JP2006342461A - ポリエステル複合繊維 - Google Patents
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Abstract
【課題】 柔らかな風合いと弾力性に富み、更に洗濯耐久性に優れかつ良好な制電性及び変色防止性を有し、優れた嵩高性と嵩高回復性とを発揮することのできる、三次元捲縮を有するポリエステル複合繊維を提供する。
【解決手段】 2種類のポリマーがサイドバイサイド型に接合され、その繊維断面が中空断面であり、少なくとも一方がポリトリメチレンテレフタレートを主体としたポリエステルであり、下記要件の全てを満足することを特徴とするポリエステル複合繊維。(1)中空率が5〜50%(2)捲縮率が10〜40%(3)180℃における乾熱収縮率が3.0%以下(4)繊維表面がシリコーン系高分子膜で被覆されており、そのシリコーン系高分子膜が下記[A]および[B]を必須成分として含む[A]:アルコキシ末端アミノ変性シリコーン[B]:アミノアルコキシシラン
【選択図】図1
【解決手段】 2種類のポリマーがサイドバイサイド型に接合され、その繊維断面が中空断面であり、少なくとも一方がポリトリメチレンテレフタレートを主体としたポリエステルであり、下記要件の全てを満足することを特徴とするポリエステル複合繊維。(1)中空率が5〜50%(2)捲縮率が10〜40%(3)180℃における乾熱収縮率が3.0%以下(4)繊維表面がシリコーン系高分子膜で被覆されており、そのシリコーン系高分子膜が下記[A]および[B]を必須成分として含む[A]:アルコキシ末端アミノ変性シリコーン[B]:アミノアルコキシシラン
【選択図】図1
Description
本発明は、柔らかな風合いと弾力性に富み、更に洗濯耐久性に優れかつ良好な制電性及び変色防止性を有し、優れた嵩高性と嵩高回復性とを発揮することのできる、三次元捲縮を有するポリエステル複合繊維に関するものである。
ポリエチレンテレフタレートに代表される芳香族ポリエステルからなる合成繊維は物理的特性に優れており、加工性、取り扱い易さなどに優れた特性を有しているため、広範囲にわたって利用されている。衣料用としては勿論のこと、産業資材用、衛材用途、あるいは布団、クッションに代表される中入れ綿用及び固綿用途に近年多量に使用されている。しかしながら、ポリエチレンテレフタレート繊維からなるポリエステル中入れ綿は、嵩高性は有しているものの、風合いが粗硬であるという欠点がある。
中入れ綿に提供される素材の要求特性としては、軽量かつ嵩高であり、反発性があること、また経時的に黄変せず、洗濯後も特性を保持していることが望まれる。またカード通過性の点から、制電性が良いことが挙げられる。
また、固綿用途に提供される素材の要求特性としては、形状保持性であり、熱処理を施す際に収縮が小さいことが望まれる。
これらの課題を解決するため従来よりポリトリメチレンテレフタレートを用いた繊維が提案されている。
例えば、熱収縮特性の異なる2種類のポリエステルからなり、少なくとも一方をポリトリメチレンテレフタレートであるサイドバイサイド型複合繊維が提案されているが(特許文献1)、嵩高性・反発性に優れるものの風合いが不十分である。また、異方冷却・オルガノポリシロキサンを主成分とする処理剤を付与した三次元捲縮をもつポリトリメチレンテレフタレート繊維が提案されているが(特許文献2)、風合いは改善されているものの、制電性が不十分であり、かつ黄変し易く、繊維上での架橋・固着が弱いため、洗濯耐久性に欠けるなどの欠点を有する。
特開2003−227037号公報
特開2003−49334号公報
本発明の目的は、上述した問題点を解決し、従来技術では達成できなかった、柔らかな風合いと弾力性に富み、更に洗濯耐久性に優れかつ良好な制電性及び変色防止性を有し、優れた嵩高性と嵩高回復性とを発揮することのできる、三次元捲縮を有するポリエステル複合繊維を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明に達した。
