JP2006507134A - 手持ち電動工具 - Google Patents

Abstract

本発明は、手持ち電動工具、殊にアングル形ねじ回しであって、電動工具ケーシング（１０）、該電動工具ケーシング（１０）の作業側端部に配置された調節可能なアングル形作業ヘッド（１２）を備えており、該アングル形作業ヘッドは工具の駆動のための、電動工具ケーシングのケーシング軸（１０１）に対して角度をなして延びる出力軸（１８）を有しており、さらに工具の作業箇所の照明のための、前記電動工具ケーシング（１０）に配置された照明装置（２２）を備えている形式のものに関する。調節可能なアングル形作業ヘッド（１２）のすべての作業位置での作業箇所の最適な照明を達成するために、照明装置は電動工具ケーシング（１０）の作業側端部で該電動工具ケーシングに配置されていて、かつ該電動工具ケーシング（１０）のケーシング軸（１０１）を中心として回動可能に形成されている。

Description

本発明は、請求項１の上位概念に記載の形式の手持ち電動工具に関する。

アングル形ねじ回しとして形成された前記形式の手持ち電動工具においては、ねじ締め箇所の照明のための照明装置を電動工具ケーシング内に組み込んであり、照明はアングル形ねじ回しの主として使用される作業位置で、ねじ回し箇所へのねじ回し工具の当て付けに際して照明装置の光をねじ回し箇所へ投射して、ねじ回し箇所及びその周囲を照らすように調節されている。しかしながら、ねじ回し工具をねじ回し箇所に当て付けるために、作業スペースの狭いことに基づきアングル形ねじ回しヘッドを電動工具ケーシングに対して旋回（回動）させねばならない状態も生じる。このような場合には、ねじ回し箇所の照明は行われず、若しくは不十分であり、その結果、作業過程は著しくそこなわれることになる。

請求項１の特徴部分に記載の構成を備えた本発明に基づく手持ち電動工具においては利点として、電動工具ケーシングの作業側端部に配置された照明装置の回動可能性によって、照明装置の光は常に、工具のそのつどの位置に向けて調節され、その結果、アングル形作業ヘッドの各作業位置で作業箇所、例えばねじ回し箇所を最適に照明することができる。これによって作業員にとって、アクセスの困難な狭い箇所での十分な安全性を得ることができる。

従属請求項に記載の手段は、本発明の請求項１に記載の手持ち電動工具の有利な改善を可能にするものである。

本発明の有利な実施態様では、照明装置は、アングル形作業ヘッドの作業位置と合致した不連続の回動位置を有している。このような手段によって利点として、アングル形作業ヘッドの各作業位置で自動的に作業箇所の最適な照明を保証することができ、修正は不要である。

本発明の有利な実施態様では、照明装置は、電動工具ケーシング上に被せ嵌め可能な円筒状のランプケーシング及び光源を有しており、該光源は前記ランプケーシングに一体形成されたランプ受容シャフト内に受容されており、この場合に該ランプ受容シャフトのシャフト軸線は電動工具ケーシングのケーシング軸に対して鋭角を成しており、該ランプ受容シャフトのシャフト開口はアングル形作業ヘッドに向けられている。照明装置の不連続の、即ち段階的な回動位置は電動工具ケーシング上でのランプケーシングの適切な回動によって達成され、この場合に本発明の有利な実施態様では、ランプケーシングの内壁と電動工具ケーシングの外壁との間でランプケーシングの各回動位置に形状係合部を設けてある。

