JP2006341392A - 液滴吐出装置及び拭取部材のクリーニング方法 - Google Patents

液滴吐出装置及び拭取部材のクリーニング方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、ブレードに付着した汚れを完全に拭き取ることで、ノズルに付着した汚れを完全に除去し、インク滴の吐出方向性の安定化を図ることを目的とする
【解決手段】 ブレード42で掻き取ったノズル面20Aのインクインク付着物を拭取部72で拭き取って、拭取部72にコーティングした酸化チタンの光触媒作用によって分解して空気中に放出するので、拭取部72にインク付着物が堆積することがなく、ブレード42へのインク付着物の堆積も抑制される。これにより、ノズル面20Aに付着したインク付着物を除去する能力が低下しないので、ノズル面20Aに付着したインクは、ブレード42をノズル面20Aに摺動させる毎に完全に除去され、記録ヘッド20から吐出されるインク滴の方向性が安定する。
【選択図】 図4

Description

本発明は、液滴吐出手段から記録媒体へ液滴を吐出して記録を行なう液滴吐出装置及び、この液滴吐出装置に搭載された拭取部材のクリーニング方法に関する。
インクジェット記録方式に使用されるインクとして、顔料を含有するものがある。顔料を含有するインクは、耐水性、耐光性に優れ、かつ高い光学濃度の画質を得ることができるという利点がある反面、画像の定着性、耐擦性が低いという欠点がある。そこで、これらの問題を改善させるために、樹脂を含有させたインクが用いられている。
このようなインクを用いた場合、印字中にノズルから漏れ出したインクや、用紙に着弾して跳ね返ったインクが、ノズル近傍に付着すると、インク中に含有された樹脂が乾燥してノズル近傍に堆積する。これにより、インクメニスカスを不安定にさせ、インク滴の吐出方向性劣化を引き起こしてしまう。
そこで、ノズル近傍に付着した汚れ(乾燥した樹脂等)を除去する方法として、ノズル表面を定期的にエラストマーなどのブレードでワイプすることによって清掃する方法が用いられている(特許文献1参照)。特許文献1の方法では、長期に渡る使用で、このブレードにも樹脂が堆積してしまう。これにより、ノズル面のクリーニング性能が低下して、ノズル近傍に堆積した樹脂等の除去を完全に行なうことができず、インク滴の吐出方向性劣化を引き起こしてしまう。
この問題に対して、ブレードに付着した汚れを、吸い取り器で吸い取ることで、ブレードをクリーニングする方法が提案されている(特許文献2参照)。しかし、特許文献2の方法においても、長期の使用では吸い取り器内に吸引した付着物が堆積してしまい、吸い取り器の吸い取り効果が低下するため、ブレードに付着した汚れを完全に除去することができていない。
特開昭57−34969号公報 特開2000−000974号公報
本発明は、ブレードに付着した汚れを完全に拭き取ることで、ノズルに付着した汚れを完全に除去し、インク滴の吐出方向性の安定化を図ることを目的とする。
請求項1に記載の本発明は、有機化合物を含む液滴を吐出する液滴吐出面を有する液滴吐出手段と、前記液滴吐出面に付着した有機化合物を含む付着物を除去する清掃部材と、を備えた液滴吐出装置において、前記清掃部材に付着した有機化合物を含む付着物を拭き取る拭取部材を有し、該拭取部材の拭取部には、光触媒が含まれていることを特徴としている。
請求項1に記載の発明によれば、清掃部材で液滴吐出面に付着した付着物が除去されて、清掃部材に付着した付着物は拭取部材によって拭き取られ、拭取部材の拭取部に付着した付着物は、拭取部材に含有された光触媒によって分解される。
このように、拭取部材に付着物を付着させ、光触媒によって付着物に含まれた有機化合物を分解して空気中に放出するので、拭取部材の拭取部に付着物が蓄積されることがない。これにより、清掃部材に付着した付着物を除去する能力が低下しないので、清掃部材に付着物が堆積しない。したがって、液滴吐出面に付着した付着物を除去する能力も低下しないので、清掃部材を液滴吐出面に摺動させる毎に完全に付着物は除去され、液滴吐出面に蓄積して液滴吐出手段から吐出される液滴の方向性が安定する。
