JP2006291206A - ルイス酸に耐性のフッ素化潤滑剤 - Google Patents

ルイス酸に耐性のフッ素化潤滑剤 Download PDF

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Abstract

【課題】ルイス酸及び熱酸化に対する良好な耐性と併せて、300より高い粘度指数、高分子量を有するフッ素化潤滑剤を提供する。
【解決手段】式:HS-(Y-R'f-Y'-S-Y-Rf-Y'S)n-H(1)[式中、Rf、R'f鎖はパーフルオロポリオキシアルキレン鎖であり、互いに等しいか異なって、該鎖に沿って統計学的に配置された1以上の繰り返し単位から形成され、数平均分子量が500〜10,000、好ましくは800〜3,000であり;YとY'は互いに等しいか異なって、-CF2CH2-、-CF(CF3)CH2-、-CFXCH2(OCH2CH2)z-(zは1〜4、X=F、CF3)、-CF2CH2O(CH2)3-、-CF(CF3)CH2O(CH2)3-から選択され;nは化合物(1)の数平均分子量が3,000〜50,000となる1以上の正の整数である]を有する(パー)フルオロポリエーテル及びルイス酸の存在下での潤滑剤としての使用。
【選択図】なし

Description

本発明は、温度上昇に伴う粘性変動が小さい高粘度指数と併せて、ルイス酸と熱酸化に対する良好な耐性を有するフッ素化潤滑剤に関する。
より詳細には、本発明は、主鎖中に硫黄原子を含み-SH末端基を有するパーフルオロポリエーテル構造を有するオリゴマー化合物から形成される、300より高い粘度指数を有するフッ素化潤滑剤、油及びグリースに関する。
パーフルオロアルキル末端基を有するパーフルオロポリエーテルから形成された高い熱安定性を有するフッ素化潤滑油は、市場で公知である。この油は、Fomblin(登録商標)の名称でSOLVAY SOLEXIS社により市販されている。これら潤滑剤は、油としての特定の使用に好適な分子量と粘度を有する「等級」で市販されている。これら市販等級の数平均分子量は、4,000〜13,000であり、その粘度指数は300〜360である。
分子量が4,000より低く粘度指数が60〜100であるフッ素化潤滑剤もまた存在するが、常に効果的な潤滑性を保証するために温度が変化しても実質的に一定の粘度が要求される用途では、この低い粘度指数によってこれら潤滑剤の使用は妨げられる。
パーフルオロポリエーテル油の異なる等級は全て、一般に、過酸化パーフルオロポリエーテルの分画又は化学的処理によって得られる。例えば米国特許第4,178,465号を参照。しかし、極端な潤滑条件(高温・高圧)で特に好適な(10,000より高い)高分子量を有するパーフルオロポリエーテル油は、工業的見地から上述の方法では取得が困難である。事実、このようなパーフルオロポリエーテル油は重合粗製生成物の蒸留によって得られるので、これら特定の分子量、したがって特定の粘度のものの取得には、数度の高価な分画又は精製工程が必要となる。更に、これらの画分は重合粗製生成物中に少量でしか存在しないので、分画プロセスによっても、13,000より高い数平均分子量を有するパーフルオロポリエーテル油を工業的に製造することはできない。
その上、上述のフッ素化潤滑油及び市販のフッ素化潤滑油は、ルイス酸に対する耐性、及び概して、金属の存在下での熱酸化に対する耐性が貧弱であるという欠点を有している。
確かに、ルイス酸(例えばアルミニウム、鉄、チタン、バナジウムの酸化物又はフッ化物など)が、潤滑剤の完全な分解を引き起こし得るパーフルオロポリエーテル崩壊反応の触媒であることは公知である。潤滑剤がルイス酸と接触する用途は、例えば、磁気ディスクの潤滑又は熱酸化環境中の金属部品の潤滑である。前者の場合、ルイス酸はディスク材料の構成成分の一つである。熱酸化環境中では、ルイス酸は潤滑剤の利用条件下で形成される。
パーフルオロポリエーテル油にルイス酸及び熱酸化に対する耐性を付与するためには、パーフルオロポリエーテル油に特定の安定化添加剤を添加することが必要である。しかし、炭化水素又は鉱質の潤滑油で通常使用される添加剤はパーフルオロポリエーテル油に可溶でないので、添加剤の選択は容易ではない。このことにより、良好な溶解性を保証するためには、各種等級用の特別の添加剤を合成することが必要となる。更に、特別の添加剤の使用はコストを上昇させ得る。
本出願人名義の米国特許第5,376,289号は、パーフルオロポリエーテル油用の潤滑剤又は防食添加剤として使用される、-SH末端基を有する単官能性パーフルオロポリエーテルから形成される化合物を記載している。この特許に記載の実施例は、パーフルオロポリエーテル油における添加剤としての使用に関してのみである。この製品の潤滑油としての用途は商業的に開発されなかった。事実、本出願人が実施した試験によって、2,000より低い、好ましくは1,000より低い数平均分子量でのみ工業的に入手可能である実施例に記載のパーフルオロポリエーテル前駆体から出発して、数平均分子量が実質的に2,000より低いパーフルオロポリエーテル油を取得可能であることが示されている。
しかし、分子量が2,000より低い化合物は、前記のように、高温での潤滑への使用に支障をきたす低い粘度指数及び高い蒸気圧を有しているので、広い温度範囲用の潤滑油として使用できない。その上、2,000より高い分子量の取得には、非常に複雑でしたがって高価な工業的方法が要求され、このことにより、製品は商業的見地から魅力がなくなる。
米国特許第4,178,465号明細書 米国特許第5,376,289号明細書
ルイス酸及び熱酸化(金属の存在下でさえも)に対する良好な耐性と併せて、300より高い高粘度指数、高分子量を有するフッ素化潤滑剤を利用可能にする必要性が感じられていた。更に、高分子量(特に13,000より高い)を容易に得ることを可能にする単純な方法でフッ素化潤滑剤を利用可能にする必要性が感じられていた。
驚くべきことに、そして予期せざることに、上記の要求を満足する独特の(パー)フルオロポリエーテルが見出された。
本発明の1つの目的は、次式を有する(パー)フルオロポリエーテルである:
