JP2006298992A - オキセタン化ノボラック樹脂 - Google Patents

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【課題】 本発明は、耐クラック性能の改善された硬化物を得ることができるオキセタン化ノボラック樹脂、特に、容易に入手可能な原料から合成でき、耐クラック性能の改善された硬化物を得ることができるオキセタン化ノボラック樹脂を提供することを課題とする。
【解決手段】 、本発明の課題は、式(1)で表されるノボラック樹脂の水酸基の水素原子が式(2)で表される基で置換され、その置換割合が全水酸基の70%以上であるオキセタン化ノボラック樹脂により解決される。但し、式(1)において、Yはノボラック樹脂に由来する特定の基を表し、Xは、水素原子、メチル基、ジメチル(p−ヒドロキシフェニル)メチル基のいずれかであり、式(2)において、Zは水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基である。
【化1】
Figure 2006298992

【化2】
Figure 2006298992

【選択図】 なし

Description

本発明は、カチオン重合が可能なオキセタン環を有するノボラック樹脂(オキセタン化ノボラック樹脂)に関する。
四員環のエーテル化合物であるオキセタン化合物は、三員環エーテル化合物であるエポキシ化合物に比べ、低毒・低刺激性で貯蔵安定性にも優れ、更にそれから得られる硬化物が柔軟性や可撓性や耐吸水性に優れていて収縮率も小さいことから、硬化性材料として近年注目を集めている。
現在、半導体封止やプリント配線盤製造時に使用される各種レジスト用の樹脂材料として、エポキシ化合物、特に耐熱要求よりノボラック樹脂型のエポキシ化合物が多用されている。しかしながら、ノボラック型エポキシ樹脂の硬化物は硬く脆いものであり、ヒートサイクル時のクラックの発生やフレキシブルプリント配線への応用ができない等の制約があった。このような問題の解決法の一つに、前述のような特性を有するオキセタン化合物の使用が考えられる。
これまで多数のオキセタン化合物が報告されており、例えば、非特許文献1には、種々のオキセタン誘導体が記載されている。しかし、ノボラック型オキセタン樹脂(オキセタン化ノボラック樹脂)は、下式(i)に示されるものが特許文献1に記載され、類似のものが特許文献2に記載されている程度であり、これらオキセタン化ノボラック樹脂の硬化物はいずれも冷熱衝撃試験においてサイズの大きなクラックを生じ、満足な結果を与えるものではなかった。なお、下式(i)及び(ii)において、Zは水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表し、Rは水素原子又はメチル基を表し、Qは下式(ii)で示される基のいずれかを表し、nは0〜4の整数を表す。
Figure 2006298992
Figure 2006298992
特開2000−336133号公報 特開2000−297149号公報 J.Macromolecular Chem.,Pure Appl.Chem.,A30,189
本発明は、耐クラック性能の改善された硬化物を得ることができるオキセタン化ノボラック樹脂、特に、容易に入手可能な原料から合成でき、耐クラック性能の改善された硬化物を得ることができるオキセタン化ノボラック樹脂を提供することを課題とする。
本発明者らは前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、式(1)で表されるノボラック樹脂をオキセタン化して得られるオキセタン化ノボラック樹脂の硬化物が優れた耐クラック性能を有することを見出して、本発明を完成するに至った。即ち、本発明の課題は、式(1)で表されるノボラック樹脂の水酸基の水素原子が式(2)で表される基で置換され、その置換割合が全水酸基の70%以上であるオキセタン化ノボラック樹脂により解決される。
但し、式(1)において、Yは式(3)で表される3つの基のいずれかであり、Xは、水素原子、メチル基、式(4)で表される基のいずれかであり、式(2)において、Zは水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基である。また、式(3)において、Aは式(5)で表される2つの基のいずれかであり、p、q、r、sは互いに独立して0又は正の整数を表す。
Figure 2006298992
