JP2007002193A - (メタ)アクリル基含有ケイ素化合物、それを用いる感光性樹脂組成物及びその硬化物 - Google Patents

(メタ)アクリル基含有ケイ素化合物、それを用いる感光性樹脂組成物及びその硬化物 Download PDF

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Koji Nakayama
幸治 中山
Hideteru Kametani
英照 亀谷
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Abstract

【課題】硬度、耐擦傷性に優れた新規な感光基含有アルコキシシラン化合物を提供する。
【解決手段】式(1)で示されるアルコキシケイ素化合物同士またはこれと、式(2)で示されるアルコキシケイ素化合を塩基性触媒の存在下共加水分解縮合させることにより得られる(メタ)アクリル基含有ケイ素化合物(A)。XR Si(OR3−a (1)(式中、Xは(メタ)アクリル基を含む有機基、RはC1〜C10のアルキル基、C1〜C10の置換アルキル基、アリール基、置換アリール基を表す。aは0または1の整数。RはC1〜C4のアルキル基を表す。)R Si(OR4−b(2)(式中、RはC1〜C10のアルキル基、C1〜C10の置換アルキル基、アリール基、置換アリール基を表す。bは0〜2の整数である。Rが複数である場合、複数のRは互いに同一であっても異なっていても良い。RはC1〜C4のアルキル基を表す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、新規なケイ素化合物、及び各種電気・電子部品絶縁材料、積層板(プリント配線板)やFRP(繊維強化プラスチック)を始めとする各種複合材料、接着剤、塗料等に用いられる耐熱性に優れた硬化物を与える感光性樹脂組成物に関する。
有機高分子化合物の成型性、無機化合物の耐溶剤性など両者の長所を組み合わせて新規なハイブリッド材料を開発しようとする試みは広く行われている。例えば特許文献1には、テトラアルコキシシランなどの加水分解性無機化合物を加水分解重合して得られた無機酸化物のマトリックス中に、ウレタン結合を有する非反応性ポリマーが均一に分散した有機・無機ハイブリッド透明均質体が開示されている。
これら有機・無機ハイブリッド材料は、透明性、耐溶剤性、耐熱性、耐候性等に優れており、多方面への応用が検討されている。ところで従来、紫外線や電子線等の活性エネルギー線を照射することにより硬化する感光性樹脂組成物は、印刷関係、塗料関係、電気絶縁関係など種々の用途に開発され、実用的に使用されている。その利点として(1)無溶剤で低公害型である、(2)硬化速度が極めて速く製品の生産性が高い、(3)固形分として硬化するので硬化前後における体積変化が極めて小さい、(4)素材による熱損失、または素材に対する熱影響がないため、プラスチック、紙、無機質素材などの塗料、接着剤にも種々開発されている。
これらの感光性樹脂組成物の多くは有機化合物からなるものであり、乾式平板印刷用に使用されているシリコーン樹脂型のもの等の他に、無機化合物を含むものは、ほとんど使用されていない。特許文献2では、感光基含有アルコキシシランを含む感光性有機・無機複合体組成物が開示されている。しかしこの場合、感光基含有アルコキシシランは加水分解重合後、溶媒を除去されることなく使用される。すなわち、感光性有機・無機複合体組成物として使用直前に溶液中でのみ有機・無機ハイブリッド材料を得るため適用用途の範囲が狭い。また、特許文献3では、高硬度・優れた密着性等の性質を有する硬化物を与えるエポキシ基を有するアルコキシシランを含む感光性組成物が報告されているが、(メタ)アクリル基を有するアルコキシシランを含む感光性組成物についての開示はない。
特開平5−85860号公報 特開平8−262700号公報 特開2005−15581号公報
本発明の目的は、新規なケイ素化合物及び、表面硬度、耐擦傷性に優れた塗膜を得ることが出来る感光性樹脂組成物を提供することにある。
本発明者は、前記課題を解決すべく、鋭意研究を行った結果、表面硬度、耐擦傷性に優れた塗膜を得ることが出来る感光性樹脂組成物を与える新規なケイ素化合物を見出し、本発明に至った。
すなわち本発明は、
(1)一般式(1)で示されるアルコキシケイ素化合物同士またはこれと、一般式(2)で示されるアルコキシケイ素化合を塩基性触媒の存在下共加水分解縮合させることにより得られる(メタ)アクリル基含有ケイ素化合物(A)、
XR Si(OR3−a (1)
(式中、Xは(メタ)アクリル基を含む有機基、RはC1〜C10のアルキル基、C1〜C10の置換アルキル基、アリール基、置換アリール基を表す。aは0または1の整数である。RはC1〜C4のアルキル基を表す。)
Si(OR4−b(2)
(式中、RはC1〜C10のアルキル基、C1〜C10の置換アルキル基、アリール基、置換アリール基を表す。bは0〜2の整数である。Rが複数である場合、複数のRは互いに同一であっても異なっていても良い。RはC1〜C4のアルキル基を表す。)
(2)一般式(1)の化合物が、Xが(メタ)アクリロキシ基で置換されたC1〜C4のアルキル基である化合物であり、一般式(2)の化合物が、Rが炭素数6以下のアルキル基、又はアリール基である(1)記載の(メタ)アクリル基含有ケイ素化合物(A)、
(3)(1)又は(1)記載の(メタ)アクリル基含有ケイ素化合物(A)を含有する感光性樹脂組成物、
(4)(1)乃至(3)のいずれか一項に記載の(メタ)アクリル基含有ケイ素化合物(A)と光重合開始剤とを含有する感光性樹脂組成物、
(5)更に、(A)成分以外の重合性化合物(B)を含有することを特徴とする(3)又は(4)のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物、
(6)(3)乃至(5)のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物を硬化して得られる硬化物、
(7)(6)に記載の硬化物を含有する物品、
に関する。
