JP2006349559A - 反応容器及びこれを用いた物質の検出方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ウェル状反応部を有する反応容器において、反応系に悪影響与えることなく、ウェル状反応容器の底面側からの検出が感度良くできる検出用反応容器を提供することを目的とする。また、複数のウェル状反応部において、検出にばらつきのない検出用反応容器を提供することを目的とする。さらにこの反応容器を用いた検出法を提供することを目的とする。
【解決手段】基板に、ウェル状反応検出部を有する反応容器において、ウェル状反応検出部の底面と基板の裏面の間の基板の波長400〜650nmにおける平均光線透過率が80%以上であり、かつヘイズが10以下の範囲内であることを特徴とする反応容器とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば抗原抗体反応による抗原の検出及びDNAの検出等に用いられる反応容器及びこれを用いた物質の検出方法に関するものである。
近年、化学反応やDNA反応、たんぱく質反応などをチップ上にて行うμ−Total Analysis System技術やLab−on−Chip技術が研究され実現してきており、今まで大型の実験装置や大量の試薬が必要であった反応実験が数ミリ角以下のチップで少量の試薬で行えるようになってきている。
このようなチップとしては、例えばDNAチップとして、スライドガラス上にプローブDNAを配置し、検体を作用させ、DNAの検出を行うもの(特許文献1参照)や、ガラスなどにウェルと呼ばれる微小な穴やくぼみが形成を形成し、ウェル内で検出反応を行うものなどが知られていた。
ウェルタイプのものとしては、例えば、基板表面に多数のウェルが設けられている検出用基板が開示されている(特許文献2参照)。
これらの検出チップの検出方法はさまざまなものが知られているが、一般的なのは、蛍光検出を用いるもので、ウェル状の反応検出部が存在するチップの上面に蛍光検出部を設け、検出する方法である。
しかし、上面からの検出は、ウェル状反応検出部が複数ある場合、各ウェルの反応液の液量が一定でないと、液面から検出部までの距離にばらつきが生じ正確なデータが得られないことがある。また、ウェル状の反応検出部で反応、検出を行う場合、蒸発を防ぐために、反応液上に反応液より比重の軽いミネラルオイルなどを添加することがある。このような場合、反応液である下層とオイルからなる上層の界面での屈折の影響を受ける可能性がある。特に反応液、オイルの量にばらつきがあると、各ウェルでの条件も変わってくるので正確なデータが得られない。また、上層の液が着色、縣濁していても同様に正確な検出はできない。
一方、下層から検出する場合、液の底面から検出部までの距離は複数のウェルにおいて、同条件にすることが容易であるが、基材の透明性などの光学特性の影響を受けてしまう。例えば、スライドガラスのような光散乱性の基材や着色されている基材など光吸収性の基材を用いた場合、反応液の底面から検出部までの距離は複数のウェルにおいて、同じ条件にすることができるが、基材をはさむため、蛍光が散乱または吸収され、検出感度が落ちてしまう。また、ウェルを作成する際、成型の仕方により底面の表面に凹凸が生じ、それによる光の散乱も考えられる。また、基材には耐薬品性、耐熱性や反応系に悪影響を与えないものなどその他の要求もあり、基材の選定、ウェルの成型法が限定される。
特表平11−512293号公報 WO2003/031972号公報
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、ウェル状反応部を有する反応容器において、反応系に悪影響与えることなく、ウェル状反応容器の底面側からの検出が感度良くできる検出用反応容器を提供することを目的とする。また、複数のウェル状反応部において、検出にばらつきのない検出用反応容器を提供することを目的とする。さらにこの反応容器を用いた検出法を提供することを目的とする。
