JP2006309090A - 走査光学系、光走査装置、画像形成装置およびカラー画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】光偏向器5により偏向される光束を、被走査面上に光スポットとして集光させる走査光学系であって、走査光学系は1枚のレンズ6により構成され、主走査方向に両凸形状、副走査方向に両凸形状を有し、両面共にアナモフィックな面であり、少なくとも一面は、副走査断面内の曲率中心を主走査断面内で結ぶ線が非直線である特殊トーリック面であり、その特殊トーリック面の副走査断面内の曲率の主走査方向に沿う変化が走査レンズ6の光軸に対して非対称である。
【選択図】図1
Description
また、光走査装置のコンパクト化や走査レンズの薄肉化など、小型化も求められているが、性能を保ちつつ小型化を目論むと、倍率の増大のために公差に弱くなるといった制約がある。そのためできるだけ単純な形状で高い性能を確保できる走査光学系の実現が求められている。
請求項2、7、14および24記載の発明は、上記波動光学的な収差を、主・副走査方向独立に抑制することを目的としている。
請求項3、9および36記載の発明は、請求項1、8あるいは35に記載されているような複雑な形状を有する走査光学系を簡便に実現することを目的としている。
請求項4、10、16および27記載の発明は、上記走査光学系の有する走査レンズの好適な位置を指定することで、最大限の光学性能を確保することを目的としている。
請求項6、12、18、28および37記載の発明は、上記走査光学系の、有効書き込み幅内における副走査方向の光学性能を確保することを目的としている。
請求項13記載の発明は、1枚構成の走査レンズの両面で効率的に波動光学的な収差を抑制し、かつ公差にも強い走査光学系を提供することを目的としている。
請求項20、30および39記載の発明は、上記走査光学系を構成する光学素子を成形する際の低コスト化を目的としている。
請求項21および40記載の発明は、光学的なサグによる波動光学的な収差を簡便な方法で抑制することを目的としている。
請求項22、32および41記載の発明は、上記走査光学系において光書き込みの高速化を実現することを目的としている。
請求項43記載の発明は、複数光源の走査光学系を搭載して光書き込みの高速化を可能にした光走査装置の実現を目的としている。
請求項44記載の発明は、光書き込みの高速化を可能にするための複数光源の実現を目的としている。
請求項46記載の発明は、上記光走査装置を搭載し、多色の画像形成が可能なカラー画像形成装置の実現を目的としている。
請求項3記載の発明のように、請求項2記載の発明における走査光学系は、その一方の面が曲率一定面で、他方の面が特殊トーリック面であってもよい。
4.5<L/d0<7.5 ・・・(1)
の条件を満足することが望ましい。
|R1|>|R2| ・・・(2)
|r1|>|r2| ・・・(3)
の条件を満足することが望ましい。
Fs/W<0.005 ・・・(4)
の条件を満足することが好ましい。
請求項8記載の発明は、請求項7記載の発明において、走査レンズの少なくとも一面は副走査断面内の曲率中心を主走査断面内で結ぶ線が非直線である特殊トーリック面とし、特殊トーリック面の副走査断面内の曲率の主走査方向に沿う変化が走査レンズ面の光軸に対して非対称にしたことを特徴とする。
請求項9〜12記載の発明のように、請求項7記載の発明においても、請求項3〜6に記載されている構成と同じ構成を採用するとよい。
請求項14記載の発明は、請求項13記載の発明において、走査レンズの両面をアナモフィック面にしたことを特徴とする。
請求項15記載の発明は、請求項14記載の発明において、走査レンズの被走査面側の面は副走査断面内の曲率中心を主走査断面内で結ぶ線が非直線である特殊トーリック面とし、特殊トーリック面の副走査断面内の曲率の主走査方向に沿う変化が走査レンズ面の光軸に対して非対称であることを特徴とする。
請求項16〜18記載の発明のように、請求項13記載の発明においても、請求項4〜6に記載されている構成と同じ構成を採用するとよい。
請求項20記載の発明は、請求項1〜19のいずれかに記載の走査光学系は、樹脂で成形したことを特徴とする。
請求項21記載の発明のように、請求項1〜20のいずれかに記載の走査光学系は、走査レンズの光軸が被走査面の法線に対してチルトしていても実現可能である。
