JP2006291735A - 送風機羽根車 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の斜流送風機羽根車は、ファン効率の向上と低騒音化を主観点として、ファンの構成によって、これら性能を向上させようとするものである。
【解決手段】略円錐台状のハブ4に複数枚の薄翼の翼6を設けてなる斜流送風機羽根車1において、翼6の前縁2を、翼6の子午面において、ハブ4と翼6のチップ5との中点(B−B)付近より外周側では風上側に対して凹形状の曲線に、中点(B−B)付近よりハブ側では風上側に対して凸形状の曲線になるように形成し、且つ翼6の半径方向断面形状を、中点付近よりチップ5側では風上側に対して、凹形状の曲線で、中点付近よりハブ4側は風上側に対して凸形状の曲線になるように形成するものである。
【選択図】図2
【解決手段】略円錐台状のハブ4に複数枚の薄翼の翼6を設けてなる斜流送風機羽根車1において、翼6の前縁2を、翼6の子午面において、ハブ4と翼6のチップ5との中点(B−B)付近より外周側では風上側に対して凹形状の曲線に、中点(B−B)付近よりハブ側では風上側に対して凸形状の曲線になるように形成し、且つ翼6の半径方向断面形状を、中点付近よりチップ5側では風上側に対して、凹形状の曲線で、中点付近よりハブ4側は風上側に対して凸形状の曲線になるように形成するものである。
【選択図】図2
Description
本発明は、空気調和機の室外機などに用いられる送風機羽根車に関するもので、特に、送風機の静圧効率の向上と低騒音化に関する構成に関するものである。
従来、略円錐台状のハブに複数枚の薄翼の翼を設けてなる斜流送風機羽根車は特許文献1に記載されている。
図13、14、15は、特許文献1に記載された従来の斜流送風機羽根車を示すものである。図13、14、15において、斜流送風機羽根車30は、略円錐台状のハブ33に複数枚の薄翼の翼35を設けている。翼35の前縁31を、翼35の子午面において、ハブ33と翼35のチップ34との中点付近より外周側では風上側に対して凹形状の曲線に、中点付近よりハブ側では風上側に対して凸形状の曲線になるように形成し、且つ翼35の半径方向断面形状を、中点付近より外周側では風上側に対して、凹形状の曲線で、中点付近よりハブ側は風上側に対して凸形状の曲線になるように形成した斜流送風機羽根車である。
特開平11−294389号公報
しかしながら、上記従来の構成では、翼35の圧力面から負圧面に向かう洩れ流れにより、翼35の外周側付近の負圧面に発生する翼端渦の生成を翼35の凹状の曲線部にて促進させ低騒音化が図れる。また、ハブ33側の翼35の凸状の曲線部で、高負荷域での半径方向流入を円滑にして、静圧の向上を同時に図れる。しかし、斜流送風機羽根車30の平面図上の前縁31の形状に関しては、何の規定も無く、前縁31を回転方向に前傾した直線でも構成できる。この場合、前縁31とチップ34の交点が、翼端渦発生状態を規定する点であり、前縁31が直線では、その規定点が鈍角で構成されておれば、翼端渦の生成促進と渦の翼35の負圧面からの剥離という、翼端渦制御、即ち流れ制御に限界があり、当然、それに起因する騒音改善とファン効率改善に限界があった。また、前縁31が、前傾直線では、空気を切るタイミングがずれると言っても限界があり、流れ制御による騒音改善とファン効率改善に限界があった。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、翼端渦の生成の規定と促進と、半径方向流入の円滑化と、前縁が空気を円滑に切って進むなどにより、ファン全体の流動状態を最適に出来て、低騒音化とファン効率を従来以上に改善できる斜流送風機羽根車を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するために第1の発明は、略円錐台状のハブに複数枚の薄翼の翼を設けてなる斜流送風機羽根車において、翼の前縁を、翼の子午面において、ハブと翼のチップとの中点付近より外周側では風上側に対して凹形状の曲線に、中点付近よりハブ側では風上側に対して凸形状の曲線になるように形成し、且つ翼の半径方向断面形状を、中点付近より外周側では風上側に対して、凹形状の曲線で、中点付近よりハブ側は風上側に対して凸形状の曲線になるように形成し、斜流送風機羽根車の回転軸中心線から見た平面図上で