請求項1記載の発明は、基板に、ウェル状反応検出部を有する反応容器において、ウェル状反応検出部の底面と基板の裏面の間の基板の波長400〜650nmにおける平均光線透過率が80%以上であり、かつヘイズが10以下の範囲内であることを特徴とする反応容器である。
請求項2記載の発明は、前記ウェル状反応検出部の底面と基板の裏面の間の距離が0.3以上1mm未満であることを特徴とする請求項1記載の反応容器である。
請求項3記載の発明は、前記ウェル状反応検出部の底面が平坦であることを特徴とする請求項1又は2に記載の反応容器である。
請求項4記載の発明は、前記ウェル状反応検出部が複数であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の反応容器である。
請求項5記載の発明は、前記基材がシクロオレフィン系樹脂又はメチルペンテン系樹脂であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の反応容器である。
請求項6記載の発明は、さらにウェル状の試薬収容部を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の反応容器である。
請求項7記載の発明は、さらにPCR反応部を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の反応容器である。
請求項8記載の発明は、基板にウェル状反応検出部を有し、かつウェル状反応部の底面と基板の裏面の間の基板の波長400〜650nmにおける平均光線透過率が80%以上であり、かつヘイズが10以下であるウェル状反応検出部内に認識物質を注入する工程と、ウェル状反応検出部に検出物質を注入する工程とを有し、前記認識物質又は前記検出物質のいずれかが蛍光標識されており、前記認識物質と前記検出物質との反応の有無を前記ウェル状反応検出部の底部側から蛍光検出する工程を有することを特徴とする物質の検出方法である。
請求項9記載の発明は、前記検出物質が核酸であることを特徴とする請求項7記載の物質の検出方法である。
本発明によれば、ウェル状反応部を有する検出用の反応容器において、反応系に悪影響与えることなく、ウェル状の底面側から感度良く反応の有無を検出できる。また複数のウェル状反応部において、検出にばらつきのなく反応の有無を検出できる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1に、本発明における一実施形態を示す図を示す。図1は、略長方形の板状の基板に、試料及び試薬を反応させるためのウェル状反応検出部が複数形成されている。
本発明に用いる基板は、透明性が高く、反応系に悪影響を与えないものであればよい。
このようなものとして、例えば、PC(ポリカーボネート)、PP(ポリプロピレン)、シクロオレフィン系ポリマー、フッ素ポリマー、シリコン樹脂などを用いることができる。
中でも透明性、耐熱性、耐薬品性や反応系に対する影響などの点からシクロオレフィン系樹脂(ゼオノア(日本ゼオン株式会社製))やメチルペンテン系樹脂(TPX(三井化学株式会社製))を用いることが好ましい。
このような合成樹脂を用いて基板を作成すれば、耐熱性、耐薬品性、成形加工性などに優れているため好ましい。さらに、2種類以上の樹脂を接合して用いてもよい。この場合、それぞれの樹脂の特徴を活かして基板を作成することにより、試薬及び試料等の特性に応じた多様な基板とすることが可能となり、用途ごとに使い分けることができる。例えば、基板の上半分と下半分とで材料を分けたりすることも可能となる。また、後述の試薬収容部やPCR反応部など部分ごとに材料を分けることもできる。
なお、基板の素材としてガラスを用いてもよい。
そして、基板には、ウェル状の反応検出部を備える。
ウェル状反応検出部は、基材がプラスチック、合成樹脂系であれば切削加工、成型加工により形成することができる。ガラスであれば切削加工により形成することができる。
また、ウェル状反応検出部は複数有することができる。
本発明では、基板の下部方向からの高感度な発光検出のため、ウェル状反応部の底面と基板の裏面の間の基板の波長400〜650nmにおける平均光線透過率が80%以上であり、かつヘイズが10以下の範囲内であることが必要である。
