JP2006296806A - 手術用顕微鏡装置 - Google Patents

手術用顕微鏡装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2006296806A
JP2006296806A JP2005124059A JP2005124059A JP2006296806A JP 2006296806 A JP2006296806 A JP 2006296806A JP 2005124059 A JP2005124059 A JP 2005124059A JP 2005124059 A JP2005124059 A JP 2005124059A JP 2006296806 A JP2006296806 A JP 2006296806A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
illumination
slit
illumination light
lens
optical system
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005124059A
Other languages
English (en)
Inventor
Nobuaki Kitajima
延昭 北島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Topcon Corp
Original Assignee
Topcon Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Topcon Corp filed Critical Topcon Corp
Priority to JP2005124059A priority Critical patent/JP2006296806A/ja
Priority to EP06007197A priority patent/EP1714627A3/en
Priority to US11/406,378 priority patent/US7393103B2/en
Publication of JP2006296806A publication Critical patent/JP2006296806A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B3/00Apparatus for testing the eyes; Instruments for examining the eyes
    • A61B3/10Objective types, i.e. instruments for examining the eyes independent of the patients' perceptions or reactions
    • A61B3/13Ophthalmic microscopes
    • A61B3/135Slit-lamp microscopes
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61FFILTERS IMPLANTABLE INTO BLOOD VESSELS; PROSTHESES; DEVICES PROVIDING PATENCY TO, OR PREVENTING COLLAPSING OF, TUBULAR STRUCTURES OF THE BODY, e.g. STENTS; ORTHOPAEDIC, NURSING OR CONTRACEPTIVE DEVICES; FOMENTATION; TREATMENT OR PROTECTION OF EYES OR EARS; BANDAGES, DRESSINGS OR ABSORBENT PADS; FIRST-AID KITS
    • A61F9/00Methods or devices for treatment of the eyes; Devices for putting-in contact lenses; Devices to correct squinting; Apparatus to guide the blind; Protective devices for the eyes, carried on the body or in the hand
    • A61F9/007Methods or devices for eye surgery

Landscapes

  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Medical Informatics (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Ophthalmology & Optometry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Heart & Thoracic Surgery (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Surgery (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Microscoopes, Condenser (AREA)
  • Eye Examination Apparatus (AREA)

Abstract

【課題】 前置レンズを交換するときに照明光と観察光の好適な分離状態を容易かつ迅速に得られる手術用顕微鏡装置を提供する。
【解決手段】 照明光学系20は、スリット幅の異なるスリット穴24a1〜24a3が形成されたスリット板24を有する。屈折力の異なる複数の前置レンズ13A〜13Cは、それぞれ収納部174A〜174Cと一体形成されている。収納部174A〜174Cは上昇規制部材172に装着される。上昇規制部材172はマイクロスイッチ178A〜178Cを備える。収納部174A〜174Cはそれぞれ突出部179A〜179Cを有し、装着時にマイクロスイッチ178A〜178Cの1つをONにする。制御部60は、ONとなったマイクロスイッチからの検出信号に基づいて照明光の照明角度とスリットのスリット幅を設定する。
【選択図】 図9

