以上のように、従来も位置情報に対応して自動的に種々のコンテンツ、たとえば画像, 音声データを再生するシステムが実用化されてはいるが、たとえば特許文献1及び特許文献2に開示されているように、携帯電話機の待ち受け画面又は着信メロディを携帯電話機の位置に応じて自動的に変更する程度であり、また特許文献3に開示されているように、製造者又はサービスの提供者側が予め用意した情報であった。また、地図画像上のユーザが指定した位置にユーザが任意の画像, 音声データ等を登録して再生することが可能な地図ソフトに関しては登録のための操作が煩瑣であることは否めない。
また、パーソナルコンピュータにスライドショーを実行させる場合にも、毎回同一の写真が表示され、毎回同一の音楽がBGMとして使用されるという、非常に変化に乏しいスライドショーが実行できるのみであった。
本発明は以上のような事情に鑑みてなされたものであり、画像, 音声等のコンテンツのデータを位置情報及び/又は時刻情報(年月日時分秒)をキーとして再生することにより、コンテンツの従来とは異なる種々の利用方法を可能にするコンテンツ再生装置の提供を主たる目的とする。
また本発明は、上述のようなコンテンツ再生装置において、コンテンツとして利用可能な画像, 音声等のデータを取得し、または作成することを可能とすることをも目的とする。
本発明は端的には、画像, 音声等のコンテンツのデータを撮影又は録音することにより取得した際に同時にその場所の位置情報(たとえばGPSシステムにより取得)及び/又はデータを取得した時刻情報(年月日時分秒)を取得し、又は画像, 音声等のデータを外部から通信により、スキャンすることにより、又はダビングすることにより取り込み、このようにして取り込んだ画像, 音声のデータに位置情報及び/又は時刻情報(年月日時分秒)を付加しておき、位置情報及び/又は時刻情報をキーとして検索して画像, 音声等のコンテンツのデータを自動的に再生するように構成したものである。
本発明に係るコンテンツ再生装置は、再生されるべきコンテンツのデータを記憶するコンテンツ記憶手段と、該コンテンツ記憶手段が記憶しているコンテンツのデータを再生する再生手段とを備えたコンテンツ再生装置において、前記コンテンツ記憶手段は、再生されるべきコンテンツのデータそれぞれに対応して位置情報を記憶するように構成されており、与えられた位置情報に従って前記コンテンツ記憶手段からコンテンツのデータを読み出して前記再生手段に再生させるコンテンツ処理手段を備えることを特徴とする。
また本発明に係るコンテンツ再生装置は、再生されるべきコンテンツのデータを記憶するコンテンツ記憶手段と、該コンテンツ記憶手段が記憶しているコンテンツのデータを再生する再生手段とを備えたコンテンツ再生装置において、前記コンテンツ記憶手段は、再生されるべきコンテンツのデータそれぞれに対応して時刻情報を記憶するように構成されており、与えられた時刻情報に従って前記コンテンツ記憶手段からコンテンツのデータを読み出して前記再生手段に再生させるコンテンツ処理手段を備えることを特徴とする。
このような本発明に係るコンテンツ再生装置では、再生されるべきコンテンツのデータと、個々のコンテンツのデータに対応付けられた位置情報又は時刻情報とがデータベースとしてのコンテンツ記憶手段に記憶されており、与えられた位置情報又は時刻情報に従ってコンテンツのデータがコンテンツ記憶手段から読み出されて再生される。
また本発明に係るコンテンツ再生装置は上記の発明において、位置情報の入力を受け付ける位置情報受付手段を更に備え、前記コンテンツ処理手段は前記位置情報受付手段が受け付けた位置情報に従って前記コンテンツ記憶手段からコンテンツのデータを読み出して前記再生手段に再生させるようにしてあることを特徴とする。
また本発明に係るコンテンツ再生装置は上記の発明において、時刻情報の入力を受け付ける時刻情報受付手段を更に備え、前記コンテンツ処理手段は前記時刻情報受付手段が受け付けた時刻情報に従って前記コンテンツ記憶手段からコンテンツのデータを読み出して前記再生手段に再生させるようにしてあることを特徴とする。
このような本発明に係るコンテンツ再生装置は上記の発明において、位置情報受付手段が受け付けた位置情報、または時刻情報受付手段が受け付けた時刻情報に従ってコンテンツのデータがコンテンツ記憶手段から読み出されて再生される。
また本発明に係るコンテンツ再生装置は前記の発明において、位置情報を自動的に取得する位置情報取得手段を更に備え、前記コンテンツ処理手段は前記位置情報取得手段が取得した位置情報に従って前記コンテンツ記憶手段からコンテンツのデータを読み出して前記再生手段に再生させるようにしてあることを特徴とする。
また本発明に係るコンテンツ再生装置は前記の発明において、時刻情報を自動的に取得する時刻情報取得手段を更に備え、前記コンテンツ処理手段は前記時刻情報取得手段が取得した時刻情報に従って前記コンテンツ記憶手段からコンテンツのデータを読み出して前記再生手段に再生させるようにしてあることを特徴とする。
このような本発明に係るコンテンツ再生装置は前記の発明において、自動的に取得された位置情報又は時刻情報に従ってコンテンツのデータがコンテンツ記憶手段から読み出されて再生される。
また本発明に係るコンテンツ再生装置は上記の各発明のいずれか一つにおいて、コンテンツのデータの入力を受け付けるコンテンツ受付手段を更に備え、前記コンテンツ処理手段は前記コンテンツ受付手段が受け付けたコンテンツのデータに位置情報を対応付けて前記コンテンツ記憶手段に記憶させるようにしてあることを特徴とする。
また本発明に係るコンテンツ再生装置は上記の各発明のいずれか一つにおいて、コンテンツのデータの入力を受け付けるコンテンツ受付手段を更に備え、前記コンテンツ処理手段は前記コンテンツ受付手段が受け付けたコンテンツのデータに時刻情報を対応付けて前記コンテンツ記憶手段に記憶させるようにしてあることを特徴とする。
このような本発明に係るコンテンツ再生装置は上記の各発明のいずれか一つにおいて、外部から受け付けられたコンテンツのデータに位置情報又は時刻情報が対応付けられてコンテンツ記憶手段に記憶される。
また本発明に係るコンテンツ再生装置は前記の各発明の内のいずれか一つにおいて、コンテンツのデータを取得するコンテンツデータ取得手段を更に備え、前記コンテンツ処理手段は前記コンテンツデータ取得手段が取得したコンテンツのデータに位置情報を対応付けて前記コンテンツ記憶手段に記憶させるようにしてあることを特徴とする。
また本発明に係るコンテンツ再生装置は前記の各発明の内のいずれか一つにおいて、コンテンツのデータを取得するコンテンツデータ取得手段を更に備え、前記コンテンツ処理手段は前記コンテンツデータ取得手段が取得したコンテンツのデータに時刻情報を対応付けて前記コンテンツ記憶手段に記憶させるようにしてあることを特徴とする。