HS-(Y-R'f-Y'-S-Y-Rf-Y'S)n-H (1)
[式中、
− Rf、R'f鎖はパーフルオロポリオキシアルキレン鎖であり、互いに等しいか又は異なって、鎖に沿って統計学的に配置された以下の構造:
(CFXO)、(CF2CF2O)、(C3F6O)、(CF2(CF2)z'O) (z'は2又は3の整数である)、(CR4R5CF2CF2O) (X=F、CF3であり、R4及びR5は互いに等しいか又は異なって、H、Cl、又は1〜4の炭素原子のパーフルオロアルキルから選択される)
を有する1又はそれより多い繰り返し単位から形成され、数平均分子量が500〜10,000、好ましくは800〜3,000であり、
− Y及びY'は互いに等しいか又は異なって、-CF2CH2-、-CF(CF3)CH2-、-CFXCH2(OCH2CH2)z- (zは1〜4であり、Xは上記と同義である)、-CF2CH2O(CH2)3-、-CF(CF3)CH2O(CH2)3-から選択され、
− nは化合物(1)の数平均分子量が3,000〜50,000となる1以上の正の整数である]。
好ましいパーフルオロポリエーテルRf、R'f鎖は、次の構造から選択される:
(A) -O-(CF2CF(CF3)O)a(CFXO)b-CF2(Raf)CF2-O-(CF2CF(CF3)O)a(CFXO)b-
[式中、XはF又はCF3であり、a及びbは数平均分子量が上記範囲となる整数であり、a/bは10〜100でありbは0ではなく、Rafは1〜4のC原子のフルオロアルキレン基である]
(B) -O-(CF2CF2O)c(CF2O)d(CF2(CF2)z'O)h-
[式中、c、d及びhは数平均分子量が上記範囲であるような整数であり、c/dは0.1〜10でありdは0でなく、h/(c+d)は0〜0.05であり(c+d)は0でなく、z'は2又は3であり、hは0でもあり得る]
(C) -O-(C3F6O)e(CF2CF2O)f(CFXO)g-
[式中、XはF又はCF3であり、e、f、gは数平均分子量が上記範囲となる整数であり、e/(f+g)は0.1〜10であり(f+g)は0でなく、f/gは2〜10でありgは0でなく、(C3F6O)は式-(CF2CF(CF3)O)又は-(CF(CF3)CF2O)-の単位を表し得る]
(D) -O-(CF2(CF2)z'O)s-
[式中、sは上記分子量を与える整数であり、z'は上記と同義である]
(E) -O-(CR4R5CF2CF2O)j'-又は-(CR4R5CF2CF2O)p'-Raf-O-(CR4R5CF2CF2O)q'-
[式中、R4及びR5は互いに同じか又は異なって、H、Cl、又は1〜4のC原子のパーフルオロアルキルから選択され、Rafは1〜4のC原子のフルオロアルキレン基であり、j'、p'及びq'は分子量を上記分子量とする整数である]
(F) -O-(CF(CF3)CF2O)j"-Ra'f-O-(CF(CF3)CF2O)j"-
[j"は上記分子量を与える整数であり、Ra'fは1〜4のC原子のフルオロアルキレン基である]。
特に好ましい構造は(A)及び(B)である。
本発明の式(1)の(パー)フルオロポリエーテルは、それらを潤滑剤として特に好適とする非常に良好な物理的性質の組み合わせを示す。事実、粘度指数が驚くほど高く、特に300より高く、蒸気圧が極端に低く、好ましくは10-9Paより低いことが見出されている。
本出願人により、式(1)の化合物が、200℃より高い熱安定性、ルイス酸又は酸素存在下の金属のようなパーフルオロポリエーテルに対して特に攻撃的な薬剤に対する高い化学的安定性を示すことが、驚くべきことにそして予期しないことに見出された。
したがって、本発明の潤滑剤は、油として、又はグリース製造における成分として使用することができる。
式(1)の化合物を高温高圧で油として使用する場合、8,000より高い、好ましくは10,000より高い、より好ましくは13,000より高い分子量を好ましくは使用する。確かに、潤滑剤の分子量が高ければ高いほど、極端な条件下でさえ、潤滑薄膜の均一性が高くなることが見出されている。
式(1)の油は更に、潤滑剤で通常使用される添加剤(例えば、防錆、酸化防止又は耐磨耗添加剤)を含有することができる。
潤滑油はまた、フッ素化グリースを製造するために使用することができる。この場合、潤滑組成物は、パーフルオロポリエーテル油に加えて、必須成分として、増ちょう剤(先行技術で公知の量)、例えば、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、ナトリウムテレフタラメート、カルシウム又はリチウムの石鹸、ポリ尿素などを含む。ASTM D 217に従って定義される異なる浸透度を有するグリースは、増ちょう剤に対するパーフルオロポリエーテル油の相対量に依存して得られる。潤滑グリース組成物に一般に含有される他の成分は、分散剤、例えば界面活性剤、特に非イオン性界面活性剤、好ましくはパーフルオロポリエーテル又はパーフルオロアルキル構造を有する非イオン性界面活性剤;添加剤、例えばタルク又は無機充填剤である。更に、潤滑剤グリース組成物はまた、グリース処方物で一般に使用される添加剤、例えば防錆、酸化防止又は耐磨耗添加剤を含有することもできる。これら添加剤の量は、この分野で一般に使用される量である。
式(1)の(パー)フルオロポリエーテルは、高価な分画処理も化学処理も必要とすることなく、所定の数平均分子量及び/又は所定の分子量分布を有し特定の用途に特に好適な各種等級の油を直接取得可能な方法により製造される。
したがって、本発明の更なる目的は、式(1)の(パー)フルオロポリエーテルを製造する方法であり、この方法は、
(I)任意にフッ素化有機溶媒の存在下、式:
HS-Y-R'f-Y'-SH (2)
の(パー)フルオロポリエーテルジチオールと式:
RS(O)2O-Y-Rf-Y'-OS(O)2R (3)
[式中、
− Rf、R'f、Y及びY'は上記と同義であり、
− Rは、炭素原子数が1〜4、好ましくは4のパーフルオロアルキル鎖、又は-CH3、-Ph-CH3、-Ph-NO2基である]
の(パー)フルオロポリエーテルスルホン酸ジエステルとの、