、前縁を螺旋曲線にて構成した斜流送風機羽根車提供してなるものである。
、前縁を螺旋曲線にて構成した斜流送風機羽根車提供してなるものである。
上記の構成によって、翼の圧力面から負圧面に向かう洩れ流れにより、翼の外周側付近
の負圧面に発生する翼端渦の生成を翼の凹状の曲線部にて促進させる。また、ハブ側の翼の凸状の曲線部で、高負荷域での半径方向流入を円滑にする。更に、前縁が螺旋曲線にて構成されているために、この前縁とチップの鋭角な交点が翼端渦の生成を規定する点であり、鋭角の為に、さらに、翼端渦の生成の始めを明確に規定し、翼端渦の生成をより促進するものである。また、前縁が螺旋曲線にて構成されているので、空気を切るタイミングが、より円滑にずれることになる。以上のように、翼端渦の生成の始めの明確な規定とその促進と、半径方向流入の円滑化と、前縁が空気を円滑に切って進むなどにより、ファン全体の流動状態を最適に出来て、低騒音化とファン効率を従来以上に改善できるのものである。
の負圧面に発生する翼端渦の生成を翼の凹状の曲線部にて促進させる。また、ハブ側の翼の凸状の曲線部で、高負荷域での半径方向流入を円滑にする。更に、前縁が螺旋曲線にて構成されているために、この前縁とチップの鋭角な交点が翼端渦の生成を規定する点であり、鋭角の為に、さらに、翼端渦の生成の始めを明確に規定し、翼端渦の生成をより促進するものである。また、前縁が螺旋曲線にて構成されているので、空気を切るタイミングが、より円滑にずれることになる。以上のように、翼端渦の生成の始めの明確な規定とその促進と、半径方向流入の円滑化と、前縁が空気を円滑に切って進むなどにより、ファン全体の流動状態を最適に出来て、低騒音化とファン効率を従来以上に改善できるのものである。
第2の発明は、翼の子午面において、前縁上のハブとチップの中点までの半径r1と後縁上のハブとチップの中点までの半径r2とし、前縁の中点と後縁の中点とを結ぶ流路中心線(r1とr2を結ぶ中心線)の断面展開形状における翼弦長Lとし、R=(r1+r2)/2の半径上の翼の半径方向長さbとし、アスペクト比b/L≦1.1からなり、翼枚数を2枚で構成し、前縁を螺旋曲線にて構成した斜流送風機羽根車を提供してなるものである。
上記の構成によって、翼枚数が2枚で構成されるので、翼枚数が最も少なく、翼面積投入が最も少なく流体摩擦が小さいので、空力仕事当たりの流体摩擦が少ないので、ファン効率が最も高くなる。アスペクト比b/L≦1.1なので、翼のバランスがよく、最も低騒音にできる。
第3の発明は、翼のハブの翼厚みt1チップの翼厚みt2とする時、t1>t2の寸法関係の斜流送風機羽根車を提供してなるものである。
上記の構成によって、斜流送風機羽根車を樹脂などで製作するときに、t1>t2の関係にあるので、外周側のファン重量が少ないので、ハブにかかる遠心力が小さく、ファンを高速回転させても、ハブ部から破断する危険性を減少させることができる。
第4の発明は、円筒状のハブに複数枚の薄翼の翼を設けてなるプロペラファンにおいて、翼の前縁を、翼の子午面において、ハブと翼のチップとの中点付近より外周側では風上側に対して凹形状の曲線に、中点付近よりハブ側では風上側に対して凸形状の曲線になるように形成し、且つ翼の半径方向断面形状を、中点付近より外周側では風上側に対して、凹形状の曲線で、中点付近よりハブ側は風上側に対して凸形状の曲線になるように形成し、プロペラファンの回転軸中心線から見た平面図上の前縁を螺旋曲線にて構成したプロペラファンを提供するものである。
