JP2006295018A - 配線基板 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】表面3および裏面4を有し且つセラミック(絶縁材)からなる基板本体2と、かかる基板本体2の表面3に開口し且つ底面7に発光素子Lが実装されるキャビティ5と、を含み、かかるキャビティ5の側面6には、上記発光素子Lの光を反射する光反射層Hが形成され、かかる側面6と基板本体2の表面3との間にまたがって形成される段部10の少なくとも側壁12に上記絶縁材が露出している、配線基板1。
【選択図】 図2
Description
ところで、キャビティに充填する封止用樹脂は、金属製の反射層との密着強度が低いため、当該キャビティから剥離することに伴って、実装された発光素子やこれに接続したボンディングワイヤが引き剥がされる、という問題があった。
しかしながら、上記発光素子取付用パッケージでは、貫通孔の内周面に被覆した金属製の反射層のうち、セラミックなどの絶縁材が露出する上記段差の直上部分では、発光素子からの光が反射せず、反射効率が低下する。しかも、封止用樹脂のうち段差よりも高い位置にある部分は、不用意に剥離するおそれがあると共に、上記突起や溝の形成が困難で且つ煩雑な工程を要する、という問題点があった。
即ち、本発明の配線基板(請求項1)は、表面および裏面を有し且つ絶縁材からなる基板本体と、かかる基板本体の表面に開口し且つ底面に発光素子が実装されるキャビティと、を含み、前記キャビティの側面には、上記発光素子の光を反射する光反射層が形成され、かかる側面と基板本体の表面との間に上記絶縁材が露出している、ことを特徴とする。
尚、前記基板本体を形成する絶縁材には、例えばアルミナを主成分とするセラミック、低温焼成の一種である例えばガラス−セラミック、あるいは、例えばエポキシ系樹脂などが含まれる。また、前記キャビティは、底面側が縮径されたほぼ円錐形状、ほぼ楕円錐形状、ほぼ長円錐形状、四角錐以上の多角錐形状のほか、円柱形、楕円柱形、長円柱形、四角柱を含む多角柱形状が含まれる。
更に、前記光反射層は、絶縁材に接する金属層と、その上にNiメッキ層などを介して形成されるAg、Pt、Rh、またはPdの反射用メッキ層とから構成される 。加えて、キャビティの底面に実装される発光素子には、発光ダイオード(LED)や半導体レーザ(LD)などが含まれる。
これによれば、キャビティの底面上に発光素子を実装し且つ当該キャビティに固化前の封止用樹脂を充填すると、かかる封止用樹脂の一部は、前記段部に進入して固化する。この結果、封止用樹脂は、段部に露出する絶縁材と強固に密着して、キャビティから剥離するおそれが解消するため、実装した発光素子やこれに接続したボンディングワイヤを確実に保護できる。
尚、前記段部には、平面視においてキャビティの外形と相似形の円形、楕円形、長円形、四角形以上の正多角形などが含まれ、且つ正多角形の段部で且つキャビティの外形が円形の組合せの形態では、キャビティの外形が段部の各辺の内側に接線状に近接または接する配置とするものも含まれる。また、前記段部の一部とは、当該段部を構成する底面および側壁の少なくとも一方、あるいはこれら一方の部分を指す。
これによれば、キャビティに充填して固化させた封止用樹脂を、段部に露出する絶縁材を介してキャビティに強固に密着できると共に、リング状または枠状の段部、あるいは、互いに離間した複数個の段部を、前記キャビティの側面と基板本体の表面とのコーナに沿って、簡単な工程で容易に形成することも可能となる。
また、本発明の配線基板において、前記光反射層を構成する金属層は、前記キャビティの側面および前記段部の底面の一部に連続して形成されている、とすることも可能である。これによる場合、例えば、光反射層をキャビティに密着させるため、当該光反射層を段部の底面上における中間位置まで延在する形態としても、上記と同様の効果を得ることができる。
図1は、本発明における一形態の配線基板1を示す平面図、図2は、図1中のX−X線の矢視に沿った断面図である。
配線基板1は、図1,図2に示すように、表面3および裏面4を有し且つセラミック(絶縁材)からなる基板本体2と、かかる基板本体2の表面3に開口し且つ底面7に発光素子Lが実装されるキャビティ5と、を含む。かかるキャビティ5の傾斜した側面(周面)6には、上記発光素子Lからの光を反射するAgメッキ層8などを含む光反射層Hが形成され、かかる側面6と基板本体2の表面3との間にまたがってリング形状の段部10が形成されている。
キャビティ5は、図1,図2に示すように、平面視が円形で且つ全体がほぼ円錐形状を呈し、円錐形状の側面6と円形の底面7とからなる。側面6の仰角は、30〜70度の範囲で適宜選択される。かかるキャビティ5は、1枚または積層した複数枚の前記グリーンシートを、所要のクリアランスを介するポンチとダイとによる打ち抜き加工、または最小限のクリアランスを介して打ち抜き加工で形成した貫通孔にほぼ円錐形の金型を押し込むことにより、上記ほぼ円錐形状に成形されている。因みに、キャビティ5のサイズは、上端の内径約3.6mm×深さ約0.45mmである。
