上記目的を達成するために、この発明の第1の局面による画像表示装置は、画像を表示するための表示パネルと、光を第1の偏光軸を有する光に変化させる第1領域と、光を第2の偏光軸を有する光に変化させる第2領域とを含む第1偏光軸制御手段と、光を少なくとも2つの異なる偏光軸を有する光に分離するための第3領域および第4領域を含む第2偏光軸制御手段とを備え、第1偏光軸制御手段は、表示パネルが第1の方向に配置された状態で、第1領域を通過した光により、観察者に立体画像を提供するとともに、第2偏光軸制御手段は、表示パネルが第1の方向と交差する第2の方向に配置された状態で、第4領域を通過した光により、観察者に立体画像を提供し、平面的に見て、第1偏光軸制御手段の第1領域と第2偏光軸制御手段の第3領域とが重なる領域の面積は、第1偏光軸制御手段の第1領域と第2偏光軸制御手段の第4領域とが重なる領域の面積より小さい。
この第1の局面による画像表示装置では、上記のように、第1偏光軸制御手段を設けることによって、表示パネルが第1の方向に配置された状態で、第1偏光軸制御手段の第1領域を通過した光を観察者の目に向かって進行させることにより、観察者に立体画像を提供することができるとともに、第2偏光軸制御手段を設けることによって、表示パネルが第2の方向に配置された状態で、第2偏光軸制御手段の第3領域および第4領域により分離された少なくとも2つの異なる偏光軸を有する光のうちの少なくとも1つの偏光軸を有する光を観察者の目に向かって進行させることにより、観察者に立体画像を提供することができる。その結果、表示パネルを第1の方向(縦向き)に配置した場合および第2の方向(横向き)に配置した場合の両方の場合に、観察者に立体画像を提供することができる。また、平面的に見て、第1偏光軸制御手段の第1領域と第2偏光軸制御手段の第3領域とが重なる領域の面積を、第1偏光軸制御手段の第1領域と第2偏光軸制御手段の第4領域とが重なる領域の面積より小さくすることによって、表示パネルを第2の方向に配置して観察者に立体画像を提供する際に、第1領域と第3領域とが重なる領域を介して観察者の右目(左目)に左目用画像(右目用画像)が入射する場合であっても、第1領域と第4領域とが重なる領域の面積に比べて、第1領域と第3領域とが重なる領域の面積が小さいので、観察者の右目(左目)に左目用画像(右目用画像)が入射する量を減少させることができる。その結果、観察者の見る画像が2重像になるクロストーク現象を軽減することができる。
上記第1の局面による画像表示装置において、好ましくは、第1偏光軸制御手段の第1領域は、第1の方向および第2の方向の両方に対して交差する方向に沿って配置されており、第2偏光軸制御手段の第3領域および第4領域は、表示パネルが第2の方向に配置された状態で、観察者の左右の目を結んだ方向に対して実質的に垂直方向に延びるとともに、観察者の左右の目を結んだ方向に沿った方向に交互に形成されている。このように構成すれば、第1の方向および第2の方向の両方に対して交差する方向に沿って配置された第1偏光軸制御手段の第1領域により、第1領域を通過した光を、縦方向および横方向にほぼ均等に分散した状態で観察者の目に向かって進行させることができるので、表示パネルの画像の解像度の低下を縦方向と横方向とに分散することができる。これにより、画像劣化の少ない立体画像を提供することができる。なお、上記のように、第1偏光軸制御手段の第1領域を第1の方向および第2の方向の両方に対して交差する方向(斜め方向)に沿って配置した場合には、観察者の右目(左目)に左目用画像(右目用画像)が入射するという不都合が生じるので、上記第1の局面のように、第1領域と第4領域とが重なる領域の面積に比べて、第1領域と第3領域とが重なる領域の面積を小さくすることにより、観察者の右目(左目)に左目用画像(右目用画像)が入射する量を減少させることが特に有効である。
上記第1の局面による画像表示装置において、好ましくは、表示パネルは、右目用画像を表示するための第1表示領域と、左目用画像を表示するための第2表示領域とを有し、第1表示領域と第2表示領域との間には、遮光部が設けられている。このように構成すれば、観察者の右目(左目)が、第1領域と第3領域とが重なる領域を介して、左目用画像(右目用画像)が表示される第2表示領域(第1表示領域)を見る場合であっても、第1表示領域と第2表示領域との間に設けられる遮光部により、観察者の右目(左目)に左目用画像(右目用画像)が入射する量をより減少させることができる。
上記右目用画像を表示するための第1表示領域および左目用画像を表示するための第2表示領域を有する表示パネルを備えた画像表示装置において、好ましくは、第1偏光軸制御手段の第1領域は、第1の方向に配置された表示パネルの第1表示領域または第2表示領域に対応するように配置されており、第2偏光軸制御手段の第3領域および第4領域は、それぞれ、第2の方向に配置された表示パネルの第1表示領域および第2表示領域に対応するように配置されている。このように構成すれば、表示パネルの第1表示領域または第2表示領域に対応するように配置される第1偏光軸制御手段の第1領域により、表示パネルを第1の方向(縦向き)に配置した状態で、容易に、観察者に立体画像を提供することができる。また、表示パネルの第1表示領域および第2表示領域にそれぞれ対応するように配置される第2偏光軸制御手段の第3領域および第4領域により、表示パネルを第2の方向(横向き)に配置した状態で、容易に、観察者に立体画像を提供することができる。これらの結果、容易に、表示パネルを第1の方向(縦向き)に配置した場合および第2の方向(横向き)に配置した場合の両方の場合に、観察者に立体画像を提供することができる。
上記第1の局面による画像表示装置において、好ましくは、表示パネルは、右目用画像を表示するための第1表示領域と、左目用画像を表示するための第2表示領域とを有し、表示パネルの第1表示領域および第2表示領域は、カラー表示するためのドット領域を含み、第1偏光軸制御手段の第1領域は、表示パネルのドット領域に対応するように配置されている。このように構成すれば、ドット領域に対応するように設けられた第1偏光軸制御手段の第1領域により、表示パネルの画像を細分化した状態で観察者の目に入射させることができる。これにより、より画像劣化の少ない立体画像を観察者に提供することができる。
上記カラー表示するためのドット領域を含む表示パネルを備えた画像表示装置において、好ましくは、表示パネルのドット領域は、第2の方向が長手方向となるように長方形状に形成されるとともに、第1偏光軸制御手段の第1領域は、表示パネルのドット領域に対応するように、第2の方向が長手方向となるように長方形状に形成されており、長方形状の第1領域と第2偏光軸制御手段の第3領域とが重なる領域の第2の方向の長さは、長方形状の第1領域と第2偏光軸制御手段の第4領域とが重なる領域の第2の方向の長さより小さい。このように構成すれば、第2の方向が長手方向となるように長方形状に形成される第1偏光軸制御手段の第1領域を用いた場合に、第1領域と第3領域とが重なる領域の第2の方向の長さを、第1領域と第4領域とが重なる領域の第2の方向の長さより小さくすることによって、容易に、第1領域と第3領域とが重なる領域の面積を、第1領域と第4領域とが重なる領域の面積より小さくすることができる。その結果、観察者の右目(左目)に左目用画像(右目用画像)が入射する量を減少させることができるので、観察者の見る画像が2重像になるクロストーク現象を軽減することができる。