Description

本発明は、眼科手術において使用される手術用顕微鏡装置に関し、特に、照明光を集束させて眼内を照明する前置レンズを備えた手術用顕微鏡装置に関するものである。
従来、眼科分野における網膜硝子体手術においては、図13に示すように、被手術眼Eの角膜Ec上に手術用コンタクトレンズ200を載置するとともに、眼内にライトガイド(光ファイバ)201を挿入して手術部位を照明しつつ、カッターや鉗子等の手術器具202を眼内に挿入して手術を行っていた。なお、同図において、符号Ecは角膜を示し、符号Evは硝子体腔を示している。この図13に示す手術方法では、術者は、一方の手にライトガイド201を把持するとともに他方の手に手術器具202を把持した状態で手術を行わなければならず、細かな手術を行いにくいなどの問題が指摘されていた。
そのような問題に対処するため、被手術眼と対物レンズの前側焦点位置との間に、照明光を集束させて眼内を照明する前置レンズを備えた手術用顕微鏡装置が提案されている(たとえば特許文献1参照)。前置レンズは、屈折力の異なるものが複数個用意されており、眼底Erの観察位置などに応じて適宜選択されて手術用顕微鏡装置に装着される。
図14は、前置レンズを有する手術用顕微鏡装置100の外観構成を示している。手術用顕微鏡装置100は、装置を支持する支柱2と、この支柱2の上端に一端が接続された第1アーム3と、この第1アーム3の他端に一端が接続された第2アーム4と、この第2アーム4の他端に接続された駆動装置5と、この駆動装置5により懸架された術者用顕微鏡6と、この術者用顕微鏡6に付設された助手用顕微鏡7と、各種操作を足で行うためのフットスイッチ8とを含んで構成されている。駆動装置5は、術者等による操作に応じて、術者用顕微鏡6と助手用顕微鏡7を上下方向及び水平方向に三次元的に移動させるように作用する。
術者用顕微鏡6は、各種光学系や駆動系などを収納する鏡筒部10を有する。鏡筒部10の上部には、倒像として得られる観察像を正立像に変換する公知の光学ユニット(像正立プリズム)を収納したインバータ部12が設けられている。インバータ部12の上部には、左右一対の接眼部11L、11Rが設けられている。術者は、この接眼部11L、11Rをのぞき込んで被手術眼Eを両眼で観察する。
また、術者用顕微鏡6には、前置レンズ13が保持アーム14を介して接続されている。保持アーム14の上端部は垂直方向に回動可能に枢設されており、前置レンズ13を被手術眼Eと対物レンズ(図示せず)の前側焦点との間の位置から退避できるようになっている。この退避された前置レンズ13及び保持アーム14は、図示しない収納部に収納される。
しかし、有水晶体眼(phakia)や擬水晶体眼(pseudophakia)を観察対象とする場合、水晶体や眼内レンズ(IOL)による比較的弱度の反射光によって観察像の明瞭性が低減される。また、強膜による散乱光も観察像のコントラストを悪化させる要因となっている。
このようなことを考慮すると、手術用顕微鏡装置は、(1)照明野の大きさ及び形状を変更できること、(2)照明野を移動できること、(3)観察光学系の光軸(観察光軸)と照明光学系の光軸(照明光軸)との角度(照明角度)を変更できること、などの機能を備えていることが望まれる。(1)、(2)を実現するための構成としては、照明光学系にスリット機構を組み込み、眼内をスリット光で照明する手法が知られている(たとえば特許文献1参照)。
そのような手術用顕微鏡装置の光学系の構成を図15に示す。この光学系は、図14の手術用顕微鏡装置100においては術者用顕微鏡6の鏡筒部10に収納されており、照明光学系20と観察光学系30とを含んで構成される。なお、図15は助手用顕微鏡7側から見たときの光学系の側面図である。
観察光学系30は、対物レンズ15の光軸Oを挟んでその両側に左右一対設けられている。この左右の観察光学系30は、ズームレンズ系31、ビームスプリッタ32、結像レンズ33、像正立プリズム34、眼幅調整プリズム35、視野絞り36及び接眼レンズ37を有している。ズームレンズ系31は複数のズームレンズ31a、31b、31cから構成される。ビームスプリッタ32は、被手術眼Eからの観察光の一部を分離して助手用顕微鏡7やTVカメラ(図示せず)に導くためのものである。
照明光学系20は、照明光源21、コンデンサレンズ22、照明野絞り23、スリット板24、照明プリズム25及びコリメータレンズ27を含んで構成されている。
スリット板24にはスリット穴24aが形成されている。また、スリット板24は、照明光学系20の照明光路に対して挿脱可能とされており、特に、照明光路に挿入されているときには照明光軸O′に直交する方向に可動されるように構成されている。スリット穴24aは、照明光軸O′とスリット板24の可動方向との双方に直交する方向に形成され、その眼底上における投影像は、観察光学系30の左右の観察光軸を含む面に対して平行に延びる形状に形成される。
照明野絞り23は、対物レンズ15の前側焦点位置Fと光学的に共役な位置に設けられている。また、スリット板24は、照明野絞り23の近傍に配設されており、そのスリット穴24aは、対物レンズ15の前側焦点位置Fに対して光学的にほぼ共役な位置に形成されている。更に、対物レンズ15は、その前側焦点位置Fが眼底Er(網膜)に共役となるように配置される。
照明光源21は、術者用顕微鏡6の鏡筒部10内に収納されている構成のほか、鏡筒部10の外部に設けられて、照明光を光ファイバで鏡筒部10内のコンデンサレンズ22に導く構成を採用することが可能である。
従来の手術用顕微鏡装置では、手術用コンタクトレンズの表面や角膜による照明光の反射光が観察光学系に入射してグレアーを発生しないように、反射光を生じる境界面において照明光路と観察光路とを分離して配置させる構成が採用されている。
図16は、被手術眼Eの角膜Ecにおける照明光路と観察光路との好適な分離状態を表している。ここで、図16(A)は、屈折力が40ディオプタ(D)の前置レンズ13Aを使用した場合に対応し、図16(B)は、80Dの前置レンズ13Bを使用した場合に対応している。また、図17は、図16(A)の分離状態を観察光学系30の上方から見た場合を表し、図18は、図16(B)の分離状態を観察光学系30の上方から見た場合を表している。
図16(A)の40Dの前置レンズ13Aは、眼底Er及びその近傍を観察するときに選択使用される。前置レンズ13Aにより集束された照明光301は、対物レンズ15の光軸Oから離れた角膜Ec上の領域301aを通過して眼内に入射し、眼底Er及びその近傍を照明する。一方、眼底Er及びその近傍による照明光301の反射光(観察光)401は、対物レンズ15の光軸Oを含む領域401aを通過して眼内から出射して前置レンズ13Aに向かって進行する。ここで、角膜Ecにおける照明光301の通過領域301aと観察光401の通過領域401aとを互いに交わらない位置に形成するようにして、照明光301の角膜反射光が観察光401に混入しないようにする必要がある。
このとき、照明光路Tと左右の観察光路QL、QRとは、対物レンズ15上において、図17(A)に示すような分離状態になっている。また、角膜Ec上においては、照明光の通過領域301aと、左観察光学系に入射する観察光401の通過領域401aLと、右観察光学系に入射する観察光401の通過領域401aRとは、図17(B)に示すような分離状態になっている。
一方、図16(B)の80Dの前置レンズ13Bは、眼底Erから離れた部位を観察するときに選択使用される。この場合も、角膜Ecにおける照明光302の通過領域302aと観察光402の通過領域402aとを互いに交わらない位置に形成して、照明光302の角膜反射光が観察光402に混入しないようにする必要がある。
このとき、照明光路Tと左右の観察光路QL、QRとは、対物レンズ15上において、図18(A)に示すような分離状態になっている。また、角膜Ec上においては、照明光の通過領域302aと、左観察光学系に入射する観察光402の通過領域402aLと、右観察光学系に入射する観察光401の通過領域402aRとは、図18(B)に示すような分離状態になっている。
また、手術用コンタクトレンズを使用する場合には、図示は省略するが、その表面における照明光の通過領域と観察光の通過領域とを分離するとともに、角膜における双方の通過領域についても分離してやる必要がある。
照明光と観察光との分離状態は、被手術眼Eが対物レンズ15の光軸O方向に大きく変位すると崩れてしまう。したがって、手術中における被手術眼Eの動きの変位量を勘案して、図16〜図18に示したような好適な分離状態を確保する必要がある。
従来の手術用顕微鏡装置では、術者等が手作業でそのような分離状態を確保していた。しかし、その作業を行う者が熟練者でない場合などには、上記の好適な分離状態を実現することは困難であった。
また、図16に示したように、照明光と観察光との好適な分離状態は、前置レンズ13の屈折力に対応して変化するので、前置レンズ13を交換する度毎に照明光の照明角度やスリット幅を調整して好適な分離状態を確保しなければならなかったため、操作が面倒であった。更に、手術中に前置レンズ13を交換すると、分離状態の確保に時間が掛かり、手術がいたずらに長引くおそれもあった。
特開2003−62003号公報
本発明は、そのような事情に鑑みてなされたもので、前置レンズを交換するときに、照明光と観察光との好適な分離状態を容易かつ迅速に取得できる手術用顕微鏡装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、被手術眼に対して照明光を所定の照明角度で照射する照明光学系と、対物レンズと、前記被手術眼と前記対物レンズの前側焦点との間の使用位置に設けられ、前記照明光学系からの前記照明光を集束させて前記被手術眼の内部を照明する前置レンズと、接眼レンズを含み、前記前置レンズと前記対物レンズとを経由した前記被手術眼による前記照明光の反射光を前記接眼レンズまで導く観察光学系と、を有する手術用顕微鏡装置において、屈折力の異なる複数の前置レンズが前記使用位置に択一的に配置され、前記複数の前置レンズの内、前記使用位置に配置される前記前置レンズを識別する識別情報を入力する入力手段と、前記照明光学系を制御して、前記照明光の照明角度を前記入力された前記識別情報に対応する照明角度に設定する制御手段と、を備えていることを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、被手術眼に対して照明光を所定の照明角度で照射する照明光学系と、対物レンズと、前記被手術眼と前記対物レンズの前側焦点との間の使用位置に設けられ、前記照明光学系からの前記照明光を集束させて前記被手術眼の内部を照明する前置レンズと、接眼レンズを含み、前記前置レンズと前記対物レンズとを経由した前記被手術眼による前記照明光の反射光を前記接眼レンズまで導く観察光学系と、を有する手術用顕微鏡装置において、前記照明光学系は、前記照明光の一部を通過させるスリットを形成し、そのスリット幅を変更可能とするスリット手段を含み、屈折力の異なる複数の前置レンズが前記使用位置に択一的に配置され、前記複数の前置レンズの内、前記使用位置に配置される前記前置レンズを識別する識別情報を入力する入力手段と、前記スリット手段を制御して、前記スリットのスリット幅を前記入力された前記識別情報に対応するスリット幅に設定する制御手段と、を備えていることを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、被手術眼に対して照明光を所定の照明角度で照射する照明光学系と、対物レンズと、前記被手術眼と前記対物レンズの前側焦点との間の使用位置に設けられ、前記照明光学