ジチオール(2)/スルホン酸ジエステル(3)のモル比が0.5〜4、好ましくは1〜2の、
ジチオール/塩基の当量比が0.5〜2、好ましくは1〜2である溶媒中に溶解された塩基の存在下、30℃〜120℃、好ましくは70℃〜100℃の温度にての反応
(II)工程(I)で得られた反応塊(reaction mass)から沈殿した塩を分離し、有機相を例えば希酸水溶液で中和し、任意に残留有機塩を例えば水で繰り返し洗浄して除去し、次いで存在すれば溶媒を得られた生成物から除去すること
を含む。
溶媒の除去には、既知の方法、例えば蒸発を使用する。
ジチオール/スルホン酸ジエステルのモル比は、取得すべき分子量に依存して、0.5〜4の範囲、好ましくは1〜2の範囲で選択する。このモル比が1に近いほど、式(1)の(パー)フルオロポリエーテルの分子量はより高くなる。
塩基として、無機塩基、例えばKOHが使用でき、有機塩基、例えば第三級脂肪族、脂環式及び芳香族のアミン(例えばトリエチルアミン)が使用できる。好ましくは、塩基として、5% w/w〜30% w/w、好ましくは10% w/w〜20% w/wの濃度を有するKOHアルコール溶液を使用する。
フッ素化有機溶媒は、30℃〜150℃、好ましくは70℃〜100℃の沸点を有するパーフルオロ化溶媒、ヒドロフルオロ化溶媒又はこれらの混合物から選択され、例えばGalden(登録商標) D100(パーフルオロプロピル-テトラヒドロピランとパーフルオロブチル-テトラヒドロフランとの重量比1:1の混合物)である。溶媒/フッ素化ジチオールの重量比は0.5〜4、好ましくは1〜2である。
反応時間は温度に依存して変わり、一般には8〜24時間の間である。
工程(I)の反応の最後に、工程(II)を続け、
工程(II)の沈殿した塩の分離は、例えば濾過により行うことができる。
本方法は、90%より高い収率及び98%より高い選択率で式(1)の化合物を取得することを可能にする。特に、式(2)の(パー)フルオロポリエーテルジチオールは、例えば、米国特許第3,810,874号に従い、式:
HO-Y-R'f-Y'-OH (4)
[式中、R'f、Y、Y'は上記と同義である]の(パー)フルオロポリエーテルジオールから出発して製造することができる。まず、これを、例えばトリエチルアミンの存在下でスルホニルフルオリドと反応させることにより、スルホン酸ジエステルに変換する(これにより式(3)の化合物を得る)。次に、式(3)の化合物をチオール酢酸ナトリウムと反応させ、式:
CH3C(O)-S-Y-R'f-Y'-S-C(O)CH3 (5)
[式中、R'f、Y及びY'は上記と同義である]の(パー)フルオロポリエーテルのチオール酢酸ジエステルを得る。これから、加水分解により式(2)の(パー)フルオロポリエーテルジチオールが得られる。
特に、Y及び/又はY'が-CF(CF3)CH2又は-CFXCH2(OCH2CH2)2である場合、式(4)の前駆体はこれらの結合基を含有する。これら前駆体は、例えば、米国特許第3,847,978号に従って製造される。これら化合物に米国特許第3,810,874号の教示を適用することにより、スルホン酸ジエステルを経由して、式(2)のパーフルオロポリエーテルが得られる。
本出願人は、高い収率及び選択率で式(2)の(パー)フルオロポリエーテルジチオールを取得する好ましい方法を見出した。本出願人は、この方法から出発することにより、90%より高い収率及び98%より高い選択率で式(1)の化合物を取得することが可能であることを見出した。
したがって、本発明の更なる目的は、式:
HS-Y-R'f-Y'-SH (2)
[式中、Rf、R'f、Y及びY'は上記と同義である]の(パー)フルオロポリエーテルジチオールを製造する方法であり、この方法は以下の工程を含む:
(A1)式:
HO-Y-R'f-Y'-OH (4)
[式中、R'f、Y及びY'は上記と同義である]
を有する(パー)フルオロポリエーテルジオールと式:
RS(O)2W (6)
[式中、W=ハロゲン、好ましくはFであり、
Rは、炭素原子数が1〜4、好ましくは4のパーフルオロアルキル鎖、又は-CH3、-Ph-CH3、-Ph-NO2基(Phはフェニル)である]
のスルホニルハライドとの
ジオール(4)/スルホニルハライド(6)の当量比が1:1〜1:1.5、好ましくは1:1.1の、
塩基/スルホニルハライドの当量比が1:1〜1:1.5、好ましくは1:1.1である塩基の存在下、−20℃〜10℃、好ましくは−10℃〜0℃の温度にての反応。これにより式:
RS(O)2O-Y-Rf-Y'-OS(O)2R (3)
[式中、R、Rf、R'f、Y及びY'は上記と同義である]
の(パー)フルオロポリエーテルのスルホン酸ジエステルが得られる。
(B1)式(3)の化合物と、式CH3C(O)SM (好ましくはM=カリウム)を有するアルカリ金属Mのチオールアセテートとの、
スルホン酸ジエステル(3)/チオールアセテートの当量比が1:1〜1:1.2、好ましくは1:1.1の、
フッ素化有機溶媒と、50℃より高い沸点を有する脂肪族アルコール、好ましくはエタノールとの1:1 v/v混合物の存在下、該溶媒混合物とスルホン酸ジエステル(3)の重量比0.5〜4、好ましくは1〜2で、不活性雰囲気中、30℃〜80℃、好ましくは50℃〜70℃の温度にての反応。これにより式:
CH3C(O)-S-Y-R'f-Y'-S-C(O)CH3 (5)
[式中、R'f、YとY'は上記と同義である]
の(パー)フルオロポリエーテルのチオール酢酸ジエステルが得られる。
(C1)工程(B1)で得られた混合物と無水HClとの、
1:1〜1:10、好ましくは1:5〜1:7のチオール酢酸ジエステル(5)/HClの当量比で、50℃〜100℃、好ましくは80℃〜100℃の温度にての反応。これにより、式(2)の(パー)フルオロポリエーテルジチオールが得られる。
工程(A1)において、好ましくは、第三級脂肪族、脂環式又は芳香族のアミン、好ましくはトリエチルアミン(TEA)が塩基として使用される。
工程(A1)での反応時間は、一般に8〜16時間である。
