JP2006513627A - 非線形音響エコーキャンセラ - Google Patents

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Abstract

本発明は、エコーをキャンセルするエコーフィルタを備える、音声信号、特に発話音声を伝送するための構成用のエコーキャンセル装置および方法に関する。エコーフィルタは入力チャネル(1)と出力チャネル(4)の間に配置される。入力チャネル(1)は、第1の電気入力信号を、電気信号を第1の音声信号に変換する変換器(2)に送る。出力チャネル(4)は、第2の音声信号を電気信号に変換して戻す変換器(3)からの電気信号を送信する。この種のエコーキャンセル装置または方法において非線形に歪んだエコーを防止するために、高域フィルタ(8)が入力チャネル(1)内に配置され、この高域フィルタ(8)は、変換器(2)の高域通過動作のカットオフ周波数よりも高いカットオフ周波数を有する。高域フィルタ(8)の後には、入力信号の振幅を変換器(2)の入力範囲に制限する制限要素(9)が続く。これによって、変換器(2)での非線形動作が防止され、その結果、非線形に歪んだエコーは全く生じなくなる。

Description

本発明は、音声信号、特に発話音声を伝達するための構成用のエコーキャンセル装置に関し、この構成は、エコーをキャンセルするエコーフィルタを備え、このフィルタは、遠端から到来する電気入力信号を受信するとともに電気信号を第1の音声信号に変換する変換器に送る入力チャネルと、第2の音声信号を電気信号に再変換する逆変換器から到来する電気出力信号を出力するとともに遠端に送る出力チャネルとの間に配置される。本発明はまた、請求項9に記載の音声信号を送受信するための構成に関する。さらに、本発明はエコーをキャンセルする方法に関する。最後に、本発明は、コンピュータプログラムがコンピュータ上で実行されるときにコンピュータに前記方法の諸ステップを実行させるコンピュータプログラミング手段を備えるコンピュータプログラムにも関する。
エコーの問題は、電話、特に移動電話を使用する際に生じることがある。エコーは、電話のマイクが、そのマイクに直接発話された音声のみを録音し伝送するだけではないことから生じる。他のノイズ、特に同じ電話の通話者による音響信号出力もまた、マイクによって録音され、相手側の通話者に送り返される。この作用は、特に移動電話がハンズフリー装置と共に用いられる場合に生じる。というのは、そのマイクが広い空間から集音するように構成されているからである。ハンズフリー装置のない移動電話でも、筐体が比較的小さいため、通話者からの音響信号がマイクへ伝達されるので、かなりの程度のエコーが生じる場合がある。この種の作用は、DECT[Digital Enhanced Cordless Telecommunication―拡張コードレスデジタル通信―]電話または無線機でも生じ得る。
この種のエコーが生じると、電話自体の非線形成分のためにそれらエコーが非線形になるので、特に不快な作用となる。このような非線形エコーは、遠端のユーザにとって歪みとして知覚される。一方、移動電話またはコードレス電話で、低いバッテリ電圧にもかかわらず高い出力振幅によって生じる、近端での音声出力のわずかな歪みは許容される。
上述の音響エコーをキャンセルするシステムのほとんどで、線形適応フィルタが用いられている。その場合、線形フィルタはエコー経路をモデル化し、適応によって絶えず改変される。エコー経路を通過し、次いで線形フィルタのこの区間のモデルを同様に通過した信号は、その後、マイクで取り込まれた、エコーも含む信号から減算され、それにより最適なケースでは、エコーのないマイク集音信号が得られることになる。NLMS[Normalized Least Mean Square―正規化最小平均二乗―]適応等の時間領域フィルタまたは周波数領域フィルタのどちらも、線形エコーを補償するのにうまく用いることができる。これらのフィルタは、線形エコーを最高30dBまで低減することができるほど正確にエコー経路をモデル化する。
線形エコーが補償された後も非線形に歪んだエコーは残る。それら非線形エコーは、特に伝送構成内の制限要素によって生じる。したがって、特に拡声構成要素がある場合、それらエコーは極めて突然に生じ、特に不快である。