本発明により得られる(メタ)アクリル基含有ケイ素化合物を用いた感光性樹脂組成物を硬化して得られる硬化物は、高硬度、基材への密着性、擦傷性が良好であり、プラスチック光学部品や各種フィルムへのコーティング剤、塗料、ライニング、接着剤、更にはエレクトロニクス分野における絶縁ワニス、絶縁シート、積層板、レジストインキ、半導体封止材等多くの分野で使用可能である。
本発明の(メタ)アクリル基含有ケイ素化合物は、一般式(1)で示されるアルコキシケイ素化合物同士またはこれと一般式(2)で示されるアルコキシケイ素化合物を、塩基性触媒の存在下共加水分解縮合することにより得られる。
XR Si(OR3−a (1)
(式中、Xは(メタ)アクリル基を含む有機基、RはC1〜C10のアルキル基、C1〜C10の置換アルキル基、アリール基、置換アリール基を表す。aは0または1の整数である。RはC1〜C4のアルキル基を表す。)
Si(OR4−b(2)
(式中、RはC1〜C10のアルキル基、C1〜C10の置換アルキル基、アリール基、置換アリール基を表す。bは0〜2の整数である。Rが複数である場合、複数のRは互いに同一であっても異なっていても良い。RはC1〜C4のアルキル基を表す。)
本発明で使用する、一般式(1)のアルコキシケイ素化合物中の(メタ)アクリル基を有する有機基Xとしては、(メタ)アクリル基を有する有機基であれば特に制限はないが、(メタ)アクリロキシ基で置換されたC1〜C4のアルキル基が挙げられる。具体的には例えば、メタクリロキシメチル基、2−メタクリロキシエチル基、3−メタクリロキシプロピル基、4−メタクリロキシブチル基、アクリロキシメチル基、2−アクリロキシエチル基、3−アクリロキシプロピル基、4−アクリロキシブチル基等が挙げられる。これらの中で(メタ)アクリロキシ基で置換されたC1〜C3のアルキル基、例えば2−メタクリロキシエチル基、3−メタクリロキシプロピル基、2−アクリロキシエチル基3−アクリロキシプロピル基が好ましい。
本発明で使用する一般式(1)で示されるアルコキシケイ素化合物中の置換基Rの例としては、直鎖状または分岐状のC1〜C10のアルキル基または置換アルキル基、アリール基、置換アリール基等が挙げられる。直鎖状または分岐状のC1〜C10のアルキル基としては具体的には例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、i−ペンチル基、アミル基、へキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基等が挙げられる。アリール基としては具体的には例えば、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。置換基としては例えば、直鎖状または分岐状のC1〜C3のアルキル基、水酸基、ハロゲン原子等が挙げられる。これらの中で、C1〜C6のアルキル基、アリール基が好ましい。
また、一般式(1)におけるR、一般式(2)におけるRの例としては、C1〜C4のアルキル基が挙げられる。具体的には例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられる。これらR、Rは、相溶性、反応性等の反応条件の観点から、メチル又はエチルであることが好ましい。
一般式(1)の化合物として用いることのできる化合物の好ましい具体例としては、例えば、2−メタクリロキシエチルトリメトキシシラン、2−メタクリロキシエチルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、2−アクリロキシエチルトリメトキシシラン、2−アクリロキシエチルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、2−メタクリロキシエチルメチルジメトキシシラン、2−メタクリロキシエチルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、2−アクリロキシエチルメチルジメトキシシラン、2−アクリロキシエチルメチルジエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン等が挙げられる。これら一般式(1)で示されるアルコキシケイ素化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を用いても良い。
一般式(1)のアルコキシケイ素化合物は、信越化学工業株式会社、チッソ株式会社、東レ・ダウコーニング株式会社などから入手可能である。
本発明で使用する一般式(2)で示されるアルコキシケイ素化合物中の置換基Rの例としては、直鎖状または分岐状のC1〜C10のアルキル基または置換アルキル基、アリール基、置換アリール基等が挙げられる。具体的には例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、i−ペンチル基、アミル基、へキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基等が挙げられる。これらの中で、C1〜C6のアルキル基、アリール基が好ましい。
一般式(2)で示されるアルコキシケイ素化合物として用いることのできる化合物の好ましい具体例としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン等が挙げられる。
これら一般式(2)で示されるアルコキシケイ素化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を用いても良い。
一般式(2)のアルコキシケイ素化合物は、信越化学工業株式会社、チッソ株式会社、東レ・ダウコーニング株式会社などから入手可能である。
本発明の(メタ)アクリル基含有ケイ素化合物(A)は、一般式(1)のアルコキシケイ素化合物を必須成分とし、一般式(1)の化合物単独、または必要に応じ、一般式(2)の置換アルコキシケイ素化合物とを(共)加水分解縮合させることにより得ることが出来る。一般式(1)のアルコキシケイ素化合物及び一般式(2)のアルコキシケイ素化合物の配合割合は、一般式(1)と一般式(2)のアルコキシケイ素化合物の総モル数を100モル%とした場合に、一般式(1):一般式(2)=100〜5モル%:95〜0モル%、好ましくは一般式(1):一般式(2)=100〜10モル%:90〜0モル%である。また、(共)加水分解縮合のために添加する水の添加量としては反応系全体のアルコキシ基1モルに対して0.1〜1.5モル当量が好ましく、0.2〜1.2モル当量が特に好ましい。