上記の構成のよって、翼の圧力面から負圧面に向かう洩れ流れにより、翼の外周側付近の負圧面に発生する翼端渦の生成を翼の凹状の曲線部にて促進させる。また、ハブ側の翼の凸状の曲線部で、高負荷域での半径方向流入を円滑にする。更に、前縁が螺旋曲線にて構成されているために、この前縁とチップの鋭角な交点が翼端渦の生成を規定する点であり、さらに、翼端渦の生成を規定し促進するものである。また、前縁が螺旋曲線にて構成されているので、空気と切るタイミングが、より円滑にずれることになる。以上のように、翼端渦の生成の促進と、半径方向流入の円滑化と、前縁が空気を円滑に切って進むなどにより、ファン全体の流動状態を最適に出来て、低騒音化とファン効率を従来以上に改善できるものである。さらに、斜流送風機羽根車より、プロペラファンの方が、軽負荷域での、騒音が、低くできるものである。
第5の発明は、第1〜第4のいずれかの発明に記載の送風機を、熱交換促進用のファンとして用い、熱交換器、圧縮機などを有する室外機側に設けた空気調和機を提供するものである。
上記構成によって、ファン効率が高いので、ファンモータ入力を低減できて、空気調和機としてのエネルギー消費効率(COP)を高める事が出来るし、室外機の運転騒音を低くできるものである。
本発明の斜流送風機羽根車は、略円錐台状のハブに複数枚の薄翼の翼を設けてなる斜流送風機羽根車において、翼の前縁を、翼の子午面において、ハブと翼のチップとの中点付近より外周側では風上側に対して凹形状の曲線に、中点付近よりハブ側では風上側に対して凸形状の曲線になるように形成し、且つ翼の半径方向断面形状を、中点付近より外周側では風上側に対して、凹形状の曲線で、中点付近よりハブ側は風上側に対して凸形状の曲線になるように形成し、斜流送風機羽根車の回転軸中心線から見た平面図上で、前縁を螺旋曲線にて構成した斜流送風機羽根車を提供してなるものである。
上記の構成によって、翼の圧力面から負圧面に向かう洩れ流れにより、翼の外周側付近の負圧面に発生する翼端渦の生成を翼の凹状の曲線部にて促進させる。また、ハブ側の翼の凸状の曲線部で、高負荷域での半径方向流入を円滑にする。更に、前縁が螺旋曲線にて構成されているために、この前縁とチップの鋭角な交点が翼端渦の生成を規定する点であり、さらに、翼端渦の生成を促進するものである。また、前縁が螺旋曲線にて構成されているので、空気と切るタイミングが、より円滑にずれることになる。以上のように、翼端渦の生成の促進と、半径方向流入の円滑化と、前縁が空気を円滑に切って進むなどにより、ファン全体の流動状態を最適に出来て、低騒音化とファン効率を従来以上に改善できるものである。
第一の本発明は、略円錐台状のハブに複数枚の薄翼の翼を設けてなる斜流送風機羽根車において、翼の前縁を、翼の子午面において、ハブと翼のチップとの中点付近より外周側では風上側に対して凹形状の曲線に、中点付近よりハブ側では風上側に対して凸形状の曲線になるように形成し、且つ翼の半径方向断面形状を、中点付近より外周側では風上側に対して、凹形状の曲線で、中点付近よりハブ側は風上側に対して凸形状の曲線になるように形成し、斜流送風機羽根車の回転中心線から見た平面図上で、前縁を螺旋曲線にて構成した斜流送風機羽根車を提供してなるものである。
上記の構成によって、翼の圧力面から負圧面に向かう洩れ流れにより、翼の外周側付近の負圧面に発生する翼端渦の生成を翼の凹状の曲線部にて促進させる。また、ハブ側の翼の凸状の曲線部で、高負荷域での半径方向流入を円滑にする。更に、前縁が螺旋曲線にて構成されているために、この前縁とチップの鋭角な交点が翼端渦の生成を規定する点であり、さらに、翼端渦の生成を促進するものである。また、前縁が螺旋曲線にて構成されているので、空気と切るタイミングが、より円滑にずれることになる。以上のように、翼端渦の生成の促進と、半径方向流入の円滑化と、前縁が空気を円滑に切って進むなどにより、ファン全体の流動状態を最適に出来て、低騒音化とファン効率を従来以上に改善できるものである。
第二の本発明は、翼の子午面において、前縁上のハブとチップの中点までの半径r1と後縁上のハブとチップの中点までの半径r2とし、前縁の中点と後縁の中点とを結ぶ流路中心線(r1とr2を結ぶ中心線)上の断面展開形状における翼弦長Lとし、R=(r1