これまで、非線形に歪んだエコーをキャンセルするのに2つの手法が既知である。第1の手法では、線形フィルタに加えて非線形モデルが使用される。線形フィルタと非線形モデルが共に適応され、それによってエコー経路の区間の非線形動作さえもモデル化できるようになる。したがって、その非線形エコーは、上述の線形の場合と全く同様にして補償することができる。実際には、非線形のケースでは、非線形モデルと非線形経路とを極めて正確に整合させる必要がある。すなわち、非線形モデルの適応を用いることが絶対的に不可欠である。非線形適応は、特に複雑で実現するのにコストがかかり、そのため、この解決策には、それに対応して、強力なデジタル信号処理装置(DSP―Digital Signal Processor―)が必要となり、その分高いコストの上昇を伴うことになる。
非線形エコーに対処する第2の手法では、適応を伴う線形フィルタがさらに用いられ、遠端に通じるチャネルをさらに減衰させる。この減衰は、一方では、関連する周波数範囲においてのみ生じ、他方では、非線形に歪んだエコーが生じ得るときにのみ働く。出力チャネルのこの追加の減衰は、両端で同時に発話される場合に、近端での電話の音声品質を劣化させてしまう。さらに、この手法では、非線形の歪みを正確に測定する必要がある。それには、ハードウェアを慎重に整合させる必要がある。この方法もまた、DSPコストの増大を招く。この種の費用は、必要な減衰要素が、追加のエコーおよび/またはノイズキャンセリング等の他の目的で既に設けられている場合にのみ正当化される。
線形エコーキャンセリングを備える通信システムにおいて振幅を制御する方法および装置が、特許協力条約出願の国際公開(WO)第00/70853号公報から既知であり、この公報では、信号がD/A変換器の範囲に制限されている。
本発明の目的は、例えば、電話、例えば移動電話等の電話で音声信号が伝送されるときに、線形エコーと非線形エコーのどちらもキャンセルすることである。本発明のもう1つの目的は、簡単かつコスト効果の高い形でエコーをキャンセルすることである。
本発明によれば、入力チャネル内にあり、変換器の高域通過動作のカットオフ周波数よりも高いカットオフ周波数を有する高域フィルタが、遠端方向から見てエコーフィルタの前に配置され、信号振幅を制限する制限要素が、入力チャネル内で、高域フィルタとエコーフィルタの間に配置される。
本発明は、エコー経路区間での非線形動作、特に入力チャネルから、変換器、特にその中にある増幅器の音響出力までの間での非線形動作が、この経路の利得の限界によって決まる信号振幅を超える振幅でしか生じないという知識に基づく。この理由で、制限要素が入力経路に配置されて、それによって遠端から到来する信号の振幅が制限され、したがって、この信号の非線形動作が回避されるようになる。
考えられる非線形動作に加えて、入力チャネル内でスピーカより前のエコー経路は、高域通過動作をも示す。この種の高域通過動作は、低周波信号成分に対して微分作用を有する。したがって、遠端から到来し、振幅が制限された信号が、微分作用によってその振幅がいくつかの範囲で再び増大し、すでに達していた振幅限界を再び超えてしまう危険がある。この問題を回避するために、遠端から到来する信号から低周波をフィルタ除去するもう1つの高域フィルタを制限要素の前に配置する。したがって、エコー経路内で微分動作が生じそれに伴って振幅が増大する危険を回避することができる。
したがって、本発明による、入力チャネル内において、高域フィルタとその後に続く制限要素からなる構成は、遠端から到来する信号が、周波数F1よりも上で振幅Θよりも低い周波数範囲に制限されるという効果を有する。したがって、エコー経路内の非線形要素は、エコーに影響を及ぼさず、そのためエコー経路はそれ自体が実際的には線形区間としてのみ存在することになる。したがって、線形フィルタを用いてあらゆる動作状況においてエコーをキャンセルすることが可能になる。したがって、本発明によるこの装置は、非線形に歪んだエコーを簡単に回避することができる。これにはほとんど労力を要さず、したがってコスト効果の高い形で実現することができる。