また、上記カラー表示するためのドット領域を含む表示パネルを備えた画像表示装置において、第1偏光軸制御手段の第1領域は、表示パネルのドット領域に対応するように形成されており、第1偏光軸制御手段の第1領域と第2偏光軸制御手段の第3領域とが重なる領域の第1の方向の長さは、第1偏光軸制御手段の第1領域と第2偏光軸制御手段の第4領域とが重なる領域の第1の方向の長さよりも小さくしてもよい。このように構成すれば、第1領域と第3領域とが重なる領域の第1の方向の長さを、第1領域と第4領域とが重なる領域の第1の方向の長さより小さくすることによって、容易に、第1領域と第3領域とが重なる領域の面積を、第1領域と第4領域とが重なる領域の面積より小さくすることができる。その結果、観察者の右目(左目)に左目用画像(右目用画像)が入射する量を減少させることができるので、観察者の見る画像が2重像になるクロストーク現象を軽減することができる。
また、上記カラー表示するためのドット領域を含む表示パネルを備えた画像表示装置において、第1偏光軸制御手段の第1領域は、表示パネルのドット領域に対応するように形成されており、第1偏光軸制御手段の第1領域と第2偏光軸制御手段の第3領域とが重なる領域の第1の方向の長さは、第1偏光軸制御手段の第1領域と第2偏光軸制御手段の第4領域とが重なる領域から離れる方向に向かって徐々に小さくなるように形成してもよい。このように構成すれば、第1領域と第3領域とが重なる領域の第1の方向の長さを、第1領域と第4領域とが重なる領域から離れる方向に向かって徐々に小さくすることによって、容易に、第1領域と第3領域とが重なる領域の面積を、第1領域と第4領域とが重なる領域の面積より小さくすることができる。その結果、観察者の右目(左目)に左目用画像(右目用画像)が入射する量を減少させることができるので、観察者の見る画像が2重像になるクロストーク現象を軽減することができる。
上記第1領域と第3領域とが重なる領域の第1の方向の長さが、第1領域と第4領域とが重なる領域の第1の方向の長さより小さいか、または、第1偏光軸制御手段の第1領域と第2偏光軸制御手段の第4領域とが重なる領域から離れる方向に向かって徐々に小さくなる画像表示装置において、好ましくは、第1偏光軸制御手段の第1領域と第2偏光軸制御手段の第3領域とが重なる領域の第2の方向の長さは、第1偏光軸制御手段の第1領域と第2偏光軸制御手段の第4領域とが重なる領域の第2の方向の長さと実質的に等しい。このように構成すれば、第1領域と第3領域とが重なる領域の面積を、第1領域と第4領域とが重なる領域の面積より小さくしたとしても、第1領域と第3領域とが重なる領域の第2の方向の長さと、第1領域と第4領域とが重なる領域の第2の方向の長さとが実質的に等しいため、表示パネルを第1の方向に配置した場合に、観察者が第1の方向(上下方向)に移動することが可能な適視距離が小さくなるのを抑制することができる。
上記第1の局面による画像表示装置において、好ましくは、第1偏光軸制御手段は、位相差板を含んでいる。このように位相差板を用いれば、容易に、光を第1の偏光軸を有する光と第2の偏光軸を有する光とに分離することができる。
上記第1の局面による画像表示装置において、好ましくは、第2偏光軸制御手段は、偏光制御液晶パネルを含み、偏光制御液晶パネルには、第3領域および第4領域に対応する位置に電極が設けられており、偏光制御液晶パネルの電極への電圧の印加状態を変化させることにより、偏光制御液晶パネルの液晶への電圧の印加状態を変化させる。このように構成すれば、偏光制御液晶パネルの電極を用いて、第3領域および第4領域の液晶に電圧を印加することができるので、液晶の電圧の印加状態を制御することによって、第3領域および第4領域の偏光制御状態を容易に変化させることができる。
この場合、好ましくは、偏光制御液晶パネルは、表示パネルが第1の方向に配置された状態で、第1の偏光軸を有する光および第2の偏光軸を有する光に対して、偏光軸を制御していずれか一方の光を透過する第1状態と、表示パネルが第2の方向に配置された状態で、第1の偏光軸を有する光を、第3の偏光軸を有する光と第4の偏光軸を有する光とに分離するとともに、第2の偏光軸を有する光を、第5の偏光軸を有する光と第6の偏光軸を有する光とに分離し、かつ、少なくとも第4の偏光軸を有する光と第6の偏光軸を有する光とを透過する第2状態と、表示パネルが第1および第2の方向に配置された状態で、第1の偏光軸を有する光および第2の偏光軸を有する光に対して、偏光軸を制御せずに両方の光を透過する第3状態とを切り替え可能であり、偏光制御液晶パネルの第1状態、第2状態および第3状態を、偏光制御液晶パネルの電極への電圧の印加状態を変化させることにより切り替えることによって、偏光制御液晶パネルの第1状態では、表示パネルを第1の方向に配置した状態で観察者に立体画像を提供し、偏光制御液晶パネルの第2状態では、表示パネルを第2の方向に配置した状態で観察者に立体画像を提供し、偏光制御液晶パネルの第3状態では、表示パネルを第1および第2の方向に配置した状態で観察者に平面画像を提供する。このように構成すれば、偏光制御液晶パネルを用いて、第1および第2の偏光軸を有する光の偏光軸を制御していずれか一方の光を透過することにより観察者に立体画像を提供する場合と、第4および第6の偏光軸を有する光を透過することにより観察者に立体画像を提供する場合と、第1および第2の偏光軸を有する光の偏光軸を制御せずに両方の光を透過することにより観察者に平面画像を提供する場合とに切り換えることができる。その結果、1つの画像表示装置で、縦向きに配置した場合および横向きに配置した場合の両方の場合に、観察者に立体画像を提供でき、かつ、縦向きに配置した場合および横向きに配置した場合の両方の場合に、平面画像を提供することができる。
この発明の第2の局面による画像表示装置は、画像を表示するための表示パネルと、表示パネルが第1の方向に配置された第1の状態で、表示パネルに表示される画像を分離するための市松状に配置された第1画像分離部を含む第1画像分離手段と、表示パネルが第1の方向と交差する第2の方向に配置された第2の状態で、表示パネルに表示される画像を分離するための第1の方向に延び、かつ、第2の方向に交互に配置された第2画像分離部および第3画像分離部を含む第2画像分離手段とを備え、第1画像分離手段は、表示パネルが第1の状態に配置された状態で、第1画像分離部を通過した光により、観察者に立体画像を提供し、第2画像分離手段は、表示パネルが第2の状態に配置された状態で、第3画像分離部を通過した光により、観察者に立体画像を提供し、平面的に見て、第1画像分離手段の第1画像分離部と第2画像分離手段の第2画像分離部とが重なる領域の面積は、第1画像分離手段の第1画像分離部と第2画像分離手段の第3画像分離部とが重なる領域の面積より小さい。