系からの前記照明光を集束させて前記被手術眼の内部を照明する前置レンズと、接眼レンズを含み、前記前置レンズと前記対物レンズとを経由した前記被手術眼による前記照明光の反射光を前記接眼レンズまで導く観察光学系と、を有する手術用顕微鏡装置において、前記照明光学系は、前記照明光の一部を通過させるスリットを形成し、そのスリット幅を変更可能とするスリット手段を含み、屈折力の異なる複数の前置レンズが前記使用位置に択一的に配置され、前記複数の前置レンズの内、前記使用位置に配置される前記前置レンズを識別する識別情報を入力する入力手段と、前記照明光学系を制御して、前記照明光の照明角度を前記入力された前記識別情報に対応する照明角度に設定するとともに、前記スリット手段を制御して、前記スリットのスリット幅を前記入力された前記識別情報に対応するスリット幅に設定する制御手段と、を備えていることを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1又は請求項3に記載の手術用顕微鏡装置であって、前記制御手段は、前記複数の前置レンズのそれぞれに対応する前記照明光の照明角度を指定する照明角度情報を記憶した照明角度情報記憶手段を含み、前記照明角度情報を参照して前記入力された前記識別情報により識別される前置レンズに対して指定された照明角度を取得し、前記照明光の照明角度を当該取得された照明角度に設定する、ことを特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、請求項2又は請求項3に記載の手術用顕微鏡装置であって、前記制御手段は、前記複数の前置レンズのそれぞれに対応する前記スリット幅を指定するスリット幅情報を記憶したスリット幅情報記憶手段を含み、前記スリット幅情報を参照して前記入力された前記識別情報により識別される前置レンズに対して指定されたスリット幅を取得し、前記スリット手段のスリット幅を当該取得されたスリット幅に設定する、ことを特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、請求項1、請求項3及び請求項4のいずれか一項に記載の手術用顕微鏡装置であって、前記照明光学系は、照明光を出力する出力手段と、前記出力手段からの照明光の出力位置を変更する出力位置変更手段とを含み、前記制御手段は、前記出力位置変更手段による前記照明光の前記出力位置を変更することにより前記照明光の照明角度を変更する、ことを特徴とする。
また、請求項7に記載の発明は、請求項2、請求項3及び請求項5のいずれか一項に記載の手術用顕微鏡装置であって、前記スリット手段は、スリット幅の異なる複数のスリット穴が形成されたスリット部材と、前記スリット部材を駆動して前記複数のスリット穴のいずれか一つを前記照明光の光路上に配置させる駆動手段とを含み、前記制御手段は、前記駆動手段を制御して前記光路上に配置させるスリット穴を変更することにより前記スリット幅を変更する、ことを特徴とする。
また、請求項8に記載の発明は、請求項1、請求項3、請求項4及び請求項6のいずれか一項に記載の手術用顕微鏡装置であって、前記照明光の照明角度を変更するための第1の操作手段を更に備え、前記制御手段は、前記入力手段により入力された前記識別情報に対応する複数の前記照明角度を指定するとともに、前記第1の操作手段からの操作に応じて前記照明光学系を制御して前記指定された複数の前記照明角度の照明光を択一的に切り換えて設定する、ことを特徴とする。
また、請求項9に記載の発明は、請求項2、請求項3、請求項5及び請求項7のいずれか一項に記載の手術用顕微鏡装置であって、前記スリットのスリット幅を変更するための第2の操作手段を更に備え、前記制御手段は、前記入力手段により入力された前記識別情報に対応する複数の前記スリット幅を指定するとともに、前記第2の操作手段からの操作に応じて前記スリット手段を制御して前記指定された複数の前記スリット幅のスリットを択一的に切り換えて設定する、ことを特徴とする。
また、請求項10に記載の発明は、請求項1ないし請求項9のいずれか一項に記載の手術用顕微鏡装置であって、前記複数の前置レンズのそれぞれ或いはそれと一体に形成された部材には、前記識別情報の入力を指示する入力指示手段が設けられ、前記入力手段は、前記入力指示手段による指示を検出する検出手段を含み、その検出結果に対応する前記識別情報を前記制御手段に入力する、ことを特徴とする。
請求項1に記載の手術用顕微鏡装置によれば、複数の前置レンズの内、使用位置に配置される前置レンズを識別する識別情報が入力されると、照明光の照明角度をその識別情報に対応する照明角度に自動的に設定するように構成されているので、使用される前置レンズに応じた照明光と観察光との好適な分離状態を容易かつ迅速に取得することが可能となる。
請求項2に記載の手術用顕微鏡装置によれば、複数の前置レンズの内、使用位置に配置される前置レンズを識別する識別情報が入力されると、スリットのスリット幅をその識別情報に対応するスリット幅に自動的に設定するように構成されているので、使用される前置レンズに応じた照明光と観察光との好適な分離状態を容易かつ迅速に取得することが可能となる。
請求項1に記載の手術用顕微鏡装置によれば、複数の前置レンズの内、使用位置に配置される前置レンズを識別する識別情報が入力されると、照明光の照明角度をその識別情報に対応する照明角度に自動的に設定し、更に、スリットのスリット幅をその識別情報に対応するスリット幅に自動的に設定するように構成されているので、使用される前置レンズに応じた照明光と観察光との好適な分離状態を容易かつ迅速に取得することが可能となる。
本発明に係る手術用顕微鏡装置の好適な実施形態の一例について、図面を参照しながら詳細に説明する。
〈第1の実施形態〉
[外観構成]
本発明に係る手術用顕微鏡装置の第1の実施形態は、従来と同様の外観構成を備えている(図14参照)。本実施形態の手術用顕微鏡装置1は、装置を支持する支柱2と、この支柱2の上端に接続された第1アーム3と、この第1アーム3に接続された第2アーム4と、この第2アーム4に接続された駆動装置5と、この駆動装置5により懸架された術者用顕微鏡6と、この術者用顕微鏡6に付設された助手用顕微鏡7と、各種操作を足で行うためのフットスイッチ8とを含んで構成される。
術者用顕微鏡6は、各種光学系や駆動系などを収納する鏡筒部10を有する。鏡筒部10の上部には、倒像として得られる観察像を正立像に変換する光学ユニット(像正立プリズム)を収納したインバータ部12が設けられ、このインバータ部12の上部には、左右一対の接眼部11L、11Rが設けられている。
また、術者用顕微鏡6には、前置レンズ13が保持アーム14を介して接続されている。前置レンズ13は、被手術眼Eと対物レンズ15の前側焦点位置との間の位置(「使用位置」と呼ぶ。)に配置され、照明光を集束させて被手術眼Eの眼内を照明する。前置レンズ13は、異なる屈折力(たとえば40D、80D、120D等)を有する複数個が用意されており、観察部位に応じて択一的に使用される。前置レンズ13の着脱態様については後述する。
図1は、術者用顕微鏡6に対する前置レンズ13の接続態様を示している。鏡筒部10の下端には、対物レンズ15が設けられている。また、鏡筒部10の術者側の側面には、屈折力の異なる複数の前置レンズ13の内、どの前置レンズ13を使用するかを選択入力するために操作されるスイッチ167が配設されている。このスイッチ167は、複数の前置レンズ13と同数(たとえば3個)設けられており、操作者は、使用する前置レンズ13に対応するスイッチ167を選択的に操作することで、当該前置レンズ13が選択的に使用される旨を入力する。なお、スイッチ167は、このような形態に限定されるものではなく、複数の前置レンズ13の内のいずれを使用するかを選択入力可能なスイッチ、たとえばダイヤル式などの他の形態のスイッチであってよい。また、スイッチ167は着脱可能な滅菌キャップで覆われており、手術中における患者への菌の感染を防止するようになっている。
前置レンズ13は、その周囲を取り囲むように形成された保持板141aにより保持されている。また、保持板141aは、枢軸141bを介してアーム部141に接続されており、枢軸141bを中心に回動可能とされている。保持板141aには傾斜部141cが形成されている。
アーム部141の上端部分にはコイルスプリング154が巻回されている。アーム部141の上端は枢軸174aによって収納部174の一端に枢設されている。また、アーム部141には、術者側から見て左右方向に延びる前置レンズ操作ノブが設けられており(図示せず)、術者は、この前置レンズ操作ノブを把持して保持アーム14を枢軸174aを中心に旋回させることで、前置レンズ13を前述の使用位置と後述の収納位置とにそれぞれ配置させることができる。
術者用顕微鏡6には、上部にフリンジ部171aを有する昇降アーム171と、昇降アーム171の下部に接続された接続部171bと、この接続部171bに接続された上昇規制部材172と、接続部171bに挿通して設けられた連結ノブ173と、前置レンズ13と保持アーム14とが収納される収納部174とが設けられている。
また、術者用顕微鏡6は、昇降アーム171を支持する昇降アーム支持部材176を上下方向に駆動するための駆動部175を備えている。昇降アーム171は、昇降アーム支持部材176を挿通して設けられている。また、昇降アーム171は、フリンジ部171aにより昇降アーム支持部材176からの落下が防止されている。結局、駆動部175が昇降アーム支持部材176を上下に移動させることにより、前置レンズ13も一体的に上下に移動されて、対物レンズ15との間の距離が変位される。
また、本体部6aの下部には、前述の上昇規制部材172とともに前置レンズ13等の上方への移動範囲を規制する上昇規制部材177が取り付けられている。この上昇規制部材177には連結穴177aが形成されている。連結ノブ173は回転ネジにより構成されており、それを所定方向に回転させると、回転ネジの足部が連結穴177aに嵌入される。それにより、前置レンズ13、保持アーム14、収納部174などが本体部6aに連結される。なお、本体部6aへの連結は、駆動部175によって前置レンズ13等を一体的に上昇させて、連結ノブ173の回転ネジの足部の高さを連結穴177aに合わせた後に行う。
図1(A)に示す前置レンズ13は、被手術眼Eと対物レンズ15との間の使用位置に挿入された状態、即ち使用状態を示している。この状態から前置レンズ13を収納する場合、術者は、前述の前置レンズ操作ノブを把持して保持アーム14を上方に旋回させ、前置レンズ13と保持アーム14を収納部174に収納する。一方、収納部174に収納された前置レンズ13を使用状態にするには、逆の要領で保持アーム14を下方に旋回させる。
図1(B)は、前置レンズ13と保持アーム14が収納位置に配置している状態が示されている。収納部174の下面には、収納部174の長手方向に沿って凹状の収納部が形成されている。保持アーム14は、この収納部内に収納される。また、保持板141aは、枢軸141bを軸に回動されて折り曲げられた状態で収納されている。これは、保持板141aの傾斜部141cと、収納部174の端部に取り付けられた接触部材174bとの作用によるものである。すなわち、アーム部141が上方に旋回されると傾斜部141cが接触部材174bに接触し、傾斜部141cの傾斜に案内されて保持板141aが枢軸141bを軸に回動する。それにより、保持板141aは自動的に折り曲げられて収納される。
〔前置レンズの着脱態様〕