また、キャビティ5の側面6と基板本体2の表面3との間にまたがって形成される段部10は、リング形状の底面11および側壁12からなり、これらにはセラミックまたはガラス−セラミックが露出している。かかる段部10は、例えばキャビティ5を形成する貫通孔を有する前記グリーンシートと、キャビティ5とは内径が異なる貫通孔を有するグリーンシートとを、各貫通孔を同心にして積層することで形成される。
尚、前記光反射層Hを構成するAgなどのメッキ層8、Niメッキ層、および金属層9は、図4に示すように、段部10の底面11における中間位置まで延びる外端部8a,9aを一体に有する形態として、発光素子Lからの光の反射面積を拡大することも可能である。
この結果、配線基板1によれば、封止用樹脂Jがキャビティ5から剥離しにくくなるため、発光素子Lおよびこれに接続される図示しないボンディングワイヤが引き剥がれ難くなる。従って、発光素子Lからの光を光反射層Hのメッキ層8で効率良く反射し且つ外部に放出することができる。
図5,図6に示すように、キャビティ5の側面6と基板本体2の表面3との間にまたがって段部14が形成されている。かかる段部14は、平面視で正八角形を呈し、各辺の中央の内側でキャビティ5における側面6の上端と接線状に近接または接しており、平面視がほぼ偏平な三角形を呈する底面15と、平面視がほぼV字形を呈する側壁16と、をそれぞれ8個ずつ等間隔に有している。各底面15と各側壁16とには、セラミックまたはガラス−セラミックが露出している。
以上のような配線基板1aでは、図6に示すように、キャビティ5の底面7上に発光素子Lを実装した後、当該キャビティ5に固化前の封止用樹脂Jが充填し、図6中の一点鎖線で示すように、かかる封止用樹脂Jは、基板本体2の表面3と面一になるように固化される。この封止用樹脂Jは、上記発光素子Lを封止し且つ当該発光素子Lから発光され且つ光反射層Hのメッキ層8で反射した光を、透過させて外部に放射する。
従って、配線基板1aによれば、封止用樹脂Jがキャビティ5から剥離しにくく、発光素子Lおよび図示しないボンディングワイヤが引き剥がれなくなるため、発光素子Lからの光を、光反射層Hのメッキ層8で効率良く反射し且つ外部に放出することが可能となる。
尚、前記段部は、平面視で、正方形、正五角形、正六角形などの正多角形を呈する形態とし、各辺の中央の内側でキャビティ5における側面6の上端と接線状に近接または接する形態としても良い。
図7,図8に示すように、配線基板1bでは、キャビティ5の側面6と基板本体2の表面3との間にまたがって4個(複数個)の段部20が等間隔で且つ基板本体2の各コーナ寄りの位置に形成されている。かかる4個の段部20は、平面視でほぼ円弧形を呈し、セラミックが露出する円弧形の底面21および平面視がほぼC字の側壁22を有すると共に、キャビティ5の側面6側が緩くカーブした開口部23をそれぞれ対称に有している。各底面21および側壁22には、セラミックまたはガラス−セラミックが露出している。
尚、光反射層Hを構成するAgなどのメッキ8、Niメッキ層、および前記金属層9は、前記図4で示したように、段部20の各底面21における開口部23寄りの位置を覆う形態としたり、キャビティ5の底面7に沿って延びた形態しても良い。
以上のような配線基板1bでは、図8に示すように、キャビティ5の底面7上に発光素子Lを実装した後、当該キャビティ5に固化前の封止用樹脂Jが充填し、図8中の一点鎖線で示すように、かかる封止用樹脂Jは、基板本体2の表面3と面一になるように固化される。この封止用樹脂Jは、上記発光素子Lを封止し且つ当該発光素子Lから発光され且つ光反射層Hのメッキ層8で反射した光を、透過させて外部に放射する。
従って、配線基板1bによれば、封止用樹脂Jがキャビティ5から剥離しにくく、発光素子Lやボンディングワイヤが引き剥がれ難くなるため、発光素子Lからの光を光反射層Hで効率良く反射し且つ外部に放出することが可能となる。
配線基板1cは、図9に示すように、前記同様の基板本体2、全体がほぼ円錐形状のキャビティ5、および、反射用メッキ層8を含む光反射層Hを備えると共に、キャビティ5の側面6と基板本体2の表面3との間にまたがって4個の段部24が等間隔で且つ基板本体2の各コーナ寄りの位置に形成されている。かかる4個の段部24は、平面視で楕円形を呈し、同じ楕円形の底面25、平面視がほぼ半楕円形の側壁26、およびキャビティ5の側面6にカーブして張り出した開口部27をそれぞれ対称に有している。各底面25および各側壁26には、セラミックなどが露出している。
尚、光反射層Hを構成する反射用メッキ層8、Niメッキ層、および前記金属層9は、前記図4で示したように、段部24,30,34の各底面25,31,35における開口部27,33,37寄りの位置を覆う形態としたり、あるいは、キャビティ5の底面7に沿って延びた形態としても良い。
