発明の詳細な説明
本出願は、米国仮出願60/394,553(2002年7月9日出願)(このものは、本明細書の一部を構成する)からの優先権を主張する。
(技術分野)
本発明は、新規な置換へテロ環誘導体(これは、血中グルコースレベル、トリグリセリドレベル、インスリンレベル、および非−エステル化脂肪酸(NEFA)レベルを調節し、従って糖尿病および肥満症の処置において特に有用である)、並びに該置換へテロ環誘導体を単独で、あるいは別の抗糖尿病薬および/または抗高脂血症薬および/または他の治療学的な薬物と組み合わせて使用することによって、糖尿病(特に、II型糖尿病)、高血糖症、高インスリン血症、高脂血症、肥満症、アテローム硬化症、および関連疾患を処置するための方法に関する。
(発明の記載)
本発明によれば、構造式I:
で示される置換へテロ環誘導体、およびその全ての立体異性体、プロドラッグエステル、並びにそれらの医薬的に許容し得る塩を提供する。上記式中、
mは、0、1または2であり;
nは、0、1または2であり;
Qは、CまたはNであり;
Aは、(CH
2)
x(式中、xは1〜5である)であるか、
Aは、鎖中のいずれかの場所にアルケニル結合またはアルキニル結合を含有する(CH
2)
x 1(x
1は1〜5である)であるか、あるいは
Aは、−(CH
2)
x 2−O−(CH
2)
x 3−(式中、x
2およびx
3の少なくとも1つは0以外であるという条件で、x
2は0〜5であり、そしてx
3は0〜5である)であり;
Bは、結合または(CH
2)
x 4(式中、x
4は1〜5である)であり;
Xは、CHまたはNであり;
X
2、X
3、X
4、X
5およびX
6の少なくとも1つはNであり;そしてX
2、X
3、X
4、X
5およびX
6の少なくとも1つはCであるという条件で、
X
2は、C、N、OまたはSであり;
X
3は、C、N、OまたはSであり;
X
4は、C、N、OまたはSであり;
X
5は、C、N、OまたはSであり;
X
6は、C、N、OまたはSであり;
但し、以下に示す具体的な構造式:
(式中、X
2はNであり;X
3はCであり;X
4はOまたはSであり;ZはOまたは結合である)
を除く。
各X〜X6が上で定義する通りの場合に、
Cは、CHを含み得て;
R1は、Hまたはアルキルであり;
R2は、H、アルキル、アルコキシ、ハロゲン、アミノもしくは置換アミノ、またはシアノであり;
R2a、R2bおよびR2cは同じかまたは異なってもよく、これらはH、アルキル、アルコキシ、ハロゲン、アミノもしくは置換アミノ、またはシアノから選ばれ;
R3は、H、アルキル、アリールアルキル、アリールオキシカルボニル、アルキルオキシカルボニル、アルキニルオキシカルボニル、アルケニルオキシカルボニル、アリールカルボニル、アルキルカルボニル、アリール、ヘテロアリール、シクロへテロアルキル、ヘテロアリールカルボニル、ヘテロアリール−ヘテロアリールアルキル、アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、ヘテロアリールカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アリールオキシカルボニルアミノ、ヘテロアリールオキシカルボニルアミノ、ヘテロアリール−ヘテロアリールカルボニル、アルキルスルホニル、アルケニルスルホニル、ヘテロアリールオキシカルボニル、シクロへテロアルキルオキシカルボニル、ヘテロアリールアルキル、アミノカルボニル、置換アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、ヘテロアリールアルケニル、シクロへテロアルキル−ヘテロアリールアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アルコキシアリールオキシカルボニル、アリールアルキルオキシカルボニル、アルキルアリールオキシカルボニル、アリールヘテロアリールアルキル、アリールアルキルアリールアルキル、アリールオキシアリールアルキル、ハロアルコキシアリールオキシカルボニル、アルコキシカルボニルアリールオキシカルボニル、アリールオキシアリールオキシカルボニル、アリールスルフィニルアリールカルボニル、アリールチオアリールカルボニル、アルコキシカルボニルアリールオキシカルボニル、アリールアルケニルオキシカルボニル、ヘテロアリールオキシアリールアルキル、アリールオキシアリールカルボニル、アリールオキシアリールアルキルオキシカルボニル、アリールアルケニルオキシカルボニル、アリールアルキルカルボニル、アリールオキシアルキルオキシカルボニル、アリールアルキルスルホニル、アリールチオカルボニル、アリールアルケニルスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、アリールスルホニル、アルコキシアリールアルキル、ヘテロアリールアルコキシカルボニル、アリールヘテロアリールアルキル、アルコキシアリールカルボニル、アリールオキシヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルキルオキシアリールアルキル、アリールアリールアルキル、アリールアルケニルアリールアルキル、アリールアルコキシアリールアルキル、アリールカルボニルアリールアルキル、アルキルアリールオキシアリールアルキル、アリールアルコキシカルボニルヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアリールアルキル、アリールカルボニルヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールオキシアリールアルキル、アリールアルケニルヘテロアリールアルキル、アリールアミノアリールアルキル、アミノカルボニルアリールアリールアルキルから選ばれ;
Yは、CO2R4(式中、R4は、H、アルキルまたはプロドラッグエステルである)であるか、
Yは、C−連結1−テトラゾール、構造式P(O)(OR4a)R5(式中、R4aはHまたはプロドラッグエステルであり、R5はアルキルまたはアリールである)のホスフィン酸、または構造式P(O)(OR4a)2のホスホン酸であり;
(CH2)x、(CH2)x 1、(CH2)x 2、(CH2)x 3、(CH2)x 4、(CH2)m、および(CH2)nは、場合により1、2または3個の置換基で置換され得る。
本発明の化合物中に存在する
としては例えば、
並びに、以下に示すヘテロアリールの定義に包含される5員環を含むが、これらに限定されない。好ましくは、
である。
構造式IA:
(式中、XはCHである)
で示される本発明の式Iの化合物が好ましい。
構造式IB:
で示される本発明の式Iの化合物がより好ましい。
上記化合物中、R2a、R2bおよびR2cは各々Hであり;R1はアルキル(CH3が好ましい)であり;x2は1〜3であり;R2はHであり;mは0であるか、または(CH2)mはCH2、CHOHもしくはCH−アルキルであり;X2、X3、X4、X5およびX6は、総計で1、2または3個の窒素であり;(CH2)nは結合またはCH2であり;そして、R3は、アリールアルキルオキシカルボニル、アリールヘテロアリールアルキル、アリールオキシアリールアルキル、アリールアルキル、アリールオキシカルボニル、ハロアリールオキシカルボニル、アルコキシアリールオキシカルボニル、アルキルアリールオキシカルボニル、アリールオキシアリールオキシカルボニル、ヘテロアリールオキシアリールアルキル、ヘテロアリールオキシカルボニル、アリールオキシアリールカルボニル、アリールアルケニルオキシカルボニル、シクロアルキルアリールオキシカルボニル、アリールアルキルアリールカルボニル、ヘテロアリール−ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルオキシアリールオキシカルボニル、ヘテロアリール−ヘテロアリールカルボニル、アリールアルキルスルホニル、アリールアルケニルスルホニル、アルコキシアリールアルキル、アリールチオカルボニル、シクロへテロアルキルアルキルオキシカルボニル、シクロへテロアルキルオキシカルボニル、またはポリハロアルキルアリールオキシカルボニルであって(アルコキシアリールオキシカルボニルがより好ましい)、これらは場合により置換され得る、ことが最も好ましい。
加えて、本発明によれば、糖尿病(特に、II型糖尿病)、および関連疾患(例えば、I型糖尿病、インスリン耐性、高血糖症、高インスリン血症、脂肪酸もしくはグリセロールの血中レベルの上昇、高脂血症、肥満症、高グリセリド血症、炎症、X症候群、糖尿病合併症、代謝異常症候群、アテローム硬化症、および関連疾患)を処置するための方法を提供し、該方法においては、治療学的に有効な量の構造式Iの化合物を処置が必要な患者に投与する。
加えて、本発明によれば、早期悪性病変(例えば、乳腺の上皮内導管癌および乳腺の小葉性癌)、前悪性病変(例えば、乳部の繊維腺腫、および前立腺上皮内腫瘍(PIN))、脂肪肉腫、様々な他の上皮性腫瘍(例えば、乳部、前立腺、大腸、卵巣、胃、および肺を含む)、過敏性大腸症候群、クローン病、胃潰瘍、骨粗しょう症、および増殖性疾患(例えば、乾癬)を処置するための方法を提供し、該方法においては、治療学的に有効な量の構造式Iの化合物を処置が必要な患者に投与する。
加えて、本発明によれば、上および下で定義する糖尿病および関連疾患を処置するための方法を提供し、該方法においては、治療学的に有効な量の構造式Iの化合物、並びに別のタイプの抗糖尿病薬および/または脂質低下薬および/または脂質調節薬および/または他のタイプの治療学的な薬物の組み合わせを、処置が必要な患者に投与する。
本発明の上記の方法において、構造式Iの化合物は、抗糖尿病薬に対する重量比(操作様式に依存する)が約0.01:1〜約100:1の範囲内(約0.5:1〜約10:1の範囲内であることが好ましい)で使用する。
「X症候群」または代謝異常症候群(JohansonによるJ. Clin. Endocrinol. Metab., 1997, 82, 727-734および他の刊行物中に詳述する)としてまとめて引用する、病気、疾患および病癖としては例えば、高血糖症および/または前糖尿病インスリン耐性症候群を含み、そしてこれは、初期のインスリン耐性状態(これは、高インスリン血症、異脂肪血症、および耐糖能障害を発生し、そしてII型糖尿病にまで進行し得る)、高血糖症(これは、糖尿病合併症にまで進行し得る)を特徴とする。
用語「糖尿病および関連疾患」とは、II型糖尿病、I型糖尿病、耐糖能障害、肥満症、高血糖症、X症候群、代謝異常症候群、糖尿病合併症および高インスリン血症を意味する。
「糖尿病合併症」とまとめて呼称する病気、疾患および病弊としては例えば、網膜症、神経障害、および腎障害、並びに他の糖尿病の他の公知の合併症を含む。
本明細書中で使用する用語「他のタイプの治療学的な薬物」とは、抗糖尿病薬(式Iの化合物以外)の1個以上、抗肥満症薬の1個以上、および/または脂質低下薬の1個以上、脂質調節薬(例えば、抗アテローム硬化症薬を含む)の1個以上、および/または抗血小板薬の1個以上、高血圧を処置するための薬物の1個以上、抗癌薬の1個以上、関節炎を処置するための薬物の1個以上、抗骨粗しょう症薬の1個以上、抗肥満症薬の1個以上、免疫調節性疾患を処置するための薬物の1個以上、および/または拒食症を処置するための薬物の1個以上を意味する。
本明細書中で使用する用語「脂質調節」薬とは、LDLを低下し、および/またはHDLを上昇し、および/またはトリグリセリドを低下し、および/または総コレステロールを低下するための薬物;および/または脂質疾患を治療学的に処置するための他の公知の機構を意味する。
(発明の詳細な記載)
本発明の式Iの化合物は、以下の一般的な合成反応式、並びに当該分野の当業者によって使用される関連する公知文献の方法に従って製造可能である。これらの反応についての典型的な試薬および方法を、以下および実施例中に記載する。以下の反応式中の保護および脱保護は、当該分野において通常知られる方法によって実施可能である(例えば、T. W. Greene & P. G. M. Wutsによる、Protecting Groups in Organic Synthesis, 3版, 1999 [Wiley]を参照)。
反応式1は、本発明中に記載するアミノ酸の一般的な製造法を記載する。アルコール1(R5(CH2)x 2OH)を、ミツノブ反応条件(例えば、Mitsunobu, O.による、Synthesis, 1981, 1)下で、ヒドロキシアリール−またはヘテロアリール−アルデヒド2(3−または4−ヒドロキシベンズアルデヒドが好ましい)とカップリングさせる。次いで、得られたアルデヒド3を、α−アミノエステル・塩酸塩4を用いて、文献(例えば、Abdel-Magidらによる、J. Org. Chem. 1996, 61, 3849)中に知られる方法を用いる還元的アミノ化反応を行なう。反応式1中のPGは、好ましいカルボン酸保護基(例えば、メチルエステルまたはtert−ブチルエステル)である。次いで、得られた二級アミノ−エステル5を、R3aアルデヒド6を用いて文献(例えば、Abdel-Magidらによる、J. Org. Chem. 1996, 61, 3849)中に知られる方法を用いて、第2の還元的アミノ化反応を行なう。次いで、塩基性条件(メチルエステルの場合)または酸性条件(tert−ブチルエステルの場合)を用いる、文献(参照:Greeneらによる上記)中で知られる標準的な条件下でのカルボン酸エステルの最終的な脱保護により、所望するアミノ酸生成物IIを得る。
アルデヒド3への別経路は、反応式1A中に示す。アルコール1(R5(CH2)xOH)をメタンスルホニルクロリドを用いて処理して、対応するメシレート7を得る。次いで、該メシレート7をヒドロキシアリールまたはヒドロキシへテロアリールのアルデヒド2を用いる標準的な塩基性条件下でアルキル化して、アルデヒド3を得る。
アミノ酸IIIへの経路は、反応式2中に示す。該2級アミン−エステル5を、標準的な条件(保護基(PG)がメチルの場合には塩基性条件;PGがtert−ブチルの場合には酸性条件;Greeneらによる上記を参照)下で脱保護して、対応するアミノ酸8を得る。反応式1中の記載と似た条件下でアルデヒド9についての還元的アミノ化反応により、所望する3級アミノ酸生成物IIIを得る。
別法として、反応式3中に示す通り、標準条件下でノ第2級アミン−エステルとアルキル化剤10(適当な脱離基(LG)(例えば、ハライド、メシレート、またはトシレート))との反応、続く該カルボン酸エステルIIの脱保護により、所望する第3級アミノ酸IIIを得る。
反応式4中で示す通り、該3級アミノ酸IIIはまた、適当なアミンエステル・塩酸塩4を用いるR3aアルデヒド12の第1の還元的アミノ化反応によって構築することも可能である。次いで、得られた第2級アミン−エステル13を、適当なアルキル、アリール、またはヘテロアリールのアルデヒド3(反応式1中に記載する通り)を用いる還元的アミノ化反応を行ない、続いて該カルボン酸エステルの脱保護によって、所望するアミノ酸アナログIIIを得る。
アミノ酸アナログIIの別の一般的な製造法は、反応式5中に示す。ヒドロキシアリールまたはヘテロアリールのアルデヒド2を、適当なアミン−エステル・塩酸塩4を用いる一般的な還元的アミノ化条件下におく。得られる第2級アミン−エステル14を、この場合にアルデヒド6を用いる第2の還元的アミノ化によって官能化して、対応するヒドロキシ第3級アミン−エステル15を得る。ここで、フェノール15を、好ましいアルコール1(R5−(CH2)nOH)を用いるミツノブ反応を行ない、続いて該生成物のエステル16の脱保護によって、所望するアミノ酸アナログIIを得る。
反応式6は、カルバメート−酸アナログIVの製造を例示する。該第2級アミン−エステル5は、標準的な文献の条件(最適には、塩基(例えば、Et3N)の存在下でのCH2Cl2またはCHCl3中)下で、適当なクロロホルメート17と反応させて、対応するカルバメート−酸を得ることができる。次いで、必須のアナログIVを、該カルバメートエステルの脱保護の後に得る。別法として、該第2級アミン−エステル5をホスゲンと反応させて、対応するカルバミルクロリド18を得ることができる。このカルバミルクロリド中間体18をR3a−OH(19:最適に置換されたフェノール)と反応させて、脱保護後に、対応するカルバメート酸IVを得ることができる。
該第2級アミン−エステル5を、反応式7中に例示する標準的なペプチドカップリング条件下で、置換されたアリールまたは脂肪族のカルボン酸20を用いて官能化することができる。該アミド結合生成反応は、当該分野において知られる標準的なペプチドカップリング方法を用いて行なう。最適には、該反応は、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジミド(EDAC、EDCIまたはWSC)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT)または1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール(HOAT)および塩基(例えば、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリンまたはトリエチルアミン)を用いて、溶媒中(例えば、DMF)、0℃〜RTで行なう。次いで、該アミド−エステルの脱保護により、所望するアミド酸アナログVを得る。
該2級アミン−エステル5はまた、脂肪族またはアリールのイソシアネート21と反応させて、対応するウレア−エステルを得ることもできる。反応式8中に示す通り、この生成物の脱保護により、所望するウレア−酸アナログVIを得る。別法として、反応式9中に示す通り、反応式6中に記載する該カルバミルクロリド中間体18を、第3級アミン(例えば、Et3N)の存在下で、適当な第1級または第2級の脂肪族またはアリールのアミン23および23と反応させて、該エステルの脱保護後に、トリ−またはテトラ−置換のウレア−酸アナログVIIまたはVIIIを得ることができる。
反応式10中に示す通り、該第2級アミン−エステル5はまた、標準的な文献の条件(最適には、塩基(例えば、ピリジン)の存在下で、ニートまたは共溶媒としてクロロホルムを使用する)下で適当なスルホニルクロリド24と反応させて、対応するスルホンアミド−酸IXを得ることもできる。
好ましいラセミのα−アルキルベンジルカルバメート−酸、およびアミノ酸アナログXおよびXIのそれぞれの製造のための異なる方法は、合成反応式11および12中に例示する。反応式11において、置換アリールニトリル(適当な芳香族性へテロ環R
5がすでに付加している)を、標準的な条件下で適当な有機金属試薬(例えば、グリニャール試薬R
10MgX 26または有機リチウム試薬R
10Li)を用いて処理して、対応するイミン中間体を得て、これを直ちに還元(例えば、LiAl
4を使用)して対応する1級アミン27を得る。次いで、アミン27を適当に置換されたα−ハロ−エステル28と反応させて、対応するα−アミン−エステル29を得る。該アミン−エステル29中、部分:
は、必ずしも2個の繰り返し単位を意味するものでないと理解される。
適当に置換されたアリールまたはヘテロアリールのクロロホルメート17を用いて該アミン−エステル29をアシル化し、続いて脱保護することにより、ラセミのカルバメート−酸アナログXを得る。アルキルベンジルアミン−エステル29をアリールアルデヒド6を用いて還元的アミノ化し、続いて脱保護することにより、ラセミのアミノ酸アナログXIを得る。
別法として(反応式12中に示す通り)、保護されたアリールまたはヘテロアリールのニトリル30を、適当な有機金属試薬(例えば、グリニャール試薬R10MgX 26)を用いて処理して対応するイミン中間体を得て、このものを直ちに還元(例えば、LiAl4を使用)して、対応する第1級アミン31を得る。次いで、このアミンを適当に置換されたα−ハロ−エステル28と反応させて、対応するα−アミン−エステル32を得る。次いで、この中間体32を適当に置換されたアリールまたはヘテロアリールのクロロホルメート17を用いてアシル化し、次いで該フェノール性官能基を脱保護して、重要な中間体であるフェノール33を得る。該フェノールをハライドまたはメシレート7を用いてアルキル化し、続いて脱保護することにより、ラセミのカルバメート−酸アナログXを得る。第2級アミノ−エステル32をアリールまたはヘテロアリールのアルデヒド6を用いて還元的アミノ化し、次いで選択的なフェノールの脱保護を行ない、メシレート7を用いてアルキル化し、そして最後に脱保護を含む似た順序により、ラセミのアミノ酸アナログXIを得る。
キラルなカルバメートのアナログXIIおよびアミノ酸のアナログXIIIの製造を、反応式13に示す。アリール−ケトン34の不斉還元(例えば、Corey oxazaborolidine reduction protocol;総説: E. J. Corey & C. Helalによる、Angew. Chem. Int. Ed. Engl., 1998, 37, 1986-2012を参照)により、2個の各所望するエナンチオマーのアルコール35(1個のエナンチオマーのみを該反応式中に示すが)を得る。該キラルなアルコール35をミツノブに似た反応(引用:A. S. Thompsonらによる、J. Org. Chem. 1993, 58, 5886-5888)中でアジドを用いて処理することにより、対応するキラルなアジド(このものは、出発アルコールから反転した立体化学を有する)を得る。次いで、このアジドを標準的な方法(例えば、水素添加またはPh3P/THF/H2O)によって、アミン36にまで還元する。該キラルなアミン36をα−ハロ−エステル28を用いて処理することにより、第2級アミン−エステル37を得る。アミノ−エステル36をアリールまたはヘテロアリールのクロロホルメート17を用いてアシル化し、続いて脱保護することにより、キラルなカルバメート−酸アナログXII(これは、36の立体化学に応じていずれかのエナンチオマーであり得る)を得る。アルキルアミノ−エステル37をアリールアルデヒド6を用いて還元的アミノ化し、続いて脱保護することにより、キラルなアミノ酸アナログXIII(これは、36の立体化学に応じていずれかのエナンチオマーであり得る)を得る。
アナログXIIおよびXIIIの別製造法は、反応式14に示す。適当に保護したオキシアリールケトン38について不斉還元反応を行なって、キラルなアルコール39を得る。これは、反応式13と同じ順序(キラルアジドを介する)によって、キラルなアミン40に変換する。該キラルなアミン40をエステル28(LG=ハロゲンまたはメシレート)を用いる処理により、対応する第2級アミノ−エステル41を得る。41をアリールまたはヘテロアリールのクロロホルメート17を用いてアシル化することにより、対応するカルバメート−エステルを得る。選択的な脱保護により、遊離なフェノールカルバメート−エステル42を得る。該フェノール42をハライドまたはメシレート7を用いてアルキル化し、続いて脱保護することにより、キラルなカルバメート−酸アナログXIIを得る。第2級アミン−エステル41をアリールまたはヘテロアリールのアルデヒド6を用いて還元的アミノ化し、次いで選択的な脱保護を行ない、7を用いてアルキル化し、そして最後に脱保護を行なうことを含む似た順序により、キラルなアミノ酸アナログXIIIを得る。XまたはXIの(R)−または(S)−エナンチオマーのいずれかは、使用する還元剤のキラリティーに応じて、反応式13および14で製造可能である。
カルバメート−酸XIIの好ましい別の不斉製造法は、反応式15に示す。キラルなアミン43の保護(別個に保護されたフェノールを用いる)(カルバメートとしてが好ましい)により、中間体14を得る。44の該フェノール保護基の選択的な除去により、遊離のフェノール45を得る。フェノール45をメシレート7を用いてアルキル化することにより、保護されたアミン46を得る。次いで、45のアミンを脱保護することにより、重要な中間体である第1級アミン−エステル36を得て、次いでこのものを塩基の存在下でα−ハロ−エステル28を用いてアルキル化して、第2級のアミン37を得る。アミン37をクロロホルメート17と反応させることにより、キラルなカルバメート酸アナログXIIを得る。
