JP2006316844A - スプリングリターン式電動アクチュエータ - Google Patents

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健司 林
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Abstract

【課題】 スプリングリターン時に衝撃力を確実に緩和でき、軽い操作力で手動操作でき、簡単な構造で部品点数の増加を抑えて安価に製造可能であり、歯車列の設計時の自由度が高く、動力伝達時のロスを抑えて確実に出力側まで伝達できるコンパクトなスプリングリターン式電動アクチュエータを提供すること。
【解決手段】 モータ13に歯車列18を介して出力軸12を回転自在に設け、一方、モータ13で巻き上げたスプリング14の蓄勢力で出力軸12を逆回転させる。歯車列18の一部にギヤ23とピニオン25とを組合わせた歯車体28を設ける。歯車体28は、ギヤ23とピニオン25との組合わせ位置にそれぞれらせん状の突起部24、26を設けて噛合させ、突起部24、26同士は噛合する回転方向では回転伝達が行われ、突起部24、26同士が滑る回転方向では回転伝達が行われないラチェット機構としたスプリングリターン式電動アクチュエータである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、スプリングリターン式電動アクチュエータに関し、例えば、ボールバルブやバタフライバルブ等の回転弁に好適な電動アクチュエータに関する。
従来より、モータに通電し、モータからの回転力を出力軸に伝達してバルブを開又は閉に駆動させ、一方、モータへの通電を切ることにより、通電時の駆動力で巻き上げたスプリングの蓄勢力を利用して出力軸を逆回転させてバルブを閉又は開に駆動させたり、或は、停電時などにスプリングの蓄勢力を緊急に解除してばねの戻しトルクでバルブを全閉状態にするようにしたスプリングリターン式の電動アクチュエータが知られている。
ところで、アクチュエータには、モータからの駆動力を減速歯車列を介して出力軸に伝達するものがあり、このアクチュエータにおいて蓄勢力を蓄えるスプリングを設け、スプリングリターン時に駆動系を逆回転させるようにしたものがある。
この種のアクチュエータの場合、スプリングリターン後に出力軸が回転を停止したときにその慣性力が各歯車及び出力軸の回転を停止するストッパ部に強い衝撃力として作用し、これらを破損するおそれがある。これを防ぐため、歯車列から出力軸への動力伝達過程にワンウェイクラッチを設けるようにしたものがあり、ワンウェイクラッチを歯車列に介在させると、スプリングによる出力軸の逆回転動作時にモータ軸に伝わる衝撃を緩和したり、或は、出力軸の手動操作時にモータ軸を回転させずに済むため、軽い操作力で操作することも可能になる。
ワンウェイクラッチを設けたアクチュエータには、例えば、弁体の回転軸と抵抗板との間にワンウェイクラッチを設け、このワンウェイクラッチによって、ゼンマイバネが巻き戻される方向に回転軸が回転するときには抵抗板が回転軸と一体に回転し、回転軸が停止したときに抵抗板のみがフリー回転するようにしたバルブ用アクチュエータが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
減速歯車列内の隣り合う2個の歯車を同じ軸上に軸装し、2個の歯車の一方の内周部に一方向クラッチを固定し、軸に挿通される軸孔が形成されて一方向クラッチの内周部に嵌装される円筒部を他方の歯車に一体に形成し、一方向クラッチが円筒部と連結されているときにこれらの2個の歯車間で回転伝達が行われるようにしたスプリングリターン機構付きの電動アクチュエータがある(例えば、特許文献2参照。)。
