JP2002054029A - 高捲縮性ポリエステル系複合繊維 - Google Patents
高捲縮性ポリエステル系複合繊維Info
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Abstract
ンテレフタレートをサイドバイサイド型に複合し、極限
粘度比と複合比率を選択し、繊維収縮率に対して適切な
見掛け収縮率と捲縮伸長率を付与することによって優れ
た伸縮性、捲縮発現性および保持性を有した高捲縮性ポ
リエステル系複合繊維。 【解決手段】ポリトリメチレンテレフタレートとポリエ
チレンテレフタレートの極限粘度比、該2成分の極限粘
度比、該2成分の複合比率が35:65〜65:35で
あり、繊維収縮率に対する見掛け収縮率の比が下記式を
満足し、かつ捲縮伸長率が50%以上である高捲縮性ポ
リエステル系複合繊維。 (イ)0.4≦([ηb]/[ηa])≦0.8 [ηa]:A成分の極限粘度 [ηb]:B成分の極限粘度 (ロ)6≦(Sa/Sb)≦12 Sa:見掛け収縮率 Sb:繊維収縮率
Description
ポリエステル系複合繊維に関するものであり、詳しくは
熱収縮性の異なる2種の繊維形成性ポリエステル系重合
体からなるサイドバイサイド型複合繊維において、一方
の重合体の繰り返し単位の80モル%以上がトリメチレ
ンテレフタレートであるポリトリメチレンテレフタレー
トであり、他方の重合体が極限粘度の低い繰り返し単位
の80モル%以上がエチレンテレフタレートであるポリ
エチレンテレフタレートであることを特徴とする優れた
伸縮性・捲縮発現性とその保持性を有する高捲縮性ポリ
エステル系複合繊維に関するものである。
体をサイドバイサイド型に複合紡糸することによって捲
縮糸を得る技術は公知であり、またポリエステル系の複
合糸に関しても、既に数多くの方法が提案されている。
しかしながら、得られる捲縮糸の伸縮性、嵩高性あるい
は捲縮発現力の諸性質などの問題についてはいまだ十分
満足のいくものではない。
に優れた性質を兼ね備えた複合繊維を提供することであ
る。
る2種類の重合体に何を選ぶかは、技術的にも経済的に
も重要な問題である。
イド型複合糸では、一般に近似した重合体は接着性は良
いが、接着性、相溶性に乏しい2成分、例えばポリアミ
ドとポリエステルのようなものをサイドバイサイド型に
接合してなる複合糸は、紡糸後の外力によって両成分の
界面が剥離してしまうため、目的の捲縮糸を得ることが
できない。
レンテレフタレートを用いて、サイドバイサイド型に複
合し捲縮糸を得る技術は従来より公知であり、数多くの
方法が提案されているが、単に極限粘度の異なるポリエ
チレンテレフタレートを用いただけでは、得られる捲縮
糸の伸縮性、捲縮発現性、品位などについて十分満足の
いくものではなく、また複合紡糸時の吐出糸条の彎曲な
どにより安定した操業を困難にするなど多くの問題があ
る。
トとポリエチレンテレフタレートからなるポリエステル
系複合繊維が種々提案されている。例えば特開平11−
189923号公報では、ポリエチレンテレフタレート
とそれより低粘度のポリトリメチレンテレフタレートを
用いたサイドバイサイド型複合繊維が開示されている
が、ポリエチレンテレフタレートをポリエチレンテレフ
タレートより低粘度とすると、発現する捲縮形態の大部
分について、捲縮コイル内側がポリエチレンテレフタレ
ート成分、外側がポリトリメチレンテレフタレート成分
となるために、得られる捲縮糸の伸縮性、捲縮発現性に
ついて十分満足のいくものではなく、また伸縮性、捲縮
発現性の保持性も非常に低いものとなり、実質的には極
限粘度の異なる2成分のポリエチレンテレフタレートを
用いて、サイドバイサイド型に複合し捲縮糸を得る公知
の技術と変わりのないものとなってしまうなどの問題が
あった。
のような従来技術の有する欠点・問題点を解消し、ポリ
トリメチレンテレフタレートに対し適切な割合で極限粘
度の低いポリメチレンテレフタレートを用い、適切な範
