JP2006300053A - バルブリフタ及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐磨耗性および耐ピッチング性に優れた摺動面を有するバルブリフタを提供する。
【解決手段】バルブリフタ20は、動弁カム13が摺動する摺動面21a1が形成された天井部21aを有する。摺動面21a1は、最大凹み量dが20μm≦d<0μmの凹曲面C1、最大突出量hが0μm<h≦10μmの凸曲面C3、または天井部21aの中心軸線Lに直交する平面C2からなる。摺動面21a1の表面硬度は500〜750Hmvである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、カムが摺動する摺動面が形成されたバルブリフタと、その製造方法に関し、該バルブリフタは、例えば内燃機関の動弁装置に備えられる。
内燃機関の動弁装置におけるバルブリフタとカムとの摺動面は、過酷な摺動条件下に晒されることから、該摺動面におけるカム摺動性向上のための対策は常に研究されてきたところであり、とりわけ、摺動面における潤滑性向上のための効果的な対策が求められてきた。このような中で、摺動面における潤滑性の改良に視点をおいたカム摺動性の向上対策として、例えば、バルブリフタ上面にカムとの摺動面を形成するシムを配設し、該シムの上面が凹状部として形成され、バルブリフタの中心から偏心した個所にて直線状の断面を有するカム面を持つカムをシムに摺接させて、これにより、シムの回転を速めて、潤滑油の油膜形成能力を向上させる対策を講じたバルブリフタが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平9−195723号公報(第3頁−第4頁、図1)
前記特許文献1に記載されたバルブリフタは、図7に図示されるように、該バルブリフタ01の上面02に、カムとの摺動面05を有する円盤状のシム04を備えており、該シム04は、バルブリフタ上面02に対して回転可能に遊嵌され、シム04はバルブリフタ上面02外周周縁に設けられた環状の突出壁03により該リフタ01からの脱落が防止されるように保持されている。円盤状シム04の上面は凹状に彎曲した摺動面05とされ、該摺動面05に摺動接触するカム06は、そのカム面07が直線状の断面とされ、しかも該カム06はシム04とリフタ01の中心軸線0X−0Xに対してその軸方向で偏心(0Y−0Y線参照)して設けられている。
したがって、カム06は、シム04の中心位置、すなわち実質的に凹状彎曲する摺動面05の最も凹んだ位置から、外側に外れた位置で摺接するが、さらにカム06は直線状の断面からなるカム面07を備えるから、摺動面05の外周寄りの位置08において摺接することになり、これにより、カム06の回転に伴うシム04の回転を速めて、カム面07とシム04との摺接部である摺動面05に引き込まれる潤滑油の速度を増大させて、該潤滑油による油膜形成能力を向上されるようにしている。
しかしながら、バルブリフタの上面に上述したシムを配設することは、バルブリフタの重量増加を招き、また、バルブリフタの重量増加はバルブリフタの慣性質量を増大させるので、高速運転時におけるバルブ開閉における追従性を悪化させることになる。さらに、特殊な形状のシムをバルブリフタ本体とは別体に形成するから、構造の複雑化を来たし、また、バルブリフタの製造のための工数を増加させ、その分製造コストの上昇を来たすことになる。
上述したように凹状摺動面は、摺動面の潤滑油確保も容易にするが、一方、外周寄りのカムとの接触部での面圧が上がるために、内燃機関の始動時などで摺動面に油膜を形成するための潤滑油量が少ない運転状態があることを考慮して、摺動面の耐磨耗性対策を講じる必要がある。その一方、摺動面における表面硬度を大きくすると、耐磨耗性は高まるものの、脆性も同時に大きくなってしまうために耐ピッチング性が低下する。また、摺動面が凸曲面から構成されて、その突出量を大きくすると、カムからの押圧により摺動面に高い面圧が発生するため耐ピッチング性が低下してしまう。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、請求項1〜9記載の発明は、耐磨耗性および耐ピッチング性に優れた摺動面を有するバルブリフタを提供することを目的とする。そして、請求項6〜9記載の発明は、摺動面が凹曲面からなるバルブリフタの製造工程および製造コストの低減が可能な製造方法を提供することを目的とする。
請求項1記載の発明は、カムが摺動する摺動面が形成された天井部を有するバルブリフタにおいて、前記摺動面は、最大凹み量dが20μm≦d<0μmの凹曲面、最大突出量hが0μm<h≦10μmの凸曲面、または前記天井部の中心軸線に直交する平面からなり、前記摺動面の表面硬度は500〜750Hmvであるバルブリフタである。