この第2の局面による画像表示装置では、上記のように、第1画像分離手段を設けることによって、表示パネルが第1の状態に配置された状態で、第1画像分離手段の第1画像分離部を通過した光を観察者の目に向かって進行させることにより、観察者に立体画像を提供することができるとともに、第2画像分離手段を設けることによって、表示パネルが第2の状態に配置された状態で、第2画像分離手段の第3画像分離部を通過した光を観察者の目に向かって進行させることにより、観察者に立体画像を提供することができる。その結果、表示パネルを第1の状態(縦向きの状態)および第2の状態(横向きの状態)に配置した両方の場合に、観察者に立体画像を提供することができる。また、平面的に見て、第1画像分離手段の第1画像分離部と第2画像分離手段の第2画像分離部とが重なる領域の面積を、第1画像分離手段の第1画像分離部と第2画像分離手段の第3画像分離部とが重なる領域の面積より小さくすることによって、表示パネルを第2の方向に配置して観察者に立体画像を提供する際に、第1画像分離部と第2画像分離部とが重なる領域を介して観察者の右目(左目)に左目用画像(右目用画像)が入射する場合であっても、第1画像分離部と第3画像分離部とが重なる領域の面積に比べて、第1画像分離部と第2画像分離部とが重なる領域の面積が小さいので、観察者の右目(左目)に左目用画像(右目用画像)が入射する量を減少させることができる。その結果、観察者の見る画像が2重像になるクロストーク現象を軽減することができる。
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態による画像表示装置の分解斜視図である。図2は、図1に示した本発明の一実施形態による表示パネルを縦向き(図1の状態)に配置した場合の立体画像表示時において観察者が表示パネルを見た状態を上方から示した図である。図3は、図1に示した本発明の一実施形態による表示パネルを横向き(図1を90°回転させた状態)に配置した場合の立体画像表示時において観察者が表示パネルを見た状態を上方から示した図である。図4〜図10は、図1に示した本発明の一実施形態による画像表示装置の構成を詳細に説明するための図である。まず、図1〜図10を参照して、本発明の一実施形態による画像表示装置1の構成について説明する。
本発明の一実施形態による画像表示装置1は、図1〜図3に示すように、バックライト2と、バックライト2の光出射側に配置され、画像を表示するための液晶表示パネルからなる表示パネル3と、表示パネル3を挟み込むように配置される偏光板4および5と、偏光板5の光出射側に配置される位相差板6と、位相差板6の光出射側に配置される偏光制御液晶パネル7と、偏光制御液晶パネル7の光出射側に配置される偏光板8とを備えている。なお、位相差板6は、本発明の「第1偏光軸制御手段」および「第1画像分離手段」の一例であり、偏光制御液晶パネル7および偏光板8は、本発明の「第2偏光軸制御手段」および「第2画像分離手段」の一例である。
バックライト2は、偏光板4に光を照射する機能を有している。また、偏光板4は、観察者10側から見て約135°の偏光軸を有するように設定されているので、観察者10側から見て約135°の偏光軸を有する光のみを透過する機能を有している。以下、特に記載のない限り、偏光軸の角度は、観察者10側から見た角度を示す。なお、本実施形態では、偏光軸の角度は、表示パネル3を縦向きに配置した状態における角度を示す。
表示パネル3は、OFF状態で、入射した光の偏光軸を約90°変化させた状態で出射させるとともに、ON状態で、入射した光の偏光軸をほぼ変化させないで出射させるTN(Twisted Nematic)液晶パネルからなる。この表示パネル3は、図4に示すように、赤色(R)、緑色(G)および青色(B)の光の3原色をそれぞれ表示するための3つのドット領域3a〜3cからなる複数の画素領域3dと、光の3原色をそれぞれ表示するための3つのドット領域3e〜3gからなる複数の画素領域3hとを有している。このドット領域3a〜3cおよび3e〜3gは、図4のB方向が長手方向となるように長方形状に形成されている。そして、表示パネル3を縦向きに配置した場合には、ドット領域3a〜3cおよび3e〜3gに表示される左目用画像L1および右目用画像R1は、図4のA方向およびB方向の両方に対して交差する斜め方向であるC方向に沿った市松状(階段状)に配置されている。具体的には、図4に示した各ドット領域3a〜3cおよび3e〜3gにおいて、左目用画像L1の表示領域は、ハッチング領域で示されており、右目用画像R1の表示領域は、ハッチングの施されていない非ハッチング領域で示されている。また、ハッチング領域に位置する左目用画像L1は、斜め方向(図4のC方向)にRGBのドット領域3a〜3cおよび3e〜3gが連続するように表示される。また、非ハッチング領域に位置する右目用画像R1も、斜め方向(図4のC方向)にRGBのドット領域が連続するように表示される。そして、左目用画像L1と右目用画像R1とは、RGBのドット領域が連続するように延びる斜め方向(図4のC方向)に交差する方向に交互に表示される。
また、表示パネル3を横向きに配置した場合には、図5に示すように、光の3原色(RGB)に対応するドット領域3a〜3cおよび3e〜3gは、それぞれ、観察者10(図3参照)の左目10aと右目10bとを結んだ線分に対して実質的に垂直方向(縦方向)(A方向)に延びるように配置される。図5に示した横向き配置の場合には、ハッチング領域で示される左目用画像L2、および、非ハッチング領域で示される右目用画像R2は、それぞれ、縦方向(A方向)にRGBのドット領域3a〜3cおよび3e〜3gが連続して延びるように表示される。そして、図5に示した横向き配置の場合には、縦方向(A方向)に延びる左目用画像L2と右目用画像R2とは、横方向(B方向)に交互に表示される。
また、本実施形態では、図4および図5に示すように、左目用画像L1およびL2と、右目用画像R1およびR2とを表示するためのドット領域3a〜3cおよび3e〜3gの間には、遮光部3iが設けられている。この遮光部3iは、各ドット領域3a〜3cおよび3e〜3gの周りを囲むように形成されている。
偏光板5は、図1に示すように、約45°の偏光軸を有するように設定されているので、約45°の偏光軸を有する光のみを透過する機能を有している。
また、本実施形態では、位相差板6は、図6および図7に示すように、約75°の偏光軸を有する偏光制御領域6aと、約15°の偏光軸を有する偏光制御領域6bとを含んでいる。この位相差板6は、図2に示した表示パネル3が縦向きに配置された状態で、偏光制御領域6bを通過した光により、表示パネル3に表示される左目用画像L1および左目用画像R1をそれぞれ観察者10の左目10aおよび右目10bに進行するように分離して、観察者10に立体画像を提供するように構成されている。また、偏光制御領域6aおよび6bは、透過する光の偏光軸を位相差板6の偏光軸に対して線対称の偏光軸に変化させる機能を有している。なお、本実施形態では、後述するように、偏光制御液晶パネル7も同様の機能を有している。偏光制御領域6bは、縦向きに配置された表示パネル3の左目用画像L1および右目用画像R1(図4参照)が表示されるドット領域3a〜3cおよび3e〜3gに対応するように配置されている。そして、偏光制御領域6bは、図7のA方向およびB方向の両方に対して交差する斜め方向であるC方向に沿った市松状(階段状)に配置されている。この偏光制御領域6bは、図6および図7のB方向が長手方向となるように長方形状に形成されており、長手方向(B方向)の長さD1(図6参照)を有している。また、所定の偏光制御領域6bの一方側には、他の偏光制御領域6bとの間に図6のB方向の間隔e1が設けられており、他方側には、間隔e2が設けられている。この偏光制御領域6bの間に設けられる間隔e1は、表示パネル3の遮光部3i(図5参照)に対応するように設けられている。なお、偏光制御領域6aは、本発明の「第2領域」の一例であり、偏光制御領域6bは、本発明の「第1領域」および「第1画像分離部」の一例である。