このような本発明に係るコンテンツ再生装置は前記の各発明の内のいずれか一つにおいて、自身取得したコンテンツのデータに位置情報又は時刻情報が対応付けられてコンテンツ記憶手段に記憶される。
また本発明に係るコンテンツ再生装置は前記の発明において、前記位置情報受付手段は、前記コンテンツ記憶手段に記憶されるべき又は前記コンテンツ記憶手段に記憶されているコンテンツのデータに対応付けるための位置情報の入力を受け付けるようにしてあることを特徴とする。
また本発明に係るコンテンツ再生装置は前記の発明において、前記時刻情報受付手段は、前記コンテンツ記憶手段に記憶されるべき又は前記コンテンツ記憶手段に記憶されているコンテンツのデータに対応付けるための時刻情報の入力を受け付けるようにしてあることを特徴とする。
このような本発明に係るコンテンツ再生装置は前記の発明において、コンテンツ記憶手段にこれから記憶されるべきコンテンツのデータに、または既にコンテンツ記憶手段に記憶されているコンテンツのデータに対応付けられる位置情報又は時刻情報が外部から入力される。
また本発明に係るコンテンツ再生装置は前記の発明において、前記位置情報取得手段は、前記コンテンツ記憶手段に記憶されるべき又は前記コンテンツ記憶手段に記憶されているコンテンツのデータに対応付けるための位置情報を取得するようにしてあることを特徴とする。
また本発明に係るコンテンツ再生装置は前記の発明において、前記時刻情報取得手段は、前記コンテンツ記憶手段に記憶されるべき又は前記コンテンツ記憶手段に記憶されているコンテンツのデータに対応付けるための時刻情報を取得するようにしてあることを特徴とする。
このような本発明に係るコンテンツ再生装置は前記の発明において、コンテンツ記憶手段にこれから記憶されるべきコンテンツのデータに、または既にコンテンツ記憶手段に記憶されているコンテンツのデータに対応付けられる位置情報又は時刻情報が自動的に取得される。
また本発明に係るコンテンツ再生装置は前記の各発明のいずれか一つにおいて、前記コンテンツのデータは音声のデータ、文字のデータ、静止画像のデータ及び/又は動画像のデータ、または音声のデータに文字のデータ、静止画像のデータ又は動画像のデータを組み合わせたデータであり、前記再生手段は音声のデータ、文字のデータ、静止画像のデータ又は動画像のデータのいずれかを、または音声のデータと、文字のデータ、静止画像のデータ又は動画像のデータのいずれかとを、または音声のデータに文字のデータ、静止画像のデータ又は動画像のデータを組み合わせたデータを再生するようにしてあることを特徴とする。
このような本発明に係るコンテンツ再生装置は前記の各発明のいずれか一つにおいて、コンテンツのデータとして音声のデータ、文字のデータ、静止画像のデータ及び動画像のデータのいずれか一つ又は複数が、または音声のデータに文字のデータ、静止画像のデータ又は動画像のデータを組み合わせたデータがコンテンツ記憶手段に記憶され、音声のデータ、文字のデータ、静止画像のデータ又は動画像のデータのいずれか一つが、または音声のデータと、文字のデータ、静止画像のデータ及び動画像のデータのいずれかとが、または音声のデータに文字のデータ、静止画像のデータ又は動画像のデータを組み合わせたデータが再生される。
以上のような本発明に係るコンテンツ再生装置によれば、与えられた位置情報又は時刻情報に従ってコンテンツのデータがコンテンツ記憶手段から読み出されて再生されるので、コンテンツを検索するためのキーワード等が不要になり、位置情報又は時刻情報に関連させた種々のコンテンツの再生方法が可能になる。
また本発明に係るコンテンツ再生装置によれば上記の発明において、ユーザが入力した任意の位置情報又は時刻情報に従ってコンテンツを再生させることが可能になるので、コンテンツを検索するためのキーワード等が不要になり、ユーザが入力した任意の位置情報又は時刻情報に関連させた種々のコンテンツの再生方法が可能になる。
また本発明に係るコンテンツ再生装置によれば前記の発明において、自動的に取得された位置情報又は時刻情報に従ってコンテンツを再生させることが可能になるので、コンテンツを検索するためのキーワード等が不要になり、自動的に取得された位置情報又は時刻情報に関連させた種々のコンテンツの再生方法が可能になる。
また本発明に係るコンテンツ再生装置によれば上記の各発明のいずれか一つにおいて、ユーザが任意のコンテンツをコンテンツ記憶手段に記憶させると共に、位置情報又は時刻情報を対応付けることが可能になるので、ユーザが入力したコンテンツのデータに関して位置情報又は時刻情報に関連させた種々のコンテンツの再生方法が可能になる。
また本発明に係るコンテンツ再生装置によれば前記の各発明のいずれか一つにおいて、装置自身がコンテンツのデータを取得して位置情報又は時刻情報を対応付けて憶手段に記憶することが可能になるので、装置自身が取得したコンテンツのデータに関して位置情報又は時刻情報に関連させた種々のコンテンツの再生方法が可能になる。
また本発明に係るコンテンツ再生装置によれば前記の発明において、ユーザが外部から入力した位置情報又は時刻情報をコンテンツに対応付けることが可能になるので、それらの情報が付属していないコンテンツにもユーザが任意にそれらの情報を付与した上で、位置情報又は時刻情報に関連させた種々のコンテンツの再生方法が可能になる。
また本発明に係るコンテンツ再生装置によれば前記の両発明のいずれかにおいて、自動的に取得された位置情報又は時刻情報をコンテンツに対応付けることが可能になるので、コンテンツのデータが取得された時点でそれらの情報を付与した上で、位置情報又は時刻情報に関連させた種々のコンテンツの再生方法が可能になる。
更に本発明に係るコンテンツ再生装置によれば前記の各発明のいずれか一つにおいて、コンテンツのデータとして音声のデータ、文字のデータ、静止画像のデータ又は動画像のデータのいずれか、またはそれらを組み合わせたデータが登録されているので、種々のデータを組み合わせて再生することが可能になる。
以下、本発明をその実施の形態を示す図面を参照して具体的に説明する。図1は本発明に係るコンテンツ再生装置を携帯電話機に適用した場合の内部構成例を示す機能ブロック図である。
携帯電話機1は、CPU又はMPUにより構成される制御部11、インターネット通信可能な通信部12、たとえばGPS等を利用して現在位置を検出するための位置検出部13、テンキー及び十字キー等で構成される操作部14、現在時刻としての絶対時刻(年月日時分秒)を計時する計時部15、制御部11による携帯電話機1の基本的な制御のためのプログラムを記憶したROM16、制御部11による制御に伴なって発生する種々のデータを一時記憶するRAM17、液晶パネル等を利用した表示部18、書き換え可能であり且つ電源が遮断された場合にもデータを保持することが可能な不揮発性メモリ19、通常の通話のための送受話部20、CCD等の撮像素子を利用して静止画及び/又は動画を撮像してデジタルデータ(たとえばJPEG,MPEGフォーマット等)に変換出力する撮像部21、他の機器、たとえばパーソナルコンピュータ等とケーブルを介して、または赤外線通信(IrDA)等で通信するための外部インタフェイス22、外部の音声を録音するためのマイクロフォン23、音声出力のためのスピーカ24、種々のデータフォーマット間でデータフォーマットの変換を行なうデータ変換部25等を備えている。