既知の最も簡単で最も普通に使用される実施形態では、制限要素は飽和関数を特徴とする。飽和関数は、基本的に、第3象限では負の定数区間を、第1象限では正の定数区間を有し、この区間の値が制限の程度に相当する。原点領域では、このような飽和関数は、第3象限と第1象限の2つの定数区間を結ぶ、一様に増加する区間を有する。本発明の好ましい実施形態によれば、原点を通過する比例区間と、それぞれの定数区間との間の移行はおだやかである。これらのおだやかな移行と、この制限要素の他の特性曲線の残りの部分も、それらが常に微分できることを特に特徴とする。この制限プロセスの結果、信号の瞬間的降下[dip]がなくなって、したがってこの信号に不要な歪みが生じることはなくなる。
他の好ましい実施形態では、制限要素の特性曲線は、第1の定数項、第1の二次項、比例項、第2の二次項、および第2の定数項から構成される関数によって形成される。2つの定数区間および比例区間は、既知の飽和関数に従って配置される。2つの二次項はそれぞれ、比例区間と定数区間のうちの1つとの間の移行部をなしている。これら2つの二次項は、5つの区間すべてが1つになって連続する関数を形成するようにパラメータが設定される。
他の好ましい実施形態では、制限要素の特性曲線は、第1の定数項、第1の二次項、比例項、第2の二次項、および第2の定数項から構成される関数によって形成され、このどちらの二次関数の項も、やはり常に微分可能な結合性[cohesive]関数が得られるようにパラメータが設定される。この好ましい実施形態では、一定で常に微分可能な制限特性曲線が、簡単に得られる。これは、デジタル信号処理装置に対して特別の要求は課されず、したがって、簡単かつコスト削減効果の高い形で実現することができる。
他の好ましい実施形態では、制限特性曲線は、タンジェント[tanh]関数(以下、正接関数―tanhは双曲正接[hyperbolic tangent]の略語―とする)により実現される。正接関数は、そのパターンが飽和関数と非常に相似している。この関数はほぼ一定の区間とほぼ比例する区間とを有するが正接関数は常に微分乗算[multiplied differentially]できるので、それらの移行はおだやかである。正接関数を使用すると、制限特性曲線の範囲全体がこの関数1つで完全に記述されるという利点がある。しかし、この特殊な三角関数をデジタル信号処理装置内で実施する必要があり、あるいは少なくとも、2つのe関数と1つの除算を用いてそれを実現することが可能である必要がある。
他の好ましい実施形態では、線形および/または適応エコーフィルタを用いてエコーをキャンセルする。本発明による高域フィルタおよび制限要素の配置は、基本的に、どんなエコーフィルタを使用するかには無関係である。ただし、線形フィルタを使用することが可能である。こうすると、コンピュータ操作の労力がわずかで済む。さらに、エコー経路の線形動作は、十分にはあるいは全く分からないものであり、エコー経路の線形動作は可変であることも考慮に入れなければならない。これは、例えば、電話が様々な方式で保持され、変化する様々な地域で使用されることがあることから明らかである。このため、適応が有利であることが判明している。
他の好ましい実施形態では、高域フィルタは、約0.1〜2kHz、特に約0.2〜1kHzの3dBカットオフ周波数を有する。この周波数範囲は、人間の聴覚の可聴範囲、特に通常の電話の技術的構成によって予め定められる。ステレオシステムのサブウーファに比べて寸法が小さく、少量のエネルギーを用いて動作する電話では、低音声、すなわち低周波スペクトルの音声を生成することはとても不可能である。したがって、このような電話では、すでにカットオフ周波数をより低い可聴範囲に設定して高域通過動作を行っている。このカットオフ周波数は、一般に50〜200Hzの範囲内である。上述の微分動作による振幅の増大を確実に防止するためには、入力チャネルで用いる本発明による高域フィルタのカットオフ周波数は、エコー経路の高域通過動作のカットオフ周波数よりも高く選択しなければならない。
したがって、他の好ましい実施形態によれば、高域フィルタの3dBカットオフ周波数は、変換器の3dBカットオフ周波数よりも約2〜10倍、特に約5倍大きい。上述の微分動作による振幅増大の問題を回避するためには、下限値を2倍未満に設定すべきではない。これはまた、10倍より大きくてもいけない。そうしないと、信号の周波数スペクトルの制限が厳密になりすぎる危険があるからである。そうなると、伝送される音声が極めて不快に聞こえることになりかねない。その場合、通話者の声は、著しく不自然に聞こえることになる。このため、5倍とするのが有利であることが判明している。