請求項2記載の発明は、請求項1記載のバルブリフタにおいて、前記摺動面は、最大突出量hが0μm<h≦10μmの凸曲面または平面からなり、表面硬度は650〜750Hmvであり、表面硬度の上限値は、前記摺動面が平面であるときの750Hmvから最大突出量hが10μmのときの650Hmvまで、増加する最大突出量hに比例して減少するものである。
請求項3記載の発明は、請求項1記載のバルブリフタにおいて、前記摺動面は最大凹み量dが0μm<d≦20μmの凹曲面からなり、表面硬度が750Hmv以下であるものである。
請求項4記載の発明は、請求項1記載のバルブリフタにおいて、前記凹曲面からなる前記摺動面は、前記天井部の鉛直方向での上面により構成されるものである。
請求項5記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項記載のバルブリフタにおいて、前記天井部はチタン合金により形成されるものである。
請求項6記載の発明は、請求項3記載のバルブリフタの製造方法であって、前記天井部の素材を、前記摺動面となる摺動面形成面が鉛直方向で上方を向くように設置した後、前記素材に熱処理を施し、前記熱処理中に前記素材の自重により前記摺動面形成面を凹曲面に形成するバルブリフタの製造方法である。
請求項7記載の発明は、請求項6記載のバルブリフタの製造方法において、前記素材は、前記天井部の下面となる下面形成面の中心部に、内燃機関の機関バルブを直接またはインナーシムを介して押圧する突出部となる突出部形成部を有するものである。
請求項8記載の発明は、請求項6又は7記載のバルブリフタの製造方法において、前記熱処理を施す前の前記摺動面形成面を凸状に形成したものである。
請求項9記載の発明は、請求項6〜8のいずれか1項記載のバルブリフタの製造方法において、前記天井部はチタン合金により形成され、前記熱処理は素材の表面を酸化する酸化処理であるものである。
摺動面の表面硬度が500Hmv以上750Hmv以下であるので、摺動面の磨耗が許容値内に収まり、しかも摺動面の最大凹み量が20μm以下であるので、カムのエッジによる摺動面の偏磨耗の発生が抑制されるので、耐磨耗性に優れた摺動面を有するバルブリフタが得られる。また、摺動面の最大突出量が10μm以下であるので、耐ピッチング性に優れた摺動面を有するバルブリフタが得られる。
請求項2記載の事項によれば、摺動面の表面硬度の上限値が増加する最大突出量に比例して減少することにより、表面硬度の上限値が高くなるほど最大突出量が小さくなるので、摺動面の表面硬度が高い領域で、摺動面の所要の耐ピッチング性を確保できる。
請求項3記載の事項によれば、表面硬度が500Hmv以上750Hmv以下でカムのエッジによる摺動面の偏磨耗の発生が抑制されるので、表面硬度が500Hmv以上750Hmv以下の全領域に渡って偏磨耗に対する耐磨耗性に優れた摺動面を有するバルブリフタが得られる。
請求項4記載の事項によれば、鉛直方向で上方を指向する摺動面が天井部に一体に形成されるので、摺動面に潤滑油を滞留保持させてカムとの潤滑性を向上させることができ、また、別体とされる特別の構造部品が必要でないので、バルブリフタの構造が単純化され、バルブリフタの軽量化及び製造コストの削減を図ることができる。
請求項5記載の事項によれば、天井部がチタン合金製であるから、硬質金属よりなるバルブリフタに比べて、ヤング率が低い特徴を活かしてカムのエッジ当たりを抑制して、偏磨耗を低減することができる。
チタンはスチールと比べてヤング率が低いので、カムとの摺動面の面圧が上がると弾性変形し、カムとの接触面が増加するので、荷重を広い面で受けることになり、結果として面圧の上昇が抑制され、チタン合金製リフタの凹状摺動面はリフタの回転の安定化と潤滑油の摺動面への確保を図り、また、該摺動面外周部の磨耗に対する強度が保持される。
請求項6記載の発明によれば、素材において、完成品としてのバルブリフタの天井部となる天井部形成部の熱処理中に、天井部形成部は重力の作用下でその自重により、その中央部がやや落ち込みむように下垂して自ら凹曲面を形成する。よって、摺動面は、特別な加工を施すことなく、単に天井部形成部の自重を利用して容易に形成できるので、その製造工数と製造コストを低減することができる。
請求項7記載の事項によれば、天井部に形成されて機関バルブを押圧する突出部を利用して、突出部形成部により素材の中心位置が最も重くなることから、摺動面の凹曲面の中心位置を天井部の中心位置に略一致させることができ、成形精度が向上する。さらに、突出部形成部の形状を変えることで、摺動面の凹曲面の形状を変化させて、形状の調整を図ることができる。また、運転時の摺動面の剛性を調整することができる。
請求項8記載の事項によれば、前記熱処理を施す前の摺動面形成面を凸状に形成することで、凸状の突出量を調整することにより、熱処理を施した後の摺動面形成面の凹曲面の最大凹み量を調整することができる。
請求項9記載の事項によれば、チタン合金からなる素材の、高温下での酸化処理中に、天井部形成部の自重を利用することにより、摺動面形成面を凹曲面に形成することができることから、該凹曲面を形成するための単独の工程を別途設ける必要がなく、製造工数および製造コストの低減に寄与する。