工程(A1)の最後に、式(3)の化合物を分離する。例えばまず反応塊をフッ素化有機溶媒、例えばGalden(登録商標)D100で希釈し、次にアルコール、例えばメタノールで繰り返し洗浄し、アンモニウム塩が豊富なアルコール相と有機相の2相を得て、有機相から有機溶媒の蒸発によって式(3)のパーフルオロポリエーテルスルホン酸ジエステルを単離する。
工程(B1)において、フッ素化有機溶媒は、脂肪族又は芳香族、好ましくは芳香族であることができる。或いは、溶媒は、パーフルオロ化溶媒又はヒドロフルオロ化溶媒から選択される。
工程(B1)における反応時間は一般に8〜16時間である。
工程(B1)の最後に、沈殿した有機塩を例えば濾過により分離し、反応塊を水で繰り返し洗浄する。式(5)の化合物を含有する有機相を水相から分離し、次いで化合物(5)を溶媒の蒸発により単離する。
工程(C1)において、式(5)の化合物のアルコール分解が起こる。
工程(C1)における反応時間は8〜10時間である。
工程(C1)で得られた反応混合物を水で繰り返し洗浄する。2相が形成される。次いで化合物(2)を溶媒の蒸発により有機相から単離する。
予期せざることに、そして驚くべきことに、工程(B1)がいかなる副次反応も伴わないで起こることが見出された。このことにより、式(2)の(パー)フルオロポリエーテルジチオールを高い収率及び選択率で単離することが可能になる。一般に収率は98%より高く、選択率は100%に近い。前記のように、本方法の高収率により、本発明の式(1)の化合物を90%より高い収率及び98%より高い選択率で取得することが可能になる。
上記のように、本発明の式(1)の(パー)フルオロポリエーテルは、高い選択率の方法によって、(2)と(3)との間のモル比を変えることにより所定の分子量範囲で得られるという利点を示す。式(1)の化合物は更に、潤滑剤として使用できるような非常に良好な性質の組合せ、例えば高い粘度指数及び低い表面張力を示す。
本発明の式(1)の(パー)フルオロポリエーテル潤滑剤は、潤滑特性を評価するため、20℃、40℃及び100℃での動粘度測定値、粘度指数、149℃及び204℃での損失重量、並びに密度により特徴付けた。
前記のように、本発明の式(1)の(パー)フルオロポリエーテルは、潤滑剤としての使用に特に好適とする非常に良好な物理的性質の組合せを示すので、潤滑剤、油及びグリースとして使用することができる。更に、式(1)の化合物は、200℃より高い熱安定性、ルイス酸又は酸素存在下の金属、パーフルオロポリエーテルに特に攻撃的な既知の薬剤に対する高い化学的安定性を示す。
本出願人が実施した試験により、本発明の潤滑剤(1)はまた、金属表面に湿潤環境中での高い耐食性を付与することができ、したがって公知のパーフルオロポリエーテル潤滑油より少なくとも10倍高い金属寿命を可能にすることが示される。
更に驚くべきことに、本発明の式(1)の化合物はまた、添加剤として0.05%から10%まで、好ましくは5%まで、より好ましくは3%までの量で使用して、先行技術の公知のフッ素化油、好ましくはパーフルオロポリエーテルに、長期間、湿潤環境中の金属に対する向上した防食特性を付与できることが本出願人により見出された(より詳細には、霧箱試験で、24時間後に金属の腐食は観察されなかった)。実施例及び特徴付けを参照。
以下の実施例によって、本発明はより十分に説明されるが、実施例は単なる説明であり、本発明を制限する目的のものではない。
実施例
特徴づけ
分子量の測定
19F NMR分析により測定した。
粘度指数
粘度指数の測定は、ASTM D2270法を適用して、40℃及び100℃での動粘度データを用いて行った。
ルイス酸に対する耐性
反応物として、パーフルオロポリオキシアルキレン鎖を含有する化合物に対して特に攻撃的であることが知られているルイス酸を使用して評価した。本発明の油のルイス酸に対する安定性の測定は、以下のとおりに行った。
5グラムの試験すべき流体及び0.1グラムのAlF3を、ガラス試験管(約10cc)に導入した。試験管を秤量し、中央に穴を有するネジ栓で閉じた。穴に30cmのPTFE細管を取り付けた。この細管により、生じ得る分解生成物が収集シリンダー中に含まれるNaOH溶液(0.1N)中に運ばれる。次いで、試験管を24時間250℃まで加熱した。最後に、試験管を冷却し、秤量した。
加熱前後の重量差が、試験前のサンプル重量を参照して、試験すべき流体のパーセント損失重量を与える。
熱酸化安定性
熱安定性は、以下に記載した微小酸化試験を用い、ASLE Transactions, 13(3),171-180(1975)でCarl E. Snyder, Jr.及びRonald E. Dolle, Jr.により記載された装置を使用して、金属及びエアーの存在下で評価した。
用いた操作条件は以下のとおりであった:
試験温度:250℃;
エアーフロー:1リットル/時;
流体に浸漬した金属:ステンレス鋼(AISI 304)及びTi合金(Al 6%、V 4%)。
検査下の流体を、図1に示した装置のガラス試験管に導入し、全体を秤量し、試験温度にした。24時間経過後、ガラス試験管を室温に冷却し、再び秤量した。加熱前後の重量差から、検査下の流体のパーセント損失重量を決定した。試験後の流体中に浸漬した金属の状態を視覚的に評価した。
熱安定性
熱重量分析により、ASTM D 972法に従って149℃及び204℃での損失重量を測定して評価した。
防食特性
本発明の化合物の防食特性は、脱塩水を使用する以外は霧箱試験(ASTM B 117)により評価した。試験の目的は、高湿度条件の金属上での油の防食特性の測定である。
この方法では、下記に記載するように表面処理したC-15炭素鋼の小さなシートを、試験すべき油の溶液中に浸漬し、取り出し、液切し、次いで所定の時間、100%の相対湿度で35℃の温度の霧箱中に懸垂することが必要である。
油が試験に合格するか否かは、腐食染みがシート表面に見られるかどうかによる。霧箱は、水タンクに接続し、湿気で環境を飽和することができる圧搾エアー噴霧器(圧力=2.5気圧)からなった。温度を35℃に設定して維持した。