請求項2に記載の本発明は、前記光触媒は、酸化チタンであることを特徴としている。
請求項2に記載の発明によれば、酸化チタンは、広い範囲の物質を酸化還元することができるので、有機化合物の分解に適しており、また、自己分解力がないため長期に渡って利用できる。また、自然光や蛍光灯でも触媒として機能するため、煩雑な装置を必要としない。
請求項3に記載の本発明は、前記酸化チタンの膜厚は、1μm以上であることを特徴としている。
請求項3に記載の発明によれば、酸化チタンの膜厚を1μm以上とすることで、清掃部材が当接することによって多少酸化チタンが摩耗しても光触媒能力を維持できるので、長期に渡る使用が可能となる。
請求項4に記載の本発明は、前記拭取部材に対して紫外線を照射する紫外線照射部材が設けられたことを特徴としている。
請求項4に記載の発明によれば、液滴吐出装置外部の光源(室内の蛍光灯等の光源や、日光等)が曝されない位置に、拭取部材が設けられている場合でも、紫外線照射部材を設けて拭取部材に紫外線を照射することで、拭取部材に含有された光触媒を十分に活性化させることができる。
請求項5に記載の本発明は、前記清掃部材は、前記液滴吐出手段の長手方向に沿って設けられ、該液滴吐出手段の長手方向と直交する方向に移動することを特徴とする特徴としている。
請求項5に記載の発明によれば、液滴吐出手段の長手方向に沿って設けられた清掃部材を、液滴吐出手段の長手方向に直交する方向に移動させることで、液滴吐出手段の液滴吐出面に付着した付着物が除去される。このように、液滴吐出手段の長手方向と直交する方向に清掃部材を移動させることで、清掃部材の移動範囲が、液滴吐出手段の長手方向に沿って移動させた場合と比較して小さい。これにより、清掃部材を移動させるためのスペースを必要としないので、液滴吐出装置が大型化する恐れがない。
請求項6に記載の本発明は、前記液滴吐出面に付着した付着物を除去する際に、前記拭取部材の前記拭取部と該液滴吐出面が略同一平面上に位置していることを特徴としている。
請求項6に記載の発明によれば、液滴吐出面に付着した付着物を除去する際に、拭取部材の拭取部と液滴吐出面とを略同一平面上に位置させることで、清掃部材は水平方向に移動させればよく、垂直方向に移動させる必要がないので、清掃部材を移動させる構成が複雑にならない。
請求項7に記載の本発明は、前記液滴吐出手段は、液滴を吐出させるための圧電素子を備えていることを特徴としている。
請求項7に記載の発明によれば、圧電素子を備えることで液滴の吐出量を可変可能としたとき、特に液滴の吐出方向は液滴吐出手段の液滴吐出面の付着物による影響を受けやすい。したがって、液滴吐出面の洗浄性を光触媒により安定させることで、圧電素子を備えた液滴吐出装置の場合に、特に経時による液滴の吐出方向が不安定となるのを防止できる。
請求項8に記載の本発明は、有機化合物を含む前記液滴は、記録液であることを特徴としている。
請求項8に記載の発明によれば、有機化合物を含む液滴からなる記録液を用いることで、液滴吐出手段の液滴吐出面に付着物が付着したとき、安定して液滴吐出面の洗浄を行うことで、記録液の吐出方向が不安定になるのを防止する。
請求項9に記載の本発明は、前記記録液は、樹脂を含むことを特徴としている。
請求項9に記載の発明によれば、樹脂を含む記録液を用いたとき、液滴吐出手段の液滴吐出面に付着物が付着しやすくなるので、安定して液滴吐出面の洗浄を行うことで、記録液の吐出方向が不安定になるのを防止する。
請求項10に記載の本発明は、機化合物を含む液滴を吐出する液滴吐出手段の液滴吐出面の付着物を除去する清掃部材に付着した前記付着物を拭き取る拭取部材のクリーニング方法であって、前記拭取部材に光触媒を含ませ、該拭取部材に付着した付着物を光触媒で分解することを特徴としている。
請求項10に記載の発明によれば、清掃部材で液滴吐出面の付着物を除去し、清掃部材に付着した付着物を拭取部材で拭き取り、拭取部材に付着した付着物を光触媒で分解する。このように、拭取部材に付着物を付着させ、光触媒によって付着物に含まれた有機化合物を分解して空気中に放出するので、拭取部材に付着物が蓄積されることがない。