囲の複合比率を選択することによって、優れた伸縮性と
捲縮発現性およびその保持性を併せ持つ高捲縮性ポリエ
ステル系複合繊維を提供することにある。
本発明は以下の構成を採用する。すなわち、(1)繰り
返し単位の80モル%以上がトリメチレンテレフタレー
トであるポリトリメチレンテレフタレートからなるA成
分と、繰り返し単位の80モル%以上がエチレンテレフ
タレートであるポリエチレンテレフタレートからうるB
成分とをサイドバイサイド型に貼り合わせた複合繊維に
おいて、該2成分の極限粘度比が下記(イ)式を満足
し、該2成分の複合比率が35:65〜65:35であ
るとともに、繊維収縮率に対する見掛け収縮率の比が下
記(ロ)式を満足し、かつ捲縮伸長率が50%以上であ
ることを特徴とする高捲縮性ポリエステル系複合繊維。
ートおよび/またはポリエチレンテレフタレートが、ス
ルホン酸基を有する芳香族ジカルボン酸成分またはその
誘導体を0.5〜5モル%共重合されているものである
ことを特徴とする前記(1)記載のポリエステル系複合
繊維。
する。本発明で使用するA成分は、繰り返し単位の80
モル%以上、好ましくは90モル%以上がトリメチレン
テレフタレート単位で構成されたポリトリメチレンテレ
フタレートである。ここで、トリメチレンテレフタレー
ト単位が80モル%未満になると十分な伸縮性が得られ
にくくなる。
%以上、好ましくは90モル%以上がエチレンテレフタ
レートで構成されているものである。繰り返し単位が8
0モル%未満になると、ポリエチレンテレフタレートが
本来有する寸法安定性および染色物としての耐洗濯性、
耐候性などが低下してしまう。
比は、次式を満足するものである。
を上回る場合、発現する捲縮形態が不均一なものとな
り、あるいは捲縮コイルの内側がポリエチレンテレフタ
レート成分、外側がポリトリメチレンテレフタレート成
分となるために、得られる捲縮糸の伸縮性、捲縮発現性
について十分満足のいくものではなくなる。
[ηa])が、0.4を下回る場合、発現する捲縮形態
は微細なものとなるが、得られる捲縮糸の伸縮性、捲縮
発現性の保持性が非常に低くなるばかりでなく、実際に
織編物に使用した場合には、織編組織による拘束力、例
えばヨコ糸に使用した場合の織組織におけるタテ糸によ
る拘束力、タテ糸に使用した場合の織組織におけるヨコ
糸の拘束力などにより、伸縮性、捲縮性の発現が抑制さ
れてしまい好ましくない。すなわち、2成分の極限粘度
比([ηb]/[ηa])は、0.4以上0.8以下の
範囲内とすることが重要であり、好ましくは0.45〜
0.6の範囲である。
は十分な伸縮性と捲縮発現性およびその保持性を得るた
めに、35:65〜65:35の範囲とするものであ
る。例えば、A成分とB成分の複合比率が30:70あ
るいは70:30の比率で複合した場合は、十分な伸縮
性と捲縮発現性およびその保持性が得られにくくなる。
収縮率の比は、次式を満足するものである。
6を下回る場合、発現する捲縮は粗雑かつ不均一なもの
となり、高捲縮性とはなりにくいものとなる。また、織
編物に使用した場合、ストレッチバック性や嵩高性が十
分でなくなる。また、繊維収縮率に対する見掛け収縮率
の比(Sa/Sb)が12を上回る場合、発現する捲縮
が過密なものとなり、織編物に使用した場合に、ゴワツ
キ感が出たり表面凹凸感の劣るものとなるばかりでな
く、織編物の柔軟さが損なわれ、製品の風合いを大きく
損ねる。
率の比(Sa/Sb)は、6〜12の範囲とするもので
あり、好ましくは7〜12である。
捲縮伸長率は50%以上あるものである。捲縮伸長率が
50%を下回る場合、捲縮発現性が低下してしまい、織
編物に使用すると、織編組織による拘束力、例えばヨコ
糸に使用した場合の織組織におけるタテ糸による拘束
力、タテ糸に使用した場合の織組織におけるヨコ糸の拘
束力などにより、伸縮性、捲縮性の発現が抑制されてし
まい、通常のポリエステル系マルチフィラメントを用い
た場合と殆ど差がなくなるため好ましくない。捲縮伸長