また、偏光制御領域6aは、図2に示すように、表示パネル3が縦向きに配置された場合に、表示パネル3の左目用画像L1が表示される領域(ハッチング領域)と観察者10の右目10bとを結んだ線上に配置されるとともに、表示パネル3の右目用画像R1が表示される領域(非ハッチング領域)と観察者10の左目10aとを結んだ線上に配置される。以下、特に記載のない限り、左目10aおよび右目10bは、観察者10の左目10aおよび右目10bを示す。また、偏光制御領域6bは、表示パネル3の左目用画像L1が表示される領域と左目10aとを結んだ線上に配置されるとともに、表示パネル3の右目用画像R1が表示される領域と右目10bとを結んだ線上に配置される。
偏光制御液晶パネル7は、図8および図9に示すように、約120°の偏光軸を有する偏光制御領域7aおよび7bを有している。この偏光制御液晶パネル7は、図3に示した表示パネル3が横向きに配置された状態で、偏光制御領域7bを通過した光により、表示パネル3に表示される左目用画像L2および右目用画像R2をそれぞれ観察者10の左目10aおよび右目10bに進行するように分離して、観察者10に立体画像を提供するように構成されている。この偏光制御領域7aおよび7bは、それぞれ、横向きに配置された表示パネル3の左目用画像L2および右目用画像R2が表示される画素領域3dおよび3h(図5参照)毎に対応するように配置されている。そして、偏光制御領域7aおよび7bは、表示パネル3が横向きに配置された状態で、観察者10の左右の目を結んだ方向に対して実質的に垂直方向(図8および図9のA方向)に延びるように形成されるとともに、図8および図9のB方向に沿った方向に交互に形成されている。なお、偏光制御領域7aは、本発明の「第3領域」および「第2画像分離部」の一例であり、偏光制御領域7bは、本発明の「第4領域」および「第3画像分離部」の一例である。
また、本実施形態では、偏光制御液晶パネル7の偏光制御領域7aおよび7bには、それぞれ、偏光制御領域7aおよび7bに対応する位置に電極7cが設けられている。これにより、偏光制御液晶パネル7の偏光制御領域7aおよび7bに位置する液晶に電極7cを用いて電圧を印加することが可能となるので、液晶への電圧の印加状態を制御することによって、偏光制御領域7aおよび7bの偏光制御状態を容易に変化させることが可能となる。本実施形態では、偏光制御液晶パネル7は、OFF状態で、入射した光の偏光軸を変化させた状態で出射させるとともに、ON状態で、入射した光の偏光軸をほぼ変化させないで出射させるTN液晶パネルからなる。具体的には、偏光制御液晶パネル7の偏光制御領域7aおよび7bを電圧印加状態(ON状態)にすることにより、約120°の偏光軸を無効にして所定の偏光軸を有する光を偏光軸をほぼ変化させないで透過させることが可能となり、かつ、電圧非印加状態(OFF状態)にすることにより約120°の偏光軸を有効にしてその約120°の偏光軸に対して線対称に光の偏光軸を変化させることが可能となる。これにより、偏光制御液晶パネル7は、表示パネル3が縦向きに配置された状態で、偏光制御領域7aおよび7bを電圧非印加状態(OFF状態)に制御する第1の状態と、表示パネル3が横向きに配置された状態で、偏光制御領域7aを電圧非印加状態(OFF状態)に制御するとともに偏光制御領域7bを電圧印加状態(ON状態)に制御する第2の状態と、偏光制御領域7aおよび7bを電圧印加状態(ON状態)に制御する第3の状態とを切り替え可能に構成されている。
また、表示パネル3が横向きに配置された場合には、偏光制御液晶パネル7の偏光制御領域7aは、図3に示すように、左目用画像L2が表示される領域(ハッチング領域)と右目10bとを結んだ線上に配置されるとともに、右目用画像R2が表示される領域(非ハッチング領域)と左目10aとを結んだ線上に配置される。また、偏光制御液晶パネル7の偏光制御領域7bは、左目用画像L2が表示される領域(ハッチング領域)と左目10aとを結んだ線上に配置されるとともに、右目用画像R2が表示される領域(非ハッチング領域)と右目10bとを結んだ線上に配置される。また、偏光制御液晶パネル7は、図2および図3に示すように、表示パネル3から位相差板6までの距離W1と、表示パネル3から偏光制御液晶パネル7までの距離W2とが、約1:3の比率になるように配置されている。
また、位相差板6と偏光制御液晶パネル7とを平面的に見た場合、図10に示すように、位相差板6の偏光制御領域6bおよび偏光制御液晶パネル7の偏光制御領域7aが重なる領域20と、偏光制御領域6bおよび偏光制御領域7bが重なる領域30とが生じる。
ここで、本実施形態では、領域20および30は、それぞれ、図10のB方向の長さD2およびD3を有しており、領域20のB方向の長さD2は、領域30のB方向の長さD3より小さく設定されている。また、領域20および30は、同じA方向の長さD4を有している。したがって、本実施形態では、領域20の面積は、領域30の面積より小さくなるように設定されている。
偏光板8は、約45°の偏光軸を有するように設定されているので、入射する光を、約45°の偏光軸を有する光に変化させて透過する機能を有する。
(縦向き配置時の立体画像表示モード)
図11は、図1に示した本発明の一実施形態による画像表示装置の表示パネルの縦向き配置時における立体画像表示方法を説明するための図である。なお、図11において、破線は、偏光板4、5、8、位相差板6および偏光制御液晶パネル7の偏光軸の角度を示すとともに、矢印は、透過光の偏光軸の角度を示す。次に、図2、図4、図10および図11を参照して、本発明の一実施形態による表示パネル3の縦向き配置時における立体画像表示方法について説明する。
まず、バックライト2(図2参照)から照射された光は、図11に示すように、偏光板4により、約135°の偏光軸を有する光のみを透過する。そして、偏光板4を出射した光は、表示パネル3のドット領域3a〜3cおよび3e〜3gに入射する。この場合、図4に示すように、ドット領域3a〜3cおよび3e〜3gのうちのハッチング領域には、左目用画像L1が表示されているとともに、ドット領域3a〜3cおよび3e〜3gのうちの非ハッチング領域には、右目用画像R1が表示されている。表示パネル3に入射した光は、図11に示すように、表示パネル3により偏光軸が90°変化した状態で出射される。すなわち、表示パネル3を透過した光は、約45°の偏光軸を有する。そして、表示パネル3を出射した光は、約45°の偏光軸を有する偏光板5を透過して、位相差板6の偏光制御領域6aまたは6bに入射する。