本発明の有利な実施態様では、ランプケーシングは、有利には鏡面対称的に形成された２つのケーシングシェルから構成されており、該ケーシングシェルは、電動工具ケーシングのケーシング軸を通って延びる１つの平面に沿って互いに当接している。形状係合部は、それぞれランプケーシングの内壁と電動工具ケーシングの外壁とに形成されていて互いに相対して協働（係合）する少なくとも２つの多角形縁部によって形成されており、この場合に該多角形縁部の多角形の数はアングル形作業ヘッドの作業位置の数に相当している。アングル形作業ヘッドを電動工具ケーシングに対して例えば全体で８つの、即ち各４５°の回動位置に調節可能にしたい場合には、多角形縁部は八角形縁部として形成されており、これによってランプケーシングの全体で８つの回動位置を達成でき、該各回動位置はアングル形作業ヘッドの各作業位置に対応している。緊締手段の締め付けを解除することによって、ランプケーシングは電動工具ケーシングの多角形縁部に沿ってずれされ、即ち回動され得る。所望の位置への調節、即ち回動の後に、両方のケーシングシェルは再び緊締手段によって互いに締め付けて結合される。

次に本発明を以下に図示の実施例に基づき詳細に説明する。図面において、
図１は、アングル形ねじ回しの部分的に破断して示す部分側面図であり、
図２は、図１のアングル形ねじ回しに装着された照明装置の側面図であり、
図３は、図２の照明装置の縦断面図であり、
図４は、図２の矢印ＩＶの方向で見た端面図であり、
図５は、図２の矢印Ｖの方向で見た端面図であり、
図６は、図３の線ＶＩ−ＶＩに沿った断面図であり、
図７は、図３の線ＶＩＩ−ＶＩＩに沿った断面図である。

図１に一部分を破断して部分的に示すアングル形ねじ回し（アングル形ドライバードリルとも称される）は、調節可能なアングル形作業ヘッドを備えた一般的な手持ち電動工具の例として示してあり、電動工具ケーシング１０を有しており、電動工具ケーシングは、アングル形ねじ回しの保持のためのグリップから離れた方の作業側端部に、アングル形ねじ回しヘッド１２のための受容部１１を有している。電動工具ケーシング１０から部分的に突出する受容部１１は、アングル形ねじ回しヘッド１２から離れた方の後ろ側の端部で電動工具ケーシング１０内に差し込まれ、かつねじ固定されている。受容部１１は該受容部の端面に圧入された複数、実施例では全体で４つの円柱状ピン１３を有しており、アングル形ねじ回しヘッド１２は円柱状ピン１３に向けられた端部に、周方向に分配された複数、実施例では全体で４つの切欠き１４を有しており、該切欠き（凹設部）内にはアングル形ねじ回しヘッド１２の組み付け状態で円柱状ピン１３が軸線方向にかつ形状接続的（形状による拘束と伴う接続）に係合している。円柱状ピン１３及び切欠き１４は互いに等間隔で周囲にずらして、即ち分配して配置されており、この場合に円柱状ピン１３間の周方向の角度間隔は、切欠き１４間の周方向の二倍の角度間隔に相当しており、従って４つの円柱状ピン１３は、アングル形ねじ回しヘッド１２の全体で８つの切欠き１４のうちの４つの切欠きに係合している。円柱状ピン１３からアングル形ねじ回しヘッド１２を引き抜いた後に、アングル形ねじ回しヘッドは、隣接の２つの切欠き１４間の間隔に相当する１つの角度間隔、即ち図示の実施例では４５°にわたって回動させられ、かつ再び切欠き１４を円柱状ピン１３に合致させて押し嵌められる。このようにしてアングル形ねじ回しヘッド１２は、電動工具ケーシング１０内のケーシング軸１０１に対して相対的に８つの回動位置（旋回位置）へ回動して、即ち角度をずらして配置され、その結果、アングル形ねじ回しは電動工具ケーシング１０の位置若しくは状態を変えることなしに、ねじ回し工具のための全体で８つの異なる作業位置を有している。各ねじ回し位置（作業位置）は別のねじ回し位置に対して４５°の角度間隔でずらされている。受容部１１内でのアングル形ねじ回しヘッド１２のロックのために、ユニオンナット１５を設けてあり、該ユニオンナットは受容部１１の雄ねじにねじ嵌められる。