請求項22記載の発明は、請求項1〜21のいずれかに記載の走査光学系において、同時に偏向される複数光束を、副走査方向に分離した複数の光スポットとして被走査面上に集光するものであることを特徴とする。すなわち、この発明の走査光学系はマルチビーム方式の光走査装置の走査光学系として用いることができる。
|R1|>|R2| ・・・(2)
|r1|>|r2| ・・・(3)
の条件を満足し、上記走査レンズの光偏向器側の面は、副走査断面内の曲率が主走査方向に一定であることを特徴とする。
請求項25記載の発明は、請求項24記載の発明において、上記走査レンズの両面をアナモフィック面になっていることを特徴とする。
請求項26記載の発明は、請求項25記載の発明において、上記走査レンズが主走査方向に両凸形状、副走査方向に両凸形状を有することを特徴とする。
4.5<L/d0<7.5 ・・・(1)
を満足することを特徴とする。
請求項28記載の発明は、請求項23〜27のいずれかに記載の走査光学系において、有効書込幅をW、有効書込幅内における副走査像面湾曲の幅をFsとしたとき、
Fs/W<0.005 ・・・(4)
の条件を満足することを特徴とする。
請求項30記載の発明は、請求項23〜29のいずれかに記載の走査光学系において、走査レンズはこれを樹脂で成形したことを特徴とする。
請求項31記載の発明は、請求項23〜30のいずれかに記載の走査光学系において、走査レンズの光軸が被走査面の法線に対してチルトさせたことを特徴とする。
請求項32記載の発明は、請求項23〜31のいずれかに記載の走査光学系において、同時に偏向される複数ビームを、副走査方向に分離した複数の光スポットとして被走査面上に集光させてマルチビーム方式としたことを特徴とする。
4.5<L/d0<7.5 ・・・(1)
を満足し、上記走査レンズの第1面の主走査方向の曲率半径をR1、第2面の主走査方向の曲率半径をR2、第1面の副走査方向の曲率半径をr1、第2面の副走査方向の曲率半径をr2としたとき、
|R1|>|R2| ・・・(2)
|r1|>|r2| ・・・(3)
の条件を満足し、上記走査レンズの少なくとも一面がアナモフィック面によってなることを特徴とする。
請求項35記載の発明は、請求項34記載の走査光学系において、走査レンズの少なくとも一面は副走査断面内の曲率中心を主走査断面内で結ぶ線が非直線である特殊トーリック面であり、特殊トーリック面の副走査断面内の曲率の主走査方向に沿う変化が走査レンズ面の光軸に対して非対称にしたことを特徴とする。
請求項36記載の発明は、請求項35記載の走査光学系において、走査レンズの光偏向器側の面は、副走査断面内の曲率が主走査方向に一定にしたことを特徴とする。
Fs/W<0.005 ・・・(4)
の条件を満足することを特徴とする。
請求項39記載の発明は、請求項33〜38のいずれかに記載の走査光学系において、走査レンズが樹脂で成形されていることを特徴とする。
請求項40記載の発明は、請求項33〜39のいずれかに記載の走査光学系において、走査レンズの光軸が被走査面の法線に対してチルトしていることを特徴とする。
請求項41記載の発明は、請求項33〜40のいずれかに記載の走査光学系において、同時に偏向される複数ビームを、被走査面上に、副走査方向に分離した複数の光スポットとして集光することを特徴とする。
上記カップリングレンズは、複数光束に対して、個別的としてもよいし、共通化してもよい。
請求項44記載の発明は、請求項43記載の光走査装置における光源として、複数の発光源が1列に配列されたモノリシックな半導体レーザアレイを用いたことを特徴とする。
請求項46記載の発明は、複数の感光性の像担持体に対して光走査装置による光走査を行って各色に対応する潜像を形成し、この潜像を現像手段で可視化してカラー画像を得る画像形成装置であって、複数の像担持体の光走査を行う光走査装置として請求項42〜44のいずれかに記載の光走査装置を用いたことを特徴とする。
感光性の像担持体としてはまた、光走査の際に光スポットの熱エネルギーにより発色する発色媒体(ポジの印画紙)を用いることもできる。この場合には、光走査により直接的に可視画像を形成することができる。
感光性の像担持体としてはまた、光導電性の感光体を用いることができる。光導電性の感光体としては、酸化亜鉛紙のようにシート状のものを用いることもできるし、セレン感光体や有機光半導体などのように、ドラム状あるいはベルト状に形成されていて繰り返し使用されるものを用いることができる。
