JP2006297780A - インクジェット記録用紙およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】真に優れた光沢を有するインクジェット記録用紙およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】原紙上にインク受容層を有し、前記インク受容層上に光沢層が設けられ、インク受容層表面のマイクロトポグラフによる20kg/cm2加圧下での平滑度が、Rp=1.0〜5.0μmであり、光沢層表面のマイクロトポグラフによる20kg/cm2加圧下での平滑度が、Rp=2.0μm以下である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、写像性が高く、耐擦過性の強いインクジェット記録用紙に関する。
近年、インクジェットプリンタによる記録が、騒音が少なく、高速記録が可能であり、かつ、多色化が容易なために多方面で利用されている。インクジェット記録用紙としては、インク吸収性に富むように工夫された上質紙や表面に多孔性顔料を塗工した塗工紙等が適用されている。ところが、これらの用紙は表面光沢が低いため、優れた外観を有するインクジェット記録用紙が開発されてきた。
一般に、表面光沢の高い用紙としては、表面に板状顔料を塗工し、必要に応じてカレンダー処理を施した光沢を有する塗工紙、または湿潤塗工層を鏡面の加熱ドラム面に圧着して乾燥し、その鏡面を写し取ることによって得られる、いわゆるキャストコート紙が知られている。このキャストコート紙は、スーパーカレンダー仕上げされた通常の塗工紙に比較して高い表面光沢と優れた表面平滑性を有し、優れた印刷効果が得られることから、高級印刷物等の用途に専ら利用されている(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。
特許文献1には、基紙の片面に下塗り層とインク受容層を積層したインクジェット用記録材料において、基紙の中心線平均粗さ(Ra1)が1.6μm以下で、下塗り層の中心線平均粗さ(Ra2)が1.3μm以下であり、Ra1とRa2の差が0.5μm以下であり、記録材料表面のJIS−Z8741で規定される60度鏡面光沢度が25%以上であるインクジェット用記録材料が開示されている。同文献1には、このインクジェット用記録材料は、白紙部の白さと光沢が高いという効果を有することが記載されている。
また、特許文献2には、下塗り塗被層を設けた原紙上に特定のガラス転移点を持つ重合体を含有するキャスト用塗被液を塗被してキャスト仕上げすることにより、優れたインクジェット印字記録適性を示し、高光沢を維持するインクジェット記録用キャスト塗被紙が開示されており、同文献2の実施例において実際に製造されたキャスト塗被紙の白紙光沢は、JIS−P8142に準じて測定されている。
特開2003−191616号公報 特開平7−89220号公報
上記の特許文献1および2に開示された発明によれば、インクジェット記録用紙の光沢はJIS−Z8741またはJIS−P8142に準拠した測定方法で評価されている。JIS−Z8741は、「鉱工業製品の巨視的に見て平滑な表面の鏡面光沢度を測定する方法について規定するもの」であり、JIS−P8142は、「紙および板紙の入射角75゜における鏡面光沢度を測定する方法について規定するもの」である。キャストコート紙のように特に高光沢のものについては、JIS−Z8741に規定されている角度60度及び20度の測定装置を用いて測定される。そして、鏡面光沢度Gは、次式(1) によって計算される。
式(1)
G=〔(試料面からの反射光束)/(標準面からの反射光束)〕×標準面の光沢度(%) 光束とは、単位時間当たりに伝搬される可視光線の量を標準観測者の視感度に対して生ずる明るさの感覚で評価したものである。光束をΦで表すと、放射束と標準比視感度と最大視感度に基づいて、次式(2) で定義される。
式(2) Φ=K∫Φ(λ)・V(λ)・dλ