本発明は上記構成としたので、ブレードに付着した汚れを完全に拭き取ることで、ノズルに付着した汚れを完全に除去し、インク滴の吐出方向性の安定化を図ることができる。
以下、本発明の実施形態について説明する。まず、本発明に係るインクジェット記録装置10の概略構成について説明する。
図1、図2に示すように、インクジェット記録装置10は、記録媒体の一例である用紙Pが収容される給紙トレイ12と、この給紙トレイ12から供給された用紙Pに画像を記録する記録部14と、記録部14へ用紙Pを搬送する搬送手段16と、記録部14によって画像が記録された用紙Pを収容する排紙トレイ18とを有している。
記録部14は、記録ヘッド20を有しており、この記録ヘッド20は、インクジェット記録装置10での画像記録が想定される用紙Pの最大幅と同程度か、又はそれ以上の記録可能領域を有している。つまり、この記録ヘッド20は、シングルパス印字が可能な所謂Full Width Array(FWA)となっている。
また、記録ヘッド20は、用紙Pの搬送方向に対して、その上流側からブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の順に並設されており、サーマル方式や圧電方式等の公知の手段によって、インク滴が吐出されるように構成されている。なお、そのインクとしては、水性インク、油性インク、溶剤系インク等、各種インクが使用可能であり、インクジェット記録装置10には、各記録ヘッド20K〜20Yにインクを供給するインクタンク39K、39C、39M、39Yが配設されている。
各記録ヘッド20K〜20Yには、メンテナンスユニット22K〜22Yが備えられている。このメンテナンスユニット22K〜22Yは、ブラック(K)とシアン(C)、マゼンタ(M)とイエロー(Y)の2組に分かれて、印刷時における退避位置と、各記録ヘッド20K〜20Yをメンテナンスする位置とに移動可能に構成されている。
各メンテナンスユニット22K〜22Yは、ダミージェット受け、ワイピング部材、キャップ等を有し、各記録ヘッド20K〜20Yをメンテナンスする際には、各記録ヘッド20K〜20Yが所定高さ上昇するようになっている。そして、各記録ヘッド20K〜20Yのノズル面に、メンテナンスユニット22K〜22Yがそれぞれ対向配置されるようになっている。
給紙トレイ12中の用紙Pは、ピックアップローラー24によって1枚ずつ取り出され、搬送手段16によって、記録部14へ送られるようになっている。搬送手段16は、用紙Pの印刷面を記録ヘッド20に対面させるための搬送ベルト30を有しており、この搬送ベルト30は、用紙搬送方向下流側に配置された駆動ローラー26と、用紙搬送方向上流側に配置された従動ローラー28に巻回されて、図示の矢印A方向(時計方向)に循環駆動(回転)するように構成されている。
また、従動ローラー28の上部には、搬送ベルト30の表面側から搬送ベルト30に従動するニップローラー32が配設されており、従動ローラー28の下部には、搬送ベルト30の表面側から搬送ベルト30に従動する帯電ローラー34が配設されている。
この帯電ローラー34によって搬送ベルト30が帯電される(電荷が与えられる)ことにより、用紙Pが搬送ベルト30に静電吸着されて搬送されるようになっている。なお、この帯電ローラー34は、搬送ベルト30に常時接触させて従動させる構成にしてもよいが、用紙Pが通過する度に、搬送ベルト30から離間するような構成にしてもよい。
また、搬送ベルト30の記録ヘッド20とは反対側となる下部には、テンションローラー36が裏面側から搬送ベルト30に従動しており、テンションローラー36と駆動ローラー26との間には、一対のクリーニングローラー38が配置されている。このクリーニングローラー38は、搬送ベルト30の裏面側から搬送ベルト30に従動する固定ローラー38Aと、搬送ベルト30の表面側から搬送ベルト30に従動し、適宜搬送ベルト30から離間可能に構成された揺動ローラー38Bとで構成されている。