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Figure 2006298992
また、本発明は、前記式(1)で表されるノボラック樹脂の水酸基の水素原子が前記式(2)で表される基で置換され、その置換割合が全水酸基の100%である、前項のオキセタン化ノボラック樹脂によっても解決される。この場合、前記式(1)及び(3)〜(5)において、水酸基の水素原子は全て前記式(2)で表される基で置換されている。
本発明により、耐クラック性能の改善された硬化物が得られるオキセタン化ノボラック樹脂、特に、容易に入手可能な原料から合成でき、耐クラック性能の改善された硬化物が得られるオキセタン化ノボラック樹脂を提供できる。即ち、本発明のオキセタン化ノボラック樹脂から、優れた耐クラック性能を有するカチオン硬化性樹脂組成物を誘導することができる。
本発明のオキセタン化ノボラック樹脂は、前記式(1)で表されるノボラック樹脂の水酸基の水素原子が式(2)で表される基で置換され、その置換割合が全水酸基の70%以上であるものであり、例えば、前記式(1)で表されるノボラック樹脂と式(6)で表されるオキセタンスルホン酸エステルを塩基存在下で反応させることにより得ることができる。なお、式(6)において、Rはアルキル基又はアリール基であり、Zは前記と同様である。
Figure 2006298992
本発明のオキセタン化ノボラック樹脂は、具体的には、前記ノボラック樹脂、アルカリ金属の水素化物又は水酸化物、及び溶媒の混合物を0〜150℃(好ましくは50〜120℃)に加熱攪拌して該ノボラック樹脂のアルカリ金属塩を生成させ、次いで、このアルカリ金属塩を前記オキセタンスルホン酸エステルと20〜200℃(好ましくは50〜100℃)で反応させることにより製造することができる。反応圧力や反応雰囲気は反応の進行を妨げない限り特に制限されない。
このとき、後半の工程(ノボラック樹脂のアルカリ金属塩とオキセタンスルホン酸エステルとの反応)は、ノボラック樹脂のアルカリ金属塩を含む反応混合物にオキセタンスルホン酸エステルを(必要であれば溶媒で希釈して)滴下して行うことが好ましい。また、後半の工程の反応温度は、20℃未満では反応が充分に進行せず、200℃を越えるとオキセタン環の開裂に起因するタール状の副生物が生成するので好ましくない。
前記ノボラック樹脂としては、前記式(1)で表されるものが挙げられる。但し、前記式(1)において、Yは前記式(3)で表される3つの基のいずれかであり、Xは、水素原子、メチル基、前記式(4)で表される基(ジメチル(p−ヒドロキシフェニル)メチル基)のいずれかであり、前記式(2)において、Zは水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基である。また、前記式(3)において、Aは前記式(5)で表される2つの基のいずれかであり、p、q、r、sは互いに独立して0又は正の整数を表す。ノボラック樹脂は市販品を使用することができ、例えば、MEH−7800、MEH−7500、MEP−6309E(いずれも明和化成製)などが具体的に挙げられる。ノボラック樹脂の数平均分子量(M)は好ましくは200〜1500、更に好ましくは250〜1200の範囲であり、本発明のオキセタン化ノボラック樹脂の数平均分子量はこの数平均分子量に対応する。なお、ここで(M)はゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定したものである。
前記オキセタンスルホン酸エステルは、式(6)において、Zが水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基であって、Rがアルキル基又はアリール基である化合物であり、Rとしては、メチル基、フェニル基、p−トリル基が好ましく挙げられる。Zとしては、該アルキル基、更には炭素数1〜4のアルキル基、特にメチル基又はエチル基が好ましく挙げられる。なお、オキセタンスルホン酸エステルは、特開2000−336133号公報に記載の方法などにより容易に製造することができる。
オキセタンスルホン酸エステルとしては、例えば、3−メタンスルホニロキシメチルオキセタン、3−ベンゼンスルホニロキシメチルオキセタン、3−トルエンスルホニロキシメチルオキセタン等のYが水素原子であるものや、3−アルキル−3−メタンスルホニロキシメチルオキセタン、3−アルキル−3−ベンゼンスルホニロキシメチルオキセタン、3−アルキル−3−トルエンスルホニロキシメチルオキセタン等のYが該アルキル基であるものが挙げられる。この中では後者のYが該アルキル基であるものが好ましく、中でも、3−メチル−3−トルエンスルホニロキシメチルオキセタン、3−エチル−3−トルエンスルホニロキシメチルオキセタンが特に好ましい。