位相差板6の偏光制御領域6aに入射した光は、図11に示すように、位相差板6の偏光制御領域6aの約75°の偏光軸に対して線対称の偏光軸に変化されて透過する。すなわち、偏光制御領域6aを出射した光は、約105°の偏光軸を有する。なお、位相差板6の偏光制御領域6aを出射した光は、本発明の「第1の偏光軸を有する光」の一例である。そして、位相差板6の偏光制御領域6aを出射した光は、偏光制御液晶パネル7の偏光制御領域7aおよび7bを透過する。この際、偏光制御液晶パネル7は、電極7c(図10参照)に電圧が印加されないOFF状態(上記第1の状態)に制御されているので、偏光制御液晶パネル7の偏光制御領域7aおよび7bの約120°の偏光軸は有効になる。したがって、偏光制御領域7aおよび7bに入射した光は、偏光制御領域7aおよび7bの約120°の偏光軸に対して線対称の偏光軸に変化されて透過する。すなわち、位相差板6の偏光制御領域6aを出射して偏光制御液晶パネル7を出射した光は、約135°の偏光軸を有する。その後、偏光制御液晶パネル7を出射した光は、約45°の偏光軸を有する偏光板8により遮光される。この場合、位相差板6の偏光制御領域6aは、図2に示すように、表示パネル3の左目用画像L1が表示される領域と右目10bとを結ぶ線上に配置されているので、左目用画像L1が右目10bに入射するのを抑制することが可能となる。また、位相差板6の偏光制御領域6aは、表示パネル3の右目用画像R1が表示される領域と左目10aとを結ぶ線上に配置されているので、右目用画像R1が左目10aに入射するのを抑制することが可能となる。
一方、位相差板6の偏光制御領域6bに入射した光は、図11に示すように、位相差板6の偏光制御領域6bの約15°の偏光軸に対して線対称の偏光軸に変化されて透過する。すなわち、偏光制御領域6bを出射した光は、約165°の偏光軸を有する。なお、位相差板6の偏光制御領域6bを出射した光は、本発明の「第2の偏光軸を有する光」の一例である。そして、位相差板6の偏光制御領域6bを出射した光は、偏光制御液晶パネル7の偏光制御領域7aおよび7bを透過する。この際、偏光制御液晶パネル7は、電極7c(図10参照)に電圧が印加されないOFF状態(上記第1の状態)に制御されているので、偏光制御液晶パネル7の偏光制御領域7aおよび7bの約120°の偏光軸は有効になる。したがって、偏光制御液晶パネル7の偏光制御領域7aおよび7bに入射した光は、偏光制御領域7aおよび7bの約120°の偏光軸に対して線対称の偏光軸に変化されて透過する。すなわち、位相差板6の偏光制御領域6bを出射して偏光制御液晶パネル7を出射した光は、約75°の偏光軸を有する。その後、偏光制御液晶パネル7を出射した光は、約45°の偏光軸に変化されて偏光板8から出射される。この場合、位相差板6の偏光制御領域6bは、図2に示すように、表示パネル3の左目用画像L1が表示される領域と、左目10aとを結ぶ線上に配置されているので、左目用画像L1を左目10aに入射することが可能となる。また、位相差板6の偏光制御領域6bは、表示パネル3の右目用画像R1が表示される領域と、右目10bとを結ぶ線上に配置されているので、右目用画像R1を右目10bに入射することが可能となる。
上記のように、表示パネル3の縦向き配置時において、左目10aおよび右目10bに、それぞれ、左目用画像L1および右目用画像R1が入射されることにより、観察者10は、立体画像を見ることが可能となる。
(横向き配置時の立体画像表示モード)
図12は、図1に示した本発明の一実施形態による画像表示装置の表示パネルの横向き配置時における立体画像表示方法を説明するための図である。次に、図3、図5、図10および図12を参照して、本発明の一実施形態による表示パネル3の縦向き配置時における立体画像表示方法について説明する。
まず、バックライト2(図3参照)から照射された光は、図12に示すように、偏光板4により、約135°の偏光軸を有する光のみを透過する。なお、横向き配置時には、縦向き配置時に比べて偏光軸が90°ずつ回転するが、本実施形態では、簡略化のため、横向き配置時においても、縦向き配置時の偏光軸の角度をそのまま用いて説明する。そして、偏光板4を出射した光は、表示パネル3の画素領域3dおよび3hに入射する。この場合、図5に示すように、画素領域3d(ハッチング領域)には、左目用画像L2が表示されているとともに、画素領域3h(非ハッチング領域)には、右目用画像R2が表示されている。表示パネル3に入射した光は、図12に示すように、表示パネル3により偏光軸が90°変化した状態で出射される。すなわち、表示パネル3を透過した光は、約45°の偏光軸を有する。そして、表示パネル3を出射した光は、約45°の偏光軸を有する偏光板5を透過して、位相差板6の偏光制御領域6aまたは6bに入射する。
位相差板6の偏光制御領域6aに入射した光は、図12に示すように、位相差板6の偏光制御領域6aの約75°の偏光軸に対して線対称の偏光軸に変化されて透過する。すなわち、偏光制御領域6aを出射した光は、約105°の偏光軸を有する。そして、位相差板6の偏光制御領域6aを出射した光は、偏光制御液晶パネル7の偏光制御領域7aおよび7bを透過する。この際、偏光制御液晶パネル7は、偏光制御領域7aに対応する電極7c(図10参照)に電圧を印加しないOFF状態(上記第2の状態)に制御されているので、偏光制御液晶パネル7の偏光制御領域7aの約120°の偏光軸は有効になる。したがって、位相差板6の偏光制御領域6aを出射して偏光制御液晶パネル7の偏光制御領域7aに入射した光は、偏光制御領域7aの約120°の偏光軸に対して線対称の偏光軸に変化されて透過する。すなわち、位相差板6の偏光制御領域6aを出射して偏光制御液晶パネル7の偏光制御領域7aを出射した光は、約135°の偏光軸を有する。なお、位相差板6の偏光制御領域6aを出射して偏光制御液晶パネル7の偏光制御領域7aを出射した光は、本発明の「第3の偏光軸を有する光」の一例である。そして、偏光制御液晶パネル7の偏光制御領域7aを出射した光は、約45°の偏光軸を有する偏光板8により遮光される。この場合、図3に示すように、位相差板6の偏光制御領域6aおよび偏光制御液晶パネル7の偏光制御領域7aは、左目10aと、表示パネル3の右目用画像R2が表示領域される画素領域3h(図5参照)とを結ぶ線上に配置されているので、右目用画像R2が左目10aに入射するのを抑制することが可能となる。また、位相差板6の偏光制御領域6aおよび偏光制御液晶パネル7の偏光制御領域7aは、右目10bと、表示パネル3の左目用画像L2が表示領域される画素領域3d(図5参照)とを結ぶ線上に配置されているので、左目用画像L2が右目10bに入射するのを抑制することが可能となる。