一方、遮断弁用のアクチュエータであって、円周方向の複数の爪を有する平歯車とその爪と係合する複数の爪を有するピニオン歯車を有し、ピニオン歯車を平歯車に進退自在に駆動するソレノイドとを含むクラッチ部と、ピニオン歯車の回転を作動シャフトに伝達する歯車減速機構を備えると共に、マイクロスイッチと抵抗を含む制御回路を有し、マイクロスイッチが遮断弁の全開によりオンされて、抵抗を介して直流モータ及びソレノイドに全開を保持する電流が通電されるアクチュエータがある(例えば、特許文献3参照。)。
このアクチュエータは、モータとソレノイドを通電或は非通電にすることによりピニオン歯車と平歯車の噛合を行い、アクチュエータの小型化、及び簡素化を損なわずに開弁保持時の消費電力を低減するものである。
実開平6−76781号公報 特許第3382763号公報 特開2005−20967号公報
しかしながら、特許文献1や特許文献2のようなワンウェイクラッチを利用したアクチュエータは、部品のコストが嵩みアクチュエータ全体のトータルコストがアップし、また、部品点数も増加するという問題があった。
また、ギヤの寸法を、ワンウェイクラッチの形状や寸法に合わせて形成する必要があるため、ギヤの形状や組合わせが限定され、歯車列の設計の自由度が失われる。また、ワンウェイクラッチ分の重量が増し、動力伝達時のトルクロスの発生につながるという問題もあった。
さらには、歯車列内のピニオンとワンウェイクラッチの組合わせ部分の寸法誤差が大きいと、噛み合い時に滑りが生じてモータからのトルクを出力軸側まで伝達できなくなるおそれもあった。
特許文献3のアクチュエータは、減速歯車機構内に平歯車とピニオン歯車を設け、これらの組合わせによってモータからの動力を伝達するようにしたものであるが、非通電時に、ばねによりクラッチを離間させ、通電時にソレノイドでクラッチを接続する構造であるため、ソレノイドなどの部品点数が増加して大型化すると共に、コストアップするという問題もあった。
本発明は、上記した実情に鑑み、鋭意検討の結果開発に至ったものであり、その目的とするところは、スプリングによるリターン時に衝撃力を確実に緩和することができると共に手動操作時に軽い操作力で操作できるスプリングリターン式電動アクチュエータであって、簡単な構造で部品点数の増加を抑えて安価に製造可能であり、歯車列の設計時の自由度が高く、動力伝達時のロスを抑えて確実に出力側まで伝達することができるコンパクトなスプリングリターン式電動アクチュエータを提供することにある。
上記の目的を達成するため、請求項1記載の発明は、モータに歯車列を介して出力軸を回転自在に設け、一方、モータで巻き上げたスプリングの蓄勢力で出力軸を逆回転させるようにしたスプリングリターン式電動アクチュエータにおいて、歯車列の一部にギヤとピニオンとを組合わせた歯車体を設け、この歯車体は、ギヤとピニオンとの組合わせ位置にそれぞれらせん状の突起部を設けて噛合させ、突起部同士は噛合する回転方向では回転伝達が行われ、突起部同士が滑る回転方向では回転伝達が行われないラチェット機構としたスプリングリターン式電動アクチュエータである。
請求項2記載の発明は、歯車体に、ギヤとピニオンとが噛合する方向に弾発付勢させる弾性体を設けたスプリングリターン式電動アクチュエータである。
請求項3記載の発明は、弾性体は、コイルばねであり、このコイルばねをギヤの下面に支受けさせたスプリングリターン式電動アクチュエータである。
請求項4記載の発明は、弾性体は、金属、ゴム、樹脂等の材料であるスプリングリターン式電動アクチュエータである。
請求項5記載の発明は、弾性体は、ギヤとピニオンのうちの何れか一方又は双方に一体に設けたスプリングリターン式電動アクチュエータである。
請求項1に係る発明によると、スプリングリターン時の衝撃力を確実に緩和することができ、手動操作時には軽い操作力で操作でき、ワンウェイクラッチを使用することがないため、簡単な構造で部品点数の増加を抑え、安価に製造することができるスプリングリターン式電動アクチュエータである。更に、歯車列全体を樹脂によって形成することができ、低コストで製造することができる。