収納部174は、上昇規制部材172に対して着脱可能に形成されている。このように着脱可能に構成するのは、手術後などに前置レンズ13や保持アーム14を滅菌するときに術者用顕微鏡6から取り外す必要があるためである。なお、収納部174から前置レンズ13までは一体的に構成されている。前置レンズ13等を取り外しても、前置レンズの無い手術用顕微鏡装置として使用できる。
図2は、上昇規制部材172に対する収納部174の接続態様の一例を表している。収納部174は、枢軸174aと接触部材174cとを結ぶ方向(図1(A)における左右方向)を長手方向(長さ方向)とする形状を有する。また、上昇規制部材172は、同じく図1(A)における左右方向を長手方向(長さ方向)とする形状を有している。図2(A)は、上昇規制部材172及び収納部174の短手方向(幅方向)の断面図であり、図2(B)は、それらの長手方向の透視図である。
図2(A)に示すように、上昇規制部材172は、その下面側にフリンジ状の接続レール部172を有している。この接続レール部172aは、上昇規制部材172の長さ方向に沿って形成されたレール形状を有し、幅方向に沿ってフリンジを有している。
収納部174は、保持アーム14が収納される収納スペース174cをその下面側に形成している。また、収納部174の上面側には、長さ方向に沿って凹状の接続レール受け174eが形成されている。この接続レール受け174eは、収納部174の上面の幅方向両側から内側方向に向けて突出され、かつ、長さ方向に延びた形状を有する突出部174dによって形成されている。
収納部174を上昇規制部材172に装着する場合は、収納部174の接続レール受け174eの接触部材174c側の端部を、上昇規制部材172の接続レール部172aの連結ノブ173側の端部に合わせ、接続レール部172aを接続レール受け174eに嵌入するように接続レール受け174eを接触部材174c方向に移動させてやる。
一方、収納部174を上昇規制部材172から取り外す場合には、逆に、接続レール受け174eを枢軸174a方向に移動させてやる。
更に、図2(B)に示すように、上昇規制部材172の連結ノブ173側の端面上にはマイクロスイッチ178が設けられている。また、収納部174の接続レール受け174eの枢軸174a側の端面上には突出部179が設けられている。
ところで、前述したように、前置レンズ13は、屈折力の異なるものが複数個用意されている。以下、屈折力40Dの前置レンズ13を符号13Aで、屈折力80Dの前置レンズ13を符号13Bで、屈折力120Dの前置レンズ13を符号13Cで、それぞれ表すこととする。
また、前置レンズ13から収納部174までは一体的に構成されている。そこで、前置レンズ13Aと一体の収納部174を符号174Aで、前置レンズ13Bと一体の収納部174を符号174Bで、前置レンズ13Cと一体の収納部174を符号174Cで、それぞれ表すこととする。
図3、図4は、上昇規制部材172のマイクロスイッチ178及び各収納部174A、174B、174Cの突出部179の形態を表している。なお、図3(A)、図4(A)は屈折力40Dの前置レンズ13Aが使用される場合に相当し、図3(B)、図4(B)は屈折力80Dの前置レンズ13Bが使用される場合に相当し、図3(C)、図4(C)は屈折力120Dの前置レンズ13Cが使用される場合に相当する。
上昇規制部材172のマイクロスイッチ178は、上昇規制部材172の連結ノブ173側の端面172b上に配設された3つのマイクロスイッチ178A、178B、178Cを含んで構成される。これら3つのマイクロスイッチ178A、178B、178Cは、上昇規制部材172の幅方向に沿って一直線上に配置されている。
一方、前置レンズ13と一体に構成された収納部174の接続レール受け174eの枢軸174a側の端面上には、単一の突出部179が設けられている。前置レンズ13Aと一体構成の収納部174Aの突出部179Aは、図3(A)、図4(A)に示すように、上昇規制部材172のマイクロスイッチ178Aに対応する位置に配置されている。また、前置レンズ13Bと一体構成の収納部174Bの突出部179Bは、図3(B)、図4(B)に示すように、上昇規制部材172のマイクロスイッチ178Bに対応する位置に配置されている。また、前置レンズ13Cと一体構成の収納部174Cの突出部179Cは、図3(C)、図4(C)に示すように、上昇規制部材172のマイクロスイッチ178Cに対応する位置に配置されている。
収納部174Aを上昇規制部材172に装着する場合、収納部174Aの突出部179Aは、図4(A)に示すように、上昇規制部材172のマイクロスイッチ178Aに向かって進行し、最終的にこのマイクロスイッチ178Aに衝突してそれをONに切り換える。このとき、他のマイクロスイッチ178B、178CはOFF状態のままとされる。同様に、収納部174Bを上昇規制部材172に装着する場合には、収納部174Bの突出部179Bは、図4(B)に示すようにマイクロスイッチ178Bに向かって進行してそれをONに切り換える。このとき、他のマイクロスイッチ178A、178CはOFF状態のままとされる。更に同様に、収納部174Cを上昇規制部材172に装着する場合には、収納部174Cの突出部179Cは、図4(C)に示すようにマイクロスイッチ178Cに向かって進行してそれをONに切り換える。このとき、他のマイクロスイッチ178A、178BはOFF状態のままとされる。
マイクロスイッチ178A、178B、178Cは、それぞれ、突出部179A、179B、179CによりONに切り換えられたことに対応して電気信号(検出信号)を出力する。このとき、マイクロスイッチ178A、178B、178Cは、それぞれ異なる検出信号を出力する。出力された検出信号は、後述の制御部に入力される。
各マイクロスイッチ178A〜178Cから出力される検出信号は、たとえば電圧やパルス数が相異するようになっており、前置レンズ13A〜13Cのうちのいずれが使用されるか(すなわち使用位置に配置されるか)を判別するために用いられる。この検出信号は、本発明の「識別情報」の一例に相当する。
マイクロスイッチ178A〜178Cは、そのような検出信号を後述の制御部に入力する本発明の「入力手段」の一例に相当する。
突出部179A〜179Cは、本発明の「入力指示手段」の一例に相当し、マイクロスイッチ178A〜178Cを択一的にONにして、使用される前置レンズ13A〜13Cを識別する検出信号を後述の制御部に入力させるように作用する。このとき、マイクロスイッチ178A〜178Cは、突出部179A〜179Cによる検出信号入力の指示を検出する本発明の「検出手段」の一例に相当する。
[光学系の構成]
図5、図6は、本実施形態の手術用顕微鏡装置1が備える光学系の構成を表している。ここで、図5は助手用顕微鏡7側からの側面図であり、図6は術者側からの側面図である。なお、従来の手術用顕微鏡装置と同様の構成部分については図15と同じ符号を用いることとし、また、以下の説明中における上下左右方向は、特に言及しない限り術者側から見た場合の方向とする。
〔観察光学系〕
観察光学系30は、図6に示すように、対物レンズ15の光軸Oを挟んで左右一対設けられた左観察光学系30Lと右観察光学系30Rとを含んで構成される。ここで、符号OLは左観察光学系30Lの観察光軸を示し、符号ORは右観察光学系30Rの観察光軸を示す。左右の観察光学系30L、30Rは、それぞれ、ズームレンズ系31、ビームスプリッタ32(右観察光学系30Rのみ)、結像レンズ33、像正立プリズム34、眼幅調整プリズム35、視野絞り36及び接眼レンズ37を有する。ズームレンズ系31は複数のズームレンズ31a、31b、31cを有する。
右観察光学系30Rのビームスプリッタ32は、被手術眼Eから観察光軸ORに沿って導光された観察光の一部を分離してTVカメラ撮像系に導く。このTVカメラ撮像系は、結像レンズ54、反射ミラー55及びTVカメラ56を含んで構成される。TVカメラ56は、CCD等の撮像素子56aを備えている。
助手用顕微鏡7は、対物レンズ15を経由する助手の左右眼用の左右の観察光路を形成する光学系を備える。この助手用顕微鏡7の光学系は、図6に示すように、対物レンズ15を経由しプリズム50の反射面50aにて反射された被手術眼Eからの観察光を結像させる結像レンズ51と、反射ミラー52と、接眼レンズ53とを含んでいる。なお、助手用顕微鏡7に専用のズームレンズ系(図示せず)を設けるようにしてもよい。その場合、助手用顕微鏡7による観察像のズーム倍率を観察光学系30のズームレンズ系31による(術者用の)ズーム倍率に連動させるように制御することが望ましい。助手用顕微鏡7の光学系の入射瞳は、プリズム50の反射面50aとなっている。
〔照明光学系〕
照明光学系20は、図5に示すように、照明光源21、光ファイバ21a、コンデンサレンズ22、照明野絞り23、スリット板24、照明プリズム25、出射口絞り26及びコリメータレンズ27を含んで構成される。
照明野絞り23は、対物レンズ15の前側焦点位置Fと光学的に共役な位置に設けられている。また、スリット板24のスリット穴24aは、前側焦点位置Fに対して光学的にほぼ共役な位置に形成されている。更に、被手術眼Eの観察時には、対物レンズ15の前側焦点位置Fが眼底Er(網膜)に共役になるように、術者用顕微鏡6の鏡筒部10の上下位置が調整される。
本実施形態における照明光源21は、術者用顕微鏡6の鏡筒部10の外部に設けられている。この照明光源21には光ファイバ21aの一端が接続されている。光ファイバ21aの他端は、鏡筒部10内のコンデンサレンズ22に臨む位置に配置されている。照明光源21から出力された照明光は、光ファイバ21aの上記他端から出力されてコンデンサレンズ22に入射する。ここで、照明光源21及び光ファイバ21aは、照明光を出力する本発明の「出力手段」の一例に相当する。
光ファイバ21の上記他端(出射口)に臨む位置には、出射口の任意領域を遮蔽する出射口絞り26が配設されている。出射口絞り26により遮蔽される出射口の領域が変更されると、照明光の出射領域が変更される。たとえば、出射口絞り26が出射口の上側領域を遮蔽した場合、照明光は出射口の下側領域のみから出射され、照明プリズム25の反射面25aの上側領域にて反射される。また、出射口の下側領域を遮蔽した場合、照明光は出射口の上側領域のみから出射され、照明プリズム25の反射面25aの下側領域にて反射される。したがって、光ファイバ21aの出射口の上側領域が遮蔽されたときの照明角度(たとえば7度)は、下側領域が遮蔽されたときの照明角度(たとえば4度)よりも大きくなる。ここで、照明角度とは、観察光学系30の光軸OL、OR(対物レンズ15の光軸O)に対して被手術眼Eに入射する照明光軸O′が成す角度(図5の左右方向における角度)を表す。
スリット板24は、本発明の「スリット部材」の一例に相当し、図7に示すように、長方形状の複数(たとえば3つ)のスリット穴24a1、24a2、24a3が形成された、遮光性を有するたとえば円盤状の部材によって構成される。スリット板24に形成された複数のスリット穴は、それぞれ異なるスリット幅を有している。本実施形態では、3つのスリット穴24a1、24a2、24a3のスリット幅を、それぞれ、2.5mm、5mm、9mmに設定する。なお、スリット穴の個数やスリット幅は、以上のケースに限定されるものではなく、適宜に構成することが可能である。
また、スリット板24は、その中心部に回動軸24bを有している。この回動軸24bは、スリット板24を回転駆動する後述のスリット板回動機構に接続されている。各スリット穴24a1、24a2、24a3は、回動中心からそれぞれ等距離の位置に形成され、スリット板回動機構によって照明光学系20の照明光路上に択一的に配置されるようになっている。このとき、照明光路上に配置されたスリット穴24a1、24a2、24a3が図5におけるスリット穴24aとして作用する。