一方、記録ヘッド20の下方には、清掃装置40が配設されている。図3に示すように、清掃装置40は、ローラー26、28(図1参照)の間の、いわゆる搬送ベルト30の搬送面30Aの下方の領域に設けられており、記録ヘッド20のノズル面20Aをワイピングするゴム製のブレード42を備えている。ブレード42は、記録ヘッド20の長手方向に沿った長さを有する板状とされ、幅方向の一方の端部が記録ヘッド20のノズル面20Aに対向しており、この一方の端部(角部)で記録ヘッド20のノズル面20Aをワイピングする。また、ブレード42の他方の端部は箱状のホルダー44内に収容されている。
ホルダー44は、ホルダー44の長手方向よりも長い寸法を有する長尺板状の支持片46に固定されている。この支持片46の長手方向の両端部は、ベルト48、50に固定され、また、ベルト48、50の内側には支持片46をガイドするガイドレール(図示省略)が設けられている。
ベルト48、50は、それぞれ側板に軸支されたプーリ52、54及びプーリ56、58に巻き掛けられた状態で、搬送方向と平行に配置されている。プーリ52とプーリ56およびプーリ54とプーリ58は、それぞれシャフト60、62によって連結されている。
プーリ52にはギア64が連結されている。このギア64は、モータ66に連結されたギア68と噛合しており、モータ66が駆動すると、ギア68、64を介してプーリ52にモータ66の駆動力が伝達されるようになっている。これにより、モータ66の駆動力によってプーリ52が回転すると、シャフト60を介してプーリ52、56が回転すると共に、ベルト48、50を介してプーリ54、58が回転する。このとき、ベルト48、50は用紙Pの移動方向と平行に移動するため、支持片46およびホルダー44を介してブレード42が搬送方向に沿って移動可能とされている。
このブレード42は、通常(待機時)は、記録ヘッド20の吐出領域よりも上流側に位置している。これにより、ベルト48、50の移動に伴ってブレード42が搬送方向に沿って移動する際に、ブレード42の角部で記録ヘッド20のノズル面に付着したインク付着物(インク滴に含まれている樹脂等の堆積物)が掻き取られるようになっている。
一方、搬送ベルト30(図1参照)には、記録ヘッド20のノズル面20Aが通過可能な大きさの開口部(図示省略)が形成されている。記録ヘッド20は、図示しない移動機構によって上下方向に移動可能とされており、移動機構によってノズル面20Aが後述するブレード拭取部材70の拭取部72と同一面となる位置(この位置を「清掃位置」とする)まで下降するようになっている。
記録ヘッド20が清掃位置にあるとき、記録ヘッド20K、20C、20M、20Yの下流側に対向する位置には、それぞれブレード拭取部材70が設けられている。ブレード拭取部材70は、長手方向のサイズが記録ヘッド20と略同一とされた長尺状とされ、下面にはポリウレタンスポンジからなる拭取部72が設けられている。
拭取部72は、厚さ5mmに成形したポリウレタンシート(成形用ポリウレタン レザミン PH−4595 大日精化製を用いて、射出成形にて成形)に、光触媒ゾル(ATシリーズ Photo-Catalytic Materials製)をコーティングした。本実施形態では、光触媒ゾルとして、酸化チタンゾルをポリウレタンシートに、エアースプレーブラシ(HP−TR1 イワタ製)を用いて、100〜200ml/m2の塗布量で酸化チタン膜の厚さが1μm以上となるようにコーティングした。
なお、コーティング方法としては、スプレー法以外にも、ディッピング法、スピンコート法など通常のコーティング方法を用いることができる。また、コーティング後は室温で乾燥してもよいし、100〜180℃で加熱乾燥してもよい。さらに、コーティング前に、ポリウレタンシートへの密着性向上のためにプライマー層を形成したり、ポリウレタンシートの光触媒による劣化を防ぐために、保護層を形成してもよい。
上記方法にて作製された拭取部72は、図4(A)に示すように、その下面(ブレード42の拭取面)が、清掃位置にある記録ヘッド20のノズル面20Aと同一高さになるように設けられている。これにより、図4(B)に示すように、ブレード42を搬送方向の下流側に移動させたとき、ブレード42の角部で記録ヘッド20のノズル面20Aに付着したインク付着物を掻き取り、図4(C)に示すように、このブレード42をさらに下流側に移動させることで、ブレード42の先端に付着したインク付着物が、拭取部72で払拭されるようになっている。
