JP2006504237A - 平らな表示パネルを有する表示装置 - Google Patents
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Abstract
CRTのラスタ幾何学パフォーマンスは、特に1/2EW(EW内側ピンクッション)において、内側パネル形状の適切な選択により改善されることが可能である。本発明の表示装置のCRTの内側パネル面は、従来の略球面状のパネルに対する通常よりも、垂直(NS)軸及び/又は水平(EW)軸に沿ってより多くの曲率が与えられる。特に、コーナにおけるサジタル高は、長軸の端におけるサジタル高より5−12mm大きく、内側ピンクッション異常は、2mmより小さい。本発明は、パネルの平らな外面がパネルの内側形状により多くの自由を可能にするのでRF管において特に有利である。本発明は、16:9のアスペクト比を有するリアル・フラット表示管に特に適用可能であるが、4:3のアスペクト比を有するリアル・フラット表示管にも適用可能である。
Description
本発明は、長軸及び短軸を有する実質的に平らな矩形の表示パネルを有する真空外囲器を有し、その表示パネルの内面には蛍光体スクリーンが形成され、色選択電極が蛍光体スクリーンに隣接して配置され、その外囲器は複数の電子ビームを生成する手段を収容する、陰極線管を有する表示装置に係り、表示装置は更に、蛍光体スクリーン全体に電子ビームを偏向させる手段を有する。
冒頭段落に記載したような種類の表示装置は、周知である。
このような表示装置は、特に、テレビ受像機及びコンピュータモニタに使用される。
本発明は更に、冒頭段落に記載したような種類の表示装置に使用する陰極線管に係る。
本発明は更に、冒頭段落に記載したような種類の陰極線管に使用する表示パネルに係る。
周知の陰極線管は、その内側には蛍光体スクリーンが設けられる表示パネルを有する真空外囲器を有する。色選択電極は、蛍光体スクリーンに隣接して配置される。外囲器は、電子ビームを生成する手段を有する。電子ビームは、蛍光体スクリーンの蛍光体を励起する。動作時には、電子ビームは、蛍光体スクリーン全体に亘って偏向され、それにより、画像が生成される。ユーザが陰極線管を見るとき、ユーザは、ガラスを透過した後の画像を見る。ここ数年では、より平らな表示ウィンドウを製造することが傾向としてある。本発明のフレームワークにおいて実現されるように生成される画像の品質は、表示パネルの形状によって複雑に左右される。
この点に関して、重要な面は、ラスタ歪みである。
ラスタ歪みは、画質を下げる。
ラスタ歪みは、本願では、直線を曲線として再現してしまう画像異常を意味すると理解する。
偏向手段又は偏向ユニットDUの設計者の一般的な問題は、磁場の高次の多極の浸透深度が制限される点である。ラインコイルとフレームコイル用に純粋な双極子磁場を有するDUを考えられたい。このDUは、NS方向だけでなくEW方向に強くピンクッション形状をしたラスタ幾何学を与える。EWピンクッションは、一番東側と一番西側にあるラスタ形状が直線となるようフレーム電流の関数としてのライン電流のEW変調により補正される(EW補正)。しかし、この補正は、1/2EWラインよりも一番外側のEWラインにより大きな影響を有する。補正後、DUにおけるコイル設計の適応では取り除くことが困難であるいわゆるEW内側ピンクッション異常を残してしまう。NSピンクッション歪みは、コイル及び静NS磁石における6極変調により補正される。このNSについても、ラスタが北と南で直線にされると、同様の問題が残ってしまう。即ち、磁石によってこの6つの極及び多極は、1/2NSラスタに十分に作用するよう陰極線管内に十分に深く浸透することができないので、1/2NSにおいてピンクッション異常(NS内側ピンクッション)が残る。しばしば、10の極でこの1/2NSを解決する試みがなされてきた。そのような10の極の効果は、原則的に正確であるが、浸透深度は依然として、6つの極で得られる浸透深度よりも少ない。従って、ラスタは、F’G’H’J’点(1/2NSの端)においては確かに改善されるが、STUV点(1/2NSラインの半分)では、ラスタは、全く影響を受けておらず(図3A参照)、波打つ、いわゆる「シーガル・ウィング(seagull-wing)」ラスタ歪みをもたらす。このラスタ問題は、スクリーンパネルがより平らになると、又は、偏向角がより大きくなるとより顕著になる。
本発明は、特に、内側ピンクッションに関して改善された画質を有する実質的に平らな表示パネルを有する、冒頭段落に記載したような種類の陰極線管を提供すること目的とする。
