JP2006324532A - 薄膜堆積方法および薄膜堆積装置 - Google Patents

薄膜堆積方法および薄膜堆積装置 Download PDF

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Abstract

【課題】所望の組成及びドーピング量の薄膜を再現性よく且つ効率的に形成できる薄膜堆積方法および薄膜堆積装置を提供する。
【解決手段】有機金属ガスを含む複数種の原料ガスをガス混合室2で混合した後に反応室1内に供給して、反応室1内に設置された基板W上に薄膜を堆積させる際に、反応室1の上流と下流とで赤外線ガス分析計17,18により原料ガスの濃度を測定し、測定結果から演算される反応室1内での各原料ガスの消費量が予め決めた設計値に一致するように、ガス混合室2に導入する原料ガスの流量を個々に調整する。成膜中にインラインでガス濃度測定してガス供給量をフィードバック制御するので、反応室1内での経時変化に即座に対応して常に安定した雰囲気にすることが可能である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、有機金属を原料として化学気相成長法により化合物半導体などの薄膜を堆積する薄膜堆積方法および薄膜堆積装置に関する。
近年、AlGaInP薄膜などの化合物半導体薄膜を形成する手法として、MOCVD(Metal-Organic Chemical Vapor Deposition;有機金属化学気相成長)法が用いられている。たとえばAlGaInP化合物半導体薄膜を形成する場合、Al、Ga、Inを成分とするAl(CH)、Ga(CH又はGa(CHCH、In(CHなどの有機金属化合物、およびPHなどの水素化物をそれぞれ封入した原料容器にHガスなどのキャリアガスを送り込んで、各原料の蒸気をガス混合室へ運び、そこで混合した後に反応室に供給して、反応室内に設置したGaAsなどの基板上で結晶を成長、堆積させている。
特開平8−271418公報 特開2001−234348公報
上述した従来の薄膜堆積方法では、成膜後に薄膜の組成分析を行い、所定の化学量論組成でないときに、有機金属ガスの発生条件を設定し直すといった作業を繰り返しており、所定の組成の薄膜を得るのにかなりの時間を要するという問題がある。
有機金属原料の蒸発量の変化に対応させて、反応室内に供給するガス濃度・流量を一定にする手法もあるが、薄膜形成を繰り返し行うことによる反応室内の変化、例えば生成物の蓄積による輻射熱量変動や基板の反り量の変化等、熱エネルギーなどに依存するガス分解、ガス消費量の変動に対応出来ず、経時的に所望の化学量論組成から外れてしまうことになり、再現性が悪いという問題がある。
Mgなどのメモリー効果のあるドーパントを使用する場合は、Mg原料ガスの供給停止後も反応室内にしばらく残留するため、次に形成する層に取り込まれ、設計者が意図しない薄膜が成長してしまうことになり、ドーパントの制御性が悪いという問題がある。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、所望の組成及びドーピング量の薄膜を再現性よく且つ効率的に形成できる薄膜堆積方法および薄膜堆積装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の薄膜堆積方法は、有機金属ガスを含む複数種の原料ガスをガス混合室で混合した後に反応室内に供給して、反応室内に設置された基板上に薄膜を堆積させる薄膜堆積方法において、前記反応室の上流と下流とで原料ガスの濃度を測定し、測定結果から演算される前記反応室内での各原料ガスの消費量が予め決めた設計値に一致するように、前記ガス混合室に導入する原料ガスの流量を個々に調整することを特徴とする。
また本発明の薄膜堆積方法は、有機金属ガスを含む複数種の原料ガスをガス混合室で混合した後に反応室内に供給して、反応室内に設置された基板上に薄膜を堆積させる薄膜堆積方法において、前記反応室の上流と下流とで原料ガスの濃度を測定し、測定結果から演算される前記反応室内での各原料ガスの消費量が予め決めた設計値に一致するように、前記ガス混合室に導入する原料ガスを発生する液体あるいは固体の原料物質の温度を個々に調整することを特徴とする。