すなわち、本発明は以下の通りである。
1.2種類のポリマーがサイドバイサイド型に接合され、その繊維断面が中空断面であり、少なくとも一方がポリトリメチレンテレフタレートを主体としたポリエステルであり、下記要件の全てを満足することを特徴とするポリエステル複合繊維。
(1)中空率が5〜50%
(2)捲縮率が10〜40%
(3)180℃における乾熱収縮率が3.0%以下
(4)繊維表面がシリコーン系高分子膜で被覆されており、そのシリコーン系高分子膜が下記[A]および[B]を必須成分として含む。
[A]:アルコキシ末端アミノ変性シリコーンまたはヒドロキシ末端アミノ変性シリコーン
[B]:アミノアルコキシシラン
2.シリコーン系高分子膜が、さらに下記[C]〜[E]の少なくとも1種を副成分として含むことを特徴とする1.記載のポリエステル複合繊維。
[C]:カチオン系界面活性剤
[D]:アニオン系界面活性剤
[E]:ノニオン系界面活性剤
3.シリコーン系高分子膜が、前記[A]〜[E]成分を、下式の比率(重量比)で含むことを特徴とする2.記載のポリエステル複合繊維。
([A]+[B])/([C]+[D]+[E])=50/50〜90/10
すなわち、本発明は以下の通りである。
1.2種類のポリマーがサイドバイサイド型に接合され、その繊維断面が中空断面であり、少なくとも一方がポリトリメチレンテレフタレートを主体としたポリエステルであり、下記要件の全てを満足することを特徴とするポリエステル複合繊維。
(1)中空率が5〜50%
(2)捲縮率が10〜40%
(3)180℃における乾熱収縮率が3.0%以下
(4)繊維表面がシリコーン系高分子膜で被覆されており、そのシリコーン系高分子膜が下記[A]および[B]を必須成分として含む。
[A]:アルコキシ末端アミノ変性シリコーンまたはヒドロキシ末端アミノ変性シリコーン
[B]:アミノアルコキシシラン
2.シリコーン系高分子膜が、さらに下記[C]〜[E]の少なくとも1種を副成分として含むことを特徴とする1.記載のポリエステル複合繊維。
[C]:カチオン系界面活性剤
[D]:アニオン系界面活性剤
[E]:ノニオン系界面活性剤
3.シリコーン系高分子膜が、前記[A]〜[E]成分を、下式の比率(重量比)で含むことを特徴とする2.記載のポリエステル複合繊維。
([A]+[B])/([C]+[D]+[E])=50/50〜90/10
本発明によれば、柔らかな風合いと弾力性に富み、更に洗濯耐久性に優れかつ良好な制電性及び変色防止性を有し、優れた嵩高性と嵩高回復性とを発揮する事のできる、三次元捲縮を有するポリエステル複合繊維を提供できる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の複合繊維は少なくとも一方がポリトリメチレンテレフタレート(PTT)を主体としたポリエステルである。本発明において、複合繊維の一方の成分を構成するポリエステルは、主たる繰り返し単位がトリメチレンテレフタレート単位よりなるポリエステルである。ここで、主たる繰り返し単位がトリメチレンテレフタレート単位よりなるポリエステルとは、テレフタル酸を主たる酸成分とし、1,3−プロパンジオールを主たるグリコール成分として得られるポリエステルである。但し、20モル%以下、より好ましくは、10モル%以下の割合でエステル結合の形成が可能な共重合成分を含むものであってもよい。