図3に示すように、ブレード拭取部材70の下方には、紫外線を照射する蛍光灯74が配設されており、蛍光灯74からの光(紫外線)が、ブレード拭取部材70の拭取部72に照射されるようになっている。
拭取部72に紫外線が照射されると、拭取部72にコーティングされた酸化チタンゾル(以下、「酸化チタン」とする)から活性化酸素が発生する。この活性化酸素によって、拭取部72に付着したインク付着物(インク中に含まれる有機材料物質)が水と二酸化炭素等に分解され、空気中に放出される。
次に、本発明の実施形態の作用について説明する。
清掃装置40で記録ヘッド20のノズル面20Aのインク付着物を除去する作業は、非印字時等に行なう。非印字時において、搬送ベルト30に形成された開口部を記録ヘッド20の真下に位置させ、図示しない移動機構によって記録ヘッド20を下降させる。そして、開口部から搬送ベルト30の搬送面の下方に記録ヘッド20のノズル面20Aを位置させる。このとき、記録ヘッド20のノズル面20Aが、ブレード拭取部材70の拭取部72とほぼ同一高さとなる位置まで記録ヘッド20を下降させる。
モータ66の駆動によってプーリ52が回転すると、ベルト48、50が回転して、記録ヘッド20の上流側に待機していたブレード42が、支持片46及びホルダー44を介して搬送方向に沿って(矢印B方向に)移動する。
このとき、記録ヘッド20のノズル面20Aにブレード42の角部が摺接することで、ノズルから漏れたり、用紙Pに着弾して跳ね返ったりしてノズル面20Aに付着したインク付着物が掻き取られる。そして、ブレード42が更に下流側に移動して、ブレード拭取部材70の拭取部72に摺接することで、ノズル面20Aから掻き取ってブレード42に付着したインク付着物が、拭取部72に拭き取られる。拭取部72で拭き取ったインク付着物は、拭取部72にコーティングされた酸化チタンによって分解される。
このように、ブレード42で掻き取ったノズル面20Aのインクインク付着物を拭取部72で拭き取って、拭取部72にコーティングした酸化チタンの光触媒作用によって分解して空気中に放出するので、拭取部72にインク付着物が堆積することがなく、ブレード42へのインク付着物の堆積も抑制される。これにより、ノズル面20Aに付着したインク付着物を除去する能力が低下しないので、ノズル面20Aに付着したインクは、ブレード42をノズル面20Aに摺動させる毎に完全に除去され、記録ヘッド20から吐出されるインク滴の方向性が安定する。
また、ブレード拭取部材70の拭取部72にコーティングする光触媒として、インク中に含まれる有機化合物の分解能力が大きい酸化チタンを用いることで、ブレード42に付着したインク付着物は、拭取部72で拭き取られて即座に分解されて空気中に放出される。したがって、拭取部72にインク付着物が堆積しない。
さらに、ブレード拭取部材70の下方に蛍光灯74を配置することで、インクジェット記録装置10の外部の光源(室内の蛍光灯等の光源や、日光等)が曝されない位置に、ブレード拭取部材70が設けられている場合でも、拭取部72にコーティングされている酸化チタンを活性化させることができる。
また、記録ヘッド20の長手方向に沿って設けられたブレード42を、記録ヘッド20の長手方向に直交する方向に移動させ、記録ヘッド20のノズル面20Aに付着した汚れを除去する構成とすることで、ブレード42の移動範囲が、記録ヘッド20の長手方向に沿って移動させた場合と比較して小さい。これにより、ブレード42を移動させるためのスペースを必要としないので、インクジェット記録装置10が大型化する恐れがない。
さらに、ノズル面20Aに付着したインク付着物を除去する際に、ノズル面20Aを拭取部72と略同一平面上に位置させることで、ブレード42を水平方向に移動させるだけで、ノズル面20Aに付着したインク付着物を除去すると共に、ブレード42に付着したインク付着物が拭取部72によって除去される。したがって、ブレード42を垂直方向に移動させる必要がないので、ブレード42を移動させる構成が複雑にならない。