さらに本発明の薄膜堆積方法は、有機金属ガスを含む複数種の原料ガスをガス混合室で混合した後に反応室内に供給して、反応室内に設置された基板上に薄膜を堆積させる薄膜堆積方法において、前記反応室の上流と下流とで原料ガスの濃度を測定し、測定結果から演算される前記反応室内での各原料ガスの消費量が予め決めた設計値に一致するように、前記反応室内の基板の温度を調整することを特徴とする。
上記した各発明の薄膜堆積方法とも、原料ガスの濃度を反応室の入口と出口とで直接にモニターするので、反応室内の経時的な変化に基づくガス消費量の変動をとらえて、形成される薄膜の組成を正確かつ短時間で分析することができ、所望の組成の薄膜を再現性よくかつ効率的に形成することができる。
第1の薄膜を堆積するステップの終了後に各原料ガスの供給を停止し、第2の赤外線ガス分析手段によって測定される所定の原料ガスの濃度が所定値まで低下してから、前記第1の薄膜とは組成の異なる第2の薄膜を堆積する次ステップの原料ガスの供給を開始してよい。たとえば、ドーピングステップの終了後に各原料ガスの供給を停止し、第2の赤外線ガス分析手段によって測定されるドーピング用原料ガスの濃度が所定値まで低下してから、次ステップの薄膜を堆積する原料ガスの供給を開始することができる。インラインにおいて排出ガスの状態を把握できる方式であることから、このように反応室内の残留ガスがほぼ完全に排出されるまで原料供給を遅らせることで、組成及びドーピング量を薄膜設計者の意図どおりに正確かつ容易に制御できる。
本発明の薄膜堆積装置は、有機金属ガスを含む複数種の原料ガスをガス混合室で混合した後に反応室内に供給して、反応室内に設置された基板上に薄膜を堆積させる薄膜堆積装置において、個別に恒温槽内に収容され、前記複数種の原料ガスをそれぞれ発生する複数のガス供給源と、前記ガス混合室に流入する複数種の原料ガスの流量を個々に調整する流量制御手段と、前記複数のガス供給源の温度を恒温槽を介して個々に調整するガス供給源温度制御部と、前記反応室内の基板の温度を調整する基板温度制御部と、前記ガス混合室から反応室に供給される混合ガス中の各原料ガスの濃度を測定する第1の赤外線ガス分析手段と、前記反応室から排出された排出ガス中の各原料ガスの濃度を測定する第2の赤外線ガス分析手段と、前記第1および第2の赤外線ガス分析手段の測定結果から前記反応室内での各原料ガスの消費量を演算し、それぞれの演算値と予め決めた設計値との差分を制御量として、前記流量制御手段とガス供給源温度制御部と基板温度制御部との内のいずれか一つを個々に調整する制御手段とを備えたことを特徴とする。
いずれかの原料ガスの制御量が予め決めた範囲を超えたときにガス供給源の交換を警告する警告手段を備えるのが好ましい。
第1の薄膜を堆積するステップの終了後に、第2の赤外線ガス分析手段によって測定される所定の原料ガスの濃度を所定値と比較し、測定値が所定値まで低下したときに検出信号を出力する手段と、前記第1の薄膜を堆積するステップが終了してから前記検出信号を受けるまで原料ガスの供給を停止させる制御手段とを備えるのが好ましい。
本発明の薄膜堆積方法および薄膜堆積装置によれば、成膜中の薄膜の組成を正確に且つ短時間に分析することができ、反応室内における経時的変化や突発的変化(温度、圧力など)に対応して、所望の組成の薄膜を再現性よくかつ効率的に形成することが可能である。
インラインで排出ガスの状態を把握する方式なので、反応室内の残留ガスが完全に排出されるまで次ステップの原料ガスの供給を遅らせることで、薄膜組成及びドーピング量を薄膜設計者の意図どおりに正確かつ容易に制御することが可能である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の一実施形態における薄膜堆積装置であって、有機金属を用いて化合物半導体薄膜を堆積するMOCVD装置の構成を示す。
このMOCVD装置は、処理対象の基板Wが設置される反応室1と、反応室1の上流に配置されたガス混合室2と、原料物質をそれぞれ封入し、個別に恒温槽3,4内に収容された原料容器5,6と、原料容器5,6にキャリアガスを送り込んで原料物質の蒸気(以下、原料ガスという)をガス混合室2へ運ぶガス供給系7,8と、反応室1内を排気するポンプ9とを備えている。