また、ギヤとピニオンを組合わせることにより1つの歯車からなるラチェット機構を構成することができるため、歯車列全体を自由に設計することができ、アクチュエータ全体を軽量かつコンパクトに形成することもできる。
更に、動力伝達時においては滑りが発生することなく、動力のロスを抑えて確実に出力側まで伝達することができるスプリングリターン式電動アクチュエータである。
請求項2に係る発明によると、モータ駆動時にはギヤとピニオンが確実に噛合して駆動力を出力軸まで伝達することができ、一方、スプリングリターン時には出力軸からの逆回転トルクを確実に緩和して歯車列の破損を防ぎ、また、手動操作時には、出力軸からモータ軸への回転伝達を遮断して軽い操作力で操作することができるスプリングリターン式電動アクチュエータである。
請求項3及び4に係る発明によると、低コストで弾性体を設けることができ、歯車列が複雑化することなくギヤとピニオンによるクラッチ機能を発揮することができるスプリングリターン式電動アクチュエータである。
請求項5に係る発明によると、部品点数が増えることなく、また、構造を簡素化できることで製造コストを抑えることができ、歯車列の組立て時の作業を簡略化することもできるスプリングリターン式電動アクチュエータである。
本発明におけるスプリングリターン式電動アクチュエータの一例を実施形態に基づいて詳しく説明する。
図1に示したアクチュエータ本体10において、ケーシング11は上板11aとギヤケース11bより成っている。また、アクチュエータ本体10は、図示しないカバーにより上面側から覆われている。
出力軸12は、図示しないボールバルブやバタフライバルブ等の回転弁などの被駆動体である弁体に駆動力を伝達可能に設けている。この出力軸12は、上板11aに装着した軸受34とギヤケース11bの貫通穴35を介してケーシング11に回転自在に軸着され、上板11aの上面側に載置固定されたモータ13が回転したときに、この動力が伝達されるようにしている。また、出力軸12の軸周りには、ねじりコイルばね(スプリング)14が装着され、このねじりコイルばね14を駆動手段として出力軸12を逆回転可能に設けている。ねじりコイルばね14は、一端部を出力軸12に固定した係合部材16に係合し、他端部を上板11aに形成した図示しない取付穴に掛止している。これにより、モータ13からの動力により出力軸12が正回転したときに、このモータの回転によりねじりコイルばね14を巻き上げて逆回転用のリターントルクをこのねじりコイルばね14に蓄勢し、この蓄勢力で出力軸12を逆回転可能にしている。ねじりコイルばねは、2個であってもよく、この場合、高トルクのリターントルクを蓄勢することができる。
上板11aとギヤケース11bの間には複数の歯車からなる歯車列18を設けており、この歯車列18を介してモータ13からの動力を出力軸12まで伝達可能にしている。
歯車列18において、第1歯車20は、モータ13の回転軸13aに固着され、この第1歯車20には第2歯車21が噛合している。第2歯車21には第3歯車22が一体成形され、第2歯車21と第3歯車22は一体に回転するようにしている。
ギヤ23は、第3歯車22に噛合するように取付けられ、このギヤ23と同軸上にはピニオン25を取付けている。ピニオン25の上面側には、図5に示すような突状の緩衝部25bを設け、この緩衝部25bを上板11aに接触させることにより接触面積を少なくしており、これによりスムーズに回転できるように設けている。ギヤ23とピニオン25は、上板11aとギヤケース11bとの間に固定された取付軸37に貫通孔23a、25aを介して回転自在に取付けられ、それぞれ独立して回転可能に設けている。
ピニオン25は第4歯車29に噛合しており、この第4歯車29には第5歯車30が一体成形されて、第4歯車29と第5歯車30が一体に回転するようにしている。第5歯車30には第6歯車31が噛合しており、この第6歯車31には第7歯車32が一体成形されて、第6歯車31と第7歯車32が一体に回転するようにしている。