オキセタンスルホン酸エステルの使用量は、前記ノボラック樹脂のアルカリ金属塩に置換された水酸基1モルに対して1〜2モル、好ましくは1〜1.2モルである。オキセタンスルホン酸エステルの使用量が1モル未満では反応が充分に進行せず、2モルを越えると目的物のオキセタン化ノボラック樹脂中にオキセタンスルホン酸エステルが残存して品質の低下を招くことがある。
塩基としては、アルカリ金属の水素化物や水酸化物が好ましい。このアルカリ金属水酸化物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが好ましく、その形状は粒状又は粉末状であることが好ましい。アルカリ金属水酸化物は純度85%以上の通常の市販品であっても差し支えなく使用できる。また、アルカリ金属水素化物としては、油性水素化ナトリウムが好ましい。
塩基の使用量は、式(1)で表されるノボラック樹脂の水酸基1モルに対して1〜2モル、好ましくは1〜1.2モルである。塩基の使用量が該ノボラック樹脂の水酸基1モルに対して1モル未満では前記反応が十分に進行せず、2モルを越える場合も目的の収率向上には特に寄与せず、コスト面でも好ましくないなどの問題が生じる。
溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルリン酸トリアミド、N−メチル−2−ピロリドン等の非プロトン性極性溶媒、並びにこれらの混合溶媒が好適に使用される。反応溶媒の使用量は反応原料(前記のノボラック樹脂とオキセタンスルホン酸エステルとアルカリ金属水酸化物)と反応溶媒の合計量に対して、反応原料が好ましくは5〜85重量%、更に好ましくは30〜75重量%になるような割合であればよい。また、オキセタンスルホン酸エステルを反応溶媒で希釈して滴下する場合は、同様の反応溶媒をこの使用量の範囲で使用すればよい。
反応終了後、例えば、反応混合物を室温まで冷却し、抽出溶媒を加えて分液し、有機相を水洗及び乾燥後、減圧蒸留等で溶媒を除去することにより、目的のオキセタン化ノボラック樹脂を得ることができる。
次に、実施例及び比較例を挙げて本発明を具体的に説明する。なお、オキセタン当量は、核磁気共鳴スペクトルにおいて、桂皮酸ベンジルを内部標準とし、オキセタン化された樹脂のメチレン基(4.0〜4.1ppm)と桂皮酸ベンジルのメチレン基(5.2ppm)の強度比から求めた。
〔実施例1〕
温度計、ジャケット付滴下ロート、攪拌装置を備えた1L四つ口フラスコにノボラック樹脂MEH−7800(明和化成製)88.8g(水酸基量490mmol、M=400〜900)を仕込み、内部を窒素置換した。これにジメチルスルホキシド(DMSO)75mLと49重量%KOH水溶液59.6gを加え、攪拌しながら90℃まで昇温して内部が均一になるまで攪拌した。続いて、3−メチル−3−トルエンスルホニロキシメチルオキセタン128.2g(500mmol)のDMSO溶液(35mLのDMSOに溶解したもの)を滴下ロート(ジャケット温度70℃)により滴下し、滴下終了後、10mLのDMSOでロート内部を洗浄し、洗液を合せて85℃で3時間攪拌した。
得られた反応液を室温まで放冷したところ、フラスコ内容物は固化した。このフラスコ内容物に、塩化メチレン1200mL、10重量%塩化アンモニウム水溶液1000mL、水2000mLを加えて分液し、有機相を硫酸マグネシウムで乾燥した後、濾過、溶媒留去、減圧乾燥を行って、式(7)で表わされるオキセタン化ノボラック樹脂118.0gを褐色固体として得た(収率91%)。但し、式中、q1は上記の数平均分子量(M)を満足する数値である。
この樹脂のH−NMR(CDCl)分析結果(ppm)は、1.32〜1.41(m,3H,CH)、3.69〜4.00(m,5.6H,CH)、4.32〜4.65(m,4.4H,CH)、6.75〜7.28(m,7H,ArH)であった。また、オキセタン当量は268g/eq(理論オキセタン当量265g/eq)で、水酸基反応率は99%であった。
Figure 2006298992
〔実施例2〕
