JP2002054029A - 高捲縮性ポリエステル系複合繊維 - Google Patents

高捲縮性ポリエステル系複合繊維

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JP2002054029A
JP2002054029A JP2000376513A JP2000376513A JP2002054029A JP 2002054029 A JP2002054029 A JP 2002054029A JP 2000376513 A JP2000376513 A JP 2000376513A JP 2000376513 A JP2000376513 A JP 2000376513A JP 2002054029 A JP2002054029 A JP 2002054029A
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ratio
shrinkage
fiber
component
intrinsic viscosity
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JP2000376513A
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Yoshitoki Mori
義斉 森
Masahide Matsumura
正英 松村
Koichi Sato
晃一 佐藤
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ポリトリメチレンテレフタレートとポリエチレ
ンテレフタレートをサイドバイサイド型に複合し、極限
粘度比と複合比率を選択し、繊維収縮率に対して適切な
見掛け収縮率と捲縮伸長率を付与することによって優れ
た伸縮性、捲縮発現性および保持性を有した高捲縮性ポ
リエステル系複合繊維。 【解決手段】ポリトリメチレンテレフタレートとポリエ
チレンテレフタレートの極限粘度比、該2成分の極限粘
度比、該2成分の複合比率が35:65〜65:35で
あり、繊維収縮率に対する見掛け収縮率の比が下記式を
満足し、かつ捲縮伸長率が50%以上である高捲縮性ポ
リエステル系複合繊維。 (イ)0.4≦([ηb]/[ηa])≦0.8 [ηa]:A成分の極限粘度 [ηb]:B成分の極限粘度 (ロ)6≦(Sa/Sb)≦12 Sa:見掛け収縮率 Sb:繊維収縮率

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高捲縮性を有する
ポリエステル系複合繊維に関するものであり、詳しくは
熱収縮性の異なる2種の繊維形成性ポリエステル系重合
体からなるサイドバイサイド型複合繊維において、一方
の重合体の繰り返し単位の80モル%以上がトリメチレ
ンテレフタレートであるポリトリメチレンテレフタレー
トであり、他方の重合体が極限粘度の低い繰り返し単位
の80モル%以上がエチレンテレフタレートであるポリ
エチレンテレフタレートであることを特徴とする優れた
伸縮性・捲縮発現性とその保持性を有する高捲縮性ポリ
エステル系複合繊維に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、2種類の収縮特性の異なった重合
体をサイドバイサイド型に複合紡糸することによって捲
縮糸を得る技術は公知であり、またポリエステル系の複
合糸に関しても、既に数多くの方法が提案されている。
しかしながら、得られる捲縮糸の伸縮性、嵩高性あるい
は捲縮発現力の諸性質などの問題についてはいまだ十分
満足のいくものではない。
【0003】本発明の目的は、伸縮性、捲縮発現性など
に優れた性質を兼ね備えた複合繊維を提供することであ
る。
【0004】さて、複合糸条を構成する熱収縮性の異な
る2種類の重合体に何を選ぶかは、技術的にも経済的に
も重要な問題である。
【0005】例えば、捲縮性を目的とするサイドバイサ
イド型複合糸では、一般に近似した重合体は接着性は良
いが、接着性、相溶性に乏しい2成分、例えばポリアミ
ドとポリエステルのようなものをサイドバイサイド型に
接合してなる複合糸は、紡糸後の外力によって両成分の
界面が剥離してしまうため、目的の捲縮糸を得ることが