蛍光検出における蛍光波長は主に400〜650nmの間であり、この範囲で平均光線透過率が80%以上、好ましくは85%以上であることがよい。80%未満であると、検出の際の発光強度が落ち、バックグランドの影響も大きくなり、精度の高い検出は困難になる。例えばDNA関連技術などライフサイエンス分野における各反応は、用いる試料の量が少なく、また用いる蛍光物質もμlレベルと非常に少ない。そのため、他の分野に比べそれほど強い強度は望めない。もともとの発光強度が強ければ、基材の光線透過率が低くても検出は可能であるが、ライフサイエンス分野の分析に用いられる蛍光物質の場合、前述の範囲内であることが好ましい。
なお、光線透過率は前記範囲が好ましいが、励起用の光の波長及び検出用の蛍光波長の±30nmの範囲内での光線透過率が80%以上、好ましくは85%以上であってもよい。
なお、ライフサイエンス分野で用いられる蛍光標識物質としては、例えばFAM(励起波長470nm、蛍光波長520nm)、RED(励起波長570nm、蛍光波長620nm)などがある。
ヘイズが10より大きいと、散乱により検出部に届く発光が減少し、高感度な検出が困難になる。なお、ここでいうヘイズは、異なる3点で測定した平均値をいう。
ウェルの形状は、底部が平坦であることが好ましい。底部先端が球面上や尖がっている円錐形状であると光が、屈折または散乱し感度良く検出できない。
また、ウェル底部の表面の中心線平均粗さ(Ra)は低い方が好ましい。前述のヘイズは、基材そのものの性質や膜厚に関係するが、同様の性質、膜厚の基材であれば、Raが低い方がヘイズ値が低くなるため好ましい。具体的には、中心線平均粗さ(Ra)が5μm未満、好ましくは1μm未満であることが好ましい。なお、中心線平均粗さ(Ra)は、公知のレーザー顕微鏡を用いて測定できる。
また、気泡の混入など反応液の注入性を考慮すると、ウェル開口部から底面まで壁面が傾斜している円錐台形状であることが好ましい。このような形状であれば気泡の混入なく液を注入できる。
また、ウェルの大きさは、特に限定はしないが、ライフサイエンス分野では極微量での反応、検出が行われることが多く、開口部の直径及び深さが5mm以下、特に0.01mm〜5mmの範囲内であればよい。
又、ウェル状反応検出部の内表面は、平滑であることが好ましい。底部においてはヘイズ、光線透過率などの光学特性が向上し、側面においては液の充填が容易になるためである。
また、ウェルの底部から基材の裏面までの距離(図1(b)参照)は0.3mm以上1mm未満であることが好ましい。0.3mm未満であると反応時の熱などで変形などを起こす可能性がある。1mm以上であると透明性が低下し、検出感度が落ちる。上記範囲内であれば成形によるミスショットも少なくなり、好ましい。
また、ウェル状反応検出部内への試液の充填を行いやすくするために、親水化処理を施しても良い。具体的には、純水との接触角が60度未満、好ましくは30度未満であるとよい。このような親水化処理としては、例えば、大気圧プラズマ処理により行うことができる。
なお、接触角の測定は、公知の接触角計を用いて測定し、反応液の充填には、分注器、注射器、シリンジ等を用いて充填する。又、親水化処理は大気圧プラズマ処理に限られず、コロナ処理や、コーティング処理で行っても良い。
また、同一基板上に、試薬収容部を設けても良い(図2、3、4参照)。試薬収容部はウェル状に形成することができ、大きさなどに特に制限はない。試薬収容部は用いる試薬の種類などに応じて複数設けることができる。例えば、試薬収容部には検出物質を含む溶液や、認識物質が複数あり、多段階反応を行う場合は、1種の認識物質を含む溶液、またはその他バッファー、希釈液などを入れておくことができる。
また、DNAの検出反応に用いる場合、同一チップ上にPCR反応部を設けても良い(図3参照)。
PCR反応部を設けることにより、同一チップ上で検体の調整、DNAの検出を行うことができる。
PCR反応部としては、ウェル状の反応部を設けても良いし、流路を設け流路内で反応を行っても良い。