本発明の複合繊維は少なくとも一方がポリトリメチレンテレフタレート(PTT)を主体としたポリエステルである。本発明において、複合繊維の一方の成分を構成するポリエステルは、主たる繰り返し単位がトリメチレンテレフタレート単位よりなるポリエステルである。ここで、主たる繰り返し単位がトリメチレンテレフタレート単位よりなるポリエステルとは、テレフタル酸を主たる酸成分とし、1,3−プロパンジオールを主たるグリコール成分として得られるポリエステルである。但し、20モル%以下、より好ましくは、10モル%以下の割合でエステル結合の形成が可能な共重合成分を含むものであってもよい。
共重合可能な成分としては、例えば、イソフタル酸、コハク酸、シクロヘキサンジカルボン酸等のジカルボン酸類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコール等のジオール類を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
また必要に応じて、艶消し剤となる二酸化チタン、滑剤としてのシリカやアルミナの微粒子、抗酸化剤としてのヒンダードフェノール誘導体、着色顔料、安定剤、蛍光剤、抗菌剤、消臭剤、強化剤などを添加してもよい。
本発明の複合繊維に使用される他方のポリマーとしては、特に限定されるものではないが、主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレート単位主体のポリエステルが好ましい。好ましい具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、またはエチレンテレフタレート単位を構成する成分以外の第3成分を共重合した、共重合ポリエチレンテレフタレートなどが挙げられる。上記第3成分は極力少ない方が好ましく、具体的には全ジカルボン酸成分に対して10モル%以下であることが好ましい。上記第3成分は、ジカルボン酸成分またはグリコール成分のいずれでも良い。
なお、上記第3成分としては、酸成分として、フタル酸、イソフタル酸、5−ナトリウムスルフォイソフタル酸、アジピン酸、セバシン酸等が挙げられ、グリコール成分として、エチレングリコール、ブチレングリコール、[2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニルプロパン)]、2,2−ビス{4−(β−ヒドロキシエトキシ)フェニル}プロパン等が挙げられる。
本発明の繊維は、2種類のポリマーがサイドバイサイド型に接合され、少なくとも一方がPTTを主体としたポリエステルからなる複合繊維である。本発明の複合繊維における2種類のポリマーの複合比率(重量比率)は25/75〜75/25が好ましい。この範囲を外れると、紡糸工程において口金から吐出された時の糸条曲がりが大きく、紡糸不調となり好ましくない。ソフト性や反発性の面から、40/60〜60/40がより好ましい。
本発明の複合繊維において、PTTの固有粘度は溶融紡糸を円滑に行う観点から、0.7〜1.5程度であればよい。また、複合繊維を構成する2種のポリマーの固有粘度差を0.10以上とすることが好ましく、より好ましくは0.20以上である。また、紡糸性を損なわないようにする観点から2種のポリマーの固有粘度差が0.70以下とすることが好ましい。
本発明の複合繊維の単繊維繊度は、好ましくは0.1〜50dtexであり、より好ましくは4〜30dtexである。
本発明で用いられる複合繊維の繊維断面は中空断面であり、中空率は5〜50%である必要がある。なお、ここで言う中空率とは、繊維断面の外形から求めた面積に対する中空部分の面積比を百分率で表したものである。中空率が5%未満であると捲縮付与性が悪くなり反発性に劣るものとなり、50%を越えると中空部のつぶれやクラックが発生しやすくなり好ましくない。
捲縮数については、特に限定されないが、優れた嵩高反発性を得るためには、9〜30山/25mmが好ましく、より好ましくは10〜25山/25mmである。
本発明の複合繊維の捲縮率は10〜40%であり、好ましくは15〜30%である。捲縮率が10%未満では嵩高性が十分発生されず、一方、捲縮率が40%を越えると、絡合性が高くなり過ぎ、もつれが生じ、カード通過性が悪くなる。
