JP2006316663A - 動力出力装置およびこれが備える内燃機関の始動方法 - Google Patents

動力出力装置およびこれが備える内燃機関の始動方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 操作者の操作に応じて内燃機関の始動手法を変更して始動する。
【解決手段】 モータ走行している最中に、運転者によるアクセルペダルの踏み込み操作に基づいてエンジンを始動するときには、エンジンを始動する際に生じ得る振動を抑制するためにエンジンの回転数が共振回転数帯より大きくなるまで大きなモータトルクによりモータリングすると共にエンジンの回転数が十分大きな回転数N1に至ったときに燃料噴射を開始して始動する振動抑制始動手法に比して、大きなモータトルクによるモータリングの時間を短くすると共に燃料噴射を開始する回転数を小さくして始動する省電力始動手法を用いてエンジンを始動する。これにより、エンジンを始動する最中におけるバッテリの電力のより多くを走行用に用いることができる。
【選択図】 図8

Description

本発明は、動力出力装置およびこれが備える内燃機関の始動方法に関する。
従来、この種の動力出力装置としては、エンジンの冷間時にエンジンを始動するときには、エンジンの冷却水温に基づいて設定した最大トルクに至るまでクランキングトルクを徐々に増大することによりエンジンを始動するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この装置では、これによりエンジン始動時における無駄な電力消費を防止している。
特開平11−153075号公報
上述の動力出力装置では、エンジンの冷間時にエンジンを始動するときに始動時の消費電力を抑制することができるものの、エンジンの始動時に生じ得る共振による振動については考慮されていない。また、操作者の操作フィーリングや種々の機器のマウント性を考慮すればエンジンの始動時に生じ得る振動を抑制することが好ましいが、装置からの動力の出力状態や二次電池などの蓄電装置の状態などによっては、エンジンの始動時に生じ得る振動の抑制より装置からの動力の出力の要請や蓄電装置の保護が重要視される場合もある。
本発明の動力出力装置およびこれが備える内燃機関の始動方法は、装置の状態や操作者の操作に応じて内燃機関の始動手法を変更して始動することを目的の一つとする。また、本発明の動力出力装置およびこれが備える内燃機関の始動方法は、内燃機関の始動時に生じ得る振動を抑制することを目的の一つとする。さらに、本発明の動力出力装置およびこれが備える内燃機関の始動方法は、必要に応じて内燃機関の始動時の電力消費を抑制することを目的の一つとする。
本発明の動力出力装置およびこれが備える内燃機関の始動方法は、上述の目的の少なくとも一部を達成するために以下の手段を採った。
本発明の動力出力装置は、
駆動軸に動力を出力可能な動力出力装置であって、
前記駆動軸に動力を出力可能な内燃機関と、
前記内燃機関をクランキング可能なクランキング手段と、
前記クランキング手段と電力のやりとりを行なう蓄電手段と、
前記内燃機関の運転を停止している最中に、操作者の操作に基づかない前記内燃機関の始動指示がなされたときには前記内燃機関の始動時の振動が抑制される振動抑制始動手法を用いて前記内燃機関が始動されるよう前記クランキング手段と前記内燃機関とを制御し、操作者の操作に基づく前記内燃機関の始動指示がなされたときには前記振動抑制始動手法による前記内燃機関の始動に比して前記内燃機関の始動に要する消費電力が小さい省電力始動手法を用いて該内燃機関が始動されるよう前記クランキング手段と前記内燃機関とを制御する始動時制御手段と、
を備えることを要旨とする。
この本発明の動力出力装置では、駆動軸に動力を出力可能な内燃機関の運転を停止している最中に、操作者の操作に基づかない内燃機関の始動指示がなされたときには内燃機関の始動時の振動が抑制される振動抑制始動手法を用いて内燃機関が始動されるよう内燃機関をクランキング可能なクランキング手段と内燃機関とを制御し、操作者の操作に基づく内燃機関の始動指示がなされたときには振動抑制始動手法による内燃機関の始動に比して内燃機関の始動に要する消費電力が小さい省電力始動手法を用いて内燃機関が始動されるようクランキング手段と内燃機関とを制御する。これにより、装置の状態や操作者の操作に応じた内燃機関の始動手法を用いて内燃機関を始動することができる。即ち、操作者の操作に基づかない内燃機関の始動指示の際には内燃機関の始動の際に生じ得る振動を抑制することができる。また、操作者の操作に基づく内燃機関の始動指示の際には省電力により内燃機関を始動するから、蓄電手段からの電力を他の機器で用いることができる。
こうした本発明の動力出力装置において、前記振動抑制始動手法は少なくとも前記内燃機関の回転数が共振回転数より大きくなるまで所定トルク以上のトルクを用いてクランキングして前記内燃機関を始動する手法であり、前記省電力始動手法は前記振動抑制始動手法に比して前記所定トルク以上のトルクによるクランキング時間を短くして前記内燃機関を始動する手法であるものとすることもできる。こうすれば、振動抑制始動手法を用いて内燃機関を始動することにより、共振による振動を抑制することができる。また、省電力始動手法を用いて内燃機関を始動することにより、所定トルク以上のトルクによるクランキング時間を短くするから、クランキング時間を経過した後には蓄電手段からの電力を他の機器で用いることができる。
また、本発明の動力出力装置において、前記振動抑制始動手法は前記内燃機関の回転数が所定回転数に至った以降に該内燃機関における燃料噴射および点火を開始して該内燃機関を始動する手法であり、前記省電力始動手法は前記内燃機関の回転数が前記所定回転数に至る前に該内燃機関における燃料噴射および点火を開始して該内燃機関を始動する手法であるものとすることもできる。こうすれば、省電力始動手法による内燃機関の始動の際の消費電力を振動抑制始動手法による内燃機関の始動の際の消費電力より小さくすることができる。
さらに、本発明の動力出力装置において、前記操作者の操作に基づく前記内燃機関の始動指示は、前記駆動軸への加速トルクの出力に基づく前記内燃機関の始動指示であるものとすることもできる。こうすれば、内燃機関を始動する際に蓄電手段の電力のより多くを駆動軸への加速トルクの出力に用いることができる。
