JP2006307085A - ポリ塩化ビニル系樹脂組成物及びその成形品 - Google Patents

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Abstract

【課題】 成形機への付着性を抑制させて成形加工性を向上させるとともに、得られる成形品の変色を抑制することができるポリ塩化ビニル系樹脂組成物及びその成形品を提供する。
【解決手段】 ポリ塩化ビニル系樹脂組成物は、ポリ塩化ビニル系樹脂100質量部に対して液状ポリブテンを0.05〜4質量部及び安定剤を0.1〜10質量部配合してなるものである。ポリ塩化ビニル系樹脂組成物には、さらにエステル系可塑剤を5〜70質量部配合することができる。ポリ塩化ビニル系樹脂組成物の成形品は、ポリ塩化ビニル系樹脂組成物をロール成形機等の成形機でシート状に成形することにより得られる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、パイプ、板材、電線被覆材等の材料として用いられ、特に成形品の成形加工性や外観に優れたポリ塩化ビニル系樹脂組成物及びその成形品に関するものである。
ポリ塩化ビニル系樹脂組成物は、パイプ、板材、電線被覆材、シート、フィルム等の材料として使用されている。これらの材料においては、一般にポリ塩化ビニル系樹脂の熱安定性を改良するために安定剤が使用されるが、その他にも加工性や製品特性を改良するため滑剤が添加され、成形されることも多い。安定剤としては、鉛、カドミウム、バリウム等重金属の脂肪酸塩が知られているが、環境上の理由や健康上の理由により、錫、亜鉛等の脂肪酸塩を用いた安定剤が使用されることも多くなってきた。
しかしながら、これら安定剤はポリ塩化ビニル系樹脂の熱劣化による着色や強度低下に対しては効果があるものの、成形機表面に対する潤滑性や焼き付きの防止、成形品表面の平滑性、或いは安定剤の添加による引張強度の低下の点では問題があった。
このため、ポリ塩化ビニル系樹脂に合成ワックスとしてポリエチレンワックスを配合する技術が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。すなわち、このポリ塩化ビニル系樹脂組成物は、ポリ塩化ビニル系樹脂100重量部に対してMBS系樹脂を3.0〜7.0重量部と、塩素化ポリエチレンを1.0〜3.5重量部と、ポリエチレンワックスを0.1〜2.0重量部との範囲で添加してなるものである。そして、このポリエチレンワックスは、溶融粘度を低減させたり、或いは溶融する際に樹脂と機器の金属との間の摩擦抵抗を低減して加工性を高めたりする機能を発揮することができる。
その他にも、ポリ塩化ビニル系樹脂に沸点が150℃以上の液状炭化水素を配合する技術も開示されている(例えば、特許文献2を参照)。すなわち、ポリ塩化ビニル系樹脂組成物は、ポリ塩化ビニル系樹脂90〜30重量%、沸点が150℃以上の液状炭化水素5〜50重量%、及び充填剤4〜60重量%から構成されている。このポリ塩化ビニル系樹脂組成物によれば、原料配合物からの可塑剤の溶出が少なく、可塑剤の耐揮発性、耐老化性や耐寒性を良好にすることができる。
特開平9−216982号公報(第2頁) 特開2002−53724号公報(第2頁及び第3頁)
ところが、特許文献1に記載のポリ塩化ビニル系樹脂組成物では、ポリエチレンワックスによって滑剤として一定の効果は得られるが、熱安定性に欠けるため、ポリ塩化ビニル系樹脂が成形機表面の焼き付きが生じて成形加工性が低下したり、成形品に変色が発生する場合があるという問題があった。
さらに、特許文献2に記載のポリ塩化ビニル系樹脂組成物においては、液状炭化水素の配合量が多いことから、可塑剤としての機能を十分に発揮することはできるが、予想外にも過剰な液状炭化水素により成形品表面の滑性がかえって低くなり、表面摩擦力が大きくなる傾向を示す。そのため、ポリ塩化ビニル樹脂が相手物である成形機に付着しやすく、成形加工性が悪いという問題があった。
本発明は上記のような事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、成形機への付着性を抑制させて成形加工性を向上させるとともに、得られる成形品の変色を抑制することができるポリ塩化ビニル系樹脂組成物及びその成形品を提供することにある。
第1の発明のポリ塩化ビニル系樹脂組成物は、ポリ塩化ビニル系樹脂100質量部に対して液状ポリブテンを0.05〜4質量部及び安定剤を0.1〜10質量部配合してなることを特徴とするものである。