以下、本発明の実施形態を図1,図2を参照して説明する。
図1を参照すると、本発明が適用されたバルブリフタ20は、機械としての内燃機関の動弁装置に備えられる。動弁装置は、内燃機関のクランク軸により回転駆動されるカム軸に設けられた動弁カム13と、該動弁カム13により押圧駆動されるバルブリフタ20とを備える。動弁カム13は、バルブリフタ20を介してバルブとしての機関バルブである吸気バルブまたは排気バルブを開弁駆動する。
上端が閉鎖された円筒状の筒状部材であるバルブリフタ20は、内燃機関のシリンダヘッドに摺動可能に案内される円筒状の筒状部22と、該筒状部22の上端を閉鎖する天井部21とを備え、筒状部22および天井部21がチタン合金により一体成形された部材である。天井部21の上面21aは、動弁カム13が摺動する摺動面21a1を構成することから、該摺動面21a1はバルブリフタ20に一体に形成される。
なお、明細書または特許請求の範囲において、バルブリフタ20に関する上下方向は、特に断らない限り、図1に示されるバルブリフタ20の位置での上下方向、すなわちバルブリフタ20の中心軸線Lに平行な方向であるとする。
図2を併せて参照すると、摺動面21a1に耐磨耗性および耐ピッチング性を付与するために、摺動面21a1は、最大凹み量dが0μm<d≦20μmの凹曲面C1、最大突出量hが0μm<h≦10μmの凸曲面C3、またはバルブリフタ20の中心軸線Lでもある天井部21の中心軸線に直交する平面C2からなり、摺動面21a1の表面硬度は、マイクロビッカース硬度で500〜750Hmvである。ここで、凹曲面C1および凸曲面C3は、ほぼ球面から構成される。
表面硬度が500Hmv未満では摺動面21a1の磨耗が許容値を越えて大きくなり、表面硬度を表面処理により750Hmvを越える硬度に上げると、天井部21や筒状部22に変形が発生することがある。
また、摺動面21a1の最大凹み量dが20μmを越えて大きくなると、動弁カム13のエッジ13aによる偏磨耗が発生し、摺動面21a1の最大突出量hが10μmを越えて大きくなると、耐ピッチング性が許容値を越えて低下する。
そして、摺動面21a1が凸曲面C3により構成される場合の耐ピッチング性に関して、最大突出量hが本発明の範囲から外れているために耐ピッチング性が本発明に比べて劣る比較例1〜4がプロットされた図2を参照すると、表面硬度が500〜650Hmvのときは、最大突出量hと表面硬度のうちで、最大突出量hが主に耐ピッチング性を支配する要素であり、表面硬度の大きさに関わらず最大突出量hが10μm以下であることが必要である。また、表面硬度が650〜750Hmvのときは、最大突出量hおよび表面硬度の両者が耐ピッチング性を支配する要素となるため、表面硬度の増加につれて最大突出量hを小さくする必要がある。
これに基づいて、摺動面31a1が凸曲面から構成されるとき、表面硬度が500〜650Hmvのとき、最大突出量hは0μm<h≦10μmであり、表面硬度が650〜750Hmvのとき、最大突出量hは、表面硬度が650Hmvのときの10μmから、表面硬度が750Hmvのときの0(すなわち、摺動面31a1が平面から構成されるときである。)近傍まで、増加する表面硬度に比例して最大突出量hが小さくされる。
また、筒状部22の外周面により構成される摺動面22a1に耐摩耗性を付与するため、摺動面22a1の表面硬度も500〜750Hmvである。
ここで、最大凹み量dおよび最大突出量hは、それぞれ、図1(A),(B)に示されるように、摺動面21a1の外周部からの凹み量の最大値および突出量の最大値である。
各摺動面21a1での表面硬度500〜750Hmvを得るために、バルブリフタ20の素材には、各摺動面形成面(素材において、完成品としてのバルブリフタ20の各摺動面21a1となる部分)を含む該素材の表面全体に、表面処理により硬化層が形成される。該表面処理は、チタン合金からなるバルブリフタ20に施される高温下での酸化処理であり、硬化層は、この酸化処理により両摺動面21a1,22a1を含む表面全体に形成された酸素拡散層20Bにより構成される。
図1(A)に示されるように、摺動面21a1が凹曲面C1により構成されるバルブリフタ20においては、素材の天井部形成部(素材において、完成品としてのバルブリフタ20の天井部21となる部分)を、前記摺動面形成面が鉛直方向で上方を向くように設置した後、該素材に熱処理である前記酸化処理を施し、該酸化処理中に前記天井部形成部の自重により前記摺動面形成面を凹曲面C1に形成する。さらに、好ましくは、素材には、下面形成面(素材において、完成品としてのバルブリフタ20の天井部21の下面21bとなる部分)の中心部に、内燃機関の機関バルブを直接またはインナーシムを介して押圧する突出部21b1となる突出部形成部を有する。これにより、前記天井部形成部の自重を利用して、凹曲面C1からなる摺動面21a1を容易に形成でき、さらに、機関バルブを押圧する突出部21bを利用することにより、前記天井部形成部の中心位置が最も重くなることから、摺動面21a1の凹曲面C1の中心位置を天井部21の中心位置に略一致させることができる。