また、スリット板24(及びスリット板回動機構)は、後述のスリット板移動機構により、照明光学系20の照明光軸O′に直交する方向(図5に示す矢印Aの方向)に移動されるようになっている。
コリメータレンズ27は、スリット穴24aを通過した照明光を平行光束にする。平行光束とされた照明光は、照明プリズム25の反射面25aにて反射されて対物レンズ15に入射し、更に前置レンズ13を経由して被手術眼Eに照射される。
図8は、観察光学系30の上方から見たときの、照明光学系20の射出瞳及び観察光学系30の入射瞳の位置関係を表している。なお、同図における下方向が術者側とされている。
照明光学系20の射出瞳は、照明プリズム25の反射面25aに形成される。この照明光学系20の射出瞳25a(反射面25aと同一視する。)は、観察光学系30L、30Rを挟んで術者の反対側の位置に形成され、かつ、観察光学系30L、30Rの左右の観察光軸OL、ORを結ぶ方向(図8における左右方向)を長手方向とする長方形状を有している。なお、スリット板24は、スリット穴24aの長手方向が射出瞳25aの長手方向と同じ方向を向くようにして照明光路上に配置される。
また、左観察光学系30Lの入射瞳PLは、図6に示すように、対物レンズ15と左観察光学系30Lのズームレンズ系31との間の位置に形成される。同様に、右観察光学系30Rの入射瞳PRは、対物レンズ15と右観察光学系30Rのズームレンズ系31との間の位置に形成される。左右の観察光学系30L、30Rの入射瞳PL、PRは、図8に示すように、それぞれ観察光軸OL、ORを中心に形成される。
[制御系の構成]
続いて、図9を参照して本実施形態の手術用顕微鏡装置1の制御系の構成について説明する。
手術用顕微鏡装置1の制御系は、制御部60を中心に構成されている。制御部60は、装置各部の制御を司るものであり、CPU等のマイクロプロセッサを含む制御処理部61と、RAMやROM等の記憶装置を含む情報記憶部62とを備えている。情報記憶部62には装置制御用のコンピュータプログラムがあらかじめ格納されており(図示せず)、そのコンピュータプログラムを制御処理部61が実行することで装置各部の制御が行われる。制御部60は、本発明の「制御手段」の一例に相当する。
情報記憶部62は、本発明の「照明角度情報記憶手段」及び「スリット幅情報記憶手段」に相当し、照明角度情報62Aとスリット幅情報62Bとをあらかじめ記憶している。なお、この照明角度情報62Aとスリット幅情報62Bは、同一の記憶装置に記憶してもよいし、それぞれ異なる記憶装置に記憶してもよい。
照明角度情報62Aは、複数の前置レンズ13A、13B、13Cのそれぞれに対応する照明光の照明角度を指定する情報であり、たとえば、図10に示すように、前置レンズ13A、13B、13Cのそれぞれの屈折力に対応する照明角度を指定する情報として定義される。同図に示す照明角度情報62Aにおいては、屈折力40Dの前置レンズ13Aに対して照明角度4度が指定され、屈折力80Dの前置レンズ13Bに対して照明角度7度が指定され、屈折力120Dの前置レンズ13Cに対して照明角度7度が指定されているとともに、前置レンズ13が収納されている場合や装着されていない場合など、前置レンズ13が使用位置にない場合に対しては照明角度4度と7度とが指定されている。なお、指定される照明角度の選択肢は4度と7度に限定されるものではなく、また、その選択肢の個数は2以上の任意個数であってよい。
スリット幅情報62Bは、複数の前置レンズ13A、13B、13Cのそれぞれに対応するスリット板24のスリット穴24aのスリット幅を指定する情報であり、たとえば、図11に示すように、前置レンズ13A、13B、13Cのそれぞれの屈折力に対応するスリット幅を指定する情報として定義される。同図に示すスリット幅情報62Bにおいては、屈折力40Dの前置レンズ13Aに対してスリット幅9mmと5mmとが指定され、屈折力80Dの前置レンズ13Bに対してスリット幅5mmと2.5mmとが指定され、屈折力120Dの前置レンズ13Cに対してスリット幅2.5mmが指定されているとともに、前置レンズ13が使用位置にない場合に対してはスリット幅9mmと5mmと2.5mmとが指定されている。なお、指定されるスリット幅の選択肢は9mm、5mm、2.5mmに限定されるものではなく、また、その選択肢の個数は2以上の任意個数であってよい。
なお、屈折力40Dの前置レンズ13Aを使用する場合において、図16(A)、図17(B)に示すような照明光と観察光との好適な分離状態を確保するには、照明角度を4度程度に設定することが望ましい。また、スリット幅については、照明光量を考慮して9mmないし5mm程度に設定することが望ましい。また、屈折力80Dの前置レンズ13Bを使用する場合において、図16(B)、図18(B)に示すような好適な分離状態を確保するには、照明角度を7度程度に設定し、スリット幅を5mmないし2.5mm程度に設定することが望ましい。また、屈折力120Dの前置レンズ13Bを使用する場合において好適な分離状態を確保するには、照明角度を7度程度に設定し、スリット幅を2.5mm程度に設定することが望ましい。すなわち、図10に示す照明角度情報62Aは、各前置レンズ13A、13B、13Cを使用する場合における照明角度の好適な値を表しており、図11に示すスリット幅情報62Bは、各前置レンズ13A、13B、13Cを使用する場合におけるスリット幅の好適な値を表している。
照明光学系20には、前述のように、照明光源21、照明野絞り23、スリット板24及び出射口絞り26が設けられている。制御部60は、照明光源21を制御して照明光を出力させ、また出力を停止させる。
スリット板24は、それぞれ独立に制御されるスリット板回動機構71とスリット板移動機構72とによって駆動される。スリット板回動機構71は、パルスモータ等の駆動装置を備えており、制御部60からの制御信号に基づいてスリット板24を回動軸24b周りに回転させる。制御部60は、目的のパルス数のパルス信号を含む制御信号をスリット板回動機構71に送る。スリット板回動機構71は、このパルス信号のパルス数に対応する角度だけスリット板24を回転させ、スリット穴24a1、24a2、24a3を択一的に照明光路上に配置させる。このスリット板回動機構は、本発明の「駆動手段」の一例に相当する。
スリット板移動機構72は、パルスモータ等の駆動装置を備え、制御部60からの制御信号に基づいてスリット板24とスリット板回動機構71とを一体的に移動させるように動作する。その移動方向は、図5に示す矢印Aの方向となっている。
照明野絞り23は、制御部60からの制御信号に従って動作する絞り駆動機構73により駆動されて絞り値を変更する。絞り駆動機構73は、周知の絞り部材の絞り値を調整するための周知の構成を有している。
出射口絞り26は、制御部60からの制御信号に基づいて動作する周知の絞り駆動機構74により駆動され、光ファイバ21aの出射口の任意領域を遮蔽して照明光の照明角度を変更する。このように、出射口絞り26及び絞り駆動機構74は、光ファイバ21aの出射口からの照明光の出力位置を変更するように作用するものであり、本発明の「出力位置変更手段」の一例に相当する。
上昇規制部材172に設けられたマイクロスイッチ178A、178B、178Cは、前述したように、ONに切り換えられたことに対応して検出信号を出力する。この検出信号は制御部60に入力される。各マイクロスイッチ178A、178B、178Cからの検出信号は、前述のように電圧やパルス数などがそれぞれ相異している。制御部60は、この相異に基づいて、どのマイクロスイッチ178A、178B、178Cから入力された検出信号か判別する。
制御部60には、フットスイッチ8からの操作信号が入力される。フットスイッチ8には、照明光の照明角度を変更するために操作されるボタン等の操作部と、スリット板24のスリット穴24aのスリット幅を変更するために操作されるボタン等の操作部とが設けられている。フットスイッチ8は、本発明の「第1の操作手段」及び「第2の操作手段」の一例に相当する。
[動作態様]
以上のような構成を備える本実施形態の手術用顕微鏡装置1の動作態様について説明する。図12に示すフローチャートは、手術用顕微鏡装置1の動作態様の一例を表している。
まず、術者等は、前置レンズ13Aを術者用顕微鏡6に装着するために、前置レンズ13と一体の収納部174を上昇規制部材172に手作業で装着する(S1)。このとき、収納部174の突出部179がマイクロスイッチ178に衝突し、マイクロスイッチ178から制御部60に検出信号が入力される(S2)。
制御処理部61は、入力された検出信号の電圧やパルス数等に基づいて、その検出信号を出力したマイクロスイッチ178A、178B、178Cを判別するとともに(S3)、その判別されたマイクロスイッチ178に基づき、術者用顕微鏡6に装着された前置レンズ13A、13B、13Cを判別する(S4)。
更に、制御処理部61は、情報記憶部62に記憶された照明角度情報62Aを参照し、判別された前置レンズ13A、13B、13Cに対して指定された照明光の照明角度を取得する(S5)。また、制御処理部61は、スリット幅情報62Bを参照し、判別された前置レンズ13A、13B、13Cに対して指定されたスリット板24のスリット穴24aのスリット幅を取得する(S6)。
続いて、制御処理部61は、絞り駆動機構74を制御して出射口絞り26を駆動し、照明光の照明角度をステップS5にて取得された照明角度に設定する(S7)。また、スリット板回動機構71を制御してスリット板24を回転駆動し、ステップS6にて取得されたスリット幅のスリット穴24aを照明光軸O′上に配置させる(S8)。
なお、ステップS5、S6において複数の照明角度、スリット幅が指定された場合、ステップS7、S8では、それら複数の指定値のうちの所定の1つを選択的に設定する。術者は、フットスイッチ8を操作して、その設定値を適宜に変更できる。
制御処理部61は、術者等の要求(たとえばフットスイッチ8に対する操作)に対応して照明光源21を制御し、光ファイバ21aの出射口から照明光を出力させる(S9)。以上で前置レンズ13の装着時における動作は終了となり、被手術眼Eの観察を行える状態となる。
(動作の具体例)
以上で説明した動作態様の一具体例を説明する。たとえば屈折力80Dの前置レンズ13Bが装着されると(S1)、その前置レンズ13Bと一体形成された収納部174Bの突出部179Bがマイクロスイッチ178Bに衝突し、マイクロスイッチ178Bから制御部60に検出信号が入力される(S2)。
制御処理部61は、入力された検出信号に基づき、それを出力したマイクロスイッチ178Bを判別し(S3)、装着された前置レンズ13Bを判別する(S4)。
更に、照明角度情報62Aを参照して前置レンズ13Bに対して指定された照明角度「7度」を取得し(S5)、スリット幅情報62Bを参照して前置レンズ13Bに対して指定されたスリット幅「5mm、2.5mm」を取得する(S6)。
続いて、絞り駆動機構74を制御し、光ファイバ21aの出射口の上側領域を遮蔽するように出射口絞り26を駆動して、照明光の照明角度を7度に設定する(S7)。また、スリット板回動機構71を制御し、指定されたスリット幅「5mm、2.5mm」のうちの所定の1つ、たとえば5mmのスリット穴24a2を照明光軸O′上に配置させるようにスリット板24を回転駆動する(S8)。術者は、必要に応じてフットスイッチ8を操作してスリット幅を2.5mmに切り換えることができる。術者の要求に応じて照明光源21を駆動して光ファイバ21aの出射口から照明光を出力させる(S9)。