ここで、Kは最大視感度、V(λ)は標準比視感度、Φ(λ)は放射光の分光分布である。可視放射である380〜780nmの電磁波が眼に入射すると光の感覚が生じるが、その感受性は波長によって相違し、最高感度となる波長から離れるに従って低下する。最高感度となる波長は、明所視では555nm(黄緑)、暗所視では510nm(緑)付近となるが、このときの視感度を基準として各波長に対する視感度を相対表示したものを比視感度という。このように、視感度は単色光が与える明るさの感覚と光のエネルギーの関係を示す波長関数であって、この視感度に基づいて計算される光束によって求められる鏡面光沢度は、必ずしも実際の見た目の光沢感とは一致しない。
以上の詳細な説明で明らかなように、インクジェット記録用紙の光沢感を鏡面光沢度で評価するのは適切ではなく、そのような適切でない評価方法で評価されたインクジェット記録用紙が実際に優れた光沢を有するかどうかは分からない。
本発明は、従来の技術の有するこのような問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、真に優れた光沢を有するインクジェット記録用紙およびその製造方法を提供することにある。
そこで、本発明者はインクジェット記録用紙の光沢感を評価するのに適した方法について鋭意検討した結果、写像性が光沢感を評価するのに好適であることを見いだし、本発明に到達したのである。
写像性については、JIS−H8686−1に規定する、「試験面に写し出されたチャートスケールの像の形態を目視によって観察し、写像性を調べる方法」である視感測定法と、JIS−H8686−2に規定する、「試験面からの反射光を移動する光学櫛によって正反射光と拡散光に分けてその光量を測定し、全反射光に対する正反射光の比で写像性を求める方法」である機器測定法がある。この写像性は、元来アルミニウム及びアルミニウム合金の陽極酸化皮膜の試験方法であるが、JIS−H8686−2に規定する、後者の機器測定法がより客観的な写像性データが得られ、特に、インクジェット記録用紙の光沢感の評価方法として好ましいことを本発明者は見いだした。
しかしながら、従来の一層抄きの非塗工紙で高米坪の原紙を基紙としてインクジェット記録用紙を作成した場合、多層抄き原紙やレジンコート原紙等と比較して原紙の地合やプロファイルが悪く、写像性の高いインクジェット記録用紙を作製するのは困難である。また、写像性を向上させるために光沢層の塗工量を増加させる手段もあるが、耐擦過性が弱くなり、非塗工面をオフセット印刷した際に印刷ユニット内で光沢面が擦れ、傷が発生するという問題がある。
そこで、本発明者は、写像性が高く、耐擦過性が強いインクジェット記録用紙を得るための手段について鋭意検討した結果、高光沢を有するインクジェット記録用紙の表面平滑性はインク受容層を設ける側およびその反対側のマイクロトポグラフによる平滑度と相関関係があることを見いだし、マイクロトポグラフによる平滑度を特定の範囲に収めることがキーポイントであることが分かった。
すなわち、本願第一発明は、原紙上にインク受容層を有し、前記インク受容層上に光沢層が設けられたインクジェット記録用紙において、インク受容層表面のマイクロトポグラフによる20kg/cm2加圧下での平滑度が、Rp =1.0〜5.0μmであり、光沢層表面のマイクロトポグラフによる20kg/cm2 加圧下での平滑度が、Rp =2.0μm以下であることを特徴としている。
また、本願第二発明は、本願第一発明において、光沢層を設ける面とは反対側の原紙面のマイクロトポグラフによる20kg/cm2加圧下での平滑度が、Rp =5.0〜10.0μmであることを特徴としている。
また、本願第三発明は、本願第一または第二発明において、JIS−H8686−2に従って測定された光沢層表面の写像性が40(%)以上であることを特徴としている。
さらに、本願第四発明は、原紙上にインク受容層を有し、前記インク受容層上に光沢層が設けられたインクジェット記録用紙を製造する方法において、インク受容層表面のマイクロトポグラフによる20kg/cm2加圧下での平滑度が、Rp =1.0〜5.0μmとなり且つ光沢層を設ける面とは反対側の原紙面のマイクロトポグラフによる20kg/cm2 加圧下での平滑度が、Rp =5.0〜10.0μmとなるように、光沢層を設ける面とは反対側の原紙面およびインク受容層に対してカレンダリングによる平滑化処理を同時に行い、次いで、光沢層表面のマイクロトポグラフによる20kg/cm2加圧下での平滑度が、Rp =2.0μm以下となるように、光沢層に対してキャスト法にて平滑化処理を行うことを特徴としている。