なお、マイクロフォン23から入力されたアナログの音声信号はA/D(アナログ/デジタル変換器)230によってデジタルの音声信号に変換される。また、スピーカ24から発声される音声はデジタルデータの音声信号がD/A(デジタル/アナログ変換器)240によってアナログの音声信号に変換された後にスピーカ24に与えられる。なお、参照符号241はイヤフォン(ヘッドフォン)ジャックであり、適宜のイヤフォン(ヘッドフォン)のプラグを挿入することにより、スピーカ24からではなくイヤフォン(ヘッドフォン)から音声を出力させることが可能になる。
データ変換部25は、たとえば音声データの場合であればアナログ音声データをデジタル化したデジタル音声データを更にたとえばMP3フォーマットに変換したり、その逆の変換を行なったり、あるいは外部インタフェイス22から入力された音楽CDフォーマットのデータをMP3フォーマットに変換したりする。またデータ変換部25は、画像データの場合であれば、撮像部21で撮像された画像データ、インターネットを介して受信した、または外部インタフェイス22から入力された種々のフォーマット、たとえばビットマップ、GIF等のフォーマットの画像データを携帯電話機1内で扱うためのフォーマット、たとえばJPEGフォーマット等に変換し、またその逆の変換も行なう。
以上のような携帯電話機1の構成は基本的には公知の携帯電話機と同様である。なお、RAM17を不揮発性メモリ19で兼用することも可能であり、更にはROM16及びRAM17を不揮発性メモリ19で兼用することも可能である。また、マイクロフォン23及びスピーカ24は送受話部20に通常備えられているマイクロフォン及びスピーカで兼用することも可能である。
ところで、不揮発性メモリ19の適宜の記憶領域にはコンテンツデータベース(以下、DB)190及びコンピュータプログラムとしてのコンテンツ処理プログラム195が記憶されている。コンテンツDB190は、コンテンツとしての静止画のデータ、動画のデータ、音声のデータ(音楽,人の肉声等)、テキストのデータをいずれも圧縮符号化されたデジタルデータとして記憶する。コンテンツ処理プログラム195は、後述する手順に従ってコンテンツDB190へのコンテンツデータの登録及びコンテンツDB190からのコンテンツのデータの検索を行なう。
コンテンツDB190は、コンテンツのデータを実際に記憶するコンテンツ記憶領域192と、インデクス領域191とで構成されている。図2はインデクス領域191の記憶内容を示す模式図である。インデクス領域191は図2に模式的に示すように、各コンテンツに関して、それぞれを特定するためのID,格納アドレス,位置情報,時刻情報,コンテンツタイプ,分類の各情報が関連付けられて記憶されている。
格納アドレスは具体的にはそれぞれのコンテンツが記憶されているコンテンツ記憶領域192内のアドレスである。位置情報は具体的にはそれぞれのコンテンツが取得された時点で位置検出部13により検出された経緯度を示す情報である。時刻情報は具体的にはそれぞれのコンテンツが取得された時点で計時部15により計時された年月日時分秒を示す情報である。コンテンツタイプは具体的には各コンテンツが静止画であるか、動画であるか、音声であるか、テキストであるかを示す識別子である。また、分類は個々のコンテンツがたとえば飲食店に関する情報であるか、ナビゲーション(道順案内)のための情報であるか、音楽であるか、等を表す情報である。
従って、コンテンツDB190からコンテンツのデータが読み出される際には、位置情報及び/又は時刻情報でインデクス領域191を検索して該当するコンテンツのデータをコンテンツ記憶領域192から読み出すことが可能である。コンテンツ記憶領域192から読み出されたコンテンツのデータはコンテンツタイプを示す識別子に応じて、データ変換部25でデータフォーマットを変換された後に表示部18で表示されるか、スピーカ24から音声として発声されるかが制御部11により決定される。なお、画像(静止画像,動画像)と音声とが一体化されたコンテンツも存在する。
撮像部21により撮像された静止画又は動画のデータ、スピーカ23から入力された音声のデータ、操作部14から入力されたテキストのデータがコンテンツDB190にコンテンツとして記憶される場合は、同時に位置検出部13により検出された現在位置に関する位置情報と、計時部15が計時している絶対時刻(年月日時分秒)の情報(時刻情報)とが関連付けられて記憶される。
また、コンテンツDB190は、静止画,動画,音声,テキストのデータを通信部12によりインターネットからダウンロードすることも、または電子メールで受信することも可能であり、更に外部インタフェイス22を介して他の種々の機器、たとえばパーソナルコンピュータ等から取り込むこともできる。このようなデータに関しては、コンテンツDB190は位置情報及び時刻情報が付属している場合はそれらを対応付けて静止画を記憶する。しかしそのようなデータに位置情報及び時刻情報の双方又はいずれか一方が付属していない場合には、コンテンツDB190はそのデータを記憶する時点で位置検出部13及び計時部15から位置情報及び時刻情報を取り込んでもよいし、あるいは位置情報及び/又は時刻情報が付属していない場合にはブランクのままでもよい。
コンテンツタイプは、撮像部21から取得された静止画及び動画のデータに関しては撮像が行なわれる時点のモード(静止画モード又は動画モード)により静止画又は動画であることが判別可能であり、マイクロフォン23から入力された音声のデータは音声であることが判別可能であり、操作部14から入力されたテキストのデータに関してはテキストデータであることが判別可能である。また通信部12又は外部インタフェイス22を介して取り込んだデータに関してはデータファイルにファイルの識別子が付属しているのでコンテンツタイプの識別が可能である。
なお、コンテンツDB190に記憶されているデータに関して、それぞれに対応付けられている位置情報及び時刻情報は操作部14の操作によって変更,削除,追加(最初から無い場合)等が可能である。
ところで、位置情報は基本的には位置検出部13で検出された経緯度の情報である。従って、位置情報を変更する場合又は位置情報が付属していないデータに位置情報を追加する場合には何らかの手法によって経緯度の情報を入力する必要がある。このための手法としては種々の手法が可能であるが、たとえば市町村名,駅名,あるいは有名な地名,施設名を操作部14から文字入力することにより、予め不揮発性メモリ19に記憶させてある地名データベースから市町村の中心地点等の経緯度を読み出す方法又は通信部12がインターネット通信により特定のウェブサイトからダウンロードする方法、不揮発性メモリ19に予め記憶されている地図データ又は通信部12がインターネット通信により特定のウェブサイトからダウンロードした地図データを表示部18に表示した地図画像上で指定する方法等が考えられる。いずれにしろ、位置情報としての経緯度を取得することは従来公知の技術で可能であり、また厳密な情報ではなくある程度大まかな情報でもよい。