本発明の動力出力装置において、前記駆動軸に動力を出力可能な電動機を備え、前記蓄電手段は前記電動機とも電力のやりとりを行なう手段であり、前記始動時制御手段は前記電動機から前記駆動軸に動力を出力している最中に前記内燃機関の始動指示がなされたときに前記内燃機関を始動する手段であるものとすることもできる。こうすれば、内燃機関の始動時に蓄電手段の電力のより多くを電動機から駆動軸に出力する動力に用いることができる。
こうした電動機を備える態様の本発明の動力出力装置において、前記クランキング手段は前記内燃機関の出力軸と前記駆動軸とに接続され電力の入出力を伴って前記内燃機関の出力軸への動力の入出力と前記駆動軸への動力の入出力とを行なう手段であり、前記始動時制御手段は前記電力動力入出力手段による前記内燃機関のクランキングに伴って前記駆動軸へ出力される動力を前記電動機からの動力により打ち消されるよう前記電動機を制御する手段であるものとすることもできる。この場合、前記クランキング手段は、前記内燃機関の出力軸と前記駆動軸と回転軸との3軸に接続され該3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、前記回転軸に動力を入出力可能な発電機と、を備える手段であるものとすることもできる。また、前記クランキング手段は、前記内燃機関の出力軸に接続された第1の回転子と前記駆動軸に接続された第2の回転子とを有し該第1の回転子と該第2の回転子との相対的な回転により回転する対回転子電動機であるものとすることもできる。
本発明の車両は、請求項1ないし8いずれか記載の動力出力装置、即ち、基本的には、駆動軸に動力を出力可能な動力出力装置であって、前記駆動軸に動力を出力可能な内燃機関と、前記内燃機関をクランキング可能なクランキング手段と、前記クランキング手段と電力のやりとりを行なう蓄電手段と、前記内燃機関の運転を停止している最中に、操作者の操作に基づかない前記内燃機関の始動指示がなされたときには前記内燃機関の始動時の振動が抑制される振動抑制始動手法を用いて前記内燃機関が始動されるよう前記クランキング手段と前記内燃機関とを制御し、操作者の操作に基づく前記内燃機関の始動指示がなされたときには前記振動抑制始動手法による前記内燃機関の始動に比して前記内燃機関の始動に要する消費電力が小さい省電力始動手法を用いて該内燃機関が始動されるよう前記クランキング手段と前記内燃機関とを制御する始動時制御手段と、を備える動力出力装置を搭載し、車軸が駆動軸に連結されてなることを要旨とする。
本発明の車両では、上述のいずれかの態様の本発明の動力出力装置を搭載するから、本発明の動力が奏する効果、例えば、装置の状態や操作者の操作に応じた内燃機関の始動手法を用いて内燃機関を始動することができる効果、即ち、操作者の操作に基づかない内燃機関の始動指示の際には内燃機関の始動の際に生じ得る振動を抑制することができる効果や操作者の操作に基づく内燃機関の始動指示の際には省電力により内燃機関を始動することによる蓄電手段からの電力を他の機器で用いることができる効果と同様な効果を奏することができる。
本発明の内燃機関の始動方法は、
駆動軸に動力を出力可能な内燃機関と、前記内燃機関をクランキング可能なクランキング手段と、前記クランキング手段と電力のやりとりを行なう蓄電手段と、を備える動力出力装置における前記内燃機関の始動方法であって、
操作者の操作に基づかない前記内燃機関の始動指示がなされたときには前記内燃機関の始動時の振動が抑制される振動抑制始動手法を用いて前記内燃機関が始動されるよう前記クランキング手段と前記内燃機関とを制御し、
操作者の操作に基づく前記内燃機関の始動指示がなされたときには前記振動抑制始動手法による前記内燃機関の始動に比して前記内燃機関の始動に要する消費電力が小さい省電力始動手法を用いて該内燃機関が始動されるよう前記クランキング手段と前記内燃機関とを制御する
ことを要旨とする。
この本発明の内燃機関の始動方法では、操作者の操作に基づかない内燃機関の始動指示がなされたときには内燃機関の始動時の振動が抑制される振動抑制始動手法を用いて内燃機関が始動されるよう内燃機関をクランキング可能なクランキング手段と内燃機関とを制御し、操作者の操作に基づく内燃機関の始動指示がなされたときには振動抑制始動手法による内燃機関の始動に比して内燃機関の始動に要する消費電力が小さい省電力始動手法を用いて内燃機関が始動されるようクランキング手段と内燃機関とを制御する。これにより、装置の状態や操作者の操作に応じた内燃機関の始動手法を用いて内燃機関を始動することができる。即ち、操作者の操作に基づかない内燃機関の始動指示の際には内燃機関の始動の際に生じ得る振動を抑制することができる。また、操作者の操作に基づく内燃機関の始動指示の際には省電力により内燃機関を始動するから、蓄電手段からの電力を他の機器で用いることができる。
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例である動力出力装置を搭載したハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、エンジン22と、エンジン22の出力軸としてのクランクシャフト26にダンパ28を介してピニオンギヤ33を回転させるキャリア34が接続されたプラネタリギヤ30と、プラネタリギヤ30のサンギヤ31に接続された発電可能なモータMG1と、プラネタリギヤ30のリングギヤ32に接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに減速ギヤ35を介して接続されたモータMG2と、ハイブリッド自動車20全体をコントロールするハイブリッド用電子制御ユニット70とを備える。なお、駆動軸としてのリングギヤ軸32aはギヤ機構60とデファレンシャルギヤ62とを介して駆動輪63a,63bに接続されており、リングギヤ軸32aに出力された動力は走行用の動力として用いられる。