アングル形ねじ回しヘッド１２内には、互いに噛み合う２つの傘歯車から成るアングル伝動装置１６を配置してあり、該アングル伝動装置の一方の傘歯車１７は駆動軸１８に相対回動不能に取り付けられており、かつ他方の傘歯車１９は、駆動軸１８に対して垂直に延びる出力軸２０に相対回動不能に取り付けられている。駆動軸１８及び出力軸２０はアングル形ねじ回しヘッド１２内に回転可能に支承されている。駆動軸１８は、電動工具ケーシング内に受容された電気モータ（図示省略）によって、変速装置及びトルク制限装置を介して駆動されるようになっている。出力軸２０に、ねじ回し工具の受容のためのチャック２１を相対回動不能に結合してある。

アングル形ねじ回しは、ねじ回し作業の際のねじ回し箇所の照明のための照明装置２２を備えている。照明装置２２は円筒状（中空シリンダー状）のランプケーシング２３を有しており、該ランプケーシングはランプ受容シャフト２３１を形成しており、該ランプ受容シャフト内に光源、例えばLED２４を装着してあり、光源は電気ケーブル３３を介して電源、例えば充電式アングル形ねじ回し（充電式アングル形ドライバー）のバッテリーに接続されている。ランプケーシング２３は、電動工具ケーシング１０の作業側端部に被せ嵌められてかつ、軸線方向で引き抜かれないように緊締されている。ランプ受容シャフト２３１は、シャフト軸線２３１ａが電動工具ケーシング１０のケーシング軸１０１（及び電動工具ケーシングと同軸に配置されたランプケーシング２３の軸線）に対して鋭角を成していて、かつLED２４の光の出るシャフト開口２３１ｂがアングル形ねじ回しヘッド１２に向いているように、ランプケーシング２３の側部に形成されている。

ランプケーシング２３は電動工具ケーシング１０上で不連続の回動位置へ調節可能であり、該各回動位置はアングル形ねじ回しヘッド１２の各作業位置と合致している。ランプケーシングの不連続の回動位置は、電動工具ケーシング１０とランプケーシング２３との間の形状係合部（形状による拘束若しくはロックを生ぜしめる手段）によって規定されている。

図２乃至図７に種々の端面及び断面を示してあるランプケーシング２３は、有利にはプラスチックによって製造された２つのケーシングシェル２５，２６から組み合わされており、該ケーシングシェルは電動工具ケーシング１０のケーシング軸１０１を通る１つの面に沿って互いに当接している（図４及び図５）。各ケーシングシェル２５，２６にはランプ受容シャフト２３１をそれぞれ半分ずつ一体成形してある。ランプケーシング２３の回動位置（図示の実施例ではアングル形ねじ回しヘッド１２の８つの作業位置に対応して８つの回動位置）の形状係合部を設けるために、ランプケーシング２３の内壁に八角縁部２７（図３及び図６）を形成してあり、該八角縁部は電動工具ケーシング１０の外壁の同じ八角縁部３４と相対していて協働するようになっている。ランプケーシングの八角縁部２７及び電動工具ケーシング１０の八角縁部３４は軸線方向のわずかな深さ若しくは幅を有している。八角縁部２７はそれぞれ半分ずつケーシングシェル２５とケーシングシェル２６とに形成されている。

両方のケーシングシェル２５，２６を電動工具ケーシング１０に装着した後に、両方のケーシングシェル２５，２６は緊締手段によって互いに分離可能に結合されている。緊締手段として、止め輪２８及び有利にはプラスチックから成るクリップリング２９を設けてあり、該止め輪及びクリップリングは両方のケーシングシェル２５，２６を取り囲んでいる。実施例では図１に示してあるように、止め輪２８はランプケーシング２３の、アングル形ねじ回しヘッド１２から離れている方の後ろの側の端部に設けられた環状溝３０内にはめ込まれているのに対して、クリップリング２９はランプケーシング２３の、アングル形ねじ回しヘッド１２に向いた別の側の端部の端面に一体成形されて軸線方向へ突出する環状リブ３１上に被せ嵌められている。