本発明は上記のように構成されているので、真に優れた光沢を有するインクジェット記録用紙およびその製造方法を提供することができる。
本発明のインクジェット記録用紙は、原紙上にインク受容層を介して光沢層が設けられており、具体的な実施形態について詳細に説明する。
本発明のインクジェット記録用紙の原紙の原料としては、例えば、広葉樹クラフトパルプ、天然パルプ、合成パルプ等が挙げられる。天然パルプとしては、通常に製紙用に用いられるパルプであれば、いずれも使用可能である。すなわち、広葉樹晒クラフトパルプ、針葉樹晒クラフトパルプ、広葉樹未晒クラフトパルプ、針葉樹未晒クラフトパルプ、広葉樹亜硫酸パルプ、針葉樹亜硫酸パルプ等が挙げられる。また、木材繊維を含む主原料として、化学的に処理されたパルプ、木材以外の繊維原料であるケナフ、麻、葦等非木材繊維を主原料として化学的に処理されたパルプやチップを機械的にパルプ化したグランドパルプ、木材またはチップに化学薬品を添加しながら機械的にパルプ化したケミグランドパルプ、及びチップを軟らかくなるまで蒸解した後、レファイナー等でパルプ化したセミケミカルパルプ等のバージンパルプ等が挙げられる。また、必要に応じて、合成パルプ、合成繊維、無機繊維等の各種繊維状物質を原料として用いることができる。また、新聞古紙、雑誌古紙、段ボール古紙等を原料として製造された古紙パルプを配合することもできる。
本発明のインクジェット記録用紙の原紙は、上記原料を用いて抄紙して製造することができる。抄紙は、例えば、長網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機、オントップ抄紙機、ハイブリッド抄紙機または丸網抄紙機等の抄紙機を用いて抄紙することができる。抄紙する際には、パルプに、インクジェット記録用紙を製造する際に通常に用いられる添加剤を添加することができる。このような添加剤としては、例えば、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール系高分子化合物、尿素樹脂、メラミン樹脂、澱粉等の紙力増強剤:硫酸バンド等の薬品定着剤:ポリアクリルアミド、アクリルアミド−アミノメチルアクリルアミドの共重合体の塩、カチオン化澱粉、ポリエチレンイミン、ポリエチレンオキサイド、アクリルアミド−アクリル酸ナトリウムの共重合物等の濾水性あるいは歩留まり向上剤:ロジンサイズ、アルキルケテンダイマー(AKD)、アルケニル無水コハク酸(ASA)等のサイズ剤:ポリアミド、ポリアミン、エピクロルヒドリン等の耐水化剤:消泡剤、タルク等の填料:染料:色顔料:抗菌剤:紫外線吸収剤:pH調整剤等を挙げることができる。
本発明のインクジェット記録用紙のインク受容層は、インクを吸収乾燥するための層であり、顔料を含んでいる。顔料としては、非晶質シリカ、アルミナ、クレー、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、炭酸マグネシウム、過硫酸バリウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、コロイダルシリカ、アルミナとシリカの複合体、ゼオライト、珪藻土、水酸化マグネシウム、ハイドロキシアパタイト、マイカ、二酸化チタン、酸化亜鉛、チタン酸鉛等を挙げることができる。中でも、インク吸収性を向上させる観点から、非晶質シリカを主成分とするものが好ましい。顔料は、その平均粒径が0.01〜9.0μmのものが好ましく、0.01〜8.0μmのものがさらに好ましい。また、そのBET比表面積は100〜400m2/gであることが好ましく、100〜300m2/gであることがさらに好ましい。上記顔料は、単独で用いてもよく、または2種以上を混合して用いてもよい。
光沢層に用いられる顔料としては、光沢性と透明性から平均一次粒子径が100nm以下の無機微粒子が用いられる。例えば合成シリカ、アルミナ、アルミナ水和物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、塩化マグネシウム、二酸化チタン、ゼオライト等が使用できる。好ましくは気相法シリカ、コロイダルシリカ、アルミナおよびアルミナ水和物の少なくとも一種が使用される。