エンジン22は、例えばガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力可能な内燃機関として構成されており、図2に示すように、エアクリーナ122により清浄された空気をスロットルバルブ124を介して吸入すると共に燃料噴射弁126からガソリンを噴射して吸入された空気とガソリンとを混合し、この混合気を吸気バルブ128を介して燃料室に吸入し、点火プラグ130による電気火花によって爆発燃焼させて、そのエネルギにより押し下げられるピストン132の往復運動をクランクシャフト26の回転運動に変換する。エンジン22からの排気は、一酸化炭素(CO)や炭化水素(HC),窒素酸化物(NOx)の有害成分を浄化する浄化装置(三元触媒)134を介して外気へ排出される。
エンジン22は、エンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)24により制御されている。エンジンECU24は、CPU24aを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU24aの他に処理プログラムを記憶するROM24bと、データを一時的に記憶するRAM24cと、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。エンジンECU24には、エンジン22の状態を検出する種々のセンサからの信号、クランクシャフト26の回転位置を検出するクランクポジションセンサ140からのクランクポジションやエンジン22の冷却水の温度を検出する水温センサ142からの冷却水温,燃焼室内に取り付けられた圧力センサ143からの筒内圧力Pin,燃焼室へ吸排気を行なう吸気バルブ128や排気バルブを開閉するカムシャフトの回転位置を検出するカムポジションセンサ144からのカムポジション,スロットルバルブ124のポジションを検出するスロットルバルブポジションセンサ146からのスロットルポジション,吸気管に取り付けられたエアフローメータ148からのエアフローメータ信号AF,同じく吸気管に取り付けられた温度センサ149からの吸気温などが入力ポートを介して入力されている。また、エンジンECU24からは、エンジン22を駆動するための種々の制御信号、例えば、燃料噴射弁126への駆動信号や、スロットルバルブ124のポジションを調節するスロットルモータ136への駆動信号、イグナイタと一体化されたイグニッションコイル138への制御信号、吸気バルブ128の開閉タイミングの変更可能な可変バルブタイミング機構150への制御信号などが出力ポートを介して出力されている。なお、エンジンECU24は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によりエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータを出力する。
モータMG1およびモータMG2は、いずれも発電機として駆動することができると共に電動機として駆動できる周知の同期発電電動機として構成されており、インバータ41,42を介してバッテリ50と電力のやりとりを行なう。モータMG1,MG2は、いずれもモータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)40により駆動制御されている。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するために必要な信号、例えばモータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの信号や図示しない電流センサにより検出されるモータMG1,MG2に印加される相電流などが入力されており、モータECU40からは、インバータ41,42へのスイッチング制御信号が出力されている。モータECU40は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によってモータMG1,MG2を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。
バッテリ50は、バッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)52によって管理されている。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な信号、例えば,バッテリ50の端子間に設置された図示しない電圧センサからの端子間電圧,バッテリ50の出力端子に接続された電力ライン54に取り付けられた図示しない電流センサからの充放電電流,バッテリ50に取り付けられた温度センサ51からの電池温度Tbなどが入力されており、バッテリ50を管理するための残容量(SOC)を計算すると共に計算した残容量(SOC)と電池温度Tbやその入出力制限Win,Wout,バッテリ50を充放電するための要求値である充放電要求パワーPb*などを計算し、必要に応じてデータを通信によりハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。
ハイブリッド用電子制御ユニット70は、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU72の他に処理プログラムを記憶するROM74と、データを一時的に記憶するRAM76と、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。ハイブリッド用電子制御ユニット70には、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号,シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速Vなどが入力ポートを介して入力されている。ハイブリッド用電子制御ユニット70は、前述したように、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20は、運転者によるアクセルペダル83の踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクを計算し、この要求トルクに対応する要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるように、エンジン22とモータMG1とモータMG2とが運転制御される。