。なお、吸気ポート60の数は単数もしくは2又はそれより多くの複数のいずれでもよい。排気ポートの数は吸気ポート60と同数、もしくは異なる数であってもよい。
この図において、2個の吸気ポート60、60は、内部が仕切壁80で仕切られた一つの吸気通路82へ連通している。各吸気ポート60、60の中心点O−O間を結んだ線に対して、これを2分する垂直線であるポート間中心線C4が中心を通るように仕切壁80を設ける。
さらにこの吸気通路82の吸気上流側端部をスロットルボディ17の吸気通路70における吸気下流側端部へ連通接続し、ポート間中心線C4の延長戦上にインジェクタ43がその噴霧軸線C2を一致させた状態で配設する。この図では吸気通路70の吸気通路軸線C3と噴霧軸線C2とは一致している。
図8はシリンダ15に対する取付状態におけるスロットルボディ17の正面視図である。噴霧口75とスロットルバルブ71の中心点Pを結んだスロットルボディ17の中心線C5が地面に対する垂直線Vに対してθなる所定の傾き角だけ車体左側へ傾いている(図中において左側をL、右側をRで示す)。この傾き角θは、仮想線で概略的に示すシリンダ15のシリンダ軸線C1の傾き角と一致し、かつ噴霧軸線C2とも重なっている。
次に、本実施例の作用を説明する。エンジン10が縦置きのため、図8に示すように、シリンダ15のシリンダ軸線C2はθなる傾き角で車体左側へ傾いている。しかし、スロットルボディ17も同じ角度θだけ車体左側へ傾いている。このため、吸気ポート60及びスロットルバルブ71の各中心を通るように、吸気通路52、70を切った状態である 図6の断面に示すように、この切断平面内に噴霧軸線C2が含まれ、この平面と噴霧軸線C2が平行になる。
その結果、吸気通路52及び吸気ポート60がともに車体左側へ傾いているにもかかわらず、噴霧軸線C2と吸気通路軸線C3を含む平面が吸気ポート60の中心を通ることにより、インジェクタ43がシリンダ15に対して正立状態となるので、インジェクタ43から噴霧された燃料は、噴霧軸線C2に沿って、吸気ポート60へ噴霧され、吸気ポート60へ確実に燃料を噴霧できるようになる。なお、図では片方の吸気ポート60しか見えていないが、左右の吸気ポート60、60のいずれもが同様に車体の左側へ傾いている。
また、スロットルボディ17をシリンダ15の傾斜に合わせて取付けるだけで済むため組み付けし易くなる。そのうえ、スロットルボディ17を他の機種に適用する際、シリンダ15の傾斜が変わったとしても、このシリンダ15の傾斜に合わせてスロットルボディ17の傾斜を変化させるだけで対応できるから、異なる機種間でスロットルボディ17の流用ができる。
そのうえ、図7に示すように、吸気ポート60、60を複数左右へ配置しても、スロットルボディ17の傾きをシリンダ15の傾きと一致させれば、噴霧軸線C2と吸気通路軸線C3を含む平面がシリンダ軸線C1と平行になるから、シリンダに対する正立条件を維持することがきる。
したがって、シリンダ軸線と直交する平面内においては、各吸気ポート60、60、吸気通路82及び仕切壁80とインジェクタ43との図に示す位置関係が維持され、インジェクタ43から噴霧軸線C2に沿って噴霧された燃料は、仕切壁80で2分されて各吸気ポート60、60へスムーズに入るので、燃料を吸気ポート60、60に確実に噴霧できる。
なお、本発明は上記の実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更等が可能である。例えば、前記同様に傾いているシリンダに対して、スロットルボディのバルブ軸72を地面と平行に配置するとともに、インジェクタ43だけをその噴霧軸線が正面視でシリンダの傾きと平行になるように傾けてもよい。このようにすると、インジェクタ43の位置を変えるのみなので、良好な噴霧を行うことができるとともに、スロットルボディ17に配置される他の構成部品のレイアウトを変えずに済ませることができる。
また、適用車両はバギー車に限らず、エンジンを縦置きする車両ならば種々な車両に適用可能である。
1:車体フレーム、10:エンジン、17:スロットルボディ、43:インジェクタ、50:吸気接続管、51:シリンダヘッド、52;エンジンの吸気通路、60:吸気ポート、70:スロットルボディの吸気通路、71:スロットルバルブ、72:バルブ軸線、80:仕切壁、82;エンジンの吸気通路
Claims (3)
- クランク軸を車体の前後方向へ配設し、シリンダを車体の左右方向いずれか側へ傾けた縦置き形式のエンジンを備え、シリンダの吸気通路を通して吸気ポートへ燃料を供給する燃料噴射機構を備えた車両において、
前記燃料噴射機構を前記シリンダの傾きに合わせて傾斜させたことを特徴とする車両。 - 前記吸気ポートを複数設けるとともに、これら各吸気ポートへ枝分かれして接続する1本の吸気通路を備えたことを特徴とする請求項1に記載した車両。
- 前記燃料噴射機構は、スロットルボディとインジェクタを備え、前記スロットルボディを前記シリンダとの傾斜に合わせて傾斜させたことを特徴とする請求項1または2に記載した車両。
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JP2005193178A JP2007009829A (ja) | 2005-06-30 | 2005-06-30 | 車両 |
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