本発明の複合繊維の180℃における乾熱収縮率は3.0%以下、好ましくは2.0%以下でなければならない。乾熱収縮率が3%を越えるとバインダー繊維と混綿し、加熱成型し固綿にする際、複合繊維が収縮し、固綿成型品の品位が悪くなり好ましくない。
本発明における複合繊維は、優れた嵩高反発性及び優れた風合いを得るため、繊維表面がシリコーン系高分子膜で覆われており、滑り性に優れ、短繊維が非常に解れやすいことを特徴としている。これによって、短繊維が均一に分散され、綿の粗密性が極めて少ない、高品位な繊維製品を製造することが可能となる。
本発明の複合繊維はシリコーン系高分子膜により皮膜されており、本発明におけるシリコーン系高分子膜は該シリコーン系高分子膜が下記[A]および[B]を必須成分として含むことが好ましい。
[A]:アルコキシ末端アミノ変性シリコーンまたはヒドロキシ末端アミノ変性シリコーン
[B]:アミノアルコキシシラン
本発明におけるアルコキシ末端アミノ変性シリコーンまたはヒドロキシ末端アミノ変性シリコーンとは、一般式(1)に示すものが好ましく、アミノ等量が1000〜10000、25℃における粘度が100〜10000mPa・sであるとさらに好ましい。
[A]:アルコキシ末端アミノ変性シリコーンまたはヒドロキシ末端アミノ変性シリコーン
[B]:アミノアルコキシシラン
本発明におけるアルコキシ末端アミノ変性シリコーンまたはヒドロキシ末端アミノ変性シリコーンとは、一般式(1)に示すものが好ましく、アミノ等量が1000〜10000、25℃における粘度が100〜10000mPa・sであるとさらに好ましい。
好ましい具体例としては、メトキシ末端アミノ変性シリコーンなどが挙げられる。
本発明におけるアミノアルコキシシランとは、一般式(2)に示すものが好ましい。
好ましい具体例としては、メチルジメトキシジアミノシランなどが挙げられる。
本発明におけるシリコーン系高分子膜が該必須成分の他に副成分として下記[C]〜[E]の少なくとも1種を含むことがさらに好ましい。
[C]:カチオン系界面活性剤
[D]:アニオン系界面活性剤
[E]:ノニオン系界面活性剤
本発明におけるカチオン系界面活性剤とは、柔軟制電剤であり、第4級アンモニウムサルフェート塩や第4級アンモニウムホスフェート塩が好ましく、一般式(3)に示す第4級アンモニウムホスフェート塩がさらに好ましい。
[C]:カチオン系界面活性剤
[D]:アニオン系界面活性剤
[E]:ノニオン系界面活性剤
本発明におけるカチオン系界面活性剤とは、柔軟制電剤であり、第4級アンモニウムサルフェート塩や第4級アンモニウムホスフェート塩が好ましく、一般式(3)に示す第4級アンモニウムホスフェート塩がさらに好ましい。
好ましい具体例としては、トリメチルラウリルアンモニウムジメチルホスフェートなどが挙げられる。
本発明におけるアニオン系界面活性剤とは、制電平滑剤あるいは必須成分同士の反応触媒であり、炭素数8〜22の金属石鹸が好ましく、炭素数12〜18の金属石鹸がさらに好ましい。また金属石鹸の金属としてはアルカリ金属が好ましい。好ましい具体例としては、ラウリン酸カリウムなどが挙げられる。
本発明におけるノニオン系界面活性剤とは、主成分を乳化できるものであれば特に限定されず、例えばポリオキシアルキレン脂肪族エーテル、ポリオキシアルキレン芳香族エーテル等である。好ましい具体例としては、ポリオキシエチレントリデシルアルコールなどが挙げられる。
本発明の複合繊維の繊維表面を被覆するシリコーン系高分子膜は、前記[A]〜[E]成分を、下式の比率(重量比)で含むことが重要である。
([A]+[B])/([C]+[D]+[E])=50/50〜90/10