また、時刻情報に関しても変更,追加等が可能である。時刻情報の変更は将来の時刻を予め設定しておくことにより、その時刻に自動的にデータを再生させる設定等のために行なわれる。
図3は上述のような本発明のコンテンツ再生装置としての携帯電話機1による各種データをコンテンツのデータとして取得する際の基本的な処理手順を示すフローチャートであり、コンテンツ処理プログラム195に従って制御部11により実行される。
携帯電話機1は通常は受信の待ち受け等の処理を行なっているが(ステップS11でNO、ステップS12)、ユーザが操作部14を操作することによるデータ取得の指示が与えられると(ステップS11でYES)、データを取得する。ここでデータを取得するとは、たとえば撮像部21による画像(静止画及び/又は動画)の撮像、またはマイクロフォン23から入力された音声の録音である。
データが取得されると制御部11は、取得したデータとその時点で位置検出部13が検出している位置情報及び計時部15が計時している時刻情報とをコンテンツDB190に登録する(ステップS13)。なお前述した如く、取得したデータそのものはコンテンツDB190のコンテンツ記憶領域192に、そのデータのコンテンツ記憶領域192での記憶位置を示すアドレス及び位置情報、時刻情報、コンテンツタイプ等はインデクス領域191に記憶される。なお、ユーザはデータが取得された際にそのデータの分類を操作部14を操作して入力することができる。
このようにしてコンテンツDB190に登録されたコンテンツのデータの位置情報及び/又は時刻情報はユーザの操作によって変更することも可能である(ステップS14でYES)。位置情報及び/又は時刻情報を変更する際は、ユーザは操作部14を操作して所望のコンテンツのデータを再生させ、その間に(画像データ及びテキストデータの場合は表示部18に表示されている間に、音声データの場合はスピーカ24又はイヤフォンジャック241から再生されている間に)位置情報及び/又は時刻情報を再入力すれば位置情報及び/又は時刻情報が変更され(ステップS15)、ステップS14へ処理が戻される。なお、変更後の位置情報及び/又は時刻情報はコンテンツDB190のインデクス191の対応するフィールドに登録される。
従って、ユーザはコンテンツDB190に登録されたコンテンツのデータの位置情報及び/又は時刻情報を変更しない操作をするまで(ステップS14でNO)、所望のコンテンツのデータの位置情報及び/又は時刻情報の変更を反復することが可能である。
なお、フローチャートには記載していないが、通信部12を介してインターネット上の特定のウェブサイトから種々のデータをダウンロードしてコンテンツのデータとしてコンテンツDB190に登録することも、また電子メールで受信した種々のデータをコンテンツのデータとして190に登録することも、更には外部インタフェイス22を介して種々の機器、たとえばパーソナルコンピュータ、オーディオ機器等から種々のデータを取り込んでコンテンツDB190にコンテンツのデータとして登録することも勿論可能である。更に、携帯電話機1にTV受信機能(主として地上デジタルTV受信機能)又はラジオ放送の受信機能が備えられている場合にはそれらの放送を受信した音楽のデータをコンテンツDB190に登録することも可能である。
図4は本発明のコンテンツ再生装置である携帯電話機1によるコンテンツの再生の際の処理手順を示すフローチャートであり、コンテンツ処理プログラム195に従って制御部11により実行される。
まず、ユーザが自動再生を選択すると(ステップS21でYES)、制御部11はその時点の位置情報を位置検出部13から取得する(ステップS22)。そして制御部11は取得した位置情報に対応するコンテンツのデータをコンテンツDB190から自動的に所定間隔で読み出して順次的に再生する(ステップS23)。具体的には、制御部11は位置検出部13が検出した位置情報をキーとしてコンテンツDB190のインデクス領域191を検索し、所定範囲内の位置情報が登録されていればその位置情報に対応付けられているアドレスを取得し、このアドレスに従ってコンテンツ記憶領域192からコンテンツのデータを読み出す。このようにしてコンテンツDB190から読み出されたコンテンツのデータは表示部18及び/又はスピーカ24から再生出力される。なお、音声のコンテンツに関してはスピーカ24に代えて、イヤフォン(ヘッドフォン)ジャック241を介して図示しないイヤフォン(ヘッドフォン)から再生することも可能である。この再生処理はユーザが終了を指示するまで(ステップS24でYES)、反復される(ステップS24でNO)。従って、取得した位置情報に対応するコンテンツのデータを全て再生した場合には再度同一のデータが再生される。
ユーザが自動再生ではなく手動再生を選択すると(ステップS21でNO,S31でYES)、制御部11はその時点の位置情報を位置検出部13から取得する(ステップS32)。そして制御部11は取得した位置情報に対応するコンテンツのデータの一つをユーザの手動操作に応じてコンテンツDB190から読み出して再生する(ステップS33)。この場合、ユーザが操作部14に対して所定の操作を行なうことにより、次のデータが再生される。この再生処理はユーザが終了を指示するまで(ステップS34でYES)、反復される(ステップS34でNO)。従って、取得した位置情報に対応するコンテンツのデータをユーザの操作部14の操作に応じて全て再生した後に更にユーザが再生の指示を操作部14の操作により与えた場合には再度同一のデータが再生される。ユーザがいずれの処理も選択しない場合(S31でNO)、制御部11は他の処理を実行し(ステップS35)、ステップS21へ処理を戻す。
以上が本発明のコンテンツ再生装置としての携帯電話機1の基本的な動作である。従って、コンテンツDB190に上述のようにして多数のコンテンツのデータが記憶されていれば、携帯電話機1はその時点での自身の位置及び/又は時刻を表す位置情報及び/又は時刻情報をキーとしてコンテンツを検索することにより、自動的に種々のコンテンツを種々の方法で再生させることが可能になる。従って、ユーザにとっては以下のような種々の利用方法が可能になる。以下にそのいくつかについて詳述する。