率は好ましくは60%以上である。
レートおよび/またはポリエチレンテレフタレートは、
スルホン酸基を有する芳香族ジカルボン酸成分およびそ
の誘導体を0.5〜5モル%共重合していることが好ま
しい。織編物とした場合の染色加工時の易染性などを発
揮するものである。また、共重合する成分として、芳香
族ジカルボン酸類や、脂肪族ジカルボン酸類、脂肪族ジ
オール類、脂環式ジオール類、芳香族ジオール類、ある
いはそれにエチレンオキサイドなどを付加した高分子ジ
オール類などを用いても良く、具体的にはアジピン酸、
ナフタリン−2,6−ジカルボン酸、セバシン酸、5−
ナトリウムスルホイソフタル酸、5−ナトリウムスルホ
テレフタル酸、5−カリウムスルホイソフタル酸、5−
カリウムスルホテレフタル酸、5−リチウムスルホイソ
フタル酸、3,5−ジ(カルボ−β−ヒドロキシエトキ
シ)ベンゼンスルホン酸ナトリウム、3,5−ジ(カル
ボ−β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼンスルホン酸リチ
ウム、3,5−ジ(カルボ−β−ヒドロキシエトキシ)
ベンゼンスルホン酸カリウム、5−ナトリウムスルホイ
ソフタル酸ジメチル、5−カリウムスルホイソフタル酸
ジメチル、5−リチウムスルホイソフタル酸ジメチル、
1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリ
メチレングリコール、シクロヘキサンジオール、ビスフ
ェノールA、ビスフェノールスルホン、ビスフェノール
AのEO付加物、ビスフェノールスルホンのEO付加物
などを好ましく用いることができる。なお、共重合成分
は1種に限らず、2種以上併用しても良いが、耐熱性の
点から、総共重合量は15モル%以下とすることが好ま
しく、より好ましくは10モル%以下である。
は、製造方法について特に限定するものではなく、通常
の複合紡糸機を用いれば良く、複合紡糸した糸を一旦巻
き取ることなく、加熱延伸する直接紡糸延伸法を採用し
ても良く、また複合紡糸した糸を一旦巻き取った後に加
熱延伸する方法を採用しても良い。
明する。
け収縮率、繊維収縮率、捲縮伸長率、製品風合いは次に
示す内容のものである。
クロルエタンの等重量混合溶媒に重合体を0.1g/1
0mlの割合で100℃で溶解させ、25℃に冷却後、
ウツベローデ型粘度計を用いて硫下時間を測定し、次式
より求める。
0−1)}1/2]/(2・k・C) k:0.343 t:試料溶液の流下時間 t0:混合溶媒溶液の流下時間 C:(試料g数/フェノールとテトラクロルエタンの重
量)×100 B.見掛け収縮率:原長560mmのカセを作り、一方
を固定した状態で0.001cN/dtexの測定荷重
を掛けて、原長La1を測定する。沸水処理を15間施
した後、1分間冷水処理し、風乾後に0.001cN/
dtexの荷重を掛けて、処理後長La2を測定し、次
式より求めた値(%)である。
2)/La1}×100 C.繊維収縮率:原長560mmのカセを作り、一方を
固定した状態で0.18cN/dtexの測定荷重を掛
けて、原長Lb1を測定する。沸水処理を15間施した
後、1分間冷水処理し、風乾後に0.18cN/dte
xの荷重を掛けて、処理後長Lb2を測定し、次式より
求めた値(%)である。
2)/Lb1}×100 D.捲縮伸長率:原長560mmのカセを作り、0.0
01cN/dtexの荷重を掛けて30秒後のカセ長L
c1を測定し、次に0.18cN/dtexの荷重を掛
けて30秒後のカセ長Lc2を測定し、次式より求めた
値(%)である。
/Lc1}×100 E.製品風合い:本発明により得られた複合繊維に20
0回/mの撚りを与えて加撚糸とし、この加撚糸をタテ
糸とヨコ糸に用いて平織物とし、通常のポリエステル染
色工程によって捲縮発現処理、染色仕上げ加工を行った
織編物について、ストレッチバック性、嵩高性、表面凹
凸感について、熟練者5名による官能評価を行い、スト