第7歯車32は扇歯車33に噛合しており、この扇歯車33が出力軸12と同軸に固着されていることで扇歯車33と出力軸12が一体に回転するようにしている。扇歯車33は90度の円弧状に形成され(図示せず)、ケーシング11内において、この扇歯車33が弁開・弁閉時に当接する位置に図示しないストッパをそれぞれ設けている。弁開・弁閉時には、扇歯車33の側面が各ストッパに当接することにより、出力軸12の動作が90度の範囲内に規制され、回転弁が確実に90度開閉動作を行うようにしている。
第2・第3歯車21・22、第4・第5歯車29・30、第6・第7歯車31・32は、上板11aとギヤケース11bとの間にそれぞれ固定された取付軸36、38、39に回転自在に取付けられ、これらに第1歯車20、ギヤ23とピニオン25、扇歯車33を加えて歯車列18を構成している。本実施形態においては、各歯車を樹脂によって形成しているが、金属やその他の材料で形成するようにしてもよい。
図2ないし図6に示すように、ギヤ23とピニオン25との組合わせ位置にはそれぞれらせん状の突起部24、26を設け、この突起部24、26を互いに噛合可能に設けている。突起部24、26は、噛合可能であれば少なくとも1つ以上の突起であればよく、各突起部24、26の対向する面にらせん面24a、26aを形成し、ギヤ23とピニオン25の回転方向側に噛合面24b、26bをそれぞれ形成している。らせん面24a、26aの立ち上がり角度は何度に形成してもよいが、突起部24、26同士の噛み合いの強さを考慮した場合、噛合面24b、26bの噛み合う面積が大きいほど噛み合い強さが大きくなるため、これらの面積を大きくするためにらせん面24a、26aの立ち上がり角度をある程度大きくするのがよい。
弾性体である圧縮コイルばね(コイルばね)27は、ギヤ23の下面23bを支受けし、ギヤ23とピニオン25とが噛合する方向にギヤ23を弾発付勢させている。弾性体27は、ギヤ23とピニオン25が噛合する方向に弾発するものであれば圧縮コイルばね以外の形状に設けるようにしてもよく、また、弾性体27の材料としては、金属以外であってもよく、例えば、ゴムや樹脂等の材料で形成してもよい。さらに、弾性体以外の手段でギヤとピニオンを噛合方向に弾発させるようにしてもよく、例えば、空気圧や油圧式などを利用した弾発手段であってもよい。
次に、本発明のスプリングリターン式電動アクチュエータの上記実施形態における動作を説明する。
モータ13に通電してこのモータ13を正回転させると、この回転は第1歯車20、第2・第3歯車21・22を介してギヤ23に伝達され、ギヤ23とピニオン25は、図3、図5に示した状態となる。
このとき、ギヤ23は、図5において矢印Aの方向に回転し、圧縮コイルばね27の弾発付勢によってピニオン25の方向に押圧され、ギヤ23の突起部24とピニオン25の突起部26が噛合し、ギヤ23とピニオン25が組合わさった一体化した歯車体28が形成される。ギヤ23、ピニオン25において、図2に示した対向するらせん面24a、26a、及び噛合面24b、26bは、それぞれ噛み合った状態となる。
この状態でモータ13の回転によりギヤ23が回転すると、この回転力は、主に噛合面24bから噛合面26bへと伝わり、突起部24と突起部26が噛合しながらギヤ23からピニオン25へとこの回転力が伝達され、ピニオン25がA´方向に回転する。ギヤ23は圧縮コイルばね27の弾発付勢により図において下方向にずれることがなく、確実に回転力が伝達される。
この回転は、第4・第5歯車29・30、第6・第7歯車31・32を介して扇歯車33に伝達され、扇歯車33が回転することでこの扇歯車33と一体の出力軸12が回転する。扇歯車33が弁開側のストッパに当接すると回転を停止し、このとき出力軸12は略90°回転した状態となり、回転弁は開状態となる。ねじりコイルばね14には逆回転用のリターントルクが蓄勢される。