光導電性の感光体からシート状記録媒体へのトナー画像の転写は、感光体からシート状記録媒体へ直接的に転写(直接転写方式)してもよいし、感光体から一旦中間転写ベルト等の中間転写媒体に転写した後、この中間転写媒体からシート状記録媒体へ転写(中間転写方式)するようにしてもよい。
両凸形状の単一の走査レンズを用いない場合、平行光束でない光束を被走査面上に集光するのに、各面の要するパワーの負担が射出面に偏り、良好な光学性能を得るには若干の課題を残している。
(a)副走査断面内の曲率半径が、光軸から主走査方向に離れるにつれて左右非対称に単調増加する面
(b)副走査断面内の曲率半径が、光軸から主走査方向に離れるにつれて左右非対称に単調減少する面
(c)副走査断面内の曲率半径の主走査方向に沿った変化の極値が、光軸外にある面
(d)副走査断面内の曲率半径の主走査方向に沿った変化が、+像高側から−像高側に向かって単調増加する面
(e)副走査断面内の曲率半径の主走査方向に沿った変化が、+像高側から−像高側に向かって単調減少する面
(f)副走査断面内の曲率半径の主走査方向に沿った変化が、極値を2以上有する面
など、種々の面が考えられる。これらのような、光軸として一般的な回転対称軸を持たないすべての面を、「副走査断面内の曲率の主走査方向に沿った変化が光軸に関して非対称な面」という。これらのどれが「曲率の変化が非対称な面」として採用されるかは設計条件により定まる。
このような非対称形状のレンズにおける「光軸」は、この明細書においては、レンズ面形状を決定する基準座標系における「主走査方向、副走査方向に直交的な基準軸」をいうものとする。
このように、本発明にかかる走査光学系によれば、走査レンズの面形状を工夫することにより、主走査方向においてfθ特性等の「等速度特性」を確保しつつ、副走査方向において「光偏向器の面倒れ」を補正する機能を実現することが可能になる。
本発明にかかる走査光学系は、上記の如く、レンズ1枚構成で安価に作製でき、光走査装置をコンパクト化でき、なおかつ、幾何光学的な収差のみならず波動光学的な収差も良好に補正可能であり、光スポットの小径化に適している。このような走査光学系を用いることにより、小径化した光スポットによる良好な光走査が可能となり、従って、かかる光走査装置を用いる画像形成装置は、精細な画像の形成が可能である。
請求項3、9記載の発明によれば、複雑な形状を有する走査光学系を簡便にし、低コスト化を実現するとともに成形時の性能確保を実現することができる。
請求項4、10、16記載の発明によれば、発散性光束を入射する場合に適した条件(1)を満足した走査レンズ位置の範囲を定めることで、被走査面における光スポットの像面湾曲補正と等速度特性の確保を最大限に実現することができる。
請求項6、12,18、28、37記載の発明によれば、走査光学系の副走査像面湾曲の像高に伴う変化を低減し、副走査方向におけるビームウェスト位置が被走査面に対して像高によって大きくばらつくことを抑制することができる。
請求項14、25記載の発明によれば、波動光学的な収差を、主・副走査方向に独立して抑制することが可能となる。
請求項20、30、39記載の発明によれば、上記走査光学系を構成する走査レンズを、低コストで成形することができる。
請求項22、32、41記載の発明によれば、上記走査光学系にて高速な光書き込みを実現することができる。
請求項26、34記載の発明によれば、走査レンズに必要とされるパワーを各面に分担させることができる。
請求項27記載の発明によれば、発散製光束を入射する場合に適した条件(3)のような走査レンズ位置の範囲を定めることで、像面湾曲補正と等速度特性の確保を最大限に確保することができる。
請求項29記載の発明によれば、主走査方向の等速度特性の確保が可能で、「光偏向器の面倒れ」に強い走査光学系を実現することができる。
請求項36記載の発明によれば、成形しやすく、公差に強い走査光学系を得ることができる。
請求項42記載の発明によれば、上記のような効果を有する走査光学系を搭載した光走査装置を実現することができる。
請求項43記載の発明によれば、複数光源の走査光学系を搭載することによって、光書き込みの高速化を図ることができる光走査装置を実現することができる。
請求項45記載の発明によれば、上記のような効果を有する光走査装置を搭載した画像形成装置を実現することができる。
請求項46記載の発明によれば、上記のような効果を有する光走査装置を搭載した多色の画像形成が可能なカラー画像形成装置を実現することができる。