エンジン22とモータMG1とモータMG2の運転制御としては、要求動力に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にエンジン22から出力される動力のすべてがプラネタリギヤ30とモータMG1とモータMG2とによってトルク変換されてリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御するトルク変換運転モードや要求動力とバッテリ50の充放電に必要な電力との和に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にバッテリ50の充放電を伴ってエンジン22から出力される動力の全部またはその一部がプラネタリギヤ30とモータMG1とモータMG2とによるトルク変換を伴って要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御する充放電運転モード、エンジン22の運転を停止してモータMG2からの要求動力に見合う動力をリングギヤ軸32aに出力するよう運転制御するモータ運転モードなどがある。
次に、実施例のハイブリッド自動車20の動作、特にモータ運転モードで走行しているときにエンジン22を始動する際の動作について説明する。図3はモータ運転モードで走行している際にハイブリッド用電子制御ユニット70により実行されるモータ走行時駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートであり、図4はエンジン22を始動している最中にハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される始動時駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。まず、図3のモータ走行時駆動制御ルーチンを用いてモータ運転モードで走行している際にエンジン22を始動する直前までの駆動制御について説明し、その後、図4の始動時駆動制御ルーチンを用いてエンジン22を始動している最中の駆動制御について説明する。
モータ走行時駆動制御ルーチンが実行されると、ハイブリッド用電子制御ユニット70のCPU72は、まず、アクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Accや車速センサ88からの車速V,モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2,バッテリ50が要求する充放電要求パワーPb*,バッテリ50の入出力制限Win,Woutなど制御に必要なデータを入力する処理を実行する(ステップS100)。ここで、モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2は、回転位置検出センサ43,44により検出されるモータMG1,MG2の回転子の回転位置に基づいて計算されたものをモータECU40から通信により入力するものとした。また、充放電要求パワーPb*やバッテリ50の入出力制限Win,Woutは、バッテリ50の残容量(SOC)に基づいて設定されたものをバッテリECU52から通信により入力するものとした。
こうしてデータを入力すると、入力したアクセル開度Accと車速Vとに基づいて車両に要求されるトルクとして駆動輪63a,63bに連結された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクTr*と車両に要求される要求パワーP*とを設定する(ステップS110)。要求トルクTr*は、実施例では、アクセル開度Accと車速Vと要求トルクTr*との関係を予め定めて要求トルク設定用マップとしてROM74に記憶しておき、アクセル開度Accと車速Vとが与えられると記憶したマップから対応する要求トルクTr*を導出して設定するものとした。図5に要求トルク設定用マップの一例を示す。要求パワーP*は、設定した要求トルクTr*にリングギヤ軸32aの回転数Nrを乗じたものとバッテリ50が要求する充放電要求パワーPb*とロスLossとの和として計算することができる。なお、リングギヤ軸32aの回転数Nrは、車速Vに換算係数kを乗じることによって求めたり、モータMG2の回転数Nm2を減速ギヤ35のギヤ比Grで割ることによって求めることができる。
要求トルクTr*と要求パワーP*とを設定すると、モータMG1のトルク指令Tm1*に値0を設定し(ステップS120)、バッテリ50の入出力制限Win,WoutをモータMG2の回転数Nm2で除してモータMG2から出力してもよいトルクの上下限としてのトルク制限Tmin,Tmaxを計算すると共に(ステップS130)、要求トルクTr*を減速ギヤ35のギヤ比Grで除して仮モータトルクTm2tmpを計算し(ステップS140)、計算した仮モータトルクTm2tmpをトルク制限Tmin,Tmaxで制限した値としてモータMG2のトルク指令Tm2*を設定し(ステップS150)、設定したモータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*をモータECU40に送信する(ステップS160)。トルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータECU40は、トルク指令Tm1*でモータMG1が駆動されると共にトルク指令Tm2*でモータMG2が駆動されるようインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。モータ走行時の動力分配統合機構30の回転要素を力学的に説明するための共線図の一例を図6に示す。図中、左のS軸はモータMG1の回転数Nm1であるサンギヤ31の回転数を示し、C軸はエンジン22の回転数Neであるキャリア34の回転数を示し、R軸はモータMG2の回転数Nm2に減速ギヤ35のギヤ比Grを乗じたリングギヤ32の回転数Nrを示す。モータ走行では、図示するように、エンジン22はコンプレッション仕事などにより回転数0で停止し、モータMG1は連れ回された状態となる。なお、モータ走行時ではモータMG1のトルク指令Tm1*に値0を設定する必要はないが、実施例では、モータMG1から値0のトルクが出力されるよう積極的にモータMG1を駆動制御するものとした。