試験は、以下のとおり操作して行った:シートを洗浄し、まずn-ヘキサン次いでDelifrene(登録商標)113に浸したフロックで脱脂した。次いで、シートを、油を含有する溶液に浸漬し、その後取り出し、垂直に吊り下げ、液を16時間滴り落とした。次に、シートを、試験の全期間稼動しているように維持された霧箱に導入した。
試験の結果は以下の分類に従って表した:
(0)腐食なし;
(1)直径<1mmの腐食染みが非常に少数;
(2)表面の30%が直径<2mmの小さな染みで覆われている;
(3)表面の60%が直径<3mmの小さな染みで覆われている;
(4)表面の100%が直径4〜5mmの大きな染みで覆われ、いくつかの部分で光る表面が見られる;
(5)表面の100%が大きな汚点で覆われ、下地表面が見えない。
評価が(0)の場合、結果は優秀とみなされ、評価(1)は許容範囲とみなされる。
実施例1
Y=Y'=-CF2CH2-であり、Rf=R'f=-(CF2CF2O)c(CF2O)d- (c及びdは-Y-R'f-Y'-(及び-Y-Rf-Y'-)の数平均分子量が2,000に等しい整数)である式(1)の油の製造
機械式撹拌機、温度計及び凝縮器を備えた0.25リットルガラス反応器において、不活性窒素雰囲気中に:
− 28g(29ミリ当量)の、Y=Y'=-CF2CH2-であり、R'f=-(CF2CF2O)c(CF2O)d- (c及びdは-Y-R'f-Y'-の数平均分子量が2,000に等しい整数)である式(2)の(パー)フルオロポリエーテルジチオール;
− 36.5g(29ミリ当量)の、Y=Y'=-CF2CH2-であり、Rf=-(CF2CF2O)c(CF2O)d- (c及びdは-Y-Rf-Y'-の数平均分子量が2,000に等しい整数)であり、R=CF3CF2CF2CF2-である式(3)の (パー)フルオロポリエーテルのスルホン酸ジエステル
を導入した。
得られた混合物を攪拌下に置き、次に9.7gのKOHアルコール溶液(エタノール(EtOH)中20%;29ミリ当量)を室温で滴下した。
次いで、反応混合物を80℃に加熱し、この温度で8時間維持した。8時間後、反応混合物を室温に冷却し、反応塊を100mlのGalden(登録商標)D100で希釈した。
反応の間に沈殿した塩を濾過し、次いで水での2回の洗浄を行い(2×20ml)、各回に下方のフッ素化有機相を回収した。
次いで、真空下での溶媒の蒸発により、得られた生成物を単離した。
59gの粘稠な油が得た。これは、NMR(19F及び1H)分析の結果、n=4の式(1)の(パー)フルオロポリエーテルであり、数平均分子量(NMRより)は14,000に等しかった。
この油の特性を、パーフルオロアルキル末端基及び類似の数平均分子量を有する市販のパーフルオロポリエーテル潤滑剤Fomblin(登録商標)M60と対比して、表1に示す。
表1に示されたデータから、式(1)の(パー)フルオロポリエーテルは、市販の(パー)フルオロポリエーテル油に匹敵する優れた粘度指標を有していることが明らかである。
実施例2
Y=Y'=-CF2CH2O(CH2)3-であり、Rf=R'f=-(CF2CF2O)c(CF2O)d- (c及びdは-Y-R'f-Y'-(及び-Y-Rf-Y'-)の数平均分子量が2,000に等しい整数)である式(1)の化合物の製造
Y=Y'=-CF2CH2O(CH2)3-であり、Rf=R'f=-(CF2CF2O)c(CF2O)d- (c及びdは-Y-Rf-Y'-の数平均分子量が2,000に等しい整数)である式(4)のパーフルオロポリエーテルジオールから出発して、Y=Y'=-CF2CH2-であり、R'f=-(CF2CF2O)c(CF2O)d- (c及びdは-Y-R'f-Y'-の数平均分子量が2,000に等しい整数)である式(2)の化合物(実施例3の記載に従って得た)を使用した以外、実施例1を正確に繰り返した。
この油の特性を、パーフルオロアルキル末端基及び類似の数平均分子量を有する市販のパーフルオロポリエーテル潤滑剤Fomblin(登録商標)M60と対比して、表1に示す。
表1に示されたデータから、式(1)の(パー)フルオロポリエーテルは、市販のパーフルオロポリエーテル油に匹敵する優れた粘度指標を有していることが明らかである
実施例3
実施例1及び2で製造した化合物を熱安定性試験に供し、公知のパーフルオロポリエーテルであるFomblin(登録商標)M60と対比して、所定温度にての蒸発時の損失重量を評価した。結果を表2に示す。
実施例4
油に関するルイス酸に対する安定性試験を、5gの
− 実施例1の(パー)フルオロポリエーテル
− Fomblin(登録商標)M60
− Fomblin(登録商標)Z25 (数平均分子量10,000)
を用いて行った。
24時間後、流体の損失重量を測定した。結果は
− 実施例1の(パー)フルオロポリエーテルの場合で10%
− Fomblin(登録商標)M60の場合で50%
− Fomblin(登録商標)Z25の場合、試験開始から5時間後に完全に分解
である。
データを表3に示す。
実施例5
微小酸化に対する安定性試験を実施例1の油について行う。250℃にて24時間後、1.6%の損失重量が観察された。
実施例6
適切に洗浄した4つの鋼シートを、それぞれ、Galden SV70中5重量%の
− 実施例1の式(1)の(パー)フルオロポリエーテル
− 実施例2の式(1)の(パー)フルオロポリエーテル
− Fomblin(登録商標)YR1800 (パーフルオロアルキル末端基を有するパーフルオロエーテル)
− Fomblin(登録商標)M60 (パーフルオロアルキル末端基を有するパーフルオロエーテル)
の溶液で処理した。
乾燥後、上記シートを未処理シート(対照)と共に霧箱中に置き、「特徴付け」に記載した試験により防食特性を評価した。得られた結果を表4にまとめた。
表4のデータから、本発明の油で処理したシートは、長期の曝露期間でさえ、優れた耐食性を示すことが明かである。この長期の曝露期間は、匹敵する粘度指数を有する先行技術のパーフルオロポリエーテルが耐食性を示す期間より遥かに長い。
一方、公知のパーフルオロポリエーテル油で処理したシートは、未処理シートと同様であり、したがって防食特性は付与されなかった。
実施例7