できない。
【0006】一方、極限粘度の異なる2成分のポリエチ
レンテレフタレートを用いて、サイドバイサイド型に複
合し捲縮糸を得る技術は従来より公知であり、数多くの
方法が提案されているが、単に極限粘度の異なるポリエ
チレンテレフタレートを用いただけでは、得られる捲縮
糸の伸縮性、捲縮発現性、品位などについて十分満足の
いくものではなく、また複合紡糸時の吐出糸条の彎曲な
どにより安定した操業を困難にするなど多くの問題があ
る。
【0007】このため、ポリトリメチレンテレフタレー
トとポリエチレンテレフタレートからなるポリエステル
系複合繊維が種々提案されている。例えば特開平11−
189923号公報では、ポリエチレンテレフタレート
とそれより低粘度のポリトリメチレンテレフタレートを
用いたサイドバイサイド型複合繊維が開示されている
が、ポリエチレンテレフタレートをポリエチレンテレフ
タレートより低粘度とすると、発現する捲縮形態の大部
分について、捲縮コイル内側がポリエチレンテレフタレ
ート成分、外側がポリトリメチレンテレフタレート成分
となるために、得られる捲縮糸の伸縮性、捲縮発現性に
ついて十分満足のいくものではなく、また伸縮性、捲縮
発現性の保持性も非常に低いものとなり、実質的には極
限粘度の異なる2成分のポリエチレンテレフタレートを
用いて、サイドバイサイド型に複合し捲縮糸を得る公知
の技術と変わりのないものとなってしまうなどの問題が
あった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
のような従来技術の有する欠点・問題点を解消し、ポリ
トリメチレンテレフタレートに対し適切な割合で極限粘
度の低いポリメチレンテレフタレートを用い、適切な範
囲の複合比率を選択することによって、優れた伸縮性と
捲縮発現性およびその保持性を併せ持つ高捲縮性ポリエ
ステル系複合繊維を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
本発明は以下の構成を採用する。すなわち、(1)繰り
返し単位の80モル%以上がトリメチレンテレフタレー
トであるポリトリメチレンテレフタレートからなるA成
分と、繰り返し単位の80モル%以上がエチレンテレフ
タレートであるポリエチレンテレフタレートからうるB
成分とをサイドバイサイド型に貼り合わせた複合繊維に
おいて、該2成分の極限粘度比が下記(イ)式を満足
し、該2成分の複合比率が35:65〜65:35であ
るとともに、繊維収縮率に対する見掛け収縮率の比が下
記(ロ)式を満足し、かつ捲縮伸長率が50%以上であ
ることを特徴とする高捲縮性ポリエステル系複合繊維。
【0010】 (イ)0.4≦([ηb]/[ηa])≦0.8 ただし、[ηa]:A成分の極限粘度 [ηb]:B成分の極限粘度 (ロ)6≦(Sa/Sb)≦12 ただし、Sa:見掛け収縮率 Sb:繊維収縮率 (2)複合繊維を形成するポリトリメチレンテレフタレ
ートおよび/またはポリエチレンテレフタレートが、ス
ルホン酸基を有する芳香族ジカルボン酸成分またはその
誘導体を0.5〜5モル%共重合されているものである
ことを特徴とする前記(1)記載のポリエステル系複合
繊維。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳細に説明
する。本発明で使用するA成分は、繰り返し単位の80
モル%以上、好ましくは90モル%以上がトリメチレン
テレフタレート単位で構成されたポリトリメチレンテレ
フタレートである。ここで、トリメチレンテレフタレー
ト単位が80モル%未満になると十分な伸縮性が得られ
にくくなる。
【0012】一方、B成分は、繰り返し単位の80モル
%以上、好ましくは90モル%以上がエチレンテレフタ
レートで構成されているものである。繰り返し単位が8
0モル%未満になると、ポリエチレンテレフタレートが
本来有する寸法安定性および染色物としての耐洗濯性、
耐候性などが低下してしまう。
【0013】本発明におけるA成分とB成分の極限粘度
比は、次式を満足するものである。
【0014】0.4≦([ηb]/[ηa])≦0.8 ただし、[ηa]:A成分の極限粘度 [ηb]:B成分の極限粘度 2成分の極限粘度比([ηb]/[ηa])が、0.8