図1は、光走査装置の実施の形態を要部のみ示している。この光走査装置はシングルビーム方式のものである。図1において、半導体レーザである光源1から放射された発散性の光束は、カップリングレンズ2により、光束の形態は弱い発散性の光束に変換される。
4.5<L/d0<7.5 ・・・(1)
の条件を満足するものが用いられる。
また、この実施の形態において、走査レンズ6は、偏向反射面近傍と被走査面である感光体8とを副走査方向に関して、幾何光学的に共役関係とする機能を有するアナモフィックな光学系である。
|R1|>|R2| ・・・(2)
|r1|>|r2| ・・・(3)
の条件を満足するものが用いられる。
4.5<L/d0<7.5 ・・・(1)
の条件を満足するものが用いられる。
|R1|>|R2| ・・・(2)
|r1|>|r2| ・・・(3)
の条件を満足するものが用いられる。
LSZ(Z)=∫f(Y、Z)dY (積分はY方向における光スポットの全幅について行う)で定義され、Y方向のラインスプレッド関数:LSYは、
LSY(Y)=∫f(Y、Z)dZ (積分はZ方向における光スポットの全幅について行う)で定義される。
ラインスプレッド関数により上記の如く定義されるスポット径は、光スポットをスリットに沿って等速度で光走査し、スリットを通った光を光検出器で受光し、受光量を積分することにより容易に測定可能であり、このような測定を行う装置も市販されている。
実施例の中で示す走査レンズ面の形状等は、以下の式による。
「主走査断面内における非円弧形状」
主走査断面内の近軸曲率半径:R、光軸からの主走査方向の距離:Y、円錐定数:K、高次の係数:A1、A2、A3、A4、A5、A6、・・、光軸方向のデプス:Xを用いて周知の多項式(5)で表す。
X=(Y2/R)/[1+√{1−(1+K)(Y/R)2}]
+A1Y+A2Y2+A3Y3+A4Y4+A5Y5+A6Y6+・・ ・・・(5)
(5)式において、奇数次の係数:A1、A3、A5、・・の1以上が0でないとき、主走査方向に非対称形状となる。
副走査断面内の曲率(曲率半径の逆数)が主走査方向(光軸位置を原点とする座標:Yで示す)において変化する場合、副走査断面内の曲率:C(Y)を、次の(6)式で表す。r(0)は、副走査断面内における光軸上の曲率半径を表し、B1、B2・・等は高次の係数を表す。
C(Y)={1/r(0)}+B1Y+B2Y2+B3Y3
+B4Y4+B5Y5+B6Y6+・・ (6)
(6)式において、Yの奇数次係数:B1、B3、B5、・・の1以上が0でないとき、副走査断面内の曲率半径の変化は、主走査方向に非対称、となる。Yの係数:B1、B2、B3、・・が全て0であるとき、曲率一定面、となる。
特殊トーリック面の解析表現は上に挙げたものに限らず種々の表現が可能であり、この発明における面形状が上記式による表現に限定されるものではない。
以下に、具体的数値を挙げて、本発明にかかる走査光学系の実施例を示す。
波長:780nm
「カップリングレンズ」
焦点距離:15mm
カップリング作用:発散作用
自然集光点すなわちカップリングレンズから射出した発散性の光束を逆追跡した場合の集光位置は、光源位置から被走査面側へ向って−259.76mmの位置にある。
「シリンドリカルレンズ」
副走査方向の焦点距離:26.49mm
「ポリゴンミラー」
偏向反射面数:6
内接円半径:16mm
光源側からの光束の入射角と走査光学系の光軸とがなす角:64度
「ポリゴンミラーと被走査面との間にある光学系のデータ」
曲率半径を、主走査方向につき「R」、副走査方向につき「r」、屈折率を「n」で表す。なお、以下の表1に示すデータにおける「R、r」は、近軸曲率半径である。
4.5<L/d0=5.66<7.5
を満足している。
主走査方向:1.327mm/216mm
副走査方向:1.676mm/216mm
リニアリティ:0.493%/216mm
と、像面湾曲・等速度特性ともに極めて良好に補正されている。
図6は、走査レンズ6の入射面(図6(a))、射出面(図6(b))の曲率変化を示している。本実施例では、入射面を「曲率一定面」としている。
図7には、実施例1における光スポットの像高ごとの、スポット径の深度曲線(光スポットのデフォーカスに対するスポット径の変動)を示す。図7(a)は主走査方向、(b)は副走査方向に関するものである。実施例1では、ラインスプレッド関数の1/e2強度で定義されるスポット径として50μm程度を意図している。図に示されているように、主走査方向、副走査方向とも良好な深度を有しており、被走査面の位置精度に対する許容度が高い。