まず、特定地点で種々の情報を取得するための利用が考えられる。この場合には、ユーザ自身がたとえば自身の勤務先、頻繁に出張する出張先等においてたとえば飲食店の情報(店の外観の画像、メニューの画像、料理そのものの画像等)をその都度撮像部21により撮像し、分類として「飲食店」を指定してコンテンツのデータとしてコンテンツDB190に登録しておく。この際、店の印象、料理の印象等を文字データ又は音声データでコンテンツのデータとしてコンテンツDB190に登録しておいてもよい。なお、これらのデータがコンテンツDB190に登録される際には、位置検出部13により検出された位置情報及び計時部15で計時されている時刻情報が関連付けられることはいうまでもない。
そして、ユーザがそのような情報が登録されている地点で分類として「飲食店」を指定してコンテンツの再生を指示すれば、制御部11はその時点で位置検出部13が検出している位置情報(経緯度)を中心としたある程度の範囲の経緯度、たとえば半径数km(経緯度の差をおおよその距離に変換することは容易に可能)の範囲内の位置情報が付属するコンテンツのデータをそれぞれに付属する時刻情報の古い順又は新しい順にスライドショーの方式で数秒間隔で自動的に順次表示することが可能である。ユーザはこのスライドショーを見ることにより、食事をする店を決めることができるし、また逆にスライドショーで再生された店以外の店を選択することもできる。
以上のような本発明のコンテンツ再生装置の利用方法は図3及び図4に示したフローチャートによる基本的な動作例で実行可能である。
また、マンナビゲーションシステムとしての利用方法も可能である。たとえば、ユーザが始めてある場所へ出かける際に、最寄駅から目的地まで実際に歩きながら目標(ランドマーク)となる建物、交差点での進行方向等を撮像部21で撮像しつつ画像データとテキストデータ又はユーザ自身の音声データとでコンテンツのデータとして登録しておく。これにより、ユーザが次に同じ場所へ出かける際、または他の人がその場所へ出かける際にそのようなコンテンツのデータを起点となる最寄駅から時刻情報の順に、又は位置情報に応じて手動で順次表示するスライドショーの方式で表示すれば、マンナビゲーションシステムとしての利用が可能になる。
図5は本発明のコンテンツ再生装置を上述のようなマンナビゲーションシステムとして利用する場合のデータ取得時の処理手順を示すフローチャートである。なおこのフローチャートに示す処理はコンテンツ処理プログラム195に従って制御部11により実行される。
まず、ユーザが目的地の最寄駅、最寄バス停等のようなナビゲーションの起点となるような場所において操作部14を操作してマンナビゲーションシステム登録モードを指定すると制御部11はマンナビゲーションシステム登録モードを設定する(ステップS41でYES)。それ以外の場合は (ステップS41でNO)、制御部11はたとえば着信の待ち受け処理等の他の処理を実行する(ステップS42)。
マンナビゲーションシステム登録モードが設定された後、制御部11はデータの取得を待機する状態になる(ステップS43でNO)。そして、ユーザの操作によりデータの取得(撮像部21による静止画,動画データの取得、マイクロフォン23による音声データの取得、操作部14によるテキストデータの取得等)が行なわれると(ステップS43でYES)、制御部11はその時点の位置情報及び時刻情報をそれぞれ位置検出部13及び計時部15から取得し(ステップS44)、これらの情報、即ち取得したデータ,位置情報,時刻情報,分類(マンナビゲーションシステム登録モードが設定されている間の分類は全てマンナビゲーションになる)をコンテンツDB190に登録する(ステップS45)。
目的地に到着するまで以上のようにしてユーザはランドマークになる建物等、交差点の画像及び進行方向に関する情報等を画像データ,音声データ,テキストデータのいずれか又はそれらの組み合わせで登録してゆく(ステップS46でNO、ステップS43へ戻る)。そして、ユーザが目的地に到着して操作部14の操作によりマンナビゲーションシステム登録モードの終了を指示すると(ステップS46でYES)、制御部11はこのマンナビゲーションシステム登録モードを終了する。
図6及び図7は上述のようにして登録されたマンナビゲーションシステム用のコンテンツのデータを再生する処理、換言すれば携帯電話機1がマンナビゲーションシステムとして実際に利用される場合の処理手順を示すフローチャートである。なお、この図6及び図7に示すフローチャートの処理はコンテンツ処理プログラム195に従って制御部11により実行される。
ユーザが目的地の最寄駅、最寄バス停等のナビゲーションの起点において操作部14を操作してマンナビゲーションシステム実行モードを指定すると制御部11はマンナビゲーションシステム実行モードを設定する(ステップS51でYES)。それ以外の場合は (ステップS51でNO)、制御部11はたとえば着信の待ち受け処理等の他の処理を実行する(ステップS52)。マンナビゲーションシステム実行モードの設定に応じて制御部11は位置検出部13が検出している位置情報を取得し(ステップS53)、コンテンツDB190に登録されているコンテンツのデータから、取得した位置情報に対応するマンナビゲーションの分類の内の最も時刻情報が古いコンテンツのデータを検索して再生する(ステップS54)。この後、次データの再生操作が行われるまでは(ステップS55でNO)、そのままの表示状態が維持される。
ここで再生されるデータがたとえば駅前広場の画像であって進行方向が不明であるような場合はユーザは操作部14を操作して次のデータの再生を指示する(ステップS55でYES)。これに応じて制御部11は再度位置検出部13から位置情報を取得し(ステップS56)、取得した位置情報に対応するマンナビゲーションの分類のデータをコンテンツDB190から検索する(ステップS57)。該当データが複数登録されている場合(ステップS58でYES)、制御部11は再生中のデータが含まれているか否かを判断する(ステップS59)。現在再生中のデータが含まれている場合は(ステップS59でYES)、制御部11はそれらのデータの内の時刻情報が再生中のデータの時刻情報の次であるデータを再生する(ステップS60)。
従って、前述したように最初に駅前広場の画像が表示された場合に次に再生されたデータが「駅前広場を右へ行く」というようなテキストデータであれば、ユーザはこのテキストデータに従って駅前広場を右へ行けばよいことになる。
先のステップS57での検索の結果、該当データが存在しない場合は(ステップS58でNO,S61でNO)、制御部11は上述したステップS60の処理を実行することにより、位置情報とは関係無く、現在再生中のデータの次の時刻情報を有するデータを再生する。このような状況は登録モード時にデータが取得された2地点間にユーザ(携帯電話機1)が位置している状況に対応しており、ユーザには通常は進行方向(道順)が判明している場合が多い。従って、ユーザは再生されているデータに対応する地点まで進行すればよいことになる。但し、その間に道に迷ったとユーザが判断した場合にはユーザは操作部14を操作して前のデータを再生させる指示を与えることが可能である(ステップS63でYES)。これに応じて制御部11は現在再生中のデータの直前に再生したデータを再度再生するので(ステップS64)、ユーザはその再生されたデータが取得された位置へ戻ることができる。