また、前記酸化処理を施す前の前記摺動面形成面を凸曲面からなる凸状に形成することにより、凸状の突出量を調整することにより、摺動面21a1の凹曲面C1の最大凹み量dを調整することができる。
図3〜図6を参照して本発明の実施例として、凹曲面からなる摺動面21a1が形成されたバルブリフタ20について説明する。
図3には、本発明のバルブリフタ20が使用される動弁装置を備える、DOHC型内燃機関Eのシリンダヘッド1の周辺構造が図示されている。
シリンダヘッド1は、シリンダブロック2の上部に接続固定され、さらにシリンダブロック2はその下部において図示されないクランクケース上部に接続固定され、これら3者が互いにボルトで締め付けられることで一体化され、さらにシリンダヘッド1の上部開放部がヘッドカバー3により覆われることで内燃機関Eの主要部が形成される。
図示されないクランクケース内には、クランク軸が回転可能に軸受支持され、クランク軸のクランクピンにはその上方の一部のみが図示されるコンロッド4を介してピストン5が連接されており、また、シリンダブロック2にはその略中央部を上下に貫通するシリンダボア2aが形成され、該シリンダボア2a内をコンロッド4連接の前記ピストン5が往復摺動可能に嵌合されている。
そして、ピストン5の受けた燃焼圧力による運動エネルギが該ピストン5からコンロッド4を介してクランク軸に該軸のクランクピンを介して伝達されて、クランク軸が回転されるようになされ、前記燃焼圧力生成のための燃焼室6は、ピストン5の上部とシリンダヘッド1の下部との間に形成される。
シリンダヘッド1には、その下部の燃焼室6や、該燃焼室6の上壁面に開口する吸・排気弁口7,8と、該吸・排気弁口7,8に通じてシリンダヘッド1内を貫通する吸・排気ポート9,10が形成され、また吸・排気弁口7,8には、該弁口7,8を開閉するための吸・排気バルブ11,12が設けられ、この吸・排気バルブ11,12による弁口7,8の開閉作動をなすための該吸・排気バルブ11,12の作動機構であるカム13,13やカム軸14,14等からなる動弁装置がシリンダヘッド1上部に設けられている。
吸・排気バルブ11,12による吸・排気弁口7,8の開閉作動は、吸・排気バルブ11,12のステム11a,12aの上端11b,12bが、前記動弁装置のカム軸14,14のカム13,13によりバルブリフタ20,20を介して押動されることでなされ、このために吸・排気バルブ11,12の長いステム11a,12aは、シリンダヘッド1の構造部の開孔1a,1aに嵌合されたステムガイド筒1b,1b内を上方に向かって延び、その上端11b,12bを該ステムガイド筒1b,1b内から上方に突出させて、該ガイド筒1b,1b内に摺動自在に嵌合されている。
ステムガイド筒1b,1b内から上方に突出したステム11a,12aの上端11b,12bには、二つ割りのコッタ15,15を介してスプリングリテーナ16,16が固定されており、このスプリングリテーナ16,16と、それと対向するようにシリンダヘッド1に支持されたバネ受部材17,17との間に、ステム11a,12aの周りを囲むコイル状の弁バネ18,18が圧縮状態で設けられており、該コイル状の弁バネ18,18の作用力は吸・排気バルブ11,12を常時前記吸・排気弁口7,8が閉じるように閉弁方向に付勢作用する。
ステム11a,12aの上端11b,12bは、直接もしくはインナーシム19,19を介してバルブリフタ20,20を押圧している。図4を併せて参照すると、バルブリフタ20,20は、筒状部22,22と該筒状部22,22の一方端部開口を閉鎖する端部壁を形成する天井部21,21とからなる一端閉鎖の略円筒形状を呈している。
バルブリフタ20,20によるステム11a,12a上端11b,12bに対する直接もしくはインナーシム19,19を介した前記押圧は、天井部21,21の下面21b,21bでなされており、したがって、上端11b,12bはバルブリフタ20,20により覆われ、天井部21,21の凹曲面からなると共に鉛直方向での上方を指向する上面21a,21aは、動弁カム13,13が摺動するカム摺動面21a1,21a1とされている。
そして、筒状部22,22は、その外周がシリンダヘッド1の構造部に開孔されたリフタガイド孔1c,1c内に摺動可能に嵌合され、筒状部22,22の内周面22b,22b(図4参照)は、上端11b,12bに固定されたスプリングリテーナ16,16と、該リテーナ16,16にその一端が支持されるコイル状弁バネ18,18の上方部外周を覆うようになされている。
凹状の摺動面21a1,21a1には、既述のように動弁カム13,13が摺動し、動弁カム13,13の回転作動とコイル状弁バネ18,18の働きによりバルブリフタ20,20は、シリンダヘッド1のリフタガイド孔1c,1c内でその筒状部22,22の外周面22a,22aが摺動ガイドされ、天井部21,21の下面21b,21bと上端11b,12bの当接を介して吸・排気バルブ11,12を吸・排気弁口7,8の開閉のために往復作動させる。それゆえ、外周面22a,22aはシリンダヘッド1に対する摺動面22a1,22a1とされている。