一方、偏光制御液晶パネル7は、偏光制御領域7bに対応する電極7c(図10参照)に電圧を印加するON状態(上記第2の状態)に制御されているので、偏光制御液晶パネル7の偏光制御領域7bの偏光軸は無効になる。したがって、偏光制御領域7bに入射した光は、図12に示すように、偏光軸を変化されることなく出射される。すなわち、位相差板6の偏光制御領域6aを出射して偏光制御液晶パネル7の偏光制御領域7bを出射した光は、約105°の偏光軸を有する。なお、位相差板6の偏光制御領域6aを出射して偏光制御液晶パネル7の偏光制御領域7bを出射した光は、本発明の「第4の偏光軸を有する光」の一例である。そして、偏光制御液晶パネル7を出射した光は、約45°の偏光軸に変化されて偏光板8から出射される。この場合、図3に示すように、位相差板6の偏光制御領域6aおよび偏光制御液晶パネル7の偏光制御領域7bは、左目10aと、表示パネル3の左目用画像L2が表示領域される画素領域3d(図5参照)とを結ぶ線上に配置されているので、左目用画像L2が左目10aに入射させることが可能となる。また、位相差板6の偏光制御領域6aおよび偏光制御液晶パネル7の偏光制御領域7bは、右目10bと、表示パネル3の右目用画像R2が表示領域される画素領域3h(図5参照)とを結ぶ線上に配置されているので、右目用画像R2が右目10bに入射させることが可能となる。
また、位相差板6の偏光制御領域6bに入射した光は、位相差板6の偏光制御領域6bの約15°の偏光軸に対して線対称の偏光軸に変化されて透過する。すなわち、偏光制御領域6bを出射した光は、約165°の偏光軸を有する。そして、位相差板6の偏光制御領域6bを出射した光は、偏光制御液晶パネル7の偏光制御領域7aおよび7bを透過する。この際、偏光制御液晶パネル7は、偏光制御領域7aに対応する電極7c(図10参照)に電圧を印加しないOFF状態(上記第2の状態)に制御されているので、偏光制御液晶パネル7の偏光制御領域7aの約120°の偏光軸は有効になる。したがって、位相差板6の偏光制御領域6bを出射して偏光制御液晶パネル7の偏光制御領域7aに入射した光は、偏光制御液晶パネル7の偏光制御領域7aの約120°の偏光軸に対して線対称の偏光軸に変化されて透過する。すなわち、位相差板6の偏光制御領域6bを出射して偏光制御領域7aを出射した光は、約75°の偏光軸を有する。なお、位相差板6の偏光制御領域6bを出射して偏光制御液晶パネル7の偏光制御領域7aを出射した光は、本発明の「第5の偏光軸を有する光」の一例である。そして、偏光制御液晶パネル7の偏光制御領域7aを出射した光は、約45°の偏光軸に変化されて偏光板8から出射される。この場合、図13に示すように、平面的に見て位相差板6の偏光制御領域6bおよび偏光制御液晶パネル7の偏光制御領域7aが重なる領域20は、左目10aと、表示パネル3の右目用画像R2が表示される画素領域3h(図5参照)とを結ぶ線上に形成されているので、右目用画像R2が左目10aに入射する。また、同様に、領域20は、右目10bと、表示パネル3の左目用画像L2が表示される画素領域3d(図5参照)とを結ぶ線上に形成されているので、左目用画像L2が右目10bに入射する。
この際、本実施形態では、左目10aと領域20の右側の部分とを結ぶ線上には、画素領域3dと3hとの間に形成される遮光部3iが設けられている。これにより、左目10a(右目10b)が、領域20を介して、右目用画像R2(左目用画像L2)が表示される画素領域3h(画素領域3d)を見る場合であっても、画素領域3dおよび3hの間に設けられる遮光部3iにより、左目10a(右目10b)に右目用画像R2(左目用画像L2)が入射する量を減少させることが可能となる。
一方、偏光制御液晶パネル7は、偏光制御領域7bに対応する電極7c(図10参照)に電圧を印加するON状態(上記第2の状態)に制御されているので、偏光制御領域7bの偏光軸は無効になる。したがって、偏光制御領域7bに入射した光は、図12に示すように、偏光軸を変化されることなく出射される。すなわち、位相差板6の偏光制御領域6bを出射して偏光制御液晶パネル7の偏光制御領域7bを出射した光は、約165°の偏光軸を有する。なお、位相差板6の偏光制御領域6bを出射して偏光制御液晶パネル7の偏光制御領域7bを出射した光は、本発明の「第6の偏光軸を有する光」の一例である。そして、偏光制御液晶パネル7を出射した光は、約45°の偏光軸に変化されて偏光板8から出射される。この場合、図3に示すように、位相差板6の偏光制御領域6bおよび偏光制御液晶パネル7の偏光制御領域7bは、左目10aと、表示パネル3の左目用画像L2が表示領域される画素領域3d(図5参照)とを結ぶ線上に配置されているので、左目用画像L2が左目10aに入射させることが可能となる。また、位相差板6の偏光制御領域6bおよび偏光制御液晶パネル7の偏光制御領域7bは、右目10bと、表示パネル3の右目用画像R2が表示領域される画素領域3h(図5参照)とを結ぶ線上に配置されているので、右目用画像R2が右目10bに入射させることが可能となる。
上記のように、表示パネル3の横向き配置時において、左目10aおよび右目10bに、それぞれ、左目用画像L2および右目用画像R2が入射されることにより、観察者10は、立体画像を見ることが可能となる。
(縦向き配置時の平面画像表示モード)
図14は、図1に示した本発明の一実施形態による画像表示装置の表示パネルを縦向きに配置した場合の平面画像表示時において観察者が表示パネルを見た状態を上方から示した図である。図15は、図1に示した本発明の一実施形態による表示パネルの縦向き配置および横向き配置時における平面画像表示方法を説明するための図である。次に、図14および図15を参照して、本発明の一実施形態による表示パネル3の縦向き配置時における平面画像表示方法について説明する。
まず、バックライト2(図14参照)から照射された光は、図15に示すように、偏光板4により、約135°の偏光軸を有する光のみを透過する。そして、偏光板4を出射した光は、表示パネル3に入射する。この場合、図14に示すように、表示パネル3には、平面画像S1が表示されている。表示パネル3に入射した光は、図15に示すように、表示パネル3により偏光軸が90°変化した状態で出射される。すなわち、表示パネル3を透過した光は、約45°の偏光軸を有する。そして、表示パネル3を出射した光は、約45°の偏光軸を有する偏光板5を透過して、位相差板6の偏光制御領域6aまたは6bに入射する。
位相差板6の偏光制御領域6aに入射した光は、図15に示すように、位相差板6の偏光制御領域6aの約75°の偏光軸に対して線対称の偏光軸に変化されて透過する。すなわち、偏光制御領域6aを出射した光は、約105°の偏光軸を有する。そして、位相差板6の偏光制御領域6aを出射した光は、偏光制御液晶パネル7の偏光制御領域7aおよび7bを透過する。この際、偏光制御液晶パネル7は、偏光制御領域7aおよび7bに対応する電極7c(図10参照)に電圧が印加されるON状態(上記第3の状態)に制御されるので、偏光制御液晶パネル7の偏光軸は無効になる。したがって、偏光制御領域7aおよび7bに入射した光は、偏光軸が変化されることなく偏光制御液晶パネル7から出射される。すなわち、偏光制御液晶パネル7を出射した光は、約105°の偏光軸を有する。その後、偏光制御液晶パネル7を出射した光は、約45°の偏光軸に変化されて偏光板8から出射される。これにより、偏光制御領域6aを介して偏光板8から出射された光により、偏光制御領域6aに対応する表示パネル3の平面画像S1が左目10aおよび右目10bに入射される。