を上回る場合、発現する捲縮形態が不均一なものとな
り、あるいは捲縮コイルの内側がポリエチレンテレフタ
レート成分、外側がポリトリメチレンテレフタレート成
分となるために、得られる捲縮糸の伸縮性、捲縮発現性
について十分満足のいくものではなくなる。
【0015】また、2成分の極限粘度比([ηb]/
[ηa])が、0.4を下回る場合、発現する捲縮形態
は微細なものとなるが、得られる捲縮糸の伸縮性、捲縮
発現性の保持性が非常に低くなるばかりでなく、実際に
織編物に使用した場合には、織編組織による拘束力、例
えばヨコ糸に使用した場合の織組織におけるタテ糸によ
る拘束力、タテ糸に使用した場合の織組織におけるヨコ
糸の拘束力などにより、伸縮性、捲縮性の発現が抑制さ
れてしまい好ましくない。すなわち、2成分の極限粘度
比([ηb]/[ηa])は、0.4以上0.8以下の
範囲内とすることが重要であり、好ましくは0.45〜
0.6の範囲である。
【0016】本発明におけるA成分とB成分の複合比率
は十分な伸縮性と捲縮発現性およびその保持性を得るた
めに、35:65〜65:35の範囲とするものであ
る。例えば、A成分とB成分の複合比率が30:70あ
るいは70:30の比率で複合した場合は、十分な伸縮
性と捲縮発現性およびその保持性が得られにくくなる。
【0017】本発明における繊維収縮率に対する見掛け
収縮率の比は、次式を満足するものである。
【0018】6≦(Sa/Sb)≦12 ただし、Sa:見掛け収縮率 Sb:繊維収縮率 繊維収縮率に対する見掛け収縮率の比(Sa/Sb)が
6を下回る場合、発現する捲縮は粗雑かつ不均一なもの
となり、高捲縮性とはなりにくいものとなる。また、織
編物に使用した場合、ストレッチバック性や嵩高性が十
分でなくなる。また、繊維収縮率に対する見掛け収縮率
の比(Sa/Sb)が12を上回る場合、発現する捲縮
が過密なものとなり、織編物に使用した場合に、ゴワツ
キ感が出たり表面凹凸感の劣るものとなるばかりでな
く、織編物の柔軟さが損なわれ、製品の風合いを大きく
損ねる。
【0019】すなわち、繊維収縮率に対する見掛け収縮
率の比(Sa/Sb)は、6〜12の範囲とするもので
あり、好ましくは7〜12である。
【0020】本発明におけるポリエステル系複合繊維の
捲縮伸長率は50%以上あるものである。捲縮伸長率が
50%を下回る場合、捲縮発現性が低下してしまい、織
編物に使用すると、織編組織による拘束力、例えばヨコ
糸に使用した場合の織組織におけるタテ糸による拘束
力、タテ糸に使用した場合の織組織におけるヨコ糸の拘
束力などにより、伸縮性、捲縮性の発現が抑制されてし
まい、通常のポリエステル系マルチフィラメントを用い
た場合と殆ど差がなくなるため好ましくない。捲縮伸長
率は好ましくは60%以上である。
【0021】本発明におけるポリトリメチレンテレフタ
レートおよび/またはポリエチレンテレフタレートは、
スルホン酸基を有する芳香族ジカルボン酸成分およびそ
の誘導体を0.5〜5モル%共重合していることが好ま
しい。織編物とした場合の染色加工時の易染性などを発
揮するものである。また、共重合する成分として、芳香
族ジカルボン酸類や、脂肪族ジカルボン酸類、脂肪族ジ
オール類、脂環式ジオール類、芳香族ジオール類、ある
いはそれにエチレンオキサイドなどを付加した高分子ジ
オール類などを用いても良く、具体的にはアジピン酸、
ナフタリン−2,6−ジカルボン酸、セバシン酸、5−
ナトリウムスルホイソフタル酸、5−ナトリウムスルホ
テレフタル酸、5−カリウムスルホイソフタル酸、5−
カリウムスルホテレフタル酸、5−リチウムスルホイソ
フタル酸、3,5−ジ(カルボ−β−ヒドロキシエトキ
シ)ベンゼンスルホン酸ナトリウム、3,5−ジ(カル
ボ−β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼンスルホン酸リチ
ウム、3,5−ジ(カルボ−β−ヒドロキシエトキシ)
ベンゼンスルホン酸カリウム、5−ナトリウムスルホイ
ソフタル酸ジメチル、5−カリウムスルホイソフタル酸
ジメチル、5−リチウムスルホイソフタル酸ジメチル、
1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリ
メチレングリコール、シクロヘキサンジオール、ビスフ
ェノールA、ビスフェノールスルホン、ビスフェノール
AのEO付加物、ビスフェノールスルホンのEO付加物
などを好ましく用いることができる。なお、共重合成分
は1種に限らず、2種以上併用しても良いが、耐熱性の
点から、総共重合量は15モル%以下とすることが好ま
しく、より好ましくは10モル%以下である。
【0022】本発明におけるサイドバイサイド型複合糸
は、製造方法について特に限定するものではなく、通常
の複合紡糸機を用いれば良く、複合紡糸した糸を一旦巻
き取ることなく、加熱延伸する直接紡糸延伸法を採用し
ても良く、また複合紡糸した糸を一旦巻き取った後に加
熱延伸する方法を採用しても良い。
【0023】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明する。
【0024】本文および実施中の極限粘度[η]、見掛
け収縮率、繊維収縮率、捲縮伸長率、製品風合いは次に
示す内容のものである。
【0025】A.極限粘度[η]:フェノールとテトラ
クロルエタンの等重量混合溶媒に重合体を0.1g/1
0mlの割合で100℃で溶解させ、25℃に冷却後、
ウツベローデ型粘度計を用いて硫下時間を測定し、次式
より求める。
【0026】[η]=[−1+{1+4・k・(t/t
0−1)}1/2]/(2・k・C) k:0.343 t:試料溶液の流下時間 t0:混合溶媒溶液の流下時間 C:(試料g数/フェノールとテトラクロルエタンの重
量)×100 B.見掛け収縮率:原長560mmのカセを作り、一方
を固定した状態で0.001cN/dtexの測定荷重
を掛けて、原長La1を測定する。沸水処理を15間施
した後、1分間冷水処理し、風乾後に0.001cN/
dtexの荷重を掛けて、処理後長La2を測定し、次
式より求めた値(%)である。
【0027】見掛け収縮率(Sa)={(La1−La
2)/La1}×100 C.繊維収縮率:原長560mmのカセを作り、一方を
固定した状態で0.18cN/dtexの測定荷重を掛
けて、原長Lb1を測定する。沸水処理を15間施した
後、1分間冷水処理し、風乾後に0.18cN/dte
xの荷重を掛けて、処理後長Lb2を測定し、次式より
求めた値(%)である。
【0028】繊維収縮率(Sb)={(Lb1−Lb
2)/Lb1}×100 D.捲縮伸長率:原長560mmのカセを作り、0.0
01cN/dtexの荷重を掛けて30秒後のカセ長L
c1を測定し、次に0.18cN/dtexの荷重を掛
けて30秒後のカセ長Lc2を測定し、次式より求めた
値(%)である。
【0029】捲縮伸長率(%)={(Lc2−Lc1)
/Lc1}×100 E.製品風合い:本発明により得られた複合繊維に20
0回/mの撚りを与えて加撚糸とし、この加撚糸をタテ
糸とヨコ糸に用いて平織物とし、通常のポリエステル染
色工程によって捲縮発現処理、染色仕上げ加工を行った
織編物について、ストレッチバック性、嵩高性、表面凹
凸感について、熟練者5名による官能評価を行い、スト
レッチバック性、嵩高性、表面凹凸感の優れたものから
順に次のような4段階評価を行った。
【0030】○○:優、○:良、△:可、×:不可 F.強伸度:延伸糸をオリエンテック社製TENSIL
ON UCT−100で、JISL 1013(化学繊
維フィラメント糸試験方法)に示される条件で測定し
た。
【0031】実施例1〜3 A成分に極限粘度0.965のポリトリメチレンテレフ
タレートとB成分に極限粘度0.450のポリエチレン
テレフタレートを用い、極限粘度比0.466とし、市
販の複合紡糸機により35:65〜65:35の複合比
率で紡速1500m/min、延伸倍率3.0〜4.5
倍の条件により、サイドバイサイド型複合糸を直接紡糸
延伸により紡糸し、伸度20〜30%レベルである56
デシテックス24フィラメントの複合マルチフィラメン
ト糸を得た。
【0032】実施例1では、複合比率35:65のサイ
ドバイサイド型複合糸としたが、繊維収縮率に対する見
掛け収縮率の比は7.2となった。また捲縮伸長率は5
4.8%となり、この糸を用いた製品におけるストレッ
チバック性や嵩高性はやや弱いが表面凹凸感の優れた風
合いを得た。
【0033】実施例2では、複合比率50:50のサイ