さらに、走査光学系を偏心させることで、より好ましく収差補正を行うことが可能である。実施例1においては、走査レンズを被走査面の法線に対して0.33度チルトすることで上記の良好な性能を実現している。
「光源」
波長:780nm
「カップリングレンズ」
焦点距離:15mm
カップリング作用:発散作用
自然集光点は、光源位置から被走査面側へ向って−1256.179mmの位置にある。
「シリンドリカルレンズ」
副走査方向の焦点距離:26.49mm
「ポリゴンミラー」
偏向反射面数:6
内接円半径:13mm
光源側からの光束の入射角と走査光学系の光軸とがなす角:64度
「ポリゴンミラーと被走査面との間にある光学系のデータ」:表4に示す
表4
4.5<L/d0=6<7.5
を満足している。
入射面(面番号:i=1)は曲率一定面であり、かつ、主走査断面内の形状は前記(6)式で表される非円弧形状である。この面の主走査方向の各係数を表5に挙げる。
表5
射出面(面番号:i=2)は特殊面で、主走査断面内の形状は光軸に対称的な非円弧形状である。
主走査方向:1.634mm/216mm
副走査方向:0.305mm/216mm
リニアリティ:2.506%/216mm
と、像面湾曲・等速度特性ともに極めて良好に補正されている。
また、有効書込幅W=216mmに対して副走査像面湾曲の値Fs=0.305mmであるので、条件(4):
Fs/W=0.0014<0.005
を満足している。
図11は、レンズ6の入射面(図11(a))、射出面(図11(b))の曲率変化を示している。本実施例では、入射面を「曲率一定面」としている。
図12は、実施例2における光スポットの像高ごとの、スポット径の深度曲線(光スポットのデフォーカスに対するスポット形の変動)を示す。 主走査方向、副走査方向とも良好な深度を有しており、被走査面の位置精度に対する許容度が高い。
「光源」
波長:780nm
「カップリングレンズ」
焦点距離:15mm
カップリング作用:発散作用
自然集光点は、光源位置から被走査面側へ向って−1256.179mmの位置にある。
「シリンドリカルレンズ」
副走査方向の焦点距離:26.49mm
「ポリゴンミラー」
偏向反射面数:6
内接円半径:13mm
光源側からの光束の入射角と走査光学系の光軸とがなす角:64度
表7
面番号:2(レンズの射出面)におけるX=160は請求項4、10、16、27、33におけるLに相当するため、上記走査光学系は条件(1):
4.5<L/d0=5.08<7.5
を満足している。
表9
実施例3の走査光学系の中心像高における副走査方向の横倍率:β2は、β2=4.25である。
主走査方向:2.153mm/216mm
副走査方向:0.505mm/216mm
リニアリティ:1.144% /216mm
と、像面湾曲・等速度特性ともに極めて良好に補正されている。
また、有効書込幅W=216mmに対して副走査像面湾曲の値Fs=0.505mmであるので、条件(4):
Fs/W=0.0023<0.005
を満足している。
図16は、実施例3における走査レンズ6の入射面の曲率変化(図16(a))と、射出面の曲率変化(図16(b))を示している。本実施例では、入射面を「曲率一定面」としている。
図17は、実施例3における光スポットの像高ごとの、スポット径の深度曲線(光スポットのデフォーカスに対するスポット形の変動)を示す。 主走査方向、副走査方向とも良好な深度を有しており、被走査面の位置精度に対する許容度が高いことがわかる。
さらに、走査光学系を偏心させることで、より好ましく収差補正を行うことが可能である。実施例3においては、走査レンズを被走査面の法線に対して0.1度チルトすることで上記の良好な性能を実現している。
また、複数の感光性の像担持体を配列し、各像担持体に対してそれぞれに対応する光走査装置により光走査を行って各色に対応する潜像を形成し、これらの潜像を現像手段で可視化して転写紙などの転写媒体に重ねて転写することにより、カラー画像を得るようにした、いわゆるタンデム方式のカラー画像形成装置を構成することができる。このカラー画像形成装置の各光走査装置として、前記実施例にかかる光走査装置を用いることにより、極めて良好なカラー画像を形成することができる。
2 カップリングレンズ