なお、本実施形態においては、インクジェット方式のインクジェット記録装置について説明したが、インクジェット方式においてはサーマルインクジェット方式、ピエゾ式インクジェット、連続流型インクジェット、静電吸引型インクジェット等、方式に限定されない。
また、記録ヘッドからインク液滴を吐出させるための駆動方式は、特に制限はなくサーマル方式や圧電方式等の公知の手段等の公知の手段が用いられるが、圧電素子の駆動によるピエゾ方式の場合に本発明の効果が有効に発揮される。つまり、圧電素子を備えることでインク滴の吐出量を可変可能としたとき、インク滴の吐出方向は記録ヘッドのノズル面の付着物による影響を受けやすいので、ノズル面の洗浄性を光触媒により安定させることで、圧電素子を備えたインクジェット記録装置の場合において、経時によるインク滴の吐出方向が不安定となるのを防止できる。
さらに、インク滴が吐出される記録ヘッドを用いて説明したが、このインク滴に含まれる顔料を凝集させる作用を有する処理液を吐出する記録ヘッドにも本発明を適用することができる。
また、本実施形態では、液滴吐出装置としてインクジェット記録装置を例にとって説明したが、本発明の用途はこれに限られるわけではなく、基板上に直接回路パターンを形成する直接回路描画法に用いる液滴吐出装置、カラーフィルタ製造のための液滴吐出装置、さらに面発光型発光素子用等の光学部材作製のための液滴吐出装置など、種々の用途に用いられる。
さらに、本発明に係る液滴吐出装置は、ファクシミリ、複写機、プリンター複合機、ワークステーション等の出力機器として用いられる記録装置等、用紙P上への文字や画像の記録に用いられるものに限定されるものではなく、例えば、高分子フィルムやガラス上に着色インクを吐出して行うディスプレイ用のカラーフィルターの作製等にも適用可能である。
すなわち、本発明における「記録媒体」は、用紙Pに限定されるものではなく、例えばOHPシートや配線パターン等が形成される基板なども含まれる。そして、本発明における「画像」は、一般的な画像(文字、絵、写真など)のみならず、インク滴が記録媒体上に着弾されることで得られるドットのパターン(配線パターン)なども含まれる。
(実施例)
ここで、酸化チタンの最低膜厚条件を得るために、下記の条件において評価試験を行った。
インクの吐出が可能な400dpi、256ノズルの試作記録ヘッドを搭載したインクジェット記録装置を用い、記録ヘッドの圧電素子の駆動周波数を9kHzとし、25枚の用紙Pに印字が終了する毎に、清掃装置40を駆動させ、ブレード42で記録ヘッド20のノズル面20Aをワイピングして、そのブレード42に付着したインクを、拭取部材70の拭取部72で拭き取った。
拭取部材70の拭取部72に、0.5μmの膜厚で酸化チタンをコーティングした場合と、5μmの膜厚でコーティングした場合とにおいて、1ノズルあたりの累積印字ドット数と、用紙Pへのインクの着弾位置のずれ量の関係を図5のグラフに示す。
また、JEDIA標準パターンJ6チャートを印字した時の各累積印字ドット数における官能評価を行い、その結果を表1に示す。
なお、その際の評価は次のように行った。
○:OK
△:すじ抜けがあるが目立たない
×:すじ抜け多数あり NG
Figure 2006341392
図5のグラフ及び表1から、酸化チタンの膜厚が0.5μmのときは、累積印字ドット数が108を超えると、インクの着弾位置のずれ量が大きくなると同時に、すじ抜けが多数発生し、酸化チタンの膜厚が5μmのときは、累積印字ドット数が108を超えても、インクの着弾位置のずれ量は画質劣化を引き起こさない程度に収まり、すじ抜けもほとんど発生しないことがわかる。したがって、酸化チタンの膜厚を0.5μmとすると、画質劣化が顕著に現れ、5μmとすると、画質劣化は現れないといえる。
また、表2には、酸化チタンの膜厚を変化させたときの、インクの吐出方向性の状態及びノズル周辺のインク付着物の有無を示す。
Figure 2006341392