以下のものを含有するGalden(登録商標)SV70の溶液を調製した:
− 5重量%のFomblin Y1800油、
− 0.3%の実施例1の化合物(1)。
この溶液を使用し、上記の腐食試験に関する記載に従ってシートを処理した。
次いで、シートを、上記シートを未処理シート(対照)及びFomblin Y1800油のみを含有するGalden SV70の溶液で処理したシートと共に霧箱中に置き、「特徴付け」に記載した試験により防食特性を評価した。
得られた結果を表5にまとめた。
本発明の化合物を添加した油で処理したシートは、400時間より長い長期の曝露期間でさえ、優れた耐食性(評価「0」)を示すことが明かである。
一方、油のみ(添加なし)で処理したシートは対象と同様であり、腐食からの保護は全く示されなかった。
実施例8
Y=Y'=-CF2CH2-であり、R'f=-(CF2CF2O)c(CF2O)d- (c及びdは-Y-R'f-Y'-の数平均分子量が2,000に等しい整数)である式(2)のパーフルオロポリエーテルジチオールの製造
(A1):Y=Y'=-CF2CH2-であり、Rf=-(CF2CF2O)c(CF2O)d- (c及びdは-Y-Rf-Y'-の数平均分子量が2,000に等しい整数)であり、R=CF3CF2CF2CF2-である式(3)の化合物の製造
34.2gのパーフルオロブタンスルホニルフルオリド(113ミリ当量)及び12.6gの無水トリエチルアミン(TEA)(124.3ミリ当量)を、室温にて不活性窒素雰囲気下に、機械式撹拌機、温度計及び100ml平衡滴下漏斗を備えた0.5リットルガラス反応器中に導入した。混合物を撹拌下に置き、アルコール及びドライアイス浴で−5℃〜−10℃の温度に冷却した。
この時点で、Y=Y'=-CF2CH2-であり、Rf=-(CF2CF2O)c(CF2O)d- (c及びdはY-Rf-Y'の数平均分子量が2,000に等しい整数)である式(4)のパーフルオロポリエーテルジオール100g(103ミリ当量)を供給した。
反応塊の温度を−5℃より低く維持するように滴下を調節した。滴下終了後、混合物を、パーフルオロポリエーテルジオールの変換が完了するまで温度で維持した。
次いで、混合物を室温まで昇温し、100mlのGalden(登録商標)D100で希釈し、フッ素化相をTEAから分離し、メチルアルコールを用いて2回の洗浄を行った(2×30ml)。
真空下での溶媒蒸留後、125gの式(3)のパーフルオロポリエーテルのスルホン酸ジエステルを得た(収率96%;選択率98〜99%)。
生成物の構造をNMR分析(19F、1H、13C)により確認した。
(B1)Y=Y'=-CF2CH2-であり、Rfが-(CF2CF2O)c(CF2O)d- (c及びdはY-Rf-Y'の数平均分子量が2,000に等しい整数)である式(5)の化合物の製造
機械式撹拌機、温度計及び凝縮器を備えた0.5リットルガラス反応器において、不活性窒素雰囲気下、100gの工程A)の(パー)フルオロポリエーテルのスルホン酸ジエステル(77ミリ当量)、9.7gのチオール酢酸カリウム(84.7ミリ当量)、100mlのエタノール及び100mlの1,3-ビス-トリフルオロメチル-ベンゼン(ヘキサフルオロキシレン;EFX)を導入した。
反応混合物を撹拌下に置き、内部温度が60℃〜70℃に達するまで加熱した。反応混合物を、スルホン酸ジエステルの変換が完了するまでその温度に維持した。
反応混合物を室温まで冷却し、反応の間に沈殿したパーフルオロブタンスルホン酸カリウムを濾過した。濾過した混合物を水で2回洗浄し(2×50ml)、各回、下方のフッ素化有機相を回収した。真空下でEFXの蒸留後、79.8gの黄色油を回収した。これを、NMR(19F、1H)により分析した。その結果、これは式(5)のパーフルオロポリエーテルのチオール酢酸ジエステルであった(収率98%;選択率98%)。
(C1)上記の式(2)の化合物の調製
機械式撹拌機、温度計及び濃縮器を備えた0.25リットルガラス反応器において、不活性窒素雰囲気下、工程B)で調製したパーフルオロポリエーテルのチオール酢酸ジエステル(5)40g(37.8ミリ当量)、40mlのEFX及び40mlのエタノールを導入した。このようにして得た溶液中に、4gの無水HClを室温にて通気した。次いで、反応混合物を80℃〜90℃まで加熱し、その温度で8時間維持した。
この時点で、反応混合物を室温に冷却し、水で2回洗浄を行い(2×20ml)、各回、下方のフッ素化有機相を回収した。溶媒の蒸発後、38gの式(2)のパーフルオロポリエーテルジチオールが得られた。これは黄色油のような外観を呈した(収率98%;選択率98%)。
実施例9(比較例)
工程(C1)を米国特許第3,810,874号に記載された教示に従って加水分解により行ったこと以外、実施例8を繰り返した。
機械式撹拌機、温度計及び20ml平衡滴下漏斗を備えた0.1リットルガラス反応器に、不活性窒素雰囲気下にて、
− 10g(9.45ミリ当量)のY=Y'=-CF2CH2-であり、Rfが-(CF2CF2O)c(CF2O)d- (c及びdはY-Rf-Y'の数平均分子量が2,000に等しい整数)である式(5)のパーフルオロポリエーテルのチオール酢酸ジエステル
− 10mlのEFX
を導入した。
このように得た溶液を撹拌下に置き、次に10gのKOHアルコール溶液(EtOH中20w/w%)を室温にて滴下した。1時間後、出発物質であるチオール酢酸ジエステルの変換が完了した。これを希HClで酸性化し、下方のフッ素化相を回収し、水で洗浄し、減圧下での蒸発により溶媒を除去した。
生成物(9g)は、NMR分析(19F及び1H)の結果、式(2)のパーフルオロポリエーテルジチオール(-SH 80モル%)と-CO2H型のカルボン酸基を末端に有するパーフルオロポリエーテル(16モル%)との混合物であった。その上、-S-及び-S-S-基を含有する副生物が存在した。
このように得た生成物は不十分な純度であり、本発明の油(1)を製造するために利用できない。
実施例10