第2の発明のポリ塩化ビニル系樹脂組成物は、第1の発明において、さらにエステル系可塑剤を5〜70質量部配合してなることを特徴とするものである。
第3の発明のポリ塩化ビニル系樹脂成形品は、第1又は第2の発明に記載のポリ塩化ビニル系樹脂組成物を成形して得られることを特徴とするものである。
本発明によれば、次のような効果を発揮することができる。
第1の発明のポリ塩化ビニル系樹脂組成物においては、ポリ塩化ビニル系樹脂100質量部に対して液状ポリブテンが0.05〜4質量部及び安定剤が0.1〜10質量部配合されている。液状ポリブテンの配合量を特定の少量に限定したことから、成形品への影響を抑えて、成形品表面の摩擦力を低減させて付着性を抑えることができる。従って、成形機への付着性を抑制させて成形加工性を向上させるとともに、得られる成形品の変色を抑制することができる。
第2の発明のポリ塩化ビニル系樹脂組成物では、さらにエステル系可塑剤が5〜70質量部配合されている。このため、第1の発明の効果に加え、成形品の柔軟性が改善され、伸び率等の機械的特性を向上させることができる。
第3の発明のポリ塩化ビニル系樹脂成形品は、第1又は第2の発明のポリ塩化ビニル系樹脂組成物を成形して得られるものであることから、成形品について第1又は第2の発明の効果を発揮させることができる。
以下、本発明を具体化した実施形態について詳細に説明する。
本実施形態のポリ塩化ビニル系樹脂組成物は、ポリ塩化ビニル系樹脂100質量部に対して液状ポリブテンが0.05〜4質量部及び安定剤が0.1〜10質量部配合されて構成されている。上記のポリ塩化ビニル系樹脂とは、その構成単位に塩化ビニル単位を有する重合体であり、塩化ビニルの単独重合体又は塩化ビニルとその他の共重合性単量体との共重合樹脂を意味する。共重合樹脂としては、塩化ビニルと酢酸ビニルとの共重合樹脂、塩化ビニルとエチレンとの共重合樹脂、塩化ビニルとビニルエーテルとの共重合樹脂、塩化ビニルと塩化ビニリデンとの共重合樹脂等が挙げられる。その他、ポリ塩化ビニル系樹脂として塩素化ポリ塩化ビニル等が挙げられる。さらに、それらの単独ないし2種以上の混合物も使用できる。これらポリ塩化ビニル系樹脂の重合度は、好ましくは150〜3000、より好ましくは400〜2000である。
次に、液状ポリブテンは、塩化ビニル系樹脂組成物から得られる成形品の表面に滑性を付与して摩擦力を低下させるための成分である。係る液状ポリブテンとしては、イソブチレンの単独重合体又はイソブチレンを主成分として含むオレフィンの共重合体が用いられる。該液状ポリブテンの数平均分子量は150〜3000であることが好ましく、280〜2000であることがより好ましい。数平均分子量が150未満の場合には、液状ポリブテンの沸点が低くなり、成形加工時における揮発性が大きくなって好ましくない。一方、数平均分子量が3000を越える場合には、ポリ塩化ビニル系樹脂組成物から得られる成形品の表面平滑性が損なわれる傾向にある。
液状ポリブテンの動粘度は、100℃で1〜5000mm/sであることが望ましい。この粘度範囲においては、ポリ塩化ビニル系樹脂組成物の成形加工時における耐揮発性、耐熱性及び表面平滑性が良好となる。この動粘度が1mm/s未満ではポリ塩化ビニル系樹脂組成物の沸点が低くなって耐揮発性が低下し、5000mm/sを越えるとポリ塩化ビニル系樹脂組成物から得られる成形品の表面平滑性が損なわれる場合がある。また、液状ポリブテンとして、重合性二重結合の含有量を示す臭素価は100以下であることが熱的安定性及び成形加工性の点から適している。さらに、液状ポリブテンの沸点は、好ましくは150℃以上、より好ましくは170〜350℃である。この沸点が150℃未満の場合には、成形加工時における揮発性が大きくなり、その機能発現が不十分になったり、臭気発生の原因になったりして好ましくない。
液状ポリブテンの配合量は、ポリ塩化ビニル系樹脂100質量部に対して0.05〜4質量部であり、好ましくは0.1〜3質量部である。液状ポリブテンの配合量が0.05質量部未満の場合には、塩化ビニル系樹脂組成物から得られる成形品の表面に滑性を付与することができず、摩擦力を低下させることもできなくなる。一方、4質量部を越える場合には、過剰な液状ポリブテンによりポリ塩化ビニル系樹脂組成物から得られる成形品の表面平滑性が損なわれるため不適当である。