また、反応室1内に設置される基板Wの加熱を制御する基板加熱制御部10と、恒温槽3,4の温度を制御することによって原料容器5,6内の原料物質の温度を個々に調整する温度制御部11,12と、原料容器5,6に送り込まれるキャリアガスの流量を制御することによって、ガス混合室2に流入する原料ガスの流量を個々に調整する流量制御部13,14と、基板加熱制御部10、温度制御部11,12、流量制御部13,14に制御信号を送る制御装置15(コンピュ―タ)と、MOCVD装置全体の動作を制御する装置コントローラー16とを備えている。
さらに、ガス混合室2から反応室1へ供給される混合ガス中の各原料ガスの濃度を測定する赤外線ガス分析計17と、反応室1から排出された排出ガス中の各原料ガスの濃度を測定する赤外線ガス分析計18とを備えている。
これら赤外線ガス分析計17,18は、たとえばフーリエ変換赤外分光によるガス分析計である。このガス分析計は、赤外線検出器等を有していて、ガス試料に赤外光を照射し、そのときの赤外線検出器の検出出力を加算平均及びフーリエ変換し、フーリエ変換された出力を用いて測定対象成分に関するスペクトル演算を行うもので、ガス試料中の測定対象成分ごとにその吸収スペクトルに基づいて濃度などを測定することができる。
制御装置15は、赤外線ガス分析計17,18の測定結果から反応室1内での各原料ガスの消費量を演算する消費量演算手段を有しており、それぞれの演算値と予め決めた設計値との差分を制御量として、流量制御部13,14を通じてガス流量を個々に調整する。
上記MOCVD装置における薄膜堆積方法を説明する。
ガス供給系7からのキャリアガスが、恒温槽3により所定温度に制御された原料容器5に送り込まれ、原料容器5内の原料ガスを含んでガス混合室2へと送り出される。またガス供給系8からのキャリアガスが、恒温槽4により所定温度に制御された原料容器6に送り込まれ、原料容器6内の原料ガスを含んでガス混合室2へと送り出される。そしてガス混合室2で各原料ガスが所定の割合に混合された混合ガスが、図示しない温度制御手段で所定温度に制御されている反応室1に供給される。反応室1内に入った混合ガスはポンプ9により流れ、混合ガス中の各原料ガスの一部は基板加熱制御部10により所定の温度に加熱されている基板W上で析出して薄膜を形成し、未反応の原料ガスは反応室1外へ排出される。
原料物質としては有機金属化合物と水素化合物とが用いられる。たとえばGaAs基板上にAlGaAsの薄膜を形成するときには、Ga(CH)とAl(CH)とAsHとが用いられ、キャリアガスにHガスが用いられる。図示を簡略にするために原料容器5,6等を2組のみ示したが、実際には用いる原料物質の数だけ設けられる。
図2は反応室1内における薄膜形成のメカニズムを説明する模式図である。ここでは原料ガスとして有機金属化合物であるGa(CHを示している。このGa(CHは、化学式に表わされたとおり、1個のGa(●で示す)原子に3個の-CH基(それぞれ○で示す)が結合した構造である。この有機金属化合物がキャリアガスによって反応室1内に運び込まれ、例えばヒーター等を用いた基板加熱制御部10によって加熱されている基板Wの付近を通過する際に、一定温度以上に加熱されることで分解促進されてGaとCHとなり、生じたGaが、同様にして反応室1内に入った他の原料ガスから生じた元素(たとえばAlやAs)と基板W上で反応して、一定の割合で薄膜の形成に寄与する。
このようにして薄膜形成を繰り返し行う間に、反応室1内の変化、例えば生成物の蓄積による輻射熱量変動や基板Wの反り量の変化、それによる雰囲気温度や基板表面温度の変化によって、形成される薄膜の組成が所望の化学量論組成から外れてしまうので、反応室1の上流と下流とで赤外線ガス分析計17,18により原料ガスの濃度を測定し、反応室1内での原料ガスの消費量を監視する。そしてそれより反応室1内の変化を察知し、反応室1内での消費量が一定になるように、各原料ガスの供給量、ここではキャリアガス流量をフィードバック制御する。
図3はこの際のプロセス処理のシーケンスを概略的に示す。