アナログXIVおよびXVの好ましい不斉合成反応は、反応式16中に示す。該アルデヒド3について標準的なヴィティヒ反応条件(Preparation of Alkenes, a Practical Approach, J. J. Williamsによる編, 2章, 19-58頁を参照)を行なって、アルケン47を得る。公知の文献の方法による不斉アミノヒドロキシル化(O'Brien, P.による、Angew. Chem. Int. Ed., 1999, 38, 326;並びに、Reddy, K. L.およびSharpless, K. B.による、J. Am. Chem. Soc., 1998, 120, 1207を参照)により、単一のエナンチオマーである所望するアミノ−アルコール48を得る。この反応により、いずれかのエナンチオマー(その内の1個のみをここで示す)を得ることができると、理解される。該アミン48の選択的な保護により、アルコール49を得る。次いで、アルコール49を標準的な方法によって中間体50(これは、続くクプラート置換反応のための適当な脱離基(ハライドまたはメシレートのいずれかを)を含む)に変換する。適当なより高次のクプラート51(L. A. Paquetteによる編、Organic Reactions, 1992, 41巻, J. Wiley & Sonsを参照)を保護されたアミン基質50と反応させることにより、カップリングした保護されたアミン52を得る。52の該アミン官能基を脱保護し、続いてエステル28(LG=ハロゲンまたはメシレート)と反応させることにより、対応する第2級アミノ−エステル53を得る。アミン53をアリールまたはヘテロアリールのクロロホルメート17を用いてアミン53をアシル化することにより、対応するカルバメート−エステルを得て、次いでこれを脱保護して、カルバメート−酸アナログXIVを得る。別法として、アルデヒド6を用いてアミンの53を還元的アミノ化し、続いて脱保護することにより、第3級のアミノ酸アナログXVを得る。
炭素−連結したアナログの製造は、反応式17〜19に示す。反応式17は、アセチレン−連結した酸XVIおよびアルキル−連結した酸XVIIの一般的な製造法を記載する。ハロ置換のアリールアルデヒド54(ヨードまたはブロミドが好ましい)について、α−アミノ酸エステル・塩酸塩Vを用いる、文献(例えば、Abdel-Magidらによる、J. Org. Chem. 1996, 61, 3849)中に知られる方法を用いて、還元的アミノ化を行なう。次いで、得られる第2級アミノ−エステル55を、適当な塩基(例えば、ピリジンまたはトリエチルアミン)の存在下でアリールまたはヘテロアリールのクロロホルメートと反応させて、対応するハロ−アリールカルバメート−エステル56を得る。次いで、アリールハライド56を、薗頭カップリング反応(Organocopper Reagents, a Practical Approach, R. J. K. Taylor, Ed., Chapter 10, pp 217-236, Campbell, I. B., Oxford University Press, 1994を参照)において、適当なパラジウム触媒(例えば、、(Ph3P)2PdCl2)および銅(I)塩(例えば、CuI)の存在下で、適当なヘテロアリール(R5)−置換アセチレン57と反応させて、重要な中間体であるアリールアセチレン58を得る。該アリールアセチレンエステル58を脱保護することにより、対応するアリールアセチレン酸アナログXVIを得る。58のアセチレン部分を標準的な方法(例えば、水素添加反応;参照:M. Hudlicky, Reductions in Organic Chemistry, 2版, ACS, 1996, 1章)によって還元して、対応する完全に飽和なアルキルアリールカルバメートエステルを得て、次いでこのものを脱保護して、アルキルアリールカルバメート酸アナログXVIIを得ることができる。
標準的な方法(例えばリンドラー触媒;Preparation of Alkenes, A Practical Approach, J. J. Williams編, 6章, 頁117-136, Oxford University Press, 1996を参照)によって、該アセチレンエステル58の立体選択的な還元反応を達成して、対応するシス−アルケニルアリールカルバメート−エステルを得て、次いでこのものを脱保護して、Z−アルケニルアリールカルバメート酸アナログXVIII(反応式18)を得ることができる。別法として、この順序を逆にすることができ、すなわち、最初の工程をアセチレンエステル58の脱保護としてアセチレン酸を得て、続いて該アセチレン部分の立体選択的な還元反応によって、Z−アルケン−酸アナログXVIIIを得ることができる。
対応するトランス−アルケニルアリールカルバメート酸XIXを、反応式19中の一般的な経路に従って製造する。ヘテロアリール(R5)−アセチレン57を標準的な条件(Boden, C. D. J.らによる、J. Chem. Soc. Perkin Trans. I, 1996, 2417;または、Lu, W.らによる、Tetrahedron Lett. 1998, 39, 9521を参照)下でハロゲン化して、対応するハロ−アセチレンを得て、次いでこのものを対応するトランス−アルケニルスタンナン59に変換する(Boden, C. D. J.による、J. Chem. Soc., Perkin Trans. I, 1996, 2417を参照)。次いで、このアリール−またはヘテロアリール−置換のトランス−アルケニルスタンナン59を、標準的なスチルカップリング条件(Farina, V.らによる、「The Stille Reaction」, Organic Reactions, 1997, 50, 1を参照)下でハロ−アリールカルバメートエステル56とカップリングさせて、対応するトランス−アルケニルアリールカルバメートエステル60を得る。次いで、このカルバメート−エステルを標準的な条件下で脱保護して、所望するトランス−アルケニルアリールカルバメート酸アナログXIXを得る。
反応式20中、適当に保護されたハロ−アリールカルバメート−エステル56を金属性試薬(例えば、イソプロピルマグネシウムンブロミド、参照:P. Knochelらによる、Synthesis, 2002, 565-569)を用いて処理することにより、対応するアリールマグネシム試薬を得て、このものを次いでホルムアルデヒドと反応させて、ベンジルアルコール61を得る。アルコール61を塩基の存在下でメシレートVIIIを用いて処理することにより、対応するエーテル−カルバメートエステルを得て、このものを次いで脱保護して、本発明のエーテル−酸XXを得る。
反応式21中、適当に保護されたハロ−アリールカルバメート−エステル56を、適当なビニルスズ試薬(例えば、トリブチルビニルスズ)を用いてスチルカップリング反応条件(参照:Farina, V., Krishnamurthy, V.およびScott, W. J.による、Organic Reactions, 1997, 50, 1)下で処理することにより、対応するビニル中間体を得て、次いでこのものをハイドロボレーション(例えば、ボラン−THF)を行なって、アルコール62を得ることができる。アルコール62を塩基の存在下でメシレートVIIIを用いて処理することにより、対応するエーテルカルバメート−エステルを得て、次いでこのものを脱保護して、本発明のエーテル酸XXIを得る。
本発明のN−アリール酸XXIIの製造を、反応式22に示す。保護されたフェノール−アルデヒド2を適当なアニリン63(または、他のヘテロアリールアミン)を用いて還元的アミノ化することにより、置換された芳香族性のアミン中間体64を得る。該芳香族性アミン64を塩基(例えば、ヘキサメチルジシラジドナトリウム)の存在下で適当なハロ−置換エステル65を用いてN−アルキル化することにより、N−アリール(または、ヘテロアリール)エステル66を得る。アミノ−エステル66のフェノールを脱保護することにより、遊離のフェノール67を得て、次いでこのものを適当なアルコール1を用いるミツノブ反応(例えば、シアノメチレントリブチルホスホランを使用)を行なって、アルキル化フェノールN−アリールアミノ−エステル68を得る。該エステル68を脱保護することにより、本発明のN−アリール(または、N−ヘテロアリール)酸XXIIを得る。別法として、フェノール67を塩基(例えば、K
2CO
3)の存在下でメシレート7を用いてアルキル化して、続いて酸による脱保護を行なって、本発明のN−アリール(またはN−ヘテロアリール)酸XXIIをもまた得ることができる。
特に断らない限り、本明細書中で単独でまたは別の基の一部として使用する、用語「低級アルキル」、「アルキル」または「アルカ」とは、直鎖中に1〜20個の炭素(1〜10個の炭素が好ましく、1〜8個の炭素がより好ましい)を含有し、そして場合により該直鎖中に酸素または窒素を含み得る、直鎖および分枝の両方の炭化水素を含む。このものとしては例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、イソブチル、ペンチル、ヘキシル、イソへキシル、ヘプチル、4,4−ジメチルペンチル、オクチル、2,2,4−トリメチルペンチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、それらの様々な分枝異性体など、並びに1〜4個の置換基を含有するそれらの基を挙げられる。ここで、該置換基としては例えば、F、Br、ClもしくはI、CF3、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、アリール(アリール)、またはジアリール、アリールアルキル、アリールアルキルオキシ、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルアルキルオキシ、アミノ、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アシル、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、シクロへテロアルキル、アリールへテロアリール、アリールアルコキシカルボニル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルコキシ、アリールオキシアルキル、アリールオキシアリール、アルキルアミド、アルカノイルアミド、アリールカルボニルアミノ、ニトロ、シアノ、チオール、ハロアルキル、トリハロアルキル、および/またはアルキルチオ、および/またはR3基のいずれかである。
特に断らない限り、本明細書中、単独でまたは別の基の一部として使用する用語「シクロアルキル」とは、1〜3個の環を含有し、環を形成するために総計3〜20個の炭素(3〜10個の炭素が好ましい)を含有し、そしてアリールについての記載と同様に1または2個の芳香環と縮合し得る、飽和または一部不飽和(1または2個の二重結合を含有する)の環状炭化水素基(例えば、単環式アルキル、二環式アルキル、および三環式アルキル)を含み、これは例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロへキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロデシル、およびシクロドデシル、シクロヘキセニル、
を含み、それらの基のいずれかは場合により、1〜4個の置換基(例えば、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、アリール、アリールオキシ、アリールアルキル、シクロアルキル、アルキルアミド、アルカノイルアミノ、オキソ、アシル、アリールカルボニルアミノ、アミノ、ニトロ、シアノ、チオール、および/またはアルキルチオ、および/またはアルキルについての置換基のいずれか)で置換され得る。
本明細書中、単独または別の基の一部として使用する用語「シクロアルケニル」とは、3〜12個の炭素(5〜10個の炭素が好ましい)、および1または2個の二重結合を含有する環状炭化水素を意味する。典型的なシクロアルケニル基としては例えば、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロへプテニル、シクロオクテニル、シクロヘキサジエニル、およびシクロヘプタジエニルを含み、これらは場合によりシクロアルキルについて定義する通り置換され得る。
本明細書中で使用する用語「シクロアルキレン」とは、遊離な結合を含み、従って例えば、
などの連結基であって、そして場合により「シクロアルキル」について上で定義する通り置換され得る、「シクロアルキル」基を意味する。
本明細書中、単独でまたは別の基の一部として使用する用語「アルカノイル」とは、カルボニル基と連結したアルキル基を意味する。
特に断らなければ、本明細書中、それ自身または別の基の1部として使用する用語「低級アルケニル」または「アルケニル」とは、直鎖中の炭素数が2〜20個(炭素数2〜12個が好ましく、炭素数1〜8個がより好ましい)であって、そして該直鎖中に1〜6個の二重結合を含み、そして場合により該直鎖中に酸素または窒素を含み得る、直鎖または分枝の基を意味する。例えば、ビニル、2−プロペニル、3−ブテニル、2−ブテニル、4−ペンテニル、3−ペンテニル、2−ヘキセニル、3−ヘキセニル、2−へプテニル、3−へプテニル、4−へプテニル、3−オクテニル、3−ノネニル、4−デセニル、3−ウンデセニル、4−ドデセニル、4,8,12−テトラデカトリエニルなどを含み、そしてこれらは場合により、1〜4個の置換基(すなわち、ハロゲン、ハロアルキル、アルキル、アルコキシ、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、シクロアルキル、アミノ、ヒドロキシ、ヘテロアリール、シクロへテロアルキル、アルカノイルアミノ、アルキルアミド、アリールカルボニルアミノ、ニトロ、シアノ、チオール、アルキルチオ、および/または本明細書中に記載するアルキルについての置換基のいずれかであり得る。
特に断らなければ、本明細書中、単独または別の基の一部として使用する用語「低級アルキニル」または「アルキニル」とは、直鎖中に炭素数が2〜20個(炭素数が2〜12個が好ましく、炭素数が2〜8個がより好ましい)であって、直鎖中に1個の三重結合を含み、そして場合により該直鎖中に酸素または窒素を含む、直鎖または分枝の基を意味する。例えば、2−プロピニル、3−ブチニル、2−ブチニル、4−ペンチニル、3−ペンチニル、2−ヘキシニル、3−ヘキシニル、2−へプチニル、3−へプチニル、4−へプチニル、3−オクチニル、3−ノニニル、4−デシニル、3−ウンデシニル、4−ドデシニルなどを含み、これらは場合により1〜4個の置換基(すなわち、ハロゲン、ハロアルキル、アルキル、アルコキシ、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、シクロアルキル、アミノ、ヘテロアリール、シクロへテロアルキル、ヒドロキシ、アルカノイルアミノ、アルキルアミド、アリールカルボニルアミノ、ニトロ、シアノ、チオール、および/またはアルキルチオ、および/または本明細書中のアルキルについての置換基のいずれか)で置換され得る。
単独でまたは別の基の一部として使用される用語「アリールアルケニル」および「アリールアルキニル」とは、アリール置換基を有する上記のアルケニル基およびアルキニル基を意味する。
上で定義するアルキル基が2個の異なる炭素原子上に他の基と結合するための単結合を有する場合には、それらは「アルキレン」基と呼ばれ、そしてこれらは場合により「アルキル」について上で定義する通り置換され得る。
上で定義するアルケニル基および上で定義するアルキニル基がそれぞれ2個の異なる炭素原子上に結合するための単結合を有する場合には、それらはそれぞれ「アルケニレン基」および「アルキニレン基」と呼ばれ、そしてこれらは場合により「アルケニル」および「アルキニル」について上で定義する通り置換され得る。
(CH2)x、(CH2)x1、(CH2)x2、(CH2)x3、(CH2)x4、(CH2)mまたは(CH2)nは、本明細書中に定義するアルキレン基、アレニル基、アルケニレン基、またはアルキニレン基を含み、これらの各々は場合により直鎖内に酸素または窒素を含み、そして場合により1、2または3個の置換基(例えば、アルキル、アルケニル、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、チオアルキル、ケト、C3〜C6シクロアルキル、アルキルカルボニルアミノ、またはアルキルカルボニルオキシ)を含み得て;そして、該アルキル置換基は、(CH2)x、(CH2)x1、(CH2)x2、(CH2)x3、(CH2)x4、(CH2)mまたは(CH2)n基内の1個または2個の炭素と結合し得る炭素数1〜4個のアルキレン部分であり得て、シクロアルキル基を形成する。
(CH
2)
x、(CH
2)
x1、(CH
2)
x2、(CH
2)
x3、(CH
2)
x4、(CH
2)
mまたは(CH
2)
n、アルキレン、アルケニレン、アルキニレンとしては例えば、
を含む。
本明細書中、単独でまたは別の基の一部として使用する用語「ハロゲン」または「ハロ」とは、塩素、臭素、フッ素、およびヨウ素、並びにCF3を意味するが、塩素またはフッ素が好ましい。
用語「金属イオン」とは、アルカリ金属(例えば、ナトリウム、カリウムまたはリチウム)のイオン、およびアルカリ土類金属(例えば、マグネシウムおよびカルシウム)、並びに亜鉛およびアルミニウムのイオンを意味する。
特に断らなければ、単独でまたは別の基の一部として本明細書中に使用する用語「アリール」または基:
(式中、QはCである)
は、環部分に6〜10個の炭素を含有する単環式または二環式の芳香族基(例えば、フェニルまたはナフチル(1−ナフチルおよび2−ナフチルを含む))を意味し、このものは場合により炭素環またはヘテロ環(例えば、アリール環、シクロアルキル環、ヘテロアリール環、またはシクロへテロアルキル環)と縮合した1〜3個の更なる環(例えば、
)を含み得て、そしてこれらは場合により利用可能な炭素原子が1、2または3個の基で置換され得る。ここで、該置換基としては、水素、ハロ、ハロアルキル、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルケニル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、アルキニル、シクロアルキル−アルキル、シクロヘテロアルキル、シクロへテロアルキルアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、アリールオキシ、アリールオキシアルキル、アリールアルコキシ、アルコキシカルボニル、アリールカルボニル、アリールアルケニル、アミノカルボニルアリール、アリールチオ、アリールスルフィニル、アリールアゾ、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルケニル、ヘテロアリールヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、アミノ、置換アミノ(ここで、該アミノは、1または2個の置換基(これは、アルキル、アリール、または定義において記載する他のアリール化合物のいずれかである)を含む)、チオール、アルキルチオ、アリールチオ、ヘテロアリールチオ、アリールチオアルキル、アルコキシアリールチオ、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、アリールスルフィニル、アリールスルフィニルアルキル、アリールスルホニルアミノ、アリールスルホンアミノカルボニル、および/または本明細書中に記載するアルキルについての置換基のいずれかから選ばれる。
特に断らなければ、本明細書中、単独でまたは別の基の一部として使用する用語「低級アルコキシ」、「アルコキシ」、「アリールオキシ」、または「アルアルコキシ」は、酸素原子と結合した上記のアルキル基、アラルキル基、またはアリール基のいずれかを含む。
特に断らなければ、本明細書中、単独でまたは別の基の一部として使用する用語「置換アミノ」とは、1または2個の置換基で置換されたアミノを意味する。ここで、該置換基は同じであっても異なってもよく、例えばアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、シクロへテロアルキル、シクロへテロアルキルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、またはチオアルキルを挙げられる。これらの置換基は、更にカルボン酸および/または上記のアルキルについての置換基のいずれかで置換され得る。加えて、該アミノ置換基はそれらが結合する窒素原子と一緒になって、1−ピロリジニル、1−ピペリジニル、1−アゼピニル、4−モルホリニル、4−チアモルホリニル、1−ピペラジニル、4−アルキル−1−ピペラジニル、4−アリールアルキル−1−ピペラジニル、4−ジアリールアルキル−1−ピペラジニル、1−ピロリジニル、1−ピペリジニル、または1−アゼピニル(これらは、場合によりアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロ、トリフルオロメチル、またはヒドロキシで置換される)を形成し得る。
特に断らなければ、本明細書中、単独でまたは別の基と一部として使用する用語「低級アルキルチオ」、「アルキルチオ」、「アリールチオ」、または「アラルキルチオ」とは、硫黄原子と結合した上記のアルキル基、アラルキル基、またはアリール基のいずれかを含む。
特に断らなければ、本明細書中、単独でまたは別の基の一部として使用する用語「低級アルキルアミノ」、「アルキルアミノ」、「アリールアミノ」、または「アリールアルキルアミノ」とは、窒素原子と結合する上記のアルキル基、アリール基、またはアリールアルキル基のいずれかを含む。
特に断らなければ、単独でまたは本明細書中で定義する別の基の一部として本明細書中で使用する用語「アシル」とは、カルボニル
基と結合する有機基を意味する。アシル基としては例えば、カルボニルと結合するR
3基のいずれかを含み、例えばアルカノイル、アルケノイル、アロイル、アルアルカノイル、ヘテロアロイル、シクロアルカノイル、シクロへテロアルカノイルなどを挙げられる。
特に断らなければ、本明細書中、単独でまたは別の基の一部として使用する用語「シクロへテロアルキル」とは、1〜2個のヘテロ原子(例えば、窒素、酸素および/または硫黄)を含み、炭素原子またはヘテロ原子によって連結した(可能ならば、場合により連結基(CH
2)
p(ここで、pは1、2または3である)(例えば、
などによる))、5−、6−または7−員の飽和または部分的に不飽和の環を意味する。上記の基は、1〜4個の置換基(例えば、アルキル、ハロ、オキソ、および/または本明細書中に記載するアルキルまたはアリールについての置換基のいずれか)を含む。加えて、該シクロへテロアルキル環のいずれかは、シクロアルキル環、アリール環、ヘテロアリール環、またはシクロへテロアルキル環と縮合し得る。
特に断らなければ、本明細書中、単独でまたは別の基の一部として使用する用語「ヘテロアリール」とは、1、2、3または4個のヘテロ原子(例えば、窒素、酸素、または硫黄)を含む5−または6−員の芳香族環(例えば、