また、その他の反応部を設けても良い。
また、ウェル状反応検出部同士を接続する流路を設けてもよい(図4参照)。またウェル状反応検出部と試薬収容穴部、PCR反応部、その他の反応部を接続する流路を設けてもよい。これら流路を形成することにより、連続した反応を行わせることが可能となる。これにより、検査時間の短縮が図れるとともに微量な試料及び試薬で各種の分析を行うことができ、コストの削減を実現することができる。
本発明の反応容器は、様々な生化学系の反応用として用いることができ、例えば抗原抗体反応及びDNA反応の検出などに用いることができる。
本発明でいう検出物質とは、検出をしようとする対象物質のことで、認識物質とは、検出物質を特定するために用いる物質のことを言う。
抗原抗体反応による抗原検出の場合、例えば、予め各ウェル状反応検出部内に認識物質として抗原を含む試料を入れておき、後から検出物質として抗体を含む試薬を添加し、認識物質または、検出物質のいずれかに標識物質を付けておくことで、反応の有無を検出できる。標識物質としては、蛍光などの発光物質が一般的に用いられる。なおこの場合、基板上に試薬収容部を設けて置き、検出物質を収容しておいてもよい。
DNAの検出の場合、例えば、予めウェル状反応検出部内に認識物質として核酸プローブを用意しておく。次に、検出物質として検体DNAをウェル状反応検出部に供給し、核酸プローブと検体DNAのハイブリダイゼーション反応により、DNAの検出を行うことができる。その際、検出物質に標識物質を付けておけば、その標識物質の有無を検出することにより検出が可能となる。また、検体DNAは、血液等から抽出したDNAをPCR法、LAMP法などにより調整しておいたものを用いることができる。また、認識物質である核酸プローブとして配列の異なる核酸を複数用意することで検出物質としての検体DNAがどのような配列であるかを検出することができる。なおこの場合、基板上に試薬収容部を設けて置き、検出物質を収容しておいてもよい。
また、基板上にPCR反応部を設けておき、チップ上で連続して、血液などから抽出したDNAをPCR反応により増幅させ、それを検体とし、反応検出部で認識物質との反応の有無を検出してもよい。具体的には、例えばウェル状試薬収容部に検出物質として血液などから抽出したDNAを収容しておき、分注動作により、PCR反応部へ分注し、PCR反応により調整した検出物質をウェル状の反応検出部へ分注すればよい。ウェル状試薬収容部からPCR反応部、ウェル状反応検出部へは流路を用いて送液しても良い。
また、一塩基遺伝子多型(SNP)の解析にも用いることができる。なお、認識物質は複数あってもよく、検出物質が蛍光標識されていない場合には、認識物質のひとつが標識されていればよい。
また、標識物質は、反応した認識物質と検出物質に特有に作用するものを、認識物質と検出物質の反応後に加えることもできる。このようなものとしては、DNAの検出におけるインターカレーターなどがある。また、ここでいう標識物質とは間接的なものも含む。すなわち、蛍光物質などに結合する物質を標識物質として認識物質または検出物質に結合させておき、後から蛍光物質を加えても良い。
また、多段階反応を行ってSNPまたはDNAを検出してもよい。
例えば、インベーダー・アッセイ法(サードウェイブテクノロジーズ,Inc(米国ウィスコンシン州マディソン市)を用いても良い。これによりSNP解析の具現化を図ることが可能となる。
この場合、認識物質が複数種でもよく、予めウェル状反応検出部内に少なくとも1種の認識物質を入れておき、その後、検出物質と認識物質を同時または順次注入し、反応をおこなっても良い。
また、ウェル状反応検出部、PCR反応部には、反応用液の乾燥を防ぐ目的でミネラルオイルなどの反応用液より比重の軽い溶液を加えても良い。
また、認識物質はウェル状反応検出部内に固定してもよいし、固定させずに保持させておくだけでもよい。
また、前記ウェル状反応検出部、試薬収容部、PCR反応部には、フィルムなどのフタ材で被覆しても良い。
本発明では、ウェル状反応検出部での反応の有無を反応容器下部方向からの蛍光検出により検出することを特徴とする。