このために、本発明の陰極線管は、表示パネルの内面は、コーナにおけるサジタル高が長軸の端におけるサジタル高より5−12mm大きいよう湾曲され、内側ピンクッションラスタ歪みは2mmより小さいことを特徴とする。
本発明は、以下の認識に基づいている。
これまであまり利用されることのなかった自由度は、表示パネルの内面の形状である。外側パネルが幾分内側スクリーンパネルに従う湾曲された(即ち、非リアル・フラット(Real Flat))スクリーンには、管がオフにされたときの周囲光の容認不可能な反射により内面パネル面に別の形状を試みることは実現不可能であった。しかし、特に、いわゆるリアル・フラット管といった外側スクリーンが平らである表示管については、不快な2次的な反射はかなり少ない。特定の所定のガラスウェッジをコーナに有する球面状に湾曲された内側パネル面が用いられたのならば、内面を、垂直軸に沿ってより湾曲させる、及び/又は、水平軸に沿ってより湾曲させる自由がある。これは、表示パネルの内面は、コーナにおけるサジタル高が、長軸の端におけるサジタル高より5−12mm大きいよう湾曲されることは、本発明の主な特徴である。これは、所与の偏向ユニットを有する表示装置のための表示管の設計において、上述したような条件が満たされると、内側ピンクッションラスタ歪みを2mmより小さくすることが可能である。2mmより小さい内側ピンクッションラスタ歪みは、視聴印象(知覚)を妨げないことが分かっている。短軸の端におけるサジタル高を、コーナ及び長軸の端におけるサジタル高に適切に適応させることにより、内側ピンクッションラスタ歪み(時には、「東−西内側ピン」又は「EW内側ピン」とも呼ばれる)を、1.5mmより小さく、更には、1mm以下にすることが特に可能である。
表Iのシミュレーションデータを考慮するに、コーナと長軸の端(即ち、東)におけるサジタル高間の7.5mmの一定差では、コーナと短軸の端(即ち、北)におけるサジタル高間の差は、EW内側ピンを2mmより小さくするためには、1乃至9mmで変動し得ることが理解できるであろう。
ガラス安定性の観点から、コーナにおけるサジタル高と短軸の端におけるサジタル高との差に、特に2.5mm未満といった小さい値を使用することが魅力的である。上述した設計原則を用いて製造される管は、特に、色選択手段が、鉄タイプのシャドウマスク又はテンションタイプのマスクである場合に、良好な結果をもたらす。
しかし、マスクが、インバー(Invar)タイプである場合、マスクのマイクロフォニ(microphony)は、懸念のパラメータとなる。コーナにおけるサジタル高と短軸の端におけるサジタル高との差が、少なくとも2.5mmであることは、本発明の更なる特徴である。その場合、インバータイプのマスクのマスクマイクロフォニは、十分に小さい。
本発明の更なる特徴では、相対サジタル高RSHは、0.70乃至0.95にあることが好適である。相対サジタル高は、内側パネル面の対角線の端におけるサジタル高と、長軸の端及び短軸の端におけるサジタル高の合計との商である。
2mm未満のEW内側ピン値をもたらすサジタル高の本発明の範囲において、上述した条件は、容認可能な平らな印象を与える。
本発明の更なる実施例及び利点を、図面を参照しながら説明する。
本発明は、本発明の陰極線管の幾つかの例示的な実施例と、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
図面は、縮尺が測られているわけではない。図面中、対応する部分は、一般的に同じ参照番号を有する。
この例ではカラー表示管1である陰極線管は、表示パネル3、コーン部4、及びネック5を有する真空外囲器2を有する。ネック5内には、3つの電子ビーム7、8、及び9を1つの平面、即ち、インライン平面、ここでは、図面の面上に生成する電子銃6が設けられる。表示スクリーン10は、表示パネル13の内面15上に置かれる。この表示スクリーン10は、赤、緑、及び青でルミネセンスを示す多数の蛍光体素子を有する。電子ビーム7、8、及び9は、表示スクリーン10に向かう間に、表示スクリーン10を走査するよう偏向ユニット11によって偏向され、ここでは、アパーチャ13を有する薄いシャドウマスクプレートにより形成される色選択電極12(表示ウィンドウ3の前に配置される)を通過する。色選択電極は、懸架手段14によって表示ウィンドウ内で懸架される。3つの電子ビーム7、8、及び9は、色選択電極のアパーチャ13を小さい角度で通過し、それにより、各電子ビームは、1色のみの蛍光体素子上に当たる。