上記縮合反応に使用する触媒は塩基性であれば特に限定されないが、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化セシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどの無機塩基、アンモニア、トリエチルアミン、ジエチレントリアミン、n−ブチルアミン、ジメチルアミノエタノール、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドなどの有機塩基を使用することが出来る。これらの中でも、特に反応性制御の点から無機塩基、アンモニア、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドが好ましい。触媒の添加量としては、反応に使用するアルコキシケイ素化合物の合計に対し、通常5×10−4〜7.5重量%、好ましくは1×10−3〜5重量%である。
縮合反応は、無溶剤または溶剤中で行うことができる。溶剤としては、一般式(1)および一般式(2)のアルコキシケイ素化合物を溶解する溶剤であれば特に制限はない。このような溶剤としては、例えばジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンのような非プロトン性極性溶媒、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素等が例示できる。その中でも非プロトン性極性溶媒が好ましい。溶剤の使用量は、反応が円滑に進行する範囲であれば特に制限はないが、一般式(1)と一般式(2)の化合物の合計重量100部に対して、通常50〜900重量部程度使用する。
縮合反応における反応温度は、触媒量にもよるが、通常20〜160℃、好ましくは40〜140℃である。又、反応時間は通常1〜12時間である。
また反応時に分子中に(メタ)アクリル基の熱重合を防止するため、熱重合禁止剤を添加することもできる。使用しうる熱重合禁止剤としては、具体的には例えば、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、t−ブチルカテコール、2,6−t−ブチル−p−クレゾール等があげられる。
このようにして得られる(メタ)アクリル基含有ケイ素化合物(A)の分子量は、重量平均分子量で400〜50000のものが好ましく、750〜30000のものがより好ましい。重量平均分子量で400未満の場合、組成物にした場合の硬化性が低下する傾向があり、50000より大きい場合、組成物にした場合の相溶性の低下、粘度の上昇等の組成物としての物性低下が見られることがある。
本発明の感光性樹脂組成物は、前記(メタ)アクリル基含有ケイ素化合物(A)、必要に応じて光重合開始剤を含有する。
(メタ)アクリル基含有ケイ素化合物(A)の含有量は、感光性樹脂組成物の固形分を100重量%としたとき5〜95重量%、好ましくは20〜80重量%である。含有量が少ないと組成物の硬化物の硬度が低くなり、多いと組成物の粘度が高くなり、操作性が悪くなりやすい。
本発明の感光性樹脂組成物に含有しうる光重合開始剤としては、通常の感光性樹脂組成物に使用されるものが挙げられ、具体的には例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン類;アセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−フェニルプロパン−1−オン、ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノプロパン−1−オンなどのアセトフェノン類;2−エチルアントラキノン、2−ターシャリーブチルアントラキノン、2−クロロアントラキノン、2−アミルアントラキノンなどのアントラキノン類;2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントンなどのチオキサントン類;アセトフエノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタールなどのケタール類;ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、4,4’−ビスメチルアミノベンゾフェノンなどのベンゾフェノン類;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド等のホスフィンオキサイド類等が挙げられる。これらの添加割合としては、感光性樹脂組成物の固形分を100重量%としたとき、通常0.01〜30重量%、好ましくは、0.1〜25重量%である。
上記の光重合開始剤は、単独または2種以上の混合物として使用しても良い。
更に、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミンなどの第3級アミン、N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、N,N−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル等の安息香酸誘導体等の促進剤などと組み合わせて使用することができる。これらの促進剤の添加量としては、光重合開始剤100重量部に対して、100重量部以下の量である。
本発明の感光性樹脂組成物は、前述の(メタ)アクリル基含有ケイ素化合物(A)、光重合開始剤に加えて(A)成分以外の重合性化合物(B)を含有しても良い。
本発明の感光性樹脂組成物に含有しうる重合性化合物(B)としては、(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物、マレイミド化合物、(メタ)アクリルアミド化合物、不飽和ポリエステル等が挙げられる。