インク受容層および光沢層にはバインダーが含有されていることが好ましく、このようなバインダーとしては、例えば、ポリビニルアルコール、酢酸ビニル、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリビニルアセタール、酸化澱粉、エーテル化澱粉、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カゼイン、ゼラチン、大豆蛋白、ポリエチレンイミド系樹脂、ポリビニルヒドリン系樹脂、ポリアクリル酸またはその共重合体、無水マレイン酸共重合体、アクリルアミド系樹脂、アクリル酸エステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、アルキド樹脂、エポキシ系樹脂、エピクロルヒドリン系樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステルの重合体または共重合体等のアクリル系重合体ラテックス類、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体ラテックス類の樹脂類等を挙げることができる。上記バインダーは単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明のインクジェット記録用紙の最表層は、光沢層である。光沢層を形成する方法としては、原紙の上に塗工したインク受容層を加熱された金属ロールに圧着して乾燥することにより、強光沢を付与することができる。この場合、金属ロールの温度は70〜120℃が好ましく、金属ロールの表面最大粗さRmax は5.0μm以下であることが好ましい。
金属ロールの温度が70℃未満であると、鏡面を写し取ることが困難で、写像性および光沢度が低下し、120℃を超えると、紙中の水分含有率が下がりすぎるため、波打ちやカールが悪化するという不都合がある。
また、金属ロールの表面最大粗さRmax が5.0μmを超えると、平滑な表面を転写することが困難になる。具体的な光沢形成手段としては、インク受容層が湿潤状態にある間に加熱された金属ロールに圧着して乾燥することにより仕上げる方法(ウエットキャスト方式)、またはインク受容層を一旦乾燥させた後、再湿潤し、加熱された金属ロールに圧着して乾燥することにより仕上げる方法(リウエットキャスト方式)、または、加熱された金属ロールに光沢層用塗工液を直接塗工して、その塗工層がある程度湿潤状態にある間にインク受容層に圧着して乾燥することにより仕上げる方法(プレキャスト方式)を採用することもできる。
インク受容層を形成するために用いられる塗工液は、上記顔料およびバインダーを含有している。顔料100重量部に対するバインダーの割合は、10〜30重量部であることが好ましい。バインダーが10重量部未満であると、塗工層の強度が不足する場合がある。一方、バインダーが30重量部を超えると、インク吸収性が損なわれる場合がある。
また、バインダーのガラス転移温度は、−20℃〜80℃であることが好ましい。ガラス転移温度が80℃を超えると、加熱金属ロールに圧着した際に塗工層が十分なゴム弾性を示さず、良好な平滑性を付与できないことがある。一方、ガラス転移温度が−20℃未満のものは、金属ロールの熱によって樹脂分の成膜化が必要以上に進み、用紙表面の多孔性が減少し、インク吸収性が低下してしまう。
上記塗工液には、必要に応じて種々の助剤を添加することができる。助剤としては、例えば、分散剤、保水剤、増粘剤、消泡剤、防腐剤、染料、耐水化剤、蛍光染料、保存剤、紫外線吸収剤、離型剤、潤滑剤、架橋剤および有機カチオン剤等を挙げることができる。
塗工液の塗布方法としては、例えば、エアーナイフ、ロールコーター、バーコーター、コンマコーター、ブレードコーター等の公知の塗工機を用いて塗工することができる。塗工液の塗布量は、固形分換算で、好ましくは5〜40g/m2であり、さらに好ましくは10〜30g/m2である。塗工液の塗布量が5g/m2未満であると、高光沢を得られない場合があり、一方、40g/m2を超えると、塗工層強度が不足したり、キャスト方式で光沢処理する際、金属ロール上での乾燥性が悪化し、最表層にピンホールが発生することがある。