Y=Y'=-CF2CH2O-(CH2)3-であり、Y-R'f-Y'の分子量が2,000に等しい式(4)の(パー)フルオロポリエーテルジオールを使用した以外、工程(A1)、(B1)、(C1)の全ての反応物について当量を同じ比率に維持して実施例8を繰り返した。式(2)のジチオールを、98%より高い収率及び選択率で得た。
Figure 2006291206
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Figure 2006291206
Figure 2006291206

Claims (25)

  1. 式:
    HS-(Y-R'f-Y'-S-Y-Rf-Y'S)n-H (1)
    [式中、
    − Rf、R'f鎖はパーフルオロポリオキシアルキレン鎖であり、互いに等しいか又は異なって、該鎖に沿って統計学的に配置された以下の構造:
    (CFXO)、(CF2CF2O)、(C3F6O)、(CF2(CF2)z'O) (z'は2又は3の整数である)、(CR4R5CF2CF2O) (X=F、CF3であり、R4及びR5は互いに等しいか又は異なって、H、Cl、又は1〜4の炭素原子のパーフルオロアルキルから選択される)
    を有する1又はそれより多い繰り返し単位から形成され、数平均分子量が500〜10,000、好ましくは800〜3,000であり、
    − Y及びY'は互いに等しいか又は異なって、-CF2CH2-、-CF(CF3)CH2-、-CFXCH2(OCH2CH2)z- (zは1〜4であり、Xは上記と同義である)、-CF2CH2O(CH2)3-、-CF(CF3)CH2O(CH2)3-から選択され、
    − nは化合物(1)の数平均分子量が3,000〜50,000となる1以上の正の整数である]
    を有する(パー)フルオロポリエーテル。
  2. 好ましいパーフルオロポリエーテルRf、R'f鎖が、以下の構造:
    (A) -O-(CF2CF(CF3)O)a(CFXO)b-CF2(Raf)CF2-O-(CF2CF(CF3)O)a(CFXO)b-
    [式中、XはF又はCF3であり、a及びbは数平均分子量が上記範囲となる整数であり、a/bは10〜100でありbは0ではなく、Rafは1〜4のC原子のフルオロアルキレン基である]
    (B) -O-(CF2CF2O)c(CF2O)d(CF2(CF2)z'O)h-
    [式中、c、d及びhは数平均分子量が上記範囲となる整数であり、c/dは0.1〜10でありdは0でなく、h/(c+d)は0〜0.05であり(c+d)は0でなく、z'は2又は3であり、hは0でもあり得る]
    (C) -O-(C3F6O)e(CF2CF2O)f(CFXO)g-
    [式中、XはF又はCF3であり、e、f、gは数平均分子量が上記範囲となる整数であり、e/(f+g)は0.1〜10であり(f+g)は0でなく、f/gは2〜10でありgは0でなく、(C3F6O)は式-(CF2CF(CF3)O)又は-(CF(CF3)CF2O)-の単位を表し得る]
    (D) -O-(CF2(CF2)z'O)s-
    [式中、sは上記分子量を与える整数であり、z'は上記と同義である]
    (E) -O-(CR4R5CF2CF2O)j'-又は-(CR4R5CF2CF2O)p'-Raf-O-(CR4R5CF2CF2O)q'-
    [式中、R4及びR5は互いに同じか又は異なって、H、Cl、又は1〜4のC原子のパーフルオロアルキルから選択され、Rafは1〜4のC原子のフルオロアルキレン基であり、j'、p'及びq'は分子量を上記分子量とする整数である]
    (F) -O-(CF(CF3)CF2O)j"-Ra'f-O-(CF(CF3)CF2O)j"-
    [j"は上記分子量を与える整数であり、Ra'fは1〜4のC原子のフルオロアルキレン基である]
    から選択される請求項1に記載のパーフルオロポリエーテル。
  3. パーフルオロポリエーテル鎖Rf、R'fが構造(A)及び(B)から選択される請求項2に記載の(パー)フルオロポリエーテル。
  4. 好ましくはルイス酸の存在下での、潤滑剤としての請求項1〜3のいずれか1項に記載の(パー)フルオロポリエーテルの使用。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の式(1)の油並びに防錆添加剤及び/又は酸化防止添加剤及び/又は耐磨耗添加剤を含む潤滑組成物。
  6. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の式(1)のパーフルオロポリエーテル油並びに増ちょう剤、好ましくはPTFE、ナトリウムテレフタラメート、カルシウム又はリチウムの石鹸、ポリ尿素から選択される増ちょう剤を含む潤滑グリース。
  7. 分散剤、好ましくは界面活性剤、より好ましくはパーフルオロポリエーテル又はパーフルオロアルキル構造を有する非イオン性界面活性剤、タルク及び/又は無機充填剤、防錆添加剤及び/又は酸化防止添加剤及び/又は耐磨耗添加剤を含む請求項6に記載の潤滑グリース。
  8. (I)任意にフッ素化有機溶媒の存在下、式:
    HS-Y-R'f-Y'-SH (2)
    の(パー)フルオロポリエーテルジチオールと式:
    RS(O)2O-Y-Rf-Y'-OS(O)2R (3)
    [式中、
    − Rf、R'f、Y及びY'は上記と同義であり、
    − Rは、炭素原子数が1〜4、好ましくは4のパーフルオロアルキル鎖、又は-CH3、-Ph-CH3、-Ph-NO2基である]
    の(パー)フルオロポリエーテルスルホン酸ジエステルとを、
    ジチオール(2)/スルホン酸ジエステル(3)のモル比0.5〜4、好ましくは1〜2で、
    ジチオール/塩基の当量比が0.5〜2、好ましくは1〜2である溶媒中に溶解された塩基の存在下、30℃〜120℃、好ましくは70℃〜100℃の温度にて反応し
    (II)工程(I)で得られた反応塊から沈殿した塩を分離し、有機相を例えば希酸水溶液で中和し、任意に残留有機塩を例えば水で繰り返し洗浄して除去し、次いで存在すれば溶媒を得られた生成物から除去すること