次に、前記安定剤はポリ塩化ビニル系樹脂の熱や光による分解や着色を抑制するために配合される成分である。この安定剤としては、例えばステアリン酸鉛、ステアリン酸カドミウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛等の金属石鹸、モノブチルスズ・トリメチルマレート、ジブチルスズ・ジラウレート、ジブチルスズ・ジオレイルマレート等の有機スズ化合物、三塩基性硫酸鉛、二塩基性ステアリン酸鉛等の鉛系安定剤、エポキシ化大豆油の1種又は2種以上の混合物が挙げられる。なお、ステアリン酸鉛等のステアリン酸塩は、成形品の表面に滑性を付与する機能をも有している。
安定剤の配合量は、ポリ塩化ビニル系樹脂100質量部に対して0.1〜10質量部で、好ましくは0.5〜8質量部である。安定剤の配合量が0.1質量部未満ではポリ塩化ビニル樹脂組成物の安定性を図ることができず、10質量部を越えるとポリ塩化ビニル樹脂組成物の成形性や得られる成形品の機械的強度が低下する傾向を示すため不適当である。
ポリ塩化ビニル系樹脂組成物には、上記各成分に加えてさらに加工温度の低下や成形品の柔軟性を目的としてエステル系可塑剤を配合することができる。エステル系可塑剤としては、例えばフタル酸ジイソヘプチル、フタル酸ジ2-エチルヘキシル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル等のフタル酸ジエステル、アジピン酸ジ2-エチルヘキシル、アジピン酸ジイノニル、アゼライン酸ジ2-エチルヘキシル、セバシン酸ジ2-エチルヘキシル等の脂肪族ニ塩基酸ジエステル、リン酸トリクレジル、リン酸トリキシレル、リン酸トリブチル等のリン酸エステル、トリメリット酸トリ2-エチルヘキシル、アジピン酸やフタル酸などの2塩基酸とグリコール類とからなる分子量800〜4000程度のポリエステル等が挙げられる。これらのエステル系可撓剤は、単独又は2種以上の混合物として使用される。
エステル系可塑剤の配合量は、ポリ塩化ビニル系樹脂100質量部に対して5〜70質量部であり、好ましくは10〜60質量部である。エステル系可塑剤の配合量が5質量部未満の場合にはエステル系可塑剤による十分な可塑化効果が得られず、70質量部を越える場合には成形加工性が低下するほか、成形品の表面に可塑剤が染み出しやすくなる。
ポリ塩化ビニル系樹脂組成物には、組成物の成形加工性や成形品の耐衝撃性を改善する目的で、例えばアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂、メチルメタクリレート−ブタジエン−スチレン共重合樹脂(MBS)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR)、スチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)、エチレン−酢酸ビニル樹脂(EVA)等熱可塑性重合体の1種又は2種以上の混合物を配合することができる。その配合量は、ポリ塩化ビニル系樹脂100質量部に対して20質量部以下であることが好ましい。
ポリ塩化ビニル系樹脂組成物には、さらに充填剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、酸化安定剤、着色剤等を配合することもできる。充填剤としては、炭酸カルシウム、タルク、クレー、マイカ、カオリン、シリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化アンチモン、カーボンブラック等の汎用充填剤、ガラス繊維、炭素繊維、板状・針状・粒状の各種無機化合物の補強用充填剤が挙げられる。これらの充填剤の配合量は、ポリ塩化ビニル系樹脂組成物100質量部に対して5〜50質量部であることが好ましい。
以上説明したポリ塩化ビニル系樹脂組成物を製造する場合には、前記のポリ塩化ビニル系樹脂組成物をニーダー、バンバリーミキサー等の混練機を用いて混練し、押出成形機、射出成形機、カレンダー成形機、2本ロール成形機、ブロー成形機等の成形機を用いて成形することにより行われる。混練、成形時の条件としては、温度が好ましくは120〜250℃、より好ましくは140〜220℃である。また、成形時間は成形機によっても異なるが、例えば2本テストロール機では5〜30分間である。