図5に一例を示す。図5において、反応容器1の下部方向に励起源10、蛍光検出部9を有しており、励起源9より蛍光物質を励起することのできる波長の光を照射し、励起光により励起され、発した蛍光を蛍光検出部9により検出する。
次に、上述した反応容器を実際に試験に用いる場合について、説明する。
<実施例>
(チップ作成(成形))
図1のウェル形状の検出チップを、成形により作成する。成形に用いた樹脂は、日本ポリプロ株式会社ノバティックPP MA04Aを用いて成形品を作成した。成形温度は210℃、型締め力は50tonF、金型温度は20℃、計量値24mmで行った。成形機は住友重機械工業サイキャップM3で成形を行い、スクリュー系はφ35mmである。検出部底厚は0.3mmで成形を行った。
(ウェル内の透過率測定)
透過率測定装置(オリンパス OSP−SP200)を用いて、ウェル内の透過率測定を行ったところ、470nmでは透過率84.3%、520nmでは85.2%であった。また、570nmでは透過率は86.4%、620nmでは87.4%であった。
ウェル内のヘイズの値は測定が困難であった為、0.3mm板を射出成形にて作成して、板のヘイズの値を、ヘイズメーター(NIPPON DENSHOKU HAZE Meter NDH 2000)を用い測定した。測定値は、異なる3点を測定した平均値は5.06(5.14, 5.08, 4.98)であった。
また、ウェル底部の中心線平均粗さをOLYMPUS 走査型レーザー顕微鏡 OLS1100により測定した。なお、3箇所で測定した平均の値を用いた。得られた値は0.508μmであった。
(インベーダー反応)
インベーダー反応はインベーダーアッセイキット(ThirdWaveTechonogy社製に順ずる)。
ウェル状反応検出部にインベーダープローブ0.15μlを加えて、乾燥させた。
検出物質としてPCR反応により調整済みのPCR産物1μlに対して、インベーダー試薬3.644μl、蛍光物質としてFAMが結合しているFRET 0.75μl、Clevase 0.75μlを乾燥させたインベーダープローブが底に乾燥しているウェル状反応検出部に2μlずつ加える。ミネラルオイルを4μl加えて、61℃、40分間インベーダー反応を行う。反応が完了したら、蛍光検出を行った。なお、ここでいうインベーダープローブ、インベーダー試薬、FRET、Clevaseは認識物質である。
(蛍光検出)
反応容器の下2mm厚の場所に測定の設定を行い、リアルタイムPCR(ABI PRISM 7000)を用いて検出した。
なお、反応及び蛍光検出は3つのウェルで行った。結果を図6に示す。
<比較例>
(チップ作成(成形))
図1のウェル形状の検出チップを、成形により作成する。成形に用いた樹脂は、日本ポリプロ株式会社ノバティックPP MA04Aを用いて成形品を作成した。成形温度は210℃、型締め力は50tonF、金型温度は20℃、計量値24mmで行った。成形機は住友重機械工業サイキャップM3で成形を行い、スクリュー系はφ35mmである。検出部底厚の厚さは、形状は図と同じだが、検出部厚は1.0mmにして成形を行った。
(ウェル内の透過率測定)
実施例と同様の方法でウェル内の透過率測定を行ったところ、470nmでは透過率72.1%、520nmでは75.7%であった。また、570nmでは透過率は78.8%、620nmでは80.9%であった。
ウェル内のヘイズの値は測定が困難であった為、1.0mm板を射出成形にて作成して、板のヘイズの値を、ヘイズメーター(NIPPON DENSHOKU HAZE Meter NDH 2000)を用い測定した。測定値は、異なる3点を測定した平均値は11.89(11.94, 12.83, 10.91)であった。
また、ウェル底部の中心線平均粗さをOLYMPUS 走査型レーザー顕微鏡 OLS1100により測定した。なお、3箇所で測定した平均の値を用いた。得られた値は0.579μmであった。
(インベーダー反応)
インベーダー反応はインベーダーアッセイキット(ThirdWaveTechonogy社製に順ずる)。