    を含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の式(1)の(パー)フルオロポリエーテルを製造する方法。
  9. 塩基が無機塩基、好ましくはKOHであるか、又は有機塩基、好ましくは第三級脂肪族、脂環式及び芳香族のアミン、より好ましくはトリエチルアミンである請求項8に記載の方法。
  10. 塩基として、5% w/w〜30% w/w、好ましくは10% w/w〜20% w/wの濃度のKOHアルコール溶液を使用する請求項9に記載の方法。
  11. フッ素化有機溶媒が、30℃〜150℃、好ましくは70℃〜100℃の沸点を有するパーフルオロ化溶媒、ヒドロフルオロ化溶媒又はこれらの混合物から選択され、例えばGalden(登録商標) D100(パーフルオロプロピルテトラヒドロピランとパーフルオロブチルテトラヒドロフランとの重量比1:1の混合物)である請求項8〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 溶媒/フッ素化ジチオールの重量比が0.5〜4、好ましくは1〜2である請求項8〜11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 反応時間が8〜24時間である請求項8〜12のいずれか1項に記載の方法。
  14. (A1)式:
    HO-Y-R'f-Y'-OH (4)
    [式中、R'f、Y及びY'は請求項8での定義と同義である]
    を有する(パー)フルオロポリエーテルジオールと式:
    RS(O)2W (6)
    [式中、W=ハロゲン、好ましくはFであり、
    Rは、炭素原子数が1〜4、好ましくは4のパーフルオロアルキル鎖、又は-CH3、-Ph-CH3、-Ph-NO2基(Phはフェニル)である]
    のスルホニルハライドとを、ジオール(4)/スルホニルハライド(6)の当量比1:1〜1:1.5、好ましくは1:1.1で、塩基/スルホニルハライドの当量比が1:1〜1:1.5、好ましくは1:1.1である塩基の存在下、−20℃〜10℃、好ましくは−10℃〜0℃の温度にて反応させて、式:
    RS(O)2O-Y-Rf-Y'-OS(O)2R (3)
    [式中、R、Rf、R'f、Y及びY'は請求項8での定義と同義である]
    の(パー)フルオロポリエーテルのスルホン酸ジエステルを得る反応
    (B1)式(3)の化合物と式CH3C(O)SMを有するアルカリ金属M、好ましくはカリウムのチオールアセテートとを、スルホン酸ジエステル(3)/チオールアセテートの当量比1:1〜1:1.2、好ましくは1:1.1で、フッ素化有機溶媒と、50℃より高い沸点を有する脂肪族アルコール、好ましくはエタノールとの1:1 v/v混合物の存在下、該溶媒混合物とスルホン酸ジエステル(3)の重量比0.5〜4、好ましくは1〜2で、不活性雰囲気中、30℃〜80℃、好ましくは50℃〜70℃の温度にて反応させて、式:
    CH3C(O)-S-Y-R'f-Y'-S-C(O)CH3 (5)
    [式中、R'f、YとY'は上記と同義である]
    の(パー)フルオロポリエーテルのチオール酢酸ジエステルを得る反応
    (C1)工程(B1)で得た混合物と無水HClとを、チオール酢酸ジエステル(5)/HClの当量比1:1〜1:10、好ましくは1:5〜1:7で、50℃〜100℃、好ましくは80℃〜100℃の温度にて反応させて、式(2)の(パー)フルオロポリエーテルジチオールを得る反応
    を含む式:
    HS-Y-R'f-Y'-SH (2)
    [式中、Rf、R'f、Y及びY'は上記と同義である]の(パー)フルオロポリエーテルジチオールを製造する方法。
  15. 工程(A1)において、第三級脂肪族、脂環式又は芳香族のアミン、好ましくはトリエチルアミン(TEA)を塩基として使用する請求項14に記載の方法。
  16. 工程(A1)の反応時間が8〜16時間である請求項14又は15に記載の方法。
  17. 工程(A1)の最後に、例えば反応塊をまずフッ素化有機溶媒、例えばGalden(登録商標)D100で希釈し、次にアルコール、例えばメタノールで繰り返し洗浄し、アンモニウム塩が豊富なアルコール相と有機相の2相を得て、有機相から有機溶媒の蒸発によって式(3)のパーフルオロポリエーテルスルホン酸ジエステルを単離して、式(3)の化合物を分離する請求項14〜16のいずれかに記載の方法。
  18. 工程(B1)において、フッ素化有機溶媒が脂肪族又は芳香族、好ましくは芳香族であることができ、或いは、該溶媒がパーフルオロ化溶媒又はヒドロフルオロ化溶媒から選択される請求項14〜17のいずれか1項に記載の方法。
  19. 工程(B1)の反応時間が一般に8〜16時間である請求項14〜18のいずれか1項に記載の方法。
  20. 工程(B1)の最後に、沈殿した有機塩を例えば濾過により分離し、反応塊を水で繰り返し洗浄し、式(5)の化合物を含有する有機相を水相から分離し、次いで化合物(5)を溶媒の蒸発により単離する請求項14〜19のいずれか1項に記載の方法。
  21. 工程(C1)の反応時間が8〜10時間である請求項14〜20のいずれか1項に記載の方法。
  22. 工程(C1)で得た反応混合物を水で繰り返し洗浄して2相を形成し、次いで化合物(2)を溶媒の蒸発により有機相より単離する請求項14〜21のいずれか1項に記載の方法。
  23. 式(2)の(パー)フルオロポリエーテルジチオールの請求項14〜22のいずれか1項に記載の製造を含む請求項8〜14のいずれか1項に記載の方法。
  24. 金属表面に耐食性を付与するための請求項1〜3のいずれか1項に記載のパーフルオロポリエーテルの使用。
  25. 0.05%から10%まで、好ましくは5%まで、より好ましくは3%までの量での、フッ素化油用、好ましくはパーフルオロポリエーテル油用の防食添加物としての請求項1〜3のいずれか1項に記載のパーフルオロポリエーテルの使用。
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