さて、本実施形態の作用について説明すると、ポリ塩化ビニル系樹脂組成物は、ポリ塩化ビニル系樹脂に液状ポリブテンと安定剤とを配合して混練することにより得られる。そして、得られた混練物を例えばロール成形機で成形することにより、シート状の成形品が製造される。この場合、液状ポリブテンはポリ塩化ビニル樹脂との相溶性が低く、成形品の表面にブリード(移行)しやすく、また成形品の表面物性が変化するものと考えられる。そのため、成形品表面に滑性が付与されて摩擦力が低減され、接触する相手物に対する付着性が抑えられる。この現象は、液状ポリブテンの配合量がポリ塩化ビニル系樹脂100質量部に対して0.05〜4質量部という少量の場合に、他の物性に与える影響を少なくして効果的に発現される。なお、液状ポリブテンの配合量を増加させると、その機能が向上すると考えられるが、実際にはその予想に反し、液状ポリブテンの配合量を増加させるに伴って成形品表面の滑性は低下する。
以上の実施形態によって発揮される効果について、以下にまとめて記載する。
・ 本実施形態のポリ塩化ビニル系樹脂組成物においては、ポリ塩化ビニル系樹脂100質量部に対して液状ポリブテンが0.05〜4質量部及び安定剤が0.1〜10質量部配合されている。液状ポリブテンの配合量を少量に限定したことから、成形品への影響を抑えて、成形品表面の摩擦力を低減させて付着性を抑えることができる。従って、成形機への付着性を抑制させて成形加工性を向上させるとともに、得られる成形品の変色を抑制することができる。また、液状ポリブテンの配合量は少量であることから、物性に与える影響が少なく、引張強度、伸び等の機械的強度を保持することができる。
・ さらに、ポリ塩化ビニル系樹脂組成物にエステル系可塑剤を5〜70質量部配合することにより、成形品の可塑化が進行して柔軟性が改善され、伸び率等の機械的特性を向上させることができる。
・ 加えて、液状ポリブテンは150℃以上の沸点を有していることから、ポリ塩化ビニル系樹脂組成物から得られる成形品の耐熱性を改善することができる。
・ 従って、本実施形態のポリ塩化ビニル樹脂組成物は、電線被覆材、シート、フィルム、パイプ、板材等の材料として好適に使用される。
以下に、実施例及び比較例を挙げて前記実施形態をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜5)
表1に示す配合で、樹脂成分であるポリ塩化ビニル系樹脂として塩化ビニル単独重合体(日本ゼオン(株)製、 重合度:1200)又は塩化ビニル−エチレン共重合体(大洋塩ビ(株)製、型番TE−1700)に、液状ポリブテン(日本油脂(株)製、商品名:ポリブテン5N、数平均分子量:500、日本油脂(株)製、商品名:ポリブテン0N、数平均分子量:370、沸点:250℃以上、臭素価:1.0又は日本油脂(株)製、商品名:NAS−5、数平均分子量:280、沸点:250℃以上、臭素価:0.2)、安定剤としてステアリン酸鉛(St−Pb)及びステアリン酸バリウム(St−Ba)を配合し、配合物を混練した。混練は、直径15.2cm(6インチ)、回転数17rpmのロール、直径30.5cm(12インチ)、回転数19rpmのロール、ロール間の間隙0.5mmの2本ロール試験機を使用し、表面温度180℃の条件下で10分間行った。混練後、得られた混練物をロールから取り出し、ホットプレスにより175℃で9.8MPa(100kg/cm)の荷重を加えてシート化し、試料を作製した。
(実施例6〜8)
表2に示す組成で、液状ポリブテンに加え、エステル系可塑剤としてフタル酸ジ2-エチルヘキシル(DOP)、安定剤としてステアリン酸亜鉛(St−Zn)及びステアリン酸カルシウム(St−Ca)を配合し、配合物をロール試験機で混練した。ロール試験機の温度を160℃に変更した以外実施例1〜5と同様な方法で実施し、シート状の試料を作製した。
(比較例1及び2)
表3に示すように、液状ポリブテンを無添加で実施例1〜5と全く同様にして混練、プレス成形しシート化して試料を作製した。
(比較例3)
表3に示すように、実施例1のポリ塩化ビニル系樹脂100質量部に対して液状ポリブテンを40質量部加え、実施例1と全く同様にして混練、プレス成形しシート化して試料を作製した。
(比較例4及び5)
表3に示すように、液状ポリブテンと安定剤とを無添加で、実施例6〜8と同様に可塑剤を添加し、実施例6〜8と全く同様にして混練、プレス成形しシート化して試料を作製した。
(比較例6)
表4に示すように、ポリ塩化ビニル系樹脂のみで他の添加剤を配合しないで実施例1と全く同様に混練、プレス成形しシート化して試料を作製した。
(比較例7及び8)
表4に示すように、液状ポリブテンの代わりに流動パラフィン又はポリエチレンワックスを配合し、安定剤を無添加で、実施例1〜5と全く同様に混練、プレス成形しシート化して試料を作製した。