すなわち、必須成分と副成分との比率が上記式を満たす範囲内でありことが必要であり、好ましくは、60/40〜80/20である。[A]+[B]が50未満であると風合いが悪くなり、逆に90を越えると制電性が悪くなり、工程通過不良等の問題が発生する。また黄変するなど製品として粗悪なものとなる。
([A]+[B])/([C]+[D]+[E])=50/50〜90/10
すなわち、必須成分と副成分との比率が上記式を満たす範囲内でありことが必要であり、好ましくは、60/40〜80/20である。[A]+[B]が50未満であると風合いが悪くなり、逆に90を越えると制電性が悪くなり、工程通過不良等の問題が発生する。また黄変するなど製品として粗悪なものとなる。
本発明のシリコーン系高分子膜は、シリコーン系油剤として繊維に付与することにより付着せしめ、皮膜形成を行うことができる。油剤の複合繊維への付着量は、特に限定されないが、一般的に繊維重量対比0.01〜10重量%が好ましく、初期嵩高性を考慮すると、より好ましくは、0.1〜1重量%が良い。
本発明の複合繊維は、例えば次の方法により製造することができる。例えば特開平2003−227037号公報図3に示される吐出スリット形状を有する複合紡糸口金から、2種類のポリマを紡糸して、サイドバイサイド型中空断面糸を紡出直後に冷却空気を強く吹き付けて冷却し、中空サイドバイサイド型未延伸糸を得る。これらの未延伸糸を収束後、延伸し、押し込み式捲縮機などにより軽度の機械捲縮を付与し、切断して短繊維を得る。繊維に油剤スプレー方式などにて給油付与し、熱処理を施し複合繊維を得る。
以下、実施例によって本発明を詳しく説明するが、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。
(1)固有粘度:
o−クロロフェノール溶液中、25℃で測定した溶液粘度から算出した。
o−クロロフェノール溶液中、25℃で測定した溶液粘度から算出した。
(2)繊度:
JIS L−1015に示される方法により繊度(dtex)の測定を行った。
JIS L−1015に示される方法により繊度(dtex)の測定を行った。
(3)捲縮率:
JIS L−1015に示される方法により捲縮率の測定を行った。
JIS L−1015に示される方法により捲縮率の測定を行った。
(4)中空率:
日本光学社製光学顕微鏡により糸断面写真を撮影し、図1に示すように、糸(中空断面短繊維)1の中空部を含む外形から求められる面積(A)および中空断面の中空部2の面積(B)を求め、次式より算出し、測定回数を20回として、その値の平均値を中空率とした。
中空率(%)=(B/A)×100。
日本光学社製光学顕微鏡により糸断面写真を撮影し、図1に示すように、糸(中空断面短繊維)1の中空部を含む外形から求められる面積(A)および中空断面の中空部2の面積(B)を求め、次式より算出し、測定回数を20回として、その値の平均値を中空率とした。
中空率(%)=(B/A)×100。
(5)180℃における乾熱収縮率:
JIS L−1015に示される方法により180℃における乾熱収縮率の測定を行った。
JIS L−1015に示される方法により180℃における乾熱収縮率の測定を行った。
(6)熱黄変度:
試料綿1gを170℃の温度下で24時間静置する前とした後の繊維サンプルを、各々開繊して繊維が平行となるよう引きそろえた繊維サンプルをスガ社製「カラーコンピューター;型式SM−3」を用いてb値を測定した。静置後のb値から静置前のb値を差し引いたΔb値を熱黄変度とし、1以下を良好なものとした。
試料綿1gを170℃の温度下で24時間静置する前とした後の繊維サンプルを、各々開繊して繊維が平行となるよう引きそろえた繊維サンプルをスガ社製「カラーコンピューター;型式SM−3」を用いてb値を測定した。静置後のb値から静置前のb値を差し引いたΔb値を熱黄変度とし、1以下を良好なものとした。
(7)帯電圧:
試料綿を温度30℃、相対湿度40%の条件下で12時間静置した後、スライバーの目付が4.3g/mとなるように試料綿を投入する。カード機として豊田自動織機製作所(株)製「TOYODA CK−7D」を使用し、該カード工程において、該温湿度条件50m/分の速度で走行している幅30cmとしたウェッブ上10cmの帯電圧[V]を測定した。該測定を5回繰り返し行い、その値の平均値が−500〜500[V]を望ましいものとした。
試料綿を温度30℃、相対湿度40%の条件下で12時間静置した後、スライバーの目付が4.3g/mとなるように試料綿を投入する。カード機として豊田自動織機製作所(株)製「TOYODA CK−7D」を使用し、該カード工程において、該温湿度条件50m/分の速度で走行している幅30cmとしたウェッブ上10cmの帯電圧[V]を測定した。該測定を5回繰り返し行い、その値の平均値が−500〜500[V]を望ましいものとした。
(8)風合い耐久性:
側地25cm×25cm(40番/40番:T120本/L120本(インチ))のダウンプルーフに目付0.04g/cm2の開繊した試料綿を詰め込み、JIS 1096−1990 6.23のA法に示される方法により10回洗濯後、その風合いを触感により3段階で判定し、羽毛調の滑り性のあることを望ましいとした。
側地25cm×25cm(40番/40番:T120本/L120本(インチ))のダウンプルーフに目付0.04g/cm2の開繊した試料綿を詰め込み、JIS 1096−1990 6.23のA法に示される方法により10回洗濯後、その風合いを触感により3段階で判定し、羽毛調の滑り性のあることを望ましいとした。
(9)風合い(ソフト性・反発性):
10人のパネラーが手で押した時の触感(風合い;ソフト性・反発性)をランクづけで、非常に良好(10点)、良好(8点)、普通(5点)、不良(0点)として評価し、その平均点が8点を超える場合を非常に良好(◎)とし、7点以上8点以下を良好(○)、4〜7点未満を普通(△)、4点未満を不良(×)として評価した。
10人のパネラーが手で押した時の触感(風合い;ソフト性・反発性)をランクづけで、非常に良好(10点)、良好(8点)、普通(5点)、不良(0点)として評価し、その平均点が8点を超える場合を非常に良好(◎)とし、7点以上8点以下を良好(○)、4〜7点未満を普通(△)、4点未満を不良(×)として評価した。
(実施例1)
固有粘度[η]が1.3のPTTと、固有粘度[η]が0.65のエチレンテレフタレートとを、複合溶融紡糸装置によって口金孔から紡糸温度280℃にて、複合比率50:50とし、452g/分の吐出量、1200m/分の速度で巻き取り、中空サイドバイサイド型未延伸糸を得た。これらの未延伸糸を収束後、延伸倍率3.0倍、延伸温度80℃で延伸し、押し込み式捲縮機で機械捲縮を付与した後、51mmに切断して捲縮率25%の短繊維を得た。該繊維に表1に示す油剤(1)をスプレー方式にて繊維に対し0.5重量%となるように給油付与し、165℃×10分の熱処理を施した。得られた綿は、良好な反発性を示し、黄変もなく、風合いも良好なものが得られた。得られた複合繊維をカード開繊後、ウェッブを積層し、20cm×20cmに切り出し(目付:100g/cm2)、160℃の熱風で1分熱処理した。得られたウェッブは収縮もなく、表面品位も優れていた。結果を表2に示す。
固有粘度[η]が1.3のPTTと、固有粘度[η]が0.65のエチレンテレフタレートとを、複合溶融紡糸装置によって口金孔から紡糸温度280℃にて、複合比率50:50とし、452g/分の吐出量、1200m/分の速度で巻き取り、中空サイドバイサイド型未延伸糸を得た。これらの未延伸糸を収束後、延伸倍率3.0倍、延伸温度80℃で延伸し、押し込み式捲縮機で機械捲縮を付与した後、51mmに切断して捲縮率25%の短繊維を得た。該繊維に表1に示す油剤(1)をスプレー方式にて繊維に対し0.5重量%となるように給油付与し、165℃×10分の熱処理を施した。得られた綿は、良好な反発性を示し、黄変もなく、風合いも良好なものが得られた。得られた複合繊維をカード開繊後、ウェッブを積層し、20cm×20cmに切り出し(目付:100g/cm2)、160℃の熱風で1分熱処理した。得られたウェッブは収縮もなく、表面品位も優れていた。結果を表2に示す。