(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物としては特に限定されないが、例えば、(ポリ)エステル(メタ)アクリレート(B−1)、ウレタン(メタ)アクリレート(B−2)、エポキシ(メタ)アクリレート(B−3)、(ポリ)エーテル(メタ)アクリレート(B−4)、アルキル(メタ)アクリレート若しくはアルキレン(メタ)アクリレート(B−5)、芳香環を有する(メタ)アクリレート(B−6)、脂環構造を有する(メタ)アクリレート(B−7)等が挙げられ、中でも(ポリ)エステル(メタ)アクリレート、(ポリ)エーテル(メタ)アクリレート(B−4)、アルキル(メタ)アクリレート若しくはアルキレン(メタ)アクリレート(B−5)、芳香環を有する(メタ)アクリレート(B−6)、脂環構造を有する(メタ)アクリレート(B−7)が好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物に用い得る(ポリ)エステル(メタ)アクリレート(B−1)としては、主鎖にエステル結合を1つ以上有する(メタ)アクリレートであれば特に限定されないが、例えば、カプロラクトン変性2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイド変性フタル酸(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性コハク酸(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレートの如き単官能(ポリ)エステル(メタ)アクリレート類;ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性フタル酸ジ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパン又はグリセリン1モルに1モル以上のε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン等の環状ラクトン化合物を付加して得たトリオールのモノ、ジ又はトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール又はジトリメチロールプロパン1モルに1モル以上のε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン等の環状ラクトン化合物を付加して得たトリオールのモノ、ジ、トリ又はテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトール1モルに1モル以上のε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン等の環状ラクトン化合物を付加して得たトリオールのモノ、又はポリ(メタ)アクリレートのトリオール、テトラオール、ペンタオール又はヘキサオール等の多価アルコールのモノ(メタ)アクリレート又はポリ(メタ)アクリレート;(ポリ)エチレングリコール、(ポリ)プロピレングリコール、(ポリ)テトラメチレングリコール、(ポリ)ブチレングリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ヘキサンジオール等のジオール成分とマレイン酸、フマル酸、コハク酸、アジピン酸、フタル酸、イソフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、ダイマー酸、セバチン酸、アゼライン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸等の多塩基酸、及びこれらの無水物との反応物であるポリエステルポリオールの(メタ)アクリレート;前記ジオール成分と多塩基酸及びこれらの無水物とε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン等からなる環状ラクトン変性ポリエステルジオールの(メタ)アクリレート等の多官能(ポリ)エステル(メタ)アクリレート類等が挙げられる。
本発明の感光性樹脂組成物に用い得るウレタン(メタ)アクリレート(B−2)とは、主鎖にウレタン結合を1つ以上有する(メタ)アクリレートであれば特に限定されず、少なくとも一つの(メタ)アクリロイルオキシ基を有するヒドロキシ化合物(B−2−イ)とイソシアネート化合物(B−2−ロ)とから通常のウレタン生成反応によって得られる。
少なくとも一つの(メタ)アクリロイルオキシ基を有するヒドロキシ化合物(B−2−イ)としては、具体的には例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレートなど各種の水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物と、上記の水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物とε−カプロラクトンとの開環反応物などが挙げられる。
イソシアネート化合物(B−2−ロ)としては、具体的には例えば、P−フェニレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、P−キシレンジイソシアネート、m−キシレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネートの如き芳香族ジイソシアネート類;イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、水添キシレンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族又は脂環構造のジイソシアネート類;イソシアネートモノマーの一種類以上のビュレット体又は、上記ジイソシアネート化合物を3量化したイソシアネート体等のポリイソシアネート;上記イソシアネート化合物と前記、ポリオール化合物とのウレタン化反応によって得られるポリイソシアネート等が挙げられる。
本発明の感光性樹脂組成物に用い得るエポキシ(メタ)アクリレート(B−3)とは、エポキシ基を有するエポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸とを通常の方法で反応させて得られる(メタ)アクリレートであれば特に限定されない。