+r2)/2の半径上の翼の半径方向長さBとし、アスペクト比b/L≦1.1からなり、翼枚数を2枚で構成した斜流送風機羽根車を提供してなるものである。
+r2)/2の半径上の翼の半径方向長さBとし、アスペクト比b/L≦1.1からなり、翼枚数を2枚で構成した斜流送風機羽根車を提供してなるものである。
上記の構成によって、翼枚数が2枚で構成されるので、翼枚数が最も少なく、翼面積投入が最も少なく流体摩擦が小さいので、空力仕事当たりの流体摩擦が少ないので、ファン効率が最も高くなる。アスペクト比b/L≦1.1なので、翼のバランスがよく、最も低騒音にできる。
第三の本発明は、翼のハブにおける翼厚みt1とチップにおける翼厚みt2とする時、t1>t2の寸法関係の斜流送風機羽根車を提供してなるものである。
上記の構成によって、斜流送風機羽根車を樹脂などで製作するときに、t1>t2の関係にあるので、外周側のファン重量が少ないので、ハブにかかる遠心力が小さく、ファンを高速回転させても、ハブ部から破断する危険性を減少させることができる。
第四の本発明は、円筒状のハブに複数枚の薄翼の翼を設けてなるプロペラファンにおいて、翼の前縁を、翼の子午面において、ハブと翼のチップとの中点付近より外周側では風上側に対して凹形状の曲線に、中点付近よりハブ側では風上側に対して凸形状の曲線になるように形成し、且つ翼の半径方向断面形状を、中点付近より外周側では風上側に対して、凹形状の曲線で、中点付近よりハブ側は風上側に対して凸形状の曲線になるように形成し、プロペラファンの回転軸中心線から見た平面図上で、前縁を螺旋曲線にて構成したプロペラファンを提供するものである。
上記の構成のよって、翼の圧力面から負圧面に向かう洩れ流れにより、翼の外周側付近の負圧面に発生する翼端渦の生成を翼の凹状の曲線部にて促進させる。また、ハブ側の翼の凸状の曲線部で、高負荷域での半径方向流入を円滑にする。更に、前縁が螺旋曲線にて構成されているために、この前縁とチップの鋭角な交点が翼端渦の生成を規定する点であり、さらに、翼端渦の生成を促進するものである。また、前縁が螺旋曲線にて構成されているので、空気と切るタイミングが、より円滑にずれることになる。以上のように、翼端渦の生成の促進と、半径方向流入の円滑化と、前縁が空気を円滑に切って進むなどにより、ファン全体の流動状態を最適に出来て、低騒音化とファン効率を従来以上に改善できるものである。さらに、斜流送風機羽根車より、プロペラファンの方が、軽負荷域での、騒音が、低くできるものである。
第五の本発明は、第一から第四の発明の送風機を、熱交換促進用のファンとして用い、熱交換器、圧縮機などを有する室外機側に設けた空気調和機を提供するものである。
上記構成によって、ファン効率が高いので、ファンモータ入力を低減できて、空気調和機としてのエネルギー消費効率(COP)を高める事が出来るし、室外機の運転騒音を低くできるものである。
(実施の形態1)
本発明の第一の実施の形態を、図1、2、3、7、11を用いて説明する。
本発明の第一の実施の形態を、図1、2、3、7、11を用いて説明する。
図1は、本発明の斜流送風機羽根車の子午面図である。図2は、本発明の斜流送風機羽根車の半径方向断面図である。図3は、本発明の斜流送風機羽根車の平面図である。図7は、本発明の斜流送風機羽根車の斜視図である。図11は、本発明の斜流送風機羽根車の動作状態の模式図である。
図1に於いて、本発明の斜流送風機羽根車1は、略円錐台状のハブ4に複数枚の薄翼の
翼6を設けてなる斜流送風機羽根車1において、翼6の前縁2を、翼6の子午面において、すなわち、回転軌跡の形状において、ハブ4と翼6のチップ5との中点(B−B)付近より外周側では風上側に対して凹形状の曲線に、中点(B−B)付近よりハブ側では風上側に対して凸形状の曲線になるように形成する。図2において、且つ翼6の半径方向断面形状を、中点付近よりチップ5側では風上側に対して、凹形状の曲線で、中点付近よりハブ4側は風上側に対して凸形状の曲線になるように形成する。図3において、斜流送風機羽根車1の平面図上で、前縁2を螺旋曲線にて構成した斜流送風機羽根車1を提供してなるものである。C−Cは、斜流送風機羽根車の回転軸中心線である。図7は、その斜視図である。図11において、その動作状態を説明する。斜流送風機羽根車1を、適切なオリフィス7に収納し、モータ8にて駆動する。その回転によって、送風作用を発揮するものである。