本発明は、請求項1に記載の装置を備える、音声信号を送受信するための構成にも関する。この種の構成は、例えば移動電話、ハンズフリーシステム、無線機、またはコードレス電話とすることができる。本発明はまた、請求項11に記載のような構成においてエコーをキャンセルする方法、およびこの方法を実行するためのコンピュータプログラムにも関する。
本発明の上記その他の態様は、以下で説明する実施形態から明らかになり、それらを参照することによってはっきりするであろう。
図1は、入力チャネル1、変換器2、逆変換器3、出力チャネル4、および線形エコーキャンセル装置50を備える、音声信号を送受信するための構成を示す。この図に示した回路構成は、例えば移動電話やハンズフリー装置で見られる。入力チャネル1で、遠端、例えば遠端通話者から到来するデジタル信号が受信され、変換器2に渡される。変換器2で、このデジタル信号は、D/A変換器21を用いてアナログ信号に変換され、次いで、増幅器22によって増幅され、最後に、スピーカ23によって音響信号に変換される。この音響信号の一部分は、逆変換器3に達し、そこで、主として電話のユーザが話した音声である新たな追加のノイズと共にこのサイドで重畳され、マイク31で取り込まれて、電気信号に変換される。この電気信号の振幅は、逆変換器32によってA/D変換器33の範囲に適応される。A/D変換器33は、こうして振幅変更されたアナログ信号をデジタル信号に変換する。このデジタル信号は、出力チャンネル4によって出力されて遠端に送信されることになる。
逆変換器33の出力における、新たなノイズ5に重畳されたエコー7を再度補償するために、線形エコーキャンセル装置50内の線形フィルタ502が、加算点501でそのエコーの内容に対応するはずの推定信号を減算する。このため、線形フィルタ502は、エコー経路7の動作を複製する[replicate]。エコー経路7での変化にも適応する最適の複製を得るために、適応ブロック503を用いて適応が実施される。
エコー経路7の線形動作は、この線形エコーキャンセル装置50を用いて正確に複製することができる。このようにして線形エコーを容易にキャンセルすることができる。エコー経路7の非線形動作から生じる非線形に歪んだエコーは、線形エコーをキャンセルするこの装置では補償することができない。
図2は、非線形に歪んだエコーも考慮に入れられる、エコーキャンセル装置51の回路を示す。この装置51は、音声信号を送受信するための構成中で、図1の線形エコーキャンセル装置50に倣って用いられる。加算点511および線形フィルタ512とそれに関連する適応ブロック513に加えて、追加の非線形フィルタ514が非線形適応ブロック515と共に使用される。その際に、非線形フィルタ514を非線形適応ブロック515と共に用いて、エコー経路7の非線形動作が複製される。
これを用いると、エコー経路7の線形および非線形動作をモデル化することが基本的に可能となり、したがって、加算点511で、エコーの線形に歪んだ部分と非線形に歪んだ部分のどちらも補償することが可能になる。
図3は、音声信号を送受信するための構成中で図1に示すエコーキャンセル装置50と同様に使用される、従来技術の他のエコーキャンセル装置52の回路構成を示す。この装置52もやはり、加算点521および線形フィルタ522とそれに関連する適応ブロック523を備える。線形フィルタ522を用いて、エコーの線形成分を加算点521で補償することができる。エコーの非線形に歪んだ残りの成分は、減衰要素524を用いて部分的にキャンセルすることができる。
減衰要素524は、加算要素521から到来する信号を、非線形に歪んだエコーが生じるかもしれない周波数範囲にまで減衰させることにより、非線形エコーを除去する。この減衰は、非線形に歪んだエコーが生じてもよいときにのみ行なわれる。このため、線形フィルタ522の出力信号が、減衰要素524にも供給される。
図4は、入力チャネル1内に配置された、本発明による高域フィルタ8および制限要素9を備える、音声信号を送受信するための構成を示す。この構成でもやはり、加算点531と線形適応フィルタ532を共に備えるエコーキャンセル装置53が使用される。ただし、この場合は、線形フィルタを適応ブロックと共に用いることができ、したがって、エコーキャンセル装置53は、図1に示す線形エコーキャンセル装置50と同じ機能原理となる。