(実施例2、3)
実施例1で得られた短繊維に表1に示す油剤 (2)、(3)を各々スプレー方式にて繊維に対して0.5重量%となるように給油付与し、165℃×10分の熱処理を施した。得られた綿は、実施例1同様、良好な制電性及び変色防止性、優れた反発性を有しており、風合いも良好なものが得られた。実施例1と同様の方法で作成、熱処理したウェッブは収縮もなく、表面品位も優れていた。結果を表2に示す。
実施例1で得られた短繊維に表1に示す油剤 (2)、(3)を各々スプレー方式にて繊維に対して0.5重量%となるように給油付与し、165℃×10分の熱処理を施した。得られた綿は、実施例1同様、良好な制電性及び変色防止性、優れた反発性を有しており、風合いも良好なものが得られた。実施例1と同様の方法で作成、熱処理したウェッブは収縮もなく、表面品位も優れていた。結果を表2に示す。
(比較例1、2)
実施例1で得られた短繊維に表1に示す油剤 (4)、(5)をスプレー方式にて繊維に対して0.5重量%となるように給油付与し、145℃×10分の熱処理を施した。得られた綿は、制電性が悪く熱処理により変色し、風合いも劣るものであった。実施例1と同様の方法で作成、熱処理したウェッブは収縮が大きいものとなった。結果を表2に示す。
実施例1で得られた短繊維に表1に示す油剤 (4)、(5)をスプレー方式にて繊維に対して0.5重量%となるように給油付与し、145℃×10分の熱処理を施した。得られた綿は、制電性が悪く熱処理により変色し、風合いも劣るものであった。実施例1と同様の方法で作成、熱処理したウェッブは収縮が大きいものとなった。結果を表2に示す。
(比較例3)
繊維断面をサイドバイサイド型と変更した以外は実施例1と同様の手法で溶融、紡糸、延伸、切断し、捲縮率9%の短繊維を得た。該繊維に表1に示す油剤(1)をスプレー方式にて繊維に対し0.5重量%となるように給油付与し、145℃×10分の熱処理を施した。得られた綿は、黄変もなく、風合いも良好であったが嵩高性及び反発性に劣るものであった。実施例1と同様の方法で作成、熱処理したウェッブは収縮が大きいものとなった。結果を表2に示す。
繊維断面をサイドバイサイド型と変更した以外は実施例1と同様の手法で溶融、紡糸、延伸、切断し、捲縮率9%の短繊維を得た。該繊維に表1に示す油剤(1)をスプレー方式にて繊維に対し0.5重量%となるように給油付与し、145℃×10分の熱処理を施した。得られた綿は、黄変もなく、風合いも良好であったが嵩高性及び反発性に劣るものであった。実施例1と同様の方法で作成、熱処理したウェッブは収縮が大きいものとなった。結果を表2に示す。
(比較例4)
固有粘度[η]が0.65のポリエチレンテレフタレートと、固有粘度[η]が0.50のポリエチレンテレフタレートとを用い、実施例1と同様の手法で溶融、紡糸、延伸、切断し、捲縮率16%の短繊維を得た。該繊維に表2−(1)に示す油剤をスプレー方式にて繊維に対し0.5重量%となるように給油付与し、145℃×10分の熱処理を施した。得られた綿は、良好な反発性は示したが、風合いに劣るものとなった。実施例1と同様の方法で作成、熱処理したウェッブは収縮が大きいものとなった。結果を表2に示す。
固有粘度[η]が0.65のポリエチレンテレフタレートと、固有粘度[η]が0.50のポリエチレンテレフタレートとを用い、実施例1と同様の手法で溶融、紡糸、延伸、切断し、捲縮率16%の短繊維を得た。該繊維に表2−(1)に示す油剤をスプレー方式にて繊維に対し0.5重量%となるように給油付与し、145℃×10分の熱処理を施した。得られた綿は、良好な反発性は示したが、風合いに劣るものとなった。実施例1と同様の方法で作成、熱処理したウェッブは収縮が大きいものとなった。結果を表2に示す。