ドバイサイド型複合糸としたが、繊維収縮率に対する見
掛け収縮率の比は9.0となった。また捲縮伸長率は6
8.1%となり、この糸を用いた製品におけるストレッ
チバック性、嵩高性、表面凹凸感の優れた風合いを得
た。
【0034】実施例3では、複合比率65:35のサイ
ドバイサイド型複合糸としたが、繊維収縮率に対する見
掛け収縮率の比は6.5であった。また捲縮伸長率は6
0.9%となり、この糸を用いた製品は嵩高性がやや低
くなったが、表面凹凸感には問題なく、ストレッチバッ
ク性は良好なものを得た。
【0035】実施例4 A成分に極限粘度0.965のポリトリメチレンテレフ
タレートとB成分に極限粘度0.398のポリエチレン
テレフタレートを用い、極限粘度比0.410とし、複
合比率を50:50としたサイドバイサイド型複合糸を
得た。繊維収縮率に対する見掛け収縮率の比は11.4
となった。また、捲縮伸長率は66.2%となり、この
糸を用いた製品においては、表面凹凸感がやや目立つも
のの、ストレッチバック性および嵩高性は良好なものを
得た。
【0036】実施例5 A成分に極限粘度0.965のポリトリメチレンテレフ
タレートとB成分に極限粘度0.770のポリエチレン
テレフタレートを用い、極限粘度比0.798とし、複
合比率を50:50としたサイドバイサイド型複合糸を
得た。繊維収縮率に対する見掛け収縮率の比は6.6と
なった。また、捲縮伸長率は51.9%となり、この糸
を用いた製品においては、嵩高性はやや劣るものの、ス
トレッチバック性および表面凹凸感は共に問題のないも
のを得た。
【0037】実施例6 A成分に極限粘度0.965のポリトリメチレンテレフ
タレートを用い、B成分に5−ナトリウムスルホイソフ
タル酸を2.0モル%共重合した極限粘度0.570の
ポリエチレンテレフタレートを用い、極限粘度比0.5
90とし、複合比率を50:50としたサイドバイサイ
ド型複合糸を得た。繊維収縮率に対する見掛け収縮率の
比は8.3であり、捲縮伸長率は70.1%となった。
この糸を用いた製品の風合いは、ストレッチバック性、
嵩高性、表面凹凸感ともに優れたものを得た。また、得
られた複合糸は、Diacry Br.Blue H2
R−N(三菱化成(株)製カチオン染料)などのカチオ
ン染料での染色が可能となり、優れた発色性を発揮し
た。
【0038】実施例7 A成分に5−ナトリウムスルホイソフタル酸を2.0モ
ル%共重合した極限粘度1.028のポリトリメチレン
テレフタレートを用い、B成分に極限粘度0.450の
ポリエチレンテレフタレートを用い、極限粘度比0.4
40とし、複合比率を50:50としたサイドバイサイ
ド型複合糸を得た。繊維収縮率に対する見掛け収縮率の
比は9.7であり、捲縮伸長率は73.3%となった。
この糸を用いた製品の風合いは、ストレッチバック性、
嵩高性、表面凹凸感ともに優れたものを得た。また、得
られた複合糸は、実施例6と同様にカチオン染料での染
色が可能となり、優れた発色性を発揮した。
【0039】実施例8 A成分に5−ナトリウムスルホイソフタル酸を5.0モ
ル%共重合した極限粘度1.028のポリトリメチレン
テレフタレートを用い、B成分に5−ナトリウムスルホ
イソフタル酸を0.5モル%共重合した極限粘度0.5
70のポリエチレンテレフタレートを用い、極限粘度比
0.550とし、複合比率を50:50としたサイドバ
イサイド型複合糸を得た。繊維収縮率に対する見掛け収
縮率の比は10.0であり、捲縮伸長率は71.9%と
なった。この糸を用いた製品の風合いは、ストレッチバ
ック性、嵩高性、表面凹凸感ともに優れたものを得た。
また、得られた複合糸は、実施例6および実施例7と同
様にカチオン染料での染色が可能となり、優れた発色性
を発揮した。
【0040】比較例1 A成分に極限粘度0.965のポリトリメチレンテレフ
タレートとB成分に極限粘度0.450のポリエチレン
テレフタレートを用い、極限粘度比0.466とし、複
合比率を30:70としたサイドバイサイド型複合糸を
得た。繊維収縮率に対する見掛け収縮率の比は5.1で
あり、また、捲縮伸長率は39.9%となり高捲縮性ポ
リエステル複合糸といえないものとなった。この糸を用
いた製品においては、ストレッチバック性、嵩高性、表
面凹凸感の劣る風合いとなった。