本発明の基本原理[essential element]は、入力チャネル1で受信された信号が、まず、高域フィルタ8中に送られてその信号から低周波がフィルタ除去されることである。こうして変更された信号は、制限要素9中に送られてその信号の振幅が制限される。こうして改変された信号は、エコーキャンセル装置53内で、一方では線形適応フィルタ532に、他方では変換器2に到達する。高域フィルタ8および制限要素9によって変更された信号は、このとき、エコー経路7内で非線形動作を励起しないような形になっている。そのため、逆変換器3から到来し加算点531に達した信号は、確実に線形エコーだけを含むようになる。その後、線形適応フィルタ532を用いて、ともかくもこのエコーを補償することが可能である。そのため、あらゆる動作状況で、出力チャネル4上の信号にはいかなるエコーもなくなる。さらなる利点として、歪みがいくぶんかは和らいで聞こえるので、近端での音声の再生が僅かに改善される。
図5に、制限要素9の特性曲線を関数グラフの形で示す。このグラフは、第1の定数区間10、第1の二次区間11、比例区間12、第2の二次区間13、および第2の定数区間14を示す。第1の一定区間10は制限要素の負の限界の値をΘに設定し、第2の定数区間14は正の限界の値をΘに設定する。比例区間12は、1の傾きを示す。第1の二次区間11は、第1の一定区間10の手前ではゼロの傾きを有し、比例区間12の手前でもゼロの傾きを有するように構成されている。したがって、第1の一定区間10から比例区間12へとおだやかな移行が得られる。第2の二次区間13も同様に、比例区間12と定数区間14の間でおだやかな移行をなしている。この関数グラフの第1象限に位置する部分は、第3象限に位置する部分と点対称である。
図6に、制限された低周波信号の、図4の点Aから点Bまでの区間での伝送動作を示している。この図は、元々ある程度正弦波であった信号15が、振幅Θに制限された信号16として、区間A−Bを通って伝送される様子を示す。点AとBの間に位置する伝送構成17は、低周波に微分作用を及ぼす高域通過動作を有し、したがって、図6の右側の信号動作18が生じる。ここでは、微分によって振幅制限が再び失われたことが明らかに分かる。その結果として得られる信号18は、いくつかの範囲19で明らかに制限値Θをはるかに超えている。
この図で示す信号15は、したがって制限された信号16は低周波を有し、本発明で提案するように、高域フィルタを通過してきてはいない。本発明による構成では、入力チャネル1で受信された信号は、まず、高域フィルタ8を通る。低周波信号はもはやその後ろに配置された制限要素に到達することはなく、あるいは、振幅が大幅に低減されてやっと制限要素9に到達する。したがって、図6に示す、低周波かつ高振幅の信号を微分することにより、限界振幅を超えてしまう問題は、もはや生じ得ない。したがって、入力チャネル1上で受信された信号は、区間A−Bの出力においてさえ、いかなる範囲においても限界振幅Θを超えなくなる。この制限された振幅を保証することにより、非線形動作の発生を防止することができる。したがって、エコーはいかなる非線形の歪みも示さず、したがって、線形適応フィルタを用いてエコーを完全にキャンセルすることが可能となる。
通常の応用例では、音声信号を伝送するための構成の変換器は、100Hzのカットオフ周波数で高域通過動作を有する。入力チャネルに配置される、本発明による高域フィルタは、この目的で、300Hzのカットオフ周波数を用いる。さらに、変換器の入力電圧範囲は、この例では±5ボルトである。5%の公差を考慮に入れて、やはり入力チャネル内に配置される制限要素の臨界振幅Θは4.75ボルトに設定される。
この例は、高域フィルタおよび制限要素のパラメータ設定を簡単に行うことができることを示している。さらに、エコーをキャンセルするのに、特に複雑なデジタル信号処理装置は必要でない。とはいえ、この高域フィルタおよびこの制限要素を既知の適応線形フィルタと共に用いると、線形に歪んだエコーと非線形に歪んだエコーのどちらも効率よく防止することができる。
音声信号を送受信するための構成中で線形エコーをキャンセルするのに通常用いられる装置の回路構成を示す図である。 線形フィルタおよび非線形フィルタを備える、線形エコーをキャンセルする現況技術の装置の回路構成を示す図である。 線形フィルタおよび追加の減衰ユニットを備える、非線形エコーをキャンセルする現況技術の装置の回路構成を示す図である。 音声信号を送受信するための構成中で非線形エコーを防止する、本発明による装置の回路構成を示す図である。 本発明による制限要素の関数グラフを示す図である。 制限されているがフィルタリングされていない信号の例を用いて、変換器における伝送動作を示す図である。