4 シリンドリカルレンズ
5 光偏向器
6 走査レンズ
8 感光体
Claims (46)
- 主走査方向に発散性の光束を光偏向器により偏向し、偏向された光束を被走査面上に光スポットとして集光させる単一の走査レンズで構成された走査光学系において、
上記走査レンズは主走査方向に両凸形状、副走査方向に両凸形状を有し、少なくとも一面は副走査断面内の曲率中心を主走査断面内で結ぶ線が非直線である特殊トーリック面であり、
上記特殊トーリック面の副走査断面内の曲率の主走査方向に沿う変化が走査レンズ面の光軸に対して非対称であることを特徴とする走査光学系。 - 請求項1記載の走査光学系において、走査レンズの両面がアナモフィック面によってなることを特徴とする走査光学系。
- 請求項2記載の走査光学系において、走査レンズの少なくとも一面は、副走査断面内の曲率が主走査方向に沿って一定な曲率一定面であることを特徴とする走査光学系。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の走査光学系において、光偏向器の反射面上の反射点から走査レンズ入射面までの距離をd0、走査レンズ射出面から被走査面までの距離をLとしたとき、
4.5<L/d0<7.5 ・・・(1)
の条件を満足することを特徴とする走査光学系。 - 請求項1〜4のいずれかに記載の走査光学系において、走査レンズの第1面の主走査方向の曲率半径をR1、第2面の主走査方向の曲率半径をR2、第1面の副走査方向の曲率半径をr1、第2面の副走査方向の曲率半径をr2としたとき、
|R1|>|R2| ・・・(2)
|r1|>|r2| ・・・(3)
の条件を満足することを特徴とする走査光学系。 - 請求項1〜5のいずれかに記載の走査光学系において、有効書き込み幅をW、有効書き込み幅内における副走査像面湾曲の幅をFsとしたとき、
Fs/W<0.005 ・・・(4)
の条件を満足することを特徴とする走査光学系。 - 主走査方向に発散性の光束を光偏向器により偏向し、偏向された光束を被走査面上に光スポットとして集光させる単一の走査レンズで構成された走査光学系において、
上記走査レンズは、主走査方向に両凸形状、副走査方向に両凸形状を有し、両面がアナモフィック面であることを特徴とする走査光学系。 - 請求項7記載の走査光学系において、走査レンズの少なくとも一面は副走査断面内の曲率中心を主走査断面内で結ぶ線が非直線である特殊トーリック面であり、特殊トーリック面の副走査断面内の曲率の主走査方向に沿う変化が走査レンズ面の光軸に対して非対称であることを特徴とする走査光学系。
- 請求項8記載の走査光学系において、走査レンズの少なくとも一面は、副走査断面内の曲率が主走査方向に一定な曲率一定面であることを特徴とする走査光学系。
- 請求項7〜9のいずれかに記載の走査光学系において、光偏向器の反射面上の反射点から走査レンズ入射面までの距離をd0、走査レンズ射出面から被走査面までの距離をLとしたとき、
4.5<L/d0<7.5 ・・・(1)
を満足することを特徴とする走査光学系。 - 請求項7〜10のいずれかに記載の走査光学系において、走査レンズの第1面の主走査方向の曲率半径をR1、第2面の主走査方向の曲率半径をR2、第1面の副走査方向の曲率半径をr1、第2面の副走査方向の曲率半径をr2としたとき、
|R1|>|R2| ・・・(2)
|r1|>|r2| ・・・(3)
の条件を満足することを特徴とする走査光学系。 - 請求項7〜11のいずれかに記載の走査光学系において、有効書込幅をW、有効書込幅内における副走査像面湾曲の幅をFsとしたとき、
Fs/W<0.005 ・・・(4)
の条件を満足することを特徴とする走査光学系。 - 主走査方向に発散性の光束を光偏向器により偏向し、偏向された光束を被走査面上に光スポットとして集光させる単一の走査レンズで構成された走査光学系において、
上記走査レンズは、主走査方向に両凸形状、副走査方向に両凸形状を有し、
上記走査レンズの光偏向器側の面は、副走査断面内の曲率が主走査方向に一定であることを特徴とする走査光学系。 - 請求項13記載の走査光学系において、走査レンズの両面はアナモフィック面であることを特徴とする走査光学系。
- 請求項14記載の走査光学系において、走査レンズの被走査面側の面は副走査断面内の曲率中心を主走査断面内で結ぶ線が非直線である特殊トーリック面であり、特殊トーリック面の副走査断面内の曲率の主走査方向に沿う変化が走査レンズ面の光軸に対して非対称であることを特徴とする走査光学系。