本実施形態の手術用顕微鏡装置1は、照明角度やスリット幅の上記の自動調整動作に加え、照明角度やスリット幅の変更を手動で要求するための構成を具備している。制御系の図示は省略するが、術者用顕微鏡6の鏡筒部10のスイッチ167を操作して、前置レンズ13A、13B、13Cの内のいずれが装着されているかを選択入力すると、スイッチ167からの操作信号(識別情報)が制御部60に入力される。制御部60は、この操作信号に基づいてどの前置レンズ13が装着されているか判別し、照明角度情報62A、スリット幅情報62Bを参照して、その前置レンズ13に対して指定された照明角度とスリット幅とを取得する。そして、絞り駆動機構74、スリット板駆動機構71をそれぞれ制御して、指定された照明角度及びスリット幅に設定する。
[作用効果]
以上のような本実施形態の手術用顕微鏡装置1によれば、前置レンズ13A〜13Cのいずれかが装着されると、その装着された前置レンズ13を識別するための検出信号(識別情報)を制御部60に入力する。そして、制御部60は、その検出信号に対応する照明角度で照明光を照射するように制御するとともに、その検出信号に対応するスリット幅のスリットを照明光路上に形成するように制御する。それにより、前置レンズを装着するだけで、照明光の照明角度とスリットのスリット幅とが自動調整される。したがって、照明光と観察光の好適な分離状態を容易にかつ迅速に確保することが可能である。
また、スリット幅情報62Bにおける屈折力40D、80Dの前置レンズ13A、13Bに対応するスリット幅のように(図11参照)、単一の前置レンズ13に複数のスリット幅を対応させ、フットスイッチ8等によってその複数のスリット幅を切換設定可能に構成することにより、照明光と観察光の分離状態とともに照明光量をも考慮した観察を行うことができる。
なお、照明角度についても複数の選択肢を択一的に切換可能に構成することが可能である。たとえば、屈折率40Dの前置レンズ13Aに対応する照明角度として4度と7度の双方を選択肢として指定し、フットスイッチ8等によりそれらを切換可能に構成することが可能である。
また、本実施形態の手術用顕微鏡装置1においては、使用する前置レンズをスイッチ167で選択入力することも可能である。このような手動入力によれば、使用する前置レンズを選択入力するだけで、その前置レンズの使用に好適な照明角度やスリット幅が自動設定されるので、照明光と観察光の好適な分離状態を容易にかつ迅速に確保することができる。
[変形例]
以上に詳述した構成は、本発明に係る手術用顕微鏡装置を好適に実施するための一構成例に過ぎないものである。したがって、本発明の要旨の範囲内における任意の変形を施すことが可能である。以下、そのような変形の一例について説明する。
上記実施形態では、使用する前置レンズ13を手動で指定入力するための構成として、術者用顕微鏡6の鏡筒部10に設けられたスイッチ167が設けられているが、前置レンズ指定用のスイッチやボタン等の入力手段は、フットスイッチ8など、手術用顕微鏡装置1の他の部位に設けられていてもよい。
また、上記実施形態では、照明角度とスリット幅との双方を入力された識別情報に基づいて自動設定するように構成されているが、それらの内の一方のみを自動設定するようにしてもよい。
また、本出願人による特願2005−107951号に記載のような、照明方向の異なる複数の照明光学系を備えた手術用顕微鏡装置に本発明を適用する場合には、各照明光学系の照明角度及び/又はスリット幅を同時に設定するように制御することが可能である。
上記実施形態では、前置レンズ13と一体に形成された収納部174にマイクロスイッチ178等の入力手段(検出手段)を設けたが、その設置位置は任意である。たとえば、前置レンズのみを交換する場合、各前置レンズの取り付け方向を決めるとともに、その周囲の異なる位置に突出部のような入力指示手段を設け、更に、保持板141aの内周部における各突出部に対応する位置にマイクロセンサ等の検出手段を設けた構成などを採用することができる。また、前置レンズ13を保持するホルダ(上記実施形態では保持板141a)ごと交換する構成を採用する場合、そのホルダとアーム部141との接続部分に入力手段(検出手段)を設けることができる。
本発明の入力手段は、上記実施形態におけるマイクロスイッチによる構成などには限定されない。入力手段は、択一的に使用される複数の前置レンズの内、使用位置に配置される前置レンズ、すなわち使用状態に移行可能な状態とされた前置レンズを識別する識別情報を制御部に入力する作用を有するものであれば、任意の構成を採用することが可能である。
その一例として、TVカメラ56による撮影画像を解析することで、どの前置レンズが選択使用されるかを判別することができる。そのために、たとえば各前置レンズ13の保持板141aに識別情報を設ける。この識別情報としては、バーコード、線等のマーク、色情報など、複数の前置レンズのそれぞれを識別可能とする任意の情報を採用できる。また、識別情報を設ける位置としては、保持板141aの前置レンズ13を取り囲む部位の上面や、その部位からアーム部141との接続位置まで延びるアーム状の部位の上面などとすることができる。
TVカメラ56は、使用位置に配置されている或る前置レンズ13の識別情報を含む画像を撮影する。このとき、必要に応じ、ズームレンズ系31による撮影倍率を小さくして、識別情報が撮影範囲内に含まれるようにする。TVカメラ56は、識別情報を含む撮影画像(データ)を制御部60に入力する。制御部60は、入力された撮影画像を解析して、保持板141a等に付された識別情報を判別して、どの前置レンズ13が使用位置に配置されているか判別する。そして、その判別結果に基づいて照明角度やスリット幅を自動設定する。ここで、本発明の「入力手段」は、TVカメラ56を含んで構成される。
TVカメラ56を用いた他の例として、使用位置に配置された前置レンズ13のレンズ面(対物レンズ15側及び/又は被手術眼E側のレンズ面)における、照明光学系20の射出瞳25aの反射像を撮影し、その撮影画像を解析して前置レンズ13を判別する手法を採用することが可能である。前置レンズ13のレンズ面における射出瞳25aの反射像は、図17、図18に示す対物レンズ15や角膜Ec上の射出瞳25aの投影像と同様の長方形状に形成されるが、前置レンズ13のレンズ面の曲面形状(曲率)に応じてサイズや位置や歪み度合の異なる反射像が撮影される。なお、各前置レンズが同じレンズ素材から形成されている場合には、屈折力の大きな前置レンズほどレンズ面の曲率が大きくなる。
そこで、まず、各前置レンズ13について、(たとえば、所定の照明角度及び所定の撮影倍率の場合における)射出瞳25aの反射像のサイズや位置や歪み度合の情報(反射像情報と呼ぶ。)を、実測や計算によってあらかじめ取得しておく。そして、手術時において、前置レンズ13を使用位置に配置させ、照明光を照射させると、そのときの出射瞳25aの反射像をTVカメラ56が撮影する。その撮影画像は、本発明の「識別情報」としてTVカメラ56から制御部60に入力される。
制御部60は、入力された撮影画像を解析して、射出瞳25aの反射像のサイズや位置や歪み度合を取得する。更に、その取得されたサイズ等に相当する前置レンズ13を反射像情報を参照して判別する。そして、その判別結果に基づいて照明角度やスリット幅を設定する。
本発明に係る手術用顕微鏡装置の実施形態の術者用顕微鏡に対する前置レンズの接続態様の一例を表す概略側面図である。図1(A)は、前置レンズが使用位置に配置されている状態を表し、図1(B)は、前置レンズが収納位置に配置されている状態を表す。 本発明に係る手術用顕微鏡装置の実施形態の上昇規制部材に対する収納部の接続態様の一例を表す概略図である。図2(A)は、上昇規制部材及び収納部の断面図であり、図2(B)は、それらの側面図である。 本発明に係る手術用顕微鏡装置の実施形態の上昇規制部材のマイクロスイッチ及び収納部の突出部の形態を表す概略図である。図3(A)は屈折力40ディオプタの前置レンズが使用される場合に相当し、図3(B)は屈折力80ディオプタの前置レンズが使用される場合に相当し、図3(C)は屈折力120ディオプタの前置レンズが使用される場合に相当する。 本発明に係る手術用顕微鏡装置の実施形態の上昇規制部材のマイクロスイッチ及び収納部の突出部の形態を表す概略図である。図4(A)は屈折力40ディオプタの前置レンズが使用される場合に相当し、図4(B)は屈折力80ディオプタの前置レンズが使用される場合に相当し、図4(C)は屈折力120ディオプタの前置レンズが使用される場合に相当する。 本発明に係る手術用顕微鏡装置の実施形態の光学系の構成を表す概略側面図である。 本発明に係る手術用顕微鏡装置の実施形態の光学系の構成を表す概略側面図である。 本発明に係る手術用顕微鏡装置の実施形態の照明光学系に含まれるスリット板の構成を表す概略図である。 本発明に係る手術用顕微鏡装置の実施形態の照明光学系の射出瞳及び観察光学系の入射瞳の位置関係を表す概略図である。 本発明に係る手術用顕微鏡装置の実施形態の制御系の構成を表すブロック図である。 本発明に係る手術用顕微鏡装置の実施形態の照明角度情報の一例を表す図である。 本発明に係る手術用顕微鏡装置の実施形態のスリット幅情報の一例を表す図である。 本発明に係る手術用顕微鏡装置の実施形態の動作態様の一例を表すフローチャートである。 眼内にライトガイドを挿入して観察部位を照明して行う手術の態様を表す断面図である。 従来の手術用顕微鏡装置の外観構成を表す概略図である。 従来の手術用顕微鏡装置の光学系の構成を表す概略側面図である。 被手術眼の角膜における手術用顕微鏡装置の照明光路と観察光路との好適な分離状態を表す概略図である。図16(A)は、屈折力が40ディオプタの前置レンズを使用した場合に相当し、図16(B)は、80ディオプタの前置レンズを使用した場合に相当する。 手術用顕微鏡装置の照明光路と観察光路との好適な分離状態を表す概略図である。図17(A)は、屈折力が40ディオプタの前置レンズを使用した場合の対物レンズ上における照明光路と左右の観察光路との分離状態を表し、図17(B)は、40ディオプタの前置レンズを使用した場合の被手術眼の角膜における照明光路と左右の観察光路との分離状態を表す。 手術用顕微鏡装置の照明光路と観察光路との好適な分離状態を表す概略図である。図18(A)は、屈折力が80ディオプタの前置レンズを使用した場合の対物レンズ上における照明光路と左右の観察光路との分離状態を表し、図18(B)は、80ディオプタの前置レンズを使用した場合の被手術眼の角膜における照明光路と左右の観察光路との分離状態を表す。
符号の説明
E 被手術眼
Ec 角膜
1 手術用顕微鏡装置
6 術者用顕微鏡
8 フットスイッチ
13、13A、13B、13C 前置レンズ
15 対物レンズ
O 光軸
20 照明光学系
21 照明光源
21a 光ファイバ
22 コンデンサレンズ
23 照明野絞り
24 スリット板
24a、24a1、24a2、24a3 スリット穴
25 照明プリズム
25a 反射面、射出瞳
26 出射口絞り
27 コリメータレンズ
O′ 照明光軸
30 観察光学系
30L 左観察光学系
30R 右観察光学系
OL、OR 光軸
PL、PR 入射瞳
31 ズームレンズ系
32 ビームスプリッタ
33 結像レンズ
34 像正立プリズム
35 眼幅調整プリズム
36 視野絞り
37 接眼レンズ
60 制御部
61 制御処理部
62 情報記憶部
62A 照明角度情報
62B スリット幅情報
71 スリット板回動機構
72 スリット板移動機構
73、74 絞り駆動機構
172 上昇規制部材
178、178A、178B、178C マイクロスイッチ
174、174A、174B、174C 収納部
179、179A、179B、179C 突出部