一方、位相差板6の偏光制御領域6bに入射した光は、図15に示すように、位相差板6の偏光制御領域6bの約15°の偏光軸に対して線対称の偏光軸に変化されて透過する。すなわち、偏光制御領域6bを出射した光は、約165°の偏光軸を有する。そして、位相差板6の偏光制御領域6bを出射した光は、偏光制御液晶パネル7の偏光制御領域7aおよび7bを透過する。この際、偏光制御液晶パネル7は、偏光制御領域7aおよび7bに対応する電極7c(図10参照)に電圧が印加されるON状態(上記第3の状態)に制御されるので、偏光制御液晶パネル7の偏光軸は無効になる。したがって、偏光制御領域7aおよび7bに出射した光は、偏光軸が変化されることなく偏光制御液晶パネル7から出射される。すなわち、偏光制御液晶パネル7を出射した光は、約165°の偏光軸を有する。その後、偏光制御液晶パネル7を出射した光は、約45°の偏光軸に変化されて偏光板8から出射される。これにより、偏光制御領域6bを介して偏光板8から出射された光により、偏光制御領域6bに対応する表示パネル3の平面画像S1が左目10aおよび右目10bに入射される。
上記のように、左目10aおよび右目10bに平面画像S1が入射されることにより、観察者10は、表示パネル3を縦向きに配置した場合に、平面画像を見ることが可能となる。
(横向き配置時の平面画像表示モード)
図16は、図1に示した本発明の一実施形態による画像表示装置の表示パネルを横向きに配置した場合の平面画像表示時において観察者が表示パネルを見た状態を上方から示した図である。次に、図15および図16を参照して、本発明の一実施形態による表示パネル3の横向き配置時における平面画像表示方法について説明する。
まず、バックライト2(図16参照)から照射された光は、図15に示すように、偏光板4により、約135°の偏光軸を有する光のみを透過する。そして、偏光板4を出射した光は、表示パネル3に入射する。この場合、図16に示すように、表示パネル3には、平面画像S2が表示されている。表示パネル3に入射した光は、図15に示すように、表示パネル3により偏光軸が90°変化した状態で出射される。すなわち、表示パネル3を透過した光は、約45°の偏光軸を有する。そして、表示パネル3を出射した光は、約45°の偏光軸を有する偏光板5を透過して、位相差板6の偏光制御領域6aまたは6bに入射する。
位相差板6の偏光制御領域6aに入射した光は、図15に示すように、位相差板6の偏光制御領域6aの約75°の偏光軸に対して線対称の偏光軸に変化されて透過する。すなわち、偏光制御領域6aを出射した光は、約105°の偏光軸を有する。そして、位相差板6の偏光制御領域6aを出射した光は、偏光制御液晶パネル7の偏光制御領域7aおよび7bを透過する。この際、偏光制御液晶パネル7は、偏光制御領域7aおよび7bに対応する電極7c(図10参照)に電圧が印加されるON状態(上記第3の状態)に制御されるので、偏光制御液晶パネル7の偏光軸は無効になる。したがって、偏光制御領域7aおよび7bに入射した光は、偏光軸が変化されることなく偏光制御液晶パネル7から出射される。すなわち、偏光制御液晶パネル7を出射した光は、約105°の偏光軸を有する。その後、偏光制御液晶パネル7を出射した光は、約45°の偏光軸に変化されて偏光板8から出射される。これにより、偏光制御領域6aを介して偏光板8から出射された光により、偏光制御領域6aに対応する表示パネル3の平面画像S2が左目10aおよび右目10bに入射される。
一方、位相差板6の偏光制御領域6bに入射した光は、図15に示すように、位相差板6の偏光制御領域6bの約15°の偏光軸に対して線対称の偏光軸に変化されて透過する。すなわち、偏光制御領域6bを出射した光は、約165°の偏光軸を有する。そして、位相差板6の偏光制御領域6bを出射した光は、偏光制御液晶パネル7の偏光制御領域7aおよび7bを透過する。この際、偏光制御液晶パネル7は、偏光制御領域7aおよび7bに対応する電極7c(図10参照)に電圧が印加されるON状態(上記第3の状態)に制御されるので、偏光制御液晶パネル7の偏光軸は無効になる。したがって、偏光制御領域7aおよび7bに出射した光は、偏光軸が変化されることなく偏光制御液晶パネル7から出射される。すなわち、偏光制御液晶パネル7を出射した光は、約165°の偏光軸を有する。その後、偏光制御液晶パネル7を出射した光は、約45°の偏光軸に変化されて偏光板8から出射される。これにより、偏光制御領域6bを介して偏光板8から出射された光により、偏光制御領域6bに対応する表示パネル3の平面画像S2が左目10aおよび右目10bに入射される。
上記のように、左目10aおよび右目10bに平面画像S2が入射されることにより、観察者10は、表示パネル3を横向きに配置した場合に、平面画像を見ることが可能となる。
(本実施形態の効果)
本実施形態では、上記のように、位相差板6を設けることによって、表示パネル3が縦向きに配置された状態で、位相差板6の偏光制御領域6bを通過した光を観察者10の目に向かって進行させることにより、観察者10に立体画像を提供することができるとともに、偏光制御液晶パネル7を設けることによって、表示パネル3が横向きに配置された状態で、バックライト2から照射されて偏光制御液晶パネル7の偏光制御領域7aおよび偏光制御領域7bにより分離された3つの異なる偏光軸を有する光を観察者10の目に向かって進行させることにより、観察者10に立体画像を提供することができる。その結果、表示パネル3を縦向きに配置した場合および横向きに配置した場合の両方の場合に、観察者10に立体画像を提供することができる。
また、本実施形態では、平面的に見て、位相差板6の偏光制御領域6bと偏光制御液晶パネル7の偏光制御領域7aとが重なる領域20の面積を、位相差板6の偏光制御領域6bと偏光制御液晶パネル7の偏光制御領域7bとが重なる領域30の面積より小さくすることによって、表示パネル3を横向きに配置して観察者10に立体画像を提供する際に、偏光制御領域6bと偏光制御領域7aとが重なる領域20を介して観察者10の右目10b(左目10a)に左目用画像L2(右目用画像R2)が入射する場合であっても、偏光制御領域6bと偏光制御領域7bとが重なる領域30の面積に比べて、偏光制御領域6bと偏光制御領域7aとが重なる領域20の面積が小さいので、観察者10の右目10b(左目10a)に左目用画像L2(右目用画像R2)が入射する量を減少させることができる。その結果、観察者10の見る画像が2重像になるクロストーク現象を軽減することができる。
また、本実施形態では、位相差板6の偏光制御領域6bを、表示パネル3の各々のドット領域3a〜3cまたは3e〜3gに対応するように配置することによって、偏光制御領域6bにより、表示パネル3の画像を細分化した状態で観察者10の目に入射させることができる。これにより、画像劣化の少ない立体画像を観察者10に提供することができる。
また、本実施形態では、偏光制御液晶パネル7の第1状態、第2状態および第3状態を切り替えることにより、第1状態では、表示パネル3を縦向きに配置した状態で観察者10に立体画像を提供し、第2状態では、表示パネル3を横向きに配置した状態で観察者10に立体画像を提供し、第3状態では、表示パネル3を縦向きおよび横向きに配置した状態で観察者10に平面画像を提供する。その結果、1つの画像表示装置1で、縦向きに配置した場合および横向きに配置した場合の両方の場合に、観察者10に立体画像を提供でき、かつ、縦向きに配置した場合および横向きに配置した場合の両方の場合に、平面画像を提供することができる。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