(式中、QはNである)を含む);およびアリール環、シクロアルキル環、ヘテロアリール環、またはシクロへテロアルキル環(例えば、ベンゾチオフェニル、インドリル)と縮合したそれらの環を意味し、このものは可能なN−オキシドを含む。該ヘテロアリール基は場合により、1〜4個の置換基(例えば、上記のアルキルまたはアリールについての置換基のいずれか)を含み得る。ヘテロアリール基の例としては、以下:
などを含む。
本明細書中、単独でまたは別の基の一部として使用する用語「シクロへテロアルキルアルキル」とは、(CH2)p鎖とC原子またはヘテロ原子で結合した、上で定義するシクロヘテロアルキル基を意味する。
本明細書中、単独でまたは別の基の一部として使用する用語「ヘテロアリールアルキル」または「ヘテロアリールアルケニル」とは、C原子またはヘテロ原子で−(CH2)p−鎖と結合した上で定義するヘテロアリール基を意味する。
本明細書中で使用する用語「ポリハロアルキル」とは、2〜9個(2〜5個が好ましい)のハロ置換基(例えば、FまたはClであって、Fが好ましい)を含む、上で定義する「アルキル」基(例えば、CF3CH2、CF3、またはCF3CF2CH2)を意味する。
本明細書中で使用する用語「ポリハロアルキルオキシ」とは、2〜9個(2〜5個が好ましい)のハロ置換基(例えば、FまたはClであって、Fが好ましい)を含む、上で定義する「アルコキシ」基または「アルキルオキシ」基(例えば、CF3CH2O、CF3O、またはCF3CF2CH2O)を意味する。
本明細書中、使用する用語「プロドラッグエステル」とは、カルボン酸エステルおよびリン酸エステルについて当該分野において知られるプロドラッグエステル(例えば、メチル、エチル、ベンジルなど)を含む。R
4の他のプロドラッグエステルとしては例えば、以下の基:
(1−アルカノイルオキシ)アルキル(例えば、
(式中、R
a、R
bおよびR
cは、H、アルキル、アリール、またはアリールアルキルであり;しかしながら、R
aOは、HOであり得ない)
を含む。
それらプロドラッグエステルR
4としては例えば、
を含む。
適当なプロドラッグエステルR
4の他の例としては、
[式中、
R
aは、H、アルキル(例えば、メチルまたはt−ブチル)、アリールアルキル(例えば、ベンジル)、またはアリール(例えば、フェニル)であり;R
dは、H、アルキル、ハロゲン、またはアルコキシであり;R
eは、アルキル、アリール、アリールアルキル、またはアルコキシルであり;そして、n
1は0、1または2である]
を含む。
構造式Iの化合物が酸形態である場合には、それらは医薬的に許容し得る塩、例えばアルカリ金属(例えば、リチウム、ナトリウム、またはカリウム)塩、アルカリ土類金属(例えば、カルシウムまたはマグネシウム)塩、亜鉛塩もしくはアルミニウム塩、および他のカチオン(例えば、アンモニウム、コリン、ジエタノールアミン、リシン(DまたはL)、エチレンジアミン、t−ブチルアミン、t−オクチルアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(TRIS)、N−メチルグルコサミン(NMG)、トリエタノールアミン、およびデヒドロキシアビエチルアミン)の塩、を形成し得る。
本発明の化合物の全ての立体異性体は、混合物形態、または純粋なもしくは実質的に純粋な形態のいずれかを包含する。本発明の化合物は、炭素原子のいずれか(例えば、いずれか1つを含む)での不斉中心、または該R置換基を有し得る。結果として、式Iの化合物は、エナンチオマーもしくはジアステレオマー形態、またはそれらの混合物で存在し得る。製造方法は、出発物質としてラセミ体、エナンチオマー、またはジアステレオマーを使用することができる。ジアステレオマー生成物またはエナンチオマー生成物を製造する場合には、それらは通常の方法(例えば、クロマトグラフィー精製または分別結晶)によって分離することができる。
所望する場合には、構造式Iの化合物は、1個以上の抗高脂血症薬または脂質低下薬および/または1個以上の他のタイプの治療学的な薬物(例えば、抗糖尿病薬、抗肥満症薬、血圧降下薬、血小板凝集インヒビター、および/または抗骨粗しょう症薬を含む)と組み合わせて使用することができ、そしてこのものは同じ投与形態で、別個の経口投与形態で、または注射によって経口投与することができる。
場合により本発明の式Iの化合物と組み合わせて使用し得る抗高脂血症薬または脂質低下薬としては例えば、1、2、3個またはそれ以上のMTPインヒビター、HMG CoAレダクターゼインヒビター、スクアレン合成酵素インヒビター、フィブル酸誘導体、ACATインヒビター、リポキシゲナーゼインヒビター、コレステロール吸収インヒビター、回腸Na+/胆汁酸共輸送体インヒビター、LDL受容体活性の上方調節因子、胆汁酸捕捉剤、および/またはニコチン酸、並びにそれらの誘導体を含み得る。
本明細書中で使用するMTPインヒビターとしては例えば、米国特許第5,595,872号、米国特許第5,739,135号、米国特許第5,712,279号、米国特許第5,760,246号、米国特許第5,827,875号、米国特許第5,885,983号、並びに米国特許出願番号09/175,180(1998年10月20日出願)、最新の米国特許第5,962,440号中に開示するMTPインヒビターを含む。上記の各特許および出願中で開示されている好ましいMTPインヒビターの各々が好ましい。
上記の米国特許および出願の全ては、本明細書の一部を構成する。
本発明に従って使用する最も好ましいMTPインヒビターとしては例えば、米国特許第5,739,135号および第5,712,279号、並びに米国特許第5,760,246号中に記載される好ましいMTPインヒビターを含む。
最も好ましいMTPインヒビターは、9−[4−[4−[[2−(2,2,2−トリフルオロメトキシ)ベンゾイル]アミノ]−1−ピペリジニル]ブチル]−N−(2,2,2−トリフルオロエチル)−9H−フルオレン−9−カルボキサミド
である。
抗高脂血症薬はHMG CoAレダクターゼインヒビターであり得て、このものとしては例えば、メバスタチンおよび関連化合物(米国特許第3,983,140号中に開示)、ロバスタチン(メビノリン)および関連化合物(米国特許第4,231,938号中に開示)、プラバスタチンおよび関連化合物(米国特許第4,346,227号中に開示)、シンバスタチンおよび関連化合物(米国特許第4,448,784号および第4,450,171号中に開示)を含むが、これらに限定されない。本明細書中で使用し得る他のHMG CoAレダクターゼインヒビターとしては例えば、フルバスタチン(米国特許第5,354,772号中に開示)、アトルバスタチン(米国特許第4,681,893号、第5,273,995号、第5,385,929号、および第5,686,104号中に開示)、イタバスタチン(ニッサン/三共製のニスバスタチン(nisvastatin)(NK−104))(米国特許第5,011,930号中に開示)、シオノギ−アストラ/ゼネカ社製のビサスタチン(visastatin)(ZD−4522)(米国特許第5,260,440中に開示)および関連スタチン化合物(米国特許第5,753,675号中に開示)、メバロノラクトン誘導体のピラゾールアナログ(米国特許第4,613,610中に開示)、メバロノラクトン誘導体のインデンアナログ(PCT出願番号WO 86/03488中に開示)、6−[2−(置換−ピロール−1−イル)−アルキル)ピラン−2−オンおよびその誘導体(米国特許第4,647,576中に開示)、シール(Searle)社製のSC−45355(3−置換ペンタン二酸誘導体)・ジクロロアセテート、メバロノラクトンのイミダゾールアナログ(PCT出願番号WO 86/07054中に開示)、3−カルボキシ−2−ヒドロキシ−プロパン−ホスホン酸誘導体(仏国特許第2,596,393中に開示)、2,3−ジ置換のピロール、フランおよびチオフェン誘導体(欧州特許出願番号0221025中に開示)、メバロノラクトンのナフチルアナログ(米国特許第4,686,237中に開示)、オクタヒドロナフタレン(例えば、米国特許第4,499,289中に開示)、メビノリン(ロバスタチン)のケトアナログ(欧州特許出願番号0,142,146 A2中に開示)、およびピリジン誘導体(米国特許第5,506,219号および第5,691,322号中に開示)を含むが、これらに限定されない。
加えて、本明細書中での使用に適当なHMG CoAレダクターゼを阻害するのに有用なホスフィン酸化合物は、GB第2205837号中に開示されている。
本明細書中での使用に適当なスクアレン合成酵素インヒビターとしては例えば、α−ホスホノスルホネート(米国特許第5,712,396号、BillerらによるJ. Med. Chem., 1988, 31巻, 第10, 頁1869-1871によって開示)(例えば、イソプレノイド(ホスフィニル−メチル)ホスホネートを含む)、並びに他の公知のスクサレン合成酵素インヒビター(例えば、米国特許第4,871,721号および第4,924,024号、Biller, S.A., Neuenschwander, K., Ponpipom, M.M.およびPoulter, C.D.による、Current Pharmaceutical Design, 2, 1-40 (1996)中に開示)を含むが、これらに限定されない。
加えて、本明細書中での使用に適当な他のスクアレン合成酵素インヒビターとしては例えば、テルペノイドピロリン酸(P. Ortiz de Montellanoらによる、J. Med. Chem., 1977, 20, 243-249中に開示)、ファルネシル・二リン酸アナログA、およびプレスクアレン・ピロリン酸塩(PSQ−PP)アナログ(CoreyおよびVolanteによる、J. Am. Chem. Soc., 1976, 98, 1291-1293中に開示)、ホスフィニルホスホネート(McClard, R. W.らによる、J. A. C. S., 1987, 109, 5544によって報告)、およびシクロプロパン(Capson, T. L.によるPhD論文, 1987, 6月, Utah大学 Dept. Med. Chem., Abstract, Table of Contents, 16, 17, 40-43, 48-51頁, Summaryによって報告)を含む。
本明細書中での使用に適当な他の抗高脂血症薬としては例えば、フィブル酸誘導体(例えば、フェノフィブラート、ゲムフィブロジル、クロフィブラート、ベザフィブラート、シプロフィブラートなど、クリノフィブラートなど、プロブコール、および関連化合物(米国特許第3,674,836号中に開示)(プロブコールおよびゲムフィブロジルが好ましい)、胆汁酸捕捉剤(例えば、コレスチラミン、コレスチポール、およびDEAE−セファデックス(Secholex(登録商標)、Policexide(登録商標))およびコレスタゲル(cholestagel)(三共/ゲルテックス社(Geltex)製)、並びにリポスタビル(Rhone-Poulenc社製)、エイザイE−5050(N−置換エタノールアミン誘導体)、イマニキシル(imanixil)(HOE−402)、テトラヒドロリプスタチン(tetrahydrolipstatin)(THL)、イスティグマスタニルホスホリルコリン(istigmastanylphos-phorylcholine)(SPC、Roche社製)、アミノシクロデキストリン(田辺製薬製)、味の素AJ−814(アズレン誘導体)、メリナミド(住友製)、Sandoz 58−035、アメリカンシアナミド(Cyanamid)CL−277,082およびCL−283,546(ジ置換ウレア誘導体)、ニコチン酸(ナイアシン)、アシピモックス(acipimox)、アシフラン(acifran)、ネオマイシン、p−アミノサリチル酸、アスピリン、ポリ(ジアリルメチルアミン)誘導体(米国特許第4,759,923号中に開示)、第4級アミンポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド)、およびイオネン(ionenes)(例えば、米国特許第4,027,009号中に開示)、および他の公知の血清中コレステロール低下薬を含むが、これらに限定されない。
抗高脂血症薬は、ACATインヒビター(例えば、Drugs of the Future 24, 9-15 (1999), アバシミベ(Avasimibe);「The ACAT inhibitor, Cl-1011 is effective in the prevention and regression of aortic fatty streak area in hamsters」, Nicolosiらによる、Atherosclerosis (Shannon, Irel), (1998), 137(1), 77-85;「The pharmacological profile of FCE 27677: a novel ACAT inhibitor with potent hypolipidemic activity mediated by selective suppression of the hepatic secretion of ApoB100-containing lipoprotein」, Ghiselli, Giancarlo, Cardiovasc. Drug Rev. (1998), 16(1), 16-30;「RP 73163: a bioavailable alkylsulfinyl-diphenylimidazole ACAT inhibitor」, Smith, C.らによるBioorg. Med. Chem. Lett. (1996), 6(1), 47-50;「ACAT inhibitors: physiologic mechanisms for hypolipidemic and anti-atherosclerotic activities in experimental animals」, Krauseらによる編:Ruffolo, Robert R., Jr.;Hollinger, Mannfred A., Inflammation:Mediators Pathways (1995), 173-98, Publisher: CRC, Boca Raton, Fla.;「ACAT inhibitors: potential anti-atherosclerotic agents」, SliskovicらによるCurr. Med. Chem. (1994), 1(3), 204-25;「inhibitors of acyl-CoA:cholesterol O-acyl transferase (ACAT) as hypocholesterolemic agents. 6. The first water-soluble ACAT inhibitor with lipid-regulating activity. inhibitors of acyl-CoA: cholesterol acyltransferase (ACAT). 7. Development of a series of substituted N-phenyl-N'-[(1-phenylcyclopentyl)methyl]ureas with enhanced hypocholesterolemic activity」、StoutらによるChemtracts: Org. Chem. (1995), 8(6), 359-62、またはTS−962(大正製薬製)、並びにF−1394、CS−505、F−12511、HL−004、K−10085、およびYIC−C8−434であり得る。
抗高脂血症薬は、LDL受容体活性の上方調節因子(例えば、MD−700(大正製薬製)およびLY295427(イーライリリー社製))であり得る。
抗高脂血症薬は、コレステロール吸収インヒビター(Schering-Plough社製のSCH48461(エゼチミベ(ezetimibe))、並びにAtherosclerosis 115, 45-63 (1995)およびJ. Med. Chem. 41, 973 (1998)中に開示されているものであり得る。
抗高脂血症薬は、回腸Na+/胆汁酸共輸送体インヒビター(例えば、Drugs of the Future, 24, 425-430 (1999)中に開示)であり得る。
脂質調節剤は、コレステリルエステル輸送タンパク質(CETP)インヒビター、例えばファイザー(Pfizer)製CP529,414、その他(WO/0038722(すなわち、トルセトラピブ(torcetrapib))、EP 818448号(バイエル社製)およびEP 992496中に開示しているもの)、ファルマシア(Pharmacia's)製SC−744およびSC−795、並びにCETi−1およびJTT−705であり得る。
本発明の組み合わせにおいて使用可能なATPクエン酸リアーゼインヒビターとしては例えば、米国特許第5,447,954号中に開示するものを含み得る。
他の脂質剤はまた、フィトエストロゲン化合物(WO 00/30655中に開示)(例えば、単離大豆タンパク質、大豆タンパク質濃縮物、または大豆粉末)、並びにイソフラボン(例えば、ゲニステイン、ダイゼイン、グリシテイン、またはエクオール(equol)、または植物ステロール、フィトスタノールまたはトコトリエノール(WO 2000/015201中に開示);ベータ−ラクタムコレステロール吸収インヒビター(例えば、EP 675714中に開示);HDL上方調節因子(例えば、LXR作動薬、PPARアルファ作動薬、および/またはFXR作動薬);PPARデルタ作動薬(例えば、GW-501516、参考:Oliver, Jr., W. R.らによる、Proc. Nat. Acad. Sci. USA, 2001, 98, 5306-5311)、LDL異化作用プロモーター(例えば、EP 1022272中に開示);ナトリウム−プロトン交換インヒビター(例えば、DE 19622222中に開示);LDL−受容体誘発因子またはステロイド性グリコシド(例えば、米国特許第5,698,527号およびGB 2304106中に開示);抗酸化剤(例えば、ベータ−カロテン、アスコルビン酸、α−トコフェロール、またはレチノール(WO 94/15592中に開示)、並びにビタミンCおよび抗ホモシステイン剤(例えば、葉酸、葉酸塩、ビタミンB6、ビタミンB12およびビタミンE);イソニアジド(WO 97/35576中に開示);コレステロール吸収インヒビター、HMG−CoA合成酵素インヒビター、またはラノステロール脱メチル化酵素インヒビター(WO 97/48701中に開示);異脂肪血症を処置するためのPPARδ作動薬;または、ステロール制御要素結合タンパク質−I(SREBP−1)(WO 2000/050574中に開示)(例えば、スフィンゴ脂質(例えば、セラミド))、または中性スフィンゴミエリナーゼ(N−SMアーゼ)またはそれらのフラグメントを含む。
上記の米国特許は、本明細書の一部を構成する。使用する量および用量は、医師卓上参考書および/または上記の特許中に示す通りである。
本発明の式Iの化合物は、抗高脂血症薬(存在する)に対する重量比で約500:1〜約1:500の範囲(約100:1〜約1:100が好ましい)で使用する。
該投与用量は、患者の年齢、体重および病気、並びに投与経路、投与形態、投与計画および所望する結果に従って、注意深く調節されなければいけない。
抗高脂血症薬についての用量および製剤は、上記の様々な特許および特許出願中に開示されている。
利用可能な場合には、使用する他の抗高脂血症薬についての用量および製剤は、医師の卓上参考書の最新版中に記載されている。
経口投与の場合には、MTPインヒビターを使用する場合の満足な結果は約0.01mg〜約500mgの範囲内の量(約0.1mg〜約100mgが好ましい)を1日に1〜4回の場合である。
好ましい経口投与形態(例えば、錠剤またはカプセル剤)は、MTPインヒビターを約1〜約500mgの量(約2〜約400mgが好ましく、約5〜約250mgがより好ましい)で1日に1〜4回を含む。
経口投与の場合に、HMG CoAレダクターゼインヒビター(例えば、パラバスタチン、ロバスタチン、シムバスタチン、アトルバスタチン、フルバスタチン、またはロスバスタチン)を使用する場合の満足な結果は、医師の卓上参考書中に示す通りに使用する用量(例えば、約1〜2000mgの範囲内(約4〜約200mgが好ましい))で得ることができる。
スクアレン合成酵素インヒビターは、約10mg〜約2000mgの範囲内の用量(約25mg〜約200mgが好ましい)で使用することができる。
好ましい経口投与形態(例えば、錠剤またはカプセル剤)は、HMG CoAレダクターゼインヒビターを約0.1〜約100mgの範囲の量(約0.5〜約80mgが好ましく、約1〜約40mgがより好ましい)で含む。
好ましい経口投与形態(例えば、錠剤またはカプセル剤)は、該スクアレン合成酵素インヒビターを約10〜約500mgの量(約25〜約200mgが好ましい)で含む。
抗高脂血症薬はまた、リポキシゲナーゼインヒビター、例えば15−リポキシゲナーゼ(15−LO)を含む)インヒビター(例えば、ベンズイミダゾール誘導体(WO 97/12615中に開示))、15−LOインヒビター(WO 97/12613中に開示)、イソチアゾロン(WO 96/38144中に開示)、および15−LOインヒビター(Sendobryらによる「Attenuation of diet-induced atherosclerosis in rabbits with a highly selective 15-lipoxygenase inhibotor lacking significant antioxidant properties」、Brit. J. Pharmacology (1997) 120, 1199-1206およびCornicelliらによる「15-Lipoxygenase and its Inhibition: A Novel Therapeutic Target for Vascular Disease」、Current Pharmaceutical Design, 1999, 5, 11-20らによって開示)であり得る。
式Iの化合物および抗高脂血症薬は、同時期に摂取する、同じ経口投与形態または別の経口投与形態で、一緒に使用することができる。
上記の組成物は、1日に1〜4回、1回用量または分割用量で上記の投与形態で投与することができる。そして、そのものは患者に対して低用量で開始し、そしてより高い用量の組み合わせにまで徐々にワークアップすることが賢明であり得る。
好ましい抗高脂血症薬は、パラバスタチン、シンバスタチン、ロバスタチン、アトルバスタチン、フルバスタチン、ロスバスタチン、並びにナイアシンおよび/またはコレスタゲルである。
場合により式Iで示される化合物と組み合わせて使用可能な他の抗糖尿病薬は、1、2、3個またはそれ以上の抗糖尿病薬または抗高血糖症薬であり得て、例えばインスリン捕捉剤またはインスリン抵抗改善薬(insulin sensitizer)、または他の抗糖尿病薬(これは、本発明の式Iの化合物とは異なる作用機構を有することが好ましい)であり得て、例えばビグアナイド、スルホニル尿素、グルコシダーゼインヒビター、PPARγ作動薬(例えば、チアゾリジンジオン)、PPARα作動薬(例えば、フィブル酸誘導体)、PPARδの作動薬もしくは拮抗薬、PPARα/γ二重作動薬、aP2インヒビター、ジペプチジルペプチダーゼIV(DP4)インヒビター、SGLT2インヒビター、グリコーゲンホスホリラーゼインヒビター、グルカゴン様ペプチド−1(GPL−1)、PTP−1B(タンパク質チロシンホスファターゼ−1B)インヒビター、11β−HSD 11(11β−ヒドロキシ−ステロイドデヒドロゲナーゼ1)インヒビター、および/またはメグリチニド(meglitinide)、並びにインスリンを含む。
他の抗糖尿病薬は、経口抗高血糖症薬(ビグアナイド(例えば、メトホルミンもしくはフェンホルミン、またはそれらの塩(メトホルミン・HClが好ましい))が好ましい)であり得る。
抗糖尿病薬がビグアナイドである場合に、構造式Iで示される化合物は、ビグアナイドに対する重量比が約0.001:1〜約10:1の範囲内(約0.01:1〜約5:1が好ましい)で使用する。