Claims (10)

  1. 被手術眼に対して照明光を所定の照明角度で照射する照明光学系と、
    対物レンズと、
    前記被手術眼と前記対物レンズの前側焦点との間の使用位置に設けられ、前記照明光学系からの前記照明光を集束させて前記被手術眼の内部を照明する前置レンズと、
    接眼レンズを含み、前記前置レンズと前記対物レンズとを経由した前記被手術眼による前記照明光の反射光を前記接眼レンズまで導く観察光学系と、
    を有する手術用顕微鏡装置において、
    屈折力の異なる複数の前置レンズが前記使用位置に択一的に配置され、
    前記複数の前置レンズの内、前記使用位置に配置される前記前置レンズを識別する識別情報を入力する入力手段と、
    前記照明光学系を制御して、前記照明光の照明角度を前記入力された前記識別情報に対応する照明角度に設定する制御手段と、
    を備えていることを特徴とする手術用顕微鏡装置。
  2. 被手術眼に対して照明光を所定の照明角度で照射する照明光学系と、
    対物レンズと、
    前記被手術眼と前記対物レンズの前側焦点との間の使用位置に設けられ、前記照明光学系からの前記照明光を集束させて前記被手術眼の内部を照明する前置レンズと、
    接眼レンズを含み、前記前置レンズと前記対物レンズとを経由した前記被手術眼による前記照明光の反射光を前記接眼レンズまで導く観察光学系と、
    を有する手術用顕微鏡装置において、
    前記照明光学系は、前記照明光の一部を通過させるスリットを形成し、そのスリット幅を変更可能とするスリット手段を含み、
    屈折力の異なる複数の前置レンズが前記使用位置に択一的に配置され、
    前記複数の前置レンズの内、前記使用位置に配置される前記前置レンズを識別する識別情報を入力する入力手段と、
    前記スリット手段を制御して、前記スリットのスリット幅を前記入力された前記識別情報に対応するスリット幅に設定する制御手段と、
    を備えていることを特徴とする手術用顕微鏡装置。
  3. 被手術眼に対して照明光を所定の照明角度で照射する照明光学系と、
    対物レンズと、
    前記被手術眼と前記対物レンズの前側焦点との間の使用位置に設けられ、前記照明光学系からの前記照明光を集束させて前記被手術眼の内部を照明する前置レンズと、
    接眼レンズを含み、前記前置レンズと前記対物レンズとを経由した前記被手術眼による前記照明光の反射光を前記接眼レンズまで導く観察光学系と、
    を有する手術用顕微鏡装置において、
    前記照明光学系は、前記照明光の一部を通過させるスリットを形成し、そのスリット幅を変更可能とするスリット手段を含み、
    屈折力の異なる複数の前置レンズが前記使用位置に択一的に配置され、
    前記複数の前置レンズの内、前記使用位置に配置される前記前置レンズを識別する識別情報を入力する入力手段と、
    前記照明光学系を制御して、前記照明光の照明角度を前記入力された前記識別情報に対応する照明角度に設定するとともに、前記スリット手段を制御して、前記スリットのスリット幅を前記入力された前記識別情報に対応するスリット幅に設定する制御手段と、
    を備えていることを特徴とする手術用顕微鏡装置。
  4. 前記制御手段は、前記複数の前置レンズのそれぞれに対応する前記照明光の照明角度を指定する照明角度情報を記憶した照明角度情報記憶手段を含み、前記照明角度情報を参照して前記入力された前記識別情報により識別される前置レンズに対して指定された照明角度を取得し、前記照明光の照明角度を当該取得された照明角度に設定する、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項3に記載の手術用顕微鏡装置。
  5. 前記制御手段は、前記複数の前置レンズのそれぞれに対応する前記スリット幅を指定するスリット幅情報を記憶したスリット幅情報記憶手段を含み、前記スリット幅情報を参照して前記入力された前記識別情報により識別される前置レンズに対して指定されたスリット幅を取得し、前記スリット手段のスリット幅を当該取得されたスリット幅に設定する、
    ことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の手術用顕微鏡装置。
  6. 前記照明光学系は、照明光を出力する出力手段と、前記出力手段からの照明光の出力位置を変更する出力位置変更手段とを含み、
    前記制御手段は、前記出力位置変更手段による前記照明光の前記出力位置を変更することにより前記照明光の照明角度を変更する、
    ことを特徴とする請求項1、請求項3及び請求項4のいずれか一項に記載の手術用顕微鏡装置。
  7. 前記スリット手段は、スリット幅の異なる複数のスリット穴が形成されたスリット部材と、前記スリット部材を駆動して前記複数のスリット穴のいずれか一つを前記照明光の光路上に配置させる駆動手段とを含み、
    前記制御手段は、前記駆動手段を制御して前記光路上に配置させるスリット穴を変更することにより前記スリット幅を変更する、
    ことを特徴とする請求項2、請求項3及び請求項5のいずれか一項に記載の手術用顕微鏡装置。
  8. 前記照明光の照明角度を変更するための第1の操作手段を更に備え、
    前記制御手段は、前記入力手段により入力された前記識別情報に対応する複数の前記照明角度を指定するとともに、前記第1の操作手段からの操作に応じて前記照明光学系を制御して前記指定された複数の前記照明角度の照明光を択一的に切り換えて設定する、
    ことを特徴とする請求項1、請求項3、請求項4及び請求項6のいずれか一項に記載の手術用顕微鏡装置。
  9. 前記スリットのスリット幅を変更するための第2の操作手段を更に備え、
    前記制御手段は、前記入力手段により入力された前記識別情報に対応する複数の前記スリット幅を指定するとともに、前記第2の操作手段からの操作に応じて前記スリット手段を制御して前記指定された複数の前記スリット幅のスリットを択一的に切り換えて設定する、
    ことを特徴とする請求項2、請求項3、請求項5及び請求項7のいずれか一項に記載の手術用顕微鏡装置。
  10. 前記複数の前置レンズのそれぞれ或いはそれと一体に形成された部材には、前記識別情報の入力を指示する入力指示手段が設けられ、
    前記入力手段は、前記入力指示手段による指示を検出する検出手段を含み、その検出結果に対応する前記識別情報を前記制御手段に入力する、
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれか一項に記載の手術用顕微鏡装置。
JP2005124059A 2005-04-21 2005-04-21 手術用顕微鏡装置 Pending JP2006296806A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005124059A JP2006296806A (ja) 2005-04-21 2005-04-21 手術用顕微鏡装置
EP06007197A EP1714627A3 (en) 2005-04-21 2006-04-05 Operation microscope apparatus
US11/406,378 US7393103B2 (en) 2005-04-21 2006-04-19 Operation microscope apparatus