アングル形ねじ回しヘッド１２の図１に示す基準位置（アングル形ねじ回しの通常用いられる作業位置）では、LED２４を受容するランプ受容シャフト２３１は電動工具ケーシング１０の下方の領域に位置しており、従って、ランプ受容シャフト２３１内のLED２４は必然的に、アングル形ねじ回しヘッド１２のチャック２１内に差し込まれたねじ回し工具を照らす。電動工具ケーシング１０の向きを変えないで電動工具ケーシング１０のケーシング軸１０１を中心としてアングル形ねじ回しヘッド１２を新たな作業位置へ旋回させたい場合には、ユニオンナット１５を緩め、次いで電動工具ケーシング１０のケーシング軸１０１を中心としてアングル形ねじ回しヘッド１２を新たな作業位置へ旋回させて後に、再びユニオンナット１５をねじ込み、ランプケーシング２３も同じ回動角度（角度間隔）だけ旋回させる。ランプケーシング２３の八角縁部２７によって規定された各回動位置は、アングル形ねじ回しヘッド１２の各作業位置（回動位置）に合致しているので、ランプケーシング２３の所定の旋回（回動）の後には、アングル形ねじ回しヘッド１２の新たな作業位置でもねじ回し工具は確実にLED２４によって最適に照らされる。ランプケーシング２３の旋回のために、クリップリング２９及び止め輪２８はランプケーシング２３から外される。これによって解放された両方のケーシングシェル２５，２６は、所定の新たな回動位置で互いに再び接合されて、環状リブ３１上に被せ嵌められたクリップリング２９及び環状溝３０内にはめ込まれた止め輪２８によって固定される。該新たな回動位置では、ランプケーシングの八角縁部２７及び電動工具ケーシング１０の八角縁部３４のすべての縁部面は、互いに再び面接触している。

前述の実施例でランプケーシング２３の、アングル形ねじ回しヘッド１２から離れた方の端部に、軸線方向のわずかな深さの別の八角縁部３２を設けてあり、該八角縁部は、該端部に対応する箇所で電動工具ケーシング１０の外壁に設けられた八角縁部３５（図１）と相対して協働している。これによって利点として、ランプケーシング２３は前側及び後ろ側の端部でそれぞれ八角縁部３４，３５によって一様に電動工具ケーシング１０に緊締されている。

電動工具ケーシング１０とランプケーシング２３との間の形状係合部は、アングル形ねじ回しヘッド１２の作業位置の数に合わせて形成される。アングル形ねじ回しヘッドに互いにそれぞれ９０°にわたってずらされた４つの作業位置しか設けてない場合には、形状係合部は、電動工具ケーシング１０の外壁及びランプケーシング２３の内壁に設けられた互いに相対する四角形縁部によって実施される。

アングル形ねじ回しの部分的に破断して示す部分側面図 図１のアングル形ねじ回しに装着された照明装置の側面図 図２の照明装置の縦断面図 図２の矢印ＩＶの方向で見た端面図 図２の矢印Ｖの方向で見た端面図 図３の線ＶＩ−ＶＩに沿った断面図 図３の線ＶＩＩ−ＶＩＩに沿った断面図

符号の説明

１０ 電動工具ケーシング、 １１ 受容部、 １２ アングル形ねじ回しヘッド、 １３ 円柱状ピン、 １４ 切欠き、 １５ ユニオンナット、 １６ アングル伝動装置、 １７ 傘歯車、 １８ 出力軸、 １９ 傘歯車、 ２０ 出力軸、 ２１ チャック、 ２２ 照明装置、 ２３ ランプケーシング、 ２４ 光源、 ２５，２６ ケーシングシェル、 ２７ 八角縁部、 ２８ 止め輪、 ２９ クリップリング、 ３０ 環状溝、 ３１ 環状リブ、 ３２ 八角縁部、 ３３ 電気ケーブル、 ３４，３５ 八角縁部、 １０１ ケーシング軸、 ２３１ ランプ受容シャフト、 ２３１ａ シャフト軸線、 ２３１ｂ シャフト開口