表2から、酸化チタンの膜厚を1μm以上とすると、ノズル周辺にはインク付着物の残留がほとんどなく、インク吐出の方向性が安定する。一方、酸化チタンの膜厚を1μmより小さくすると、ノズル周辺にはインク付着物が残留する。これは、酸化チタンの膜厚が十分でないため、ブレード42の摺接によって拭取部72にコーティングした酸化チタンが摩耗してしまい、インク付着物の分解能力が低下するためと考えられる。また、インク付着物がノズル周辺に残留することで、インク吐出の方向性が安定しない。したがって、拭取部材70の拭取部72にコーティングする酸化チタンの膜厚は1μm以上とすることで、画質劣化が現れず良好な画像が得られる。
なお、本実施形態では、フルラインヘッドタイプのインクジェット記録装置について説明したが、記録ヘッド本体が往復移動するシリアルタイプのインクジェット記録装置に本発明を適用することもできる。
本発明の実施形態に係る画像記録装置の印字時の構成を示す概略構成図である。 本発明の実施形態に係る画像記録装置のメンテナンス時の構成を示す概略構成図である。 本発明の実施形態に係る画像記録装置に搭載された清掃装置及び記録ヘッドを示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る画像記録装置に搭載された搬送装置及び記録ヘッドを示す側面図である。 記録ヘッドの1ノズルあたりの累積印字ドット数と、用紙Pへのインクの着弾位置のずれ量の関係を示すグラフである。
符号の説明
10 インクジェット記録装置(液滴吐出装置)
20A ノズル面(液滴吐出面)
20 記録ヘッド(液滴吐出手段)
30 清掃装置(清掃部材)
42 ブレード(清掃部材)
70 ブレード拭取部材(拭取部材)
70 拭取部材
72 拭取部
74 蛍光灯(光照射部材)

Claims (10)

  1. 有機化合物を含む液滴を吐出する液滴吐出面を有する液滴吐出手段と、
    前記液滴吐出面に付着した有機化合物を含む付着物を除去する清掃部材と、
    を備えた液滴吐出装置において、
    前記清掃部材に付着した有機化合物を含む付着物を拭き取る拭取部材を有し、該拭取部材の拭取部には、光触媒が含まれていることを特徴とする液滴吐出装置。
  2. 前記光触媒は、酸化チタンであることを特徴とする請求項1に記載の液滴吐出装置。
  3. 前記酸化チタンの膜厚は、1μm以上であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の液滴吐出装置。
  4. 前記拭取部材に対して紫外線を照射する紫外線照射部材が設けられたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の液滴吐出装置。
  5. 前記清掃部材は、前記液滴吐出手段の長手方向に沿って設けられ、該液滴吐出手段の長手方向と直交する方向に移動することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の液滴吐出装置。
  6. 前記液滴吐出面に付着した付着物を除去する際に、前記拭取部材の前記拭取部と該液滴吐出面が略同一平面上に位置していることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の液滴吐出装置。
  7. 前記液滴吐出手段は、液滴を吐出させるための圧電素子を備えていることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の液滴吐出装置。
  8. 有機化合物を含む前記液滴は、記録液であることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の液滴吐出装置。
  9. 前記記録液は、樹脂を含むことを特徴とする請求項8に記載の液滴吐出装置。
  10. 有機化合物を含む液滴を吐出する液滴吐出手段の液滴吐出面の付着物を除去する清掃部材に付着した前記付着物を拭き取る拭取部材のクリーニング方法であって、
    前記拭取部材に光触媒を含ませ、該拭取部材に付着した付着物を光触媒で分解することを特徴とする拭取部材のクリーニング方法。
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