温度計、ジャケット付滴下ロート、攪拌装置を備えた100mL三つ口フラスコにノボラック樹脂MEH−7800(明和化成製)8.9gを仕込み、内部を窒素置換した。これにジメチルスルホキシド(DMSO)7.5mLと49重量%KOH水溶液6gを加え、攪拌しながら85℃まで昇温して内部が均一になるまで攪拌した。続いて、3−エチル−3−トルエンスルホニロキシメチルオキセタン13.5gのDMSO溶液(3.5mLのDMSOに溶解したもの)を滴下ロート(ジャケット温度70℃)により滴下し、滴下終了後、1mLのDMSOでロート内部を洗浄し、洗液を合せて85〜90℃で3時間攪拌した。
反応液を室温まで放冷して得られたフラスコ内容物(固化物)に、塩化メチレン120mL、10重量%塩化アンモニウム水溶液100mL、水200mLを加えて分液し、有機相を硫酸マグネシウムで乾燥した後、濾過、溶媒留去、減圧乾燥を行って、式(8)で表わされるオキセタン化ノボラック樹脂12.84gを褐色固体として得た(収率94%)。但し、式中、q2は上記の数平均分子量(M)を満足する数値である。
この樹脂のH−NMR(CDCl)分析結果(ppm)は、0.83〜0.94(m,3H,CH)、1.75〜1.90(m,2H,CH)、3.71〜4.04(m,5.5H,CH)、4.05〜4.47(m,4H,CH)、6.83〜7.21(m,7H,ArH)であった。また、オキセタン当量は291g/eq(理論オキセタン当量279g/eq)で、水酸基反応率は94%であった。
Figure 2006298992
〔実施例3〕
温度計、ジャケット付滴下ロート、攪拌装置を備えた300mL三つ口フラスコにノボラック樹脂MEH−7500(明和化成製)35.1g(水酸基量361mmol、M=280〜300)を仕込み、内部を窒素置換した。これにジメチルスルホキシド(DMSO)52mLと85重量%KOH水溶液25.6gを加え、攪拌しながら90℃まで昇温して内部が均一になるまで攪拌した。続いて、3−メチル−3−トルエンスルホニロキシメチルオキセタン94.5g(369mmol)のDMSO溶液(37mLのDMSOに溶解したもの)を滴下ロート(ジャケット温度70℃)により滴下し、滴下終了後、1mLのDMSOでロート内部を洗浄し、洗液を合せて90℃で3時間攪拌した。
反応液を室温まで放冷して得られたフラスコ内容物(固化物)に、トルエン890mL、10重量%塩化アンモニウム水溶液740mL、水740mLを加えて分液し、有機相を硫酸マグネシウムで乾燥した後、濾過、溶媒留去、減圧乾燥を行って、式(9)で表わされるオキセタン化ノボラック樹脂61.1gを黄色固体として得た(収率93%)。但し、式中、q3は上記の数平均分子量(M)を満足する数値である。
この樹脂のH−NMR(CDCl)分析結果(ppm)は、1.22及び1.27及び1.42(s,6H,CH)、3.84〜4.64(m,12H,CH)、6.73〜7.25(m,8.3H,ArH,CH)であった。また、オキセタン当量は181g/eq(理論オキセタン当量181g/eq)で、水酸基反応率は99%以上であった。
Figure 2006298992
〔実施例4〕
実施例1と同様のフラスコにノボラック樹脂MEP−6309E(明和化成製)57.3g(水酸基量490mmol、M=250〜350)を仕込み、内部を窒素置換した。これにジメチルスルホキシド(DMSO)70mLと85重量%KOH水溶液35.0gを加え、攪拌しながら90℃まで昇温して内部が均一になるまで攪拌した。続いて、3−メチル−3−トルエンスルホニロキシメチルオキセタン128.2g(500mmol)のDMSO溶液(50mLのDMSOに溶解したもの)を滴下ロート(ジャケット温度70℃)により滴下し、滴下終了後、1mLのDMSOでロート内部を洗浄し、洗液を合せて90℃で3時間攪拌した。
反応液を室温まで放冷して得られたフラスコ内容物(固化物)に、酢酸エチル1200mL、10重量%塩化アンモニウム水溶液1000mL、水2000mLを加えて分液し、有機相を硫酸マグネシウムで乾燥した後、濾過、溶媒留去、減圧乾燥を行って、式(10)で表わされるオキセタン化ノボラック樹脂95.5gを黄色固体として得た(収率97%)。但し、式中、pは上記の数平均分子量(M)を満足する数値である。
この樹脂のH−NMR(CDCl)分析結果(ppm)は、1.30〜1.65(m,12H,CH)、3.83〜4.00及び4.28〜4.63(m,14H,CH)、6.69〜7.17(m,7H,ArH)であった。また、オキセタン当量は202g/eq(理論オキセタン当量201g/eq)で、水酸基反応率は99%以上であった。
Figure 2006298992
〔実施例5〕