エポキシ樹脂とは、具体的には例えば、ハイドロキノンジグリシジルエーテル、カテコールジグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル等のフェニルジグリシジルエーテル;ビスフェノール−A型エポキシ樹脂、ビスフェノール−F型エポキシ樹脂、ビスフェノール−S型エポキシ樹脂、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンのエポキシ化合物等のビスフェノール型エポキシ化合物;水素化ビスフェノール−A型エポキシ樹脂、水素化ビスフェノール−F型エポキシ樹脂、水素化ビスフェノール−S型エポキシ樹脂、水素化2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンのエポキシ化合物等の水素化ビスフェノール型エポキシ化合物;臭素化ビスフェノール−A型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノール−F型エポキシ樹脂等のハロゲノ化ビスフェノール型エポキシ化合物;シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル化合物等の脂環式ジグリシジルエーテル化合物;1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル等の脂肪族ジグリシジルエーテル化合物;ポリサルファイドジグリシジルエーテル等のポリサルファイド型ジグリシジルエーテル化合物;フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂、ビスフェノール−Aノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレン骨格含有エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂等が挙げられる。
本発明の感光性樹脂組成物に用い得る(ポリ)エーテル(メタ)アクリレート(B−4)としては、主鎖にエーテル結合を1つ以上有する(メタ)アクリレートであれば特に限定されないが、例えば、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性ブチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニロキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等の単官能(ポリ)エーテル(メタ)アクリレート類;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート類;エチレンオキシドとプロピレンオキシドの共重合体、プロピレングリコールとテトラヒドロフランの共重合体、ポリイソプレングリコール、水添ポリイソプレングリコール、ポリブタジェングリコール、水添ポリブタジェングリコール等の炭化水素系ポリオール類等の多価水酸基化合物と(メタ)アクリル酸から誘導される多官能(メタ)アクリレート類;ネオペンチルグリコール1モルに1モル以上のエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等の環状エーテルを付加したジオールのジ(メタ)アクリレート;ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等のビスフェノール類のアルキレンオキシド変性体のジ(メタ)アクリレート;水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF、水添ビスフェノールS等の水添ビスフェノール類のアルキレンオキシド変性体ジ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパン又はグリセリン1モルに1モル以上のエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等の環状エーテル化合物を付加して得たトリオールのモノ、ジ又はトリ(メタ)アクリレート;ペンタエリスリトール又はジトリメチロールプロパン1モルに1モル以上のエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等の環状エーテル化合物を付加したトリオールのモノ、ジ、トリ又はテトラ(メタ)アクリレート;ジペンタエリスリトール1モルに1モル以上のエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等の環状エーテル化合物を付加したヘキサオールの3乃至6官能(メタ)アクリレート等の多官能(ポリ)エーテル(メタ)アクリレート類などが挙げられる。
本発明の感光性樹脂組成物に用い得るアルキル(メタ)アクリレート又はアルキレン(メタ)アクリレート(B−5)としては、直鎖若しくは分岐アルコール、直鎖若しくは分岐ポリオールまたはハロゲン原子で置換された上記アルコールの(メタ)アクリレートであれば特に限定されないが、例えば、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート等の単官能(メタ)アクリレート類;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレートの炭化水素ジオールのジ(メタ)アクリレート類;トリメチロールプロパンのモノ(メタ)アクリレート、ジ(メタ)アクリレート又はトリ(メタ)アクリレート(以下、ジ、トリ、テトラ等の多官能の総称として「ポリ」を用いる。)、グリセリンのモノ(メタ)アクリレート又はポリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールのモノ又はポリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンのモノ又はポリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールのモノ又はポリ(メタ)アクリレート等のトリオール、テトラオール、ヘキサオール等の多価アルコールのモノ又はポリ(メタ)アクリレート類;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリル類;などが挙げられる。