他の抗糖尿病薬はまた好ましくは、スルホニル尿素、例えばグリブリド(これは、グリベングラミドとしても知られる)、グリメピリド(glimepiride)(米国特許第4,379,785号中に開示)、グリピジド、グリクラジドもしくはクロルプロパミド、他の公知のスルホニル尿素、またはβ−細胞のATP−依存性チャンネルにおいて作用する他の抗高脂血症薬(グリブリドおよびグリピジドが好ましい)であり得て、このものは同じかまたは別々の経口投与形態で投与し得る。
構造式Iの化合物は、スルホニル尿素に対する重量比が約0.01:1〜約100:1の範囲(約0.02:1〜約5:1が好ましい)で使用する。
該経口抗糖尿病薬はまた、グルコシダーゼインヒビター(例えば、アカルボース(米国特許第4,904,769号中に開示)、またはミグリトール(米国特許第4,639,436号中に開示))であり得て、このものは同じかまたは別々の経口投与形態で投与し得る。
構造式Iの化合物は、グルコシダーゼインヒビターに対する重量比が約0.01:1〜約100:1の範囲内(約0.05:1〜約10:1が好ましい)で使用する。
構造式Iの化合物は、PPARγ作動薬(例えば、チゾリジンジオン経口抗糖尿病薬)または他のインスリン抵抗改善薬(これは、NIDDM患者におけるインスリン感受性効果を有する)(例えば、ロシダリタゾン(グラクソスミスクライン社製)、ピオグリタゾン(武田製)、ミツビシMCC−555(米国特許第5,594,016号中に開示)、グラクソ−ウェルカム社製GL−262570、エングリタゾン(englitazone)(CP−68722、ファイザー社製)もしくはダルグリタゾン(darglitazone)(CP−86325、ファイザー社製)、イサグリタゾン(isaglitazone)(MIT/J&J)、JTT−501(JPNT/P&U)、L−895645(メルク社製)、R−119702(三共/WL社製)、NN−2344もしくはバラグリタゾン(balaglitazone)(Dr.Reddy/NN)もしくはYM−440(山之内製)(ロシグリタゾンおよびピオグリタゾンが好ましい))と組み合わせて使用し得る。
構造式Iの化合物は、チアゾリジンジオンに対する重量比が約0.01:1〜約100:1の範囲内(約0.05:1〜約10:1が好ましい)で使用する。
約150mgよりも少ない量でのスルホニル尿素およびチアゾリジンジオンの場合は、該抗糖尿病薬は構造式Iの化合物と合わせて1個の錠剤中に含有し得る。
構造式Iの化合物はまた、抗高血糖症薬(例えば、インスリン)またはグルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)(例えば、GLP−1(1−36)アミド、GLP−1(7−36)アミド、GLP−1(7−37)(Habenerによる米国特許第5,614,492号中に開示;これは、本明細書の一部を構成する)、並びにAC2993(アミリン(Amylin)社製)およびLY−315902(リリー社製)と組み合わせて使用することができ、これらは注射、鼻腔内、吸入、または経皮もしくは頬側デバイスによって、投与し得る。
存在する場合には、メトホルミン、スルホニル尿素(例えば、グリブリド、グリメピリド、グリピリド、グリピジド、クロルプロパミド、およびグリグラジド)、およびグルコシダーゼインヒビターアカルボースもしくはミグリトール、またはインスリン(注射可能、肺、頬側、または経口)は上記の製剤中で、医師用卓上参考書(PDR)中に示されている量および用量で使用できる。
存在する場合には、メトホルミンまたはその塩は、1日当たり約500〜約2000mgの範囲内の量で使用することができ、そしてこれらは1回用量または分割用量で1日に1回〜4回投与することができる。
存在する場合には、該チアゾリジンジオン抗糖尿病薬は、約0.01〜約2000mg/日の範囲内の量で使用することができ、そしてこれらを1回用量でまたは分割用量で1日に1回〜4回投与することができる。
存在する場合には、インスリンは、医師の卓上参考書によって示された製剤、量および投与で使用し得る。
存在する場合は、GLP−1は、米国特許第5,346,701号(テラテック(TeraTech)社製、第5,6l4,492号および第5,63l,224号(これらは、本明細書の一部を構成する)に記載する通り、鼻腔内投与によって経口頬側製剤で、または非経口によって、投与できる。
他の抗糖尿病薬はまた、PPARα/γ二重作動薬(例えば、AZ−242/テサグリタザー(tesaglitazar)(アストラ/ゼネカ社製;これは、LjungらによるJ. Lipid Res., 2002, 43, 1855-1863中に記載)、GW−409544(グラクソ−ウェルカム社製)、KRP−297/MK−767(キョーリン/メルク社製;K. YajimaらによるAm. J. Physiol. Endocrinol. Metab., 2003, 284: E966-E971中に記載)、並びにMurakamiらによる「A Novel Insulin Sensitizer Acts As a Coligand for Peroxisome Proliferation - Activated Receptor Alpha (PPAR alpha) and PPAR gamma. Effect on PPAR alpha Activation on Abnormal Lipid Metabolism in Liver of Zucker Fatty Rats」、Diabetes 47, 1841-1847(1998)中に開示されているもの、または米国特許第6414002号中に記載されている化合物(ブリストルマイヤースクイブ社製)であり得る。
該抗糖尿病薬は、SGLT2インヒビター(例えば、米国特許仮出願60/158,773号(1999年10月12日出願))(代理人ファイル番号LA49)中に開示)であり得て、これは該明細書中に記載する用量を使用する。上記の出願中に好ましいと示されている化合物は、好ましい。
該抗糖尿病薬は、aP2インヒビター(例えば、米国特許出願番号09/391,053号(1999年9月7日出願)および米国仮出願番号60/127,745号(1999年4月5日出願)(代理人ファイル番号LA27*)中に開示)であり得て、このものは該明細書中に記載する用量を使用する。上記の出願中で好ましいと示されている化合物は、好ましい。
該抗糖尿病薬は、DP4(ジペプチジルペプチダーゼIV)インヒビター(例えば、仮出願番号60/188,555号(2000年3月10日出願)(代理人ファイル番号LA450)、WO99/38501、WO99/46272、WO99/67279(PROBIODRUG)、WO99/67278(PROBIODRUG)、WO99/61431(PROBIODRUG)中に開示)、NVP−DPP728A(1−[[2−[(5−シアノピリジン−2−イル)アミノ]エチル]アミノ]アセチル]−2−シアノ−(S)−ピロリジン)(ノバルティス社製)(好ましい)(HughesらによるBiochemistry, 38(36), 11597-11603, 1999によって開示)、TSL−225(トリプトフィル(tryptophyl)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−3−カルボン酸(YamadaらによるBioorg. & Med. Chem. Lett. 8 (1998) 1537-1540によって開示)、2−シアノピロリジドおよび4−シアノピロリジド(AshworthらによるBioorg. & Med. Chem. Lett., 6巻, 第22, 頁1163-1166および2745-2748(1996)によって開示)であり得て、これらのものは上記の引用文献中に記載する用量を使用する。
場合により本発明の式Iの化合物と組み合わせて使用可能な該メグリチニド(meglitinide)は、レパグリニド(repaglinide)、ナテグリニド(ノバルティス社製)またはKAD1229(PF/キッセイ社製)であり得て、レパグリニドが好ましい。
式Iの化合物は、該メグリチニド、PPARγ作動薬、PPARα/γ二重作動薬、aP2インヒビター、DP4インヒビター、またはSGLT2インヒビターに対する重量比が約0.01:1〜約100:1の範囲内(約0.05:1〜約10:1が好ましい)で使用する。
場合により、式Iの化合物と一緒に使用可能な他のタイプの治療学的な薬物は、抗肥満症薬の1、2、3個またはそれ以上であり得る。ここで、該抗肥満症薬としては例えば、メラノコルチン受容体(MC4R)作動薬、メラニン凝集ホルモン受容体(MCHR)拮抗薬、成長ホルモン放出促進受容体(GHSR)拮抗薬、オレキシン受容体拮抗薬、CCK(コレシストキニン)作動薬、GLP−1拮抗薬、NPY1もしくはNPY5拮抗薬、コルチコトルピン放出因子(CRF)拮抗薬、ヒスタミン受容体−3(H3)モジュレーター、PPARγモジュレーター、PPARδモジュレーター、ベータ3アドレナリン作動薬、リパーゼインヒビター、セロトニン(および、ドーパミン)再取り込みインヒビター、エロトニン(erotonin)受容体作動薬(例えば、BVT−933)、aP2インヒビター、甲状腺受容体作動薬および/または食欲低下薬であり得る。
場合により、式Iの化合物と組み合わせて使用可能な該ベータアドレナリン作動薬は、AJ9677(武田/大日本製)、L750355(メルク社製)またはCP331648(ファイザー社製)、または他の公知のベータ3作動薬(米国特許第5,541,204号、第5,770,615号、第5,491,134号、第5,776,983号、および第5,488,064号中に開示)であり得て、AJ9677、L750,355およびCP331648が好ましい。
場合により式Iの化合物と組み合わせて使用可能なリパーゼインヒビターは、オルリスタットまたはATL−962(Alizyme)であり得て、オルリスタットが好ましい。
場合により式Iの化合物と組み合わせて使用可能なセロトニン(およびドーパミン)再取り込みインヒビターは、シブトラミン、トピラメート(ジョンソン&ジョンソン社製)または、CNTF/アキソキン(axokine)(Regeneron製)であり得て、シブトラミンおよびトピラメートが好ましい。
場合により式Iの化合物と組み合わせて使用可能な甲状腺受容体作動薬は、甲状腺受容体リガンド(WO97/21993(U. Cal SF)、WO99/00353(KaroBio)、GB98/284425(KaroBio)、および米国仮出願番号60/183,223(2000年2月17日出願)中に開示)であり得て、KaroBio出願および上記の米国仮出願の化合物が好ましい。
場合により式Iの化合物と組み合わせて使用可能な食欲低下薬は、フェンフルラミン、デクスフェンフルラミン、フルボキサミン、フルオキセチン、パロキセチン、セルトラリン、クロルフェンテルミン、クロフェックス(clorofex)、クロルテルミン(clortermine)、ピシロレックス(picilorex)、シブトラミン、デキサムフェタミン(dexamphetamine)、フェンテルミン、フェニルプロパノールアミン、またはマジンドールであり得る。場合により式Iの化合物と組み合わせて使用可能な他の食欲低下薬は、CNTF(絨毛様神経栄養因子)/アキソキン(Axokine)(Regeneron社製)、BDNF(脳由来神経栄養因子)、レプチン、またはカンナビノイド受容体拮抗薬(例えば、SR−141716/リモナバント(サノフィー社製)またはSLV−319(ソルベー(Sovay)社製))を含む。
上記の様々な抗肥満症薬を、式Iの化合物と一緒に同じ投与形態でまたは異なる投与形態で、当該分野またはPDRにおいて一般的に知られる用量および投与様式で使用可能である。
本発明の式Iの化合物と組み合わせて使用可能な血圧降下薬は、ACEインヒビター、アンギオテンシンII型受容体拮抗薬、NEP/ACEインヒビター、並びにカルシウムチャンネルブロッカー、β−アドレナリン作動性ブロッカー、および他のタイプの血圧降下薬(利尿薬を含む)であり得る。
本明細書中で使用可能なアンギオテンシン変換酵素インヒビターは、メルカプト(−S−)部分を含有するもの(例えば、置換プロリン誘導体)(例えば、米国特許第4,046,889号からOndettiらによる上記中に開示されているもののいずれか)(カプトプリル、すなわち、1−[(2S)−3−メルカプト−2−メチルプロピオニル]−L−プロリンが好ましい)、および置換プロリンのメルカプトアシル誘導体(例えば、米国特許第4,316,906号中に開示されているもののいずれか)(ゾフェノプリル(zofenopril)が好ましい)を含む。
本明細書中で使用可能なメルカプト含有ACEインヒビターの他の例としては、レンチアプリル(rentiapril)(フェンチアプリル(fentiapril)、参天製)(Clin. Exp. Pharmacol. Physiol. 10: 131(1983)中に開示)、並びにピボプリル(pivopril)およびYS980を含む。
本明細書中に使用可能なアンギオテンシン変換酵素インヒビターの他の例としては、上記の米国特許第4,374,829号中に開示されているもののいずれか(N−(1−エトキシカルボニル−3−フェニルプロピル)−L−アラニル−L−プロリン、すなわちエナラプリル(enalapril)が好ましい)、米国特許第4,452,790号中に開示されているホスホネート置換アミノ酸もしくはイミノ酸またはその塩のいずれか((S)−1−[6−アミノ−2−[[ヒドロキシ−(4−フェニルブチル)ホスフィニル]オキシ]−1−オキソヘキシル]−L−プロリンまたは(セロナプリル(ceronapril)が好ましい)、ホスフィニルアルカノイルプロリン(上記の米国特許第4,168,267号中に開示)(フォシノプリルが好ましい)、米国特許第4,337,201号中に開示するホスフィニルアルカノイル置換プロリンおよび上記の米国特許第4,432,971号中に開示するホスホンアミデート(phosphonamidate)のいずれかが好ましい。
本明細書中で使用可能なACEインヒビターの他の例としては、Beecham's BRL 36,378(欧州特許出願番号80822号および60668号中に開示);Chugai's MC-838(C.A. 102: 72588vおよびJap. J. Pharmacol. 40: 373 (1986)中に開示);Ciba-Geigy's CGS 14824(3−([1−エトキシカルボニル−3−フェニル−(1S)−プロピル]アミノ)−2,3,4,5−テトラヒドロ−2−オキソ−1−(3S)−ベンズアゼピン−1−酢酸・HCl)(英国第2103614号およびCGS 16, 617(3−(S)[[(1S)−5−アミノ−1−カルボキシペンチル]アミノ]−2,3,4,5−テトラヒドロ−2−オキソ−1H−1−ベンズアゼピン−1−エタノール酸)(米国特許第4,473,575号中に開示);セタプリル(cetapril)(アラセプリル(alacepril)、大日本製)(Eur. Therap. Res. 39: 671 (1986), 40: 543 (1986)中に開示);ラミプリル(Hoechsst社製)(欧州特許第79-022号およびCurr. Ther. Res. 40:74 (1986)中に開示);Ru 44570(Hoechst社製)(Arzneimittelforschung 34: 1254 (1985)中に開示);シラザプリル(Hoffman-LaRoche社製)(J. Cardiovasc. Pharmacol. 9: 39 (1987)中に開示);R 31−2201(Hoffman-LaRoche社製)(FEBS Lett. 165: 201 (1984)中に開示);リシノプリル(メルク社製)、インダラプリル(indalapril)(デラプリル(delapril)(米国特許第4,385,051中に開示);インドラプリル(indolapril)(Schering社製)(J. Cardiovasc. Pharmacol. 5: 643, 655 (1983)中に開示)、スピラプリル(spirapril)(Schering社製)(Acta. Pharmacol. Toxicol. 59 (Supp. 5): 173 (1986)中に開示);ペリンドプリル(Servier社製)(Eur. J. clin. Pharmacol. 31: 519 (1987)中に開示);キナプリル(Warner-Lambert社製)(米国特許第4,344,949号中に開示)、およびCI925(Warner-Lambert社製)([3S−[2[R(*)R(*)]]3R(*)]−2−[2−[[1−(エトキシ−カルボニル)−3−フェニルプロピル]アミノ]−1−オキソプロピル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−6,7−ジメトキシ−3−イソキノリンカルボン酸・HCl)(Pharmacologist 26: 243, 266 (1984)中に開示)、WY−44221(Wyeth社製)(J. Med. Chem. 26: 394 (1983)中に開示)を含む。
好ましいACEインヒビターは、カプトプリル(captopril)、フォシノプリル(fosinopril)、エナラプリル(enalapril)、リシノプリル(lisinopril)、キナプリル(quinapril)、ベナゼプリル(benazepril)、ラミプリル(ramipril)、およびモエキシプリル(moexipril)が挙げられる。
中性エンドペプチダーゼ(NEP)阻害活性およびアンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害活性を有するNEP/ACEインヒビターもまた、本明細書中で使用可能である。本明細書中での使用に適当なNEP/ACEインヒビターとしては例えば、米国特許第5,362,727号、第5,366,973号、第5,225,401号、第4,722,810号、第5,223,516号、第4,749,688号、第5,552,397号、第5,504,080号、第5,612,359号、第5,525,723号、欧州特許出願番号0599,444、0481,522、0599,444、0595,610、欧州特許出願番号0534363A2、534,396および534,492、並びに欧州特許出願番号0629627A2中に開示されているものを含む。
上記特許および/特許出願(米国特許は本明細書の一部を構成する)中で好ましいと示されているそれらのNEP/ACEインヒビター、およびそれらの用量が好ましい。オマパトリラット(omapatrilat)、BMS 189,921([S−(R*,R*)−ヘキサヒドロ−6−[(2−メルカプトロ−1−オキソ−3−フェニルプロピル)アミノ]−2,2−ジメチル−7−オキソ−1H−アゼピン−1−酢酸(ゲモパトリラット))およびCGS30440が最も好ましい。
本明細書中での使用に適当なアンギオテンシンII型受容体拮抗薬(これはまた、本明細書中、アンギオテンシンII型拮抗薬またはAII拮抗薬とも呼ばれる)としては例えば、イルベサルタン、ロサルタン、バルサルタン、カンデサルタン、テルミサルタン、タソサルタン(tasosartan)、またはエプロサルタン(イルベサルタン、ロサルタンまたはバルサルタンが好ましい)を含むが、これらに限定されない。
好ましい経口投与形態(例えば、錠剤またはカプセル剤)は、ACEインヒビターまたはAII拮抗薬を約0.1〜約500mgの範囲内の量(約5〜約200mgが好ましく、約10〜約150mgがより好ましい))で含む。
非経口投与の場合には、該ACEインヒビター、アンギオテンシンII型拮抗薬またはNEP/ACEインヒビターは、約0.005mg/kg〜約10mg/kgの範囲内の量(約0.01mg/kg〜約1mg/kgが好ましい)で使用する。
薬物を静脈内投与する場合には、通常のビヒクル(例えば、蒸留水、生理食塩水、リンガー溶液、または他の通常の担体)で製剤化する。
ACEインヒビターおよびAII拮抗薬、並びに本明細書中に開示する他の血圧降下薬の好ましい用量は、医師用卓上参考書(PDR)の最新版中に記載されている、と認められる。
本明細書中での使用に適当な好ましい血圧降下薬の他の例としては、オマパトリラット(バンレブ(Vanlev)(登録商標))、アムロジピン・ベシレート(besylate)(Norvasc(登録商標))、プラゾシン・HCl(Minipress(登録商標))、ベラパミル、ニフェジピン、ナドロール、ジルチアゼム、フェロジピン、ニソルジピン、イスラジピン、ニカルジピン、アテノロール、カルベジロール、ソタロール、テラゾシン、ドキサゾシン、プロプラノロール、およびクロニジン・HCl(Catapres(登録商標))を含む。
式Iの化合物と組み合わせて使用可能な利尿薬は、ヒドロクロロチアジド、トラセミド(torasemide)、フロセミド、スピロノラクトノ(spironolactono)、およびインダパミドを含む。
本発明の式Iの化合物と組み合わせて使用可能な抗血小板薬は、アスピリン、クロピドグレル、チクロピジン、ジピリダモール、アブシキシマブ、チロフィバン(tirofiban)、エプチフィバジド、アナグレリド(anagrelide)、およびイフェトロバン(ifetroban)を含むが、クロピドグレルおよびアスピリンが好ましい。
該抗血小板薬は、PDR中に示される量で使用可能である。イフェトロバンは、米国特許第5,100,889号中に記載される量で使用可能である。
本発明の式Iの化合物と組み合わせて使用するのに適当な抗骨粗しょう薬は、副甲状腺ホルモンまたはビスホスホネート(例えば、MK−217(アレンドレネート)(Fosamax(登録商標))を含む。使用する用量は、PDR中に記載する通りである。
本発明の我々の方法を行なう際に、構造式Iの化合物を、別の治療学的な薬物のあるなしで、医薬的なビヒクルまたは希釈物と組み合わせて含有する医薬組成物を使用する。該医薬組成物を、通常の固体または液体のビヒクルまたは希釈物、および所望する投与の様式に適当なタイプの医薬的な添加物を用いて製剤化することができる。該化合物は、哺乳類(例えば、ヒト、サル、イヌなどを含む)に、例えば錠剤、カプセル剤、顆粒剤または散剤の形態で経口投与によって投与することができたり、あるいはそれらは、注射可能な製剤の形態で非経口的な経路によって投与することができる。成体の場合の用量は、1日当たり50〜2,000mgの間であることが好ましく、このものは1回用量でまたは別個の用量の形態で1日に1〜4回投与することができる。
経口投与のための典型的なカプセル剤は、構造式Iの化合物(250mg)、ラクトース(75mg)およびステアリン酸マグネシウム(15mg)を含む。該化合物は60番メッシュのふるいを通してろ過し、そしてこのものを1番のゼラチンカプセル剤中に充填する。
典型的な注射可能な製剤は、バイアル中に構造式Iの化合物(250mg)を無菌的に入れ、無菌的に凍結乾燥し、そして封することによって製造する。使用する場合には、該バイアルの内容物を生理食塩水(2mL)と混合して、注射可能な製剤を得る。
以下の略号を、実施例中で使用する。
Phは、フェニルを;
Bnは、ベンジルを;
t−Buは、tert−ブチルを;
Meは、メチルを;
Etは、エチルを;
TMSは、トリメチルシリルを;
TMSN3は、トリメチルシリルアジドを;
TMSCHN2は、トリメチルシリルジアゾメタンを;
TBSは、tert−ブチルジメチルシリルを;
TBDPSは、tert−ブチルジフェニルシリルを;
FMOCは、フルオレニルメトキシカルボニルを;
Bocは、tert−ブトキシカルボニルを;
Cbzは、カルボベンジルオキシ、カルボベンゾキシ、またはベンジルオキシカルボニルを;
THFは、テトラヒドロフランを;
Et2Oは、ジエチルエーテルを;
hexは、ヘキサンを;
EtOAcは、酢酸エチルを;
DMFは、ジメチルホルムアミドを;
MeOHは、メタノールを;
EtOHは、エタノールを;