【0041】比較例2 A成分に極限粘度0.965のポリトリメチレンテレフ
タレートとB成分に極限粘度0.450のポリエチレン
テレフタレートを用い、極限粘度比0.466とし、複
合比率を70:30としたサイドバイサイド型複合糸を
得た。繊維収縮率に対する見掛け収縮率の比は6.2で
あったが、捲縮伸長率は42.4%となり、発現した捲
縮は粗雑で不均一なものとなり、高捲縮性ポリエステル
複合糸といえないものとなった。この糸を用いた製品に
おいては、表面凹凸感は問題ないものの、ストレッチバ
ック性および嵩高性が不十分なものとなった。
【0042】比較例3 A成分に極限粘度0.965のポリトリメチレンテレフ
タレートとB成分に極限粘度0.330のポリエチレン
テレフタレートを用い、極限粘度比0.342とし、複
合比率を50:50としたサイドバイサイド型複合糸を
得た。繊維収縮率に対する見掛け収縮率の比は13.0
となり、捲縮伸長率は55.2%となった。発現した捲
縮は過密なものとなり、また発現した捲縮の保持性が低
いために、粗雑で不均一なものとなり、高捲縮性ポリエ
ステル複合糸といえないものとなった。この糸を用いた
製品においては、嵩高性はあるものの、ストレッチバッ
ク性が劣り、ゴワツキ感のある表面凹凸感の劣る風合い
となった。
【0043】比較例4 A成分に極限粘度0.965のポリトリメチレンテレフ
タレートとB成分に極限粘度0.877のポリエチレン
テレフタレートを用い、極限粘度比0.9090とし、
複合比率を50:50としたサイドバイサイド型複合糸
を得た。繊維収縮率に対する見掛け収縮率の比は5.1
となり、捲縮伸長率は33.4%となった。発現した捲
縮は粗雑かつ不均一なものとなり、高捲縮性ポリエステ
ル複合糸といえないものとなった。また、この糸を用い
た製品においては、ストレッチバック性、嵩高性、表面
凹凸感共に劣る風合いとなった。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】
【表3】
【0047】
【発明の効果】上述した実施例のように、本発明によれ
ば、ポリトリメチレンテレフタレートとポリエチレンテ
レフタレートをサイドバイサイド型に複合し、適切な極
限粘度比と複合比率を選択し、繊維収縮率に対して適切
な範囲の見掛け収縮率と適切な捲縮伸長率を付与するこ
とによって優れた伸縮性、捲縮発現性および保持性を有
する高捲縮性ポリエステル系複合繊維を得ることができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4L041 AA08 AA20 BA02 BA05 BA09 BA59 BC20 CA06 CA08 CA12 CA14 DD01 DD04 DD15

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】繰り返し単位の80モル%以上がトリメチ
    レンテレフタレートであるポリトリメチレンテレフタレ
    ートからなるA成分と、繰り返し単位の80モル%以上
    がエチレンテレフタレートであるポリエチレンテレフタ
    レートからなるB成分とをサイドバイサイド型に貼り合
    わせた複合繊維において、該2成分の極限粘度比が下記
    (イ)式を満足し、該2成分の複合比率が35:65〜
    65:35の範囲にあるとともに、繊維収縮率に対する
    見掛け収縮率の比が下記(ロ)式を満足し、かつ捲縮伸
    長率が50%以上であることを特徴とするポリエステル
    系複合繊維。 (イ)0.4≦([ηb]/[ηa])≦0.8 ただし、[ηa]:A成分の極限粘度 [ηb]:B成分の極限粘度 (ロ)6≦(Sa/Sb)≦12 ただし、Sa:見掛け収縮率 Sb:繊維収縮率
  2. 【請求項2】複合繊維を形成するポリトリメチレンテレ
    フタレートおよび/またはポリエチレンテレフタレート
    が、スルホン酸基を有する芳香族ジカルボン酸成分また
    はその誘導体を0.5〜5モル%共重合されているもの
    であることを特徴とする請求項1記載のポリエステル系
    複合繊維。
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