バルブリフタ20,20は、吸・排気バルブ11,12による弁口7,8の開閉のための作動において、天井部21,21の凹状の摺動面21a1,21a1で動弁カム13,13と接触し、またシリンダヘッド1のリフタガイド孔1c,1c内にてその摺動面22a1,22a1で筒状部22,22が摺動する構造とされている。
上述の吸・排気構造部の動弁装置に用いられた本実施例のバルブリフタ20,20について図4を参照してさらに説明する。そして、吸・排気構造部のそれぞれの動弁装置において用いられるバルブリフタ20,20は、その構造において差異がないから、以下の説明は原則その一方のバルブリフタ20についてなされる。
摺動面21a1が凹曲面とされたバルブリフタ20は、既述のように、また該図4に拡大図示されるように、所定の長さを備え、所定径の真っ直ぐな筒状部22と、該筒状部22の一端開口を閉鎖する端部壁を形成する天井部21とを備えた一端閉鎖の略円筒形状を呈している。
そして、バルブリフタ20の筒状部22は、その外径に対して長さのやや短い、しかも筒状部22の肉厚は略一定であり、天井部21の肉厚に比して薄めに形成されている。
バルブリフタ20の摺動面21a1は、図4に図示されるように、その横断面において中央部、すなわちバルブリフタ20の中心軸線Lとの交差部が最も下方に下がり両外周部が最も高くなる凹状彎曲を描く形状を呈しており、したがって、摺動面21a1は中央部が最も凹んだ凹曲面から構成される。しかしながら、摺動面21a1に対して動弁カム13の摺動が偏心した位置で開始されることが重要であるので、全体として凹曲面になっていればよく、部分的な形状にとらわれない。また、内周面21bは、逆に、中心軸線Lと交差する中央部が最も膨らんだ凸曲面として形成され、該中央部の最も膨らんだ部分にさらに高く突出する突出部21b1が形成され、この突出部21b1は、既述の直接もしくはインナーシム19を介したステム上端11b(もしくは12b)を押圧するための構造部とされる(図3参照)。
バルブリフタ20は、その軽量化と強度的な要求を満たすべくチタン合金製とされ、好適には、0.3wt%≦Fe≦1.50wt%、0.20wt%≦O≦0.70wt%および不可避不純物を含む残部Tiであるチタン合金が用いられる。
バルブリフタ20は、その作動において、既述のように前記天井部21の凹状の摺動面21a1で動弁カム13と接触し、また、筒状部22の摺動面22a1でシリンダヘッド1のリフタガイド孔1c内で接触するため、これらの摺動面21a1,22a1はとりわけ過酷な摺動摩擦の条件下に晒されることから、高い耐磨耗性と優れた摺動性が要求される。したがって、チタン合金製のバルブリフタ20には、このために後述される高温下での酸化処理が施され、該バルブリフタ20の表面20A(外側の表面20A1,内側の表面20A2)には酸素拡散層20Bである硬化層が形成されている。
高温下での酸化処理によりバルブリフタ20の表面20Aに形成される酸素拡散層20Bは、適宜必要とされる表面部が表面処理されている。例えば、バルブリフタ20の外側表面20A1の一部は摺動面21a1を形成するから、精度の高い摺動性の良好な面として仕上げられるように、摺動面21a1は必要に応じて適宜表面研磨処理され、また、筒状部22の摺動面22a1も、精度の高い摺動性の良好な面として仕上げられるように、摺動面22a1も必要に応じて適宜表面研磨処理されている。
そして、鉛直方向で上方を向いた凹状の摺動面21a1は、該凹みが潤滑油の滞留保持能力の向上に寄与するから、摺動面21a1における動弁カム13との摺動接触における潤滑油の供給と油膜形成能力を増大させており、したがって、摺動面21a1における動弁カム13の摺動性の大幅な向上が図られるとともに、摺動面21a1における異常磨耗の防止が図られている。
次に、上述の構造を備え、かつその外側および内側の表面20A1,20A2において全面もしくは略全面に形成される上述の酸素拡散層20Bを備えるバルブリフタ20の製造について以下に説明する。
なお、以下の説明において、「P部形成部」または「P面形成面」(ここで、「P」は、完成品としてのバルブリフタ20の特定の部分または部位を意味する。)とは、バルブリフタ20の素材において、製造後に、完成品としてのバルブリフタ20のP部またはP面となる部分を意味する。
第1工程
図5(a)に示すように、先ず、バルブリフタ20の形成材として、チタン合金の棒材、例えば、0.96wt%Fe、0.28wt%Oおよび不可避不純物を含む残部Tiよりなるチタン合金の丸棒が用意され、該丸棒から円盤型のビレット201を切出し、次いで該ビレット201に潤滑処理を施す。
第2工程
ビレット201を鍛造温度Tfに加熱し、次いで、そのビレット201に温間鍛造を施して、図5(b)に示すリフタ用一次素材202、例えば、外径が26mm、高さが21mmの一次素材202を製作する。