i−PrOHおよびIPAは、イソプロパノールを;
DMSOは、ジメチルスルホキシドを;
DMEは、1,2−ジメトキシエタンを;
DCEは、1,2−ジクロロエタンを;
HMPAは、ヘキサメチルリン酸トリアミドを;
HOAcおよびAcOHは、酢酸を;
TFAは、トリフルオロ酢酸を;
PTSAおよびpTSOHは、パラ−トルエンスルホン酸を;
i−Pr2NEtは、ジイソプロピルエチルアミンを;
Et3NはおよびTEAは、トリエチルアミンを;
Et2NHは、ジエチルアミンを;
NMMは、N−メチルモルホリンを;
DMAPは、4−ジメチルアミノピリジンを;
NaBH4は、水素化ホウ素ナトリウムを;
NaBH(OAc)3は、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムを;
DIBALHは、水素化ジイソブチルアルミニウムを;
LiAlH4は、水素化アルミニウムリチウムを;
n−BuLiは、n−ブチルリチウムを;
Pd/Cは、パラジウム−炭素を;
PtO2は、酸化白金を;
KOHは、水酸化カリウムを;
NaOHは、水酸化ナトリウムを;
LiOHは、水酸化リチウムを;
K2CO3は、炭酸カリウムを;
NaHCO3は、炭酸水素ナトリウムを;
H2SO4は、硫酸を;
KHSO4は、リン酸水素カリウムを;
DBUは、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エンを;
EDC(もしくは、EDC.HCl)、EDCI(もしくは、EDCI.HCl)およびEDACは、
3−エチル−3'−(ジメチルアミノ)プロピル−カルボジイミド・塩酸塩(または、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド・塩酸塩)を;
HOBTおよびHOBT.H2Oは、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール・水和物を;
HOATは、1−ヒドロキシ-7−アザベンゾトリアゾールを;
BOP試薬は、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ−トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウム・ヘキサフルオロホスフェートを;
NaN(TMS)2は、ナトリウムヘキサメチルジシラジドまたはナトリウムビス(トリメチルシリル)アミドを;
Ph3Pは、トリフェニルホスフィンを;
Pd(OAc)2は、酢酸パラジウムを;
(Ph3P)4Pd0は、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウムを;
DEADは、アゾ二カルボン酸ジエチルを;
DIADは、アゾ二カルボン酸ジイソプロピルを;
Cbz−Clは、クロロギ酸ベンジルを;
CANは、硝酸アンモニウムセリンを;
SiO2は、シリカゲルを;
SAXは、強アニオン交換体を;
SCXは、強カチオン効果体を;
Arは、アルゴンを;
N2は、窒素を;
minは、分を;
hおよびhrは、時間を;
Lは、リットルを;
mLは、ミリリットルを;
μLは、マイクロリットルを;
μMは、マイクロモルを;
gは、グラムを;
mgは、ミリグラムを;
molは、モルを;
mmolは、ミリモルを;
meqは、ミリ当量を;
RTは、室温を;
satまたはsat'dは、飽和を;
aq.は、水性または水溶液を;
TLCは、薄相クロマトグラフィーを;
HPLCは、高速液体クロマトグラフィーを;
LC/MSは、高速液体クロマトグラフィー/マススぺクトルを;
MSおよびMass Specは、マススペクトルを;
NMRは、核磁気共鳴を;
NMR spectral dataにおいて、
sは、1重腺を;dは、二重線を;mは、多重線を;brは、ブロード(幅広い)を;tは、三重線を;
mpは、融点を;
eeは、エナンチオマー過剰率を、
意味する。
以下の実施例は、本発明の好ましい実施態様である。
実施例1
無水THF(30mL)中の4−メチル−2−フェニル−1,2,3−トリアゾール−5−カルボン酸(2.0g、9.8mmol)の0℃溶液に、THF中のボラン(1M溶液の29.5mL;29.5mmol)を滴下した。該反応液をRTまで昇温させ、そして該透明溶液をRTで20時間撹拌し、次いでこのものを氷/H
2O混合物中にそそいだ。該混合物をEtOAc(100mL)を用いて抽出した。該有機層をH
2O(50mL)、1N NaOH水溶液(50mL)、H
2O(2×50mL)を用いて洗浄し、乾燥し(Na
2SO
4を使用)、そして真空下で濃縮して白色結晶のA部の化合物(1.80g、100%)を得た。
無水THF(15mL)中のA部の化合物(300mg、1.71mmol)、4−ヒドロキシベンズアルデヒド(232mg、1.90mmol)およびPh
3P(524mg、2.0mmol)の0℃溶液に、DEAD(400μL、2.2mmol)を滴下し、そして得られた溶液をRTまで昇温させ、そしてRTで終夜撹拌した。揮発物を真空下で除去し、そして該残渣をクロマトグラフィー精製(SiO
2、ヘキサン:EtOAc(3:1〜1.1の逐次勾配)を使用)を行なって、固体のB部の化合物(440mg、88%)を得た。
MeOH(2mL)中のB部の化合物(100mg、0.34mmol)、グリシンメチルエステル・塩酸塩(50mg、0.40mmol)およびEt
3N(50mg、0.50mmol)混合物を、RTで5時間撹拌した。反応混合物を0℃まで冷却し、そしてNaBH
4(18mg、0.50mmol)を数回に分けて加えた(発熱反応)。該反応液をRTまで昇温させ、そしてRTで30分間撹拌し、次いでEtOAcおよびH
2Oの間で分配した。該有機層を乾燥し(Na
2SO
4を使用)、そして真空下で濃縮した。該残渣をクロマトグラフィー精製(SiO
2、ヘキサン:EtOAc(3:1〜1:1の逐次勾配)を使用)を行なって、油状物のC部の化合物(72mg、66%)を得た。
CH
2Cl
2(1mL)中のC部の化合物(10mg、0.032mmol)、クロロギ酸4−メトキシフェニル(6mg、0.032mmol)およびEt
3N(200μL、1.44mmol)の溶液を、RTで30分間撹拌した。該反応は、この時点でTLCによって完結していた。揮発物を真空下で除去し、そして残渣をTHF(2mL)中に溶解し、そしてLiOH水溶液(1M溶液の0.5mL)を加えた。該反応液をRTで終夜撹拌し、その後に揮発物を真空下で除去した。該残渣をEtOAcおよび過剰量の1M塩酸の間で分配した。該有機層をH
2Oを用いて洗浄し、乾燥し(Na
2SO
4を使用)、そして真空下で濃縮した。該残渣をプレパラティブHPLC(70%A:30%B〜0%A:100%B(A=90%H
2O/10%MeOH+0.1%TFA);(B=90%MeOH/10%H
2O+0.1%TFA)を25mL/分で10分間;220nmで検出;YMC ODS 20×100mmカラムを使用)を行なって、固体の標題化合物(7mg、43%)を得た。
[M+H]
+=503.2。
1H NMR (CHCl
3): δ 2.44 (3H, s), 3.79 (3H, s), 4.04-4.56 (2H, 2s), 4.58-4.68 (2H, 2s), 5.19-5.21 (2H, 2s), 6.85-6.92 (2H, m), 7.00-7.75 (4H, m), 7.25-7.38 (3H, m), 7.44-7.48 (2 H, m), 8.00-8.02 (2H, m)。
実施例2
CH
2Cl
2(1mL)中の実施例1のC部の化合物(10mg、0.032mmol)、塩化ベンゾイル(5mg、0.032mmol)およびEt
3N(200μL、1.44mmol)の溶液を、RTで30分間撹拌した。該反応はこの時点でTLCによって完結していた。揮発物を真空下で除去し、そして該残渣をTHF(2mL)中に溶解し、そしてLiOH水溶液(1M溶液の0.5mL)を加えた。該反応液をRTで終夜撹拌し、その後に揮発物を真空下で除去した。該残渣をEtOAcおよび過剰量の1M塩酸の間で分配した。該有機層をH
2Oを用いて洗浄し、乾燥し(Na
2SO
4を使用)、そして真空下で濃縮した。該残渣をプレパラティブHPLC(70%A:30%B〜0%A:100%B(A=90%H
2O/10%MeOH+0.1%TFA);(B=90%MeOH/10%H
2O+0.1%TFA)を25mL/分で10分間;220nmで検出;YMC ODS 20×100mmカラムを使用)によって精製して、固体の標題化合物(9mg、60%)を得た。
実施例3
THF(15mL)中の実施例1のA部の化合物(300mg、1.71mmol)、3−ヒドロキシベンズアルデヒド(232mg、1.90mmol)およびPh
3P(524mg、2.0mmol)の0℃溶液に、DEAD(400mμL、2.2mmol)を滴下し、そして得られた溶液をRTまで昇温させ、そしてRTで終夜撹拌した。揮発物を真空下で除去し、そして残渣をクロマトグラフィー精製(SiO
2、ヘキサン:EtOAc(3:1〜1:1の逐次勾配)を使用)を行なって、固体のB部の化合物(390mg、77%)を得た。
MeOH(2mL)中のA部の化合物(100mg、0.34mmol)、グリシンメチルエステル・塩酸塩(50mg、0.40mmol)およびEt
3N(50mg、0.50mmol)の混合物を、RTで5時間撹拌した。該反応混合物を0℃まで冷却し、そしてNaBH
4(18mg、0.50mmol)を数回に分けて加えた(発熱反応)。該反応液をRTまで昇温させ、そしてRTで30分間撹拌し、次いでEtOAcおよびH
2Oの間で分配した。該有機層を乾燥し(Na
2SO
4を使用)、そして真空下で濃縮した。該残渣をクロマトグラフィー精製(SiO
2、ヘキサン:EtOAc(3:1〜1:1の逐次勾配)を使用)を行なって、油状物のC部の化合物(46mg、42%)を得た。
CH
2Cl
2(1mL)中のB部の化合物(10mg、0.032mmol)、クロロギ酸4−メトキシフェニル(6mg、0.032mmol)およびEt
3N(200μL、1.44mmol)の溶液を、RTで30分間撹拌した。該反応は、この時点でTLCによって完結していた。揮発物を真空下で除去し、そして残渣をTHF(2mL)中に溶解し、そしてLiOH水溶液(1M溶液の0.5mL)を加えた。該反応液をRTで終夜撹拌し、その後に、揮発物を真空下で除去した。該残渣をEtOAcおよび過剰量の1M塩酸の間で分配した。該有機層をH
2Oを用いて洗浄し、乾燥し(Na
2SO
4を使用)、そして真空下で濃縮した。該残渣をプレパラティブHPLC(70%A:30%B〜0%A:100%B(A=90%H
2O/10%MeOH+0.1%TFA);(B=90%MeOH/10%H
2O+0.1%TFA)を25mL/分で10分間;220nmで検出;YMC ODS 20×100mmカラムを使用)によって精製して、固体の標題化合物(4mg、26%)を得た。
[M+H]
+=503.2。
1H NMR (CDCl
3): δ2.44 (3H, s), 3.78 (3H, s), 4.07? (2H,), 4.63-4.72 (2H,), 5.20-5.22 (2H,), 6.85-7.05 (7H, m), 7.26-7.32 (2H, m), 7.43-7.47 (2 H, m), 7.99-8.01 (2H, m)。
実施例4
CH
2Cl
2(1mL)中の実施例3のB部の化合物(10mg、0.032mmol)、ベンゾイルクロリド(5mg、0.032mmol)およびEt
3N(200μL、1.44mmol)の溶液を、RTで30分間撹拌した。該反応は、この時点でTLCによって完結していた。揮発物を真空下で除去し、そして該残渣をTHF(2mL)中に溶解し、そしてLiOH水溶液(1M溶液の0.5mL)を加えた。該反応液をRTで終夜撹拌し、その後に揮発物を真空下で除去した。該残渣をEtOAcおよび過剰量の1M塩酸の間で分配した。該有機層をH
2Oを用いて洗浄し、乾燥し(Na
2SO
4を使用)、そして真空下で濃縮した。該残渣をプレパラティブHPLC(70%A:30%B〜0%A:100%B(A=90%H
2O/10%MeOH+0.1%TFA);(B=90%MeOH/10%H
2O+0.1%TFA)を25mL/分で10分間;220nmで検出;YMC ODS 20×100mmカラムを使用)によって精製して、固体の標題化合物(16mg、90%)を得た。
実施例5
CH
2Cl
2(10mL)中の実施例1のA部の化合物(500mg、2.68mmol)の溶液にPBr
3(1.55g、2.86mmol)を加え、そして該溶液をRTで2時間撹拌した。該反応液をEtOAc(20mL)および飽和NaHCO
3水溶液(20mL)の間で分配した。該有機層をNaHCO
3水溶液および水を用いて連続して洗浄し、乾燥し(Na
2SO
4を使用)、そして真空下で乾燥して、白色固体のA部の化合物(600mg、83%)を得た。
MeCN(10mL)中のA部の化合物(600mg、2.38mmol)、KCN(300mg、2.50mmol)および18−クラウン−6(200mg、0.76mmol)の混合物を、N
2の雰囲気下で2時間還流した。HPLCは、全ての出発ブロミドがこの時点で消費されたことを示した。該反応混合物をEtOAcおよびH
2Oの間で分配した。該有機層を乾燥し(Na
2SO
4を使用)、そして真空下で濃縮して、油状物のB部の化合物(500mg、99%)を得て、このものを更に精製することなく次の工程に使用した。
濃HCl(2.2mL)およびMeOH(35mL)中のB部の化合物(2.0g、10.0mmol)の溶液を、封管中、85℃で3時間加熱した。分析用HPLCは、該混合物が80%生成物、10%クエン酸および10%出発物質を含むことを示した。該反応液をRTまで冷却し、そしてEtOAcおよび飽和NaHCO
3水溶液の間で分配した。該有機層を水洗し、乾燥し(Na
2SO
4を使用)、そして真空下で濃縮した。該残渣をクロマトグラフィー精製(SiO
2、ヘキサン:EtOAc(10:1〜5:1の逐次勾配)を使用)を行なって、白色固体のC部の化合物(1.30g、56%)を得た。
THF(5mL)中のC部の化合物(1.30g、5.62mmol)の−78℃溶液に、THF中のLiAlH
4(1M溶液の5.0mL)を滴下した。該反応混合物をRTまで昇温させ、そしてRTで2時間撹拌した。この時点で、HPLCは全ての出発物質が消費されたことを示した。該反応液を0℃でH
2Oを注意深く滴下することによってクエンチした。得られた白色固体をろ過して除き、そして該ろ液を真空下で濃縮した。該残渣をクロマトグラフィー精製(SiO
2、ヘキサン:EtAOc(2:1〜1:1の逐次勾配)を使用)を行なって、白色固体のD部の化合物(1.0g、88%)を得た。
無水THF(2mL)中のD部の化合物(100mg、0.49mmol)、4−ヒドロキシベンズアルデヒド(61mg、0.50mmol)、およびPh
3P(140mg、0.53mmol)の0℃溶液に、DEAD(95μL、0.60mmol)を滴下し、そして得られた溶液をRTまで昇温させ、そしてRTで終夜撹拌した。揮発物を真空下で除去し、そして該残渣をクロマトグラフィー精製(SiO
2、ヘキサン:EtOAc(5:1〜3:1の逐次勾配)を使用)を行なって、固体のE部の化合物(163mg、99%)を得た。
MeOH(2mL)中のE部の化合物(100mg、0.33mmol)、グリシンメチルエステル・塩酸塩(50mg、0.40mmol)およびEt
3N(70μL、0.50mmol)の混合物を、RTで5時間撹拌した。該反応混合物を0℃まで冷却し、そしてNaBH
4(15mg、0.40mmol)を滴下した(発熱反応)。該反応液をRTまで昇温させ、そしてRTで30分間撹拌し、次いでEtAOcおよびH
2Oの間で分配した。該有機相を乾燥し(Na
2SO
4を使用)、そして真空下で濃縮した。該残渣をクロマトグラフィー精製(ヘキサン:EtAOc(3:1〜1:1の逐次勾配)を使用)を行なって、油状物のF部の化合物(100mg、80%)を得た。
CH
2Cl
2(1mL)中のF部の化合物(100mg、0.26mmol)、クロロギ酸4−メトキシフェニル(56mg、0.30mmol)およびEt
3N(42μL、0.30mmol)の溶液を、RTで30分間撹拌した。該反応はこの時点でTLCによって完結していた。揮発物を真空下で除去し、そして該残渣をTHF(3mL)中に溶解し、そしLiOH水溶液(1M溶液の1.0mL)を加えた。該反応液をRTで終夜撹拌し、その後に、揮発物を真空下で除去した。該残渣をEtOAcおよび過剰量の1M HClの間で分配した。該有機層をH
2Oを用いて洗浄し、乾燥し(Na
2SO
4を使用)、そして真空下で濃縮した。該残渣をプレパラティブHPLC(70%A:30%B〜0%A:100%B(A=90%H
2O/10%MeOH+0.1%TFA);(B=90%MeOH/10%H
2O+0.1%TFA)を25mL/分で30分間;220nmで検出;YMC ODS 30×250mmカラムを使用)によって精製して、固体の標題化合物(54mg、40%)を得た。
[M+H]
+=517.3。
1H NMR (CDCl
3): δ 2.40 (3H, s), 3.17-3.20 (2H, m), 3.78 (3H, s), 4.02-4.03 (2H, m), 4.26-4.30 (2H, m), 4.55-4.60 (2H, ss), 6.81-6.92 (5H, m), 6.99-7.10 (2H, m), 7.20-7.31 (2H, m), 7.41-7.46 (2 H, m), 7.96-7.98 (2H, m)。
実施例6
無水THF(2mL)中の実施例5のD部の化合物(100mg、0.49mmol)、3−ヒドロキシベンズアルデヒド(61mg、0.50mmol)およびPh
3P(140mg、0.53mmol)の0℃溶液に、DEAD(95μL、0.60mmol)を滴下し、そして得られた溶液をRTまで昇温させ、そしてRTで終夜撹拌した。揮発物を真空下で除去し、そして該残渣をクロマトグラフィー精製(SiO
2、ヘキサン:EtOAc(5:1〜3:1の逐次勾配)を使用)を行なって、固体のA部の化合物(45mg、30%)を得た。
MeOH(2mL)中のA部の化合物(50mg、0.33mmol)、グリシンメチルエステル塩酸塩(50mg、0.40mmol)、およびEt
3N(70μL、0.50mmol)の混合物をRTで5時間撹拌した。該反応混合物を0℃まで冷却し、そしてNaBH
4(15mg、0.40mmol)を数回に分けて加えた(発熱反応)。該反応をRTまで昇温させ、そしてRTで30分間撹拌し、次いでEtOAcおよびH
2Oの間で分配した。該有機層を乾燥し(Na
2SO
4を使用)、そして真空下で濃縮した。該残渣をクロマトグラフィー精製(SiO
2、ヘキサン:EtOAc(3:1〜1:1の逐次勾配)を使用する)を行なって、油状物のF部の化合物(100mg、81%)を得た。
CH
2Cl
2(1mL)中のB部の化合物(100mg、0.26mmol)、クロロギ酸4−メトキシフェニル(56mg、0.30mmol)およびEt
3N(42μL、0.30mmol)の溶液を、RTで30分間撹拌した。該反応は、この時点でTLCによって完結していた。揮発物を真空下で除去し、そして該残渣をTHF(3mL)中に溶解し、そしてLiOH水溶液(1M溶液の1.0mL)を加えた。該反応液をRTで終夜撹拌し、その後に、揮発物を真空下で除去した。該残渣をEtOAcおよび過剰量の1M塩酸の間で分配した。該有機層をH
2Oを用いて洗浄し、乾燥し(N
2SO
4を使用)、そして真空下で濃縮した。該残渣をプレパラティブHPLC(70%A:30%B〜0%A:100%B(A=90%H
2O/10%MeOH+0.1%TFA);(B=90%MeOH/10%H
2O+0.1%TFA)を25mL/分で30分間;220nmで検出;YMC ODS 30×250mmカラムを使用)によって精製して、固体の標題化合物(26mg、19%)を得た。
[M+H]
+=517.3。
1H NMR (CDCl
3): δ 2.41 (3H, s), 3.18-3.20 (2H, m), 3.77 (3H, s), 4.06 (2H,d, J =4.4Hz), 4.28-4.32 (2H, m), 4.60-4.70 (2H, ss), 6.80-6.91 (5H, m), 7.01-7.05 (2H, m), 7.25-7.31 (2H, m), 7.41-7.45 (2 H, m), 7.95-7.97 (2H, m)。
実施例7
PBr
3中の実施例5のD部の化合物(900mg、4.43mmol)の溶液(1M CH
2Cl
2溶液の5.0mL)を、RTで30分間撹拌した。この時点で、HPLCは、全ての出発物質が消費されたことを示した。揮発物を真空下で除去し、そして該残渣をEtOAcおよびH
2Oの間で分配した。該有機層を飽和NaHCO
3水溶液を用いて洗浄し、そして真空下で濃縮した。該残渣をクロマトグラフィー精製(SiO
2、ヘキサン:EtOAcを使用)を行なって、粗ブロミド(427mg、36%)を得た。この出発物質、KCN(290mg、4.43mmol)および18−クラウン−6(1.2g、4.54mmol)のMeCN(5mL)混合物をN
2の雰囲気下で2時間還流した。該反応混合物をEtOAcおよびH
2Oの間で分配した。該有機層を乾燥し(Na
2SO
4を使用)、そして真空下で濃縮して、油状物のA部の化合物(300mg、88%)を得て、このものを更に精製することなく、次の工程に使用した。
濃HCl(2mL)およびMeOH(5mL)中のA部の化合物(300mg、1.41mmol)の溶液を、封管中、85℃で3時間加熱した。該反応液をRTまで冷却し、次いでEtOAc(20mL)、過剰量の1M NaOHおよび1M NaHCO
3水溶液の間で分配した。該有機抽出物をH
2Oを用いて洗浄し、乾燥し(Na
2SO
4を使用)、そして真空下で濃縮した。該残渣をトリメチルシリルジアゾメタン(2.0Mヘキサン溶液の1.0mL;2.0mmol)およびMeOH(3mL)を用いてRTで1時間処理し、その後に揮発物を真空下で除去した。該残渣をクロマトグラフィー精製(SiO
2、ヘキサン:EtOAc(4:1)を使用)を行なって、無色油状物のB部の化合物(260mg、99%)を得た。
THF(10mL)中のB部の化合物(260mg、1.06mmol)の0℃溶液に、THF中のLiAlH
4溶液(1M溶液の1.0mL;1.0mmol)を滴下した。該反応混合物をRTまで昇温させ、そしてRTで1時間撹拌した。この時点で、TLCは、該反応は完結したことを示した。該反応液を、H
2O(0.5mL)を滴下することによってクエンチした。該固体をろ過して除き、そして該ろ液を真空下で濃縮して、油状物の組アルコールを得た。CH
2Cl
2(2mL)中のこの物質およびEt
3N(101mg、1.0mmol)の0℃溶液に、メタンスルホニルクロリド(121mg、1.0mmol)を滴下した。該反応混合物をRTまで昇温させ、そしてRTで2時間撹拌し、その後に、TLCは全ての出発物質が消費されたことを示した。該混合物をEtOAcおよびH
2Oの間で分配し、そして該有機層を乾燥し(Na
2SO
4を使用)、そして真空下で濃縮して、油状物のC部の化合物(325mg、99%)を得た。この粗物質は更に精製することなく、次の工程に使用した。
DMF(1mL)中のC部の化合物(150mg、0.51mmol)、4−ヒドロキシベンズアルデヒド(62mg、0.51mmol)、およびK
2CO
3(210mg、1.53mmol)の混合物を、油浴中、100℃で2時間加熱した。この時点で、HPLCは全ての出発物質が消費されたことを示した。該反応液をRTまで冷却し、そしてこのものを氷−水(20mL)中にそそぎ、そして〜10分間撹拌した。該固体沈降物を集め、真空下で乾燥し、そしてトルエン/ヘキサンから再結晶して、固体のD部の化合物(162mg、90%)を得た。