翼6を設けてなる斜流送風機羽根車1において、翼6の前縁2を、翼6の子午面において、すなわち、回転軌跡の形状において、ハブ4と翼6のチップ5との中点(B−B)付近より外周側では風上側に対して凹形状の曲線に、中点(B−B)付近よりハブ側では風上側に対して凸形状の曲線になるように形成する。図2において、且つ翼6の半径方向断面形状を、中点付近よりチップ5側では風上側に対して、凹形状の曲線で、中点付近よりハブ4側は風上側に対して凸形状の曲線になるように形成する。図3において、斜流送風機羽根車1の平面図上で、前縁2を螺旋曲線にて構成した斜流送風機羽根車1を提供してなるものである。C−Cは、斜流送風機羽根車の回転軸中心線である。図7は、その斜視図である。図11において、その動作状態を説明する。斜流送風機羽根車1を、適切なオリフィス7に収納し、モータ8にて駆動する。その回転によって、送風作用を発揮するものである。
以上の様に構成された斜流送風機羽根車1の動作と作用を説明する。翼6の圧力面から負圧面に向かう洩れ流れにより、翼6の外周側付近の負圧面に発生する翼端渦の生成を翼6の凹状の曲線部にて促進させる。また、ハブ4側の翼6の凸状の曲線部で、高負荷域での半径方向流入を円滑にする。更に、前縁2が螺旋曲線にて構成されているために、この前縁2とチップ5の鋭角な交点が翼端渦の生成を規定する点であり、鋭角であるために、翼端渦の生成の始めを明確に規定し、翼端渦の生成を促進するものである。また、前縁2が螺旋曲線にて構成されているので、空気と切るタイミングが、より円滑にずれることになる。以上のように、翼端渦の生成の始めの規定とその促進と、半径方向流入の円滑化と、前縁2が空気を円滑に切って進むなどにより、ファン全体の流動状態を最適に出来て、低騒音化とファン効率を従来以上に改善できるものである。
具体的には、空気調和機室外機で、ファン径Φ456の実験では、前縁2が、前傾直線の場合に比較して、ファン効率比で約3%優れたデータを得ている。
(実施の形態2)
本発明の第二の実施の形態を、図1、4、5、6を用いて説明する。
本発明の第二の実施の形態を、図1、4、5、6を用いて説明する。
図1は、本発明の斜流送風機羽根車の子午面図である。図4は、本発明の斜流送風機羽根車の平面図である。図5は、本発明の斜流送風機羽根車の翼断面展開図である。図6は、アスペクト比と、騒音−風量の実験データである。
図1、4に於いて、翼6の子午面において、すなわち、回転軌跡の形状において、前縁2上のハブ4とチップ5の中点までの半径r1と後縁3上のハブ4とチップ5の中点までの半径r2とし、前縁2の中点と後縁3の中点とを結ぶ流路中心線B−B(r1とr2を結ぶ中心線)の断面展開形状における翼弦長L(図5のL)とし、R=(r1+r2)/2の半径上の翼6の半径方向長さbとし、アスペクト比b/L≦1.1からなり、翼枚数が2枚で構成し、前縁2を螺旋曲線にて構成した斜流送風機羽根車を提供してなるものである。
上記の構成による斜流送風機羽根車の動作と作用を説明する。
翼枚数が2枚で構成されるので、翼枚数が最も少なく、翼面積投入が最も少なく流体摩擦が小さいので、翼面積による空力仕事当たりの流体摩擦が少ないので、ファン効率が最も高くなる。アスペクト比B/L≦1.1なので、翼面積投入の割合が適正で翼のバランスがよく、最も低騒音にできる。
具体的には、図6のように、ファン径Φ456の斜流送風機羽根車にて、アスペクト比b/L≦1.1では、38dB当たりの風量が高いが、アスペクト比1.1を超えると、
風量が、著しく低下する。また、ファン径Φ456の翼枚数3枚に比較して、2枚は、空気調和機室外機での実験では、ファン効率比で約8%優れる。