尚、段部20,24,30,34は、前記形態の4個ずつに限らず、5個または6個以上を等間隔またはほぼ等間隔にして、キャビティ5の側面6と基板本体2の表面3との間にまたがるコーナ部に沿って形成しても良い。
配線基板1fは、図12,図13に示すように、前記同様の基板本体2と、その表面に開口し平面視が円形で且つ全体が円柱形を呈するキャビティ40と、かかるキャビティ40の垂直な側面42に形成されたAgなどの反射用メッキ層8、前記Niメッキ層、および金属層9から構成される光反射層Hと、を備えている。
更に、図13中の一点鎖線で示すように、封止用樹脂Jは、キャビティ40の底面41と共に、段部10における底面11および側壁12、少なくとも各側壁12に接触して固化するので、これらに露出するセラミックなどと強固に密着する。
尚、段部10に替えて、前記段部14,20,24,30,34を、配線基板1fにおけるキャビティ40の側面42と基板本体2の表面3とのコーナ部に沿って形成しても良い。
配線基板50は、図14,図15に示すように、平面視が長方形で表面53と裏面54との間に所要の厚みを有するセラミックまたはガラス−セラミック(絶縁材)からなる基板本体52と、その表面53に開口するキャビティ55と、を備えている。キャビティ55は、平面視にて長円形の底面57と、その周辺から傾斜して立ち上がる側面56とからなり、かかる側面56の外形は、平面視で各コーナにアールを付したほぼ長方形を呈すると共に、一対ずつの長辺と短辺との各接続部には約4分の1の円錐形部58をそれぞれ位置している。当該キャビティ55の側面56には、前記同様のAgなどからなるメッキ層8、前記Niメッキ層、および金属層9から構成される光反射層Hが全面に形成されている。
以上のような配線基板50では、図15に示すように、キャビティ55の底面57上に発光素子Lを実装した後、当該キャビティ55に前記封止用樹脂Jを充填し、図15中の一点鎖線で示すように、かかる封止用樹脂Jを、基板本体52の表面53と面一になるように固化させる。この封止用樹脂Jも、前記同様に上記発光素子Lを封止し且つ当該発光素子Lから発光され且つ光反射層Hの反射用メッキ層8で反射した光を、透過させて外部に放射する。
従って、配線基板50によっても、封止用樹脂Jがキャビティ55から剥離しにくく、発光素子Lおよび図示しないボンディングワイヤが引き剥がれなくなるため、発光素子Lからの光を光反射層Hで効率良く反射し且つ外部に放出することが可能となる。
尚、段部60に替えて、前記複数個からなる段部20,24,30,34を、配線基板50におけるキャビティ55の側面56と基板本体52の表面53とのコーナ部に沿って形成しても良い。
前記基板本体2,52を形成する絶縁材であるセラミックは、例えばムライトや窒化アルミニウムを主成分とするものとしても良い。
また、前記基板本体2,52を形成する絶縁材をエポキシ系樹脂などとしても良く、かかる樹脂の薄板または金属の薄板の表面上に、例えばエポキシ系樹脂からなる複数層の樹脂絶縁層を順次積層し、公知のフォトリソグラフィ技術によって、比較的上方の各樹脂絶縁層にキャビティを形成し、その側面および底面に沿って連続する前記金属層をメッキで形成しても良い。
加えて、本発明配線基板は、1個の配線基板の表面に開口するキャビティを複数としたり、単一のキャビティの底面に複数の実装エリアを配置し、これらに発光素子を個別に実装する形態とすることも可能である。
2,52……………………………………基板本体
3,53……………………………………表面
4,54……………………………………裏面
5,55……………………………………キャビティ
6,56……………………………………側面
7,57……………………………………底面
8……………………………………………メッキ層
9……………………………………………金属層
10,14,20,24,30,34,60…段部
H……………………………………………光反射層
L……………………………………………発光素子
Claims (3)
- 表面および裏面を有し且つ絶縁材からなる基板本体と、
上記基板本体の表面に開口し且つ底面に発光素子が実装されるキャビティと、を含み、
上記キャビティの側面には、上記発光素子の光を反射する光反射層が形成され、かかる側面と基板本体の表面との間に上記絶縁材が露出している、
ことを特徴とする配線基板。 - 前記キャビティの側面と基板本体の表面との間にまたがって段部が形成されると共に、かかる段部の少なくとも一部に前記絶縁材が露出している、
ことを特徴とする請求項1に記載の配線基板。 - 前記段部は、平面視において前記キャビティの側面と基板本体の表面との間における全周に沿って形成されているか、あるいは、前記キャビティの側面と基板本体の表面との間に沿って複数個が間隔を置いて形成されている、
ことを特徴とする請求項2に記載の配線基板。
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