本発明のインクジェット記録用紙のインク受容層表面(光沢層形成前)のマイクロトポグラフによる20kg/cm2加圧下での平滑度は、Rp =1.0〜5 .0μmであり、かつ、光沢層表面のマイクロトポグラフによる20kg/cm2加圧下での平滑度は、Rp=2.0μm以下であることが好ましい。マイクロトポグラフによる平滑度Rpは、基準平面に圧着した試料表面の窪みの平均深さに比例した物理量であり、平滑度Rpの数値が小さいほど窪み量が少なく、平滑性に優れ、光沢感も改善される。さらに、測定試料に対して10cm間隔で幅方向およびこれに直角の方向において10点以上で平滑度Rp を測定し、その測定値の平均値をとることでマクロの平滑性を評価することができる。
しかし、インク受容層表面(光沢層形成前)のマイクロトポグラフによる20kg/cm2加圧下での平滑度が、Rp =1.0μmより小さくなると、インク吸収性が低下し、印字にじみが発生することに加えて、紙の腰がなくなり使用に耐えないという問題が発生する。一方、インク受容層表面(光沢層形成前)のマイクロトポグラフによる20kg/cm2加圧下での平滑度が、Rp =5.0μmより大きいものは、光沢層形成用塗工液塗布時の表面平滑性が悪化するため、光沢感が優れたインクジェット記録用紙を得ることはできない。また、光沢層のマイクロトポグラフによる20kg/cm2 加圧下での平滑度が、 Rp=2.0μmより大きい場合についても、同様に光沢感が優れたインクジェット記録用紙を得ることができない。
また、キャスト法で光沢層を形成する方法では、図1に示すように、用紙1を押圧ロール2でキャストドラム(金属ロール)3に対して矢示4方向に押圧することにより用紙1がキャストドラム3に当接する面1aに光沢層が形成されるため、光沢層が形成される面1aとは反対側の面1bの平滑性も光沢層の形成に影響を与える。そこで、インク受容層を介して光沢層を設ける面とは反対側の原紙面のマイクロトポグラフによる20kg/cm2 加圧下での平滑度が、Rp =5.0〜10.0μmであることが好ましい。というの は、Rp =5.0μmより小さくなると、紙の腰がなくなって使用に耐えなくなるという問題が発生し、Rp =10.0μmより大きくなると、写像性や光沢度が低下するからである。
本発明のインクジェット記録用紙を製造するには、例えば、次のような方法を採用することができる。すなわち、インク受容層表面のマイクロトポグラフによる20kg/cm2 加圧下での平滑度が、Rp =1.0〜5.0μmとなり且つ光沢層を設ける面とは反対 側の原紙面のマイクロトポグラフによる20kg/cm2加圧下での平滑度が、Rp =5.0〜10.0μmとなるように、光沢層を設ける面とは反対側の原紙面およびインク受容層に対してカレンダリングによる平滑化処理を同時に行い、次いで、光沢層表面のマイクロトポグラフによる20kg/cm2加圧下での平滑度が、Rp =2.0μm以下となるように、光沢層に対してキャスト法にて平滑化処理を行うことにより、本発明のインクジェット記録用紙を製造することができる。
また、上記方法においてカレンダリングは、少なくとも2ニップを有する複数段に構成された金属ロールと弾性ロールの組合せからなるカレンダにて加熱しながら平滑化処理を行う方法が好ましく、カレンダの段数は、多くなるにつれてインクの吸収性が低下するため、少ない方がより好ましい。
本発明のインクジェット記録用紙は、JIS−H8686−2に従って測定された写像性が40(%)以上であることが好ましく、この数値は大きいほどよい。写像性とは、塗膜表面に物体が写ったときに、その像がどの程度鮮明に、また、ゆがみなく写し出されるかの指標として重要な特性である。写像性の測定は、JIS−H8686−2に従い、スリットを通して、試験片に45゜または60゜の角度で当てられた光の反射光(受光角45゜または60゜)を移動する光学櫛を通して検知される受光量の変化波形(例えば、図2参照)から次式(3) に従って求められる数値である。光学櫛の明部(光が透過する部分)と暗部(光が透過しない部分)の比は1:1で、光学櫛の幅は、0.125、0.25、0.5、1.0および2.0mmの5種類で構成される。