この一次素材202は、シリンダヘッド1のリフタガイド孔1c内に挿入される筒部として形成された筒状部形成部222と、該筒状部形成部222の一端を閉鎖して動弁カム13と対向する端部壁を形成する天井部形成部212を持つ一端閉鎖の略円筒形状をなす。そして、該天井部形成部212の下面(下面形成面)212bの中央部には突出部形成部212b1が形成される。
上述の鍛造は、鍛造温度Tfが、200°C≦Tf≦600°Cに設定される。鍛造温度TfがTf<200°Cでは軟化不足のため鍛造による変形抵抗が高く、金型の負荷が大きい。一方、Tf>600°Cでは加熱中に表面に酸化膜が生じ、鍛造時にこの酸化膜に発生する亀裂を起点に割れが生じやすくなる。
第3工程
一次素材202の筒状部形成部222の外周面、端部壁として形成された天井部形成部212の摺動面形成面212aおよび筒状部形成部222の摺動面形成面222aに機械加工を施して、図5(c)に図示される所定寸法に仕上げられたリフタ用二次素材203を製作する。二次素材203の製作は、該二次素材203の摺動面形成面212aが、後述される酸化処理中の重力下垂現象で最大凹み量d(図1(A)参照)が20μm以下の凹曲面となるように行われる。
次いで、その二次素材203に洗浄処理を施す。
第4工程
二次素材203を大気雰囲気下の加熱炉内に設置して、二次素材203に、大気中にて加熱温度T1を、T1≧600°Cに設定した酸化処理を施し、図6(d)に示すように、二次素材203の全表面形成面203Aに酸化処理後の酸素拡散層204Bが形成された中間体であるリフタ用三次素材204を得る。
硬化層である酸素拡散層204Bの厚さは、三次素材204の外側表面形成面204A1で厚く、とりわけ、摺動面形成面214a1が形成される部分は厚く、内側表面形成面204A2でやや薄くされる。そして、酸化処理後の酸素拡散層204Bは、三次素材204の外側および内側表面形成面204A1,204A2全面に形成されるが、図6(d)に図示のように酸素拡散層204Bの表面には酸化物層204B0が形成され、とりわけ、該酸素拡散層204Bが厚く深く形成される部分は、つまり、三次素材204の外側表面形成面204A1である酸素拡散層204Bの表面等には酸化物層204B0が形成される。
大気雰囲気中の加熱炉内でT1≧600°Cに加熱され、酸化処理が施された二次素材203は、その表面形成面203A全面に酸化処理による酸素拡散層204Bが形成されて三次素材204とされるが、三次素材204は、該炉内において酸化処理中、図6(e)図示の工程において、その略円筒状の三次素材204の端部壁として形成される天井部形成部214(または摺動面形成面214a1)が水平面に対して略平行となるように、摺動面214a1を鉛直方向で上方に向けて、この実施例では鉛直方向でほぼ真上に向けて設置されるのが望ましい。
加熱された酸化処理中の三次素材204は、高温加熱による軟化状態であるため、天井部形成部214(または摺動面形成面214a1)を水平面に対して略平行となるように上方に向けて設置することは、換言すれば摺動面形成面214a1を鉛直方向で上方に向けて設置することは、天井部形成部214を、重力の作用下でその自重により、とりわけ、下面形成面214bの中央の突出部形成部214b1の厚みによる重量の寄与により、図6(e)の仮想線H図示のように下垂させ、該天井部形成部214および摺動面形成面214a1をその断面において凹状彎曲するように変形させる。
その後、三次素材204の変形が収束し、天井部形成部214は、図6(f)に図示されるように、その断面形状が凹状彎曲形状を呈し、摺動面形成面214a1が凹んだ凹曲面を形成する。なお、実施例では中央部が最も凹んだ凹曲面が形成される場合を示しているが、この形状のみに限定されず、動弁カム13が摺動する個所を最も凹んだ形状とするものであってもよい。
また、表面硬度を大きくするには酸素拡散層204Bを厚くすればよいのであるが、厚い酸素拡散層204Bを形成するために、二次素材203の天井部形成部213や筒状部形成部223(図5(c)参照)が酸化されると、三次素材204の天井部形成部214や筒状部形成部224、ひいては天井部21や筒状部22が変形してしまう場合があるので、表面硬度が750Hmvを越えないように、酸素拡散層204Bが形成される。
第5工程
酸化処理終了後の三次素材204は、図6(f)に図示されるように、天井部形成部214が断面形状で凹状に彎曲する。
酸化処理後の三次素材204は、その後、冷却され、適宜必要とされる表面仕上げや必要とされる個所における研磨機等の機械による加工処理が施され、完成品としてのバルブリフタ20とされる。
すなわち、三次素材204は、上述の高温下での酸化処理によりその酸素拡散層204Bの表面が酸化物層204B0による面とされるから、該表面の酸化物層204B0の除去等による平滑化のための処理がなされる。とりわけ、三次素材204の上面形成面214aである摺動面形成面214a1、および筒状部形成部222の摺動面形成面224a1等における摺動性の維持のための酸素拡散層表面平滑化のための精度の高い研磨処理がなされて、バルブリフタ20が完成する。