本発明の感光性樹脂組成物に用い得る芳香環を有する(メタ)アクリレート(B−6)としては、主鎖または側鎖に芳香環を有する(メタ)アクリレートであれば特に限定されないが、例えば、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等の単官能(メタ)アクリレート類;ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート等のジ(メタ)アクリレート類等が挙げられる。
本発明の感光性樹脂組成物に用い得る脂環構造を有する(メタ)アクリレート(B−7)としては、主鎖または側鎖に酸素原子または窒素原子を含んでも良い脂環式化合物を有する(メタ)アクリレートであれば特に限定されないが、例えば、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート等の脂環構造を有する単官能(メタ)アクリレート類;水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF等の水添ビスフェノール類のジ(メタ)アクリレート;トリシクロデカンジメチロールジ(メタ)アクリレート等の環状構造を持つ多官能性(メタ)アクリレート類;テトラフルフリル(メタ)アクリレート等の構造中に酸素原子等を有する脂環式(メタ)アクリレート、等が挙げられる。
本発明の感光性樹脂組成物に含有しても良い(A)以外の重合性化合物(B)における(メタ)アクリロイル基を有する化合物としては、上記した化合物の他に、例えば、(メタ)アクリル酸ポリマーとグリシジル(メタ)アクリレートとの反応物、グリシジル(メタ)アクリレートポリマーと(メタ)アクリル酸との反応物等のポリ(メタ)アクリルポリマー(メタ)アクリレート;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基を有する(メタ)アクリレート;トリス(メタ)アクリロキシエチルイソシアヌレート等のイソシアヌル(メタ)アクリレート;ポリシロキサン骨格を有する(メタ)アクリレート;ポリブタジェン(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、本発明の感光性樹脂組成物に含有しても良い(A)成分以外の重合性化合物(B)におけるマレイミド基含有化合物としては、例えば、N−n−ブチルマレイミド、N−ヘキシルマレイミド、2−マレイミドエチル−エチルカーボネート、2−マレイミドエチル−プロピルカーボネート、N−エチル−(2−マレイミドエチル)カーバメート等の単官能脂肪族マレイミド類;N−シクロヘキシルマレイミド等の脂環式単官能マレイミド類;N、N−ヘキサメチレンビスマレイミド、ポリプロピレングリコール−ビス(3−マレイミドプロピル)エーテル、ビス(2−マレイミドエチル)カーボネート等の脂肪族ビスマレイミド類;1,4−ジマレイミドシクロヘキサン、イソホロンビスウレタンビス(N−エチルマレイミド)等の脂環式ビスマレイミド;マレイミド酢酸とポリテトラメチレングリコールとをエステル化して得られるマレイミド化合物、マレイミドカプロン酸とペンタエリスリトールのテトラエチレンオキサイド付加物とのエステル化によるマレイミド化合物等のカルボキシマレイミド誘導体と種々の(ポリ)オールとをエステル化して得られる(ポリ)エステル(ポリ)マレイミド化合物等を挙げることができるが、特にこれらに限定されるものではない。
本発明の感光性樹脂組成物に含有しても良い(A)成分以外の重合性化合物(B)における(メタ)アクリルアミド化合物としては、例えば、アクリロイルモルホリン、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド等の単官能性(メタ)アクリルアミド類;メチレンビス(メタ)アクリルアミド等の多官能(メタ)アクリルアミド類などを挙げることができるが、特にこれらに限定されるものではない。
本発明の感光性樹脂組成物に本発明の感光性樹脂組成物に含有しても良い(A)成分以外の重合性化合物(B)における不飽和ポリエステルとしては、例えば、ジメチルマレート、ジエチルマレート等のフマル酸エステル類;マレイン酸、フマル酸等の多価不飽和カルボン酸と多価アルコールとのエステル化反応物を挙げることができるが、特にこれらに限定されるものではない。
前記(A)成分と共重合する(A)成分以外の化合物であれば上記以外の化合物も全て本発明の重合性化合物(B)として使用可能であり、その1種類又は複数種の化合物を、特に制限なく、併用しても良く、全て本発明の感光性樹脂組成物に含まれる。
本発明の感光性樹脂組成物に(B)成分を含有する場合に、その使用量は、感光性樹脂組成物の固形分を100重量%としたとき4〜94重量%、好ましくは19〜79重量%である。
本発明の感光性樹脂組成物は、更に用途に応じて、非反応性化合物、無機充填剤、有機充填剤、シランカップリング剤、粘着付与剤、消泡剤、レベリング剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、顔料、染料等の添加剤を適宜使用することができる。
上記添加剤は、公知公用のものであれば如何なるものも、その硬化性、樹脂特性を損なわない範囲で、特に制限無く使用することができる。
非反応性化合物とは、反応性が低いか、若しくは反応性の無い液状若しくは固体状のオリゴマーや樹脂であれば特に限定されないが、具体的には例えば、(メタ)アクリル酸アルキル共重合体、エポキシ樹脂、液状ポリブタジエン、ジシクロペンタジエン誘導体、飽和ポリエステルオリゴマー、キシレン樹脂、ポリウレタンポリマー、ケトン樹脂、ジアリルフタレートポリマー(ダップ樹脂)、石油樹脂、ロジン樹脂、フッ素系オリゴマー、シリコン系オリゴマーなどが挙げられる。