- 請求項13〜15のいずれかに記載の走査光学系において、光偏向器の反射面上の反射点から走査レンズ入射面までの距離をd0、走査レンズ射出面から被走査面までの距離をLとしたとき、
4.5<L/d0<7.5 ・・・(1)
の条件を満足することを特徴とする走査光学系。 - 請求項13〜16のいずれかに記載の走査光学系において、走査レンズの第1面の主走査方向の曲率半径をR1、第2面の主走査方向の曲率半径をR2、第1面の副走査方向の曲率半径をr1、第2面の副走査方向の曲率半径をr2としたとき、
|R1|>|R2| ・・・(2)
|r1|>|r2| ・・・(3)
の条件を満足することを特徴とする走査光学系。 - 請求項13〜17のいずれかに記載の走査光学系において、有効書込幅をW、有効書込幅内における副走査像面湾曲の幅をFsとしたとき、
Fs/W<0.005 ・・・(4)
の条件を満足することを特徴とする走査光学系。 - 請求項1〜18のいずれかに記載の走査光学系において、主走査方向において、被走査面上の光スポットを略等速的に光走査させる機能を有し、副走査方向において光偏向器の面倒れを補正する機能を有することを特徴とする走査光学系。
- 請求項1〜19のいずれかに記載の走査光学系において、走査レンズは樹脂で成形されていることを特徴とする走査光学系。
- 請求項1〜20のいずれかに記載の走査光学系において、走査レンズの光軸が被走査面の法線に対してチルトしていることを特徴とする走査光学系。
- 請求項1〜21のいずれかに記載の走査光学系において、同時に偏向される複数ビームを、被走査面上に、副走査方向に分離した複数の光スポットとして集光することを特徴とするマルチビーム走査光学系。
- 主走査方向に発散性の光束を光偏向器により偏向し、偏向された光束を被走査面上に光スポットとして集光させる単一の走査レンズで構成された走査光学系において、
上記走査レンズの第1面の主走査方向の曲率半径をR1、第2面の主走査方向の曲率半径をR2、第1面の副走査方向の曲率半径をr1、第2面の副走査方向の曲率半径をr2としたとき、
|R1|>|R2| ・・・(2)
|r1|>|r2| ・・・(3)
の条件を満足し、
上記走査レンズの光偏向器側の面は、副走査断面内の曲率が主走査方向に一定であることを特徴とする走査光学系。 - 請求項23記載の走査光学系において、走査レンズの少なくとも一面は副走査断面内の曲率中心を主走査断面内で結ぶ線が非直線である特殊トーリック面であり、特殊トーリック面の副走査断面内の曲率の主走査方向に沿う変化が走査レンズ面の光軸に対して非対称であることを特徴とする走査光学系。
- 請求項24記載の走査光学系において、走査レンズの両面がアナモフィック面であることを特徴とする走査光学系。
- 請求項25記載の走査光学系において、走査レンズが主走査方向に両凸形状、副走査方向に両凸形状を有していることを特徴とする走査光学系。
- 請求項23〜25のいずれかに記載の走査光学系において、光偏向器の反射面上の反射点から走査レンズ入射面までの距離をd0、走査レンズの射出面から被走査面までの距離をLとしたとき、
4.5<L/d0<7.5 ・・・(1)
を満足することを特徴とする走査光学系。 - 請求項23〜27のいずれかに記載の走査光学系において、有効書込幅をW、有効書込幅内における副走査像面湾曲の幅をFsとしたとき、
Fs/W<0.005 ・・・(4)
の条件を満足することを特徴とする走査光学系。 - 請求項23〜28のいずれかに記載の走査光学系において、主走査方向において、被走査面上の光スポットを略等速的に光走査させる機能を有し、副走査方向において光偏向器の面倒れを補正する機能を有することを特徴とする走査光学系。
- 請求項23〜29のいずれかに記載の走査光学系において、走査レンズは樹脂で成形されていることを特徴とする走査光学系。
- 請求項23〜30のいずれかに記載の走査光学系において、走査レンズの光軸が被走査面の法線に対してチルトしていることを特徴とする走査光学系。
- 請求項23〜31のいずれかに記載の走査光学系において、同時に偏向される複数ビームを、副走査方向に分離した複数の光スポットとして被走査面上に集光することを特徴とするマルチビーム方式の走査光学系。
- 主走査方向に発散性の光束を光偏向器により偏向し、偏向された光束を被走査面上に光スポットとして集光させる単一の走査レンズで構成された走査光学系において、