レッチバック性、嵩高性、表面凹凸感の優れたものから
順に次のような4段階評価を行った。
ON UCT−100で、JISL 1013(化学繊
維フィラメント糸試験方法)に示される条件で測定し
た。
タレートとB成分に極限粘度0.450のポリエチレン
テレフタレートを用い、極限粘度比0.466とし、市
販の複合紡糸機により35:65〜65:35の複合比
率で紡速1500m/min、延伸倍率3.0〜4.5
倍の条件により、サイドバイサイド型複合糸を直接紡糸
延伸により紡糸し、伸度20〜30%レベルである56
デシテックス24フィラメントの複合マルチフィラメン
ト糸を得た。
ドバイサイド型複合糸としたが、繊維収縮率に対する見
掛け収縮率の比は7.2となった。また捲縮伸長率は5
4.8%となり、この糸を用いた製品におけるストレッ
チバック性や嵩高性はやや弱いが表面凹凸感の優れた風
合いを得た。
ドバイサイド型複合糸としたが、繊維収縮率に対する見
掛け収縮率の比は9.0となった。また捲縮伸長率は6
8.1%となり、この糸を用いた製品におけるストレッ
チバック性、嵩高性、表面凹凸感の優れた風合いを得
た。
ドバイサイド型複合糸としたが、繊維収縮率に対する見
掛け収縮率の比は6.5であった。また捲縮伸長率は6
0.9%となり、この糸を用いた製品は嵩高性がやや低
くなったが、表面凹凸感には問題なく、ストレッチバッ
ク性は良好なものを得た。
タレートとB成分に極限粘度0.398のポリエチレン
テレフタレートを用い、極限粘度比0.410とし、複
合比率を50:50としたサイドバイサイド型複合糸を
得た。繊維収縮率に対する見掛け収縮率の比は11.4
となった。また、捲縮伸長率は66.2%となり、この
糸を用いた製品においては、表面凹凸感がやや目立つも
のの、ストレッチバック性および嵩高性は良好なものを
得た。
タレートとB成分に極限粘度0.770のポリエチレン
テレフタレートを用い、極限粘度比0.798とし、複
合比率を50:50としたサイドバイサイド型複合糸を
得た。繊維収縮率に対する見掛け収縮率の比は6.6と
なった。また、捲縮伸長率は51.9%となり、この糸
を用いた製品においては、嵩高性はやや劣るものの、ス
トレッチバック性および表面凹凸感は共に問題のないも
のを得た。
タレートを用い、B成分に5−ナトリウムスルホイソフ
タル酸を2.0モル%共重合した極限粘度0.570の
ポリエチレンテレフタレートを用い、極限粘度比0.5
90とし、複合比率を50:50としたサイドバイサイ
ド型複合糸を得た。繊維収縮率に対する見掛け収縮率の
比は8.3であり、捲縮伸長率は70.1%となった。
この糸を用いた製品の風合いは、ストレッチバック性、
嵩高性、表面凹凸感ともに優れたものを得た。また、得
られた複合糸は、Diacry Br.Blue H2
R−N(三菱化成(株)製カチオン染料)などのカチオ
ン染料での染色が可能となり、優れた発色性を発揮し
た。
ル%共重合した極限粘度1.028のポリトリメチレン
テレフタレートを用い、B成分に極限粘度0.450の
ポリエチレンテレフタレートを用い、極限粘度比0.4
40とし、複合比率を50:50としたサイドバイサイ
ド型複合糸を得た。繊維収縮率に対する見掛け収縮率の
比は9.7であり、捲縮伸長率は73.3%となった。
この糸を用いた製品の風合いは、ストレッチバック性、
嵩高性、表面凹凸感ともに優れたものを得た。また、得
られた複合糸は、実施例6と同様にカチオン染料での染
色が可能となり、優れた発色性を発揮した。
ル%共重合した極限粘度1.028のポリトリメチレン
テレフタレートを用い、B成分に5−ナトリウムスルホ
イソフタル酸を0.5モル%共重合した極限粘度0.5
70のポリエチレンテレフタレートを用い、極限粘度比
0.550とし、複合比率を50:50としたサイドバ
イサイド型複合糸を得た。繊維収縮率に対する見掛け収
縮率の比は10.0であり、捲縮伸長率は71.9%と
なった。この糸を用いた製品の風合いは、ストレッチバ