無機充填剤としては、例えば、二酸化珪素、酸化珪素、炭酸カルシウム、珪酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、タルク、カオリンクレー、焼成クレー、酸化亜鉛、硫酸亜鉛、水酸アルミニウム、酸化アルミニウム、ガラス、雲母、硫酸バリウム、アルミナホワイト、ゼオライト、シリカバルーン、ガラスバルーン、等を挙げることができる。これらの無機充填剤には、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、ジルコネート系カップリング剤などを添加、反応させるなどの方法により、ハロゲン基、エポキシ基、水酸基、チオール基の官能基を持たせることもできる。
有機充填剤としては、例えば、ベンゾグアナミン樹脂、シリコーン樹脂、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリオレフィン樹脂、エチレン・アクリル酸共重合体、ポリスチレン、アクリル共重合体、ポリメチルメタクリレート樹脂、フッ素樹脂、ナイロン12、ナイロン6/66、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂などが挙げられる。
シランカップリング剤としては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン又はγ−クロロプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシル)ホスファイトチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート等のチタネート系カップリング剤;アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート等のアルミニウム系カップリング剤;アセチルアセトン・ジルコニウム錯体等のジルコニウム系カップリング剤、などが挙げられる。
本発明の感光性樹脂組成物を得るには、上記した各成分を混合すればよく、混合の順序や方法は特に限定されない。
本発明の感光性樹脂組成物は、例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル等の酢酸エステル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素など、その他の一般によく用いられる有機溶剤によって本発明の感光性樹脂組成物を希釈して使用することも可能である。
本発明の感光性樹脂組成物は、180〜500nmの波長の紫外線又は可視光線を照射することによって重合させることができる。又、紫外線以外のエネルギー線の照射によって、あるいは、熱によっても硬化させることができる。
上記波長180〜500nmの紫外線又は可視光線の光発生源としては、例えば、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、水銀−キセノンランプ、エキシマーランプ、ショートアーク灯、ヘリウム・カドミニウムレーザー、アルゴンレーザー、エキシマーレーザー、太陽光を挙げることができる。
本発明の感光性樹脂組成物は、インキ、アルミニウム、鉄、銅等の金属、塩化ビニル、アクリル、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン等のプラスチック、ガラス等のセラミック、木材、紙、印刷紙、繊維などの各種コーティング材として、表面処理剤、バインダー、プラスチック材料、成形材料、積層板、接着剤、粘着剤などの用途に有用である。更に具体的な用途としては、平凸版インキ、フレキソインキ、グラビアインキ、スクリーンインキなどのインキ分野、ツヤニス分野、紙塗工剤分野、木工用塗料分野、飲料缶用塗工剤又は印刷インキ分野、軟包装フィルム塗工剤、印刷インキ又は粘着剤、感熱紙、感熱フィルム用塗工剤、印刷インキ、接着剤、粘着剤又は光ファイバーコート剤などの用途に有用である。
本発明の感光性樹脂組成物のエネルギー線照射または加熱による硬化物を有する物品も本発明に含まれる。
以下、本発明を実施例で具体的に説明する。尚、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。また、実施例中特に断りがない限り、部は重量部を示す。また、実施例中の各物性値は以下の方法で測定した。
(1)重量平均分子量:ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法
(2)エポキシ当量:JIS K−7236に記載の方法で測定。
(3)粘度:E型粘度計にて測定。
(4)屈折率:屈折率計を使用しD線(589nm)、25℃にて測定。
実施例1
3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製)99.4部、メチルイソブチルケトン(純正化学株式会社製)198.8部、t−ブチルヒドロキシトルエン(東京化成工業株式会社製)0.3部、0.5重量%炭酸カリウム(純正化学株式会社製)水溶液14.5部を反応容器に仕込み、80℃に昇温した。昇温後、80℃にて5時間反応させた。反応終了後、洗浄液が中性になるまで水洗を繰り返した。次いで減圧下で溶媒を除去することにより(メタ)アクリル基含有ケイ素化合物(A−1)70部を得た。得られた化合物の重量平均分子量は2100、粘度は2.2Pa・s(25℃)、屈折率は1.477(25℃)であった。また赤外吸収スペクトルを測定したところ、1720cm−1付近にメタクリロイル基のエステル結合に起因する吸収ピークが認められた。
実施例2
3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン89.4部、メチルトリメトキシシラン5.4部、メチルイソブチルケトン189.6部、t−ブチルヒドロキシトルエン0.3部0.5重量%炭酸カリウム水溶液14.5部を反応容器に仕込み、80℃に昇温した。昇温後、80℃にて5時間反応させた。反応終了後、洗浄液が中性になるまで水洗を繰り返した。次いで減圧下で溶媒を除去することにより(メタ)アクリル基含有ケイ素化合物(A−2)66部を得た。得られた化合物の重量平均分子量は2150、粘度は3.4Pa・s(25℃)、屈折率は1.477(25℃)であった。また赤外吸収スペクトルを測定したところ、1720cm−1付近にメタクリロイル基のエステル結合に起因する吸収ピークが認められた。