以上の実施例1〜8及び比較例1〜8で作製したシート状の試料についての性能を下記に示す方法に従って評価した。それらの結果を表1〜4に示す。
〔性能評価試験〕
(1)引張強度及び伸び率
JIS K 7113に基づいて測定した。すなわち、得られたシートを2号ダンベル型に打ち抜き、引張試験機により室温下、引張速度として可塑剤のDOPを含まない場合には5mm/min、含む場合には200mm/minで引張試験を行い、引張強度(破断強度、kg/cm)と伸び率(%)を測定した。
(2)摩擦力
JIS K7125に基づいて測定した。すなわち、得られたシートの表面に100gの鋼球を載せて15cm/minの速度で引張り、引張試験機によって垂直方向から最大荷重を測定し、摩擦力(mN)を測定した。測定温度は、室温(20℃)で行った。
(3)ロール試験機上の付着物
目視によりロール面上を確認し、変色樹脂分の付着物が多量に見られた場合には×、付着物が少量見られた場合には△、見られない場合には○とした。
(4)シートの変色
プレス成形により得られたシートを目視により確認し、無色の場合には○、淡黄色の場合には△、黄変した場合には×として評価した。
Figure 2006307085
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Figure 2006307085
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実施例1〜8のシートでは、荷重に対して摩擦力の低下が見られ、混練時にはロール試験機上に付着物がなく、熱劣化による変色もないことがわかった。
一方、液状ポリブテンを含まないポリ塩化ビニル系樹脂組成物から得られたシート(比較例1、2、4及び5)では、荷重に対する摩擦力が高く(350〜480mN)、ロール試験機上に多量の付着物が確認された。また、比較例3では、液状ポリブテンを過剰に配合したことから、荷重に対する摩擦力が上昇し(320mN)、ロール試験機上に少量の付着物が確認された。比較例6の安定剤を含まないポリ塩化ビニル系樹脂組成物から得られたシートでは熱劣化が著しく、成形加工性の低下やシートの変色が大きくなった。さらに、比較例7及び8では他の液状炭化水素である流動パラフィン及びポリエチレンワックスを用いたことから、シートの摩擦力の低下は十分ではなく、シートの変色も見られた。
なお、本実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 塩化ビニル系樹脂として、塩化ビニルと長鎖脂肪酸のビニルエステルとの共重合体等を用いることも可能である。
・ 可塑剤として、塩素化パラフィン等のエステル以外の可塑剤を使用することもできる。
さらに、前記実施形態より把握される技術的思想について以下に記載する。
・ 前記液状ポリブテンの数平均分子量は150〜3000であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のポリ塩化ビニル系樹脂組成物。この場合、請求項1又は請求項2に係る発明の効果を向上させることができる。
・ 前記液状ポリブテンの沸点は170〜350℃であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のポリ塩化ビニル系樹脂組成物。この場合、請求項1又は請求項2に係る発明の効果に加え、成形加工時における揮発性を抑制することができるとともに、液状ポリブテンの機能を十分に発揮することができる。
・ 前記安定剤はステアリン酸塩であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のポリ塩化ビニル系樹脂組成物。この場合、請求項1又は請求項2に係る発明の効果に加え、得られる成形品の表面に滑性を付与する機能を向上させることができる。

Claims (3)

  1. ポリ塩化ビニル系樹脂100質量部に対して液状ポリブテンを0.05〜4質量部及び安定剤を0.1〜10質量部配合してなることを特徴とするポリ塩化ビニル系樹脂組成物。
  2. さらにエステル系可塑剤を5〜70質量部配合してなることを特徴とする請求項1に記載のポリ塩化ビニル系樹脂組成物。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のポリ塩化ビニル系樹脂組成物を成形して得られることを特徴とするポリ塩化ビニル系樹脂成形品。
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