実施例1と同様のフラスコにノボラック樹脂MEH−7700E(明和化成製)70.1g(水酸基量490mmol、M=400〜430)を仕込み、内部を窒素置換した。これにジメチルスルホキシド(DMSO)90mLと85重量%KOH水溶液35.0gを加え、攪拌しながら90℃まで昇温して内部が均一になるまで攪拌した。続いて、3−エチル−3−トルエンスルホニロキシメチルオキセタン135.2g(500mmol)のDMSO溶液(30mLのDMSOに溶解したもの)を滴下ロート(ジャケット温度70℃)により滴下し、滴下終了後、1mLのDMSOでロート内部を洗浄し、洗液を合せて85℃で3時間攪拌した。
反応液を室温まで放冷して得られたフラスコ内容物(固化物)に、トルエン1200mL、10重量%塩化アンモニウム水溶液1000mL、水2000mLを加えて分液し、有機相を硫酸マグネシウムで乾燥した後、濾過、溶媒留去、減圧乾燥を行って、式(11)で表わされるオキセタン化ノボラック樹脂111.2gを褐色固体として得た(収率92%)。但し、式中、r、sは上記の数平均分子量(M)を満足する数値である。
この樹脂のH−NMR(CDCl)分析結果(ppm)は、0.78〜1.08(m,[3r+3s+6]H,CH)、1.60〜2.06(m,[2r+5s+7]H,CH,ArCH)、3.96〜4.80(m,[8r+8s+6]H,ArCH,CHO)、6.60〜8.33(m、[5r+2s+9]H,ArH)であった。また、オキセタン当量は246g/eq(理論オキセタン当量241g/eq)で、水酸基反応率は97%であった。
Figure 2006298992
〔比較例1〕
ノボラック樹脂をノボラック樹脂HF−1(明和化成製)70.1g(水酸基量490mmol、M=435〜465)に代えたほかは、実施例5と同様に反応と後処理を行って、式(12)で表わされるオキセタン化ノボラック樹脂111.2gを褐色固体として得た(収率92%)。但し、式中、mは上記の数平均分子量(M)を満足する数値である。
この樹脂のH−NMR(CDCl)分析結果(ppm)は、0.83〜0.95(m,3H,CH)、1.78〜1.88(m,2H,CH)、3.77〜4.05、4.35〜4.57(m,8H,CH)、6.77〜7.11(m,4H,ArH)であった。また、オキセタン当量は246g/eq(理論オキセタン当量241g/eq)で、水酸基反応率は97%であった。
Figure 2006298992
〔実施例6〕
実施例1〜5及び比較例1で得られたオキセタン化ノボラック樹脂と無水フタル酸とアセチルアセトナート亜鉛を当量比で100:90:2で混合して、熱硬化性組成物をそれぞれ調製した。次いで、スペーサーを貼り付けたガラス板(100mm×100mm×1.7mm)上に該組成物を室温下でキャストした後、150℃で5時間、その後200℃で5時間加熱することで硬化膜を得た。得られた硬化膜について、冷熱衝撃試験(液体窒素温度で30分、160℃で30分の3サイクル)を行った後、クラック数を目視により確認した。その結果を表1に示す。
Figure 2006298992
本発明のオキセタン環を有するノボラック樹脂から誘導されるカチオン硬化性樹脂組成物は、耐熱性、機械特性、密着性に優れ、半導体封止やプリント配線盤製造時に使用される各種レジスト用の樹脂材料として適している。

Claims (2)

  1. 式(1)で表されるノボラック樹脂の水酸基の水素原子が式(2)で表される基で置換され、その置換割合が全水酸基の70%以上であるオキセタン化ノボラック樹脂。(但し、式(1)において、Yは式(3)で表される3つの基のいずれかであり、Xは、水素原子、メチル基、式(4)で表される基のいずれかであり、式(2)において、Zは水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基である。また、式(3)において、Aは式(5)で表される2つの基のいずれかであり、p、q、r、sは互いに独立して0又は正の整数を表す。)
    Figure 2006298992
    Figure 2006298992
    Figure 2006298992
    Figure 2006298992
    Figure 2006298992
  2. 前記式(1)で表されるノボラック樹脂の水酸基の水素原子が前記式(2)で表される基で置換され、その置換割合が全水酸基の100%である、請求項1記載のオキセタン化ノボラック樹脂。
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