また、先のステップS57での検索の結果、該当データが1個のみ存在する場合は(ステップS58でNO,S61でYES)、そのデータは現在再生中のデータであるが、制御部11はその現在再生中のデータを再生する(ステップS62)。この場合は、登録モード時にその地点で取得されたデータが1個しか存在しないので、ユーザはそのデータに従って進行方向を判断せざるをえない。但し、通常はこのような1地点で1個のみデータが存在する場合は、データの取得時にそのデータによって進行方向が判明するようなデータが取得されているはずである。しかし、この時点で道に迷ったとユーザが判断した場合にはユーザは操作部14を操作して前のデータを再生させる指示を与えることが可能である(ステップS63でYES)。これに応じて制御部11はその前回再生したデータを再生するので(ステップS64)、ユーザはその再生されたデータが取得された位置へ戻ることができる。
ところで、前述のステップS59において、ステップS57で検索された複数のデータに現在再生中のデータが含まれていない場合(ステップS59でNO)、現在位置が現在再生中のデータが取得された位置とは異なる位置であり、且つ現在位置で取得されたデータが複数存在することを意味している。従ってこの場合、制御部11はそれらのデータの内の時刻情報が最も古いデータを再生し(ステップS66)、その後は先述したステップS63へ処理を進めることによって、現在位置に対応した複数のデータを取得された時刻順に再生することが可能になる。
以上のようにして携帯電話機1により再生されるデータ(画像,テキスト,音声)に従って順次的に次のデータを再生させるようにユーザが操作部14の操作により指示を与えることにより(ステップS63でNO、S65でNO)、ユーザは最終的に目的地へ到着することができるので、その時点でマンナビゲーションシステムの実行モードを終了させる(ステップS65でYES)。
このような携帯電話機のマンナビゲーションシステムとしての利用方法は都市部を中心として、カーナビゲーションシステムと同様に出発地点と目的地点とを指定することにより道案内をしてくれるサービスが既に提供されてはいるが、本発明ではこれとは異なり極めて個人的な目的でユーザ自身が作成して利用することが可能になる。
更に単なるマンナビゲーションシステムとしてではなく、たとえばハイキング,トレッキングの際に特徴的な地形,樹木等をランドマークとして撮像部21で撮像した画像をコンテンツのデータとして登録し、また同時にテキスト又は音声で感想等をコンテンツのデータとして登録し、更に分かれ道においてどちらへ進行したかを画像及びテキスト又は音声でコンテンツのデータとして登録しておくような利用方法も可能である。このようなコンテンツのデータが登録されていれば、ユーザ自身は勿論のこと、他の人が利用する場合にも次に同じコースをハイキング,トレッキングする際に迷うことがないし、万一道に迷った場合、あるいは不幸にも遭難した場合にも迅速且つ適切な対処が可能になる。
また上述のようなハイキング,トレッキング等の道順案内に限らず種々の趣味的な利用方法も可能である。たとえば植物採集、昆虫採集等の際に道順と共に採集を行なった場所及び採集した植物又は昆虫の画像をコンテンツのデータとして登録し、更に採集場所及び採集時の状況等をテキスト又は音声でコンテンツのデータとして登録しておく。このようなコンテンツのデータが登録されていれば、ユーザ自身が同じ場所に次に植物採集、昆虫採集に行く場合は勿論のことであるが、他の人がその場所へ植物採集、昆虫採集に行く場合にも利用することが可能になる。
勿論、写真撮影そのものを目的とする利用も可能である。たとえばユーザが猫好きであれば、撮像部21を利用してアットランダムに撮像した猫の画像をコンテンツのデータとして登録しておく。このような猫の画像のコンテンツのデータが多数登録されている場合、ユーザが任意の場所で猫の画像の再生を行なわせれば、その時点の現在位置周辺で過去に撮像した猫の画像がスライドショーで再生されるので、それらの猫を探すことも可能になる。このような利用方法は他にたとえば、お地蔵様、道祖神、狛犬等の画像を趣味で撮像している場合にも適用できるし、近年流行しているいわゆる路上観察と称される趣味にも適している。
なお更に、写真そのものは銀塩フィルムカメラ又はデジタルカメラで撮影する場合に、携帯電話機1の撮像部21で同一アングルで撮像を行なった画像をコンテンツのデータとして登録すると共に、撮影場所及び撮影時の状況、更に撮影データ(シャッタ速度,レンズの絞り値,使用レンズ等)等をテキスト又は音声でコンテンツのデータとして登録しておくという利用方法も可能である。このようなコンテンツのデータが登録されていれば、ユーザ自身が同じ場所に次に写真撮影に行く場合は勿論のことであるが、他の人がその場所へ写真撮影に行く場合にも利用することが可能になる。また、携帯電話機1で撮像した画像のデータを、銀塩フィルム写真又はデジタルカメラで撮影した写真のインデクス用のサムネイルとして利用することも可能になる。
更に、携帯電話機1をヘッドフォンステレオとして利用する場合にも、通信部12を介してインターネット経由で予めダウンロードした音楽のデータ、外部インタフェイス22を利用して他のパーソナルコンピュータ又はオーディオ機器から取得した音楽のデータ、更には携帯電話機1にTV受信機能(主として地上デジタルTV受信機能)又はラジオ放送の受信機能が備えられている場合にはそれらの放送を受信した音楽のデータをコンテンツDB190に登録することが可能である。
このようにしてコンテンツDB190に登録された音楽のデータはそれぞれが登録された際の位置情報を付属させるとも可能であるが、前述したようにユーザが任意の位置情報に変更することも可能である。従って、ユーザは自分が移動する範囲内の特定の地点に対応させていくつかの音楽に位置情報を付与することにより、携帯電話機1に対して音楽を再生させる操作を行なうのみで、現在位置に対応する音楽を聞くことが可能になる。このことはユーザが徒歩は勿論のこと、鉄道、バス、自家用車等で移動している場合には、移動状態に応じて再生される音楽が自動的に変わることを意味している。従って、たとえば朝自宅から出勤する時点、自宅の最寄の駅に着いた時点、電車に乗っている間、勤務先の最寄駅に着いた時点、勤務先に着いた時点等に応じて、又はその逆順で再生される音楽が次から次に自動的に変わるようにできる。
たとえば、電車内で読書に専念している場合、勤務先又は自宅の最寄駅、あるいは乗り換え駅で気が付かずに乗り越してしまうことがあり得るが、上述のような携帯電話機1の利用方法を採れば(勿論この場合には、ユーザはイヤフォン又はヘッドフォンを利用する必要がある)、ユーザがたとえば電車内で読書に専念していたとしても、再生される音楽によって現在地が判明するので、電車を乗り越すような虞は解消される。