続いて、要求パワーP*を閾値Prefと比較する(ステップS170)、ここで、閾値Prefはエンジン22の始動を判定するためのものであり、エンジン22を比較的効率よく運転することができる領域のうち下限のパワー近傍に設定されている。要求パワーP*は、上述したように、要求トルクTr*にリングギヤ軸32aの回転数Nrを乗じたものとバッテリ50が要求する充放電要求パワーPb*とロスLossとの和として計算するから、バッテリ50の残容量(SOC)が比較的十分な状態であるときでも運転者がアクセルペダル83を大きく踏み込んだときや、バッテリ50の残容量(SOC)が比較的十分な状態であり且つ運転者のアクセルペダル83の踏み込みがないときでも車速Vが大きくなりリングギヤ軸32aの回転数Nrが大きくなったとき、運転者のアクセルペダル83の踏み込みがなく且つ車速Vも小さくリングギヤ軸32aの回転数Nrも小さいときでもバッテリ50の残容量(SOC)が低くなって大きな充放電要求パワーPb*が設定されたときに、閾値Pref以上となる。要求パワーP*が閾値Pref未満のときには、エンジン22の始動は不要と判断し、ステップS100に戻り、ステップS100〜S170の処理を繰り返す。この繰り返し処理がモータ運転モードによるモータ走行である。
一方、要求パワーP*が閾値Pref以上のときには、ステップS100〜S170の繰り返し処理により今回設定された要求トルクTr*から前回ステップS110で設定された要求トルクTr*を減じて要求トルク変更量ΔTを計算し(ステップS180)、計算した要求トルク変更量ΔTを閾値Trefと比較する(ステップS190)。ここで、閾値Trefは、運転者のアクセルペダル83の踏み込みにより要求トルクTr*が急増したのを判定するものであり、例えばアクセル開度Accが20%や30%以上急変した際の値などのように設定することができる。要求トルク変更量ΔTが閾値Tref未満のときには、エンジン22の始動判定は車速Vの増加やバッテリ50の残容量(SOC)の減少が要因であり運転者の要求ではないと判断し、エンジン22の始動時に生じ得る振動により運転者に違和感を生じさせないようにエンジン22を始動する際の振動を抑制する振動抑制始動手法によりエンジン22を始動するものとして始動手法判定フラグFstに値0を設定して(ステップS200)、モータ走行時駆動制御ルーチンを終了し、要求トルク変更量ΔTが閾値Tref以上のときには、エンジン22の始動判定は運転者によるアクセルペダル83の踏み込みであり運転者の要求であると判断し、エンジン22の始動の際に電力のより多くを走行に用いることができるようにエンジン22を始動するのに必要な消費電力が振動抑制始動手法によりエンジン22を始動するときより小さくなる省電力始動手法によりエンジン22を始動するものとして始動手法判定フラグFstに値1を設定して(ステップS210)、モータ走行時駆動制御ルーチンを終了する。こうしてモータ走行時駆動制御ルーチンを終了すると、ハイブリッド用電子制御ユニット70は、モータ走行時駆動制御ルーチンに代えて図4の始動時駆動制御ルーチンを実行する。
始動時駆動制御ルーチンが実行されると、ハイブリッド用電子制御ユニット70のCPU72は、まず、始動手法判定フラグFstの値を調べ(ステップS300)、始動手法判定フラグFstが値0のときには、振動抑制始動手法によりエンジン22を始動するために振動抑制用トルクマップを実行用マップに設定すると共に(ステップS310)、点火開始回転数Nfireにエンジン22の共振回転数帯より余裕をもって大きな回転数N1(例えば、1000rpmや1200rpmなど)を設定し(ステップS320)、始動手法判定フラグFstが値1のときには、省電力始動手法によりエンジン22を始動するために省電力用トルクマップを実行用マップに設定すると共に(ステップS330)、点火開始回転数Nfireに回転数N1より小さいが共振回転数帯より若干大きな回転数N2(例えば、600rpmや800rpmなど)を設定する(ステップS340)。ここで、振動抑制用トルクマップは、振動抑制始動手法によりエンジン22を始動する際のモータMG1のトルク指令Tm1*とエンジン22の回転数Neと始動開始時からの経過時間との関係を設定したマップであり、省電力用トルクマップは、省電力始動手法によりエンジン22を始動する際のモータMG1のトルク指令Tm1*とエンジン22の回転数Neと始動開始時からの経過時間との関係を設定したマップである。振動抑制用トルクマップとエンジン22の回転数Neの関係との一例を図7に、省電力用トルクマップとエンジン22の回転数Neの関係との一例を図8に示す。図8中、一点鎖線は比較のための振動抑制用トルクマップである。振動抑制用トルクマップでは、図7に示すように、エンジン22の始動指示がなされた時間t11の直後からレート処理を用いて比較的大きなトルクをトルク指令Tm1*に設定してエンジン22の回転数Neを迅速に増加させる。エンジン22の回転数Neが共振回転数帯を通過したか共振回転数帯を通過するのに必要な時間以降の時間t12にエンジン22を安定して回転数N1以上でモータリングすることができるトルクをトルク指令Tm1*に設定し、電力消費や駆動軸としてのリングギヤ軸32aにおける反力を小さくする。そして、エンジン22の回転数Neが回転数N1に至った時間t13からレート処理を用いてトルク指令Tm1*を値0とし、エンジン22の完爆が判定された時間t15から発電用のトルクをトルク指令Tm1*に設定する。このように、モータMG1のトルク指令Tm1*を設定してエンジン22を始動することにより、エンジン22を始動する際に生じ得る振動を抑制することができる。一方、省電力用トルクマップでは、図8に示すように、振動抑制用トルクマップと同様にエンジン22の始動指示がなされた時間t21の直後からレート処理を用いて比較的大きなトルクをトルク指令Tm1*に設定してエンジン22の回転数Neを迅速に増加させる。しかし、エンジン22の回転数Neが若干上昇したとき、即ち、エンジン22の回転数Neが共振回転数帯を通過するか否かに拘わらず所定時間が経過した時間t22にエンジン22を安定して回転数N2以上でモータリングすることができるトルクをトルク指令Tm1*に設定し、電力消費や駆動軸としてのリングギヤ軸32aにおける反力を小さくする。そして、エンジン22の回転数Neが振動抑制用トルクマップにおける回転数N1より小さな回転数N2に至った時間t23からレート処理を用いてトルク指令Tm1*を値0とし、エンジン22の完爆が判定された時間t25から発電用のトルクをトルク指令Tm1*に設定する。このように、モータMG1のトルク指令Tm1*を設定してエンジン22を始動することにより、エンジン22を始動する際の消費電力を振動抑制始動手法によりエンジン22を始動するときに比して小さくすることができる。これにより、エンジン22を始動する最中におけるバッテリ50の電力のより多くを走行用に用いることができる。