式(3) C(n)=〔(M−m)/(M+m)〕×100
ここに、C(n):光学櫛の幅がn(mm)のときの写像性(%)
M:光学櫛の幅がn(mm)のときの最高波高
m:光学櫛の幅がn(mm)のときの最低波高
試験片表面に像を写したときの像の鮮明さ又はゆがみの程度を表す、試験片表面の性質を評価する写像性の数値は、光沢感の指標として適していると言える。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
(1)インク受容層表面のマイクロトポグラフによる20kg/cm2加圧下でのRP=0.5〜10.0μmであるインクジェット記録用紙の製造例
《原紙の製造》
広葉樹クラフトパルプ100重量部に対して、硫酸バンド3重量部、サイズ剤10重量部およびタルク10重量部を配合し、長網抄紙機にて抄造し、サイズプレスにて紙面に澱粉を塗布し、米坪150g/m2の原紙を得た。
《インク受容層の形成》
シリカ((株)トクヤマ製の商品名シリカファインシールX45、粒径4.5μm、BET比表面積300m2/g)100重量部、水酸化ナトリウム1重量部、ポリビニルアルコール(クラレ(株)製の商品名PVA117、ガラス転移温度=0℃)15重量部、およびインク定着剤(住友化学工業(株)製の商品名SR1001)5重量部からなる塗工液を、エアナイフコーターを用いて、上記のようにして得られた原紙上に固形分換算で10g/m2 塗工し、スキャッフドライヤーにて乾燥し、次いで、その塗工液を塗工した原紙5を図3に示すようなカレンダに通して、マイクロトポグラフによる20kg/cm2加圧下での平滑度が、Rp =0.5〜10.0μmであるインク受容層の下層およびインク受容層を設けた面とは反対側の原紙面のマイクロトポグラフによる20kg/cm2 加圧下 での平滑度が、Rp =4.5〜11.3μmである下塗り用紙を得た。
図3において、6は金属ロール、7は弾性ロールであり、金属ロール6は100℃に加熱した。
《光沢層の形成》
次いで、コロイダルシリカ(日産化学工業(株)製の商品名コロイダルシリカスノーテックスXL、粒径0.05μm、BET比表面積100m2/g)100重量部、アクリル樹脂(ダイセル化学工業(株)製の商品名46753)5重量部、ポリビニルアルコール(クラレ(株)製の商品名PVA117、ガラス転移温度=0℃)10重量部、及びインク定着剤(昭和高分子(株)製の商品名ポリフィックス700)5重量部からなる塗工液を、エアナイフコーターを用いて、上記インク受容層の下層の上に固形分換算で13g/m2塗工し、スキャッフドライヤーにて乾燥し、次いで乾燥した層を水で再湿潤し、100℃に加熱したキャストドラム(表面最大粗さが0.5μmのもの)に圧着して乾燥させて高光沢の鏡面仕上げを行い、試験片1〜9のインクジェット記録用紙を得た。試験片1〜9の光沢層表面の「写像性」と「にじみ」に関する評価とともに、光沢層表面のマイクロトポグラフによる20kg/cm2加圧下でのRPの数値を下記の表1に示す。
(2)キャスト処理時のキャストドラムの表面最大粗さが0.1〜10.0μmであるインクジェット記録用紙の製造例
同上処理を行って、マイクロトポグラフによる20kg/cm2加圧下での平滑度が、Rp=0.8〜6.2μmであるインク受容層の下層およびインク受容層を設けた面とは反対側の原紙面のマイクロトポグラフによる20kg/cm2加圧下での平滑度が、Rp=4.8〜11.3μmである下塗り用紙を得、光沢層形成時のキャストドラムの表面最大粗さを0.1〜10.0μmの範囲で変化させた以外は、上記と同様の処理を行って試験片10〜17のインクジェット記録用紙を得た。試験片10〜17の光沢層表面の「写像性」と「にじみ」に関する評価とともに、光沢層表面のマイクロトポグラフによる20kg/cm2加圧下でのRPの数値を下記の表2に示す。
(3)特性の評価
得られた試験片1〜17のインクジェット記録用紙に関する「写像性」と「にじみ」の評価は、下記方法により行った。
《写像性》
JIS−H8686−2に規定される方法に従って測定した。入射光および反射光の角度を60゜とし、光学櫛の幅が2.0mmのものについての結果を表1と表2に示す。