Claims (12)

  1. 遠端から到来する電気入力信号を受信するとともに電気信号を第1の音声信号に変換する変換器に送る入力チャネルと、第2の音声信号を電気信号に再変換する逆変換器から到来する電気出力信号を出力するとともに遠端に送る出力チャネルとの間に配置された、エコーをキャンセルするためのエコーフィルタを備える、音声信号、特に発話音声を伝送するための構成用のエコーキャンセル装置であって、高域フィルタが前記入力チャネル内に配置され、前記遠端方向から見て前記エコーフィルタの前にある前記変換器の高域通過動作のカットオフ周波数よりも高い前記カットオフ周波数を有すること、および前記信号の振幅を制限する制限要素が前記入力チャネル内で前記高域フィルタと前記エコーフィルタの間に配置されることを特徴とする装置。
  2. 前記制限要素の特性曲線が、第1定数区間、比例区間および第2定数区間を有し、これらの区間の間の移行が緩やかで、特に一定で常に微分可能である関数によって決まることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
  3. 前記制限要素の前記特性曲線が、第1定数項、第1二次項、比例項、第2二次項および第2定数項の合成関数から形成されることを特徴とする、請求項1記載の装置。
  4. 前記制限要素の前記特性曲線を形成する前記関数が、一定で常に微分可能であることを特徴とする、請求項3に記載の装置。
  5. 前記制限要素の前記特性曲線が、正接関数によって形成されることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
  6. 前記エコーフィルタが、線形および/または適応フィルタであることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
  7. 前記高域フィルタが、約0.1〜2kHz、特に約0.2〜1kHzの3dBカットオフ周波数を有することを特徴とする、請求項1に記載の装置。
  8. 前記高域フィルタの前記3dBカットオフ周波数が、前記変換器の前記3dBカットオフ周波数よりも約2〜10倍、特に約5倍大きいことを特徴とする、請求項1に記載の装置。
  9. 請求項1に記載のエコーキャンセル装置と、
    入力チャネルで受信した電気信号を第1音声信号に変換する変換器であって、デジタル信号をアナログ信号に変換するD/A変換器と、前記アナログ信号を増幅する増幅器と、前記増幅された信号を前記第1音声信号に変換するスピーカとを特に有する変換器と、
    第2音声信号を電気信号に変換して戻す逆変換器であって、前記第2音声信号をアナログ電気信号に変換するマイクと、前記アナログ電気信号をA/D変換器の振幅範囲に適応させる増幅器と、前記適応された信号を、出力チャネルに送られるべきデジタル信号に変換するA/D変換器とを特に有する逆変換器とを備える、音声信号を送受信するための構成。
  10. 前記構成が、移動電話、コードレス電話、無線機、またはハンズフリー装置であることを特徴とする、請求項9に記載の構成。
  11. 音声信号、特に発話音声が受信され出力される際にエコーをキャンセルする方法であって、電気入力信号が入力チャネルで受信され、高域フィルタを通過し、次いで、制限要素を通過して、前記電気入力信号を第1の音声信号に変換する変換器に達し、前記高域フィルタが前記変換器のカットオフ周波数よりも高いカットオフ周波数を有し、一方、第2の音声信号を第2の電気信号に変換して戻す逆変換器から渡された電気出力信号が出力チャネルで出力され、前記電気入力信号が前記制限要素と前記変換器の間で分岐され、エコーフィルタ中に供給され、前記電気出力信号から減算される方法。
  12. コンピュータプログラムがコンピュータ上で実行されるときにコンピュータに請求項11に記載の前記方法の前記諸ステップを実行させるコンピュータプログラム手段を備えるコンピュータプログラム。
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