こうして始動手法判定フラグFstの値に基づいて実行用マップを設定すると共に点火回転数Nfireを設定すると、アクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Accや車速センサ88からの車速V,エンジン22の回転数Ne,モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2,バッテリ50の入出力制限Win,Woutなど制御に必要なデータを入力し(ステップS350)、入力したアクセル開度Accと車速Vとに基づいて図5の要求トルク設定用マップを用いて要求トルクTr*を設定する(ステップS360)。ここで、エンジン22の回転数Neはクランクシャフト26に取り付けられたクランクポジションセンサ23aからの信号に基づいて計算されたものをエンジンECU24から通信により入力するものとした。これ以外の入力については上述した。
そして、エンジン22の回転数Neや始動開始時からの経過時間tを用いて設定した実行用マップからモータMG1のトルク指令Tm1*を導出して設定し(ステップS370)、バッテリ50の入出力制限Win,Woutと計算したモータMG1のトルク指令Tm1*に現在のモータMG1の回転数Nm1を乗じて得られるモータMG1の消費電力(発電電力)との偏差をモータMG2の回転数Nm2で割ることによりモータMG2から出力してもよいトルクの上下限としてのトルク制限Tmin,Tmaxを次式(1)および式(2)により計算すると共に(ステップS380)、要求トルクTr*とトルク指令Tm1*とプラネタリギヤ30のギヤ比ρを用いてモータMG2から出力すべきトルクとしての仮モータトルクTm2tmpを式(3)により計算し(ステップS390)、仮モータトルクTm2tmpをトルク制限Tmin,Tmaxで制限した値としてモータMG2のトルク指令Tm2*を設定し(ステップS400)、設定したモータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*をモータECU40に送信する(ステップS410)。このようにモータMG1のトルク指令Tm1*を設定すると共にモータMG2のトルク指令Tm2*を設定することにより、振動抑制始動手法や省電力始動手法によりエンジン22を始動しながら駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力する要求トルクTr*をバッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で制限したトルクとして出力することができる。エンジン22を始動しようとしているときの動力分配統合機構30の回転要素を力学的に説明するための共線図の一例を図9に示す。なお、式(3)は、この図9の共線図から容易に導き出すことができる。また、トルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータECU40は、トルク指令Tm1*でモータMG1が駆動されると共にトルク指令Tm2*でモータMG2が駆動されるようインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。
Tmin=(Win-Tm1*・Nm1)/Nm2 (1)
Tmax=(Wout-Tm1*・Nm1)/Nm2 (2)
Tm2tmp=(Tr*+Tm1*/ρ)/Gr (3)
次に、エンジン22の回転数Neが点火開始回転数Nfireに至っているか否かを判定し(ステップS420)、エンジン22の回転数Neが点火開始回転数Nfireに至っていないときにはステップS350に戻り、エンジン22の回転数Neが点火開始回転数Nfireに至るまでステップS350〜S420の処理を繰り返す。なお、点火開始回転数Nfireには、上述したように、振動抑制始動手法によりエンジン22を始動する際には共振回転数帯より余裕をもって大きな回転数N1が設定されており、省電力始動手法によりエンジン22を始動する際には回転数N1より小さいが共振回転数帯より若干大きな回転数N2が設定されている。
エンジン22の回転数Neが点火開始回転数Nfireに至ると、制御開始フラグFfireに値1がセットされていないのを確認して(ステップS430)、燃料噴射制御を開始すると共に点火制御を開始し、制御開始フラグFfireに値1をセットして(ステップS440)、エンジン22が完爆したか否かを判定する(ステップS450)。エンジン22が完爆していないときはステップS350に戻ってステップS350〜S450の処理を繰り返し、エンジン22が完爆すると、エンジン22の始動は完了したと判断して、本ルーチンを終了する。本ルーチンを終了すると、エンジン22およびモータMG1,MG2を駆動するトルク変換運転モードや充放電運転モードにより走行するための図示しない駆動制御ルーチンが実行されるが、この制御については本発明の中核をなさないため、その詳細な説明は省略する。
以上説明した実施例のハイブリッド自動車20によれば、モータ走行している最中に、運転者の操作に基づかない理由によりエンジン22を始動するときには振動抑制始動手法によりエンジン22を始動し、運転者の操作に基づく理由によりエンジン22を始動するときには省電力始動手法によりエンジン22を始動するから、車両の状態や運転者の操作に応じたエンジン22の始動手法を用いてエンジン22を始動することができる。即ち、運転者によるアクセルペダル83の踏み込み操作がなされていないときにエンジン22を始動するときには振動抑制始動手法を用いてエンジン22を始動することにより、エンジン22を始動する際に生じ得る振動を抑制することができ、運転者や搭乗者にエンジン22を始動する際に生じ得る振動に伴って違和感を与えるのを抑制することができる。また、運転者によるアクセルペダル83の踏み込み操作に基づいてエンジン22を始動するときには省電力始動手法を用いてエンジン22を始動することにより、エンジン22の始動に要する消費電力を振動抑制始動手法によりエンジン22を始動するときに比して小さくすることができ、エンジン22を始動する最中におけるバッテリ50の電力のより多くを走行用に用いることができる。