風量が、著しく低下する。また、ファン径Φ456の翼枚数3枚に比較して、2枚は、空気調和機室外機での実験では、ファン効率比で約8%優れる。
(実施の形態3)
本発明の第三の実施の形態を、図2を用いて説明する。
本発明の第三の実施の形態を、図2を用いて説明する。
図2は、本発明の斜流送風機羽根車の半径方向断面図である。
図2に於いて、翼6のハブ4側の翼厚みt1チップの翼厚みt2とする時、t1>t2の寸法関係の斜流送風機羽根車1を提供してなるものである。
上記の構成の斜流送風機羽根車の動作と作用を説明する。
斜流送風機羽根車1を樹脂などで製作するときに、t1>t2の関係にあるので、外周側のファン重量が少ないので、ハブ4にかかる遠心力が小さく、ファンを高速回転させても、ハブ4部から破断する危険性を減少させることができる。Φ456の斜流送風機羽根車の強度解析では、t1=5mmでt2=2mmにした場合、厚み3mm一定に比較して、翼の撓み率を1/3に低減できた。
(実施の形態4)
本発明の第四の実施の形態を、図8、9、10を用いて説明する。
本発明の第四の実施の形態を、図8、9、10を用いて説明する。
図8は、本発明のプロペラファンの子午面図である。図9は、本発明のプロペラファンの半径方向断面図である。図10は、本発明のプロペラファンの平面図である。
図8において、円筒状のハブ14に複数枚の薄翼の翼16を設けてなるプロペラファン11において、翼16の前縁12を、翼16の子午面において、ハブ14と翼のチップ15との中点(B−B)付近より外周側では風上側に対して凹形状の曲線に、中点付近よりハブ14側では風上側に対して凸形状の曲線になるように形成する。図9で、且つ、翼16の半径方向断面形状を、中点付近より外周側では風上側に対して、凹形状の曲線で、中点付近よりハブ14側は風上側に対して凸形状の曲線になるように形成する。図10で、プロペラファン11の平面図上の前縁12を螺旋曲線にて構成したプロペラファン11を提供するものである。
上記の構成のプロペラファンの動作と作用を説明する。翼16の圧力面から負圧面に向かう洩れ流れにより、翼16の外周側付近の負圧面に発生する翼端渦の生成を翼16の凹状の曲線部にて促進させる。また、ハブ14側の翼16の凸状の曲線部で、高負荷域での半径方向流入を円滑にする。更に、前縁12が螺旋曲線にて構成されているために、この前縁12とチップ15の鋭角な交点が翼端渦の生成を規定する点であり、さらに、翼端渦の生成を規定し促進するものである。また、前縁が螺旋曲線にて構成されているので、空気を切るタイミングが、より円滑にずれることになる。以上のように、翼端渦の生成の促進と、半径方向流入の円滑化と、前縁12が空気を円滑に切って進むなどにより、ファン全体の流動状態を最適に出来て、低騒音化とファン効率を従来以上に改善できるものである。さらに、斜流送風機羽根車より、プロペラファンの方が、軽負荷域での、騒音が、低くできるものである。
(実施の形態5)
本発明の第5の実施の形態を、図12を用いて説明する。
本発明の第5の実施の形態を、図12を用いて説明する。
図12は、空気調和機室外機の横断面図である。
図12において、第1〜第4の実施の形態のいずれかの1形態の送風機を、熱交換促進用のファンとして用い、熱交換器21、圧縮機20などを有する室外機側に設けた空気調和機を提供するものである。22は駆動モータであり、23はオリフィスであり、24は前面グリルである。
上記構成によって送風機の動作と作用を説明する。ファン効率が高いので、ファンモータ22入力を低減できて、空気調和機としてのエネルギー消費効率(COP)を高める事が出来るし、室外機の運転騒音を低くできるものである。