表1中で使用した化合物は次のとおりである。
メトキシ末端アミノ変性シリコーン(アミノ等量=4000):(製品名:Y057(吉村油化社製))
メトキシ末端アミノ変性シリコーン(アミノ等量=2000)
ヒドロキシ末端アミノ変性シリコーン(アミノ等量=1500)
ヒドロキシ末端エポキシ変性シリコーン(エポキシ等量=4000)
アミノエチルアミノプロピル・メチル・ジメトキシシラン:(製品名:Y058(吉村油化社製))
アミノプロピル・メチル・ジメトキシシラン:(製品名:Y058(吉村油化社製))
トリメチルラウリル・ジメチルホスフェート:(製品名:Y057(吉村油化社製))
ラウリン酸カリウム:(製品名:Y057(吉村油化社製))
トリデシルアルコールEOA:(製品名:Y057(吉村油化社製))
メトキシ末端アミノ変性シリコーン(アミノ等量=4000):(製品名:Y057(吉村油化社製))
メトキシ末端アミノ変性シリコーン(アミノ等量=2000)
ヒドロキシ末端アミノ変性シリコーン(アミノ等量=1500)
ヒドロキシ末端エポキシ変性シリコーン(エポキシ等量=4000)
アミノエチルアミノプロピル・メチル・ジメトキシシラン:(製品名:Y058(吉村油化社製))
アミノプロピル・メチル・ジメトキシシラン:(製品名:Y058(吉村油化社製))
トリメチルラウリル・ジメチルホスフェート:(製品名:Y057(吉村油化社製))
ラウリン酸カリウム:(製品名:Y057(吉村油化社製))
トリデシルアルコールEOA:(製品名:Y057(吉村油化社製))
1:糸(中空断面短繊維)
2:糸(中空断面短繊維)中の中空部
2:糸(中空断面短繊維)中の中空部
Claims (3)
- 2種類のポリマーがサイドバイサイド型に接合され、その繊維断面が中空断面であり、少なくとも一方がポリトリメチレンテレフタレートを主体としたポリエステルであり、下記要件の全てを満足することを特徴とするポリエステル複合繊維。
(1)中空率が5〜50%
(2)捲縮率が10〜40%
(3)180℃における乾熱収縮率が3.0%以下
(4)繊維表面がシリコーン系高分子膜で被覆されており、そのシリコーン系高分子膜が下記[A]および[B]を必須成分として含む。
[A]:アルコキシ末端アミノ変性シリコーンまたはヒドロキシ末端アミノ変性シリコーン
[B]:アミノアルコキシシラン - シリコーン系高分子膜が、さらに下記[C]〜[E]の少なくとも1種を副成分として含むことを特徴とする請求項1記載のポリエステル複合繊維。
[C]:カチオン系界面活性剤
[D]:アニオン系界面活性剤
[E]:ノニオン系界面活性剤 - シリコーン系高分子膜が、前記[A]〜[E]成分を、下式の比率(重量比)で含むことを特徴とする請求項2記載のポリエステル複合繊維。
([A]+[B])/([C]+[D]+[E])=50/50〜90/10
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JP2005113308A (ja) * | 2003-10-07 | 2005-04-28 | Solotex Corp | 捲縮を有する異形中空ポリトリメチレンテレフタレート繊維 |
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2005
- 2005-06-09 JP JP2005169352A patent/JP2006342461A/ja active Pending
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