プロセス処理が開始された後(ステップS1)、反応室1の上流の赤外線ガス分析計17によって膜形成に使用される特定の原料ガスの濃度、流量が測定され(ステップS2)、その一方で反応室3の下流の赤外線ガス分析計2によって前記特定の原料ガスの濃度、流量が測定される(ステップS3)。上述した例では、反応室1にHとGa(CH)(以下TMGという)とAl(CH)(以下TMAという)とAsHとの混合ガスが流入し流出していくが、測定されるのはTMGとTMAである。
そして、制御装置14の演算制御部で、各原料ガスについて両測定データから濃度差Δnが演算され(ステップS4)、各原料ガスの演算値どうしが比較される(ステップS5)。比較結果が設定値と同一であれば、プロセス処理が続行される(ステップS6)。
比較結果が設定値と相違していれば、基板温度、恒温槽温度は固定した状態で、流量制御部11,12に個別の流量制御信号が送出されてキャリアガスの流量が所定量となるように制御され、それにより反応室1に流入する混合ガス中の各原料ガス量が制御される結果、反応室1内でのガス消費量が一定になるように、すなわち各原料ガスの消費量の比が化学量論組成に一致するように制御される(ステップS7)。
具体的には、赤外線ガス分析計17,18の測定データから演算される反応室1内でのある原料ガスの消費量Δnが設定値より少ないときに、キャリアガス流量を増大させることで、前記ある原料ガスのガス供給量を増加させて反応室1内での絶対量を増加させる。またある原料ガスの消費量Δnが設定値より多いときに、キャリアガス流量を減少させることで、前記ある原料ガスのガス供給量を減少させて反応室1内での絶対量を減少させる。なお、各原料ガス供給量の増減によって反応室内の圧力に影響を与えないように、図示しない補償ラインからのキャリアガスにより反応室に搬送されるガス総流量が常に一定となるように調整している。
つまりこの方法は、成膜中にインラインでガス濃度分析することにより、反応室1内で膜成長に用いられる原料ガスの消費量を監視し、その消費量が一定になるようにガス供給量をフィードバック制御するようにしたものであって、基板Wに到達する(反応に寄与する)原料ガス(原料物質)のモル数自体を制御する手法をとるものである。反応室1内での経時変化に即座に対応して常に安定した雰囲気にすることが可能である。
図1に示したMOCVD装置における他の薄膜堆積方法を説明する。
上記と同様にして成膜中に、反応室1の上流と下流で赤外線ガス分析計17,18によって濃度分析し、制御装置15の演算制御部で、両測定データから濃度差を演算し、予め設定された濃度差Δnと比較し、演算値と設定値とが同一であればプロセス処理を続行する。一方、演算値と設定値とが相違していれば、基板温度、キャリアガス流量は固定した状態で、温度制御部12、13に個別の温度制御信号を送出して恒温槽3,4温度が所定温度となるように制御することにより、反応室1に流入する混合ガス中の各原料ガス量を制御し、反応室1内でのガス消費量が一定になるように制御する。
具体的には、赤外線ガス分析計17,18の測定データから演算される反応室1内でのある原料ガスの消費量Δnが設定値より少ないときに、恒温槽3,4温度を高くすることで、前記ある原料ガスのガス供給量を増加させて反応室1内での絶対量を増加させる。またある原料ガスの消費量Δnが設定値より多いときに、恒温槽3,4温度を低くすることで、前記ある原料ガスのガス供給量を減少させて反応室1内での絶対量を増加させる。
つまりこの薄膜堆積方法は、反応室1内の変化を察知してフィードバック制御する方法として、ガス供給量にフィードバックするガス供給量制御、すなわち基板Wに到達する(反応に寄与する)原料物質のモル数自体を制御する手法をとるものである。
ただし、このように反応室内での原料ガスの消費量が一定になるようにガス供給量を制御するガス供給量制御では、原料容器内の原料物質の消費が進行して或る量以下になると、制御量が著しく大きくなり、制御が困難になる。そこで制御装置15において制御量に閾値を設定し、各原料ガス流量あるいは恒温槽温度の制御量がそれから外れたときに、装置コントローラー16に検知信号を出力するように構成するとともに、装置コントローラー15に、前記検知信号を出力を受けて作業者に材料交換を警告する警告手段を設けておくのが好ましい。警告手段には音声や光を発する電子部品を用いることができる。作業者は処理終了後に、つまり警告時に成膜中の基板の成膜終了後に材料交換するようにすればよい。