MeOH(4mL)中のD部の化合物(174mg、0.543mmol)、グリシンメチルエステル・塩酸塩(68mg、0.54mmol)およびEt
3N(72μL、0.54mmol)の混合物を、RTで5時間撹拌した。該反応混合物を0℃まで冷却し、そしてNaBH
4(20mg、0.54mmol)を数回に分けて加えた(発熱反応)。該反応をRTまで昇温させ、そしてRTで30分間撹拌し、次いでEtOAcおよびH
2Oの間で分配した。該有機層を乾燥し(Na
2SO
4を使用)、そして真空下で濃縮した。該残渣をクロマトグラフィー精製(SiO
2、ヘキサン:EtOAc(3:1〜1:1の逐次勾配)を使用)を行なって、油状物のE部の化合物(176mg、82%)を得た。
CH
2Cl
2(1mL)中のE部の化合物(25mg、0.063mmol)、クロロギ酸4−メトキシフェニル(12mg、0.065mol)およびEt
3N(28μL、0.20mmol)の溶液を、RTで30分間撹拌した。該溶液は、この時点でTLCによって完結していた。揮発物を真空下で除去し、そして該残渣をTHF(1mL)中に溶解し、そしてLiOH水溶液(1M溶液の100μL)を加えた。該反応液をRTで終夜撹拌し、その後に揮発物を真空下で除去した。該残渣をEtOAcおよび過剰量の1M HCl水溶液の間で分配した。該有機層をプレパラティブHPLC(70%A:30%B〜0%A:100%B(A=90%H
2O/10%MeOH+0.1%TFA);(B=90%MeOH/10%H
2O+0.1%TFA)を25mL/分で30分間;220nmで検出;YMC ODS 30×250mmカラムを使用)によって精製して、固体の標題化合物(20mg、60%)を得た。
[M+H]
+=531.3。
1H NMR (CDCl
3): δ 2.21 (2H, m), 2.33 (3H, s), 2.88 (2H, m), 3.78 (3H, s), 4.05 (4H, m), 4.57-4.67 (2H, m), 6.85-6.91 (5H, m), 7.02-7.08 (2H, m), 7.22-7.30 (2H, m), 7.39-7.48 (2 H, m), 7.95-7.97 (2H, d, J = 7.9 Hz)。
実施例8
DMF(1mL)中の実施例7のC部の化合物(150mg、0.51mmol)、3−ヒドロキシベンズアルデヒド(62mg、0.51mmol)およびK
2CO
3(210mg、1.53mmol)の混合物を、油浴中、100℃で2時間加熱した。この時点で、HPLCは全ての出発物質が消費されたことを示した。該反応液をRTまで冷却し、このものを氷−水(20mL)中にそそぎ、そして〜10分間撹拌した。該固体沈降物を集めて、冷水(2×5mL)を用いて洗浄し、真空下で乾燥し、そしてトルエン/ヘキサンから再結晶して、固体のA部の化合物(174mg、90%)を得た。
MeOH(4mL)中のA部の化合物(174mg、0.543mmol)、グリシンメチルエステル塩酸塩(68mg、0.54mmol)およびEt
3N(72μL、0.54mmol)の混合物を、RTで5時間撹拌した。該反応混合物を0℃まで冷却し、そしてNaBH
4(20mg、0.54mmol)を数回に分けて加えた(発熱反応)。該反応液をRTまで昇温させ、そしてRTで30分間撹拌し、次いでEtOAcおよびH
2Oの間で分配した。該有機層を乾燥し(Na
2SO
4を使用)、そして真空下で濃縮した。該残渣をクロマトグラフィー精製(SiO
2、ヘキサン:EtOAc(3:1〜1:1の逐次勾配)を使用)を行なって、油状物のB部の化合物(180mg、84%)を得た。
CH
2Cl
2(1mL)中のB部の化合物(25mg、0.063mmol)、クロロギ酸4−メトキシフェニル(12mg、0.065mmol)およびEt
3N(28μL、0.20mmol)の溶液を、RTで30分間撹拌した。該反応はこの時点でTLCによって完結していた。揮発物を真空下で除去し、そして該残渣をTHF(1mL)中に溶解し、そしてLiOH水溶液(1M溶液の100μL)を加えた。該反応液をRTで終夜撹拌し、その後に揮発物を真空下で除去した。該残渣をEtOAcおよび過剰量の1M塩酸の間で分配した。該有機層をH
2Oを用いて洗浄し、乾燥し(Na
2SO
4を使用)、そして真空下で濃縮した。該残渣をプレパラティブHPLC(70%A:30%B〜0%A:100%B(A=90%H
2O/10%MeOH+0.1%TFA);(B=90%MeOH/10%H
2O+0.1%TFA)を25mL/分で30分間;220nmで検出;YMC ODS 30×250mmカラムを使用)によって精製して、固体の標題化合物(15mg、45%)を得た。
[M+H]
+=531.3。
1H NMR (CDCl
3): δ 2.21 (2H, m), 2.33 (3H, s), 2.88 (2H, t, J = 7.5 Hz), 3.78 (3H, s), 4.03 (4H, m), 4.57-4.67 (2H, m), 6.84-6.89 (5H, m), 7.01-7.05 (2H, m), 7.29 (2H, m), 7.40-7.45 (2 H, m), 7.94-7.96 (2H, d, J = 7.9 Hz)。
実施例9
CH
2Cl
2(2mL)中の4−ホルミル−2−フェニルイミダゾール(100mg、0.58mmol)の溶液に、KOH水溶液(30%溶液の2mL)を加え、続いて硫酸ジメチル(66μL、0.70mmol)およびテトラブチルアンモニウムブロミド(10mg、0.03mmol)を加えた。該反応混合物をRTで終夜撹拌し、次いでこのものをEtOAcおよび水の間で分配した;該有機相をブラインを用いて洗浄し、次いで真空下で濃縮した。該残渣はクロマトグラフィー精製(SiO
2、ヘキサン:EtOAc(1:1)〜100%EtOAcの連続的な勾配を使用)を行なって、固体の1−メチル−2−フェニル−イミダゾール−5−カルボキシアルデヒド(45mg、42%;溶出する第1の生成物;A部の化合物)、および固体のB部の化合物の異性体生成物
(35mg、32%;溶出する第2の生成物)
を得た。
MeOH(5mL)中のA部の化合物(50mg、0.27mmol)の溶液に、NaBH
4(30mg、0.79mmol)を加えた。該混合物をRTで1時間撹拌し、その後に該反応液を過剰量の飽和NH
4Cl水溶液(5mL)を用いてクエンチした。揮発物を真空下で蒸発し、そして該残渣を飽和NaHCO
3水溶液およびEtOAcの間で分配した。該有機層をブラインを用いて洗浄し、乾燥し(Na
2SO
4を使用)、そして真空下で濃縮して、白色固体のC部の化合物(37mg、75%)を得た。
MeOH(400mL)中の(D)−4−ヒドロキシフェニルグリシン(20.0g、120mmol)の溶液に、クロロトリメチルシラン(30.4mL、240mmol)を滴下した。該反応液をRTで74時間撹拌し、次いで真空下で濃縮した。ジオキサン/H
2O(1:1溶液の400mL)中の該残渣の溶液に、NaHCO
3(30.2g、359mmol)およびクロロギ酸ベンジル(18.8mL、132mmol)を連続して加えた。該反応液をRTで4時間撹拌し、次いで真空下で濃縮した。該残渣をH
2OおよびEtOAcの間で分配し、そして該有機層をブラインを用いて洗浄し、乾燥し(MgSO
4を使用)、そして真空下で濃縮して、D部の粗化合物(39.5g)を得た。この物質をヘキサン:EtOAcから再結晶して、白色結晶の純粋なD部の化合物(37.5g、99%)を得た。
DMF(127mL)中のD部の化合物(20g、63.5mmol)の溶液に、tert−ブチルジメチルシリルクロリド(14.4g、95mmol)およびイミダゾール(6.50g、95mmol)を連続して加えた。該反応液はRTで終夜撹拌し、次いでEtOAcおよびH
2Oの間で分配した。該有機層をH
2Oおよびブラインを用いて洗浄し、乾燥し(MgSO
4を使用)、そして真空下で濃縮した。該残渣をTHF(318mL)中に溶解して、0℃まで冷却し、水素化ホウ素リチウム溶液(2M THFの溶液の76.2mL、152mmol)を滴下した。添加が完結した後に、該反応混合物をRTまで昇温させ、そしてRTで終夜撹拌し、次いで過剰量のMeOHをゆっくりと加えることによってクエンチした。揮発物を真空下で除去して、粗純粋なE部の化合物を得た。
CH
2Cl
2(212mL)中のE部の粗化合物(理論的に63.5mmol)の0℃溶液に、Et
3N(8.9mL、63.5mmol)およびメタンスルホニルクロリド(4.90mL、63.5mmol)を連続して加えた。該反応液を0℃で1時間撹拌し、次いでこのものをCH
2Cl
2および1N塩酸の間で分配した。該有機層をブラインを用いて洗浄し、乾燥し(MgSO
4を使用)、次いで真空下で濃縮して、粗メシレートを得た。本物質をアセトン(212mL)中に溶解し、そして臭化リチウム(9.0g、104mmol)を加えた。該反応混合物を50℃で終夜撹拌し、次いでこのものをRTまで冷却し、そして真空下で濃縮した。該残渣をクロマトグラフィー精製(SiO
2;100%ヘキサン〜100%EtOAcの連続的な勾配を使用)を行なって、F部の化合物(1.15g、4工程で4%)および脱保護フェノール
(1.44g;4工程で7%)を得た。
新たに蒸留した乾燥THF(24.2mL)中のCuCN(650mg、7.26mmol)の−78℃スラリーに、アルゴン下でイソプロピルリチウム(0.7Mヘキサン溶液の20.4mL、14.5mmol)を滴下した。該混合物を0℃までゆっくりと昇温させ、その後にシアン化銅試薬の透明な溶液を得た。該溶液を−50℃(シクロヘキサノン−ドライアイス浴)まで冷却し、そしてF部の化合物(1.12g、2.42mmol)の乾燥THF(6.9mL)を滴下した。得られた混合物を−50℃〜10℃まで4時間かけて昇温させ、次いでこのものを9:1の飽和NH
4Cl水溶液:濃NH
4OHの水溶液をゆっくりと加えることによってクエンチした。該混合物を、ほとんどの固体が溶解するまで激しく撹拌し、次いでH
2OおよびEtOAcの間で分配した。該有機層を飽和NH
4Cl水溶液およびブラインを用いて洗浄し、乾燥し(MgSO
4を使用)、そして真空下で濃縮した。該残渣をクロマトグラフィー精製(100%ヘキサン〜100%EtOAcの連続的な勾配を使用)を行なって、透明な無色油状物のG部の化合物(317mg、31%)を得た。
MeOH(3.7ml)中のG部の化合物(317mg、0.742mmol)および10%Pd/C(159mg)の混合物を、H
2(バルーン)の雰囲気下、RTで3時間撹拌した。該触媒をろ過して除き(セライト(登録商標)を使用)、そして該ろ液を真空下で濃縮した。THF(9.3mL)中の得られた粗遊離アミン、Et
3N(114μL、0.81mmol)およびブロモ酢酸メチル(77μL、0.81mmol)の溶液を、RTで終夜撹拌した。該反応混合物をEtOAcおよびH
2Oの間で分配し;該有機層をブラインを用いて洗浄し、乾燥し(MgSO
4を使用)、そして真空下で濃縮して、H部の粗化合物を得た。
ジオキサン:H
2O(1:1溶液の7.4mL)中の上記由来の該H部の粗化合物(理論的には、0.742mmol)およびNaHCO
3(125mg、1.48mmol)の溶液に、クロロギ酸4−メトキシフェニル(200μL、1.48mmol)を滴下した。該反応液をRTで2時間撹拌し、次いでEtOAcおよびH
2Oの間で分配した。該有機層を1N塩酸およびブラインを用いて洗浄し、乾燥し(MgSO
4を使用)、そして真空下で濃縮した。該粗TBS保護フェノール生成物をTHF(3mL)中に溶解し、そしてテトラブチルアンモニウムフルオリド(1M THF溶液の1mL)を加えた。該反応液をRTで1時間撹拌し、その後にそのものをEtOAcおよびH
2Oの間で分配した。該有機層をブラインを用いて洗浄し、乾燥し(MgSO
4を使用)、そして真空下で濃縮した。該残渣をプレパラティブHPLC(70:30のA:B〜100%Bの連続的な勾配を使用;A=90:10:0.1 H
2O:MeOH:TFAであり;B=90:10:0.1 MeOH:H
2O:TFAであり;20mL/分で12分間操作;220nmで検出;YMC ODS 20×100mmカラムを使用)によって精製して、油状物のI部の化合物(117mg、4工程で39%)を得た。
トルエン(2mL)中のI部の化合物(10mg、0.025mmol)、B部の化合物(10mg、0.05mmol)およびPh
3P(16mg、0.063mmol)の65℃溶液に、アゾジカルボン酸ジエチル(10μL、0.063mmol)を滴下した。該反応液を65℃で2日間撹拌し、次いでこのものをEtOAc/Hex(1:1)および水(各15mL)の間で分配した。該有機層を乾燥し(MgSO
4を使用)、そして真空下で濃縮した。該残渣をプレパラティブHPLC(50:50のA:B〜100%Bの連続的な勾配を使用;A=90:10:0.1 H
2O:MeOH:TFAであり;B=90:10:0.1 MeOH:H
2O:TFAである)によって精製して、固体のJ部の化合物(2.5mg、18%)を得た。
H
2O/THF中のJ部の化合物(2.5mg、0.0043mmol)およびLiOH・H
2O(1mg、0.024mmol)の溶液をRTで終夜撹拌し、その後に揮発物を真空下で除去した。該残渣をEtOAcおよび過剰量の1M HClの間で分配した。
該有機層をH
2Oを用いて洗浄し、乾燥し(Na
2SO
4を使用)、そして真空下で濃縮した。該残渣をプレパラティブHPLC(J部の化合物の精製についての条件と同じ条件を使用)によって精製して、固体の標題化合物(0.5mg、21%)を得た。
[M+H]
+=558.2。
実施例10
実施例9のB部の化合物(136mg、0.73mmol)のMeOH(10mL)溶液に、NaBH
4(60mg、1.58mmol)を加えた。該混合物をRTで1時間撹拌し、その後に該反応液を過剰量の飽和NH
4Cl水溶液(10mL)を用いてクエンチした。揮発物を真空下で除去し、そして該残渣を飽和NaHCO
3水溶液およびEtOAcの間で分配した。該有機層をブラインを用いて洗浄し、乾燥し(Na
2SO
4を使用)、そして真空下で濃縮して、油状物のA部の化合物(110mg、80%)を得た。
THF(200mL)中の4−メトキシベンゾニトリル(13g、98mmol)のRT溶液にアルゴン下で、CuCl(250mg、2.5mmol)およびイソブチルマグネシウムブロミド(2M Et
2O溶液の50mL、100mmol)を連続して加えた。該反応混合物を60℃で2時間加熱し、次いでRTまで冷却した。水素化アルミニウムリチウム(3.50g、18.4mmol)を数回に分けて加え、その後に該反応混合物を60℃で更に2時間加熱し、次いでこのものをRTまで冷却し、そしてRTで終夜撹拌した。該反応液を、EtOAc(50mL)をゆっくりと添加することによってクエンチし、次いでこのものをRTで2時間撹拌し、続いてTHF(100mL)および飽和NaHCO
3水溶液(50mL)を加えた。該混合物をRTで2時間撹拌し、次いでろ過した。該残留固体をEtOAcを用いて洗浄し、そしてろ液を合わせて真空下で濃縮した。該残渣をEtOAc(500mL)および1N NaOH水溶液(200mL)の間で分配した。該有機層を乾燥し(Na
2SO
4を使用)、そして真空下で濃縮して、黄色油状物のB部の粗化合物(19g、100%)を得た。
CH
2Cl
2(200mL)中のB部の粗化合物(18g、93mmol)の0℃溶液にアルゴン下で、BBr
3(30mL、320mmol)を滴下した。該反応液をRTまでゆっくりと昇温させ、そしてRTで2時間撹拌し、次いでこのものを−78℃まで冷却した。CH
2Cl
2(200mL)を加え、続いてMeOH(30mL)をゆっくりと滴下した。添加が完結した後に、該混合物をRTまでゆっくりと昇温させ、次いでこのものを0℃まで冷却した。更なるMeOH(100mL)を注意深く加え、続いて15%塩酸(150mL)を加えた。有機溶媒を真空下で除去して、水溶液(〜150mL)を得て、このものを0℃まで冷却し、そして過剰量の濃水酸化アンモニウム溶液を用いて注意深く塩基性とした(pH〜10まで)。得られた白色沈降物をH
2O、THFおよびEtOAcを用いて連続して洗浄して、そして乾燥して白色固体のC部の粗化合物(9.0g、54%)を得た。
THF/MeOH(1:1溶液の20mL)中のC部の化合物(800mg、4.47mmol)の溶液に、Et
3N(1mL、6.4mmol)およびブロモ酢酸メチル(800μL、8.5mmol)を連続して加えた。該反応混合物をRTで2時間撹拌し、その後に該反応液を分析用HPLCによって〜80%完結させた。次いで、飽和NaHCO
3水溶液(2mL)を加え、続いてクロロギ酸4−メトキシ−フェニル(1.10mL、7.4mmol)を滴下した。該反応液をRTで30分間撹拌し、その後に、揮発物を真空下で除去した。該残渣を飽和NaHCO
3水溶液およびEt
2O(100mL)の間で分配した。該有機層を1N塩酸およびブラインを用いて洗浄し、乾燥し(Na
2SO
4を使用)、そして真空下で濃縮した。該残渣をクロマトグラフィー精製(SiO
2;100%〜100%EtOAcの連続的な勾配を使用)を行なって、白色固体のD部の化合物(400mg、27%)を得た。
トルエン(6mL)中のD部の化合物(53mg、0.13mmol)、A部の化合物(50mg、0.27mmo)、およびPh
3P(84mg、0.33mmol)の65℃の溶液に、アゾジカルボン酸ジエチル(51μL、0.33mmol)を滴下した。該反応液を65℃で2日間撹拌し、次いでEtOAc/Hex(1:1)および水(各25mL)の間で分配した。該有機層を乾燥し(MgSO
4を使用)、そして真空下で濃縮した。該残渣をプレパラティブHPLC(実施例9のJ部の化合物の精製についてと同様)によって精製して、エステル中間体を得た。本物質について水酸化リチウム媒介性の加水分解反応(実施例9の化合物についてと同様)を行ない、そして該粗生成物をプレパラティブHPLC(実施例9のJ部の化合物についてと同様)によって精製して、油状物の標題化合物(30mg、36%)を得た。
[M+H]
+=558.2。
実施例11
トルエン(6mL)中の4−フェニルイミダゾール(1.15g、8mmol)および無水酢酸(1.85mL、20mmol)の混合物を、80℃で1.5時間加熱した。この時点で、トルエン(6mL)中のヨードメタン(1.25mL、20mmol)溶液を加え、そして該反応混合物を封管中、140℃で終夜加熱した。揮発物を真空下で除去し、そして該残渣をCH
2Cl
2(40mL)中に溶かした。該不溶性の物質をろ過して除き、そして該ろ液を真空下で濃縮した。該残渣をクロマトグラフィー精製(SiO
2、99:1〜95:5の連続的な勾配のCH
2Cl
2:MeOHを使用)を行なって、黄色固体のA部の化合物(650mg、51%)を得た。
無水THF(8.5mL)中のA部の化合物(650mg、4.11mmol)の−78℃溶液に、n−BuLi(2.5Mヘキサン溶液の1.9mL、4.75mmol)を滴下した。該反応液を−78で15分間撹拌し、その後に、酸化エチレン(3mL、580mmol;ドライアイス−アセトン中で冷却することによって液化する)を加えた。該反応混合物をRTまで徐々に昇温させ、そしてRTで終夜撹拌し、次いで水およびEt
2O(各60mL)の間で分配した。該有機層をブライン(50mL)を用いて洗浄し、乾燥し(MgSO
4を使用)、そして真空下で濃縮した。該残渣をクロマトグラフィー精製(SiO
2、100%CH
2Cl
2〜92:8のCH
2Cl
2:MeOHの連続的な勾配を使用)を行なって、白色固体のB部の化合物(200mg、24%)を得た。
CH
2Cl
2(2mL)中のB部の化合物(30mg、0.15mmol)およびEt
3N(25μL、0.18mmol)の0℃溶液に、塩化メタンスルホニル(14μL、0.18mmol)を滴下した。該反応液を0℃で30分間撹拌し、その後に、TLC(ヘキサン:EtOAc 1:1を使用)は、該反応が完結したことを示した。揮発物を真空下で除去して、C部の化合物(38mg、91%)を得て、このものを更に精製することなく次の工程に使用した。
MeCN(2mL)中のC部の粗化合物(38mg、0.14mmol)、実施例9のH部の化合物(10mg、0.025mmol)およびK
2CO
3(7mg、0.05mmol)の混合物を、19時間加熱還流した。揮発物を真空下で除去し、そして該残渣をプレパラティブHPLC(50%A:50%B〜100%Bを使用;A=90:10:0.1 H
2O:MeOH:TFAであり;B=90:10:0.1 MeOH:H
2O:TFAである)(20mL/分で12分間;220nmで検出;YMC ODS 20×100mmカラムを使用)によって精製して、シロップのD部の化合物(9mg、61%)を得た。
THFおよびH
2O(各1mL)中のD部の化合物(9mg、0.015mmol)およびLiOH・H
2O(7mg、0.15mmol)の溶液を、RTで44時間撹拌した。該溶液を1N塩酸を用いてpH5にまで酸性とし、次いでこのものをEtOAc(3×)を用いて抽出した。該有機抽出物を合わせて真空下で濃縮し、そして該残渣をプレパラティブHPLC(D部の化合物についてと同様)によって精製し、ジオキサンから凍結乾燥後に、白色固体の標題化合物(6mg、68%)を得た。
[M+H]
+=572.3。
実施例12
H
2O(25mL)中のクロロアセトニトリル(chloroacetonitre)(7.5g、0.10mmol)およびヒドロキシルアミン・塩酸塩(6.95g、0.10mmol)の激しく撹拌した混合物に、Na
2CO
3(5.3g、0.05mmol)を注意深く加え、その間該反応温度は30℃以下に保った。次いで、該混合物30℃で15分間撹拌し、次いでEt
2O(2×80mL)を用いて抽出した。該有機抽出物を合わせて乾燥し(Na
2SO
4を使用)、そして真空下で濃縮して、白色固体のA部の化合物(6.9g、64%)を得た。
アセトン(45mL)中のA部の化合物(1.0g、9.0mmol)およびK
2CO
3(870mg、6.3mmol)の0℃混合物に、アセトン(5mL)中の塩化ベンゾイル(1.0mL、9.0mmol)の溶液を滴下した。該反応液をRTまで昇温させ、そしてRTで30分間撹拌した。揮発物を真空下で除去し、そして該残渣をH
2OおよびEtOAcの間で分配した。該有機相をブラインを用いて洗浄し、乾燥し(Na
2SO
4を使用)、そして真空下で濃縮して、白色固体のB部の粗化合物(1.50g、76%)を得た。
HOAc(25mL)中のB部の粗化合物(1.50g)の溶液を、1.5時間加熱還流し、その後に揮発物を真空下で除去した。該残渣をH
2O(40mL)およびEtOAc(50mL)の間で分配し、該有機層をH
2O(2×40mL)、飽和NaHCO
3水溶液(2×40mL)およびブラインを用いて洗浄し、乾燥し(MgSO
4を使用)、そして真空下で濃縮した。該残渣をクロマトグラフィー精製(SiO
2;4:1〜7:3の連続的な勾配のヘキサン:EtOAcを使用)を行なって、白色固体のC部の化合物(840mg、61%)を得た。
MeCN(5mL)中のC部の粗化合物(20mg、0.10mmol)、実施例9のH部の化合物(8mg、0.02mmol)およびK
2CO
3(5mg、0.03mmol)の混合物を、1.5時間加熱還流した。揮発物を真空下で除去し、そして該残渣をプレパラティブHPLC(60:40 A:B〜100%Bの連続的な勾配を使用;A=90:10:0.1 H
2O:MeOH:TFAであり;B=90:10:0.1 MeOH:H
2O:TFAである)(20mL/分で12分間;220nmで検出;YMC ODS 20×100mmカラムを使用)によって精製して、シロップのD部の化合物(8mg、72%)を得た。
THF(1mL)およびH
2O(0.5mL)中のD部の化合物(8mg、0.014mmol)およびLiOH・H