モータ13への通電を停止すると、出力軸12がねじりコイルばね14のリターントルクによってモータ13の回転時と逆方向に回転し、この回転力は扇歯車33、第7・第6歯車32・31、第5・第4歯車30・29へと順次伝達される。
第4歯車29からピニオン25にこの回転が伝達されると、ピニオン25は図5において矢印Bの方向に回転する。ピニオン25の回転力は、ギヤ23に伝わる際に主に噛合面26bから噛合面24bへと伝わり、ギヤ23は圧縮コイルばね27によりピニオン25側に弾発付勢されているため、図5においてB´方向に回転する。この回転は出力軸12が略90°回転するまで行われ、扇歯車33の側面が弁閉側のストッパに当接したときに回転が停止し、回転弁が閉状態となる。
弁体の回転停止に伴って第7・第6歯車32・31、第5・第4歯車30・29が順次停止し、ピニオン25も回転を停止する。
ピニオン25が回転を停止すると、この力はピニオン25のらせん面26aからギヤ23のらせん面24aに伝わろうとするが、らせん面26a、24aはテーパ状であるため、これらの間には滑りが生じる方向に力が働く。ギヤ23の下面側には圧縮コイルばね27を設けていることにより、ギヤ23は、この圧縮コイルばね27を収縮させるように図4、図6において下方向に移動して突起部24と突起部26の噛合が外れ、このギヤ23は、らせん面24aがらせん面26a上を滑るように慣性力によってB´方向への回転を続ける。
このように、スプリングリターン時においては、急停止するピニオン25に対してギヤ23が空転することで出力軸12からの力が直接モータ13に伝わることがなく、モータ13への衝撃を緩和し、歯車等の破損を防ぐことができる。
回転弁を手動操作により閉状態から開状態にする場合には、出力軸12をモータ13の通電時と同じ回転方向に直接回転させることによって行う。
出力軸12をねじりコイルばね14のリターントルクに抗して弁開方向に回転させると、この回転力は扇歯車33から第7・第6歯車32・31、第5・第4歯車30・29を介してピニオン25に伝達され、ピニオン25は図5においてA´方向に回転する。このときのピニオン25からギヤ23への回転伝達力は、らせん面26aかららせん面24aに伝わろうとするため、図6に示すようにギヤ23は圧縮コイルばね27を収縮させながら下方向に移動し、ピニオン25の突起部26がギヤ23の突起部24を滑るようにしながらピニオン25が空転する。
よって、出力軸12を手動回転したときにこの回転トルクがモータ13まで伝達されることはなく、手動操作時には、ねじりコイルばね14に抗するような微力の回転トルクを加えることで操作でき、モータ13を回転させることがないため軽い操作力で操作することができる。
以上のように、歯車体28は、突起部24、26同士が噛合する回転方向では回転伝達が行われ、突起部24、26同士が滑る回転方向では回転伝達が行われないラチェット機構としているので、スプリングリターン時の衝撃力を緩和しつつ、手動操作時には軽い力で操作でき、小型のギヤ23とピニオン25をこの歯車体28を実現することによって部品点数の増加や大型化を防ぎ、コストアップを抑えることができる。
本実施形態においては、歯車体28を第3歯車22と第4歯車29の間に設けるようにしているが、この歯車体を歯車列18の一部として任意の位置に設けるようにしてもよい。その際、前述したように、モータ13の駆動力を伝達する力は、主に噛合面24b及び噛合面26bに加わるため、この噛合面24b、26bに対してできるだけ小さいトルクが加わるようにして歯車体28が破損するのを防ぐ必要がある。このため、トルクの小さい側であるモータ13寄りに歯車体28を配設するのが望ましい。
また、歯車体28のギヤ23、ピニオン25の図示しないピッチ円や歯数を変えることによって減速比などを適宜変更することができ、歯車列18全体を異なる仕様で設計することができ、上述のように、突起部24と突起部26の噛合によって動力伝達が行われるため、トルクロスの発生が防がれる。