実施例のハイブリッド自動車20では、省電力用トルクマップとして、エンジン22の始動指示がなされた直後は振動抑制用トルクマップと同様に比較的大きなトルクをトルク指令Tm1*に設定してエンジン22の回転数Neを迅速に増加させ、エンジン22の回転数Neが若干上昇したときにエンジン22の回転数Neが共振回転数帯を通過するか否かに拘わらず所定時間が経過した時間t22にエンジン22を安定して回転数N2以上でモータリングすることができるトルクをトルク指令Tm1*に設定してエンジン22をモータリングするものを用いたが、振動抑制用トルクマップに比して消費電力が小さければよいから、エンジン22の始動指示がなされた直後に振動抑制用トルクマップで設定されるトルクより小さなトルクをトルク指令Tm1*に設定するものとしてもよいし、エンジン22の回転数Neが若干上昇した以降ではエンジン22を安定して回転数N1以上でモータリングすることができるトルクをトルク指令Tm1*に設定するものとしても構わない。また、エンジン22の始動指示がなされた直後からエンジン22を安定して回転数N2以上でモータリングすることができるトルクをトルク指令Tm1*に設定するものとしても構わない。
実施例のハイブリッド自動車20では、省電力始動手法によりエンジン22を始動するときにはエンジン22の回転数Neが振動抑制始動手法によりエンジン22を始動するときの回転数N1より小さいが共振回転数帯より若干大きな回転数N2に至ったときに燃料噴射制御や点火制御を開始するものとしたが、省電力始動手法によりエンジン22を始動するときには、エンジン22の回転数Neが上述の回転数N1に至ったときに燃料噴射制御や点火制御を開始するものとしてもよいし、エンジン22の回転数Neが上述の回転数N2より更に小さな回転数に至ったときに燃料噴射制御や点火制御を開始するものとしても構わない。
実施例のハイブリッド自動車20では、モータMG2の動力を減速ギヤ35により変速してリングギヤ軸32aに出力するものとしたが、図10の変形例のハイブリッド自動車120に例示するように、モータMG2の動力をリングギヤ軸32aが接続された車軸(駆動輪63a,63bが接続された車軸)とは異なる車軸(図10における車輪64a,64bに接続された車軸)に接続するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン22の動力をプラネタリギヤ30を介して駆動輪63a,63bに接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力するものとしたが、図11の変形例のハイブリッド自動車220に例示するように、エンジン22のクランクシャフト26に接続されたインナーロータ232と駆動輪63a,63bに動力を出力する駆動軸に接続されたアウターロータ234とを有し、エンジン22の動力の一部を駆動軸に伝達すると共に残余の動力を電力に変換する対ロータ電動機230を備えるものとしてもよい。
実施例では、エンジン22とプラネタリギヤ30と二つのモータMG1,MG2とバッテリ50とを備えるハイブリッド自動車20に搭載された動力出力装置が備えるエンジン22の始動の制御を本発明の最良の実施の形態として説明したが、駆動軸に動力を出力可能なエンジンとこのエンジンをクランキング可能なモータなどのクランキング装置とこのクランキング装置に電力を供給可能な二次電池などの蓄電装置とを備えるものであれば、如何なる構成の動力出力装置が備えるエンジンの始動の制御にも操作者の意志に基づくエンジンの始動か否かによりエンジンの始動時に生じ得る振動を抑制して始動するかエンジンの始動時に要する消費電力を少なくして始動するかを選択してエンジンを始動する本発明の要旨を適用することができる。
実施例では、ハイブリッド自動車20やこれに搭載された動力出力装置として本発明の最良の実施の形態について説明したが、動力出力装置は自動車に搭載されるものに限定されず、自動車以外の車両や船舶,航空機などの移動体に搭載してもよく、建設設備などのように移動体以外の設備に組み込まれるものとしても構わない。また、動力出力装置の形態だけでなく、動力出力装置における内燃機関の始動方法の形態としても構わない。
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、動力出力装置やこれを搭載する車両の製造産業あるいは動力出力装置が備える内燃機関の始動制御装置の製造産業などに利用可能である。
本発明の一実施例である動力出力装置を搭載したハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。 エンジン22の構成の概略を示す構成図である。 モータ運転モードで走行している際にハイブリッド用電子制御ユニット70により実行されるモータ走行時駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 エンジン22を始動している最中にハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される始動時駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 要求トルク設定用マップの一例を示す説明図である。 モータ走行時の動力分配統合機構30の回転要素を力学的に説明するための共線図の一例を示す説明図である。 振動抑制用トルクマップとエンジン22の回転数Neの関係との一例を示す説明図である。 省電力用トルクマップとエンジン22の回転数Neの関係との一例を示す説明図である。 エンジン22を始動する際の動力分配統合機構30の回転要素を力学的に説明するための共線図の一例を示す説明図である。 変形例のハイブリッド自動車120の構成の概略を示す構成図である。 変形例のハイブリッド自動車220の構成の概略を示す構成図である。