実施例3、4、比較例1、2
表1に示す組成で配合した感光性樹脂組成物をバーコーター(No.20)を用いて易接着処理ポリエステルフィルム(東洋紡株式会社製:A−4300、膜厚188μm)に塗布し、80℃の乾燥炉中に1分間放置後、空気雰囲気下で120W/cmの高圧水銀灯を用い、ランプ高さ10cmの距離から5m/分の搬送速度で紫外線を照射し、硬化皮膜(10〜15μm)を有するフィルムを得た。
表1
配合量(g)
実施例 比較例
3 4 1 2
A−1 40 − − −
A−2 − 30 − −
DPHA*1 − − 40 25
R−551*2 10 10 10 10
PET−30*3 − 10 − 15
Irg.184*4 2.5 2.5 2.5 2.5
MEK*5 50 50 50 50
*1:DPHA;日本化薬株式会社製、KAYARAD DPHA(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)
*2:R−551;日本化薬株式会社製、KAYARAD R−551(ビスフェノールAポリ(n≒4)エトキシジアクリレート)
*3:PET−30;日本化薬株式会社製、KAYARAD PET−30(ペンタエリスリトールトリアクリレート)
*4:Irg.184(イルガキュアー184);チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)
*5:MEK;純正化学株式会社、2−ブタノン
試験例
実施例又は比較例で得られたフィルムにつき、下記項目を評価しその結果を表2に示した。
(鉛筆硬度)
JIS K 5400に従い、鉛筆引っかきを用いて、塗工フィルムの鉛筆硬度を測定した。即ち、測定する硬化皮膜を有するポリエステルフィルム上に、鉛筆を45度の角度で、上から1kgの荷重を掛け5mm程度引っかき、傷の付き具合を確認した。5回測定を行い、傷なしの回数を数える。
評価 5/5:5回中5回とも傷なし
0/5:5回中全て傷発生
(耐擦傷試験)
スチールウール#0000上で200g/cmの荷重を掛け10往復させ、傷の状況を目視で判断した。
評価 ○:傷無し
×:傷発生
(密着性)
JIS K 5400に従い、フィルムの表面に1mm間隔で縦、横11本の切れ目を入れて100個の碁盤目を作る。セロハンテープ(登録商標)をその表面に密着させた後一気に剥がした時に剥離せず残存したマス目の個数を表示した。
(カール)
測定する硬化皮膜を有するポリエステルフィルムを5cm×5cmにカットし、80℃の乾燥炉に1時間放置した後、室温まで戻した。水平な台上で浮き上がった4辺それぞれの高さを測定し、平均値を測定値(単位;mm)とした。この時、基材自身のカールは0mmであった。
(外観)
表面のクラック、白化、曇り等の状態を目視にて判断した。
評価 ○:良好
△:微少クラック発生
×:著しいクラック発生
表2 評価結果
鉛筆硬度3H 擦傷性 密着性 カール 外観
実施例3 5/5 ○ 100 18 ○
実施例4 5/5 ○ 100 15 ○
比較例1 5/5 ○ 100 40 ×
比較例2 5/5 ○ 100 29 △
表2に示した結果から、本発明の(メタ)アクリル基含有ケイ素化合物(A)を含有する感光性樹脂組成物をコートしたフィルムは、鉛筆硬度や耐擦傷性が高い上、カールの発生が少なくクラックがほとんど見られない。このため、本発明の(メタ)アクリル基含有ケイ素化合物は、単体として感光性基を持った有機・無機ハイブリッド材料を取り扱うことができる点において優れており、使用上の制約条件が少ない。

Claims (7)

  1. 一般式(1)で示されるアルコキシケイ素化合物同士またはこれと、一般式(2)で示されるアルコキシケイ素化合を塩基性触媒の存在下共加水分解縮合させることにより得られる(メタ)アクリル基含有ケイ素化合物(A)。
    XR Si(OR3−a (1)
    (式中、Xは(メタ)アクリル基を含む有機基、RはC1〜C10のアルキル基、C1〜C10の置換アルキル基、アリール基、置換アリール基を表す。aは0または1の整数である。RはC1〜C4のアルキル基を表す。)
    Si(OR4−b(2)
    (式中、RはC1〜C10のアルキル基、C1〜C10の置換アルキル基、アリール基、置換アリール基を表す。bは0〜2の整数である。Rが複数である場合、複数のRは互いに同一であっても異なっていても良い。RはC1〜C4のアルキル基を表す。)
  2. 一般式(1)の化合物が、Xが(メタ)アクリロキシ基で置換されたC1〜C4のアルキル基である化合物であり、一般式(2)の化合物が、Rが炭素数6以下のアルキル基、又はアリール基である請求項1記載の(メタ)アクリル基含有ケイ素化合物(A)。
  3. 請求項1又は2記載の(メタ)アクリル基含有ケイ素化合物(A)を含有する感光性樹脂組成物。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の(メタ)アクリル基含有ケイ素化合物(A)と光重合開始剤とを含有する感光性樹脂組成物。
  5. 更に、(A)成分以外の重合性化合物(B)を含有することを特徴とする請求項3又は請求項4のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
  6. 請求項3乃至5のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物を硬化して得られる硬化物。
  7. 請求項6に記載の硬化物を含有する物品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010059394A (ja) * 2008-08-05 2010-03-18 Sekisui Chem Co Ltd 熱硬化性組成物及び成形品
JP2016056256A (ja) * 2014-09-08 2016-04-21 セイコーインスツル株式会社 コーティング剤、コーティング膜、およびコーティング剤の製造方法

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