図1に示したMOCVD装置における他の薄膜堆積方法を説明する。
上記と同様にして成膜中に、反応室1の上流と下流で赤外線ガス分析計17,18によって濃度分析し、制御装置15の演算制御部で、両測定データから濃度差を演算し、予め設定された濃度差Δnと比較し、演算値と設定値とが同一であればプロセス処理を続行する。一方、演算値と設定値とが相違していれば、恒温槽7、8の温度、キャリアガス流量は固定した状態で、基板加熱制御部10に温度制御信号を送出して基板Wの温度が所定温度となるように制御する。
具体的には、赤外線ガス分析計17,18の測定データから演算される反応室1内でのある原料ガスの消費量Δnが設定値より少ないときに、基板温度を高くし、またある原料ガスの消費量Δnが設定値より多いときに、基板温度を低くする。
つまりこの薄膜堆積方法は、反応室1内の変化を察知してフィードバック制御する方法として、基板温度にフィードバックする基板温度制御、つまり原料ガス(原料物質)の分解あるいは基板W上の反応に関わる熱エネルギーを制御する手法をとるものである。
次に、半導体エピタキシャル成長におけるドーピング方法を図4を参照して説明する。
図4(a)は従来より行われているドーピング方法に関するタイムチャートである。真空中で加熱された基板上にGaAs/p−GaAs/GaAsの結晶を成長させる際に、結晶成分ガスであるAsHとTMG(Ga(CH)とを常に供給し、p−GaAs層を成膜する所定の時間には、p型のドーパントを含んだ化合物ガス(以下、ドーパントガスという)を併せて供給する。
しかしp型のドーパントには、図4(b)に示すように、反応室内から速やかに排出されずしばらく滞留し続けるメモリー効果と呼ばれる性質を持つものもある。その一例はMgである。このようなドーパントを含んだドーパントガス、たとえばCpMg(Mg(C)を使用すると、ガス供給を停止した後も反応室内に滞留するドーパントが膜中に取り込まれて、設計とは異なる半導体薄膜が成長することになり、特性に悪影響を及ぼすことがある。
図4(c)は本発明方法によるドーピング方法のタイムチャートである。p−GaAs層の成膜が終了したら、結晶成分ガスであるAsHとTMGの供給を停止するとともに、反応室内から排出されるドーパントガスの濃度を赤外線ガス分析計により測定し、測定値が閾値を下回ってから、次のGaAs層の成膜シーケンスを開始すべくAsHとTMGを供給する。このように、あるステップの原料ガスが完全に(あるいはほぼ完全に)排出された後に、次ステップの原料ガスを供給することにより、設計意図に基づいた多元素化合物の組成制御を安定的に再現して、精度よく成膜することができる。
このために、制御装置15を、赤外線ガス分析計17,18による測定値が閾値を下回ったときに装置コントローラー16に検知信号を出力するように構成するとともに、装置コントローラー15を、前記検知信号の出力を受けるまで原料ガスを供給しないように、つまり遅れ時間を発生させるように構成しておくのが好ましい。
以上のようなドーピング方法は、上記したGaAsの他に、AlGaAs、GaP、InP、AlAs、InAs、InSb、InGaAs、AlGaP、InAsP、AlGaInP等のエピタキシャル結晶成長にも適用できる。LSIや超高速ICに必要な能動層を作成するのにも極めて適した技術である。
なお上記においては、2種類の原料物質を使用するものとして説明したが、3種類以上の原料物質を用いる場合も同様に制御して薄膜を堆積することが可能である。たとえば、AlGaInP化合物半導体薄膜を堆積する際は、基板にGaAs基板等を用い、Al、Ga、Inを含んだ原料物質として、TMA(Al(CH)、TMG(Ga(CH)或いはTEG(Ga(CHCH)、TMIn(In(CH)等、液体或いは固体の有機金属の中から選択する。またPを含んだ原料物質として水素化物PHを選択する。
本発明の薄膜堆積方法および薄膜堆積装置は、有機金属を原料として化学気相成長法により堆積する化合物半導体などの薄膜を、所望の組成及びドーピング量にて、再現性よく且つ効率的に形成できるので、LSIや超高速ICに必要な能動層を作成するのにも極めて適している。