ウェル状反応検出部にインベーダープローブ0.15μlを加えて、乾燥させた。
検出物質としてPCR反応により調整済みのPCR産物1μlに対して、インベーダー試薬3.644μl、蛍光物質としてFAMが結合しているFRET 0.75μl、Clevase 0.75μlを乾燥させたインベーダープローブが底に乾燥しているウェル状反応検出部に2μlずつ加える。ミネラルオイルを4μl加えて、61℃、40分間インベーダー反応を行う。反応が完了したら、蛍光検出を行った。なお、ここでいうインベーダープローブ、インベーダー試薬、FRET、Clevaseは認識物質である。
(蛍光検出)
反応容器の下2mm厚の場所に測定の設定を行い、リアルタイムPCR(ABI PRISM 7000)を用いて検出した。
なお、反応及び蛍光検出は3つのウェルで行った。結果を図7に示す。
<評価>
図6、7より実施例のサンプルはいずれも18分ぐらいから強度が一定になり、また強度も高いものとなった。それに対し比較例のサンプルは、20分過ぎても強度が一定にならず、判定が困難であり、また最終的に一定になった強度も低いものとなった。さらに実施例のサンプルは3つともばらつきのないデータが得られたが、比較例のサンプルでは多少のばらつきがみられた。
また、強度が一定になるまでの時間、グラフの傾きを用いて分析する場合、実施例に比べ比較例は判定が困難なものとなる。
本発明の反応容器の一例を示す概略図である。 本発明の反応容器の一例を示す概略図である。 本発明の反応容器の一例を示す概略図である。 本発明の反応容器の一例を示す概略図である。 本発明の反応容器を用いた蛍光検出を説明する概略図である。 実施例の蛍光測定の結果を示すグラフ図である。 比較例の蛍光測定の結果を示すグラフ図である。
符号の説明
1 反応容器
2 基板
3 ウェル状反応検出部
4 ウェル状反応検出部底部と基板裏面間の距離
5 試薬収納部
6 PCR反応部(流路タイプ)
7 流路
8 反応溶液
9 蛍光検出部
10 励起源

Claims (9)

  1. 基板に、ウェル状反応検出部を有する反応容器において、ウェル状反応検出部の底面と基板の裏面の間の基板の波長400〜650nmにおける平均光線透過率が80%以上であり、かつヘイズが10以下の範囲内であることを特徴とする反応容器。
  2. 前記ウェル状反応検出部の底面と基板の裏面の間の距離が0.3以上1mm未満であることを特徴とする請求項1記載の反応容器。
  3. 前記ウェル状反応検出部の底面が平坦であることを特徴とする請求項1又は2に記載の反応容器。
  4. 前記ウェル状反応検出部が複数であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の反応容器。
  5. 前記基材がシクロオレフィン系樹脂又はメチルペンテン系樹脂であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の反応容器。
  6. さらにウェル状の試薬収容部を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の反応容器。
  7. さらにPCR反応部を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の反応容器。
  8. 基板にウェル状反応検出部を有し、かつウェル状反応部の底面と基板の裏面の間の基板の波長400〜650nmにおける平均光線透過率が80%以上であり、かつヘイズが10以下であるウェル状反応検出部内に認識物質を注入する工程と、ウェル状反応検出部に検出物質を注入する工程とを有し、前記認識物質又は前記検出物質のいずれかが蛍光標識されており、前記認識物質と前記検出物質との反応の有無を前記ウェル状反応検出部の底部側から蛍光検出する工程を有することを特徴とする物質の検出方法。
  9. 前記検出物質が核酸であることを特徴とする請求項7記載の物質の検出方法。
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