なお、上述のような携帯電話機1の利用方法において、位置情報ではなく時刻情報に従って再生する音楽を変えることも勿論可能である。この場合、たとえば一般の勤労者にとっては出勤時のスケジュール、即ち自宅を出る時刻、電車に乗る時刻、電車を降りる時刻、勤務先へ到着する時刻等はほぼ一定であることが多い。従って、それぞれの時刻に合わせて異なる音楽が再生されるように、コンテンツDB190に登録されている音楽のデータの時刻情報を設定しておけば、携帯電話機1のユーザが朝自宅を出てから勤務先へ到着するまでの間の通常のスケジュールに対応して異なる音楽を順次的に再生することも可能である。
また画像データに関しても上述同様に位置情報を任意に変更することにより、ユーザの意図した再生方法が可能になる。たとえば、取引先の会社の従業員の顔写真、名刺等の画像データ及び氏名,役職,過去の取引状況等のテキストデータにその会社の位置情報を付属させておけば、取引先の会社へ商談に行った場合に商談を開始するまでの時間にスライドショーを実行させることにより、過去の取引状況、担当者の顔等を確認しておくことが可能になる。
更にまた、単純に画像のスライドショーを現在位置に応じて楽しむ利用方法も可能である。たとえば、ユーザが過去に旅行した際に撮影した写真をそれらが撮影された際の位置情報と対応付けてコンテンツDB190に登録しておけば(撮像部21で撮像した画像データと位置検出部13が検出した位置情報とを自動的に対応付けてコンテンツDB190に登録しておいてもよいし、たとえば銀塩フィルムカメラ又はデジタルカメラで撮影した写真の画像データを外部から取り込んで位置情報を付与してコンテンツDB190に登録してもよい)、ユーザが再度同一の場所へ旅行した際に、前回(あるいは更にそれ以前)に撮影した写真を位置情報に従って自動的にスライドショーとして再生表示することも可能である。
ところで、デスクトップタイプのパーソナルコンピュータは、屋内で設置場所を変えたり、ユーザが転居したりした場合以外には移動しないことが前提となっている。従って、デスクトップタイプのパーソナルコンピュータでは、時刻情報はともかくとして、自身の位置情報を取得する必要はなく、またそのような機能も通常は備えられていない。一方、従来のスライドフィルムを使用したスライドショーに代えて、パーソナルコンピュータを利用したスライドショーは広く利用されており、また近年ではプロジェクタにパーソナルコンピュータを接続してスライドショーを行なうことも可能になっている。更に近年ではハードディスク等に大量の音楽データを蓄積することによって、パーソナルコンピュータをCDプレーヤ等の音楽再生装置と同等の機能を有する装置として利用することも可能になっている。
このような事情から、スライドショーの実行に際して予め設定した音楽をBGMとして再生することが可能なアプリケーションプログラムも存在する。このようなアプリケーションプログラムでは複数の画像データをグループ化し、各グループに含まれる複数の画像データを一連のスライドショーとして再生表示するが、その際にBGMとして再生される音楽が固定的に対応付けられる。従って、このようなアプリケーションプログラムの利用に際しては、スライドショーの対象となる画像データを予めグループ化(一般にアルバムと称される)しておく必要があり、また各グループのBGMとして使用する音楽を指定しておく必要もある。
以上のような事情から、たとえばユーザが旅行する都度撮影した写真をパーソナルコンピュータでスライドショーとして再生表示させる場合には、たとえば1回の旅行で撮影した写真の画像データをスライドショーの対象としてグループ化するか、または1回の旅行の内の異なる訪問地で撮影した写真の画像データをスライドショーの対象としてグループ化し、それぞれにBGMとして使用する音楽を予め設定する必要があった。
一方、スライドショーのBGMを毎回異なる音楽にするためには、BGMをスライドショーに対して予め設定するのではなく、音楽再生用のアプリケーションプログラムで音楽を再生させる操作と、スライドショー用のアプリケーションプログラムでスライドショーを実行させる操作との二つの操作を別々にパーソナルコンピュータに対して行ない、両者を並行処理させればよい。しかしこの場合、スライドショーの実行中にBGMが終了したり、逆にスライドショーが終了した後も音楽の再生は終了しない可能性もある。
そこで、本発明の一実施の形態では、スライドショーの実行に際して、再生表示される画像データに付属する位置情報に対応した音楽をBGMとして自動的に再生することを可能にする。なお、本実施の形態は主としてデスクトップタイプのパーソナルコンピュータで実施することを前提としているが、携帯電話機,PDA,カーナビゲーションシステム等で実施することも勿論可能である。
図8は本実施の形態のコンテンツ再生装置としてのパーソナルコンピュータの内部構成例を示すブロック図である。この図8に示すパーソナルコンピュータの内部構成例は、図1に示した携帯電話機の内部構成例と基本的には類似している。
具体的には、パーソナルコンピュータ100は、CPU111、インターネット通信可能な通信部112、キーボード及びマウス等で構成される操作部114、現在時刻としての絶対時刻(年月日時分秒)を計時する計時部115、起動プログラムを記憶したROM116、CPU111による制御に伴なって発生する種々のデータを一時記憶するRAM117、液晶モニタ等を利用した表示部118、書き換え可能であり且つ電源が遮断された場合にもデータを保持することが可能な不揮発性メモリとしてのハードディスクドライブ(HDD)119、CD−ROM等の可搬タイプの記録媒体からプログラム,データ等を読み込むためのたとえばCDドライブ等の補助記憶装置120、他の機器、たとえばデジタルカメラ等とケーブルを介して、または赤外線通信(IrDA)等で通信するための外部インタフェイス122、音声出力のためのスピーカ124等を備えている。なお、図8に示すパーソナルコンピュータでは、図1に示した携帯電話機1に備えられているデータ変換部25に対応する機能はCPU111によるソフトウェア的な処理で実現される。
また、スピーカ124から発声される音声はデジタルデータの音声信号がD/A(デジタル/アナログ変換器)125によってアナログの音声信号に変換された後にスピーカ124に与えられる。なお、参照符号126はイヤフォン(ヘッドフォン)ジャックであり、適宜のイヤフォン(ヘッドフォン)のプラグを挿入することにより、スピーカ124からではなくイヤフォン(ヘッドフォン)から音声を出力させることが可能になる。
なお、HDD119には図1に示した携帯電話機1の場合と同様のコンテンツDB190及びコンピュータプログラムとしてのコンテンツ処理プログラム195が記憶されている。コンテンツDB190及びコンテンツ処理プログラム195に関しては図1に示した携帯電話機1のコンテンツDB及びコンテンツ処理プログラムと同様であるのでその説明は省略する。