本発明の一実施形態における薄膜堆積装置の概略構成図 図1の薄膜堆積装置における薄膜形成のメカニズムを説明する模式図 図1の薄膜堆積装置におけるプロセス処理のシーケンスを示すフローチャート 図1の薄膜堆積装置で薄膜形成する際のドーピング方法を従来技術と比較して示したタイムチャート
符号の説明
1 反応室
2 ガス混合室
3,4 恒温槽
5,6 原料容器
10 基板加熱制御部
11,12 温度制御部
13,14 流量制御部
15 制御装置
16 装置コントローラー
17,18 赤外線ガス分析計
W 基板

Claims (8)

  1. 有機金属ガスを含む複数種の原料ガスをガス混合室で混合した後に反応室内に供給して、反応室内に設置された基板上に薄膜を堆積させる薄膜堆積方法において、前記反応室の上流と下流とで原料ガスの濃度を測定し、測定結果から演算される前記反応室内での各原料ガスの消費量が予め決めた設計値に一致するように、前記ガス混合室に導入する原料ガスの流量を個々に調整する薄膜堆積方法。
  2. 有機金属ガスを含む複数種の原料ガスをガス混合室で混合した後に反応室内に供給して、反応室内に設置された基板上に薄膜を堆積させる薄膜堆積方法において、前記反応室の上流と下流とで原料ガスの濃度を測定し、測定結果から演算される前記反応室内での各原料ガスの消費量が予め決めた設計値に一致するように、前記ガス混合室に導入する原料ガスを発生する液体あるいは固体の原料物質の温度を個々に調整する薄膜堆積方法。
  3. 有機金属ガスを含む複数種の原料ガスをガス混合室で混合した後に反応室内に供給して、反応室内に設置された基板上に薄膜を堆積させる薄膜堆積方法において、前記反応室の上流と下流とで原料ガスの濃度を測定し、測定結果から演算される前記反応室内での各原料ガスの消費量が予め決めた設計値に一致するように、前記反応室内の基板の温度を調整する薄膜堆積方法。
  4. 第1の薄膜を堆積するステップの終了後に各原料ガスの供給を停止し、第2の赤外線ガス分析手段によって測定される所定の原料ガスの濃度が所定値まで低下してから、前記第1の薄膜とは組成の異なる第2の薄膜を堆積する次ステップの原料ガスの供給を開始する
    請求項1〜請求項3のいずれかに記載の薄膜堆積方法。
  5. ドーピングステップの終了後に各原料ガスの供給を停止し、第2の赤外線ガス分析手段によって測定されるドーピング用原料ガスの濃度が所定値まで低下してから、次ステップの薄膜を堆積する原料ガスの供給を開始する請求項4記載の薄膜堆積方法。
  6. 有機金属ガスを含む複数種の原料ガスをガス混合室で混合した後に反応室内に供給して、反応室内に設置された基板上に薄膜を堆積させる薄膜堆積装置において、個別に恒温槽内に収容され、前記複数種の原料ガスをそれぞれ発生する複数のガス供給源と、前記ガス混合室に流入する複数種の原料ガスの流量を個々に調整する流量制御手段と、前記複数のガス供給源の温度を恒温槽を介して個々に調整するガス供給源温度制御部と、前記反応室内の基板の温度を調整する基板温度制御部と、前記ガス混合室から反応室に供給される混合ガス中の各原料ガスの濃度を測定する第1の赤外線ガス分析手段と、前記反応室から排出された排出ガス中の各原料ガスの濃度を測定する第2の赤外線ガス分析手段と、前記第1および第2の赤外線ガス分析手段の測定結果から前記反応室内での各原料ガスの消費量を演算し、それぞれの演算値と予め決めた設計値との差分を制御量として、前記流量制御手段とガス供給源温度制御部と基板温度制御部との内のいずれか一つを個々に調整する制御手段とを備えた薄膜堆積装置。
  7. いずれかの原料ガスの制御量が予め決めた範囲を超えたときにガス供給源の交換を警告する警告手段を備えた請求項6記載の薄膜堆積装置。
  8. 第1の薄膜を堆積するステップの終了後に、第2の赤外線ガス分析手段によって測定される所定の原料ガスの濃度を所定値と比較し、測定値が所定値まで低下したときに検出信号を出力する手段と、前記第1の薄膜を堆積するステップが終了してから前記検出信号を受けるまで原料ガスの供給を停止させる制御手段とを備えた請求項6記載の薄膜堆積装置。
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