以上のように本発明にかかる斜流ファンは、略円錐台状のハブに複数枚の薄翼の翼を設けてなる斜流送風機羽根車において、翼の前縁を、翼の子午面において、ハブと翼のチップとの中点付近より外周側では風上側に対して凹形状の曲線に、中点付近よりハブ側では風上側に対して凸形状の曲線になるように形成し、且つ翼の半径方向断面形状を、中点付近より外周側では風上側に対して、凹形状の曲線で、中点付近よりハブ側は風上側に対して凸形状の曲線になるように形成し、斜流送風機羽根車の平面図上で、前縁を螺旋曲線にて構成した斜流送風機羽根車提供してなるものである。
上記の構成によって、翼の圧力面から負圧面に向かう洩れ流れにより、翼の外周側付近の負圧面に発生する翼端渦の生成を翼の凹状の曲線部にて促進させる。また、ハブ側の翼の凸状の曲線部で、高負荷域での半径方向流入を円滑にする。更に、前縁が螺旋曲線にて構成されているために、この前縁とチップの鋭角な交点が翼端渦の生成を規定する点であり、鋭角の為に、さらに、翼端渦の生成の始めを明確に規定し、翼端渦の生成を促進するものである。また、前縁が螺旋曲線にて構成されているので、空気と切るタイミングが、より円滑にずれることになる。以上のように、翼端渦の生成の始めの規定とその促進と、半径方向流入の円滑化と、前縁が空気を円滑に切って進むなどにより、ファン全体の流動状態を最適に出来て、低騒音化とファン効率を従来以上に改善できるものである。
この斜流送風機羽根車は、ファンを用いる工業製品である空気調和機や換気扇、扇風機、コンピュータ冷却用のファンなどとしても展開が可能である。
1 斜流送風機羽根車
2 前縁
3 後縁
4 ハブ
5 チップ
6 翼
7 オリフィス
8 モータ
11 プロペラファン
12 前縁
13 後縁
14 ハブ
15 チップ
16 翼
20 圧縮機
21 熱交換器
22 ファンモータ
23 オリフィス
24 前面グリル
2 前縁
3 後縁
4 ハブ
5 チップ
6 翼
7 オリフィス
8 モータ
11 プロペラファン
12 前縁
13 後縁
14 ハブ
15 チップ
16 翼
20 圧縮機
21 熱交換器
22 ファンモータ
23 オリフィス
24 前面グリル
Claims (5)
- 略円錐台状のハブに複数枚の薄翼の翼を設けてなる斜流送風機羽根車において、前記翼の前縁を、前記翼の子午面において、前記ハブと前記翼のチップとの中点付近より外周側では風上側に対して凹形状の曲線に、前記中点付近よりハブ側では風上側に対して凸形状の曲線になるように形成し、且つ前記翼の半径方向断面形状を、前記中点付近より外周側では風上側に対して、凹形状の曲線で、前記中点付近よりハブ側は風上側に対して凸形状の曲線になるように形成し、斜流送風機羽根車の平面図上で、前記前縁を螺旋曲線にて構成した斜流送風機羽根車。
- 前記の翼の前記の子午面において、前記前縁上の前記ハブと前記チップの中点までの半径r1と後縁上の前記ハブと前記チップの中点までの半径r2とし、前記前縁の前記中点と前記後縁の前記中点とを結ぶ流路中心線(r1とr2を結ぶ中心線)の翼断面展開形状における翼弦長Lとし、R=(r1+r2)/2の半径上の前記翼の半径方向長さbとし、アスペクト比b/L≦1.1からなり、翼枚数が2枚で構成し、前記前縁を螺旋曲線にて構成した請求項1記載の斜流送風機羽根車。
- 前記翼の前記ハブの翼厚みt1と前記チップの翼厚みt2とする時、t1>t2の寸法関係からなる請求項1、または2記載の斜流送風機羽根車。
- 円筒状のハブに複数枚の薄翼の翼を設けてなるプロペラファンにおいて、前記翼の前縁を、前記翼の子午面において、前記ハブと前記翼のチップとの中点付近より外周側では風上側に対して凹形状の曲線に、前記中点付近よりハブ側では風上側に対して凸形状の曲線になるように形成し、且つ前記翼の半径方向断面形状を、前記中点付近より外周側では風上側に対して、凹形状の曲線で、前記中点付近よりハブ側は風上側に対して凸形状の曲線になるように形成し、プロペラファンの平面図上の、前縁を螺旋曲線にて構成したプロペラファン。
- 請求項1〜請求項4のいずれかの1項に記載の送風機を、熱交換促進用のファンとして用い、熱交換器、圧縮機などを有する室外機側に設けた空気調和機。
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