図2は、表示パネルの内面の部分斜視図である。内面の点は、関数z=f(x,y)により記述可能であり、ここでは、zは、点と内面の中心における接平面との間の距離であり、x及びyは、内面上の点に対するそれぞれ長軸及び短軸に沿っての座標に通常使用される文字である。zは、一般的に、サジタル高(sagittal height)と呼ばれる。xmax及びymaxは、それぞれ、長軸及び短軸の端におけるx及びy座標である。このz軸は、表示ウィンドウの内面の中心における接平面に対し垂直に延在し、図面に示す。短軸をy軸と称し、長軸をx軸と称する。これらの軸は、互いに且つz軸に対し垂直に延在する。内面及び外面はともに、このように記述可能である。図2では、コーナにおけるサジタル高zmaxは、線セグメント21により表し、長軸の端におけるサジタル高zmax(xmax,0)及び短軸の端におけるサジタル高zmax(0,ymax)は、それぞれ、線セグメント22及び23により表す。短軸及び長軸の端は、x方向及びy方向それぞれにおける上述したラスタの端点により与えられる。
このような表面z(x,y)は、式
その内側パネル面は、上の式を満たす36インチWSRF管を用いてシミュレーションを行った。
以下の表Iは、サジタル高の変動が、東−西内側ピンクッション歪みに与える影響を示したものである。
全ての例において、コーナにおけるサジタル高は、長軸の端におけるサジタル高より7.5mm高かった。
図3Bは、図3Aの単純化されたバージョンを示し、その上には、1/2の東−西点K、L、M、Nのみを示す。K、L、M、Nを通過すべきであるが、それらの点を通過しない2つのラスタ線を示し、これは、東−西内側ピンクッション歪みの場合である。歪みδは、例えば、Lにおいてmmで測定される。
図4は、24インチWSRF表示パネルに関するパネルシミュレーションデータを示す図である。水平軸に沿って、コーナにおけるサジタル高SHCが、mmで表現され、垂直軸に沿って、コーナにおけるサジタル高SHCと北におけるサジタル高SHNとの差がmmで表現される。この図は、一定の内側ピンクッション歪み(mm)の斜線を示す。このシミュレーションは、コーナにおけるサジタル高と、東におけるサジタル高との7mmの一定差についてのものである。
同様の図を図5に、36インチWSRF管に対して示す。このシミュレーションは、コーナにおけるサジタル高と、東におけるサジタル高との9mmの一定差についてのものである。
要約するに、本発明は、内側パネル形状の適切な選択により達成される、特に、1/2EW(EW内側ピンクッション)における改善されたラスタ幾何学パフォーマンスを有するCRTに係る。新規のCRTの内側パネル面は、従来の略球面状のパネルに対する通常の曲率よりも、垂直(NS)及び/又は水平(EW)軸に沿ってより多くの曲率が与えられる。特に、コーナにおけるサジタル高は、長軸の端におけるサジタル高より5−12mm大きく、内側ピンクッション異常は、2mmより小さい。本発明は、RF管に対して特に利益があり、というのは、パネルの平らな外面は、パネルの内側形状に対しより多くの自由を可能にするからである。
本発明は特に、16:9アスペクト比のリアル・フラット表示管に特に適用可能であるが、4:3アスペクト比のリアル・フラット表示管にも適用可能である。
Claims (8)
- 長軸及び短軸を有する実質的に平らな矩形の表示パネルを有する真空外囲器を有し、前記表示パネルの内面には、蛍光体スクリーンが設けられ、色選択電極は、前記蛍光体スクリーンに隣接して配置され、前記外囲器は、複数の電子ビームを生成する手段を収容する陰極線管を有する表示装置において、該表示装置は更に、前記蛍光体スクリーン全体に前記電子ビームを偏向させる手段を有する表示装置であって、
前記表示パネルの内面は、コーナにおけるサジタル高が、前記長軸の端におけるサジタル高より5−12mm大きくなるよう湾曲され、内側ピンクッションラスタ歪みは2mmより小さいことを特徴とする表示装置。 - 前記内側ピンクッションラスタ歪みは、多くとも1mmである請求項1記載の表示装置。
- 前記コーナにおける前記内側パネル面のサジタル高と、前記短軸の端におけるサジタル高との差は、少なくとも2.5mmである請求項1記載の表示装置。
- 前記色選択電極は、インバータイプのシャドウマスクである請求項3記載の表示装置。
- 相対サジタル高RSHは、0.70乃至0.95の範囲であることを特徴とする請求項1記載の表示装置。
- 前記表示ウィンドウのアスペクト比は、16:9であることを特徴とする請求項1記載の表示装置。
- 前記表示ウィンドウのアスペクト比は、4:3であることを特徴とする請求項1記載の表示装置。
- 請求項1に記載の表示装置に使用する陰極線管。
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