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005124059A JP2006296806A (ja) 2005-04-21 2005-04-21 手術用顕微鏡装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006296806A true JP2006296806A (ja) 2006-11-02

Family

ID=36581504

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005124059A Pending JP2006296806A (ja) 2005-04-21 2005-04-21 手術用顕微鏡装置

Country Status (3)

Country Link
US (1) US7393103B2 (ja)
EP (1) EP1714627A3 (ja)
JP (1) JP2006296806A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014000159A (ja) * 2012-06-15 2014-01-09 Nidek Co Ltd 眼科用手術顕微鏡

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009118955A (ja) * 2007-11-13 2009-06-04 Topcon Corp 手術用顕微鏡装置
JP2009207590A (ja) * 2008-03-03 2009-09-17 Topcon Corp 実体顕微鏡
WO2010051974A1 (de) 2008-11-04 2010-05-14 Carl Zeiss Meditec Ag Ophthalmologisches messsystem und verfahren zu dessen kalibrierung und/oder justierung
DE102009043748A1 (de) * 2009-09-30 2011-03-31 Carl Zeiss Meditec Ag Referenzobjekt und Verfahren zur Kalibrierung und/oder Justierung optischer Geräte, insbesondere in der Ophthalmologie
DE102009036913B4 (de) * 2009-08-11 2016-01-28 Carl Zeiss Meditec Ag Operationsmikroskop mit Beleuchtungseinrichtung
JP5814684B2 (ja) * 2010-09-03 2015-11-17 オリンパス株式会社 位相物体の可視化方法及び可視化装置
US10058246B2 (en) * 2013-03-15 2018-08-28 Neurovision Imaging, Inc. System and method for rejecting afocal light collected from an in vivo human retina
EP3250153B1 (en) * 2015-01-28 2019-03-06 The United States of America, as represented by The Secretary, Department of Health and Human Services Confocal laser method and device for measurement of optical properties of toric intraocular lenses
JP6797564B2 (ja) 2016-06-01 2020-12-09 オリンパス株式会社 位相物体可視化装置、位相物体可視化方法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4920989A (ja) * 1972-04-18 1974-02-23
JPS6160220U (ja) * 1984-09-25 1986-04-23
JPH11513815A (ja) * 1995-10-23 1999-11-24 シュタインフーベル,ヴォルフデートリッヒ 結像する光学器械
JP2004267768A (ja) * 2003-02-17 2004-09-30 Topcon Corp 手術用顕微鏡

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5506634A (en) * 1994-07-05 1996-04-09 Carl Zeiss, Inc. Fundus illumination apparatus formed from three, separated radiation path systems
KR100400030B1 (ko) * 2000-06-05 2003-09-29 삼성전자주식회사 금속막의 화학 및 기계적 연마용 슬러리 및 그 제조방법과상기 슬러리를 이용한 반도체 소자의 금속 배선 형성 방법
JP4068371B2 (ja) 2001-06-13 2008-03-26 株式会社トプコン 手術用顕微鏡
JP4224317B2 (ja) * 2003-01-30 2009-02-12 株式会社トプコン 手術用顕微鏡支持装置
JP2005107951A (ja) 2003-09-30 2005-04-21 Ricoh Co Ltd 商品情報提供方法及び商品情報提供プログラム

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4920989A (ja) * 1972-04-18 1974-02-23
JPS6160220U (ja) * 1984-09-25 1986-04-23
JPH11513815A (ja) * 1995-10-23 1999-11-24 シュタインフーベル,ヴォルフデートリッヒ 結像する光学器械
JP2004267768A (ja) * 2003-02-17 2004-09-30 Topcon Corp 手術用顕微鏡

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014000159A (ja) * 2012-06-15 2014-01-09 Nidek Co Ltd 眼科用手術顕微鏡

Also Published As

Publication number Publication date
EP1714627A2 (en) 2006-10-25
EP1714627A3 (en) 2009-04-15
US20060238711A1 (en) 2006-10-26
US7393103B2 (en) 2008-07-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2006296806A (ja) 手術用顕微鏡装置
US9364146B2 (en) Slit lamp microscope
US8205988B2 (en) Stereomicroscope
JP5094026B2 (ja) 焦点ずれ型眼手術用顕微鏡
EP0230095A2 (en) Laser coagulation system
US7990610B2 (en) Stereomicroscope with repositioning assistant's microscope
EP1447698A2 (en) Ophtalmic operation microscope
JP5090807B2 (ja) 手術用顕微鏡装置
US10485703B2 (en) Laser treatment apparatus
US20220115122A1 (en) Control device, ophthalmic microscope system, ophthalmic microscope, and image processing apparatus
JP4417036B2 (ja) 眼科用手術顕微鏡
JP2009297073A (ja) 手術用顕微鏡
JP5554610B2 (ja) 眼底撮影装置
JP2009118955A (ja) 手術用顕微鏡装置
JP2001029316A (ja) 眼屈折力測定装置
JP2012152361A (ja) 乱視軸測定装置、及び眼科装置
JP4717360B2 (ja) 手術用顕微鏡
JP4886389B2 (ja) 眼底カメラ
JPH07121255B2 (ja) 角膜内皮細胞観察撮影装置
JP2009095518A (ja) 細隙灯顕微鏡
JP2006330040A (ja) 観察装置
JP5522629B2 (ja) 眼底撮影装置
JP5807701B2 (ja) 眼底撮影装置
JP2002224036A (ja) スリットランプ
JP6292331B2 (ja) 眼底撮影装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080421

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20081217

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110201

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20110705