本発明のバルブリフタ20は、上述の形状構造を備え、上述の製造工程を経て製造されるから、以下のような作用効果を奏するものである。
摺動面21a1は、最大凹み量dが20μm≦d<0μmの凹曲面C1、最大突出量hが0μm<h≦10μmの凸曲面C3、または天井部21の中心軸線Lに直交する平面からなり、摺動面21a1の表面硬度は500〜750Hmvであることにより、摺動面21a1の表面硬度が500Hmv以上750Hmv以下であるので、二次素材203の全表面形成面203Aに施される酸化処理に起因して天井部21や筒状部22に変形が発生することなく摺動面21a1の磨耗が許容値内に収まり、しかも摺動面21a1の最大凹み量dが20μm以下であるので、動弁カム13のエッジによる摺動面21a1の偏磨耗の発生が抑制されるので、耐磨耗性に優れた摺動面21a1を有するバルブリフタ20が得られる。また、摺動面21a1の最大突出量hが10μm以下であるので、耐ピッチング性に優れた摺動面21a1を有するバルブリフタ20が得られる。
摺動面21a1は、最大突出量hが0μm<h≦10μmの凸曲面C3または平面からなり、表面硬度は650〜750Hmvであり、表面硬度の上限値は、摺動面21a1が平面であるときの750Hmvから最大突出量hが10μmのときの650Hmvまで、増加する最大突出量hに比例して減少することにより、摺動面21a1の表面硬度の上限値が増加する最大突出量hに比例して減少することで、表面硬度の上限値が高くなるほど最大突出量hが小さくなるので、摺動面21a1の表面硬度が高い領域で、摺動面21a1の所要の耐ピッチング性が確保される。
換言すれば、摺動面31a1が凸曲面C3から構成されるとき、表面硬度が500〜650Hmvのとき、最大突出量hは0μm<h≦10μmであり、表面硬度が650〜750Hmvのとき、最大突出量hは、表面硬度が650Hmvのときの10μmから、表面硬度が750Hmvのときの0(すなわち、摺動面31a1が平面から構成されるときである。)近傍まで、増加する表面硬度に比例して最大突出量hが小さくされることにより、摺動面21a1の所要の耐ピッチング性が確保される。
摺動面21a1は最大凹み量dが0μm<d≦20μmの凹曲面C1からなり、表面硬度が750Hmv以下であることにより、表面硬度が500Hmv以上750Hmv以下で動弁カム13のエッジによる摺動面21a1の偏磨耗の発生が抑制されるので、表面硬度が500Hmv以上750Hmv以下の全領域に渡って偏磨耗に対する耐磨耗性に優れた摺動面21a1を有するバルブリフタ20が得られる。
凹曲面C1からなる摺動面21a1は、天井部21の鉛直方向での上面21aにより構成されることにより、鉛直方向で上方を指向する摺動面21a1が天井部21に一体に形成されるので、摺動面21a1は潤滑油を滞留保持させる機能を備え、これにより摺動面21a1における動弁カム13との摺動における潤滑性を向上させることができる。また、バルブリフタ20の天井部21に凹状の摺動面21a1が一体形成されるから、バルブリフタ20の構造の単純化と軽量化が図られ、さらにはその製造コストの低減が図られる。
熱処理は三次素材204の表面形成面204A1,204A2を酸化する酸化処理であることにより、チタン合金からなる三次素材204の、高温下での酸化処理中に、天井部形成部214の自重を利用することにより、摺動面形成面214a1を凹曲面に形成することができることから、該凹曲面を形成するための単独の工程を別途設ける必要がなく、製造工数および製造コストの低減に寄与する。
天井部21を含むバルブリフタ20は、チタン合金製とされるから、硬質金属製のバルブリフタに比べて、ヤング率が低い特徴を活かして動弁カム13エッジとの当たりが抑制されて摺動面21a1の偏磨耗を低減することができる。
天井部21の素材でもある三次素材204を、摺動面21a1となる摺動面形成面214a1が鉛直方向で上方を向くように設置した後、三次素材204に熱処理である酸化処理を施し、酸化処理中に三次素材204の自重により摺動面形成面214a1を凹曲面に形成することにより、三次素材204を、高温加熱の酸化処理中にその摺動面21a1(214a1)を水平面に対して略平行となるように、鉛直方向で上方、好ましくはほぼ真上に向けて設置することで、摺動面形成面214a1が重力の作用下で、自重による下垂作用を利用して、摺動面形成面214a1を凹曲面として形成するから、凹曲面から構成される摺動面21a1のための特別な加工の必要性が排除され、その分製造工数の削減が図られ、製造コストの低減がなされる。