たとえば、上記実施形態では、位相差板6の偏光制御領域6bを、表示パネル3のドット領域に対応するように長方形状に形成することにより、領域20と領域30とがともに長方形になる例を示したが、本発明はこれに限らず、図17に示した第1変形例のように、位相差板16の偏光制御領域16bと偏光制御液晶パネル17の偏光制御領域17aとが重なる領域40のB方向の長さD5と、位相差板16の偏光制御領域16bと偏光制御液晶パネル17の偏光制御領域17bとが重なる領域50のB方向の長さD6とを実質的に等しくし、かつ、領域40のA方向の長さD7を、領域50のA方向の長さD8より小さくしてもよい。この場合、領域40の面積を、領域50の面積より小さくしたとしても、領域40のB方向の長さD5が、領域50のB方向の長さD6と実質的に等しいため、表示パネルを縦向きに配置した場合にも、観察者がB方向(上下方向)に移動することが可能な適視距離が小さくなるのを抑制することが可能となる。また、領域40の領域50側の部分41のA方向の長さをD8と同じ寸法になるように大きく形成しておくことにより、領域40の面積が小さくなり過ぎるのを抑制することができる。これにより、表示パネルを縦向きに配置した場合に、偏光制御領域16b(領域40および領域50)を通過する光の量が制限され過ぎるのを抑制することが可能となるので、観察者が観測する表示パネルの画像の輝度が低下するのを抑制することが可能となる。
また、上記実施形態では、位相差板6の偏光制御領域6bを、表示パネル3のドット領域に対応するように長方形状に形成することにより、領域20と領域30とがともに長方形になる例を示したが、本発明はこれに限らず、図18に示した第2変形例のように、位相差板26の偏光制御領域26bと偏光制御液晶パネル27の偏光制御領域27aとが重なる領域60のB方向の長さD9と、位相差板26の偏光制御領域26bと偏光制御液晶パネル27の偏光制御領域27bとが重なる領域70のB方向の長さD10とを実質的に等しくし、かつ、領域60のA方向の長さD11を、領域70から離れる方向に向かって徐々に小さくなるように形成してもよい。この場合、領域60の面積を、領域70の面積より小さくしたとしても、領域60のB方向の長さD9が、領域70のB方向の長さD10と実質的に等しいため、表示パネルを縦向きに配置した場合にも、観察者がB方向(上下方向)に移動することが可能な適視距離が小さくなるのを抑制することが可能となる。また、領域60の領域70側の部分61のA方向の長さを、領域70のA方向の長さと実質的に等しく形成しておくことにより、領域60の面積が小さくなり過ぎるのを抑制することができる。これにより、表示パネルを縦向きに配置した場合に、偏光制御領域26b(領域60および領域70)を通過する光の量が制限され過ぎるのを抑制することが可能となるので、観察者が観測する表示パネルの画像の輝度が低下するのを抑制することが可能となる。
また、上記実施形態では、位相差板6の偏光制御領域6bをドット領域3a〜3cおよび3e〜3gに対応するように配置するとともに、偏光制御液晶パネル7の偏光制御領域7aおよび7bを画素領域3dおよび3hに対応するように配置する例を示したが、本発明はこれに限らず、位相差板6の偏光制御領域6bを、画素領域毎に対応するように配置してもよいし、偏光制御液晶パネル7の偏光制御領域7aおよび7bをドット領域3a〜3cおよび3e〜3gに対応するように配置してもよい。
また、上記実施形態では、位相差板6の偏光制御領域6bをC方向(斜め方向)に延びる市松状(階段状)に配置した例を示したが、本発明はこれに限らず、位相差板6の偏光制御領域6bを所定の方向(図9のB方向)に延びるように配置してもよいし、市松状(階段状)以外の斜め方向に延びるように配置してもよい。
また、上記実施形態では、偏光制御液晶パネル7の偏光制御領域7aおよび7bを所定の方向に延びるように配置する例を示したが、本発明はこれに限らず、偏光制御液晶パネル7の偏光制御領域7aおよび7bを、位相差板6の偏光制御領域6aおよび6bのように、斜め方向に延びる市松状(階段状)に配置してもよい。
また、上記実施形態では、表示パネル3は、90°TN方式を用い、表示パネル3を挟んで対向するように配置される偏光板4および5が、互いに直交する偏光軸を有する例を示したが、本発明はこれに限らず、たとえば、VA(Vertical Alignment)方式およびECB(Electrically Controlled Birefringence)方式などの他の方式を用いてもよい。この場合、たとえば、VA方式を用いれば、表示パネル3を挟み込むように配置された偏光板4および5を、同じ偏光軸を有する偏光板により構成するとともに、表示パネル3、偏光板4および5の偏光軸に対応するように、画像表示装置により形成される画像に対応する光の偏光軸を設定すればよい。
また、上記実施形態では、偏光制御液晶パネル7は、OFF状態で、入射した光の偏光軸を変化させた状態で出射させるとともに、ON状態で、入射した光の偏光軸をほぼ変化させないで出射させるTN方式を用いる例について示したが、本発明はこれに限らず、上記したVA方式およびECB方式などの他の方式を用いてもよい。
また、上記実施形態では、バックライト(光源)からの光が照射される液晶表示パネルからなる表示パネルを用いることにより観察者に立体画像を提供する例について説明したが、本発明はこれに限らず、有機ELやPDP(プラズマディスプレイパネル)などの自発光タイプの表示パネルを有する画像表示装置にも適用可能である。
また、上記実施形態では、観察者側から順番に、偏光制御液晶パネル、位相差板、表示パネル、バックライトを配置する例を示したが、本発明はこれに限らず、観察者側から順番に、表示パネル、位相差板、偏光制御液晶パネル、バックライトを配置してもよい。
また、上記実施形態では、偏光板4、5、8、位相差板6の偏光制御領域6a、6bおよび偏光制御液晶パネル7の偏光軸を、それぞれ、約135°、約45°、約45°、約75°、約15°、約120°に設定する例を示したが、本発明はこれに限らず、偏光板4、5、8、位相差板6の偏光制御領域6a、6bおよび偏光制御液晶パネル7の偏光軸を上記の値以外の値に設定してもよい。この場合、偏光軸を最適化することにより、表示パネルを横向きに配置した場合に、図12に示した位相差板6の偏光制御領域6bを出射して、偏光制御液晶パネル7の偏光制御領域7aおよび偏光板8を透過する光の量を低減するのが好ましい。これにより、観察者の左目に入射する右目用画像の光の量を低減するとともに、観察者の右目に入射する左目用画像の光の量を低減することが可能になる。
また、上記実施形態では、表示パネルを縦向きおよび横向きに配置して観察者に立体画像を提供する例を示したが、上記実施形態の構成では、表示パネルを縦向きに配置した場合には、観察者の左目に右目用画像が入射するのをより抑制することができるとともに、観察者の右目に左目用画像が入射するのをより抑制することができる一方、表示パネルを横向きに配置した場合には、右目用画像の一部が観察者の左目に入射するとともに、左目用画像の一部が観察者の右目に入射するので、表示パネルを縦向きに配置するのを標準状態にして観察者に立体画像を提供するのが望ましい。