2O(3mg、0.07mmol)の溶液を、RTで24時間撹拌した。該溶液を1N塩酸を用いてpH5まで酸性とし、次いでEtOAc(3×)を用いて抽出した。該有機抽出物を合わせて真空下で濃縮し、そして該残渣をプレパラティブHPLC(D部の化合物についてと同じ条件)によって精製して、無色シロップの標題化合物(6mg、77%)を得た。
[M+H]
+=546.2。
実施例13
THF(50mL)およびNaHCO
3水溶液(H
2O(25mL)中に6.05g)中の(S)−1−(4−メトキシフェニル)−エチルアミン(5.45g、36mmol)のRT混合物に、クロロギ酸ベンジル(6.20mL、43mmol)を滴下した。該反応液をRTで30分間撹拌し、該有機層を単離し、そして真空下で濃縮した。該残渣をEtOAcおよびH
2O(各100mL)の間で分配し、該有機層をブラインを用いて洗浄し、乾燥し(MgSO
4を使用)、そして真空下で濃縮して約30mLの容量を得た。等量のヘキサン(30mL)を加え、そして無色の針状晶として結晶化したA部の化合物(9.12g、89%)を得た。
無水CH
2Cl
2(11mL)中のA部の化合物(2.50g、8.8mmol)の−78℃溶液に、CH
2Cl
2中のBBr
3溶液(1.0M溶液の11.4mL、11.4mol)を25分間かけて滴下した。該反応液を0℃まで昇温させ、そして0℃で6時間撹拌し、次いでこのものを過剰量のMeOH(6mL)を添加することによって、−78℃で注意深くクエンチした。該溶液を0℃まで昇温させ、そして0℃で5分間撹拌した。該溶液をCH
2Cl
2(60mL)およびH
2O(50mL)の間で分配した。該有機層をブラインおよび5%NaHCO
3水溶液(各50mL)を用いて連続して洗浄し、乾燥し(MgSO
4を使用)、そして真空下で濃縮した。該残渣をクロマトグラフィー精製(SiO
2、4:1〜1:1の逐次勾配のHex:Et
2Oを使用)を行なって、白色固体のB部の化合物(1.30g、回収した未反応のA部の化合物(650mg、26%)に基づいて63%収率)を得た。
DMF(5mL)中のtert−ブチルジメチルシリルクロリド(357mg、2.36mmol)、B部の化合物(535mg、1.97mmol)およびイミダゾール(161mg、2.36mmol)の混合物を、RTで2時間撹拌した。該反応液をEtOAc(20mL)および水(50mL)の間で分配した。該有機層を水洗し(2×50mL)、乾燥し(Na
2SO
4を使用)、そして真空下で濃縮した。該残渣をクロマトグラフィー精製(SiO
2、Hex:EtOAcの3:1を使用)を行なって、回収した出発フェノール(150mg、20%)に加えて油状物のC部の化合物(320mg、42%)を得た。
MeOH(30mL)中のC部の化合物(320mg、0.83mmol)および10%パラジウム−炭素(30mg)の混合物をH
2(バルーン)の雰囲気下、RTで1時間撹拌し、その後に該反応はHPLCによって完結していた。該触媒をセライト(登録商標)を通してろ過し、そして該ろ液を真空下で濃縮して、白色固体のD部の化合物(230mg)を得て、このものを更に精製することなく次の工程に使用した。
THF(10mL)中のD部の化合物(230mg)、ブロモ酢酸メチル(86μL、0.91mmol)およびEt
3N(127μL、0.91mmol)の溶液を、RTで15時間撹拌した。該反応混合物をH
2OおよびEtOAc(各30mL)の間で分配した。該有機層をブラインを用いて洗浄し、乾燥し(MgSO
4を使用)、そして真空下で濃縮した。該残渣をクロマトグラフィー精製(SiO
2、Hex:EtOAcの9:1〜1:1の逐次勾配を使用)を行なって、油状物のE部の化合物(177mg、2工程で66%)を得た。
THF:H
2O(1:1溶液の240mL)中のE部の化合物(9.0g、27.9mmol)、NaHCO
3(4.70g、55.8mmol)の溶液に、クロロギ酸4−メトキシフェニル(5.0mL、33.5mmol)溶液を滴下した。該反応液をRTで2時間撹拌し、次いでこのものをEtOAc(250mL)およびH
2O(200mL)の間で分配した。該有機層をブライン(200mL)を用いて洗浄し、乾燥し(MgSO
4を使用)、そして真空下で濃縮した。該残渣をクロマトグラフィー精製(SiO
2、9:1〜7:3のヘキサン:EtOAcの逐次勾配を使用)を行なって、純粋なF部の化合物(12.5g、95%)を得た。
THF(100mL)中のF部の化合物(12.5g、26.4mmol)の溶液に、フッ化テトラブチルアンモニウム(1M THF溶液の32mL、32mmol)を滴下した。該反応液をRTで2時間撹拌し、次いでこのものをEtOAc(250mL)およびH
2O(200mL)の間で分配した。該有機層をブライン(200mL)を用いて洗浄し、乾燥し(MgSO
4を使用)、そして真空下で濃縮した。該残渣をクロマトグラフィー精製(SiO
2、9:1〜3:2のHex:EtOAcの逐次勾配を使用)を行なって、シロップのG部の化合物(8.0g、84%)を得た。
MeCN(5mL)中の実施例12のC部の粗化合物(20mg、0.10mmol)、G部の化合物(8mg、0.02mmol)およびK
2CO
3(5mg、0.03mmol)の混合物を、1.5時間加熱還流した。揮発物を真空下で除去し、そして該残渣をプレパラティブHPLC(実施例12のD部の化合物についてと同じ条件)によって精製して、シロップのH部の化合物(8mg、72%)を得た。
THF(1mL)およびH
2O(0.5mL)中のH部の化合物(8mg、0.014mmol)およびLiOH・H
2O(3mg、0.07mmol)溶液を、RTで24時間撹拌した。該溶液を1N塩酸を用いてpH5にまで酸性とし、次いでこのものをEtOAc(3×)を用いて抽出した。該有機抽出物を合わせて真空下で濃縮し、そして該残渣をプレパラティブHPLC(実施例12のD部の化合物についてと同じ条件)によって精製して、無色シロップの標題化合物(6mg、77%)を得た。
[M+H]
+=504.2。
実施例14
CHCl
3(60mL)中のプロピオニル酢酸エチル(10.0g、69.4mmol)の0℃溶液に、CHCl
3(20mL)中のBr
2(3.6mL、69.4mmol)の溶液を滴下し、そして得られた混合物を0℃で0.5時間撹拌した。該反応液をRTまで昇温させ、そしてRTで0.5時間撹拌した。次いで、空気を該混合物中に1時間バブルした。次いで、揮発物を真空下で除去して油状残渣を得て、これは油状物のA部の粗化合物(15.3g、>95%収率)を与え、そしてこのものを更に精製することなく次の反応に使用した。
アセトン(6mL)およびH
2O(1mL)中のA部の化合物(400mg、1.79mmol)およびアジ化ナトリウム(136mg、2.09mmol)混合物を、RTで1時間、次いで50℃で1時間撹拌した。この時点で、分析用HPLCは、該出発物質が消費されたことを示した。揮発物を真空下で除去し、そして該残渣をH
2OおよびCH
2Cl
2の間で分配した。該有機層を乾燥し(MgSO
4を使用)、そして真空下で濃縮した。該残渣をクロマトグラフィー精製(SiO
2:ヘキサン〜1:1のヘキサン:EtOAcの連続的な勾配を使用)を行なって、淡黄色油状物のB部の化合物(280mg、85%)を得た。
ジオキサン(4mL)中のB部の化合物(100mg、0.54mmol)の溶液に、樹脂と結合したPPh
3(3mmol/樹脂gの540mg、3当量)を加えた。該混合物をRTで10分間振り混ぜた。塩化ベンゾイル(70μL、0.60mmol)を加え、そして該反応混合物を75℃で2時間加熱し、その後に該反応はHPLCによって完結していた。該反応液をろ過し、そして該ろ液を真空下で濃縮した。該残渣をクロマトグラフィー精製(SiO
2、ヘキサン〜1:1のヘキサン:EtOAcの連続的な勾配を使用)を行なって、無色油状物のC部の化合物(62mg、50%)を得た。
0℃のLiAlH
4溶液(1M溶液の1.0mL、1mmol)に、THF中のC部の化合物(75mg、0.031mmol)溶液を滴下した。0℃で30分後に、該反応液をH
2Oを用いて、続いてNaOH水溶液(3N溶液の2mL)を加えることによって、注意深くクエンチした。揮発物を真空下で除去し、そして該残渣をH
2OおよびCH
2Cl
2の間で分配した。該水相をCH
2Cl
2(2×)を用いて抽出した。該有機抽出物を合わせて真空下で濃縮し、そして該残渣をクロマトグラフィー精製(SiO
2、100%ヘキサン〜100%EtOAcの連続的な勾配を使用)を行なって、無色油状物のD部の化合物(55mg、89%)を得た。
CH
2Cl
2(2mL)中のD部の化合物(20mg、0.098mmol)、実施例13のG部の化合物(33mg、0.092mmol)およびPh
3P(40mg、0.15mmol)の0℃溶液に、CH
2Cl
2(2mL)中のDEAD(31μL、0.20mmol)の溶液を滴下した。該反応液をRTまで昇温させ、そしてRTで終夜撹拌した。揮発物を真空下で除去し、そして該残渣をクロマトグラフィー精製(SiO
2、100%ヘキサン〜100%EtOAcの連続的な勾配を使用)を行なって、無色油状物のE部の化合物(32mg、61%)を得た。
LiOH水溶液(2N溶液の0.5mL)およびMeOH/THF(各0.5mL)中のE部の化合物(16mg、0.029mmol)溶液を、RTで4時間撹拌した。有機溶媒を真空下で除去し、そして該水相を1N塩酸を用いてpH2にまで酸性とした。得られた白色沈降物をろ過によって集めて、そして乾燥して白色固体の標題化合物(9mg、60%)を得た。
[M+H]
+=531.2。
実施例15
MeCN(32.5mL)中の実施例13のG部の化合物(3.5g、9.75mmol)、1,2−ジブロモエタン(4.2mL、49mmol)およびK
2CO
3(2.2g、15.6mmol)の混合物を、90℃で15時間加熱した。該混合物をRTまで冷却し、そして揮発物を真空下で除去した。該残渣をH
2OおよびEtOAcの間で分配し、該有機層をH
2Oおよびブラインを用いて洗浄し、乾燥し(MgSO
4を使用)、そして真空下で濃縮した。該残渣をクロマトグラフィー精製(SiO
2、100%ヘキサン〜1:1のヘキサン:EtOAcを45分間かけ、次いで1:1のヘキサン:EtOAc〜100%EtOAcを10分間かける、連続的な勾配を使用)を行なって、油状物のA部の化合物(2.0g、回収した出発物質に基づいて66%)を得た。
CH
2Cl
2(21.5mL)中のA部の化合物(2.0g、4.3mmol)およびテトラブチルアンモニウムシアニド(3.5g、12.9mmol)の混合物を、RTで2.5時間撹拌した。揮発物を真空下で除去し、そして該残渣をクロマトグラフィー(SiO
2、100%ヘキサン〜1:1のヘキサン:EtOAcを45分かけ、次いで1:1のヘキサン:EtOAc〜100%EtOAcを10分間かける、連続的な勾配を使用)を行なって、油状物のB部の化合物(1.49g、84%)を得た。
MeOH:H
2O(2:1の溶液の8.4mL)中のB部の化合物(450mg、1.14mmol)およびヒドロキシルアミン(50重量%比の水溶液の230mg)の混合物を、95℃で4時間加熱した。該反応液をRTまで冷却し、そして揮発物を真空下で除去した。該残渣をプレパラティブHPLC(70:30 A:B〜100%Bの連続的な勾配を25分間使用;25mL/分;A=90:10:0.1 H
2O:MeOH:TFAであり;B=90:10:0.1 MeOH:H
2O:TFAである)(220nmで検出;YMC ODS 30×250mmカラムを使用;保持時間は、17.1分)によって精製して、油状物のC部の化合物(390mg、77%)を得た。
C部の化合物(43mg、0.097mmol)のピリジン(970μL)溶液に、塩化ベンゾイル(100μL、0.86mmol)を加えた。該混合物を封管中、115℃で3時間撹拌し、次いでこのものをRTまで冷却し、そしてH
2OおよびEtOAcの間で分配した。該有機層をH
2Oおよびブラインを用いて洗浄し、乾燥し(MgSO
4を使用)、そして真空下で濃縮した。該残渣をプレパラティブHPLC(60:40 A:B〜100%Bの連続的な勾配を25分間使用し、次いで100%Bで10分間保つ;25mL/分;A=90:10:0.1 H
2O:MeOH:TFAであり;B=90:10:0.1 MeOH:H
2O:TFAである)(220nmで検出;YMC ODS 30×250mmカラムを使用)によって精製して、油状物のD部の化合物(12mg、23%)を得た。
THF(2mL)およびH
2O(1mL)中のD部の化合物(6mg、0.011mmol)およびLiOH・H
2O(2.4mg、0.06mmol)溶液を、RTで終夜撹拌した。EtOAcを加え、そして該混合物を1N塩酸を用いてpH2まで酸性とし、該有機層をH
2Oおよびブラインを用いて洗浄し、乾燥し(MgSO
4を使用)、そして真空下で濃縮した。該残渣をプレパラティブHPLC(70:30 A:B〜100%Bを10分間使用し、次いで100%Bで5分間保つ;20mL/分;A=90:10:0.1 H
2O:MeOH:TFAであり;B=90:10:0.1 MeOH:H
2O:TFAである)(220nmで検出;YMC ODS 20×100mmカラムを使用;保持時間=11.2分)によって精製して、油状物の標題化合物(4.0mg、68%)を得た。
[M+H]
+=518.2。
実施例16〜17
以下のフェニルオキサジアゾールカルバメート酸は、実施例15について記載する合成順序に従って製造した。
実施例18
ジオキサン:H
2O(2:1の溶液の75mL)中の実施例13のE部の化合物(3.60g、11.1mmol)、NaHCO
3(1.21g、14.4mmol)の溶液に、クロロギ酸イソブチル(1.87mL、14.4mmol)を滴下した。該反応液をRTで2時間撹拌し、次いでEtOAcおよびH
2Oの間で分配した。該有機層をブラインを用いて洗浄し、乾燥し(MgSO
4を使用)、そして真空下で濃縮して、粗TBS−フェノールカルバメートを得た。この物質をTHF(50mL)中に溶解し、そしてテトラブチルアンモニウムフロオリド(75%水溶液の4.17mL)を加えた。該反応液をRTで40分間撹拌し、その後に揮発物を真空下で除去した。該残渣をクロマトグラフィー精製(SiO
2、9:1〜2:3のヘキサン:EtOAcを40分間かけて;次いで、2:3のEtOAc〜100%EtOAcを15分間かける、連続的な勾配を使用)によって、固体のA部の化合物(3.0g、2工程で87%)を得た。
MeCN(1mL)中のA部の化合物(45mg、0.146mmol)、実施例12のC部の化合物(XXmg、0.292mmol)、およびK
2CO
3(40mg、0.292mmol)の混合物を、90℃で終夜撹拌した。RTまで冷却後に、該混合物をEtOAcおよびH
2Oの間で分配した。該有機層をブラインを用いて洗浄し、乾燥し(MgSO
4を使用)、そして真空下で濃縮した。該残渣をプレパラティブHPLC(50:50 A:B〜100%Bの連続的な勾配を使用;A=90:10:0.1 H
2O:MeOH:TFAであり;B=90:10:0.1 MeOH:H
2O:TFAである)(20mL/分で10分間操作および5分間の保持時間;220nmで検出;YMC ODS 20×100mmカラムを使用)によって精製して、油状物のB部の化合物を得た。
THF(0.7mL)およびH
2O(0.35mL)中のB部の化合物およびLiOH・H
2O(18mg、0.44mmol)の溶液は、50℃で3時間撹拌した。EtOAcを加え、そして該混合物を1N塩酸を用いてpH〜2にまで酸性とし、該有機層をH
2Oおよびブラインを用いて洗浄し、乾燥し(MgSO
4を使用)、そして真空下で濃縮した。該残渣をプレパラティブHPLC(60:40 A:B〜100%Bの連続的な勾配を10分間使用し、次いで100%Bで5分間保つ;20mL/分;A=90:10:0.1 H
2O:MeOH:TFAであり;B=90:10:0.1 MeOH:H
2O:TFAである)(220nmで検出;YMC ODS 20×100mmカラムを使用;保持時間=10.2分)によって精製して、固体の標題化合物(48mg、2工程で73%)を得た。
[M+H]
+=454.2。
実施例19
CH
3CN(9.2mL)中の実施例18のA部の化合物(850mg、2.75mmol)およびα−クロロアセトニトリル(0.348mL、5.50mmol)およびK
2CO
3(760mg、5.50mmol)の混合物を90℃で3時間撹拌し、次いでRTまで冷却し、そしてこのものをEtOAc(95mL)およびH
2O(45mL)の間で分配した。該有機層をブライン(100mL)を用いて洗浄し、乾燥し(MgSO
4を使用)、そして真空下で濃縮した。該残渣をクロマトグラフィー精製(SiO
2、100%hex〜100%EtOAcの連続的な勾配を使用)を行なって、無色油状物のA部の化合物(910mg、95%)を得た。
MeOH(11.6mL)およびH
2O(5.8mL)中のA部の化合物(910mg、2.61mmol)およびヒドロキシルアミン(50%水溶液の517mg、7.83mmol)混合物を95℃で6時間撹拌し、次いでこのものをRTまで冷却し、そして更に6時間RTで撹拌し、その後に揮発物を真空下で除去した。該残渣をEtOAc(120mL)およびH
2O(65mL)の間で分配した。該有機層をブライン(20mL)を用いて洗浄し、乾燥し(MgSO
4を使用)、そして真空下で濃縮して、油状物のB部の粗化合物(901mg、91%)を得て、このものを更に精製することなく次の工程に使用した。
ピリジン(1.4mL)中のB部の化合物(56mg、0.147mmol)、およびp−トルオイルクロリド(38.9μL、0.294mmol)の混合物を110℃で14時間振り混ぜ、その後に該反応混合物をRTまで冷却し、そしてEtOAc(10mL)およびH
2O(5mL)の間で分配した。該有機層をブライン(20mL)を用いて洗浄し、そして真空下で濃縮し;該残渣をプレパラティブHPLC(実施例15のE部について記載する通り(50:50の溶媒A:溶媒B〜100%Bの連続的な勾配を10分間かけて使用し、続いて100%Bで4分間保つことを除く))によって精製して、油状物のC部の化合物(12.6mg、18%)を得た。
THF(1mL)およびH
2O(0.5mL)中のC部の化合物(12.6mg、0.0262mmol)およびLiOH・H
2O(30.8mg、0.735mmol)の溶液をRTで15時間撹拌し、その後に該混合物を1N塩酸を用いてpH2にまで酸性とした。該混合物をEtOAc(10mL)およびH
2O(5mL)の間で分配した。該有機層をブライン(20mL)を用いて洗浄し、乾燥し(MgSO
4を使用)、そして真空下で濃縮した。該残渣をプレパラティブHPLC(実施例15のE部について記載する通り(40:60の溶媒A:溶媒B〜100%Bまでの連続的な勾配を10分間かけて使用し、続いて100%Bで4分間保つことを除く))によって精製して、油状物の標題化合物(8.8mg、72%)を得た。
[M+H]
+=468.0。
実施例20〜47
実施例20〜47は、様々な適当な酸クロリドを用いて、実施例19と似た様式(実施例19のB部の化合物由来)で製造した。
実施例48
ジオキサン:H
2O(2:1溶液の3.14mL)中の実施例13のE部の化合物(203mg、0.628mmol)、クロロギ酸メチル(0.063mL、0.817mmol)およびNaHCO
3(69mg、0.817mmol)の混合物をRTで14時間撹拌し、その後に該反応液をEtOAc(10mL)およびH
2O(5mL)の間で分配した。該有機層をブライン(10mL)を用いて洗浄し、乾燥し(MgSO
4を使用)、そして真空下で濃縮してA部の粗化合物を得て、このものを更に精製することなく次の工程に使用した。
THF(2mL)中のA部の粗化合物および(n−Bu)
4NF(237μL、0.817mmol)の溶液をRTで30分間撹拌し、その後に揮発物を真空下で除去した。該残渣をクロマトグラフィー精製(SiO
2、9:1のHex:EtOAc〜100%EtOAcの連続的な勾配を使用)を行なって、無色油状物のB部の化合物(124mg、2工程で74%)を得た。
CH
3CN(1mL)中のB部の化合物(14.5mg、0.0543mmol)、実施例12のC部の化合物(13.7mg、0.0706mmol)およびK
2CO
3(9.8mg、0.0706mmol)の混合物を88℃で14時間振り混ぜ、次いでこのものをRTまで冷却し、そしてEtOAc(10mL)およびH
2O(5mL)の間で分配した。該有機層をブライン(20mL)を用いて洗浄し、そして真空下で濃縮してC部の粗化合物を得て、このものを更に精製することなく次の工程に使用した。
THF(1mL)およびH
2O(0.5mL)中のC部の粗化合物およびLiOH・H
2O(6.8mg、0.163mmol)溶液をRTで16時間撹拌し、その後に該混合物を1N塩酸を用いてpH2まで酸性とした。該混合物をEtOAc(10mL)およびH
2O(5mL)の間で分配した。該有機相をブライン(20mL)を用いて洗浄し、乾燥し(MgSO
4を使用)、そして真空下で濃縮し;該残渣をプレパラティブHPLC(実施例15のE部について記載する通り(40:60の溶媒A:溶媒B〜100%Bの連続的な勾配を10分間かけて使用し、続いて100%Bで4分間保つことを除く))によって精製して、油状物の標題化合物(15.5mg、2工程で69%)を得た。
[M+H]
+=412.2。
実施例49〜53
実施例49〜53は、適当なクロロホルメート(実施例48についてのクロロギ酸メチルの代わりに)を用いて、実施例48の製造についてと同じ順序を用いて(実施例13のE部の化合物から)製造した。
実施例54
CH
3CN(9.2mL)中の実施例18のA部の化合物(1000mg、3.24mmol)および1,2−ジブロモエタン(1.7mL、19.4mmol)およびK
2CO
3(896mg、6.48mmol)の混合物を90℃で41時間撹拌し、次いでこのものをRTまで冷却し、そしてEtOAc(100mL)およびH
2O(50mL)の間で分配した。該有機層をブライン(100mL)を用いて洗浄し、乾燥し(MgSO
4を使用)、そして真空下で濃縮した。該残渣をクロマトグラフィー精製(SiO
2、100%Hex〜100%EtOAcの連続的な勾配を使用)を行なって、無色油状物のA部の化合物(868mg、65%)を得た。
CH
2Cl
2(10.5mL)中のA部の化合物(868mg、2.09mmol)およびテトラブチルアンモニウムシアニド(1.68g、6.27mmol)の混合物をRTで15時間撹拌し、その後に揮発物を真空下で除去し、該残渣をクロマトグラフィー精製(SiO
2、100%Hex〜100%EtOAcの連続的な勾配を使用)を行なって、無色油状物のB部の化合物(730mg、96%)を得た。
MeOH(9.0mL)およびH
2O(4.5mL)中のB部の化合物(730mg、2.02mmol)およびヒドロキルアミン(50%水溶液の400mg、6.06mmol)混合物を95℃で4時間撹拌し、その後に揮発物を真空下で除去した。該残渣をEtOAc(120mL)およびH
2O(65mL)の間で分配した。該有機層をブライン(70mL)を用いて洗浄し、乾燥し(MgSO
4を使用)、そして真空下で濃縮して、油状物のC部の化合物(750mg、94%)を得た。
ピリジン(1.3mL)中のC部の化合物(50mg、0.127mmol)の溶液に、ベンゾイルクロリド(29.5μL、0.254mmol)を加えた。該混合物を110℃で15時間振り混ぜ、次いでRTまで冷却し、そしてEtOAc(10mL)およびH
2O(5mL)の間で分配した。該有機層をブライン(20mL)を用いて洗浄し、そして真空下で濃縮してD部の粗化合物を得て、このものを更に精製することなく次の工程に使用した。
THF(0.8mL)およびH
2O(0.4mL)中のD部の粗化合物およびLiOH・H
2O(26.6mg、0.635mmol)溶液をRTで25時間撹拌し、その後に該混合物を1N塩酸を用いてpH2まで酸性とした。該混合物をEtOAc(10mL)およびH