光偏向器の反射面上の反射点から走査レンズ入射面までの距離をd0、走査レンズ射出面から被走査面までの距離をLとしたとき、
4.5<L/d0<7.5 ・・・(1)
を満足し、
上記走査レンズの第1面の主走査方向の曲率半径をR1、第2面の主走査方向の曲率半径をR2、第1面の副走査方向の曲率半径をr1、第2面の副走査方向の曲率半径をr2としたとき、
|R1|>|R2| ・・・(2)
|r1|>|r2| ・・・(3)
の条件を満足し、
上記走査レンズの少なくとも一面がアナモフィック面によってなることを特徴とする走査光学系。 - 請求項33記載の走査光学系において、走査レンズが主走査方向に両凸形状、副走査方向に両凸形状を有していることを特徴とする走査光学系。
- 請求項34記載の走査光学系において、走査レンズの少なくとも一面は副走査断面内の曲率中心を主走査断面内で結ぶ線が非直線である特殊トーリック面であり、特殊トーリック面の副走査断面内の曲率の主走査方向に沿う変化が走査レンズ面の光軸に対して非対称であることを特徴とする走査光学系。
- 請求項35記載の走査光学系において、走査レンズの光偏向器側の面は、副走査断面内の曲率が主走査方向に一定であることを特徴とする走査光学系。
- 請求項33〜35のいずれかに記載の走査光学系において、有効書込幅をW、有効書込幅内における副走査像面湾曲の幅をFsとしたとき、
Fs/W<0.005 ・・・(4)
の条件を満足することを特徴とする走査光学系。 - 請求項33〜37のいずれかに記載の走査光学系において、被走査面上の光スポットを主走査方向に略等速的に光走査させる機能を有し、副走査方向において光偏向器の面倒れを補正する機能を有することを特徴とする走査光学系。
- 請求項33〜38のいずれかに記載の走査光学系において、走査レンズが樹脂で成形されていることを特徴とする走査光学系。
- 請求項33〜39のいずれかに記載の走査光学系において、走査レンズの光軸が被走査面の法線に対してチルトしていることを特徴とする走査光学系。
- 請求項33〜40のいずれかに記載の走査光学系において、同時に偏向される複数ビームを、被走査面上に、副走査方向に分離した複数の光スポットとして集光することを特徴とするマルチビーム方式の走査光学系。
- 光源からの光束をカップリングレンズにより以後の光学系にカップリングし、カップリングされた光束を、線像結像光学系により光偏向器の偏向反射面近傍に主走査方向に長い線像として結像させ、上記光偏向器により等角速度的に偏向させ、偏向光束を走査光学系により、被走査面上に光スポットとして集光させ、上記被走査面を光走査するシングルビーム方式の光走査装置であって、
走査光学系として、請求項1〜41のいずれかに記載の走査光学系を用いたことを特徴とする光走査装置。 - 複数の発光源からの光束をカップリングレンズにより以後の光学系にカップリングし、カップリングされた複数光束を共通の線像結像光学系により、光偏向器の偏向反射面位置近傍に主走査方向に長く、副走査方向に分離した複数の線像として結像させ、上記光偏向器により同時に等角速度的に偏向させ、複数の偏向光束を共通の走査光学系により、被走査面上に、副走査方向に分離した複数の光スポットとして集光し、これら複数の光スポットにより複数走査線を同時に光走査するマルチビーム方式の光走査装置であって、
共通の走査光学系として請求項22、32、または41記載の走査光学系を用いたことを特徴とする光走査装置。 - 請求項43記載の光走査装置において、複数の発光源が1列に配列されたモノリシックな半導体レーザアレイを、光源として用いたことを特徴とする光走査装置。
- 感光性の像担持体に対して光走査装置による光走査を行って潜像を形成し、この潜像を現像手段で可視化して画像を得る画像形成装置において、
像担持体を光走査する光走査装置として請求項42〜44のいずれかに記載の光走査装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。 - 複数の感光性の像担持体に対して光走査装置による光走査を行って各色に対応する潜像を形成し、この潜像を現像手段で可視化してカラー画像を得る画像形成装置において、
像担持体を光走査する光走査装置として請求項42〜44のいずれかに記載の光走査装置を用いたことを特徴とするカラー画像形成装置。
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