三次素材204は、天井部21の下面21bとなる下面形成面214bの中心部に、内燃機関Eの吸・排気バルブ11,12を直接またはインナーシム19、19を介して押圧する突出部21b1となる突出部形成部214b1を有することにより、三次素材204の下面形成面214bの中央部に突出部形成部214b1が形成されるから、この部分は肉厚であるから重いので、自重により形成される凹状の摺動面21a1の形成は、突出部形成部214b1の存在により容易化されるとともに、凹状の摺動面21a1の中心が天井部21の中心位置と略一致するから、摺動面21a1の成形精度が高められる。
酸化処理を施す前の摺動面形成面214a1を凸曲面で凸状に形成したことにより、突出部形成部214b1の形状を適宜変えることで、形成される摺動面形成部214a1の形状を変形させることができ、摺動面21a1の形状の調整が可能となる。
前記酸化処理を施す前のバルブリフタの摺動面をほぼ球面である凸曲面にて凸状に形成することで、酸化処理を施した後の摺動面の凹状の深さを調整することができる。例えば、Feが0.96質量%、Oが0.28質量%、残部がチタン及び不可避的不純物からなるチタン合金製バルブリフタを750°Cで6時間処理する場合には、酸化処理前の摺動面を摺動面の外周からの最大突出量が20μmのほぼ球面からなる凸曲面に形成することで、酸化処理後の摺動面が最大凹み量10μmの凹状のバルブリフタを得ることができた。
以下、前述した実施形態の一部の構成を変更した実施形態について、変更した構成に関して説明する。
天井部と、該天井部とは別個の部材である筒状部とが一体に結合されて構成されてもよい。この場合、天井部のみがチタン合金により形成されてもよい。
バルブリフタは、チタン合金以外の金属から形成されてもよい。また、熱処理は、酸化処理である必要はなく、酸化処理以外の熱処理であってもよい。
凹曲面および凸曲面は、ほぼ球面から構成されたが、球面以外の曲面により構成されてもよい。
本発明のバルブリフタの側断面図であり、(A)は、摺動面が凹曲面からなるバルブリフタを示し、(B)は、摺動面が平面からなるバルブリフタを示し、(C)は、摺動面が凸曲面からなるバルブリフタを示す。 図1のバルブリフタにおいて、摺動面の表面硬度と、凹曲面の最大凹み量および凸曲面の最大突出量との関係を示すグラフである。 本発明のバルブリフタが使用された内燃機関の主要構造部を示す縦断面図である。 本発明のバルブリフタの側断面図である。 本発明のバルブリフタの製造工程を示す図である。 本発明のバルブリフタの製造工程を示す図である。 従来のバルブリフタの一例を示す図である。
符号の説明
11,12…吸・排気バルブ、13…動弁カム、20…バルブリフタ、20B…酸素拡散層、21…天井部、21a1…摺動面、21b1…突出部、22…筒状部、202,203,204…素材、d…最大凹み量、h…最大突出量。

Claims (9)

  1. カムが摺動する摺動面が形成された天井部を有するバルブリフタにおいて、
    前記摺動面は、最大凹み量dが20μm≦d<0μmの凹曲面、最大突出量hが0μm<h≦10μmの凸曲面、または前記天井部の中心軸線に直交する平面からなり、前記摺動面の表面硬度は500〜750Hmvであることを特徴とするバルブリフタ。
  2. 前記摺動面は、最大突出量hが0μm<h≦10μmの凸曲面または平面からなり、表面硬度は650〜750Hmvであり、表面硬度の上限値は、前記摺動面が平面であるときの750Hmvから最大突出量hが10μmのときの650Hmvまで、増加する最大突出量hに比例して減少することを特徴とする請求項1記載のバルブリフタ。
  3. 前記摺動面は最大凹み量dが0μm<d≦20μmの凹曲面からなり、表面硬度が750Hmv以下であることを特徴とする請求項1記載のバルブリフタ。
  4. 前記凹曲面からなる前記摺動面は、前記天井部の鉛直方向での上面により構成されることを特徴とする請求項1記載のバルブリフタ。
  5. 前記天井部はチタン合金により形成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載のバルブリフタ。
  6. 請求項3記載のバルブリフタの製造方法であって、
    前記天井部の素材を、前記摺動面となる摺動面形成面が鉛直方向で上方を向くように設置した後、前記素材に熱処理を施し、前記熱処理中に前記素材の自重により前記摺動面形成面を凹曲面に形成することを特徴とするバルブリフタの製造方法。
  7. 前記素材は、前記天井部の下面となる下面形成面の中心部に、内燃機関の機関バルブを直接またはインナーシムを介して押圧する突出部となる突出部形成部を有することを特徴とする請求項6記載のバルブリフタの製造方法。
  8. 前記熱処理を施す前の前記摺動面形成面を凸状に形成したことを特徴とする請求項6又は7記載のバルブリフタの製造方法。
  9. 前記天井部はチタン合金により形成され、前記熱処理は素材の表面を酸化する酸化処理であることを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項記載のバルブリフタの製造方法。

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