《にじみ》
インクジェットプリンタ(セイコーエプソン社製のPM−G800)を用いて、温度23℃、湿度50%の条件下で、シアン、マゼンタ、イエローの各色インクの重ね色で構成される赤、緑、青をそれぞれベタ印字(大きさ3.0cm×3.0cm)し、印字30分経過後のにじみ度合を目視にて観察し、以下の基準にて評価した。その結果を表1と表2に示す。
◎=インクのにじみが全く見られない。
○=若干のインクのにじみが見られるが、実用上問題ない。
△=インクのにじみによる境界の乱れが見られる。
×=全体的にインクのにじみがはっきり見られる。
Figure 2006297780
Figure 2006297780
表1および表2に明らかなように、本発明の実施例に係るもの(試験片2〜6、10〜14)の写像性は40%以上であり、見た目の光沢感も良好で、インクのにじみも全く見られなかった。また、各試験片に傷は全く見られなかった。
しかし、インク受容層表面のマイクロトポグラフによるRp =0.5μmの試験片1には、インクにじみが見られた。
また、インク受容層表面のマイクロトポグラフによるRp =5.3μmの試験片7とRp =10.0μmの試験片8の写像性の数値は低く、見た目の光沢感も悪かった。特に、試験片8は、インク受容層を設けた面とは反対側の原紙面のマイクロトポグラフによるRp が11.3μmと高いので、写像性の数値はかなり低い。
また、試験片9は、インク受容層表面のマイクロトポグラフによるRp =3.0μmであるが、インク受容層を設けた面とは反対側の原紙面のマイクロトポグラフによるRp が10.8μmと高いので、写像性の数値は低く、見た目の光沢感も悪かった。
さらに、キャストドラムの表面最大粗さが5.2μmの試験片15と10.0μmの試験片16の写像性の数値は低く、見た目の光沢感も悪かった。
また、試験片17はキャストドラムの表面最大粗さが3.0μmであるが、インク受容層を設けた面とは反対側の原紙面のマイクロトポグラフによるRp が10.5μmと高いので、写像性の数値は低く、見た目の光沢感も悪かった。
キャスト処理方式の一例を説明するための図である。 試験片からの受光波形の例を示す図である。 カレンダの一例を示す概略構成図である。
符号の説明
1 用紙
2 押圧ロール
3 キャストドラム
5 原紙
6 金属ロール
7 弾性ロール

Claims (4)

  1. 原紙上にインク受容層を有し、前記インク受容層上に光沢層が設けられたインクジェット記録用紙において、インク受容層表面のマイクロトポグラフによる20kg/cm2加圧下での平滑度が、Rp =1.0〜5.0μmであり、光沢層表面のマイクロトポグラフによる20kg/cm2加圧下での平滑度が、Rp =2.0μm以下であることを特徴とするインクジェット記録用紙。
  2. 光沢層を設ける面とは反対側の原紙面のマイクロトポグラフによる20kg/cm2加圧下での平滑度が、Rp =5.0〜10.0μmであることを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録用紙。
  3. JIS−H8686−2に従って測定された光沢層表面の写像性が40(%)以上であることを特徴とする請求項1または2記載のインクジェット記録用紙。
  4. 原紙上にインク受容層を有し、前記インク受容層上に光沢層が設けられたインクジェット記録用紙を製造する方法において、インク受容層表面のマイクロトポグラフによる20kg/cm2加圧下での平滑度が、Rp =1.0〜5.0μmとなり且つ光沢層を設ける面とは反対側の原紙面のマイクロトポグラフによる20kg/cm2加圧下での平滑度が、Rp =5.0〜10.0μmとなるように、光沢層を設ける面とは反対側の原紙面およびインク受容層に対してカレンダリングによる平滑化処理を同時に行い、次いで、光沢層表面のマイクロトポグラフによる20kg/cm2加圧下での平滑度が、Rp =2.0μm以下となるように、光沢層に対してキャスト法にて平滑化処理を行うことを特徴とするインクジェット記録用紙の製造方法。
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