2O(5mL)の間で分配した。該有機層をブライン(20mL)を用いて洗浄し、乾燥し(MgSO
4を使用)、そして真空下で濃縮し、該残渣をプレパラティブHPLC(実施例15のE部に記載する通り(40:60の溶媒A:溶媒B〜100%Bの連続的な勾配を10分間かけて使用し、続いて100%Bで4分間保つことを除く))によって精製して、油状物の標題化合物(6.5mg、2工程で11%)を得た。
[M+H]
+=468.1。
実施例55〜65
実施例55〜65は、実施例54の製造についてと似た順序を用いる(実施例54のZC部の化合物から出発する)が、ベンゾイルクロリドの代わりに様々な適当な酸クロリドを用いて、製造した。
実施例66
CH
3CN(106.5mL)中の4−ヒドロキシベンズアルデヒド(5.2g、42.6mmol)、α−クロロアセトニトリル(4.0mL、63.2mmol)およびK
2CO
3(6.7g、48.5mmol)の混合物を90℃で5時間撹拌し、次いでこのものをRTまで冷却し、そしてEtOAc(200mL)およびH
2O(110mL)の間で分配した。該有機層をブライン(200mL)を用いて洗浄し、乾燥し(MgSO
4を使用)、そして真空下で濃縮してA部の粗化合物を得て、このものを更に精製することなく次の工程に使用した。
MeOH(142mL)中のA部の粗化合物およびグリシンメチルエステル・塩酸塩(5.9g、46.9mmol)、Et
3N(6.5mL、46.9mmol)および4Aモレキュラーシーブ(2g)の混合物をRTで13時間撹拌し、その後にNaBH
4(1.8g、46.9mmol)をゆっくりと加えた。該混合物をRTで1時間撹拌し、その後に揮発物を真空下で除去した。該残渣をEtOAc(150mL)およびH
2O(80mL)の間で分配した。該有機層をブライン(150mL)を用いて洗浄し、乾燥し(MgSO
4を使用)、そして真空下で濃縮して、無色油状物のB部の化合物(6.0g、2工程で60%)を得た。
ジオキサン:H
2O(2:1の溶液の60mL)中のB部の化合物(2.1g、8.97mmol)、クロロギ酸イソブチル(1.52mL、11.7mmol)およびNaHCO
3(983mg、11.7mmol)の混合物をRTで2時間撹拌し、次いでこのものをEtOAc(120mL)およびH
2O(70mL)の間で分配した。該有機層をブライン(140mL)を用いて洗浄し、乾燥し(MgSO
4を使用)、そして真空下で濃縮した。該残渣をクロマトグラフィー精製(SiO
2、100%Hex〜100%EtOAcの連続的な勾配を使用)を行なって、無色油状物のC部の化合物(2.84g、95%)を得た。
MeOH(22.6mL)およびH
2O(11.3mL)中のC部の化合物(1.7g、5.09mmol)およびヒドロキシルアミン(50%水溶液の1.0g、15.27mmol)混合物を95℃で5時間撹拌し、その後に揮発物を真空下で除去した。該残渣をEtOAc(140mL)およびH
2O(80mL)の間で分配した。該有機層をブライン(20mL)を用いて洗浄し、乾燥し(MgSO
4を使用)、そして真空下で濃縮して油状物のD部の粗化合物(1.77g、95%)を得て、このものは更に精製することなく次の工程に使用した。
ピリジン(1.1mL)中のD部の化合物(50mg、0.136mmol)の溶液に、p−トルオイルクロリド(42.1μL、0.272mmol)を加えた。該混合物を115℃で6時間振り混ぜ、次いでこのものを真空下で濃縮し、該残渣をプレパラティブHPLC(実施例15のE部の化合物について記載する通り(40:60の溶媒A:溶媒B〜100%Bの連続的な勾配を10分間かけて使用し、続いて100%Bで4分間保つことを除く))によって精製して、油状物のE部の化合物(7.6mg、12%)を得た。
THF(0.86mL)およびH
2O(0.43mL)中のE部の化合物(7.6mg、0.0163mmol)およびLiOH・H
2O(28.5mg、0.68mmol)溶液をRTで25時間撹拌し、その後に該反応混合物を1N塩酸を用いてpH2まで酸性とした。該混合物をEtOAc(10mL)およびH
2O(5mL)の間で分配した。該有機相をブライン(20mL)を用いて洗浄し、乾燥し(MgSO
4を使用)、そして真空下で濃縮した。該残渣をプレパラティブHPLC(実施例15のE部の化合物について記載する通り(40:60の溶媒A:溶媒B〜100%Bの連続的な勾配を10分間かけて使用し、続いて100%Bで4分間保つことを除く))によって精製して、油状物の標題化合物(4.5mg、61%)を得た。
[M+H]
+=454.4。
実施例67〜75
実施例67〜75は、実施例66の製造についてと同じ順序(実施例66のD部の化合物から出発する)を用いて、様々な適当な酸クロリド(p−トルオイルクロリドの代わりに)を用いて製造した。
実施例76
ジオキサン:H
2O(2:1の溶液の58mL)中の(R)−(+)−{1−[4−(tert−ブチル−ジメチル−シリルオキシ)−フェニル]−エチルアミノ}−酢酸メチルエステル[2.8g;8.67mmol;これは、実施例13のE部の化合物の製造について記載する方法に従って、(R)−(+)−1−(4−メトキシ−フェニル)−エチルアミンから得る]およびクロロギ酸イソブチル(1.5mL、11.3mmol)およびNaHCO
3(0.95g、11.3mmol)の混合物をRTで1時間撹拌し、その後に該反応液をEtOAc(170mL)およびH
2O(90mL)の間で分配した。該有機層をブライン(140mL)を用いて洗浄し、乾燥し(MgSO
4を使用)、そして真空下で濃縮してA部の粗化合物を得て、このものを更に精製することなく次の工程に使用した。
THF(28.9mL)中のA部の粗化合物の溶液に、(n−Bu)
4NF(1M THF溶液の9.54mL、9.54mmol)を加えた。該混合物をRTで45分間撹拌し、次いでこのものをEtOAc(150mL)およびH
2O(70mL)の間で分配した。該有機層をブライン(140mL)を用いて洗浄し、乾燥し(MgSO
4を使用)、そして真空下で濃縮して、無色油状物のB部の化合物(2.4g、2工程で90%)を得た。
CH
3CN(2mL)中のB部の化合物(46mg、0.149mmol)、実施例12のC部の化合物(37.8mg、0.194mmol)およびK
2CO
3(26.8mg、0.194mmol)の混合物を90℃で16時間撹拌し、その後に該反応混合物をRTまで冷却し、そしてEtOAc(18mL)およびH
2O(8mL)の間で分配した。該有機層をブライン(20mL)を用いて洗浄し、そして真空下で濃縮し、該残渣をプレパラティブHPLC(実施例15のE部の化合物について記載する通り(50:50の溶媒A:溶媒B〜100%Bの連続的な勾配を10分間かけて使用し、続いて100%Bで4分間保つことを除く))によって精製して、油状物のC部の化合物(48.3mg、69%)を得た。
THF(1.2mL)およびH
2O(0.6mL)中のC部の化合物(48.3mg、0.103mmol)およびLiOH・H
2O(18.8mg、0.447mmol)溶液をRTで15時間撹拌し、次いでこのものを1N塩酸を用いてpH2にまで酸性とした。該混合物をEtOAc(14mL)およびH
2O(8mL)の間で分配した。該有機層をブライン(15mL)を用いて洗浄し、乾燥し(MgSO
4を使用)、そして真空下で濃縮し、該残渣をプレパラティブHPLC(実施例15のE部の化合物について記載する通り(40:60の溶媒A:溶媒B〜100%Bの連続的な勾配を10分間かけて使用し、続いて100%Bで4分間保つことを除く))によって精製して、油状物の標題化合物(40.3mg、86%)を得た。
[M+H]
+=454.0。
実施例77
CH
3CN(12.9mL)中の実施例76のB部の化合物(1.2g、3.88mmol)、α−クロロアセトニトリル(0.49mL、7.76mmol)およびK
2CO
3(1.07g、7.76mmol)の混合物を90℃で10時間撹拌し、次いでこのものをRTまで冷却し、そしてEtOAc(95mL)およびH
2O(45mL)の間で分配した。該有機層をブライン(100mL)を用いて洗浄し、乾燥し(MgSO
4を使用)、そして真空下で濃縮した。該残渣をクロマトグラフィー精製(SiO
2、100%Hex〜3:2のHex:EtOAcの連続的な勾配を使用)を行なって、無色油状物のA部の化合物(1.17g、87%)を得た。
MeOH(17.2mL)およびH
2O(8.6mL)中のA部の化合物(1.17g、3.36mmol)およびヒドロキシルアミン(50%の水溶液の0.65g、9.7mmol)溶液を95℃で6時間撹拌し、次いでこのものをRTまで冷却し、そして真空下で濃縮した。該残渣をEtOAc(140mL)およびH
2O(80mL)の間で分配した。該有機層をブライン(80mL)を用いて洗浄し、乾燥し(MgSO
4を使用)、そして真空下で濃縮して、油状物のB部の粗化合物(1.19g、93%)を得て、このものを更に精製することなく次の工程に使用した。
ピリジン(1.0mL)中のB部の化合物(40mg、0.105mmol)の溶液に、p−トルオイルクロリド(32.5mg、0.21mmol)を加えた。該混合物を115℃で6時間振り混ぜ、次いでこのものをRTまで冷却し、そして真空下で濃縮し、該残渣をプレパラティブHPLC(実施例15のE部の化合物について記載する通り(40:60の溶媒A:溶媒B〜100%Bの連続的な勾配を10分間かけて使用し、続いて100%Bで4分間保つことを除く))によって精製して、油状物のE部の化合物(5.3mg、10%)を得た。
THF(0.80mL)およびH
2O(0.40mL)中のC部の化合物(5.3mg、0.011mmol)およびLiOH・H
2O(17.6mg、0.42mmol)溶液を50℃で6時間振り混ぜ、次いでこのものをRTまで冷却し、そして1N塩酸を用いてpH2にまで酸性とした。該混合物をEtOAc(10mL)およびH
2O(5mL)の間で分配した。該有機層をブライン(10mL)を用いて洗浄し、乾燥し(MgSO
4を使用)、そして真空下で濃縮し、該残渣をプレパラティブHPLC(実施例15のE部の化合物について記載する通り(40:60の溶媒A:溶媒B〜100%Bの連続的な勾配を10分間かけて使用し、続いて100%Bで4分間保つことを除く))によって精製して、油状物の標題化合物(2.9mg、56%)を得た。
[M+H]
+=468.0。
実施例78〜83
実施例78〜83は、実施例77の製造についてと同じ順序を用いて、様々な適当な酸クロリド(p−トルオイルクロリドの代わりに)を用いて(実施例77のB部の化合物から)製造した。
実施例84
アセトン(6mL)中の4−クロロアセト酢酸メチル(400mg、2.6mmol)およびアジ化ナトリウム(136mg、2.1mmol)の混合物を、アジドが溶解するまでH
2O(〜1mL)を用いて希釈した。該混合物を50℃で1時間加熱し、RTで終夜撹拌し、次いで50℃で2時間加熱した。該反応液をRTまで冷却し、そして該アセトンを真空下で除去した。該水相をCH
2Cl
2を用いて抽出し、そして該有機抽出物を合わせて乾燥し(MgSO
4を使用)、そして真空下で濃縮した。該残渣をクロマトグラフィー精製(SiO
2;100%Hex〜3:2のHex:EtOAcの連続的な勾配を使用)を行なって、A部の化合物(237mgm、72%)を得た。
ジオキサン(5mL)中のA部の化合物(237mg、1.51mmol)および樹脂と結合したPh
3P(3mmol/樹脂gの1.56g;4.68mmol)の混合物をRTで10分間振り混ぜた。次いで、塩化ベンゾイル(263mg、1.87mmol)を加え、そして該反応液を75℃で2時間加熱し、次いでこのものをRTまで冷却し、そしてろ過した。該ろ液を真空下で濃食し、そして該残渣をクロマトグラフィー精製(SiO
2、100%Hex〜1:1のHex:EtOAcの連続的な勾配を使用し;化合物は、セライト(登録商標)を用いて該カラム上に予めロードする)を行なって、淡黄色油状物のB部の化合物(95mg、28%)を得た。
THF中のLiAlH
4溶液(1M溶液の2.0mL、2.0mol)をB部の化合物(95mg、0.44mmol)にRTで滴下した。該反応液をRTで終夜撹拌し、次いでこのものを0℃まで冷却し、そしてH
2Oを用いて注意深くクエンチした。3N NaOH水溶液を加え、そして該混合物を真空下で濃縮した。該樹脂をCH
2Cl
2およびH
2Oの間で分配した。該水相をCH
2Cl
2を用いて抽出し、そして該有機抽出液を合わせて、乾燥し(Na
2SO
4を使用)、そして真空下で濃縮した。該樹脂をクロマトグラフィー精製(SiO
2、100%Hex〜100%EtOAcの連続的な勾配を使用;化合物は、CH
2Cl
2を用いてカラム上に予めロードする)を行なって、無色油状物のC部の化合物(100mg、100%)を得た。
D部の化合物を、(S)−1−(4−メトキシフェニル)−エチルアミンからの実施例13のG部の製造法についてと同じ順序を用いて、(S)−1−(3−メトキシフェニル)−エチルアミンから製造した。
トルエン(1.5mL)中のC部の化合物(20mg、0.106mmol)、D部の化合物(35mg、0.098mmol)およびシアノメチレントリブチルホスホラン(70μL、0.29mmol)の混合物を70℃で終夜振り混ぜ、次いでこのものを真空下で濃縮した。該残渣をクロマトグラフィー精製(SiO
2、100%Hex〜2:3のHex:EtOAcの連続的な勾配を使用)を行なって、黄色油状物のE部の化合物および未反応のD部の化合物の2:1の混合物(37mg、55%)を得た。
[M+H]
+=531.3。
2NのLiOH・H
2O溶液、MeOHおよびTHFの1:1:1混合物(1.5mL)中のE部で得られた混合物(37mg、0.052mmol)をRTで2時間撹拌し、次いでこのものを真空下で濃縮した。得られた水溶液を1N塩酸を用いてpH〜3にまで酸性とし、そしてCH
2Cl
2(3×1mL)を用いて抽出した。該有機抽出物を合わせて真空下で濃縮し、そして該残渣をプレパラティブHPLC(実施例26の精製についてと同様)によって精製して、固体の標題化合物(10mg、26%)を得た。
[M+H]
+=517.20。
実施例85
実施例84のC部の化合物(20mg、0.106mmol)を、実施例13のG部の化合物
(35mg、0.098mmol)と、実施例84のE部に記載するのと同じ方法で反応させて、A部の化合物および実施例13のG部の化合物の2:1混合物(30mg、57%)を得た。
[M+H]
+=531.26。
該標題化合物は、A部において得た混合物(30mg)の加水分解反応(実施例84のF部において記載する通り)によって得て、B部の化合物(13mg、43%)を得た。
[M+H]
+=517.20。
実施例86
CHCl
3(60mL)中のプロピオニル酢酸エチル(10.0g、69.4mmol)の0℃溶液に、CHCl
3(20mL)中のBr
2(3.6mL、69.4mmol)の溶液を滴下し、そして得られた混合物を0℃で0.5時間撹拌した。該反応液をRTまで昇温させ、そしてRTで0.5時間撹拌した。次いで、空気を該混合物中に1時間バブルした。次いで、揮発物を真空下で除去して油状物残渣を得て、これはA部の粗化合物(15.3g、>95%収率)を与え、このものは更に精製することなく次の反応に使用した。
アセトン(6mL)およびH
2O(1mL)中のA部の化合物(400mg、1.79mmol)およびアジ化ナトリウム(136mg、2.09mmol)の混合物をRTで1時間、次いで50℃で1時間撹拌した。分析用HPLCは、出発物質がこの時点で消費されたことを示した。該アセトンを真空下で除去し、そして該水相をCH
2Cl
2を用いて抽出した。該有機抽出物を合わせて乾燥し(MgSO
4を使用)、そして真空下で濃縮した。該残渣をクロマトグラフィー精製(SiO
2、100%hex〜1:1のhex:EtOAcの連続的な勾配を使用)を行なって、淡黄色油状物のB部の化合物(280mg、85%)を得た。
ジオキサン(4mL)中のB部の化合物(100mg、0.54mmol)および樹脂に結合したPh
3P(3mmol/樹脂gの540mg、1.62mmol)の混合物を、RTで10分間振り混ぜた。次いで、塩化ベンゾイル(84mg、0.60mmol)を加え、そして該反応液を75℃で2時間加熱し、次いでこのものをRTまで冷却し、そしてろ過した。該ろ液を真空下で濃縮し、そして該残渣をクロマトグラフィー精製(SiO
2;100%hex〜1:1のhex:EtOAcの連続的な勾配を使用;化合物は、セライト(登録商標)を用いてカラム上に予めロードする)を行なって、淡黄色油状物のC部の化合物(280mg、85%)を得た。
THF中のLiAl
4溶液(1M溶液の1mL、1mmol)を、C部の化合物(75mg、0.30mmol)に0℃で滴下した。該反応液をRTまで昇温させ、そしてRTで終夜撹拌し、次いでこのものを0℃まで冷却し、そしてH
2Oを用いて注意深くクエンチした。3N NaOH水溶液を加え、そして該混合物を真空下で濃縮した。該残渣をCH
2Cl
2およびH
2Oの間で分配した。該水相をCH
2Cl
2を用いて抽出し、そして該有機抽出物を乾燥し(Na
2SO
4を使用)、そして真空下で濃縮した。該残渣をクロマトグラフィー精製(SiO
2、100%hex〜100%EtOAcの連続的な勾配を使用;化合物は、CH
2Cl
2を用いてカラム上に予めロードする)を行なって、無色油状物のD部の化合物(55mg、89%)を得た。
トルエン(500μL)中のD部の化合物(20mg、0.100mmol)、実施例84のD部の化合物
(35mg、0.098mmol)およびシアノメチレントリブチルホスホラン(70μL、0.29mmol)の混合物を70℃で終夜振り混ぜ、次いでこのものを真空下で濃縮した。該残渣をクロマトグラフィー精製(SiO
2、100%hex〜2:3のhex:EtOAcの連続的な勾配を使用)を行なって、黄色油状物のE部の化合物および実施例84のD部の化合物の4:1混合物(32mg、55%)を得た。
[M+H]
+=545.26。
2N LiOH・H
2O溶液、MeOHおよびTHFの1:1:1混合物(1.5mL)中のE部で得られた混合物(32mg、0.053mmol)をRTで2時間撹拌し、次いでこのものを真空下で濃縮した。得られた水溶液を1N塩酸を用いてpH〜3にまで酸性とし、そしてDCM(3×1mL)を用いて抽出した。該有機抽出物を合わせて真空下で濃縮し、そしてプレパラティブHPLC(実施例26の精製についてと同様)によって精製して、固体の標題化合物(22mg、68%)を得た。
[M+H]
+=531.20。
実施例87
DMF(20mL)中の3−ヒドロキシベンズアルデヒド(2g、16.3mmol)溶液に、t−ブチルジメチルシリルクロリド(2.9g、19.6mmol)およびイミダゾール(1.33g、19.6mmol)をRTで加えた。該溶液をRTで2時間撹拌し、次いでこのものをCH
2Cl
2(40mL)および1N NaOH水溶液の間で分配した。該有機層を乾燥し(MgSO
4を使用)、そして真空下で濃縮した。該残渣をクロマトグラフィー精製(SiO
2、9:1のヘキサン:EtOAcを使用)を行なって、油状物のA部の化合物(2.3g、59%)を得た。
CH
2Cl
2(20mL)中のA部の化合物(2.3g、9.7mmol)の溶液に、3−トリフルオロメトキシ−アニリン(1.88g、10.7mmol)、NaBH(OAc)
3(2.4g、11.8mmol)および氷酢酸(2mL)をRTで加えた。該溶液を3時間撹拌し、次いでこのものをCH
2Cl
2(20mL)および飽和NaHCO
3水溶液の間で分配した。該有機層を乾燥し(MgSO
4を使用)、そして真空下で濃縮してB部の粗化合物を得て、このものを更に精製することなく次の工程に使用した。
MeCN(20mL)中のB部の粗化合物、ブロモ酢酸メチル(4.0g、26mmol)およびK
2CO
3(1.6g、11.8mmol)の混合物を90℃で18時間撹拌し、次いでこのものをRTまで冷却し、そして真空下で濃縮した。該残渣をEtOAcおよびブラインの間で分配した。該有機層を乾燥し(MgSO
4を使用)、そして真空下で濃縮して黄色残渣のC部の粗化合物を得て、このものは更に精製することなく次の工程に使用した。
THF(10mL)中のC部の粗化合物の溶液およびフッ化テトラブチルアンモニウム(1M THF溶液の15mL;15mmol)をRTで1時間撹拌し、そしてこれを真空下で濃縮した。該残渣をクロマトグラフィー精製(SiO
2、ヘキサン:EtOAcの4:1を使用)を行なって、油状物のD部の化合物(1.2g、35%)を得た。
MeCN(5mL)中のD部の化合物(20mg、0.05mmol)、実施例12のC部の化合物
(21mg、0.11mmol)およびK
2CO
3(15mg、0.11mmol)の混合物を80℃で12時間撹拌し、次いでこれをRTまで冷却し、そして真空下で濃縮してE部の粗化合物を得て、このものを更に精製することなく次に工程に使用した。
MeOH(2mL)中のE部の粗化合物および1N KOH水溶液(1mL)の溶液をRTで2時間撹拌し、次いでこれを1N塩酸を用いて中和し、そして真空下で濃縮した。該残渣をHPLC(YMC逆相ODS 20×100mmカラム;流速=20mL/分、30:70のB:A〜100%Bの連続的な勾配を10分間+100%Bで5分間保つ、ここで、A=90:10:0.1のH
2O:MeOH:TFAであり;および、B=90:10:0.1のMeOH:H
2O:TFAである)によって精製して、固体の標題化合物(4mg、14%)を得た。
[M+H]
+=500.4。
実施例88
MeCN(20mL)中の実施例87のD部の化合物(0.1g、0.28mmol)、1,2−ジブロモエタン(5mL、12.2mmol)およびK
2CO
3(0.38g、0.28mmol)の混合物を90℃で20時間撹拌し、次いでこれをRTまで冷却し、そして真空下で濃縮した。該残渣をEtOAcおよびブラインの間で分配した。該有機層を乾燥し(MgSO
4を使用)、そして真空下で濃縮して黄色油状物のA部の粗化合物を得て、これを更に精製することなく次の工程に使用した。
CH
2Cl
2(10mL)中のA部の粗化合物およびテトラブチルアンモニウムニトリル(75mg、0.28mmol)の溶液をRTで18時間撹拌し、そして真空下で濃縮した。該残渣をクロマトグラフィー精製(SiO
2、9:1のヘキサン:EtOAcを使用)を行なって、油状物のB部の化合物(70mg、61%)を得た。
MeOH(2mL)中のB部の化合物(55mg、0.13mmol)の溶液に、ヒドロキシルアミン(50%水溶液の17mg、0.53mmol)をRTで加えた。該溶液をRTで18時間撹拌し、そして真空下で濃縮した。該残渣をEtOAcおよびブラインの間で分配した。該有機層を乾燥し(MgSO
4を使用)、そして真空下で濃縮して黄色油状物のC部の化合物を得て、このものを更に精製することなく次の工程に使用した。
CH
2Cl
2(2mL)中のC部の粗化合物の溶液に、ベンゾイルクロリド(18mg、0.13mmol)およびEt
3N(10μL)を加えた。該溶液をRTで2時間撹拌し、次いで真空下で濃縮した。該残渣をピリジン(5mL)中に溶解し、そして80℃で2時間撹拌し、次いでこのものをRTまで冷却し、そして真空下で濃縮してD部の粗化合物を得て、このものを更に精製することなく次の工程に使用した。
MeOH(2mL)中のD部の粗化合物および1N KOH水溶液(1mL)の溶液をRTで2時間撹拌し、次いでこれを1N塩酸を用いて中和し、そして真空下で濃縮した。該残渣をHPLC(YMC逆相ODS 20×100mmカラム;流速=20mL/分、30:70のB:A〜100%Bの連続的な勾配を10分間+100%Bで5分間保つ;ここで、A=90:10:0.1のH
2O:MeOH:TFAであり;および、B=90:10:0.1のMeOH:H
2O:TFAである)によって精製して、標題化合物(5mg、7%)を得た。
[M+H]
+=514.5。