図9及び図10は図8に示す構成のパーソナルコンピュータによってスライドショーを実行する際のCPU111による制御手順を示すフローチャートである。なお、CPU111はHDD119に記憶されているコンテンツ処理プログラム195に従ってこのフローチャートの処理手順を実行する。
ユーザがたとえば表示部118に表示されている所定のアイコンを操作部114のマウスでクリックする等の操作を行なうと、CPU111はスライドショーの実行を開始する(ステップS71でYES)。なお、スライドショーの実行の開始が指示されない場合は(ステップS71でNO)、CPU111はユーザによる操作等に応じて他の処理を実行する(ステップS72)。
スライドショーの実行を開始する操作が行なわれた場合、CPU111は条件設定が行なわれたか否かを判断する(ステップS73)。ここで、条件設定が行なわれ(ステップS73でYES)、その条件が期間設定である場合(ステップS74でYES)、CPU111は期間の設定を受け付ける(ステップS75)。ここで受け付けられる期間とは、たとえば「2002年」のような年単位、「2002年1〜6月」のような月単位、更には周単位、日単位であってもよい。いずれにしろ、ステップS75で受け付けられた期間をキーとしてCPU111はコンテンツDB190を時刻情報の順に検索する(ステップS76)。
コンテンツDB190を検索した結果、対応する画像データが存在する場合は(ステップS77でYES)、CPU111はその画像データを表示部18に再生表示し(ステップS78)、その画像データに付属する位置情報に対応する音楽データ、即ち同じ位置情報が付属する音楽情報をコンテンツDB190から検索する(ステップS79)。この検索の結果、対応する音楽データがコンテンツDB190に登録されている場合は(ステップS80でYES)、CPU111はその音楽データをスピーカ24から再生出力し(ステップS81)、ない場合は(ステップS80でNO)、CPU111は所定の音楽データを再生出力する(ステップS82)。この場合、所定の音楽データが再生出力されることにより、ユーザは画像に対応する音楽がコンテンツDB190に登録されていないことを認識することが可能になる。但し、音楽データを再生しない、即ちBGMなしでスライドショーを実行するようにしてもよいし、ランダムに音楽データを選択して再生出力するようにしてもよい。
次にCPU111は画像データに付属する位置情報が変わったか否かを調べる(ステップS83)。但し、最初の画像データが再生表示される際にはこのステップS83での処理は行なわれない。そして、CPU111はスライドショーの各画像を表示する時間として予め設定されている所定時間が経過するまで待機し(ステップS83、S85でNO)、所定時間が経過すると(ステップS83でNO、ステップS85でYES)、先のステップS77へ処理を戻す。上記の所定時間が経過するまで待機している間は、ステップS78で表示された画像データが表示部18に表示され続けており、またステップS81で再生出力された音楽データの再生出力が継続される。
ステップS85で所定時間が経過したと判断されると、CPU111はステップS77へ処理を戻すので、ステップS76で時刻情報の順に検索されている次の画像データが存在すればその画像データが表示部18に前述同様にして表示表示される。またこの場合、新たに表示部18に表示された画像データに付属する位置情報がその直前に表示されていた画像データに付属する位置情報と変わっていなければ(ステップS83でNO)、CPU111は音楽データに関しては再生出力状態をそのまま継続させる。しかし、新たに表示部18に表示された画像データに付属する位置情報がその直前に表示されていた画像データに付属する位置情報とは異なる場合は(ステップS83でYES)、CPU111はステップS79へ処理を戻す。これにより、新たに表示された画像データに付属する位置情報に対応する音楽データが前述同様にしてコンテンツDB190から検索されるステップS79以降の処理が反復される。
以上のような処理により、たとえばユーザが期間設定をある1年間に設定した場合、その1年間にユーザが撮影した写真の画像データがコンテンツDB190から順次的に読み出されてスライドショー形式で表示部18に表示され、実質的に同一の位置(たとえばある程度の範囲の観光地等)の写真がスライドショーとして順次的に表示されている間はその位置に対応する音楽がBGMとして再生出力される。この場合のBGMとしては、ユーザが予め好みの曲に位置情報を付与してコンテンツDB190に登録しておいてもよいし、たとえばユーザが実際に旅行した際に録音した駅のアナウンス,有名な寺院の梵鐘の音等であってもよい。
そして、一つの観光地で撮影した写真が全てスライドショーとして再生表示されると次はその次にユーザが訪問した観光地で撮影した写真が全てスライドショーとして再生表示される。従って、スライドショーとして表示される写真がある観光地から他の観光地へ切り換わると、それに応じて再生出力されるBGMも異なる音楽に自動的に切り換わる。
なお、ステップS73においてユーザが条件設定を行なわなかった場合(ステップS73でNO)、CPU111はコンテンツDB190から全ての画像データを時刻情報の順に検索し(ステップS91)、画像データが登録されていればスライドショーを実行する(ステップS77でYES)。この場合にスライドショーとして表示部18に表示される画像に対応するBGMも前述同様にしてコンテンツDB190から検索されて再生出力される。
更に、ステップS74においてユーザが期間設定以外の条件設定、たとえば位置情報で条件設定を行なった場合(ステップS74でNO)、CPU111は条件設定を受け付け(ステップS92)、設定された条件でコンテンツDB190を検索し(ステップS93)、条件を満たす画像データが登録されていればスライドショーを実行する(ステップS77でYES)。この場合にスライドショーとして表示部18に表示される画像に対応するBGMも前述同様にしてコンテンツDB190から検索されて再生出力される。
なお、いずれの場合も画像データが登録されていなければ(ステップS77でNO)、この処理は終了する。
以上のように本発明に係るコンテンツ再生装置によれば、従来のように特定のキーワードで検索するのではなく位置情報及び/又は時刻情報で検索してコンテンツを再生するので、ユーザが自分専用のマンナビゲーションシステムを作成することが可能になる。また、従来の予めグループ化された画像データを対象として実行されていたスライドショーをたとえば任意の期間を指定してその間に撮影された写真の画像データを対象として実行させたり、固定的に対応付けられていたBGMを写真が撮影された位置情報に応じて自動的に異ならせたりもすることが可能になる。