Claims (10)

1. 手持ち電動工具、殊にアングル形ねじ回しであって、電動工具ケーシング（１０）、該電動工具ケーシング（１０）の作業側端部に配置されたアングル形作業ヘッド（１２）を備えており、該アングル形作業ヘッドは工具の駆動のための、電動工具ケーシングのケーシング軸（１０１）に対して角度をなして延びる出力軸（２０）を有していて、かつ前記ケーシング軸（１０１）を中心とした旋回によって種々の作業位置へ調節可能であり、さらに工具の作業箇所の照明のための、前記電動工具ケーシング（１０）に配置された照明装置（２２）を備えている形式のものにおいて、照明装置（２２）は電動工具ケーシング（１０）の作業側端部に配置されていて、かつ電動工具ケーシングのケーシング軸（１０１）を中心として回動可能に形成されていることを特徴とする手持ち電動工具。
2. 照明装置（２２）は、アングル形作業ヘッド（１２）の作業位置と合致した不連続の回動位置を有している請求項１記載の手持ち電動工具。
3. 照明装置（２２）は、電動工具ケーシング（１０）上に被せ嵌め可能な円筒状のランプケーシング（２３）及び光源（２４）を有しており、該光源は前記ランプケーシング（２３）に一体形成されたランプ受容シャフト（２３１）内に受容されており、該ランプ受容シャフトのシャフト軸線（２３１ａ）は電動工具ケーシングのケーシング軸（１０１）に対して鋭角を成しており、該ランプ受容シャフトのシャフト開口（２３１ｂ）はアングル形ねじ回しヘッド（１２）に向けられている請求項１又は２記載の手持ち電動工具。
4. ランプケーシング（２３）の内壁と電動工具ケーシング（１０）の外壁との間でランプケーシング（２３）の各回動位置に形状係合部を設けてある請求項３記載の手持ち電動工具。
5. ランプケーシング（２３）は２つのケーシングシェル（２５，２６）から構成されており、該ケーシングシェルは、電動工具ケーシングのケーシング軸（１０１）を通って延びる１つの平面に沿って互いに当接しており、ランプケーシング（２３）の内壁に少なくとも１つの多角形縁部（２７）を形成してあり、かつ電動工具ケーシング（１０）の外壁に、前記多角形縁部と相対する同形の少なくとも１つの多角形縁部（３４）を形成してあり、前記両方のケーシングシェル（２５，２６）は、緊締手段によって互いに分離可能に結合されている請求項４記載の手持ち電動工具。
6. 緊締手段は、ランプケーシング（２３）に設けられた環状溝（３０）内にはめ込み可能な止め輪２８及び／又はランプケーシング（２３）に形成された環状リブ（３１）に被せ嵌め可能なクリップリング（２９）を有している請求項５記載の手持ち電動工具。
7. 環状リブ（３１）はランプケーシング（２３）の、アングル形作業ヘッド（１２）に近い方の端部に設けられており、かつ環状溝（３０）はランプケーシング（２３）の、アングル形作業ヘッドから離れた方の端部に設けられている請求項６記載の手持ち電動工具。
8. 光源（２４）を受容するランプ受容シャフト（２３１）は、それぞれ半分ずつ各ケーシングシェル（２５，２６）内に形成されている請求項５から７のいずれか１項記載の手持ち電動工具。
9. ランプケーシング（２３）及び電動工具ケーシング（１０）の互いに相対する多角形縁部（２７，３４）は、軸線方向のわずかな深さで、アングル形ねじ回しヘッド（１２）に近い方の端部の近傍に配置されている請求項５から７のいずれか１項記載の手持ち電動工具。
10. ランプケーシング（２３）の、アングル形ねじ回しヘッド（１２）から離れた方の端部に、別の互いに相対する２つの多角形縁部（３２，３５）を設けてあり、該多角形縁部は、ランプケーシング（２３）の別の端部に設けられた多角形縁部（２７，３４）と同一の多角形で形成されている請求項９記載の手持ち電動工具。

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