符号の説明
20 120,220ハイブリッド自動車、22 エンジン、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、24a CPU、24b ROM、24c RAM、26 クランクシャフト、28 ダンパ、30 動力分配統合機構、31 サンギヤ、32 リングギヤ、32a リングギヤ軸、33 ピニオンギヤ、34 キャリア、35,減速ギヤ、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42 インバータ、43,44 回転位置検出センサ、50 バッテリ、51 温度センサ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、54 電力ライン、60 ギヤ機構、62 デファレンシャルギヤ、63a,63b 駆動輪、64a,64b 車輪、70 ハイブリッド用電子制御ユニット、72 CPU、74 ROM、76 RAM、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、122 エアクリーナ、124 スロットルバルブ、126 燃料噴射弁、128 吸気バルブ、130 点火プラグ、132 ピストン、134 浄化装置、136,スロットルモータ、138 イグニッションコイル、140 クランクポジションセンサ、142 水温センサ、143 圧力センサ、144 カムポジションセンサ、146 スロットルバルブポジションセンサ、148 エアフローメータ、149 温度センサ、150 可変バルブタイミング機構、MG1,MG2 モータ。

Claims (10)

  1. 駆動軸に動力を出力可能な動力出力装置であって、
    前記駆動軸に動力を出力可能な内燃機関と、
    前記内燃機関をクランキング可能なクランキング手段と、
    前記クランキング手段と電力のやりとりを行なう蓄電手段と、
    前記内燃機関の運転を停止している最中に、操作者の操作に基づかない前記内燃機関の始動指示がなされたときには前記内燃機関の始動時の振動が抑制される振動抑制始動手法を用いて前記内燃機関が始動されるよう前記クランキング手段と前記内燃機関とを制御し、操作者の操作に基づく前記内燃機関の始動指示がなされたときには前記振動抑制始動手法による前記内燃機関の始動に比して前記内燃機関の始動に要する消費電力が小さい省電力始動手法を用いて該内燃機関が始動されるよう前記クランキング手段と前記内燃機関とを制御する始動時制御手段と、
    を備える動力出力装置。
  2. 請求項1記載の動力出力装置であって、
    前記振動抑制始動手法は、少なくとも前記内燃機関の回転数が共振回転数より大きくなるまで所定トルク以上のトルクを用いてクランキングして前記内燃機関を始動する手法であり、
    前記省電力始動手法は、前記振動抑制始動手法に比して前記所定トルク以上のトルクによるクランキング時間を短くして前記内燃機関を始動する手法である
    動力出力装置。
  3. 請求項1または2記載の動力出力装置であって、
    前記振動抑制始動手法は、前記内燃機関の回転数が所定回転数に至った以降に該内燃機関における燃料噴射および点火を開始して該内燃機関を始動する手法であり、
    前記省電力始動手法は、前記内燃機関の回転数が前記所定回転数に至る前に該内燃機関における燃料噴射および点火を開始して該内燃機関を始動する手法である
    動力出力装置。
  4. 前記操作者の操作に基づく前記内燃機関の始動指示は、前記駆動軸への加速トルクの出力に基づく前記内燃機関の始動指示である請求項1ないし3いずれか記載の動力出力装置。
  5. 請求項1ないし4いずれか記載の動力出力装置であって、
    前記駆動軸に動力を出力可能な電動機を備え、
    前記蓄電手段は、前記電動機とも電力のやりとりを行なう手段であり、
    前記始動時制御手段は、前記電動機から前記駆動軸に動力を出力している最中に前記内燃機関の始動指示がなされたときに前記内燃機関を始動する手段である
    動力出力装置。
  6. 請求項5記載の動力出力装置であって、
    前記クランキング手段は、前記内燃機関の出力軸と前記駆動軸とに接続され、電力の入出力を伴って前記内燃機関の出力軸への動力の入出力と前記駆動軸への動力の入出力とを行なう手段であり、
    前記始動時制御手段は、前記電力動力入出力手段による前記内燃機関のクランキングに伴って前記駆動軸へ出力される動力を前記電動機からの動力により打ち消されるよう前記電動機を制御する手段である
    動力出力装置。
  7. 前記クランキング手段は、前記内燃機関の出力軸と前記駆動軸と回転軸との3軸に接続され該3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、前記回転軸に動力を入出力可能な発電機と、を備える手段である請求項6記載の動力出力装置。
  8. 前記クランキング手段は、前記内燃機関の出力軸に接続された第1の回転子と前記駆動軸に接続された第2の回転子とを有し該第1の回転子と該第2の回転子との相対的な回転により回転する対回転子電動機である請求項6記載の動力出力装置。
  9. 請求項1ないし8いずれか記載の動力出力装置を搭載し、車軸が前記駆動軸に連結されてなる車両。
  10. 駆動軸に動力を出力可能な内燃機関と、前記内燃機関をクランキング可能なクランキング手段と、前記クランキング手段と電力のやりとりを行なう蓄電手段と、を備える動力出力装置における前記内燃機関の始動方法であって、
    操作者の操作に基づかない前記内燃機関の始動指示がなされたときには前記内燃機関の始動時の振動が抑制される振動抑制始動手法を用いて前記内燃機関が始動されるよう前記クランキング手段と前記内燃機関とを制御し、
    操作者の操作に基づく前記内燃機関の始動指示がなされたときには前記振動抑制始動手法による前記内燃機関の始動に比して前記内燃機関の始動に要する消費電力が小さい省電力始動手法を用いて該内燃機関が始動されるよう前記クランキング手段と前記内燃機関とを制御する
    内燃機関の始動方法。
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