ここで、圧縮コイルばね27の自由長を決める際には、この圧縮コイルばね27のたわみ量を考慮しなければならない。たわみ量が小さいと、図3において圧縮コイルばね27の位置がギヤ23の自重により下がって突起部24と突起部26の噛合状態が悪くなり、一方、たわみ量が大きいと、噛み合いの状態は良くなるが逆回転時のギヤ23の反発力も大きくなるため突起部24、26が傷ついたり、騒音が発生したりすることにも繋がるおそれがある。
従って、以下の式によりたわみの値を計算し、このたわみを考慮して圧縮コイルばね27の自由長を定めるようにするのがよい。
δ=8NDP/Gd
ここで、δ:たわみ量、N:圧縮コイルばねの巻数、D:圧縮コイルばねの平均径、P:圧縮コイルばねに加わる荷重(ギヤ23の自重)、G:圧縮コイルばねの材料の横弾性係数、d:材料直径とする。
図7においては、本発明における電動アクチュエータの他の実施形態を示している。
この実施形態においては、歯車体40を構成するギヤ41とピニオン42を樹脂によって形成し、このギヤ41とピニオン42に弾性体43、44をそれぞれ一体に成形したものである。各弾性体43、44は、図に示すように断面略C字状の環状に形成しており、これにより各弾性部43、44が噛合する方向に弾性を有し、歯車列の正回転時においてギヤ41の突起部45とピニオン42の突起部46が確実に噛合できるようにしている。
歯車体40においては、ギヤ41とピニオン42の双方に弾性体43、44を設けるようにしているが、モータの回転時にギヤとピニオンが噛合して回転伝達が行われ、モータの停止時又は手動操作時にピニオンとギヤが空転できるような構成であれば、ギヤとピニオンの何れか一方に弾性体を設けるようにしてもよく、また、弾性作用を有する形状であれば、断面C字形状に拘ることなく、各種の形状に形成することもできる。
本発明のスプリングリターン式電動アクチュエータの内部機構を示した概略断面図である。 歯車体を示した拡大斜視図である。 正回転時における歯車列の状態を示した一部拡大断面図である。 逆回転時における歯車列の状態を示した一部拡大断面図である。 正回転時における歯車体の組合わせ状態を示した拡大斜視図である。 逆回転時における歯車体の組合わせ状態を示した拡大斜視図である。 本発明における電動アクチュエータの他の実施形態の歯車体を示した一部切欠き拡大断面図である。
符号の説明
10 アクチュエータ本体
12 出力軸
13 モータ
14 ねじりコイルばね(スプリング)
18 歯車列
23 ギヤ
24 突起部
25 ピニオン
26 突起部
27 圧縮コイルばね(弾性体、コイルばね)
28 歯車体

Claims (5)

  1. モータに歯車列を介して出力軸を回転自在に設け、一方、モータで巻き上げたスプリングの蓄勢力で出力軸を逆回転させるようにしたスプリングリターン式電動アクチュエータにおいて、前記歯車列の一部にギヤとピニオンとを組み合わせた歯車体を設け、この歯車体は、前記ギヤとピニオンとの組合わせ位置にそれぞれらせん状の突起部を設けて噛合させ、前記突起部同士は噛合する回転方向では回転伝達が行われ、前記突起部同士が滑る回転方向では回転伝達が行われないラチェット機構としたことを特徴とするスプリングリターン式電動アクチュエータ。
  2. 前記歯車体に、前記ギヤとピニオンとが噛合する方向に弾発付勢させる弾性体を設けた請求項1記載のスプリングリターン式電動アクチュエータ。
  3. 前記弾性体は、コイルばねであり、このコイルばねを前記ギヤの下面に支受けさせた請求項2記載のスプリングリターン式電動アクチュエータ。
  4. 前記弾性体は、金属、ゴム、樹脂等の材料である請求項2又は3記載のスプリングリターン式電動アクチュエータ。
  5. 前記弾性体は、前記ギヤとピニオンのうちの何れか一方又は双方に一体に設けた請求項2乃至4の何れか1項に記載のスプリングリターン式電動アクチュエータ。


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