ック性、嵩高性、表面凹凸感ともに優れたものを得た。
また、得られた複合糸は、実施例6および実施例7と同
様にカチオン染料での染色が可能となり、優れた発色性
を発揮した。
タレートとB成分に極限粘度0.450のポリエチレン
テレフタレートを用い、極限粘度比0.466とし、複
合比率を30:70としたサイドバイサイド型複合糸を
得た。繊維収縮率に対する見掛け収縮率の比は5.1で
あり、また、捲縮伸長率は39.9%となり高捲縮性ポ
リエステル複合糸といえないものとなった。この糸を用
いた製品においては、ストレッチバック性、嵩高性、表
面凹凸感の劣る風合いとなった。
タレートとB成分に極限粘度0.450のポリエチレン
テレフタレートを用い、極限粘度比0.466とし、複
合比率を70:30としたサイドバイサイド型複合糸を
得た。繊維収縮率に対する見掛け収縮率の比は6.2で
あったが、捲縮伸長率は42.4%となり、発現した捲
縮は粗雑で不均一なものとなり、高捲縮性ポリエステル
複合糸といえないものとなった。この糸を用いた製品に
おいては、表面凹凸感は問題ないものの、ストレッチバ
ック性および嵩高性が不十分なものとなった。
タレートとB成分に極限粘度0.330のポリエチレン
テレフタレートを用い、極限粘度比0.342とし、複
合比率を50:50としたサイドバイサイド型複合糸を
得た。繊維収縮率に対する見掛け収縮率の比は13.0
となり、捲縮伸長率は55.2%となった。発現した捲
縮は過密なものとなり、また発現した捲縮の保持性が低
いために、粗雑で不均一なものとなり、高捲縮性ポリエ
ステル複合糸といえないものとなった。この糸を用いた
製品においては、嵩高性はあるものの、ストレッチバッ
ク性が劣り、ゴワツキ感のある表面凹凸感の劣る風合い
となった。
タレートとB成分に極限粘度0.877のポリエチレン
テレフタレートを用い、極限粘度比0.9090とし、
複合比率を50:50としたサイドバイサイド型複合糸
を得た。繊維収縮率に対する見掛け収縮率の比は5.1
となり、捲縮伸長率は33.4%となった。発現した捲
縮は粗雑かつ不均一なものとなり、高捲縮性ポリエステ
ル複合糸といえないものとなった。また、この糸を用い
た製品においては、ストレッチバック性、嵩高性、表面
凹凸感共に劣る風合いとなった。
ば、ポリトリメチレンテレフタレートとポリエチレンテ
レフタレートをサイドバイサイド型に複合し、適切な極
限粘度比と複合比率を選択し、繊維収縮率に対して適切
な範囲の見掛け収縮率と適切な捲縮伸長率を付与するこ
とによって優れた伸縮性、捲縮発現性および保持性を有
する高捲縮性ポリエステル系複合繊維を得ることができ
る。
Claims (2)
- 【請求項1】繰り返し単位の80モル%以上がトリメチ
レンテレフタレートであるポリトリメチレンテレフタレ
ートからなるA成分と、繰り返し単位の80モル%以上
がエチレンテレフタレートであるポリエチレンテレフタ
レートからなるB成分とをサイドバイサイド型に貼り合
わせた複合繊維において、該2成分の極限粘度比が下記
(イ)式を満足し、該2成分の複合比率が35:65〜
65:35の範囲にあるとともに、繊維収縮率に対する
見掛け収縮率の比が下記(ロ)式を満足し、かつ捲縮伸
長率が50%以上であることを特徴とするポリエステル
系複合繊維。 (イ)0.4≦([ηb]/[ηa])≦0.8 ただし、[ηa]:A成分の極限粘度 [ηb]:B成分の極限粘度 (ロ)6≦(Sa/Sb)≦12 ただし、Sa:見掛け収縮率 Sb:繊維収縮率 - 【請求項2】複合繊維を形成するポリトリメチレンテレ
フタレートおよび/またはポリエチレンテレフタレート
が、スルホン酸基を有する芳香族ジカルボン酸成分また
はその誘導体を0.5〜5モル%共重合されているもの
であることを特徴とする請求項1記載のポリエステル系
複合繊維。
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